特許第6845269号(P6845269)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6845269
(24)【登録日】2021年3月1日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】ゲームプログラムおよびゲーム装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/67 20140101AFI20210308BHJP
   A63F 13/80 20140101ALI20210308BHJP
   A63F 13/533 20140101ALI20210308BHJP
   A63F 13/47 20140101ALI20210308BHJP
【FI】
   A63F13/67
   A63F13/80 D
   A63F13/533
   A63F13/47
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-28893(P2019-28893)
(22)【出願日】2019年2月20日
(62)【分割の表示】特願2017-244887(P2017-244887)の分割
【原出願日】2017年12月21日
(65)【公開番号】特開2019-111362(P2019-111362A)
(43)【公開日】2019年7月11日
【審査請求日】2019年3月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100127203
【弁理士】
【氏名又は名称】奈良 泰宏
(72)【発明者】
【氏名】服部 絵理子
(72)【発明者】
【氏名】雨宮 冴香
(72)【発明者】
【氏名】横山 真菜
(72)【発明者】
【氏名】坪倉 淑恵
(72)【発明者】
【氏名】前田 真実
(72)【発明者】
【氏名】小野澤 花菜
(72)【発明者】
【氏名】門間 絢香
【審査官】 宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−050965(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0113164(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00−13/98,9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる操作を受けつける操作部と記憶部とを備えたゲーム装置を、
少なくとも1つの所定のイベントを発生させるゲーム進行手段、
前記イベントごとに、前記ユーザの性格に関する情報がそれぞれ対応づけられた複数の第1回答選択肢候補から前記複数の第1回答選択肢候補の総数よりも少ない数で選択される少なくとも1つの第1回答選択肢を用いて、前記ユーザが選択すべき第1選択肢群を生成する選択肢生成手段、
前記ユーザの前記操作部に対する操作に基づいて、前記第1選択肢群から1つの回答結果を選択する選択手段、および
前記選択手段によって選択された前記回答結果に対応づけられた前記ユーザの前記性格に関する情報を分析して、前記ユーザの前記性格を特定した分析結果を前記記憶部に記憶させる分析手段、
として機能させ、
前記選択肢生成手段は、前記分析手段による前記分析結果に基づいて、それ以降で発生する新たなイベントの少なくともいずれか1つにおいて、特定された前記ユーザの前記性格に関する情報が対応づけられた前記第1回答選択肢を含ませて前記第1選択肢群を生成し、所定のタイミングにおいて、前記ユーザの選択肢群提示時における気持ちに関する情報が対応づけられた少なくとも2つの第2回答選択肢で構成される第2選択肢群を前記ユーザに提示し、前記ユーザの操作に基づいてその第2選択肢群に対して前記選択手段が選択した選択結果に応じて、前記第1回答選択肢を選択し直して新たな前記第1選択肢群を生成する、
ゲームプログラム。
【請求項2】
前記所定のタイミングは、前記第1選択肢群が提示される前および前記ゲーム進行手段によってゲームが開始される前のうち少なくともいずれかである、
請求項に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のゲームプログラムを記憶する記憶部と、前記ゲームプログラムを実行する制御部と、
を備えるゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の選択肢から1つの選択肢をユーザに選択させることによって進行するゲームを実行するためのゲームプログラムおよびゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の選択肢から1つの選択肢をユーザが選択することによって進行するゲームが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなゲームにおいては、ユーザがいずれかの選択肢を選択した場合には、その選択肢に基づいたイベントが発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−100914号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユーザの性格的に、いずれの選択肢も選択肢としてふさわしくない場合がある。そのような場合であっても、ゲームを進めるためにユーザはいずれかの選択肢を選択する必要がある。この場合には、ユーザが自身の考えとは異なる回答をする必要があり、ゲームに対する没入感がなくなってしまうおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、選択肢にユーザ自身の性格を反映させていくことのできるゲームを実行するためのゲームプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、
ユーザによる操作を受けつける操作部と記憶部とを備えたゲーム装置を、
少なくとも1つの所定のイベントを発生させるゲーム進行手段、
前記イベントごとに、前記ユーザの性格に関する情報がそれぞれ対応づけられた複数の第1回答選択肢候補から前記複数の第1回答選択肢候補の総数よりも少ない数で選択される少なくとも1つの第1回答選択肢を用いて、前記ユーザが選択すべき第1選択肢群を生成する選択肢生成手段、
前記ユーザの前記操作部に対する操作に基づいて、前記第1選択肢群から1つの回答結果を選択する選択手段、および
前記選択手段によって選択された前記回答結果に対応づけられた前記ユーザの前記性格に関する情報を分析して、前記ユーザの前記性格を特定した分析結果を前記記憶部に記憶させる分析手段、
として機能させ、
前記選択肢生成手段は、前記分析手段による前記分析結果に基づいて、それ以降で発生する新たなイベントの少なくともいずれか1つにおいて、特定された前記ユーザの前記性格に関する情報が対応づけられた前記第1回答選択肢を含ませて前記第1選択肢群を生成し、所定のタイミングにおいて、前記ユーザの選択肢群提示時における気持ちに関する情報が対応づけられた少なくとも2つの第2回答選択肢で構成される第2選択肢群を前記ユーザに提示し、前記ユーザの操作に基づいてその第2選択肢群に対して前記選択手段が選択した選択結果に応じて、前記第1回答選択肢を選択し直して新たな前記第1選択肢群を生成する、
ゲームプログラムである。
【0008】
また、前記所定のタイミングは、前記第1選択肢群が提示される前および前記ゲーム進行手段によってゲームが開始される前のうち少なくともいずれかであることが好ましい。
【0009】
第2の発明は、第1の発明のゲームプログラムを記憶する記憶部と、前記ゲームプログラムを実行する制御部と、
を備えるゲーム装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、選択肢にユーザ自身の性格を反映させていくことのできるゲームを実行するためのゲームプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態における、ゲーム装置の機能的構成を示す図である。
図2】イベントごとの第1回答選択肢候補を説明する図である。
図3図1におけるゲーム装置のゲーム画面を示す図である。
図4図1におけるゲーム装置のゲーム画面を示す図である。
図5】本実施形態における、選択肢生成処理を示すフローチャートである。
図6】他の実施形態における、ゲーム装置のゲーム画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施形態]
本発明の実施の形態にかかるゲーム装置1について、図1図5を参照して説明する。
【0013】
<ゲームの説明>
図1に示される本発明のゲーム装置1では、例えば図3図4のとおり、本発明のゲームプログラムにより実行されるゲームとしてのイベントが発生する。
【0014】
このイベントにおいては、ユーザの性格に関連する情報が対応づけられた選択肢が提示される。例えば、「電車の席に座っているあなたの前にお年寄りが立っています。あなたならどうしますか?」というイベント(設問)に対して提示される選択としては、「優しい性格」が対応づけられた「声をかけて席を譲る」、「冷たい性格」が対応づけられた「無視をする」がある。
【0015】
これらの「声をかけて席を譲る」、「無視をする」には、図2のとおり、対応するそれぞれの性格についての点数が設定されている。そして、これらのイベントに回答することにより、少しずつユーザの性格が特定されて、ゲームが進むにつれてユーザが選択しそうな選択肢が選択肢に挙げられるようになる。
【0016】
<ハードウェア構成>
図1を参照して、本発明のゲームプログラムを提供するサーバ装置2のハードウェア構成、および、サーバ装置2からダウンロードされたゲームプログラムを用いてゲームが実行されるゲーム装置1のハードウェア構成について説明する。
【0017】
なお、各ユーザには、それぞれ異なるアカウントが付与される。そして、アカウントごとにID(識別符号)が付与される。各ゲーム装置1が通信ネットワーク3を介してサーバ装置2と通信を行う場合には、当該ゲーム装置1からユーザのアカウントが送信される。送信されたアカウントは、サーバ装置2において所定の認証がなされる。これにより、サーバ装置2と各ゲーム装置1との通信が可能となる。
【0018】
<サーバ装置2の説明>
サーバ装置2は、制御部20、記憶部21、および、ネットワークインターフェース22を備える。
【0019】
記憶部21およびネットワークインターフェース22は、バス200を介してサーバ装置2の制御部20に接続される。
【0020】
制御部20は、サーバ装置2の動作を制御する。
【0021】
記憶部21は、主にHDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)で構成される。記憶部21には、例えば、本発明のゲームプログラムを配信するための配信プログラムおよびデータが記憶される。
【0022】
ネットワークインターフェース22は、サーバ装置2とゲーム装置1との間でデータを送受信するために、通信ネットワーク3に接続される。
【0023】
<サーバ装置2の制御部20の機能的構成>
サーバ装置2の制御部20は、前記配信プログラムを実行することにより、情報処理手段201、照合手段202、および配信手段203として機能する。
【0024】
情報処理手段201は、本発明のゲームプログラムの配信に必要なデータを、ゲーム装置1との間で送受信する。
【0025】
情報処理手段201がゲーム装置1から受信する情報としては、例えば、ダウンロード要求情報およびユーザのアカウント情報が含まれる。
【0026】
情報処理手段201がゲーム装置1へ送信する情報としては、例えば、本発明のゲームプログラムがゲーム装置1へ適切に配信されたか否かの情報が含まれる。
【0027】
照合手段202は、ゲーム装置1から送信されるユーザのID等を用いて、ユーザのアカウントの認証を行う。
【0028】
配信手段203は、情報処理手段201でダウンロード要求情報およびユーザのアカウント情報を受信したのち、本発明のゲームプログラムをゲーム装置1に配信する。
【0029】
<ゲーム装置1の説明>
ゲーム装置1は、スピーカ130、液晶画面140、およびタッチパッド150が内蔵される、例えば、スマートフォンなどの端末装置である。このゲーム装置1において、サーバ装置2から配信されたゲームプログラムおよびデータに基づいてゲームが進行する。
【0030】
また、ゲーム装置1は、他ゲーム装置1およびサーバ装置2との間で、インターネットあるいはLANなどの通信ネットワーク3を介して互いにデータ通信をすることができる。
【0031】
ゲーム装置1は、制御部10、記憶部11、ネットワークインターフェース12、オーディオ処理部13、グラフィック処理部14、および操作部15を備える。
【0032】
記憶部11、ネットワークインターフェース12、オーディオ処理部13、グラフィック処理部14、および操作部15は、バス100を介して、制御部10に接続される。
【0033】
制御部10は、ゲーム装置1の動作を制御する。
【0034】
記憶部11は、主にHDD、RAMおよびROMで構成される。記憶部11には、例えば、本実施形態におけるゲームを実行するためのゲームプログラムおよびデータが記憶される。
【0035】
ネットワークインターフェース12は、ゲーム装置1とサーバ装置2との間でデータを送受信するために、通信ネットワーク3に接続される。これにより、ゲーム装置1に本発明のゲームプログラムおよびゲームデータがダウンロードされる。
【0036】
オーディオ処理部13は、制御部10の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生および合成する。また、オーディオ処理部13には、スピーカ130が接続される。ゲーム音声は、スピーカ130から出力される。
【0037】
グラフィック処理部14は、制御部10の指示に従って仮想ゲーム空間およびキャラクタなどを含むゲーム画像を動画形式で描画する。グラフィック処理部14にて動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面として液晶画面140に表示される。
【0038】
操作部15には、ユーザからの操作信号が入力される。本実施形態において操作部15には、入力位置検出装置であるタッチパッド150を介してユーザからの操作信号が入力される。ユーザはタッチパッド150をタッチすることによって、選択肢の選択、あるいは、オブジェクトの操作等を行う。
【0039】
<ゲーム装置1の制御部10の機能的構成>
ゲーム装置1の制御部10は、サーバ装置2からゲーム装置1にダウンロードしたゲームプログラムを実行することで、ゲーム進行手段101、通信手段102、選択肢生成手段103、選択手段104、および、分析手段105として機能する。
【0040】
<ゲーム進行手段101の説明>
ゲーム進行手段101は、ゲームデータに含まれるゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部11から読み出し、二次元または三次元の仮想ゲーム空間を生成する。
【0041】
また、ゲーム進行手段101は、仮想ゲーム空間にキャラクタオブジェクトを配置する。
【0042】
また、ゲーム進行手段101は、ユーザによるタッチパッド150への操作信号、および、ゲームの進行状況に応じて、所定のイベントを発生させる。
【0043】
また、ゲーム進行手段101は、選択肢生成手段103が生成した第1選択肢群41に関する情報、および、選択手段104が選択した回答結果に関する情報を受け取って、ゲーム画面を生成する。
【0044】
<通信手段102の説明>
通信手段102は、例えば、ユーザの操作に基づいて、新たなゲームデータのダウンロード要求情報をサーバ装置2に送信する。このゲームデータは、例えば、ユーザが課金することによって新たに使用することができるようになるアイテム(例えば、スタミナ回復薬)などのデータである。
【0045】
<選択肢生成手段103の説明>
選択肢生成手段103は、図3図4のとおり、イベントごとに、ユーザが選択すべき第1選択肢群41を生成する。この第1選択肢群41には、ユーザの性格(第1属性)に関する情報がそれぞれ対応づけられた複数の第1回答選択肢候補から複数の第1回答選択肢候補の総数よりも少ない数で選択される少なくとも1つの第1回答選択肢411と、第1回答選択肢411のいずれでもないことを示す無回答選択肢412とが含まれる。
【0046】
本実施形態では、選択肢生成手段103は、イベントごとにあらかじめ設定された項目、およびその項目に含まれる性格に関連づけられた10個の第1回答選択肢候補の中から選択された2つの第1回答選択肢411と、無回答選択肢412とを含む第1選択肢群41を生成する。
【0047】
ユーザの性格に関する情報としては、例えば図2のとおり、優しさに関する項目、積極性に関する項目、および勤勉性に関する項目がある。優しさに関する項目には、「優しい性格」および「冷たい性格」が対応づけられている。積極性に関する項目には、「積極的な性格」および「消極的な性格」が対応づけられている。勤勉性に関する項目には、「勤勉な性格」および「怠惰な性格」が対応づけられている。
【0048】
例えば、優しさに関する項目に関するイベントでは、「電車の席に座っているあなたの前にお年寄りが立っています。あなたならどうしますか?」という設問に対する「優しい性格」の第1回答選択肢候補には、「声をかけて席を譲る」、「黙って席を譲る」などがある。そして、例えば、「声をかけて席を譲る」には優しさ5点、「黙って席を譲る」には優しさ3点などのように各第1回答選択肢候補には点数がつけられている。後述するとおり、記憶部11には、性格ごとにこれらの点数が累計される。
【0049】
また、選択肢生成手段103は、後述の分析手段105による分析結果に基づいて、直後に発生する新たなイベントにおいて、特定されたユーザの性格に関する情報が対応づけられた第1回答選択肢411を含ませて第1選択肢群41を生成する。
【0050】
また、選択肢生成手段103は、図3においてユーザが無回答選択肢412を選択した場合には、図4のとおり、複数の第1回答選択肢候補からまだ選択されていない第1回答選択肢候補を新たに第1回答選択肢411として2つ選択して、新たな第1選択肢群41を生成する。図4の例では、図3の例における「無視をする」、「寝たふりをする」以外の「黙って席を譲る」、「にらみつける」が第1回答選択肢411として設定されている。
【0051】
<選択手段104の説明>
選択手段104は、ユーザによるタッチパッド150に対する操作に基づいて、第1選択肢群41から1つの回答結果を選択する。選択手段104が選択した回答結果は、ゲーム進行手段101および選択肢生成手段103等に送信される。
【0052】
<分析手段105の説明>
分析手段105は、選択手段104によって選択された回答結果に対応づけられたユーザの性格に関する情報を分析して、ユーザの性格を特定した分析結果を記憶部11に記憶させる。
【0053】
前述のとおり、第1回答選択肢候補には、それぞれ点数がつけられている。ユーザが選択肢を選択すると、それに基づいて、性格ごとに点数が累計される。そして例えば、「優しい性格」に10点、「冷たい性格」に2点が累計されている場合には、分析手段105は、ユーザは「優しい性格」であると特定する。また、分析手段105は、これらの分析結果を記憶部11に記憶させる。
【0054】
<選択肢生成処理の説明>
以下、図5を参照して、本発明の選択肢生成処理について説明する。
【0055】
まず、ゲーム進行手段101は、イベントを発生させるための設定を行う(ステップS1)。具体的には、ゲーム進行手段101は、当該ゲームでいずれのイベントを発生させるかを決定する。このイベントは、図2のとおり、設問があらかじめ定められた複数のイベントの中から選択される。
【0056】
ついで、選択肢生成手段103が、記憶部11に記憶されたユーザの性格の分析結果を参照する(ステップS2)。ここで、当該イベントよりも以前にイベントが発生しており、その際にユーザの性格が分析されている場合には、その分析結果が参照される。一方、当該イベントよりも以前にイベントが発生していない場合には、ユーザの性格は特定されていないという分析結果が参照される。
【0057】
ついで、選択肢生成手段103が、ユーザの性格の分析結果に基づいて、第1選択肢群41を生成する(ステップS3)。例えば、分析結果によりユーザが優しい性格と特定されている場合には、選択肢生成手段103は、優しい性格が対応づけられた第1回答選択肢411を優先して第1選択肢群41に含める。
【0058】
ついで、選択手段104が、ユーザが無回答選択肢412を選択したか否かを判定する(ステップS4)。
【0059】
ユーザが無回答選択肢412ではなく、いずれかの第1回答選択肢411を選択したと判定された場合(S4:NO)には、分析手段105がユーザの性格を分析し、その分析結果を記憶部11に記憶させる(ステップS5)。その後、本発明の選択肢生成処理は終了する。
【0060】
一方、ユーザが無回答選択肢412を選択したと判定された場合(S4:YES)には、選択肢生成手段103は、第1選択肢群41を再生成する(ステップS6)。具体的には、選択肢生成手段103は、無回答選択肢412が選択されたときの第1選択肢群41を破棄し、その第1選択肢群41に含まれていなかった2つの第1回答選択肢411と無回答選択肢412とで、新たな第1選択肢群41を生成する。
【0061】
ついで、選択手段104が、ユーザが無回答選択肢412を選択したか否かを判定する(ステップS7)。
【0062】
ユーザが無回答選択肢で412はなく第1回答選択肢411を選択したと判定された場合(S7:NO)には、分析手段105がユーザの性格を分析し、その分析結果を記憶部11に記憶させる(ステップS5)。その後、本発明の選択肢生成処理は終了する。
【0063】
一方、ユーザが無回答選択肢412を選択したと判定された場合(S7:YES)には、選択肢生成手段103は、第1選択肢群41を再生成する(ステップS6)。この手順は、ユーザがいずれかの第1回答選択肢411を選択するまで継続される。
以上の手順により、本発明の選択肢生成処理が実行される。
【0064】
なお、前述された制御手段および処理手順は一例であり、本発明の実施形態はこれらには限られない。処理手順等は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0065】
以上をまとめると、本実施形態のゲームプログラムは、
ユーザによる操作を受けつけるタッチパッド150と記憶部11とを備えたゲーム装置1を、
少なくとも1つの所定のイベントを発生させるゲーム進行手段101、
イベントごとに、ユーザの第1属性(優しい性格、冷たい性格、など)に関する情報がそれぞれ対応づけられた複数の第1回答選択肢候補(声をかけて席を譲る、無視をする、寝たふりをする、などの10個の選択肢)から複数の第1回答選択肢候補の総数よりも少ない数で選択される少なくとも1つの第1回答選択肢411(2つの第1回答選択肢411)と、第1回答選択肢411のいずれでもないことを示す無回答選択肢412と、を用いて、ユーザが選択すべき第1選択肢群41(無視をする、寝たふりをする、無回答)を生成する選択肢生成手段103、
ユーザのタッチパッド150に対する操作に基づいて、第1選択肢群41から1つの回答結果を選択する選択手段104、および
選択手段104によって選択された回答結果に対応づけられたユーザの第1属性に関する情報を分析して、ユーザの第1属性を特定した分析結果を記憶部11に記憶させる分析手段105、
として機能させ、
選択肢生成手段103は、分析手段105による分析結果に基づいて、直後に発生する新たなイベントにおいて、特定されたユーザの第1属性に関する情報が対応づけられた第1回答選択肢411(黙って席を譲る、など)を含ませて第1選択肢群41を生成する。
【0066】
<発明の効果>
本実施形態のゲームプログラムによれば、選択肢にユーザ自身の性格を反映させていくゲームを実行することができる。
【0067】
従来のゲームにおいては、ユーザは、提示された選択肢の中から必ずいずれか1つの選択肢を選択する必要があり、ユーザ自身の本心ではない選択肢であっても強制的に選択させられていた。例えば、現実の電車の中で目の前にお年寄りが立っていた場合に、優しくても声をかけられずにただ席から立ち去ることを選択する人は、ゲーム内においても、「声をかけて席を譲る」あるいは「無視をする」といった、自身の本心とは異なる選択肢を選択することに躊躇することが多かった。それにもかかわらず、強制的に選択させられた選択肢によってイベントが進んだり、ユーザの嗜好が決定されたりしていた。
【0068】
本発明によれば、このようなユーザに対して無回答選択肢を提示したのちに様々な内容の選択肢を提示することで、例えば「このユーザは優しさはあるが、積極性がない性格」であると分析することができる。その結果、そのユーザに適した選択肢が提示されるようになっていき、ひいては、選択肢にユーザ自身の性格を反映させていくゲームを提供することができる。
【0069】
[他の実施形態]
前記実施形態においては、選択肢生成手段は、ユーザが回答結果として無回答選択肢を選択した場合には、複数の第1回答選択肢候補からまだ選択されていない第1回答選択肢候補を新たに第1回答選択肢として少なくとも1つ選択して、新たな第1選択肢群を生成する例が記載されているが、本発明はこれには限られない。
【0070】
例えば、選択肢生成手段は、ユーザが回答結果として無回答選択肢を選択した場合には、ユーザの今の気持ち(第2属性)に関する情報が対応づけられた少なくとも2つの第2回答選択肢で構成される第2選択肢群をユーザに提示する。この場合には、ユーザの操作に基づいてその第2選択肢群に対して選択手段が選択した選択結果に応じて、選択肢生成手段は、第1回答選択肢を選択し直して第1選択肢群を生成する。
【0071】
具体的には、例えば、図6のとおり、ユーザの今の気持ちが「優しくしたい」(第2回答選択肢)であるか「冷たくしたい」(第2回答選択肢)であるかのゲージ(第2選択肢群)が設けられており、このゲージに対してユーザが今の気持ちに該当する程度を選択することができる。そして、ユーザがどちらかというと「優しくしたい」という気持ちが強いと入力した場合には、それ以降で優しい性格が対応づけられた選択肢が第1選択肢群に設定されやすくなる。
【0072】
また、ユーザが無回答選択肢を選択した後にゲージが表示されるのではなく、第1選択肢群が提示される前にゲージがユーザに提示されてもよい。また、ゲーム開始前の設定画面において、ゲージが提示されて、その結果がゲームに反映されてもよい。
【0073】
また、前記実施形態とは異なり、ユーザが無回答選択肢を選択した場合に新たな第1選択肢群が生成されず、そのイベントをスキップして別の新たなイベントが生成されてもよい。この場合には、ユーザが強制的に選択肢を選択させられることがなくなり、より一層本発明の作用効果が発揮されうる。なお、この場合において、ユーザが無回答選択肢を選択したことは、分析手段による分析には用いられなくてもよい。
【0074】
また、ユーザが無回答選択肢を選択してスキップされたイベント以降のイベントでは、ユーザが無回答選択肢を選択したときに表示されていた第1回答選択肢に対応づけられた第1属性とは異なる第1回答選択肢が表示されてもよい。
【0075】
また、前記実施形態では、イベントごとに優しさ、積極性などの項目のうちいずれか1つの項目が対応づけられていたが、本発明はこれには限られない。「声をかけて席を譲る」に優しさ5点および積極性5点、「黙って席を譲る」には優しさ5点および積極性3点などのように点数がつけられていてもよい。この場合には、1つのイベントで、「優しさがあるが、積極性が低い」などのように複数の項目にまたがってユーザの性格を分析することができる。
【0076】
また、前記実施形態に記載されたイベント以外にも様々なイベントの例が考えられる。例えば、「友達に用事がある場合、あなたならどうしますか?」というイベントに対して、「友達に電話をかける」、「友達の家に行く」、「友達にメールをする」が第1回答選択肢として提示されてもよい。このように、様々な状況のイベントが十分に用意されれば、より一層ユーザの性格分析を正確に行うことができるようになる。
【0077】
前記実施形態においては、選択肢生成手段は、分析手段による分析結果に基づいて、直後に発生する新たなイベントにおいて、特定されたユーザの性格に関する情報が対応づけられた第1回答選択肢を含ませて第1選択肢群を生成する例が記載されている。しかしながら、本発明はこれには限られない。選択肢生成手段は、分析結果に基づいて、例えば、3つめ以降のイベントにおいて、特定されたユーザの性格に関する情報が対応づけられた第1回答選択肢を含ませて第1選択肢群を生成してもよい。
【0078】
また、前記実施形態においては、ゲーム装置はスマートフォンなどの端末装置である例が記載されているが、本発明は、これには限られない。例えば、ディスプレイおよびコントローラが外部接続される据え置き型のゲーム装置、あるいは、パーソナルコンピュータであってもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 ゲーム装置
101 ゲーム進行手段
102 通信手段
103 選択肢生成手段
104 選択手段
105 分析手段
2 サーバ装置
201 情報処理手段
202 照合手段
203 配信手段
3 通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6