(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6845341
(24)【登録日】2021年3月1日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】防曇電子タバコ
(51)【国際特許分類】
A24F 40/46 20200101AFI20210308BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20210308BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/42
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-542469(P2019-542469)
(86)(22)【出願日】2017年12月1日
(65)【公表番号】特表2020-508649(P2020-508649A)
(43)【公表日】2020年3月26日
(86)【国際出願番号】CN2017114311
(87)【国際公開番号】WO2018157638
(87)【国際公開日】20180907
【審査請求日】2019年9月27日
(31)【優先権主張番号】201710113603.6
(32)【優先日】2017年2月28日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514080006
【氏名又は名称】深▲せん▼市康泓威科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN HAPPY VAPING TECHNOLOGY LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】林光榕
(72)【発明者】
【氏名】鄭賢彬
【審査官】
田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】
特表2015−530098(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第106418721(CN,A)
【文献】
中国特許出願公開第104921307(CN,A)
【文献】
中国実用新案第205567814(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00
A24F 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
防曇電子タバコであって、
着脱可能に接続されたアトマイザーおよび電池パックを含み、前記アトマイザーは、ケースおよび霧化装置を含み、
前記ケースの上端面の中心には喫煙口が設けられ、ケースの下端が開放端であり、前記喫煙口にはケース内に延びるように煙管が設けられ、前記ケースの壁部内には、開放端から上へ少なくとも1つの吸気路が設けられ、前記ケースの外壁には、吸気路の上部に連通するように第1吸気口が設けられ、前記ケースの内壁には、吸気路の下部に連通するように第2吸気口が設けられ、前記ケースの外壁における開放端に近い一部が縮径して挿入接続部が形成され、前記電池パックの一端には、前記挿入接続部にマッチングして接続された挿入接続ポートが設けられ、
前記霧化装置は、ケース開放端内に設けられ、前記霧化装置の中間部には霧化室設けられ、霧化室外を周回するように吸液室が設けられ、霧化装置の底部には吸気室が設けられ、前記ケースの内壁と煙管の外壁および霧化装置の上部とによって囲まれてタバコ液体を貯留する貯液室を構成し、前記貯液室が吸液室に連通し、前記霧化室の上部が煙管に連通し、下部が吸気室に連通し、前記吸気室が第2吸気口を介して吸気路に連通し、前記貯液室及び吸液室が前記煙管、霧化室、吸気室、吸気路と仕切られて密封され、
前記霧化室内には架空の導液バーが設けられ、導液バーの中間部には発熱線が巻回されて設けられ、導液バーの両端が吸液室に延び、吸液室における電子タバコのタバコ液体は、導液バーによって吸収されて発熱線に輸送され、そこで加熱霧化されることができ、その後に前記霧化室内に電子タバコの煙が形成され、
前記霧化装置の底部には、吸気室に離隔された第1正負電極が設けられ、前記挿入接続部が前記電池パックの挿入接続ポート内に挿入接続された時、前記第1正負電極は、それぞれ前記電池パックの挿入接続ポート内の第2正負電極に互いに当接して電気的に接続されていることを特徴とする防曇電子タバコ。
【請求項2】
前記霧化装置は、霧化座、スロットルシート、シールスリーブ、接続スリーブおよび電極ホルダをさらに含み、前記霧化座の外壁は、前記ケースの下部の内壁にマッチングして嵌合接続され、前記霧化座の中心が円筒であり、円筒の底部には第4吸気口が設けられ、円筒の外周にはリング溝が設けられ、円筒の壁部の上端面には、前記導液バーを架設するための1対のノッチが下向きに対称的に設けられて、前記スロットルシートは、前記霧化座の上端面にカバーして設けられ、スロットルシートには中心孔が設けられ、中心孔の周囲にはオリフィスが設けられ、前記中心孔が前記円筒の内部に連通し、前記オリフィスが前記霧化座のリング溝に連通し、前記シールスリーブは、前記煙管の底端の外壁および端面に密着して嵌設され、シールスリーブの下端面は、前記円筒の壁部の上端面に当接し、前記接続スリーブの上部の内壁は、前記シールスリーブの外壁に密着して嵌設され、接続スリーブの下部の外壁は、前記スロットルシートの中心孔の内壁に密着して嵌設され、接続スリーブの下部の内壁は、前記円筒の外壁に密着して嵌設され、接続スリーブの管壁には、導液バーの配置位置に対応するように、導液バーが横切る逆U字形の切欠きが設けられ、前記電極ホルダには、前記ケースの開放端の端面と同じ形状の底板が設けられ、前記底板には、前記第1正負電極が貫通して設けられ、底板の周りには、底板に垂直な一回りの立ち壁が設けられ、前記立ち壁は、前記霧化座の底部に当接し、前記霧化座の底部には2つのボスが設けられ、前記ボスの下端面は、電極ホルダの底板に密封して当接し、前記ボスの中間部には、前記第1正負電極を収容可能な収容室が設けられ、前記シールスリーブの底部と円筒の内壁、円筒の底部とによって囲まれて前記霧化室を構成し、前記スロットルシートと前記霧化座のリング溝とによって囲まれて前記吸液室を構成し、前記電極ホルダの底板および立ち壁と前記霧化座の底部とによって囲まれて前記吸気室を構成し、前記霧化座の外壁の下部における第2吸気口に対向する位置には、第3吸気口が内向きに凹むように設けられ、第3吸気口は前記吸気室に連通していることを特徴とする請求項1に記載の防曇電子タバコ。
【請求項3】
前記円筒のノッチがU字形をなし、ノッチの底部には、導液バーを配置するラックがリング溝内に延びるように設けられ、前記霧化座の外周端面には位置決め切欠きが設けられ、前記スロットルシートは、前記ラックに対応する位置に中心孔の孔壁に沿って垂直下方に延びるように、前記円筒のノッチを塞ぐ封口板が設けられ、前記封口板の底部端面には、導液バーの配置位置に対応するように、導液バーが横切るノッチが上向きに設けられ、前記スロットルシートにおける前記霧化座の位置決め切欠きに対応する位置には、位置決め切欠きにマッチングする位置決めボスが下向きに設けられ、前記位置決めボスの内側には、霧化座のリング溝内を挿入する側板が中心孔の孔壁に沿って下向きに設けられていることを特徴とする請求項2に記載の防曇電子タバコ。
【請求項4】
前記霧化座の底部と前記電極ホルダの立ち壁の上端面との接続部には、環状接続面が設けられ、環状接続面の内側には、凸状の台部が下向きに形成され、前記台部の表面には、前記環状接続面に向かって移行傾斜面が設けられ、前記電極ホルダの立ち壁の上端面の内側部分は、前記移行傾斜面に密着し、前記台部には、移行傾斜面の内側に近い箇所に一回りの環状細溝が設けられ、前記環状細溝と環状接続面との間は、一回りの台形凸リングが構成されていることを特徴とする請求項2に記載の防曇電子タバコ。
【請求項5】
前記霧化座は、軟性耐高温材料で作製されて、その外壁にシール性能を向上させるための複数の霧化座の凸リングが設けられ、前記シールスリーブは、軟性耐高温材料で作製されて、その内壁と外壁にシール性能を向上させるための複数のシール凸リングが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の防曇電子タバコ。
【請求項6】
前記霧化座の底部には、液体注入孔がさらに設けられ、前記電極ホルダの底板には、前記液体注入孔に対応する位置にプランジャーが設けられ、前記プランジャーは、前記液体注入孔を挿入して塞ぐことが可能であることを特徴とする請求項2に記載の防曇電子タバコ。
【請求項7】
前記電極ホルダの立ち壁の外側には第1凸状スナップが設けられ、前記挿入接続部の内壁には、前記第1凸状スナップに対応してスナップフィットされる第1係合溝が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の防曇電子タバコ。
【請求項8】
前記挿入接続部の外壁には第2凸状スナップが設けられ、前記電池パックの挿入接続ポートの内壁には、前記第2凸状スナップに対応してスナップフィットされる第2係合溝が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の防曇電子タバコ。
【請求項9】
前記第1吸気口は、挿入接続部の側壁に設けられ、前記電池パックの挿入接続ポートの外壁における第1吸気口に対応する位置には、外部吸気口が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の防曇電子タバコ。
【請求項10】
前記ケースは、上から下へ断面が徐々に大きくなる楕円形であり、前記電池パックの断面は楕円形であることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の防曇電子タバコ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子タバコの技術分野に関し、より具体的には、本発明は、防曇電子タバコに関する。
【背景技術】
【0002】
着脱可能な電子タバコは、一般的にアトマイザーおよび電池パックを含み、アトマイザーには、電子タバコのタバコ液体を貯留する貯液室が設けられ、電子タバコのタバコ液体を加熱霧化するように霧化装置がさらに設けられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の煙を排出する通路がアトマイザー中心に設けられた電子タバコであって、そのアトマイザーの底部に垂直して連通する吸気貫通穴が設けられ、かつアトマイザーの正負電極に通常にシールが設けられるため、喫煙後に発生した煙は、吸気貫通穴および正負電極内の隙間を通過して逆流が発生しやすく、アトマイザーに接続された電池パックの接続ポート内に逆流することができ、煙における蒸気が電池パック接続ポートに凝縮することを容易にし、電極との間のショートおよび水滴の電池パック内の侵入による回路の腐食が起こりやすく、電子タバコを故障させ、使用者にも悪い使用体験をもたらす。
【0004】
本発明の目的は、構造の改善により、吸気通路が霧化室、喫煙通路と垂直して連通することを回避して吸気室を増大させ、喫煙後に発生する電子タバコの煙が逆流しにくいようにし、逆流が発生しても、煙における蒸気が水滴に凝縮して吸気室内に収集し、蒸気が逆流して電池パックの接続ポート内に凝縮することを防止する防曇電子タバコを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の技術的解決手段は、以下のように実現される。該防曇電子タバコは、着脱可能に接続されたアトマイザーおよび電池パックを含み、前記アトマイザーは、ケースおよび霧化装置を含む。
【0006】
前記ケースの上端面の中心には喫煙口が設けられ、ケースの下端が開放端であり、前記喫煙口にはケース内に延びるように煙管が設けられ、前記ケースの壁部内には、開放端から上へ少なくとも1つの吸気路が設けられ、前記ケースの外壁には、吸気路の上部に連通するように第1吸気口が設けられ、前記ケースの内壁には、吸気路の下部に連通するように第2吸気口が設けられ、前記ケースの外壁の開放端に近い一部が縮径して挿入接続部が形成され、前記電池パックの一端には、前記挿入接続部にマッチングして接続された挿入接続ポートが設けられている。
【0007】
前記霧化装置は、ケース開放端内に設けられ、前記霧化装置の中間部には霧化室設けられ、霧化室外を周回するように吸液室が設けられ、霧化装置の底部には吸気室が設けられ、前記ケースの内壁と煙管の外壁および霧化装置の上部とによって囲まれてタバコ液体を貯留する貯液室を構成し、前記貯液室が吸液室に連通し、前記霧化室の上部が煙管に連通し、下部が吸気室に連通し、前記吸気室が第2吸気口を介して吸気路に連通し、前記貯液室及び吸液室が前記煙管、霧化室、吸気室、吸気路と仕切られて密封される。
【0008】
前記霧化室内には架空の導液バーが設けられ、導液バーの中間部には発熱線が巻回されて設けられ、導液バーの両端が吸液室に延び、吸液室における電子タバコのタバコ液体は、導液バーによって吸収されて発熱線に輸送され、そこで加熱霧化されることができ、その後に前記霧化室内に電子タバコの煙が形成されている。
【0009】
前記霧化装置の底部には、吸気室に離隔された第1正負電極が設けられ、前記挿入接続部が前記電池パックの挿入接続ポート内に挿入接続された時、前記第1正負電極は、それぞれ前記電池パックの挿入接続ポート内の第2正負電極に互いに当接して電気的に接続されている。
【0010】
好ましくは、前記霧化装置は、霧化座、スロットルシート、シールスリーブ、接続スリーブおよび電極ホルダをさらに含む。前記霧化座の外壁は、前記ケースの下部の内壁にマッチングして嵌合接続され、前記霧化座の中心が円筒であり、円筒の底部には第4吸気口が設けられ、円筒の外周にはリング溝が設けられ、円筒の壁部の上端面には、前記導液バーを架設するための1対のノッチが下向きに対称的に設けられている。前記スロットルシートは、前記霧化座の上端面にカバーして設けられ、スロットルシートには中心孔が設けられ、中心孔の周囲にはオリフィスが設けられ、前記中心孔が前記円筒の内部に連通し、前記オリフィスが前記霧化座のリング溝に連通している。前記シールスリーブは、前記煙管の底端の外壁および端面に密着して嵌設され、シールスリーブの下端面は、前記円筒の壁部の上端面に当接している。前記接続スリーブの上部の内壁は、前記シールスリーブの外壁に密着して嵌設され、接続スリーブの下部の外壁は、前記スロットルシートの中心孔の内壁に密着して嵌設され、接続スリーブの下部の内壁は、前記円筒の外壁に密着して嵌設され、接続スリーブの管壁には、導液バーの配置位置に対応するように、導液バーが横切る逆U字形の切欠きが設けられている。前記電極ホルダには、前記ケースの開放端の端面と同じ形状の底板が設けられ、前記底板には、前記第1正負電極が貫通して設けられ、底板の周りには、底板に垂直な一回りの立ち壁が設けられ、前記立ち壁は、前記霧化座の底部に当接している。前記霧化座の底部には2つのボスが設けられ、前記ボスの下端面は、電極ホルダの底板に密封して当接し、前記ボスの中間部には、前記第1正負電極を収容可能な収容室が設けられている。前記シールスリーブの底部と円筒の内壁、円筒の底部とによって囲まれて前記霧化室を構成し、前記スロットルシートと前記霧化座のリング溝とによって囲まれて前記吸液室を構成し、前記電極ホルダの底板および立ち壁と前記霧化座の底部とによって囲まれて前記吸気室を構成し、前記霧化座の外壁の下部における第2吸気口に対向する位置には、第3吸気口が内向きに凹むように設けられ、第3吸気口は前記吸気室に連通している。
【0011】
好ましくは、前記円筒のノッチがU字形をなし、ノッチの底部には、導液バーを配置するラックがリング溝内に延びるように設けられ、前記霧化座の外周端面には位置決め切欠きが設けられている。前記スロットルシートは、前記ラックに対応する位置に中心孔の孔壁に沿って垂直下方に延びるように、前記円筒のノッチを塞ぐ封口板が設けられ、前記封口板の底部端面には、導液バーの配置位置に対応するように、導液バーが横切るノッチが上向きに設けられ、前記スロットルシートにおける前記霧化座の位置決め切欠きに対応する位置には、位置決め切欠きにマッチングする位置決めボスが下向きに設けられ、前記位置決めボスの内側には、霧化座のリング溝内を挿入する側板が中心孔の孔壁に沿って下向きに設けられている。
【0012】
好ましくは、前記霧化座の底部と前記電極ホルダの立ち壁の上端面との接続部には、環状接続面が設けられ、環状接続面の内側には、凸状の台部が下向きに形成され、前記台部の表面には、前記環状接続面に向かって移行傾斜面が設けられ、前記電極ホルダの立ち壁の上端面の内側部分は、前記移行傾斜面に密着し、前記台部には、移行傾斜面の内側に近い箇所に一回りの環状細溝が設けられ、前記環状細溝と環状接続面との間は、一回りの台形凸リングを構成している。
【0013】
好ましくは、前記霧化座は、軟性耐高温材料で作製されてシール性能を向上させるためにその外壁に複数の霧化座の凸リングが設けられ、前記シールスリーブは、軟性耐高温材料で作製されてシール性能を向上させるためにその内壁と外壁に複数のシール凸リングが設けられている。
【0014】
好ましくは、前記霧化座の底部には液体注入孔がさらに設けられ、前記電極ホルダの底板には、前記液体注入孔に対応する位置にプランジャーが設けられ、前記プランジャーは、前記液体注入孔を挿入して塞ぐことが可能である。
【0015】
好ましくは、前記電極ホルダの立ち壁の外側には第1凸状スナップが設けられ、前記挿入接続部の内壁には、前記第1凸状スナップに対応してスナップフィットされる第1係合溝が設けられている。
【0016】
好ましくは、前記挿入接続部の外壁には第2凸状スナップが設けられ、前記電池パックの挿入接続ポートの内壁には、前記第2凸状スナップに対応してスナップフィットされる第2係合溝が設けられている。
【0017】
好ましくは、前記第1吸気口は、挿入接続部の側壁に設けられ、前記電池パックの挿入接続ポートの外壁における第1吸気口に対応する位置には、外部吸気口が設けられている。
【0018】
好ましくは、前記ケースは、上から下へ断面が徐々に大きくなる楕円形であり、前記電池パックの断面は楕円形である。
【発明の効果】
【0019】
該防曇電子タバコについて、そのアトマイザーの底部に吸気室が設けられ、アトマイザーケースの壁部に吸気路が設けられ、かつ霧化座の底部も収容室と第1正負電極を覆ってシールするようにボスが設けられるため、使用者が喫煙して発生する煙が逆流する時、逆流された煙が吸気室内で緩衝することができ、煙における蒸気が吸気室内に凝縮して収集し、霧化されていない漏れのタバコ液体も吸気室内に収集することができ、蒸気および液滴が吸気路および第1正負電極の隙間を通して電池パックの挿入接続ポートに流れ込むことを防止し、電極との間のショートおよび蒸気の電池パック内の侵入による回路の腐食を回避し、これによって電子タバコの故障の発生を防止し、使用者がアトマイザーおよび電池パックを解体する時、電池パックの挿入接続ポートに内蔵された水滴が漏れて使用者に悪い使用体験をもたらすことも回避する。なお、本発明の霧化座の円筒のノッチ、ラックとスロットルシートの封口板との密着配置は、導液バーとノッチとの間の隙間がないようにし、タバコ液体の漏れを減少させる。本発明の吸気室および吸気路の構造は、使用者の喫煙時、霧化室内でより強い吸引力を発生してより多くのタバコ液体を吸引して発熱線に導かれて加熱霧化することができ、これによって大量の煙量を発生させ、使用者により良い喫煙体験をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施例の電子タバコの構造分解図である。
【
図2】本発明の実施例の電池パックの断面図である。
【
図3】本発明の実施例のケースの正面断面図である。
【
図4】本発明の実施例のケースの側面断面図である。
【
図5】本発明の実施例のアトマイザーの正面断面図である。
【
図6】本発明の実施例のアトマイザーの側面断面図である。
【
図7】本発明の実施例のアトマイザーの立体部分断面図である。
【
図8】本発明の実施例の霧化装置の斜視構造図である。
【
図9】本発明の実施例の霧化装置の構造分解図である。
【
図12】本発明の実施例の霧化座の斜視構造図である。
【
図13】本発明の実施例の霧化座の底部を上向きにした斜視構造図である。
【
図14】本発明の実施例の霧化座の底部と電極ホルダの立ち壁の結合部の詳細の概略図である。
【
図15】本発明の実施例のスロットルシートの底面図である。
【
図16】本発明の実施例のスロットルシートの平面図である。
【
図17】本発明の実施例のスロットルシートの斜視構造図である。
【
図18】本発明の実施例のスロットルシートの底部を上向きにした斜視構造図である。
【
図19】本発明の実施例のシールスリーブの斜視図である。
【
図20】本発明の実施例のシールスリーブの断面図である。
【
図21】本発明の実施例の接続スリーブの斜視図である。
【
図22】本発明の実施例の電極ホルダの平面図である。
【
図23】本発明の実施例の電極ホルダの断面図である。
【
図24】本発明の実施例の電極ホルダの斜視構造図である。
【符号の説明】
【0021】
ここで、主な部材の符号の説明:
【0022】
A、アトマイザー;B、電池パック;1、ケース;10、喫煙口;11、開放端;12、煙管;13、吸気路;14、第1吸気口;15、第2吸気口;16、挿入接続部;160、第1係合溝;161、第2凸状スナップ;17、貯液室;18、内管;2、霧化装置;21、霧化室;211、導液バー;212、発熱線;22、吸液室;23、吸気室;24、霧化座;240、液体注入孔;241、円筒;2410、ノッチ;242、第4吸気口;243、リング溝;2430、ラック;244、霧化座上端面;245、霧化座の底部;2451、環状接触面;2452、移行傾斜面;2453、台部;2454、環状細溝;2455、台形凸リング;246、ボス;2460、収容室;247、第3吸気口;248、位置決め切欠き;249、霧化座凸リング;25、スロットルシート;251、中心孔;252、オリフィス;253、封口板;2530、上ノッチ;254、位置決めボス;255、側板;26、シールスリーブ;260、シールスリーブ凸リング;261、底孔;27、接続スリーブ;270、逆U字形の切欠き;28、電極ホルダ;280、底板;281、第1正負電極;282、立ち壁;
2821、第1凸状スナップ;283、プランジャー;30、挿入接続ポート;301、第2正負電極;302、第2係合溝;303、外部吸気口;304、電池。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の目的、技術的解決手段および利点をより明確にするために、以下に図面および実施例を合わせ、本発明をさらに詳細に説明する。
【0024】
本発明の防曇電子タバコについて、以下の説明を簡単にするために、
図1に示すように、該防曇電子タバコの喫煙口10を上向きに立設し、本明細書における前記関連の各部材の「上、下、上部、下部、上端、下端、上面、下面、上向き、下向き」等の記述は、いずれも該防曇電子タバコの喫煙口10が上向きに立設される時の上下位置関係を指すことである。
【0025】
図1に示すように、本発明の防曇電子タバコは、着脱可能に接続されたアトマイザーAと、電池パックBとを含み、アトマイザーAは、ケース1と、霧化装置2とを含み、霧化装置2は、ケース1内に設けられ、ケース1の上端面の中心には喫煙口10が設けられ、ケース1の上部が吸引ノズルになり、使用者の喫煙時、喫煙口10を口にくわえて吸うと、電子タバコの煙を吸い出すことができる。
【0026】
図3、
図4に示すように、ケース1の下端が開放端11であり、ケース1の喫煙口10には、ケース1内に延びるように煙管12が設けられ、本実施例において、煙管12内における喫煙口10に近い箇所には、小さい内管18が設けられ、該内管18の外壁と煙管12の内壁との間には、煙管12の内壁に凝縮された小さい液滴または水滴を収集するための一回りの収集溝(図示せず)が形成されている。ケース1の壁部の中には、開放端11から上へ少なくとも1つの吸気路13が設けられ、ケース1の外壁には、吸気路13の上部に連通するように第1吸気口14が設けられ、ケースの内壁には、吸気路13の下部に連通するように第2吸気口15が設けられ、ケース1の外壁の開放端に近い一部が縮径して挿入接続部16が形成されている。
【0027】
図1、2に示すように、電池パックB内には、電源を供給可能な電池304が取り付けられ、電池パックBの一端には、挿入接続部16にマッチングすることができ、かつそれを挿入接続するための挿入接続ポート30が設けられている。
【0028】
図3−
図7に示すように、霧化装置2は、ケース1内の開放端11内に設けられ、霧化装置2の中間部には霧化室21が設けられ、霧化室21外を周回するように吸液室22が設けられ、霧化装置の底部には吸気室23が設けられ、ケース1の内壁と煙管12の外壁および霧化装置の上部とによって囲まれてタバコ液体を貯留する貯液室17を構成し、貯液室17が吸液室22に連通し、霧化室21の上部が煙管12に連通し、下部が吸気室23に連通し、吸気室23が第2吸気口15を介して吸気路13に連通し、貯液室17及び吸液室22が煙管12、霧化室21、吸気室23、吸気路13と仕切られて密封される。霧化室内には架空の導液バー211が設けられ、導液バーの中間部には発熱線212が巻回されて設けられ、導液バー211の両端が吸液室22に延び、電子タバコの動作時、吸液室22における電子タバコのタバコ液体は、導液バー211によって吸収されて発熱線212に輸送され、そこで加熱霧化されることができ、その後に霧化室21内に電子タバコの煙が形成される。
【0029】
図1、
図2、
図5に示すように、霧化装置B
2の底部には、吸気室23に離隔された第1正負電極281が設けられ、挿入接続部16が電池パックの挿入接続ポート30内に挿入接続された時、第1正負電極281は、それぞれ電池パックの挿入接続ポート30内の第2正負電極301に当接して電気的に接続され、このように
電池パックB内の電池304は、第2正負電極301、第1正負電極281を介してアトマイザーA内の発熱線212に電力を供給することができる。
【0030】
図7、
図8、
図9に示すように、霧化装置
2は、霧化座24、スロットルシート25、シールスリーブ26、接続スリーブ27および電極ホルダ28をさらに含む。霧化座24の外壁は、ケース1の下部の内壁にマッチングして嵌合接続されている。
【0031】
図10−
図13に示すように、本発明の実施例において、霧化座24の中心が円筒241であり、円筒241の底部には第4吸気口242が設けられ、円筒241の外周にはリング溝243が設けられ、円筒241の壁部の上端面には、導液バー211を架設するための1対のノッチ2410が下向きに対称的に設けられている。円筒241のノッチ2410がU字形をなし、U字形の底部により、導液バー211を完全に収容して配置しやすくなり、大きな隙間がないため、タバコ液体が隙間から漏れることが回避される。ノッチ2410の底部には、導液バー211を配置するラック2430がリング溝243内に延びるように設けられ、ラック2430が同様にU字形の底部と同じノッチを有し、このように、導液バー211を配置するノッチの横方向の長さが増加し、導液バーとの接触面積も増加し、さらにタバコ液体が導液バー211とノッチ2410との隙間から漏れることを回避する。霧化座24の外周の端面には、位置決め切欠き248が設けられている。霧化座の底部245には、2つのボス246が設けられ、ボス246の下端面は、後述の電極ホルダの底板280に当接し、ボス246の中間部には、後述の第1正負電極281を収容できる収容室2460が設けられ、霧化座24の外壁の下部における第2吸気口15に対向する位置には、第3吸気口247が内向きに凹むように設けられている。霧化座24は、例えばシリカゲルなどの軟質材料で作製され、シール性能を向上させるためにその外壁に複数の霧化座凸リング249が設けられている。
【0032】
図8、
図15−
図18に示すように、スロットルシート25は、霧化座24の上端面244にカバーして設けられ、スロットルシート25には中心孔251が設けられ、中心孔251の周囲にはオリフィス252が設けられ、中心孔251が霧化座の円筒241に連通し、オリフィス252が霧化座のリング溝243に連通する。スロットルシート25は、ラック2430に対応する位置に中心孔251の孔壁に沿って垂直下方に延びるように、円筒のノッチ2410を塞ぐ封口板253が設けられ、封口板253の底部端面には、導液バー211の配置位置に対応するように、上ノッチ2530が上向きに設けられ、封口板253とラック2430とを上下突合せ、このように上ノッチ2530とラック2430のノッチによって、導液バー211のみが横切る可能な密閉された円孔が形成されている。スロットルシート25における霧化座の位置決め切欠き248に対応する位置には、位置決め切欠き248にマッチングする位置決めボス254が下向きに設けられ、スロットルシート25の装着と位置決めおよびスロットルシート25の平面シフトの防止のために、位置決めボス254と位置決め切欠き248とは互いに嵌合されている。位置決めボス254の内側には、霧化座のリング溝243内を挿入する側板255が中心孔251の孔壁に沿って下向きに設けられ、霧化座24が例えばシリカゲルなどの軟性耐高温材料で作製されるため、霧化座24の外壁は内側に傾斜しやすく、側板255は、霧化座24の外壁を支持する役割を果たすことができる。
【0033】
図5−
図9、
図19−
図20に示すように、シールスリーブ26は、煙管12の底端の外壁および端面に密着して嵌設され、シールスリーブ26の底部には、煙管12と霧化室21とを連通するための底孔261が設けられ、シールスリーブ26の下端面が円筒241の壁部の上端面と当接し、シールスリーブ26は、貯液室17、煙管12および霧化室21をシールする役割を有する。本発明の実施例において、シールスリーブ26は、例えばシリカゲルなどの軟性耐高温材料で作製され、かつその内壁と外壁には、シール性能を向上させるための複数のシールスリーブの凸リング260が設けられている。
【0034】
図5−
図9、
図21に示すように、接続スリーブ27の上部の内壁は、シールスリーブ26の外壁に密着して嵌設され、接続スリーブ27の下部の外壁は、スロットルシート25の中心孔251の内壁に密着して嵌設され、接続スリーブ27の下部の内壁は、霧化座の円筒241の外壁に密着して嵌設され、接続スリーブ27の管壁には、導液バー211の配置位置に対応するように、導液バー211が横切る逆U字形の切欠き270が設けられている。接続スリーブ27の内壁は、シールスリーブ26と霧化座円筒241とを上下に嵌合接続し、下部の外壁は、スロットルシート25の中心孔251、側板255内に嵌合接続され、霧化座24とシールスリーブ26とが軟質材料で作製されて軟化してシフトしやすいため、接続スリーブは、接続および支持の役割を果たすことができる。本発明の実施例において、接続スリーブ27は、金属材料で作製され、金属材料の熱伝導と放熱性能が良く、電子タバコの動作時、霧化座円筒241、シールスリーブ26に蓄積された高温の熱を例えば貯液室のタバコ液体、スロットルシート等の外部に伝導して放出することができ、高温の蓄積による霧化座円筒241、シールスリーブ26の焼損を防止し、すなわち熱伝導および放熱の役割を有する。
【0035】
図22−24に示すように、電極ホルダ28には、ケース1の開放端11の端面と同じ形状の底板280が設けられ、底板280には、第1正負電極281が貫通して設けられ、底板280の周りには、底板280に垂直して一回りの立ち壁282が設けられ、立ち壁282の上端面は、霧化座の底部245に当接している。
【0036】
図5−
図7に示すように、シールスリーブ26の底部、接続スリーブ27の内壁と霧化座の円筒241とによって囲まれて霧化室21を形成し、スロットルシート25と霧化座24のリング溝243とによって囲まれて吸液室22を構成し、電極ホルダの底板280および立ち壁282と霧化座の底部245とによって囲まれて吸気室23を構成している。
【0037】
図1、
図2、5−
図7に示すように、本発明の実施例の電子タバコの動作原理は、以下の通りである。使用者が喫煙口10から吸気する時、霧化室21内に負圧が生じ、貯液室17におけるタバコ液体が吸液室22に流れ、導液バー211の両端が吸液室22内から電子タバコのタバコ液体を吸収して輸送し、かつ発熱線212に輸送し、この時に発熱線が電池の電源を入れて加熱し、タバコ液体を霧化することができ、かつ霧化室21内に電子タバコの煙を生成し、この時、霧化室21に負圧が生じるため、外部空気が外部吸気口303から第1吸気口14、吸気路13、第2吸気口15、第3吸気口247、吸気室23、第4吸気口242を経由して霧化室21に入り込むようにし、入り込んだ空気が電子タバコの煙を排出し、煙管12を経由して喫煙口10に流出し、このため、使用者が電子タバコの煙を吸い出すことができる。上記の空気、煙の流れの方向は、図中の矢印の方向に示される。使用者が喫煙が停止する時、霧化室21に残された煙が第4吸気口242を経由して吸気室23に逆流しやすく、吸気室23が十分な空間を有するため、煙における液滴または蒸気が吸気室23の内壁に凝縮することができ、このような構造は、液滴または蒸気が挿入接続ポート30内に逆流することを引き起こさず、蒸気が電池パックBの挿入接続ポート30内の第2正負電極および内部回路に対する損傷を防止する。
【0038】
図11、
図13、
図14に示すように、霧化座の底部245と電極ホルダの立ち壁282の上端面との接続部には、一回りの環状接続面2451が設けられ、環状接続面2451の内側には、凸状の台部2453が下向きに形成され、台部2453の表面には、環状接続面2451に向かって移行傾斜面2452が設けられ、電極ホルダの立ち壁282の平面シフトによって接続に隙間があることを制限するために、台部2453および移行傾斜面2452が設けられ、同時に電極ホルダの立ち壁282の上端面の部分が移行傾斜面2452に密着し、電極ホルダの立ち壁282の端面と移行傾斜面2452とがより良い密着接触を有することができ、シール性能がより良くなるようにする。台部2453には、移行傾斜面2452の内側に近い箇所に一回りの環状細溝2454がさらに設けられ、環状細溝2454と環状接続面2451との間には、一回りの台形凸リング2455が構成され、環状細溝2454が設けられて台形凸リング2455を構成し、移行傾斜面2452がより良い弾性効果を有するようにし、シール性能をさらに増加させ、蒸気が吸気室から電池パックBの挿入接続ポート30内に漏れることを防止する。
【0039】
図11、
図13、
図22−24に示すように、霧化座24の底部には液体注入孔240がさらに設けられ、電極ホルダの底板280には、液体注入孔240に対応する位置にプランジャー283が設けられ、プランジャー283は、液体注入孔240を挿入して塞ぐために用いられる。液体注入孔240およびプランジャー283の設計は、その他の装置の組み立てが完了した後に、最後に電極ホルダ28を組み立てる前に、アトマイザーAが電子タバコのタバコ液体を貯液室17に注入することを容易にし、組み立てしやすくかつ生産効率を向上させ、製造中のタバコ液体の液体漏れを回避することができる。
【0040】
図3、
図4、
図7、
図24に示すように、電極ホルダ立ち壁282の外側には第1凸状スナップ2821が設けられ、挿入接続部16の内壁には、第1凸状スナップ2821に対応してスナップフィットされる第1係合溝160が設けられている。電極ホルダ28は、このようなスナップフィット接続によってケース1内に装着固定されることを容易にすることができる。
【0041】
図1、
図2、
図7に示すように、挿入接続部16の外壁には第2凸状スナップ161が設けられ、電池パックBの挿入接続ポート30の内壁には、第2凸状スナップ161に対応してスナップフィットされる第2係合溝302が設けられている。挿入接続部16と挿入接続ポート30とは、このような挿入接続およびスナップフィット接続により、アトマイザーAと電池パックBとを強固に接続するだけではなく、容易かつ便利に着脱して使用することができる。
【0042】
図1、
図2に示すように、第1吸気口14は、挿入接続部16の側壁に設けられ、電池パックBの挿入接続ポート30の外壁における第1吸気口14に対応する位置には、外部吸気口303が設けられている。
【0043】
図1−
図7に示すように、ケース1は、上から下へ断面が徐々に大きくなる楕円形であり、上が小さく下が大きいケースの構造は、電子タバコの使用者が喫煙口10を口にくわえることを容易にし、楕円形の構造は、ケース1の内部空間を増大させてより多くのタバコ液体の貯留および霧化装置2の組み立てに用いることができ、同時に外形が大きく見えないようにする。アトマイザーケースの外形および全体の一致性を合わせるために、電池パックBの断面も楕円形である。
【産業上の利用可能性】
【0044】
以上の説明は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、上記具体的な実施例は、本発明を限定するものではない。本発明の技術的思想の範疇内において、各種の変更および修正が可能であり、当業者であれば、以上の記載に応じて行われる仕上げ、変更または均等の置換は、いずれも本発明の保護の範囲に属する。