(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6845356
(24)【登録日】2021年3月1日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】イーサネットケーブル
(51)【国際特許分類】
H01B 11/00 20060101AFI20210308BHJP
H01B 7/00 20060101ALI20210308BHJP
【FI】
H01B11/00 J
H01B7/00 306
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-11608(P2020-11608)
(22)【出願日】2020年1月28日
(65)【公開番号】特開2020-126838(P2020-126838A)
(43)【公開日】2020年8月20日
【審査請求日】2020年1月29日
(31)【優先権主張番号】201910104940.8
(32)【優先日】2019年2月1日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】507028952
【氏名又は名称】亞旭電腦股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【弁理士】
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ, チュン−ミン
【審査官】
須藤 竜也
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−117731(JP,A)
【文献】
特開2016−126965(JP,A)
【文献】
特開2011−066379(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3146586(JP,U)
【文献】
特開2006−019055(JP,A)
【文献】
実開昭62−005417(JP,U)
【文献】
特開2008−210605(JP,A)
【文献】
特開2012−195113(JP,A)
【文献】
米国特許第06162992(US,A)
【文献】
中国実用新案第207503680(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 11/00 − 11/22
H01B 7/00 − 7/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つのRJ45コネクタプラグと、フラットケーブルとを含むイーサネットケーブルであって、
各前記RJ45コネクタプラグが端子セットを備え、前記端子セットが、順に排列された第1端子と、第2端子と、第3端子と、第4端子と、第5端子と、第6端子と、第7端子と、第8端子とを含み、そのうち、前記第1端子および前記第2端子が第1対差分端子であり、前記第3端子および前記第6端子が第2対差分端子であり、前記第4端子および前記第5端子が第3対差分端子であり、前記第7端子および前記第8端子が第4対差分端子であり、
前記フラットケーブルは、前記2つのRJ45コネクタプラグの間に接続され、第1フレキシブル回路板層と、第2フレキシブル回路板層と、スペーサ層とを含み、前記スペーサ層が前記第1フレキシブル回路板層と前記第2フレキシブル回路板層との間に介在され、前記第1フレキシブル回路板層に2つの第1配線が設置され、前記2つの第1配線が各前記端子セットの対応する前記第3端子および前記第6端子にそれぞれ電気的に接続され、前記第2フレキシブル回路板層に2つの第2配線が設置され、前記2つの第2配線が各前記端子セットの対応する前記第4端子および前記第5端子にそれぞれ電気的に接続された、ことを特徴とする、イーサネットケーブル。
【請求項2】
さらに2つの第3配線を含み、前記2つの第3配線が前記第1フレキシブル回路板層または前記第2フレキシブル回路板層に設置され、かつ各前記端子セットに対応する前記第1端子および前記第2端子にそれぞれ電気的に接続された、ことを特徴とする、請求項1に記載のイーサネットケーブル。
【請求項3】
さらに2つの第4配線を含み、前記2つの第4配線が前記第1フレキシブル回路板層または前記第2フレキシブル回路板層に設置され、かつ各前記端子セットに対応する前記第7端子および前記第8端子にそれぞれ電気的に接続された、ことを特徴とする、請求項1または2に記載のイーサネットケーブル。
【請求項4】
前記フラットケーブルがさらに保護層を含み、前記保護層が少なくとも、前記第1フレキシブル回路板層または前記第2フレキシブル回路板層の外部を覆うことを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のイーサネットケーブル。
【請求項5】
前記保護層が防水層であることを特徴とする、請求項4に記載のイーサネットケーブル。
【請求項6】
前記保護層が電磁波シールド層であることを特徴とする、請求項4に記載のイーサネットケーブル。
【請求項7】
前記2つの第1配線が前記第1フレキシブル回路板層の内側表面に設置され、前記2つの第2配線が前記第2フレキシブル回路板層の内側表面に設置された、ことを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のイーサネットケーブル。
【請求項8】
前記フラットケーブルの前記スペーサ層に接地線が設置された、ことを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか1項に記載のイーサネットケーブル。
【請求項9】
前記2つのRJ45コネクタプラグがそれぞれ屋外用コネクタプラグと屋内用コネクタプラグである、ことを特徴とする、請求項1ないし8のいずれか1項に記載のイーサネットケーブル。
【請求項10】
前記フラットケーブル上にさらに防水カバーが設置され、前記防水カバーが前記屋外用コネクタプラグに隣接していることを特徴とする、請求項9に記載のイーサネットケーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はケーブルに関し、特に、イーサネットケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
通信技術の成熟と普及に伴い、ネットワーク接続はすでに大部分の事業単位、家庭及び個人にとって不可欠な一部となっている。一般に、多くの人が、室内にネットワークルーターを設置して、特定範囲内の複数の通信機器(例えばノートパソコン、スマートフォン、タブレット)を有線または無線方式でルーターに接続し、ルーター経由でインターネットに接続できるようにしている。
【0003】
イーサネット(登録商標)はコンピューターネットワーク有線伝送の主要な方式であるが、現在知られているイーサネットケーブルの線径または厚みはいずれも大き過ぎる(ほとんどが1.5mm超)。具体的には、ツイストペアケーブルのイーサネットケーブルの場合、複数本のツイストペアケーブル(撚り対線)を相互に撚り合わせている。各撚り対線は、電線(銅線など)のほかに、電線外部に絶縁層を備えており、かつ複数本の撚り対線を撚り合わせた後さらに保護カバーで被覆している。そのため、イーサネットケーブルの線径または厚みをより小さくすることができない。したがって、イーサネットケーブルを屋外の機器に接続する必要があるとき、別途工事を行い(例えばドアや窓、壁を破壊して穴を開ける)、配線する必要があり、コストが高くなるだけでなく、内装が破壊され、美観にも影響する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述に鑑み、本発明の目的は、イーサネットケーブルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施例において、本発明のイーサネットケーブルは、2つのRJ45コネクタプラグと、フラットケーブルとを含む。各RJ45コネクタプラグは、端子セットを備え、該端子セットが、順に排列(配列)された第1端子、第2端子、第3端子、第4端子、第5端子、第6端子、第7端子、第8端子を含む。そのうち、第1端子および第2端子が第1対差分端子であり、第3端子および第6端子が第2対差分端子であり、第4端子および第5端子が第3対差分端子であり、第7端子および第8端子が第4対差分端子である。フラットケーブルは、該2つのRJ45コネクタプラグの間に接続される。該フラットケーブルは、第1フレキシブル回路板層、第2フレキシブル回路板層、スペーサ層を含み、該スペーサ層が該第1フレキシブル回路板層と該第2フレキシブル回路板層との間に介在される。該第1フレキシブル回路板層に2つの第1配線が設置され、2つの第1配線が各端子セットの対応する第3端子および第6端子にそれぞれ電気的に接続される。また、該第2フレキシブル回路板層に2つの第2配線が設置され、2つの第2配線が各端子セットの対応する第4端子および第5端子にそれぞれ電気的に接続される。
【発明の効果】
【0006】
上述をまとめると、本発明の実施例のイーサネットケーブルでは、2つのRJ45コネクタプラグの間のフラットケーブルがフレキシブル回路板により実現される。これにより、フラットケーブルの厚みを大幅に減少し、かつ良好な可撓性を備え、イーサネットケーブルを屋内での接続に用いるとき、隙間に容易に通したり、狭い場所に設置したりすることができる。イーサネットケーブルを屋外装置の接続に用いる場合、直接ドアや窓に通しても開閉に影響せず、別途工事を行う(例えばドアや窓、壁を破壊して穴を開ける)必要がなく、コストを減少し、内装の美観を維持することができる。
【0007】
このほか、フラットケーブルは2つの第1配線と2つの第2配線とが、第1フレキシブル回路板層と第2フレキシブル回路板層とにそれぞれ設置され、2つの第1配線と2つの第2配線とをスペーサ層で仕切り、相互間のクロストーク(crosstalk)を大幅に減少できる。かつ、従来のツイストペアケーブルと比較して、各配線を同じ長さに制御しやすく、伝送の遅延を減少することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明のイーサネットケーブルの一実施例の立体図である。
【
図2】本発明のイーサネットケーブルの一実施例の連結を示す概略図である。
【
図3】本発明のイーサネットケーブルの一実施例の立体分解図である。
【
図4】本発明のイーサネットケーブルの別の一実施例の立体分解図である。
【
図5】本発明のイーサネットケーブルの一実施例の応用例を示す概略図である。
【
図6】本発明のイーサネットケーブルの一実施例の設置を示す概略図である。
【
図7】本発明のイーサネットケーブルの別の一実施例の立体図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に示すように、イーサネットケーブル100は、2つのRJ45コネクタプラグと、フラットケーブル30とを含み、そのうち、フラットケーブル30が2つのRJ45コネクタプラグ(以下、第1RJ45コネクタプラグ1と第2RJ45コネクタプラグ2と呼ぶ)の間に接続される。
図2に示すように、第1RJ45コネクタプラグ1および第2RJ45コネクタプラグ2はそれぞれ端子セット10、20を備え、第1RJ45コネクタプラグ1の端子セット10は、順に排列された第1端子11、第2端子12、第3端子13、第4端子14、第5端子15、第6端子16、第7端子17、第8端子18を含む。第2RJ45コネクタプラグ2の端子セット20は、順に排列された第1端子21、第2端子22、第3端子23、第4端子24、第5端子25、第6端子26、第7端子27、第8端子28を含む。一部の実施例において、第1RJ45コネクタプラグ1の端子セット10の第1端子11〜第8端子18と、第2RJ45コネクタプラグ2の端子セット20の第1端子21〜第8端子28との排列方向は同じとし、第1端子11〜第8端子18を第1端子21〜第8端子28にそれぞれ対応させることができる。
【0010】
さらに
図2および
図3に示すように、各端子セット10、20の第1端子11、21および第2端子12、22が第1対差分端子(Data PairA+端子とData PairA−端子)、第3端子13、23および第6端子16、26が第2対差分端子(Data PairB+端子とData PairB−端子)、第4端子14、24および第5端子15、25が第3対差分端子(Data PairC+端子とData PairC−端子)、第7端子17、27および第8端子18、28が第4対差分端子(Data PairD+端子とData PairD−端子)である。つまり、端子セット10の場合、第1対差分端子(第1端子11および第2端子12)と第4対差分端子(第7端子17および第8端子18)が端子セット10の相対する二端にそれぞれ位置し、第3対差分端子(第4端子14および第5端子15)が第2対差分端子(第3端子13および第6端子16)の間に位置する。
【0011】
図2と
図3とを比較すると、フラットケーブル30は多層薄膜構造であり、本実施例において、フラットケーブル30は、第1フレキシブル回路板層31(Flexible Printed Circuit Layer、FPC層)、第2フレキシブル回路板層32(Flexible Printed Circuit Layer、FPC層)、スペーサ層33を含み、そのうち、スペーサ層33が第1フレキシブル回路板層31と第2フレキシブル回路板層32との間に介在される。一部の実施例において、第1フレキシブル回路板層31、第2フレキシブル回路板層32、スペーサ層33はいずれも可撓性を備えた薄膜層である。例えば、第1フレキシブル回路板層31、第2フレキシブル回路板層32、スペーサ層33は、ポリイミド(Polyimide)、ポリエチレンテレフタラート(Polyethylene terephthalate)、ポリカーボネート(Polycarbonate)またはその他プラスチック材質で製造された薄膜である。
【0012】
図2および
図3に示すように、本実施例において、第1フレキシブル回路板層31の表面に2つの第1配線311が設けられる。これら2つの第1配線311は第1フレキシブル回路板層31のスペーサ層33近くの内側表面に設置され、外部への露出を回避して保護作用を達成するが、第1フレキシブル回路板層31の外側表面に設置してもよい。このほか、2つの第1配線311は互いに平行であり、かつ第1RJ45コネクタプラグ1および第2RJ45コネクタプラグ2の各端子セット10、20の対応する第3端子13、23および第6端子16、26にそれぞれ電気的に接続される。つまり、2つの第1配線311の一端が端子セット10の第3端子13および第6端子16に電気的に接続され、2つの第1配線311の他端が端子セット20の第3端子23および第6端子26に電気的に接続される。
【0013】
例えば、
図2および
図3に示すように、第1フレキシブル回路板層31の両端に、第1RJ45コネクタプラグ1および第2RJ45コネクタプラグ2の端子セット10、20にそれぞれ対応して電気的に接続される1組の電気接点がそれぞれ設置される。例えば、第1フレキシブル回路板層31の一端は8個の電気接点36A〜36Hを備え、第1RJ45コネクタプラグ1の第1端子11〜第8端子18にそれぞれ対応して電気的に接続される。また、第1フレキシブル回路板層31の他端も8個の電気接点37A〜37Hを備え、第2RJ45コネクタプラグ2の第1端子21〜第8端子28にそれぞれ対応して電気的に接続される。2つの第1配線311の一端は電気接点36C、36Fにそれぞれ電気的に接続され、2つの第1配線311の他端は電気接点37C、37Fにそれぞれ電気的に接続される。これにより電気接点36C、36Fを経由して第3端子13と第6端子16に電気的に接続され、及び電気接点37C、37Fを経由して第3端子23と第6端子26に電気的に接続される。
【0014】
図2および
図3に示すように、本実施例において、第2フレキシブル回路板層32の表面に互いに平行な2つの第2配線321と、互いに平行な2つの第3配線322と、互いに平行な2つの第4配線323とが設けられる。ここで、2つの第2配線321、2つの第3配線322および2つの第4配線323は、第2フレキシブル回路板層32のスペーサ層33近くの内側表面に設置され、外部への露出を回避して保護作用を達成するが、第2フレキシブル回路板層32の外側表面に設置してもよい。このほか、2つの第2配線321は各端子セット10、20の対応する第4端子14、24および第5端子15、25にそれぞれ電気的に接続され、2つの第3配線322は各端子セット10、20の対応する第1端子11、21および第2端子12、22にそれぞれ電気的に接続され、2つの第4配線323は各端子セット10、20の対応する第7端子17、27および第8端子18、28にそれぞれ電気的に接続される。
【0015】
例えば、
図2および
図3に示すように、第2フレキシブル回路板層32の両端に、第1RJ45コネクタプラおよび第2RJ45コネクタプラグ2の端子セット10、20にそれぞれ対応して電気的に接続される1組の電気接点をそれぞれ設置することができる。例えば、第2フレキシブル回路板層32の一端に8個の電気接点38A〜38Hが設けられ、これらが、第1RJ45コネクタプラグ1の第1端子11〜第8端子18にそれぞれ対応して電気的に接続される。また、第2フレキシブル回路板層32の他端に8個の電気接点39A〜39Hが設けられ、第2RJ45コネクタプラグ2の第1端子21〜第8端子28にそれぞれ対応して電気的に接続される。2つの第3配線322の一端は電気接点38A、38Bにそれぞれ電気的に接続することができ、2つの第3配線322の他端は電気接点39A、39Bにそれぞれ電気的に接続することができる。これにより電気接点38A、38Bと電気接点39A、39Bとを経由して各端子セット10、20の対応する第1端子11、21および第2端子12、22にそれぞれ電気的に接続される。2つの第2配線321の一端は電気接点38D、38Eにそれぞれ電気的に接続することができ、2つの第2配線321の他端は電気接点39D、39Eにそれぞれ電気的に接続することができる。これにより電気接点38D、38Eと電気接点39D、39Eとを経由して各端子セット10、20の対応する第4端子14、24および第5端子15、25にそれぞれ電気的に接続される。2つの第4配線323の一端は電気接点38G、38Hにそれぞれ電気的に接続することができ、2つの第4配線323の他端は電気接点39G、39Hにそれぞれ電気的に接続することができる。これにより電気接点38G、38Hと電気接点39G、39Hとを経由して各端子セット10、20の対応する第7端子17、27および第8端子18、28にそれぞれ電気的に接続される。
【0016】
一部の実施例において、上述の2つの第1配線311、2つの第2配線321、2つの第3配線322および2つの第4配線323は導電回路とすることができ、例えば銅配線、銀ペースト配線またはその他金属配線とすることができる。また、これらの金属材料に限定されず、導電性を備えた物質であればケーブルの材料とすることができる。一部の実施例において、2つの第1配線311は印刷またはエッチングの方式で第1フレキシブル回路板層31の表面に形成することができ、2つの第2配線321、2つの第3配線322および2つの第4配線323も印刷またはエッチングの方式で第2フレキシブル回路板層32の表面に形成することができる。
【0017】
一部の実施例において、上述の2つの第3配線322と2つの第4配線323とはいずれも第1フレキシブル回路板層31に設置することができ、または2つの第3配線322と2つの第4配線323とのうちのいずれかを第1フレキシブル回路板層31に設置し、他方を第2フレキシブル回路板層32に設置してもよい。例えば
図4の本発明のイーサネットケーブルの別の一実施例の分解立体図に示すように、本実施例と
図3の実施例の違いは、フラットケーブル30’の2つの第4配線313が第1フレキシブル回路板層31の表面に設置されている点にある。2つの第4配線313の一端は電気接点36G、36Hにそれぞれ電気的に接続され、2つの第4配線313の他端は電気接点37G、37Hにそれぞれ電気的に接続される。これにより電気接点36G、36Hと電気接点37G、37Hとを経由して各端子セット10、20の対応する第7端子17、27および第8端子18、28にそれぞれ電気的に接続される。
【0018】
このように、本発明の実施例のイーサネットケーブル100によれば、第1RJ45コネクタプラグ1と第2RJ45コネクタプラグ2との間のフラットケーブル30が多層の薄膜で実現される。そのため、フラットケーブル30をより薄くして可撓性を具備させ、設置しやすくすることができる。例えば、第1フレキシブル回路板層31、第2フレキシブル回路板層32およびスペーサ層33の厚みはそれぞれ0.06mm〜0.2mmの間とすることができ、フラットケーブル30を構成する全体の厚みを0.6mm以下にすることができる。イーサネットケーブル100を室内での接続に用いるとき、容易に隙間に通したり、狭い場所に設置したりすることができる。イーサネットケーブル100を屋外装置の接続に用いる場合、直接ドアや窓に通しても開閉に影響せず、別途工事を行う(例えばドアや窓、壁を破壊して穴を開ける)必要がなく、コストを減少し、内装の美観を維持することができる。
【0019】
例えば、
図5から
図7に示すように、イーサネットケーブル100の第1RJ45コネクタプラグ1と第2RJ45コネクタプラグ2はそれぞれ屋外用コネクタプラグと屋内用コネクタプラグとすることができる。例えば、本実施例において、第2RJ45コネクタプラグ2は屋内装置50に接続され、屋内装置50は例えばDSLモデム、ゲートウェイ(Gateway)またはルーター(Router)等とすることができる。第1RJ45コネクタプラグ1は窓Wから直接穿出されて屋外装置51に接続することができ、屋外装置51は例えばワイヤレスネットワーク受発信装置(5G受発信装置やWi−Fi受発信装置など)とすることができる。フラットケーブル30は厚みが極めて薄く、折り曲げやすいため、フラットケーブル30を容易に窓Wの窓枠F形状に沿って配置し(
図6参照)、窓Wを閉じた後も密閉の作用を達成でき、本来の窓Wの機能に影響しない。
【0020】
また、本発明の実施例のフラットケーブル30は端子セット10、20の第3端子13、23および第6端子16、26に電気的に接続された2つの第1配線311を第1フレキシブル回路板層31に設置し、端子セット10、20の第4端子14、24および第5端子15、25に電気的に接続された2つの第2配線321を第2フレキシブル回路板層32に設置する。そのため、2つの第1配線311および2つの第2配線321が異なる層にあり接近し過ぎることがなく、さらにスペーサ層33による隔離で相互間のクロストーク(crosstalk)を大幅に減少することができる。このほか、本発明の実施例のフラットケーブル30は従来のツイストペアケーブル方式と比較して、各配線(即ち、上述の2つの第1配線311、2つの第2配線321、2つの第3配線322、2つの第4配線323)をより容易に等しい長さに制御でき、伝送の遅延を減少することができる。
【0021】
また、
図7に示すように、イーサネットケーブル100のフラットケーブル30上にはさらに防水カバー40が設置される。防水カバー40は第1RJ45コネクタプラグ1または第2RJ45コネクタプラグ2に隣接し、本実施例において、防水カバー40は屋外用コネクタプラグ(ここでは第1RJ45コネクタプラグ1)に隣接している。これにより、第1RJ45コネクタプラグ1が屋外装置51に接続されたとき、防水カバー40が屋外装置51の組込み槽511を覆い、第1RJ45コネクタプラグ1を組込み槽511中に封鎖し、防水の効果を達成することができる。一実施例において、防水カバー40の周囲にさらにシールリング401(例えばシリコンリングまたはゴムリング)を設置して、防水の効果を強化することもできる。
【0022】
図3に示すように、一実施例において、フラットケーブル30のスペーサ層33にはさらに接地線331が設けられ、接地線331は2つの第2配線321と2つの第1配線311の間に介在され、2つの第2配線321と2つの第1配線311相互間でのクロストーク発生をさらに防止することができる。
【0023】
また
図3に示すように、本実施例において、フラットケーブル30はさらに2つの保護層34、35を含む。2つの保護層34、35は第1フレキシブル回路板層31または第2フレキシブル回路板層32の外部をそれぞれ覆い(ここでは第1フレキシブル回路板層31と第2フレキシブル回路板層32のスペーサ層33から遠い表面を覆っている)、保護の作用を達成する。例えば、保護層34、35は防水層とすることができ、例えば防水材料で成る樹脂層またはコーティング層により、フラットケーブル30に防水効果を具備させ、屋外の各種装置との接続に有利にすることができる。
【0024】
一部の実施例において、上述の保護層34、35は電磁波シールド層とすることもできる。例えば保護層34、35は真空スパッタリング(Sputter)または化学めっき(Plating)等の方式で形成した単層または多層の導電金属(例えば銀、銅、ニッケル)薄膜として、フラットケーブル30に電磁波シールド能力を具備させてもよい。一実施例において、保護層34、35の厚みは0.1μm〜1μmの間に制御し、フラットケーブル30の良好な可撓性を維持することができる。
【0025】
上述の説明は、単に本発明の最良の実施例を挙げたまでであり、本発明を限定しない。その他本発明の開示する要旨を逸脱することなく完成された同等効果の修飾または置換はいずれも後述の特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0026】
100 イーサネットケーブル
1 第1RJ45コネクタプラグ
2 第2RJ45コネクタプラグ
10、20 端子セット
11、21 第1端子
12、22 第2端子
13、23 第3端子
14、24 第4端子
15、25 第5端子
16、26 第6端子
17、27 第7端子
18、28 第8端子
30、30’ フラットケーブル
31 第1フレキシブル回路板層
311 第1配線
32 第2フレキシブル回路板層
321 第2配線
322 第3配線
313、323 第4配線
33 スペーサ層
331 接地線
34、35 保護層
36A〜36H 電気接点
37A〜37H 電気接点
38A〜38H 電気接点
39A〜39H 電気接点
40 防水カバー
401 シールリング
50 屋内装置
51 屋外装置
511 組込み槽
W 窓
F 窓枠