(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
<写真シール作成装置の外観構成>
図1は、写真シール作成装置1の外観の構成例を示す斜視図である。
【0016】
写真シール作成装置1は、撮影画像や編集済みの画像を提供するゲーム機である。写真シール作成装置1は、画像をシール紙に印刷したり、利用者の携帯端末上で画像を閲覧可能にするためにその画像をサーバに送信したりすることで、利用者に画像を提供する。
【0017】
写真シール作成装置1は、アミューズメント施設や店舗に設置される。写真シール作成装置1の利用者は、主に女子高校生や女子大学生などの若い女性が中心とされる。写真シール作成装置1において、1組あたり主に2人や3人などの複数人の利用者がゲームを楽しむことができる。もちろん、1人の利用者がゲームを楽しむこともできる。
【0018】
写真シール作成装置1において、利用者は、自身が被写体となって撮影作業を行う。利用者は、編集作業を行うことによって、撮影によって得られた撮影画像に対して、背景画像、手書きの文字やスタンプ画像などの合成用画像を合成させる。これにより、撮影画像が彩り豊かな画像に編集される。利用者は、編集済みの画像である編集画像が印刷されたシール紙を受け取って一連のゲームを終了させる。
【0019】
写真シール作成装置1は、撮影ユニット11と編集ユニット12が接した状態で設置されることによって構成される。撮影ユニット11と編集ユニット12は電気的に接続される。撮影ユニット11は、人が中に入ることができる程度の大きさを有する箱形状の筐体を有する。
【0020】
撮影ユニット11は、撮影部21と背景部22から構成される。撮影部21と背景部22は離れて設置される。撮影部21と背景部22の間に設けられる空間が、利用者が撮影作業を行う撮影空間となる。
【0021】
撮影部21は、利用者を被写体として撮影する装置である。撮影空間に臨む撮影部21の正面にはカメラなどが設けられる。撮影部21の、編集ユニット12と接する面には正面パネル41が設けられる。撮影空間にいる利用者から見て右側の面を右側面、左側の面を左側面とすると、撮影部21の右側面が側面パネル42Aにより構成され、左側面が側面パネル42B(
図2)により構成される。
【0022】
背景部22は、それぞれ板状の部材である背面パネル51、側面パネル52A、および側面パネル52B(
図2)から構成される。背面パネル51は、正面を向いている利用者の背面側に位置する。側面パネル52Aは、背面パネル51の右端に取り付けられ、側面パネル52Bは、背面パネル51の左端に取り付けられる。
【0023】
側面パネル42Aと側面パネル52Aは、所定の間隔をあけてほぼ同一平面に設けられる。側面パネル42Aと側面パネル52Aの上部は、板状の部材である連結部31Aによって連結される。また、側面パネル42Aと側面パネル52Aの下部は、床面に設けられた例えば金属製の部材である連結部34によって連結される。
【0024】
側面パネル42Bと側面パネル52Bも同様にほぼ同一平面に設けられる。側面パネル42Bと側面パネル52Bの上部は連結部31Bによって連結される。側面パネル42Bと側面パネル52Bの下部は、床面に設けられた金属製の部材である連結部(図示せず)によって連結される。
【0025】
側面パネル42A、連結部31A、および側面パネル52Aに囲まれることによって形成される開口が、撮影空間の出入り口となる。また、側面パネル42B、連結部31B、および側面パネル52Bに囲まれることによって形成される開口も、撮影空間の出入り口となる。
【0026】
撮影空間の上方には、撮影部21の正面パネル41、連結部31A、連結部31B、および背景部22の背面パネル51に囲まれる開口が形成される。その開口の一部を覆うように天井照明ユニット32が設けられる。天井照明ユニット32の一端は連結部31Aに固定され、他端は連結部31Bに固定される。
【0027】
天井照明ユニット32の内部には蛍光灯とストロボ発光管とが設けられる。天井照明ユニット32は、撮影空間の照明として機能するとともに、撮影を行っている利用者に対してストロボ光を照射する。
【0028】
編集ユニット12は、撮影画像に編集を施すための装置である。編集ユニット12は、一方の側面が撮影部21の正面パネル41に接するようにして、撮影ユニット11に連結している。
【0029】
図1に示される編集ユニット12の構成を正面側の構成とすると、編集ユニット12の正面側と背面側のそれぞれに、編集作業で用いられる構成が設けられる。この構成により、2組の利用者が同時に編集作業を行うことができる。
【0030】
編集ユニット12の正面側は、床面に対して垂直な面である面12Aと、面12Aの上方に形成された斜面12Bから構成される。斜面12Bには、編集作業に用いられる構成として、タブレット内蔵モニタやタッチペンが設けられる。
【0031】
斜面12Bの上方右側には、照明装置73の一端を支持する柱状の支持部71A(
図6)が設けられる。斜面12Bの左側には、照明装置73の他端を支持する柱状の支持部71Bが設けられる。支持部71Aの右側には板状のパネル72が設けられる。パネル72の上面にはカーテン取付部75を支持する支持部74が設けられる。
【0032】
編集ユニット12の上方にはカーテン取付部75が設けられる。カーテン取付部75は、5本の棒状部材75A乃至75C,75a,75bが組み合わされて構成される。5本の棒状部材75A乃至75C,75a,75bは、上から見たときの形状がコの字の2つの角がC面取りされた形状となるように組み合わされる。平行に設けられる棒状部材75Aと棒状部材75Bの一端は、連結部31Aと連結部31Bにそれぞれ固定され、棒状部材75Aと棒状部材75Bの他端は、それぞれ棒状部材75a,75bを介して棒状部材75Cの両端にそれぞれ接合される。
【0033】
カーテン取付部75には、編集ユニット12の正面前方の空間と背面前方の空間が外から見えないようにカーテンが取り付けられる。そのカーテンにより囲まれる編集ユニット12の正面前方の空間と背面後方の空間が、利用者が編集作業を行う編集空間となる。
【0034】
後述するように、編集ユニット12の右側面には、印刷済みのシール紙が排出される排出口が設けられる。編集ユニット12の右側面前方の空間が、印刷が終了するのを利用者が待つ印刷待ち空間となる。
【0035】
<利用者の移動について>
ここで、写真シール作成ゲームの流れと、それに伴う利用者の移動について説明する。
【0036】
図2は、写真シール作成装置1を上から見た平面図である。
【0037】
まず、利用者は、白抜き矢印#1で示されるように出入り口G1から、または白抜き矢印#2で示されるように出入り口G2から、撮影部21と背景部22の間に形成された撮影空間A1に入る。出入り口G1は側面パネル42Aと側面パネル52Aの間の開口であり、出入り口G2は側面パネル42Bと側面パネル52Bの間の開口である。利用者は、撮影空間A1において、撮影部21に設けられたカメラやタッチパネルモニタなどを利用して撮影作業を行う。
【0038】
撮影作業を終えた利用者は、白抜き矢印#3で示されるように出入り口G1から撮影空間A1を出て編集空間A2−1に移動するか、白抜き矢印#4で示されるように出入り口G2から撮影空間A1を出て編集空間A2−2に移動する。
【0039】
編集空間A2−1は、編集ユニット12の正面側の編集空間である。一方、編集空間A2−2は、編集ユニット12の背面側の編集空間である。利用者が編集空間A2−1と編集空間A2−2のいずれの空間に移動するのかは、撮影部21のタッチパネルモニタの画面表示などによって案内される。例えば2つの編集空間のうちの空いている方が移動先として案内される。
【0040】
編集空間A2−1または編集空間A2−2に移動した利用者は、編集作業を開始する。編集空間A2−1の利用者と編集空間A2−2の利用者は同時に編集作業を行うことができる。
【0041】
編集作業が終了した後、編集画像の印刷が開始される。印刷が開始されると、編集空間A2−1での編集作業を終えた利用者は、白抜き矢印#5で示されるように編集空間A2−1から印刷待ち空間A3に移動する。また、編集空間A2−2での編集作業を終えた利用者は、白抜き矢印#6で示されるように編集空間A2−2から印刷待ち空間A3に移動する。印刷待ち空間A3に移動した利用者は、印刷が終了するのを待つ。
【0042】
印刷が終了すると、利用者は、編集ユニット12の右側面に設けられた排出口から排出されたシール紙を受け取り、一連の写真シール作成ゲームを終える。
【0044】
<撮影部の構成>
図3は、撮影部21の構成例を示す斜視図であり、
図4は、撮影部21の構成例を示す正面図である。
【0045】
撮影部21の外枠は、複数のキャスターが取り付けられたベース部43に、正面パネル41、側面パネル42A、および側面パネル42Bが立設して構成される。
【0046】
正面パネル41の略中央には、略箱形状の撮影・表示ユニット101が設けられる。撮影・表示ユニット101の正面側には、上から順に、前下がりの斜面101A、垂直に対して僅かに前傾した斜面101B、および、斜面101Aより急な斜面101Cが形成される。
【0047】
斜面101Bの略中央には円形の開口部が形成され、開口部には、撮影空間A1にいる利用者を撮影するカメラ111のレンズが設けられる。撮影・表示ユニット101の内部には、例えば一眼レフカメラであるカメラ111がチルト可能に取り付けられている。
【0048】
斜面101Cにはタッチパネルモニタ112が設けられる。タッチパネルモニタ112は、LCD(Liquid Crystal Display)などのモニタと、それに積層されたタッチパネルにより構成される。
【0049】
タッチパネルモニタ112は、カメラ111により取り込まれた動画像(以下、ライブビュー画像ともいう)を表示するライブビューモニタとしての機能と、各種のGUI(Graphical User Interface)を表示して利用者の操作を受け付ける機能とを備える。タッチパネルモニタ112には、カメラ111により取り込まれたライブビュー画像や撮影画像が表示される。撮影画像は、所定のタイミングでカメラ111により取り込まれた静止画像である。
【0050】
後述するように、利用者は、自身の全身が写る画像である全身画像と、顔を中心として自身の略胸から上の範囲が大きく写る画像であるアップ画像を撮影することができる。
【0051】
正面パネル41には、撮影・表示ユニット101を挟んで対称に発光部102Lと発光部102Rが形成される。発光部102Lと発光部102Rは、例えば正面パネル41に形成された細幅の溝に、透光性を有するカバーが嵌め込まれることによって構成される。正面パネル41に形成された細幅の溝にはLED(Light Emitting Diode)などの発光体が設けられる。
【0052】
図4に示すように、撮影・表示ユニット101の左側の発光部102Lは、細幅の直線状部102L−1乃至102L−3から構成される。直線状部102L−2は、その長さを撮影・表示ユニット101の縦方向の長さと略同じ長さにするように垂直方向に形成される。直線状部102L−1は、直線状部102L−2の上端から右斜め上方に向けて形成され、直線状部102L−3は、直線状部102L−1の下端から右斜め下方に向けて形成される。
【0053】
一方、撮影・表示ユニット101の右側の発光部102Rは、細幅の直線状部102R−1乃至102R−3から構成される。直線状部102R−2は、その長さを撮影・表示ユニット101の縦方向の長さと略同じ長さにするように垂直方向に形成される。直線状部102R−1は、直線状部102R−2の上端から左斜め上方に向けて形成され、直線状部102R−3は、直線状部102R−2の下端から左斜め下方に向けて形成される。
【0054】
図4に示されるように、発光部102Lと発光部102Rを合わせた形状は略六角形になる。発光部102Lと発光部102Rが発光することにより、撮影空間A1をシャープな印象に演出することができる。
【0055】
撮影・表示ユニット101の上方には、曲面のカバーを利用者に向けた上ストロボユニット103が設置される。上ストロボユニット103は、所定の取り付け部材を用いて、正面パネル41などに固定される。上ストロボユニット103は内部に蛍光灯およびストロボ発光管を有し、正面上方から、利用者の顔付近にストロボ光を照射する。
【0056】
撮影・表示ユニット101の下方には、カメラ111による撮影に合わせて利用者の下半身にストロボ光を照射する足元ストロボユニット104が設けられる。足元ストロボユニット104の正面は垂直面を形成する板状部材121により構成され、上面は緩やかな斜面を形成する板状部材122により構成される。板状部材121と板状部材122は、乳白色のアクリル板などの透光性を有する板状部材である。足元ストロボユニット104もまた、内部に蛍光灯およびストロボ発光管を有する。
【0057】
足元ストロボユニット104の板状部材121の左右には、垂直面を構成する板状部材123Lと板状部材123Rがそれぞれ設けられる。板状部材123Rには、利用者が硬貨を投入する硬貨投入口が設けられる。
【0058】
足元ストロボユニット104の板状部材122の左右には、板状部材122と同様の緩やかな斜面を形成する板状部材124Lと板状部材124Rがそれぞれ設けられる。板状部材124Lと板状部材124Rにより形成される斜面は、利用者が手荷物を置くためなどに用いられる。
【0059】
図示はしないが、正面パネル41の例えば天井付近にはスピーカが設けられる。そのスピーカは、撮影作業に関する案内音声、BGM(Background Music)、効果音などを出力する。
【0060】
<背景部の構成>
図5は、背景部22の撮影空間A1側の構成例を示す図である。
【0061】
背面パネル51の上方中央には背面上ストロボ131が設けられる。また、背面パネル51の上方右側(図中、左側)には背面右ストロボ132が設けられ、背面パネル51の上方左側(図中、右側)には背面左ストロボ133が設けられる。
【0062】
背面上ストロボ131は、後方上側から利用者にストロボ光を照射する。背面右ストロボ132は、後方右側から利用者にストロボ光を照射する。背面左ストロボ133は、後方左側から利用者にストロボ光を照射する。
【0063】
背面パネル51の撮影空間A1側(図中、手前側)の面の色は白色とされる。また、図示はしないが、側面パネル52A,52Bそれぞれの撮影空間A1側の面の色も白色とされる。
【0064】
また、背面パネル51の撮影空間A1側には、図示せぬカーテンユニットにより、クロマキ用のカーテンが、必要に応じて下ろされる。これにより、撮影画像に対してクロマキ処理を施し、利用者が所望する背景画像を、撮影画像の背景部分に合成することができる。なお、クロマキ用のカーテンの色は、緑色であるものとするが、クロマキ処理を行うことができる色であればよく、青色などの他の色であってもよい。
【0065】
<編集ユニットの構成>
図6は、編集ユニット12の正面側(編集空間A2−1側)の構成例を示す図である。
【0066】
斜面12Bのほぼ中央には、タブレット内蔵モニタ141が設けられる。タブレット内蔵モニタ141の左右にはタッチペン142Aとタッチペン142Bが設けられる。
【0067】
タブレット内蔵モニタ141は、タッチペン142A,142Bを用いた操作入力を受け付ける。タブレット内蔵モニタ141には、編集作業に用いられる編集画面などが表示される。例えば、タッチペン142Aはタブレット内蔵モニタ141に向かって左側に立つ利用者により用いられ、タッチペン142Bはタブレット内蔵モニタ141に向かって右側に立つ利用者により用いられる。以下、適宜、タッチペン142Aとタッチペン142Bを区別する必要がない場合、タッチペン142という。
【0068】
図7は、編集ユニット12の右側面の構成例を示す図である。
【0069】
編集ユニット12の右側面の下部にはシール紙排出口151が設けられる。編集ユニット12の内部にはプリンタが設けられる。そのプリンタにより、編集空間A2−1の利用者が編集を行った画像、または、編集空間A2−2の利用者が編集を行った画像が所定のレイアウトでシール紙に印刷され、シール紙排出口151から排出される。
【0070】
<シール紙の例>
図8は、以上のような外観構成を有する写真シール作成装置1により作成されるシール紙の例を示す図である。
【0071】
図8に示す横長のシール紙には、5枚の編集画像である編集画像161−1乃至161−5が横に並んで印刷されている。
【0072】
編集画像161−1乃至161−5のうち、編集画像161−1乃至161−3は、アップ画像に対して編集が施されることによって生成された画像であり、編集画像161−4と編集画像161−5は、全身画像に対して編集が施されることによって生成された画像である。
【0073】
アップ画像と全身画像は縦横比が異なる。例えば、アップ画像の横方向の長さと縦方向の長さの比は1:1.2であり、全身画像の横方向の長さと縦方向の長さの比は3:4である。
図8の例においては、アップ画像と全身画像が、横方向の長さを同じ長さとして印刷されている。なお、実際には、利用者の背景には、所定の色や柄の画像である背景画像が、前景には、手書きの文字やスタンプ画像などが、それぞれ合成用画像として合成される。
【0074】
シール紙の縁の余白には、機種名(LOVERY)と撮影日の他に、メールアドレス、IDなどが印刷される。余白領域に印刷されたメールアドレスとIDは、写真シール作成装置1からサーバに送信された画像を携帯電話機などの携帯端末で閲覧するときに利用される。
【0075】
図9は、編集画像のレイヤ構造の例を示す図である。
【0076】
左端の編集画像P1が編集によって生成される画像である。編集画像P1は、背景画像P11、撮影画像P12、前景画像P13の各レイヤの画像から構成される。
【0077】
図9の例において、背景画像P11は、レンガを重ねた壁面の柄の画像である。前景画像P13は、「Love my friend」の手書き文字の画像とハート型の画像を含む画像である。「Love my friend」の手書き文字の画像は、撮影画像P12の中央下方の位置にペンツールを用いて利用者によって入力されたペン画像である。また、ハート型の画像は、撮影画像P12の左上の位置にスタンプツールを用いて利用者によって入力されたスタンプ画像である。
【0078】
このように、編集画像P1は、クロマキ処理によって抽出した撮影画像P12の被写体の領域を背景画像P11に重ね、その上に前景画像P13を重ねることによって生成される。ペン画像やスタンプ画像を背景画像P11上に入力し、被写体の背景に表示させるようにすることも可能とされる。
【0079】
<写真シール作成装置の内部構成>
図10は、写真シール作成装置1の内部の構成例を示すブロック図である。上述した構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
【0080】
制御部201は、CPU(Central Processing Unit)などにより構成される。制御部201は、ROM(Read Only Memory)206や記憶部202に記憶されているプログラムを実行し、写真シール作成装置1の全体の動作を制御する。制御部201には、記憶部202、通信部203、ドライブ204、ROM206、RAM(Random Access Memory)207が接続される。制御部201には、撮影部208の各構成、編集部209A,209Bの各構成、およびプリンタ241も接続される。
【0081】
記憶部202は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体である。記憶部202は、制御部201から供給された各種の設定情報などを記憶する。記憶部202に記憶されている情報は制御部201により適宜読み出される。
【0082】
通信部203は、インターネットなどのネットワークのインタフェースである。通信部203は、制御部201による制御に従って外部の装置と通信を行う。通信部203は、例えば、利用者により選択された撮影画像をサーバに送信する。通信部203から送信された画像は、サーバにおいて所定の記憶領域が割り当てられて保存され、サーバにアクセスしてきた携帯端末に表示されたり、ダウンロードされたりする。
【0083】
ドライブ204には、光ディスクや半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア205が適宜装着される。ドライブ204によりリムーバブルメディア205から読み出されたプログラムやデータは、制御部201に供給され、記憶部202に記憶されたり、インストールされたりする。
【0084】
ROM206は、制御部201において実行されるプログラムやデータを記憶する。RAM207は、制御部201が処理するデータやプログラムを一時的に記憶する。
【0085】
撮影部208は、撮影空間A1にいる利用者を対象とした撮影処理を実現する。撮影部208は、硬貨処理部221、照明装置222、カメラ111、タッチパネルモニタ112、およびスピーカ223から構成される。
【0086】
硬貨処理部221は、硬貨投入口への硬貨の投入を検出する。硬貨処理部221は、例えば400円などの所定の金額分の硬貨が投入されたことを検出した場合、ゲームの開始を指示する起動信号を制御部201に出力する。
【0087】
照明装置222は、上ストロボユニット103、足元ストロボユニット104などの、撮影空間A1内に設けられる各照明装置である。照明装置222のそれぞれは、制御部201から供給される照明制御信号に従って発光する。
【0088】
カメラ111は、制御部201によるシャッタ制御に従って撮影を行い、撮影によって得られた撮影画像のデータを制御部201に出力する。
【0089】
編集部209Aは、編集空間A2−1にいる利用者を対象とした編集処理を実現する。編集部209Aは、タブレット内蔵モニタ141、タッチペン142A,142B、およびスピーカ231から構成される。編集部209Bは、編集部209Aと同一の構成を有し、編集空間A2−2にいる利用者を対象とした編集処理を実現する。
【0090】
タブレット内蔵モニタ141は、制御部201による制御に従って各種の画面を表示し、表示した画面に対する利用者の操作を受け付ける。利用者の操作の内容を表す入力信号は制御部201に供給される。
【0091】
プリンタ241は、制御部201から供給された印刷データに基づいて、シール紙ユニット242に収納されているシール紙に編集画像を印刷する。プリンタ241は、編集画像を所定のレイアウトで印刷したシール紙をシール紙排出口151に排出する。
【0092】
<制御部の構成>
図11は、制御部201の機能構成例を示すブロック図である。
図11に示す機能部のうちの少なくとも一部は、制御部201内のCPUにより所定のプログラムが実行されることによって実現される。
【0093】
制御部201は、撮影処理部301、編集処理部302、および印刷処理部303から構成される。
【0094】
撮影処理部301は、撮影部208の各部を制御して撮影処理を行う。編集処理部302は、編集部209A,209Bの各部を制御して編集処理を行う。印刷処理部303は、プリンタ241を制御して編集画像をシール紙に印刷する。
【0095】
<写真シール作成装置の動作>
ここで、
図12のフローチャートを参照して、写真シール作成ゲームを提供する写真シール作成装置1の動作について説明する。
図12の処理は、所定の金額分の硬貨が硬貨投入口に投入されたときに開始される。
【0096】
ステップS1において、撮影処理部301は、撮影部208を制御して撮影処理を行う。
【0097】
撮影処理において、撮影処理部301は、人数や撮影コースの選択画面をタッチパネルモニタ112に表示させ、それらの選択を行わせる。例えば、撮影コースに応じて、異なる写りの撮影画像が生成される。
【0098】
被写体の写りは、撮影画像に施す画像処理の種類などによって変わる。例えば、被写体の写りは、撮影画像における人物領域の彩度、明度、シャープネス、コントラストなどの少なくともいずれかを調整することで決定される。撮影画像に対しては、彩度、明度、シャープネス、コントラストなどの各種のパラメータを調整する画像処理が施される。被写体の写りを、撮影空間A1内の各ストロボの発光量や発光タイミングなどを制御することで変えるようにしてもよい。
【0099】
人数や撮影コースが選択されたとき、撮影処理部301は、カメラ111を制御して動画像の取り込みを開始する。撮影処理部301は、取り込まれた動画像をライブビュー画像としてタッチパネルモニタ112に表示させる。利用者は、ライブビュー画像を見ることで自分たちの写り方を確認することができる。
【0100】
ライブビュー画像が所定の時間表示された後、撮影前のカウントダウンが開始される。撮影のタイミングになったとき、撮影処理部301は1回目の撮影を行う。その後、撮影処理部301は、所定の回数分の撮影を繰り返し行う。
【0101】
例えば5回の撮影のうち1回目から3回目までの撮影がアップ画像の撮影であり、4回目と5回目の撮影が全身画像の撮影である場合、撮影処理部301は、それぞれの撮影画像の種類に応じて、カメラ111の画角を調整する等の処理を行う。
【0102】
全身画像として、斜め上から見た利用者の全身が写る画像と、正面から見た利用者の全身が写る画像とが生成されるようにしてもよい。
【0103】
この場合、例えば、カメラ111の角度を調整することが可能とされる。利用者は、アングル(撮影方向)が異なる全身画像を撮影することができる。
【0104】
5回などの所定の回数の撮影が行われた後、撮影処理部301は、撮影を終えた利用者に対して、編集空間A2−1または編集空間A2−2への移動を案内する。編集空間への移動の案内は、タッチパネルモニタ112に案内画面を表示させることによって、または音声をスピーカ223から出力させることによって行われる。
【0105】
図12のステップS2において、編集処理部302は編集処理を行い、編集画像を生成する。編集処理においては、編集画面がタブレット内蔵モニタ141に表示され、撮影画像の編集が行われる。編集画面が表示されるタブレット内蔵モニタ141は、撮影処理を終えた利用者の移動先とした方の編集空間に設けられているモニタである。
【0106】
編集画面を用いた撮影画像の編集は、予め設定された制限時間が経過するか、編集画面に表示された終了ボタンが操作されたときに終了される。撮影画像の編集が終了したとき、レイアウトの選択、携帯専用画像の選択などが行われ、その後、印刷待ち空間A3への移動が案内される。
【0107】
ステップS3において、印刷処理部303は、プリンタ241を制御し、編集処理によって得られた編集画像をシール紙に印刷する。なお、撮影処理により得られた撮影画像に対して編集が施されていない場合、撮影画像がそのままシール紙に印刷される。
【0108】
ステップS4において、プリンタ241は、編集画像が印刷されたシール紙をシール紙排出口151に排出し、処理を終了させる。
【0109】
<立体感について>
ところで、撮影画像は平面(2次元空間)の画像である。したがって、撮影画像における被写体の立体感は、ストロボからの光によりハイライトや影(以下、シェーディングという)がどのように表現されるかで決まる。特に、自然な立体感を出すためには、画像処理ではなく、撮影環境によって、適切なハイライトやシェーディングを表現する必要がある。
【0110】
スタジオ撮影においては、撮影者が、カメラの位置、ストロボやレフ板の位置・サイズを被写体に応じて調整した撮影環境で、所望のハイライトやシェーディングを実現することができる。しかしながら、写真シール作成装置においては、撮影者がいないので、自然な立体感を出すためには、一定の撮影環境において、適切なハイライトやシェーディングを実現しなければならない。
【0111】
写真シール作成装置1においては、撮影空間A1の一部を構成する正面パネル41の、撮影空間A1側の面の中央にカメラ111が設けられる。また、カメラ111の上方には上ストロボユニット103が設けられ、カメラ111の下方には足元ストロボユニット104が設けられる。撮影の際、利用者は撮影空間A1の正面パネル41側を向き、カメラ111に顔を向ける。この状態で、撮影のタイミングになると、上ストロボユニット103は、正面上方から、利用者の顔付近にストロボ光を照射する。また、足元ストロボユニット104は、利用者の下半身にストロボ光を照射する。
【0112】
本実施の形態の写真シール作成装置1においては、上ストロボユニット103がメインライトとして機能する。上ストロボユニット103によれば、利用者の人数、利用者の動きやポーズによらず、利用者の顔に対して確実に光を照射することができる。逆に、足元ストロボユニット104や、カメラ111の左右にストロボユニットを新たに設け、これらをメインライトとした場合には、利用者の人数、利用者の動きやポーズにより光が遮られ、利用者の顔に対して確実に光を照射できないおそれがある。
【0113】
光源の位置以外にも、撮影空間内の配色によって、撮影環境を変えることもできる。
【0114】
例えば、撮影空間内の内側全体の色を黒色にした場合、利用者に対して固い光のみが照射されることになる。この場合、固い光によって、明暗が強調されすぎてしまい、被写体となる利用者の顔に嫌な陰影が目立つようになる。
【0115】
一方、撮影空間内の内側全体の色を白色にした場合、利用者に対して、固い光に加え、柔らかい光が照射されるようになる。この場合、柔らかい光によって、影の部分が明るい領域になじむようになるが、影が目立たなくなるため、立体感が損なわれるおそれがある。
【0116】
そこで、以下においては、画像処理によらず、自然で立体感のある画像を提供する構成について説明する。
【0117】
<撮影空間内の配色について>
図13は、撮影空間A1内の配色について説明する図である。
【0118】
図13に示されるように、正面パネル41の撮影空間A1側の面と、正面パネル41の左端(右端)に接するようにして設けられる側面パネル42B(側面パネル42A)の撮影空間A1側の面とは、異なる色とされ、一方は明るい色であり、他方は暗い色である。
【0119】
具体的には、正面パネル41の撮影空間A1側の面の色は、白色または白色系の色である。これに加えて、撮影・表示ユニット101の各面、板状部材123L(板状部材123R)、板状部材124L(板状部材124R)それぞれの色もまた、白色または白色系の色である。また、上ストロボユニット103の発光面を構成する曲面状のカバーや、足元ストロボユニット104の発光面を構成する板状部材121,122は、透光性を有する乳白色のアクリル板などによりなる。
【0120】
これにより、利用者からみた撮影空間A1内の正面からは、上ストロボユニット103からのストロボ光(直接光)に加え、撮影空間A1内の各ストロボユニットのストロボ光の反射光(間接光)が、柔らかい光として、利用者の顔の正面を中心に照射されるようになる。なお、撮影空間A1内には、ストロボユニットが複数設けられるが、1つのみ設けられるようにしてもよい。
【0121】
一方、側面パネル42B(側面パネル42A)の撮影空間A1側の面は、黒色または黒色系の色である。これに加えて、側面パネル42B(側面パネル42A)と図示せぬ側面パネル52B(側面パネル52A)の上部を連結する連結部31B(連結部31A)の撮影空間A1側の面、撮影空間A1の出入り口を覆うカーテン411B(カーテン411A)それぞれの色もまた、黒色または黒色系の色である。
【0122】
これにより、利用者からみた撮影空間A1内の側面には、撮影空間A1内の各ストロボユニットのストロボ光全体のごく一部しか反射せず、利用者からみた撮影空間A1内の側面からは、各ストロボユニットからの固い光のみが、利用者の顔の側面を中心に照射されるようになる。
【0123】
すなわち、以上の構成においては、正面パネル41と、側面パネル42A,42Bとで光の反射率を異ならせている。
【0124】
例えば、色の明度を0乃至10の数値で表すようにした場合、正面パネル41の色の明度を10とし、側面パネル42A,42Bの色の明度を5とすることで、正面パネル41の反射率を100%、側面パネル42A,42Bの反射率を19%などとすることができる。
【0125】
また、正面パネル41の色彩を白色とし、側面パネル42A,42Bの色彩を黒色とすることで、正面パネル41の反射率を80%、側面パネル42A,42Bの反射率を4%などとすることができる。
【0126】
さらに、正面パネル41と、側面パネル42A,42Bとで、材質を異ならせることで、光の反射率を異ならせるようにしてもよい。例えば、正面パネル41を白色の塗料で塗布し、側面パネル42A,42Bに白色の麻布を貼りつけることで、正面パネル41の反射率を85%、側面パネル42A,42Bの反射率を55%などとすることができる。
【0127】
以上の構成によれば、利用者の顔の正面には適度なハイライトができ、側面には適度なシェーディングができるようになる。これにより、顔の輪郭がはっきりと強調されつつ、顔の正面は明るくきれいに写る、自然で立体感のある画像を提供することが可能となる。このことは、特に、撮影空間A1内において利用者がカメラ111に近い位置で写るアップ画像を撮影する際に実現される。
【0128】
なお、以上においては、正面パネル41の撮影空間A1側の面全体を白色または白色系の色とするようにしたが、その面の一部のみを白色または白色系の色とするようにしてもよい。これにより、利用者の顔の正面の一部のみに適度なハイライトができるようになる。
【0129】
さらに、上述したように、背面パネル51および側面パネル52A,52Bの撮影空間A1側の面の色は、白色または白色系の色である。また、背面上ストロボ131、背面右ストロボ132、および背面左ストロボ133の発光面を構成するカバーは、透光性を有する乳白色のアクリル板などによりなる。
【0130】
これにより、利用者からみた撮影空間A1内の背面からも、背面上ストロボ131、背面右ストロボ132、および背面左ストロボ133からのストロボ光(直接光)に加え、撮影空間A1内の各ストロボユニットのストロボ光の反射光(間接光)が、柔らかい光として、利用者の背面全体に照射されるようになる。
【0131】
したがって、利用者の顔の正面には適度なハイライトができ、側面には適度なシェーディングができる上に、利用者の背面にもハイライトができるようになる。これにより、顔や体の明るさにメリハリのついた、自然で立体感のある画像を提供することが可能となる。このことは、特に、撮影空間A1内で利用者がカメラ111から遠い位置(背面パネル51に近い位置)で写る全身画像を撮影する際に実現される。
【0132】
<立ち位置の誘導>
上述したように、アップ画像の撮影と全身画像の撮影とでは、撮影空間A1内での利用者の立ち位置が異なる。以下においては、それぞれに撮影において、利用者を適切な立ち位置に誘導するための手段について説明する。
【0133】
図14は、アップ撮影時のトリミングの例を示す図である。
【0134】
図14の画像P21は、カメラ111により取り込まれた動画像の1フレーム全体の画像である。画像P21は縦長の画像であり、撮影空間A1にいる2人の利用者の頭の上から腰のあたりまでが大きく写っている。2人の利用者の背景には背面パネル51が写っている。画像P21においては、カメラ111に向かって右側に立つ利用者H1が左側に写り、左側に立つ利用者H2が右側に写る。
【0135】
枠F1で示す矩形領域がトリミングによって切り出される領域である。枠F1で示す矩形領域の横と縦の比は1:1.2である。枠F1で示す矩形領域は、各フレームにおいて固定とされる。
【0136】
このようにして動画像の各フレームから切り出された、枠F1で示す矩形領域の画像からなる動画像がライブビューの表示に用いられる。
【0137】
図15は、アップ撮影時のライブビュー表示画面の例を示す図である。
【0138】
ライブビュー表示画面の中央上方には「撮影するよ」のメッセージが表示される。その下に設けられた矩形の領域であるライブビュー表示領域451には、動画像が表示される。ライブビュー表示領域451に表示される動画像においては、カメラ111に向かって右側に立つ利用者H1が右側に写り、左側に立つ利用者H2が左側に写る。カメラ111によって撮影された画像は、反転してタッチパネルモニタ112に表示される。
【0139】
ライブビュー表示領域451の下には、ライブビュー表示領域451より小さい矩形の領域である撮影結果表示領域452−1乃至452−5が横に並んで配置される。
【0140】
撮影結果表示領域452−1乃至452−5には、撮影が行われる毎に、撮影によって得られた撮影画像が撮影順に表示される。利用者は、このようなライブビュー表示画面を見て、自分の顔の位置や大きさを調整するべく、適切な立ち位置に移動する。
【0141】
図16は、全身撮影時のトリミングの例を示す図である。
【0142】
図16の画像P22は、カメラ111により取り込まれた動画像の1フレーム全体の画像である。画像P22は縦長の画像であり、上から見下ろすように撮影した、撮影空間A1にいる2人の利用者の全身が写っている。2人の利用者の後ろには背面パネル51が写り、2人の利用者の横には側面パネル52A,52Bが写っている。画像P22においては、カメラ111に向かって右側に立つ利用者H1が左側に写り、左側に立つ利用者H2が右側に写る。
【0143】
枠F2で示す矩形領域がトリミングによって切り出される領域である。枠F2で示す矩形領域の横と縦の比は3:4である。枠F2で示す矩形領域は、各フレームにおいて固定とされる。
【0144】
このようにして動画像の各フレームから切り出された、枠F2で示す矩形領域の画像からなる動画像が、ライブビューの表示に用いられる。
【0145】
図17は、全身撮影時のライブビュー表示画面の例を示す図である。
図15の表示と重複する説明については適宜省略する。
【0146】
ライブビュー表示領域451には動画像が表示される。全身撮影時のライブビュー表示領域451の横方向の長さは、アップ撮影時のライブビュー表示領域451の横方向の長さと同じ長さである。なお、それぞれの横方向の長さは、厳密に同じ長さでなくてもよく、画像を見て、利用者が同じと判断できる程度であればよい。
【0147】
ライブビュー表示領域451に表示される動画像においては、カメラ111に向かって右側に立つ利用者H1が右側に写り、左側に立つ利用者H2が左側に写る。カメラ111によって撮影された画像は、反転してタッチパネルモニタ112に表示される。
【0148】
図17の例においても、利用者は、このようなライブビュー表示画面を見て、自分の体の位置を調整するべく、適切な立ち位置に移動する。
【0149】
以上のようにして、アップ画像の撮影および全身画像の撮影それぞれにおいて、トリミングされたライブビュー画像によって、利用者が適切な立ち位置に誘導されるようになる。
【0150】
なお、以上においては、全身画像の撮影として、斜め上から見た利用者の全身が写る全身画像の撮影が行われる例について説明したが、全身画像の撮影として、正面から見た利用者の全身が写る全身画像の撮影が行われる場合であっても、ライブビューの表示は上述した例と同様にして行われる。
【0151】
<背面左右ストロボについて>
従来の写真シール機においては、
図18左側に示されるように、背面右ストロボ461(背面左ストロボも同様)は、撮影空間において、長手方向が水平方向になるように設けられていた。また、背面右ストロボ461には、光を特定の方向に導くためのルーバーが設けられていた。
【0152】
このような背面左右ストロボによって、撮影空間における利用者Uの前後方向の立ち位置に依存することなく、利用者Uの髪に対して直線的な光、すなわち、光源から同一方向に進む光が照射されていた。
【0153】
一方、本実施の形態の写真シール作成装置1においては、
図18右側に示されるように、背面右ストロボ132(背面左ストロボ133も同様)は、撮影空間A1において、長手方向が垂直方向になるように設けられていた。なお、背面右ストロボ132には、光を特定の方向に導くためのルーバーは設けられていない。
【0154】
このような背面左右ストロボによれば、撮影空間A1における利用者Uの前後方向の立ち位置に依存して、利用者Uの背面に対して拡散された光が照射される。具体的には、利用者がカメラ111に近い位置に立つほど、利用者Uの背面に照射される光は弱くなる。
【0155】
写真シール作成装置1の背面左右ストロボからの光は、従来の写真シール機の背面左右ストロボからの光と比べて指向性が低く、利用者Uの髪に照射される光も弱くなる。すなわち、利用者Uの髪は明るくなりすぎず、結果として、利用者の顔の立体感が強調されるようになる。
【0156】
<上ストロボユニットとカメラとの位置関係>
上ストロボユニット103とカメラ111との位置関係は、撮影画像における被写体の写りに影響を与える。
【0157】
例えば、上ストロボユニット103の発光面が、カメラ111のレンズ面より被写体側にせり出している場合、カメラ111と被写体(利用者)との間に一定の距離ができてしまう。被写体がカメラ111から遠い場合、原画像に写る被写体は小さくなる。そのような原画像からトリミングによって撮影画像を生成する場合、被写体の大きさを確保するためにトリミング後の画像を拡大しようとすると、画素が粗くなり画質が低下してしまう。
【0158】
逆に、カメラ111のレンズ面が、上ストロボユニット103の発光面より被写体側にせり出している場合、上ストロボユニット103と被写体(利用者)との間に一定の距離ができてしまう。被写体が上ストロボユニット103から遠い場合、上ストロボユニット103からの光が被写体に十分に照射されなくなる。その結果、
図19に示されるように、得られるアップ画像471や全身画像472の上側が暗く写ってしまう。このことは、カメラ111から離れて撮影を行うことで得られる全身画像において特に顕著に表れる。
【0159】
これに対して、上ストロボユニット103の光量を上げることで、上ストロボユニット103からの光が被写体に十分に照射されるようにすることができる。しかしながら、上ストロボユニット103の光量を上げることで、利用者の顔の一部に「てかり」が生じるおそれがある。
【0160】
そこで、本実施の形態の写真シール作成装置1においては、
図20に示されるように、上ストロボユニット103の中心(内部に設けられるストロボ発光管)とカメラ111のレンズ面とが、写真シール作成装置1の設置面に垂直な同一直線L1上に設けられるようにする。
【0161】
これにより、上ストロボユニット103と被写体(利用者)との間の距離が適度な距離となり、画質を低下させることなく、また、得られる撮影画像の上側の写りが暗くなったり、利用者の顔の一部に「てかり」が生じることを防ぐことができる。
【0162】
また、本実施の形態の写真シール作成装置1においては、上ストロボユニット103の発光面の中心を通る法線L2と水平面とのなす角度が、従来の写真シール機と比べて小さく設計されている。すなわち、上ストロボユニット103の発光面は、従来の写真シール機の上ストロボユニットの発光面より上を向くようになされている。例えば、上ストロボユニット103の発光面の中心を通る法線L2と水平面とのなす角度は、40°乃至50°程度とされる。
【0163】
これにより、利用者が、撮影空間A1内の最も背面パネル51寄りに立った場合であっても、利用者に適切に光が照射されるようになる。
【0164】
さらに、
図20においては、上ストロボユニット103の発光面の中心を通る法線L2と、カメラ111のレンズの光軸L3との交点が、アップ画像の撮影を行うときの立ち位置SP1とされる。この立ち位置SP1は、カメラ111から600mm乃至800mm程度の位置とされる。
【0165】
立ち位置SP1で撮影を行うことにより、アップ画像の撮影範囲である顔を含む胸から上の範囲に、上ストロボユニット103と足元ストロボユニット104の上面からの光が適切に照射され、より良い写りのアップ画像が得られるようになる。
【0166】
また、
図20においては、上ストロボユニット103の発光面の中心を通る法線L2と、足元ストロボユニット104の正面(垂直面)を形成する板状部材121の上端を通る水平な直線L4との交点が、全身画像の撮影を行うときの立ち位置SP2とされる。
【0167】
立ち位置SP2で撮影を行うことにより、全身画像の撮影範囲である全身の範囲に、上ストロボユニット103と足元ストロボユニット104の正面からの光が適切に照射され、より良い写りの全身画像が得られるようになる。
【0168】
<荷物置き場の詳細>
上述したように、足元ストロボユニット104の左右には、板状部材124Lおよび板状部材124Rにより形成される斜面が、利用者の荷物置き場として設けられている。以下、荷物置き場の詳細について説明する。なお、以下においては、板状部材124Rについて説明するが、板状部材124Lについても同様の構成となる。
【0169】
図21に示されるように、板状部材124Rは、足元ストロボユニット104の側面部を構成する側面枠部104Fと側面パネル42Aとに挟まれるようにして設けられる。
【0170】
板状部材124Rは、傾斜をつけて設けられているため、板状部材124R上に利用者が手荷物を置いた場合、その手荷物が滑り落ちる可能性がある。そこで、板状部材124Rの斜面の最も手前側(下端)には、段差部124Dを設けるようにする。これにより、手荷物が滑り落ちるのを防ぐことができる。
【0171】
さらに、板状部材124R上に利用者が缶ジュースなどの飲料を置いた場合、その缶が倒れ、その缶からこぼれ出た飲料が、板状部材124Rの斜面と段差部124Dとの間の谷部分に貯まってしまうおそれがある。そこで、その谷部分と側面枠部104Fとが交わる部分に、水抜き孔481を設けるようにする。これにより、倒れた缶からこぼれ出た飲料が、板状部材124Rの斜面と段差部124Dとの間の谷部分に貯まるのを防ぐことができる。なお、水抜き孔481に流れ込んだ飲料は、側面パネル42A、側面枠部104F、板状部材123R、および板状部材124Rで囲まれる空間内に設けられた貯水部に貯められる。また、水抜き孔481が設けられる位置は、上述した位置に限らず、板状部材124Rの斜面と段差部124Dとの間の谷部分に貯まった液体が流れ込むことができる位置であればよい。
【0172】
以下においては、本技術の写真シール作成装置1の他の実施の形態について説明する。
【0173】
<撮影空間内の配色の他の例>
図22は、撮影部の他の構成例を示す斜視図である。
【0174】
図22においては、撮影・表示ユニット101の各面(斜面101A乃至101Cを含む前面、上面、側面、および下面)の色は、黒色または黒色系の色とされる。
【0175】
これにより、
図13の例と比較して、利用者の正面から照射される光のうち、柔らかい光の割合が低減されるので、利用者の顔にできる陰影をほどよく強調させることができる。なお、
図22の構成において、撮影空間A1の側面の色を、
図13と同様に黒色または黒色系の色とするようにしてもよい。
【0176】
図23は、撮影部のさらに他の構成例を示す斜視図である。
【0177】
図23においては、正面パネル41の撮影空間A1側の面と、側面パネル42B(側面パネル42A)の撮影空間A1側の面とは、異なる色とされ、一方は明るい色であり、他方は暗い色である。
【0178】
具体的には、正面パネル41の撮影空間A1側の面の色は、黒色または黒色系の色である。
図23の例では、撮影・表示ユニット101の各面の色は、白色または白色系の色であるが、
図22の例と同様、黒色または黒色系の色であってもよい。
【0179】
これにより、利用者からみた撮影空間A1内の正面には、撮影空間A1内の各ストロボユニットのストロボ光全体のごく一部しか反射せず、利用者からみた撮影空間A1内の正面からは、固い光のみが、利用者の顔の正面を中心に照射されるようになる。
【0180】
一方、側面パネル42B(側面パネル42A)の撮影空間A1側の面は、白色または白色系の色である。また、図示はしないが、側面パネル42Bと側面パネル52Bの上部を連結する連結部31B(連結部31A)の撮影空間A1側の面、撮影空間A1の出入り口を覆うカーテン411B(カーテン411A)それぞれの色もまた、白色または白色系の色である。
【0181】
これにより、利用者からみた撮影空間A1内の側面からは、撮影空間A1内の各ストロボユニットのストロボ光の反射光が、柔らかい光として、利用者の顔の側面を中心に照射されるようになる。
【0182】
したがって、利用者の顔の正面にはシェーディングができ、顔の側面にはハイライトができるようになる。すなわち、顔の正面にできる陰影をより強調した、立体感のある画像を提供することが可能となる。
【0183】
<編集ユニットのカーテンについて>
上述したように、編集ユニット12の上方に設けられるカーテン取付部75は、上から見たときの形状がコの字の角がC面取りされた形状を有する。
【0184】
図24は、写真シール作成装置1の外観の他の構成例を示す斜視図である。
【0185】
図24に示されるように、カーテン取付部75を構成する5本の棒状部材75A乃至75C,75a,75bには、カーテン511A乃至511C,511a,511bがそれぞれ取り付けられている。
【0186】
従来、写真シール機が設置されている施設において写真シール機を移動する場合、その施設の広さによっては、写真シール機を旋回させる際に、筐体の角の部分が、施設内の壁や他のゲーム機器などに接触するおそれがあった。
【0187】
また、このような施設で、複数の写真シール機が設置されている領域においては、写真シール機同士の間に設けられる所定の間隔が、利用者の通路として利用される。しかしながら、施設の規模によっては、このような通路は狭くならざるを得ず、また、筐体の角が死角をつくり出し、利用者同士が衝突するおそれもある。
【0188】
そこで、本実施の形態の写真シール作成装置1のように、カーテン取付部75の角をC面取りされた形状とすることで、写真シール作成装置1を旋回させる際に、筐体の角の部分が、施設内の壁や他のゲーム機器などに接触する危険性を低減させることができる。
【0189】
また、複数の写真シール作成装置1を設置した場合であっても、筐体の角の部分がC面取りされているので、写真シール作成装置1同士の間の通路の圧迫感を抑えるとともに、筐体の角による死角がなくなるため、利用者同士が衝突する危険性を低減させることもできる。
【0190】
さらに、従来の写真シール機において、編集ユニットを囲むカーテンは3面(3枚)であった。通常、これらのカーテンには、写真シール機自体の機種を表すロゴや画像が印刷されている。
【0191】
本実施の形態の写真シール作成装置1においては、編集ユニットを囲むカーテンは5面(5枚)となるので、これらのカーテンに印刷されるロゴや画像を、写真シール作成装置1の周囲にいる利用者から確認させやすくすることができる。
【0192】
図25は、写真シール作成装置1の外観のさらに他の構成例を示す斜視図である。
【0193】
図25においては、カーテン511A乃至511C,511a,511bのうち、C面取り部分に取り付けられているカーテン511a,511bが透明または半透明な材質により形成されている。
【0194】
このように、編集ユニットを囲むカーテンの一部を透明または半透明にすることで、撮影作業を終え編集空間へ移動してくる利用者は、カーテンをめくらなくとも、編集空間内に他の利用者がいるか否かを確認することができる。
【0195】
特に、写真シール作成ゲームに慣れていない利用者は、撮影空間から編集空間への移動が案内された場合であっても、編集ユニットを囲むカーテンの内側に編集空間があることを認識できないことがある。また、編集ユニットを囲むカーテンが透明でないために、そのような利用者が、編集空間内の様子を確認できず、編集空間へ入ることを躊躇することもある。
【0196】
そこで、編集ユニットを囲むカーテンの一部を透明または半透明にすることで、写真シール作成ゲームに慣れていない利用者であっても、編集ユニットを囲むカーテンの内側に編集空間があることを容易に認識し、カーテンをめくらなくとも編集空間内の様子を確認することができるようになる。
【0197】
写真シール機において、編集ユニットを囲むカーテンが透明でない場合、編集空間は閉ざされた空間となり、防犯上好ましくなかった。そこで、写真シール機を設置している施設側は、カーテンの一部を切断することで、編集空間を閉ざされた空間としないようにしていた。しかしながら、カーテンの一部を切断すると、そのカーテンに印刷されるロゴや画像の一部が欠落してしまうため、写真シール機の外装のデザイン性が損なわれてしまっていた。
【0198】
そこで、編集ユニットを囲むカーテンの一部を透明または半透明にすることで、編集空間を閉ざされた空間とせず、かつ、写真シール機の外装のデザイン性を保つことができるようになる。
【0199】
さらに、写真シール機において、編集ユニットを囲むカーテンが透明でない場合、編集空間から出ようとする利用者と、編集空間へ入ろうとする利用者または編集空間周辺を歩いている利用者とが出合い頭に衝突するおそれがあった。
【0200】
そこで、編集ユニットを囲むカーテンの一部を透明または半透明にすることで、編集空間内にいる利用者も編集空間外にいる利用者も、お互いを視認することができ、出合い頭に衝突する危険性を低減させることができる。
【0201】
なお、以上においては、カーテン取付部75の上から見たときの形状がコの字の角がC面取りされた形状を有するものとしたが、その上から見たときの形状がコの字の角がR面取りされた形状を有するようにしてもよい。
【0202】
ところで、
図13を参照して説明した撮影空間A1内の配色によれば、柔らかい光が利用者の顔の正面を中心に照射され、固い光が利用者の顔の側面を中心に照射されるので、利用者の顔の正面には適度なハイライトができ、側面には適度なシェーディングができるようになる。これにより、顔の輪郭がはっきりと強調されつつ、顔の正面は明るくきれいに写る、自然で立体感のある画像を提供することが可能となる。
【0203】
しかしながら、固い光は、利用者の顔の正面には照射されないので、顔を構成する目、鼻、口などの顔パーツの立体感をつくり出すことはできない。
【0204】
そこで、以下においては、顔パーツの立体感をつくり出す構成について説明する。
【0205】
<撮影空間内の配色のさらに他の例>
図26は、撮影部のさらに他の構成例を示す斜視図である。
【0206】
なお、本実施形態において、撮影部21を構成する各部は、上述した
図13などの撮影部21を構成する各部とは、形状が若干異なるものの機能的には同様とされる。
【0207】
図26においては、正面パネル41の撮影空間A1側の面と、正面パネル41の下半分の領域を隠すように設けられる箱型部の撮影空間A1側の面のうちの一方は、白色または白色系の色であり、他方は、黒色または黒色系の色である。ここで、箱型部は、足元ストロボユニット104と、その左右に設けられる、板状部材123L,124Lで形成される立体、および、板状部材123R,124Rで形成される立体を指している。
【0208】
具体的には、正面パネル41の下半分の領域を隠すように設けられる箱型部の撮影空間A1側の面(具体的には、足元ストロボユニット104の発光面を構成する板状部材121,122、および、板状部材123L,123R,124L,124Rの各面)の色は、白色または白色系の色である。
【0209】
これにより、足元ストロボユニット104からのストロボ光(直接光)に加え、撮影空間A1内の各ストロボユニットのストロボ光の反射光(間接光)が、
図27に示されるように、柔らかい光SLとして、利用者の脚(下半身)を中心に照射されるようになる。
【0210】
一方、正面パネル41の撮影空間A1側の上半分の面の色は、黒色または黒色系の色である。
【0211】
これにより、利用者からみた撮影空間A1内の正面の上半分には、撮影空間A1内の各ストロボユニットのストロボ光全体のごく一部しか反射せず、利用者からみた撮影空間A1内の正面の上半分からは、
図27に示されるように、上ストロボユニット103からの固い光HLのみが、利用者の顔を中心に照射されるようになる。
【0212】
なお、
図26の例では、正面パネル41の左端(右端)に接するようにして設けられる側面パネル42B(側面パネル42A)の撮影空間A1側の面の色は、
図13の例と同様、黒色または黒色系の色である。しかしながら、側面パネル42B(側面パネル42A)の撮影空間A1側の面の色は、白色または白色系の色であってもよい。
【0213】
また、
図26の例では、撮影・表示ユニット101の各面の色は、白色または白色系の色であるが、
図22の例と同様、黒色または黒色系の色であってもよい。これにより、利用者からみた撮影空間A1内の正面の上半分からは、より固い光が、利用者の顔を中心に照射されるようになる。
【0214】
以上の構成によれば、利用者の脚には適度なハイライトができ、顔には適度なシェーディングができるようになる。
【0215】
図27に示されるように利用者の全身を撮影する場合、利用者の脚の部分と背景との境界がはっきりと区別されないと、クロマキ合成の精度が低下し、全身画像への背景画像の合成に失敗するおそれがある。
【0216】
そこで、利用者の脚に適度なハイライトができるようにすることで、脚の部分に影ができにくくなり、人物と背景との境界がはっきりと区別されるようになる。結果として、クロマキ合成の精度を向上させ、全身画像への背景画像の合成を適切に行うようにすることができる。
【0217】
また、利用者の顔に適度なシェーディングができるようにすることで、顔パーツの輪郭がはっきりと強調され、顔パーツの立体感をつくり出すことができる。
【0218】
ここで、上ストロボユニット103からの固い光のみが利用者の顔の部分に照射される場合、顔の輪郭に影ができ、上述したクロマキ合成の精度が低下するおそれがあるが、天井照明ユニット32や、背面上ストロボ131などからの光が補助光となり、顔の輪郭に影ができるのを抑えることができる。
【0219】
上述した効果は、利用者の顔を含む上半身を撮影範囲とするアップ撮影より、利用者の顔から足元までを含む全身を撮影範囲とする全身撮影において、特に奏することができる。
【0220】
なお、
図26の構成によれば、他の構成と比べて、利用者の目に映りこむキャッチライトの形状を異ならせることができる。
【0221】
図28は、背景部22の他の構成例を示す斜視図である。
【0222】
図28の例では、背面パネル51の撮影空間A1側には、クロマキ用の背面カーテン611が貼り付けられる。背面カーテン611の色は、緑色とされる。背面カーテン611は、アップ撮影および全身撮影のいずれの撮影においても、被写体である利用者の背景に映り込む。これにより、アップ画像および全身画像に対してクロマキ合成が行われる。
【0223】
また、側面パネル52A,52Bの撮影空間A1側の面の色は、白色または白色系の色である。さらに、背面パネル51と側面パネル52Aとの境界部分に設けられる背面右ストロボ132、および、背面パネル51と側面パネル52Bとの境界部分に設けられる背面右ストロボ133(図示せず)の発光面を構成するカバーは、透光性を有する乳白色のアクリル板などによりなる。
【0224】
なお、側面パネル52A,52Bの撮影空間A1側の面のうち、床面に近い部分は、全身撮影において、被写体である利用者の背景に映り込む。そこで、側面パネル52A,52Bの撮影空間A1側の、床面から5分の2程度の高さまでの面には、緑色に塗装された金属製の板612が取り付けられる。
【0225】
全身撮影においては、床面もまた、被写体である利用者の背景に映り込む。そこで、背景部22側の床面には、緑色のフロアシート613が敷かれるようにする。これにより、全身撮影により得られた全身画像の背景全体に対してクロマキ合成を行うことができる他、床面のみに合成可能な床面画像を用いたクロマキ合成を行うことができる。
【0226】
以上の構成によれば、撮影空間A1内の各ストロボユニットのストロボ光は、側面パネル52A,52Bに反射することで柔らかい光となり、利用者の左右後方から、利用者に対して照射される。これにより、人物の左右両側面において、強調される部分とそうでない部分との階調がなだらかになり、影をできにくくすることができる。
【0227】
また、側面パネル52A,52Bの撮影空間A1側の面全体の色を緑色とした場合、側面パネル52A,52Bからの反射光により、人物の左右両側面が緑がかってしまい、クロマキ合成が適切に行われないおそれがある。そこで、側面パネル52A,52Bの撮影空間A1側の面の色を、基本的には白色または白色系の色とすることで、人物の左右両側面が緑がかってしまうのを防ぎ、クロマキ合成が適切に行われるようにすることができる。
【0228】
さらに、撮影空間における背面と側面との実際の境界線を利用して、その境界線に対応する背景画像を合成する写真シール機において、側面パネル52A,52Bの撮影空間A1側の面全体の色を緑色とした場合、背面カーテン611と、側面パネル52A,52Bとの境界線の検出に失敗し、適切に背景画像が合成されないおそれがある。そこで、側面パネル52A,52Bの撮影空間A1側の面の色を、白色または白色系の色とすることで、背面カーテン611と、側面パネル52A,52Bとの境界線の検出を容易にし、適切に背景画像が合成されるようにすることができる。
【0229】
なお、背面カーテン611やフロアシート613の色を白色とし、キー色を白色としたクロマキ合成を行うようにしてしまうと、利用者が白色の衣服を着用している場合、クロマキ合成が適切に行われない。特に、写真シール機の利用者の多くを占める女子中高生が夏場に着用する制服は白色を基調としているため、キー色を白色としたクロマキ合成を行うことは好ましくない。そこで、背面カーテン611やフロアシート613の色を緑色とし、キー色を緑色としたクロマキ合成を行うようにすることで、利用者が白色の衣服を着用している場合であっても、クロマキ合成が適切に行われるようになる。
【0230】
また、全身画像において、側面パネル52A,52Bの撮影空間A1側の面のうち、床面に近い部分をトリミングするようにした場合には、板612を取り付けないようにしてもよい。これにより、人物の左右両側面が緑がかってしまうのを確実に防ぐことができるとともに、背面カーテン611と、側面パネル52A,52Bとの境界線の検出をより容易にすることができる。
【0231】
以上においては、撮影空間A1内の正面の主に上半分の色が黒色で、主に下半分の色が白色である配色の例について説明したが、他の配色とすることもできる。
【0232】
<撮影空間の配色のさらに他の例>
図29は、撮影部のさらに他の構成例を示す斜視図である。
【0233】
図29においては、正面パネル41の下半分の領域を隠すように設けられる箱型部の撮影空間A1側の面(具体的には、板状部材123L,123R,124L,124Rの各面)の色は、黒色または黒色系の色である。
【0234】
これにより、足元ストロボユニット104からの固い光のみが、利用者の脚(下半身)を中心に照射されるようになる。
【0235】
一方、正面パネル41の撮影空間A1側の上半分の面の色は、白色または白色系の色である。
【0236】
これにより、上ストロボユニット103からのストロボ光(直接光)に加え、撮影空間A1内の各ストロボユニットのストロボ光の反射光(間接光)が、柔らかい光として、利用者の顔を中心に照射されるようになる。
【0237】
なお、
図29の例では、側面パネル42B(側面パネル42A)の撮影空間A1側の面は、白色または白色系の色であるが、
図26の例と同様、黒色または黒色系の色であってもよい。また、
図29の例では、撮影・表示ユニット101の各面の色は、白色または白色系の色であるが、
図22の例と同様、黒色または黒色系の色であってもよい。
【0238】
以上の構成によれば、利用者の脚には適度なシェーディングができ、顔には適度なハイライトができるようになる。
【0239】
<背面、側面、および床面の配色>
上述したように、撮影空間A1内の背景側の背面、側面、および床面の配色を全て同じ色とせず、異なる色とすることで、それぞれの面同士の境界線の検出を容易にすることができる。
【0240】
背面、側面、および床面それぞれの配色はそれぞれ、上述した緑色、白色、緑色に限らず、青色、青色、緑色としてもよいし、青色、緑色、緑色としてもよいし、青色、白色、緑色などとしてもよい。
【0241】
<撮影・表示ユニットの形状>
図30は、本実施形態における撮影・表示ユニット101の側面図を示している。
【0242】
図30においては、図中左側が、撮影・表示ユニット101の正面側となる。
【0243】
図30の撮影・表示ユニット101の正面側においては、
図3および
図4の撮影・表示ユニット101の斜面101Aに代えて、垂直面101Vが形成され、その下に、垂直面に対して前傾した斜面101B、および、垂直面に対して後傾した斜面101Cが形成される。
【0244】
垂直面101Vには、カメラストロボが設けられる。カメラストロボは、横長長方形の発光面を構成するアクリル板と、その背後に設けられるストロボ発光管とから構成される。カメラストロボは、他のストロボユニットと同様にカメラ111による撮影に合わせて発光し、利用者の顔をカメラ111の上方から照射する。
【0245】
斜面101Bには、カメラ111が設けられる。カメラ111が、垂直に対して前傾した斜面101Bに設けられることにより、利用者の全身を、その正面上方から顔が大きく写るように撮影する上から全身撮影を実現することができる。
【0246】
斜面101Cは、垂直面に対して所定の角度θだけ後傾している。角度θは、例えば4°などの僅かな傾きとされる。斜面101Cには、タッチパネルモニタ112が設けられる。タッチパネルモニタ112が、垂直に対して後傾した斜面101Cに設けられることにより、利用者は、前に屈むなどの姿勢をとることなく、タッチパネルモニタ112に表示される画面を確認しながら撮影作業を行うことができる。
【0247】
<背面と床面との境界線>
以下においては、背面と床面との境界線について説明する。
【0248】
図31は、本実施の形態における背面カーテン611の下辺部近傍の構成について説明する図である。
【0249】
図31に示されるように、背面カーテン611の下辺部は、背面カーテン611の下辺部近傍に装着される第1の固定部材と、背面パネル51の最下部を構成するベース部51bに接合されている第2の固定部材とによって固定される。
【0250】
具体的には、
図32に示されるように、背面カーテン611の下辺部は、背面カーテン611の下辺部近傍に装着される第1の固定部材としての固定金具621と、ベース部51bに接合されている第2の固定部材としての下フレーム622とによって固定される。固定金具621は、背面カーテン611の下辺部に沿って延在するようにして装着される。また、固定金具621および下フレーム622の延在方向の長さは、背面カーテン611の幅と略同じとされる。
【0251】
なお、
図32に示されるように、背面パネル51は、ベース部51bと、その下側(設置面側)に設けられる複数のキャスタ623およびアジャスタ624によって支持されている。なお、ベース部51bの下側には、キャスタ623およびアジャスタ624のいずれか一方のみが設けられるようにしてもよい。
【0252】
図33は、背面カーテン611を固定する仕組みについて説明する図である。
【0253】
図33には、背面カーテン611、固定金具621、および下フレーム622を側面(側面パネル52B側)からみた場合の断面が示されている。
【0254】
図33に示されるように、固定金具621は、断面がコの字型の第1の部材621aと第2の部材621bとが互いに嵌合することで構成される。固定金具621は、第1の部材621aと第2の部材621bとの間に、背面カーテン611の下辺部の先端を挟み込むことで、背面カーテン611の下辺部近傍に装着される。
【0255】
より詳細には、第1の部材621aの内側には複数の突起部が設けられ、これらに対応するように、背面カーテン611の下辺部の先端近傍には複数の孔が設けられる。背面カーテン611の孔を、第1の部材621aの突起部に通すことによって、固定金具621が、安定して背面カーテン611に装着されるようになる。もちろん、他の構成により、固定金具621が背面カーテン611に装着されるようにしてもよい。例えば、第1の部材621aの内側に複数の孔を設け、これらに対応するように、背面カーテン611の下辺部の先端近傍に複数の突起部を設けることで、固定金具621が背面カーテン611に装着されるようにしてもよい。
【0256】
固定金具621は、下フレーム622と対向しない側(図中左側)の面が、背面カーテン611に覆われるようにして、下フレーム622に固定される。背面カーテン611の下辺部近傍は、カメラ91の撮影範囲に含まれるため、このような構成により、背面カーテン611を固定する金具やねじなどを露出させないようにすることができる。
【0257】
また、固定金具621は、背面カーテン611の裏面側、すなわち下フレーム622と対向する側(図中右側)に突出する複数の突起部631を有する。
【0258】
一方、下フレーム622には、固定金具621の複数の突起部631に対応する位置に、複数の孔部が設けられている。
【0259】
固定金具621と下フレーム622とは、複数の突起部631が、複数の孔部に係合することで固定されるようになされている。
【0260】
<フロアシートについて>
さて、本実施形態においては、背景部22側の床面にフロアシート613が敷かれている。
【0261】
図34に示されるように、フロアシート613は、その一端が背面パネル51の外側に固定され、固定金具621および下フレーム622と床面(設置面)との間を通して、撮影空間A1内の床面に敷かれるようになされている。
【0262】
固定金具621および下フレーム622と床面との間には、所定間隔の隙間があり、この隙間(具体的には、隙間にできる影)が、背面(背面カーテン611)と床面(フロアシート613)との間の境界線となる。
【0263】
ところで、近年、背面や側面と、床面との境界線を検出することで、床面のみに合成可能な床面画像を用いたクロマキ合成を行う写真シール機がある。
【0264】
しかしながら、
図34に示される構成において、利用者が撮影空間A1内で移動するなどすることにより、フロアシート613が、撮影空間A1側(図中左側)にずれる(引っ張り込まれる)おそれがある。その結果、図中両矢印で示されている、背面カーテン611(固定金具621および下フレーム622)とフロアシート613との間の隙間が小さくなり、背面と床面との境界線の検出に失敗する可能性が生じる。
【0265】
そこで、
図35に示されるように、背面カーテン611(固定金具621および下フレーム622)とフロアシート613との間の隙間を一定に保つ抑制部材651を設けるようにする。
【0266】
抑制部材651は、柄杓型の断面形状を有する金属板で構成され、柄杓の柄に相当する部分を上にして、柄杓の器に相当するコの字型の部分が床面側に配置されるようにして設けられる。
【0267】
抑制部材651において柄杓の柄に相当する部分は、固定金具621と下フレーム6222との挟まれるようにして固定される。抑制部材651の下端部と床面との間隔は、例えば10mm程度に調整される。
【0268】
このような構成により、フロアシート613が、撮影空間A1側にずれる(引っ張り込まれる)場合であっても、抑制部材651により、図中両矢印で示される、背面カーテン611(固定金具621および下フレーム622)とフロアシート613との間の隙間が一定に保たれる。これにより、背面と床面との境界線の検出を容易にし、床面画像を用いたクロマキ合成を適切に行うことができる。
【0269】
なお、背面と床面との境界線の検出を容易するために、抑制部材651を設ける以外にも、背面カーテン611の下辺部を黒色系の色に塗装するなどしてもよい。
【0270】
上述した実施の形態では、写真シール作成装置1は、得られた撮影画像や編集画像をシール紙に印刷するとともに、サーバに送信することで利用者の携帯端末に提供する構成を採るものとした。これに限らず、撮影画像や編集画像をシール紙に印刷せずに、サーバに送信することで利用者の携帯端末に提供するのみの構成を採ることも可能である。また逆に、撮影画像や編集画像をサーバに送信せずに、シール紙に印刷するのみの構成を採ることも可能である。
【0271】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0272】
この記録媒体は、例えば、
図10に示されるように、装置本体とは別に、写真シール作成装置1の管理者にプログラムを配信するために配布される、そのプログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROMおよびDVDを含む)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア205により構成される。また、これらだけでなく、記録媒体は、装置本体にあらかじめ組み込まれた状態で管理者に配信されるプログラムが記録されているROM206や、記憶部202に含まれるハードディスクなどで構成される。
【0273】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0274】
以上において、印刷媒体は、シール紙や写真紙に限られるものではない。例えば、所定のサイズの紙やフィルム、プリペイドカードやIC(Integrated Circuit)カードなどのカード、あるいは、Tシャツなどの布地などに、画像を印刷するようにしてもよい。この場合、1または複数の撮影画像が配置されたシールレイアウト画像が、これらの印刷媒体に印刷されるようにしてもよい。
【0275】
また、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。