特許第6845488号(P6845488)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6845488半導体ウエハー洗浄装置におけるウエハー表面温度測定のための温度センサー取付位置調整装置及びその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6845488
(24)【登録日】2021年3月2日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】半導体ウエハー洗浄装置におけるウエハー表面温度測定のための温度センサー取付位置調整装置及びその方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20210308BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20210308BHJP
   G01J 5/00 20060101ALI20210308BHJP
【FI】
   H01L21/304 648G
   H01L21/304 622Q
   H01L21/68 N
   G01J5/00 101C
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-181392(P2019-181392)
(22)【出願日】2019年10月1日
(65)【公開番号】特開2020-77858(P2020-77858A)
(43)【公開日】2020年5月21日
【審査請求日】2020年3月18日
(31)【優先権主張番号】10-2018-0122351
(32)【優先日】2018年10月15日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519355448
【氏名又は名称】アン,ジョンパル
(73)【特許権者】
【識別番号】519355459
【氏名又は名称】エージェー テク カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】アン,ジョンパル
【審査官】 平野 崇
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−191895(JP,A)
【文献】 韓国登録特許第10−1191034(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
G01J 5/00
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウエハー洗浄装置においてマルチステーションプロセッシングチャンバー(Multi−Station Processing Chamber、MPC)内の側壁上端部にそれぞれ取り付けられ、第1結合孔と第2結合孔が形成されたブラケットと、
前記ブラケットに形成された第1結合孔に挿入され、温度センサーとコントローラーとの間にデータを送受信するケーブルを固定する第1固定部材と、
前記ブラケットに形成された第2結合孔に挿入され、温度センサーを固定する第2固定部材と、
前記第2固定部材の下に取り付けられ、温度センサーを固定支持する位置調整部材と、
前記位置調整部材の端部に固定結合され、無線で温度を感知するカメラを備え、コントローラーに対してデータを送受信する温度センサーと、
上部に前記温度センサーの感知位置を調整するための位置調整板が備えられ、下部に位置調整板の作動のための制御用基板が一体に結合され、前記マルチステーションプロセッシングチャンバーのプラテンに挿入され、温度センサーの感知位置を調整するためのジグと、
前記温度センサーで撮影された表面温度を複数のチャネルに分離し、モニターを介してグラフィックユーザーインターフェース(GUI)に表示するウエハー表面モニタリングシステムを備えたコントローラーとを含んでなる、半導体ウエハー洗浄装置におけるウエハーの表面温度測定のための温度センサー取付位置調整装置。
【請求項2】
前記ジグは、
前記位置調整板の縁端に360度まで表示された角度目盛りと、
前記位置調整板の中心点から上下及び左右に一定間隔で表示された座標目盛りと、
前記制御用基板に装着されて一定温度で発熱し、前記位置調整板の中心点から左右に一定間隔で形成された第1貫通孔に貫通して取り付けられた発熱体と、
前記制御用基板に装着されて発熱体の作動をオン又はオフさせ、前記第1貫通孔の一側に一定間隔でそれぞれ形成された第2貫通孔に貫通して取り付けられたオン/オフスイッチと、
前記制御用基板に装着されて設定を初期化し、前記位置調整板の縁端の一側に形成された第3貫通孔に貫通して取り付けられたリセットスイッチとを含む、請求項1に記載の半導体ウエハー洗浄装置におけるウエハーの表面温度測定のための温度センサー取付位置調整装置。
【請求項3】
前記位置調整部材は、温度センサーをブラケットに固定させる第2固定部材から上下及び左右に一定角度に位置を調整することができるように、ヒンジで結合される、請求項1に記載の半導体ウエハー洗浄装置におけるウエハーの表面温度測定のための温度センサー取付位置調整装置。
【請求項4】
(a)温度センサーに装着されたレーザービーム投射機をオンさせる段階と、
(b)前記レーザービーム投射機から投射されたビームポイントがジグの位置調整板の表面に表示された角度目盛りの中で設定の角度目盛りに位置するように位置調整部材を調整し、前記レーザービーム投射機から投射されたビームポイントがジグの位置調整板の表面に表示された座標目盛りの中で設定の座標目盛りに位置するように位置調整部材を調整する段階と、
(c)前記ジグのヒートゾーンに相当する発熱体を作動させるために、センタースイッチ、右ミドルスイッチ及び右エッジスイッチをオンさせるか又はセンタースイッチ、左ミドルスイッチ及び左エッジスイッチをオンさせる段階と、
(d)前記温度センサーのカメラで撮影されたジグの表面温度をコントローラーに設けられたアプリケーション形態のウエハー表面モニタリングシステムで一定個数のチャネルに分離してモニターを介してグラフィックユーザーインターフェース(GUI)に表示する段階と、
(e)前記モニターを介してグラフィックユーザーインターフェースに表示されたジグのヒートゾーンを確認し、中央、右中間及び右端に相当するヒートゾーン温度が一定温度で測定されるようにセンサー値を調整するか、あるいは中央、左中間及び左端に相当するヒートゾーン温度が一定温度で測定されるようにセンサー値を調整する段階とを含んでなる、半導体ウエハー洗浄装置におけるウエハーの表面温度測定のための温度センサー取付位置調整方法。
【請求項5】
前記ウエハー表面モニタリングシステムは、中央、右中間、左中間、右端及び左端に相当するヒートゾーンの温度が25〜120℃、許容範囲は±1〜0.25℃で測定されるように調整する、請求項4に記載の半導体ウエハー洗浄装置におけるウエハーの表面温度測定のための温度センサー取付位置調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体ウエハー洗浄装置においてウエハーの表面温度を測定する温度センサーを取り付け、位置を調整する装置及びその方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体ウエハー上に製造される半導体素子の集積度が高くなるにつれて多層配線工程が行われている。したがって、多層配線間の層間絶縁膜に対する段差が増加するため、これに対する平坦化作業がもっと重要になっている。さらに、ウエハーの表面を平坦化するための製造技術として、CMP(Chemical Mechanical Polishing、化学的機械的研磨)はウエハーを研磨パッド(Polishing Pad)の表面上に接触するように置いた状態でスラリー(Slurry)を供給してウエハーの表面を化学的に反応させるとともにプラテン(Platen)と研磨ヘッド(Polishing Head)を相対運動させて機械的にウエハーの表面の凹凸部分を平坦化する技術である。
【0003】
従来、CMP装備を用いて半導体ウエハーの表面から金属汚染物質と有機汚染物質を除去する過程で化学的な反応及び摩擦によってウエハーの表面が一定温度以上になればウエハーの不良によって収率が著しく下がる問題があった。
【0004】
また、半導体ウエハー洗浄装置においてウエハーの表面を洗浄(Wafer Cleaning)する技術は、大きく湿式洗浄と乾式洗浄に区分される。洗浄工程は、半導体ウエハーの表面上の物質を除去するという点で食刻工程と非常に似ているが、その対象がウエハーの表面に存在する不純物を除去するという点に違いがある。不純物は、フィルム、個別粒子又は粒子塊、吸着されたガスなどからなるものであり、これらは原子、イオン、分子などの物質特性を持っている。伝統的なシリコンウエハーの洗浄方法は大部分過酸化水素(H)溶液を使う化学的湿式方法であったが、多くの化学物質の消耗と使用された物質の廃棄、その後に進行される他の製造工程との非交換性などによって段々乾式洗浄側に洗浄技術が変化してきた。まず、シリコンウエハーの湿式洗浄について説明すると、最も長く使われて来た技術がRCA洗浄法であり、これは湿式化学洗浄に使われる最も一般的な方法である。RCA洗浄に使われる溶液は、高純度の純水(deionized water;DI)と過酸化水素(H)、水酸化アンモニウム(NHOH)、塩酸(HCl)などからなっている。これらは普通RCA標準洗浄−1(SC−1;Standard Clean 1)と標準洗浄−2(SC−2;Standard Clean 2)の2段階で構成される。第1段階では、強い酸化作用によって表面の有機物質が酸化して溶解し、残留金属不純物(Au、Ag、Cu、Ni、Cd、Zn、Co、Crなど)もともに除去される。第2段階では、アルカリイオン(Al3+、Fe3+、Mg2+)とNHOHには溶けない水酸化物質であるAl(OH)、Fe(OH)、Mg(OH)、Zn(OH)及びそのときまで除去されずに残存する物質が除去される。場合によって、第1段階後に生成される水酸化物質を効果的に除去するために、緩い弗酸(HF)溶液を使うこともある。ここで、洗浄液の温度変化は様々の重要な効果を引き起こす。すなわち、温度が高くなれば、化学物質の反応速度も増加して、約10℃温度の上昇によって約2倍に反応速度が増加する。それだけでなく、温度の増加は一般的に汚染物質の溶解度も増加させて早く洗浄されるようにする。一方、温度の増加はウエハーの表面への金属複合物質のメッキ作用を引き起こすこともできる。また、洗浄溶液がウエハーの表面によく吸着される場合に洗浄作用が引き起こされる。したがって、洗浄溶液のウエハーの表面への付着状態は洗浄効果の向上のためにやはり考慮しなければならない重要な要素である。固体のウエハーと液体の溶液の表面張力が互いに似ているか固体の表面張力が液体より大きい場合、固体の表面に液体がよく付着する。一般に、多くの有機溶剤は無機物溶液に比べて表面張力が低くてウエハーによく付着する。洗浄される表面の特性が親水性(Hydrophilic)であるか疎水性(Hydrophobic)であるかによっても溶剤の選択と添加物の選択が変わらなければならない。
【0005】
一方、ウエハーの乾燥は、汚染物質を成功的に除去するための洗浄工程の重要な最後の段階である。水が不純物をウエハーの表面にそのまま残して蒸発してしまう前に強制的に水分を除去しなければならない。一般的に使われる乾燥方法には、遠心分離、蒸気乾燥、高温純水(Hot−DI Water)乾燥などがある。
【0006】
このように、湿式洗浄は集積回路製造工程に一般的に使われて来た方法であるが、ウエハー洗浄とその他の集積回路製造工程の組合せ(Process Integration)で現れる工程相互間の非交換性、洗浄されるべきウエハーの表面模型の縦横比(Aspect Ratio)の増加、化学溶液中の不純物除去の難しさ、高純度化学物質と純水(DI−Water)の高い値段、使用された廃棄物の処理などの多くの問題点のため、乾式ウエハー洗浄技術が早く開発されて来た。乾式洗浄では汚染物質が次のような過程によって除去される。その他に蒸気洗浄法もある。この方法は、プラズマ又はイオンの衝突、電子、光子によって促進される表面化学反応又は物理的方法によって洗浄される乾式洗浄とは違って、洗浄液を蒸発させて発生した蒸気を基板の表面に接触させて汚染物質を分離する洗浄を言う。蒸気洗浄法は湿式洗浄に比べて乾式洗浄の一般的な利点を多く持っているので、洗浄液自体の残留による汚染の防止、正確な制御、廃棄物処理の容易性、コンピュータ制御による安全性、蒸気の種類又は温度、圧力変化の多様性及びIn−Situ工程の実現などに有利であり、最近多く採択されている技術である。
【0007】
本発明に関連した先行技術として、特許文献1は、前記記録する段階以後に作業物をプロセッシングする段階をさらに含み、前記プロセッシングする段階は、前記作業物を前記加熱されたプラテン上に位置させる段階と、所定の時間の間に待機する段階と、前記待機する段階以後に前記作業物をプロセッシングする段階であって、前記所定時間の量は、前記矯正作業物が前記所定温度に到逹するための前記記録された時間に基づいて決定する段階とを含む、赤外線を使う半導体作業物の温度測定方法が開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2016−0138194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は前記問題を解決するためのもので、半導体ウエハー洗浄装置でウエハーの表面を洗浄する工程において、ウエハーの表面温度を実時間で測定する温度センサーをチャンバー内に取り付け、温度センサーの撮影位置をレーザービーム投射機とジグを用いて調整するとともに、該当ヒートゾーンの温度をモニターを介してグラフィックユーザーインターフェースに表示するようにすることを目的とする。
【0010】
また、本発明は、半導体ウエハーを研磨する工程において研磨パッドの表面温度を実時間で測定する温度センサーをチャンバー内に取り付け、温度センサーの撮影位置をレーザービーム投射機とジグを用いて調整するとともに、該当ヒートゾーンの温度をモニターを介してグラフィックユーザーインターフェースに表示するようにすることを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、前記目的を達成するために、半導体ウエハー洗浄装置においてマルチステーションプロセッシングチャンバー(Multi−Station Processing Chamber、MPC)内の側壁上端部にそれぞれ取り付けられ、第1結合孔と第2結合孔が形成されたブラケットと、前記ブラケットに形成された第1結合孔に挿入され、温度センサーとコントローラーとの間にデータを送受信するケーブルを固定する第1固定部材と、前記ブラケットに形成された第2結合孔に挿入され、温度センサーを固定する第2固定部材と、前記第2固定部材の下に取り付けられ、温度センサーを固定支持する位置調整部材と、前記位置調整部材の端部に固定結合され、無線で温度を感知するカメラを備え、コントローラーに対してデータを送受信する温度センサーと、上部に前記温度センサーの感知位置を調整するための位置調整板が備えられ、下部に位置調整板の作動のための制御用基板が一体に結合され、前記マルチステーションプロセッシングチャンバーのプラテンに挿入され、温度センサーの感知位置を調整するためのジグと、前記温度センサーで撮影された表面温度を複数のチャネルに分離し、モニターを介してグラフィックユーザーインターフェース(GUI)に表示するウエハー表面モニタリングシステムを備えたコントローラーとを含んでなる、半導体ウエハー洗浄装置におけるウエハーの表面温度測定のための温度センサー取付位置調整装置を提供する。
【0012】
また、本発明において、前記ジグは、前記位置調整板の縁端に360度まで表示された角度目盛りと、前記位置調整板の中心点から上下及び左右に一定間隔で表示された座標目盛りと、前記制御用基板に装着されて一定温度で発熱し、前記位置調整板の中心点から左右に一定間隔で形成された第1貫通孔に貫通して取り付けられた発熱体と、前記制御用基板に装着されて発熱体の作動をオン又はオフさせ、前記第1貫通孔の一側に一定間隔でそれぞれ形成された第2貫通孔に貫通して取り付けられたオン/オフスイッチと、前記制御用基板に装着されて設定を初期化し、前記位置調整板の縁端の一側に形成された第3貫通孔に貫通して取り付けられたリセットスイッチとを含むことができる。
【0013】
また、本発明において、前記位置調整部材は、温度センサーをブラケットに固定させる第2固定部材から上下及び左右に一定角度に位置を調整することができるように、ヒンジで結合されることができる。
【0014】
また、本発明は、(a)温度センサーに装着されたレーザービーム投射機をオンさせる段階と、(b)前記レーザービーム投射機から投射されたビームポイントがジグの位置調整板の表面に表示された角度目盛りの中で設定の角度目盛りに位置するように位置調整部材を調整し、前記レーザービーム投射機から投射されたビームポイントがジグの位置調整板の表面に表示された座標目盛りの中で設定の座標目盛りに位置するように位置調整部材を調整する段階と、(c)前記ジグのヒートゾーンに相当する発熱体を作動させるために、センタースイッチ、右ミドルスイッチ及び右エッジスイッチをオンさせるか又はセンタースイッチ、左ミドルスイッチ及び左エッジスイッチをオンさせる段階と、(d)前記温度センサーのカメラで撮影されたジグの表面温度をコントローラーに設けられたアプリケーション形態のウエハー表面モニタリングシステムで一定個数のチャネルに分離してモニターを介してグラフィックユーザーインターフェース(GUI)に表示する段階と、(e)前記モニターを介してグラフィックユーザーインターフェースに表示されたジグのヒートゾーンを確認し、中央、右中間及び右端に相当するヒートゾーン温度が一定温度で測定されるようにセンサー値を調整するか、あるいは中央、左中間及び左端に相当するヒートゾーン温度が一定温度で測定されるようにセンサー値を調整する段階とを含んでなる、半導体ウエハー洗浄装置におけるウエハーの表面温度測定のための温度センサー取付位置調整方法を提供する。
【0015】
また、本発明において、前記ウエハー表面モニタリングシステムは、中央、右中間、左中間、右端及び左端に相当するヒートゾーンの温度が25〜120℃、許容範囲は±1〜0.25℃で測定されるように調整することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、半導体ウエハー洗浄装置でウエハーを洗浄する工程においてチャンバー内のウエハーの表面温度を無線で撮影する温度センサーの取付と撮影位置を調整することができて温度センサーがウエハーの洗浄中に表面温度をより正確に感知することができるようにし、温度センサーで感知したウエハーの表面温度を複数のチャネルに分離してモニターを介して可視的に表示し、半導体ウエハー洗浄装置に取り付けられた複数のチャンバーを一括的にモニタリングすることができるようにし、ウエハーを研磨する工程で研磨パッドの表面温度を無線で撮影する温度センサーの取付と撮影位置を調整することができて温度センサーが研磨パッドの表面温度をより正確に感知することができ、半導体ウエハーの表面から金属汚染物質と有機汚染物質を除去する過程で化学的な反応と摩擦によってウエハーの表面又は研磨パッドが一定温度以上になることを実時間で認識することができ、ウエハーの不良率を減少させて収率を向上させる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施例による、半導体ウエハー洗浄装置におけるウエハーの表面温度測定のための温度センサー取付位置調整装置を示した構成図である。
図2】本発明による半導体ウエハー洗浄装置におけるウエハーの表面温度測定のための温度センサー取付位置を調整するためのジグを示した平面図である。
図3】本発明による半導体ウエハー洗浄装置におけるウエハーの表面温度測定のための温度センサーの測定角度及び取付角度を例示した図である。
図4】本発明による半導体ウエハー洗浄装置におけるウエハーの表面温度測定のための温度センサーの位置を調整する方法を例示した図である。
図5】本発明による半導体ウエハー洗浄装置におけるウエハーの表面温度測定のための温度センサーのグラフィックユーザーインターフェースを例示した図である。
図6】本発明による半導体ウエハー洗浄装置におけるウエハーの表面温度測定のための温度センサー取付位置を調整する方法を示したフローチャートである。
図7】本発明による半導体ウエハー洗浄装置においてウエハーの表面温度を実時間でモニタリングするシステムを示した構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明による半導体ウエハー洗浄装置におけるウエハーの表面温度測定のための温度センサー取付位置調整装置の実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
図1に示すように、ブラケット60は、半導体ウエハー洗浄装置1においてマルチステーションプロセッシングチャンバー(Multi−Station Processing Chamber、MPC)内の側壁上端部にそれぞれ取り付けられる。ブラケット60には、温度センサー10と連結されて信号を送受信するケーブルが貫通する第1結合孔61と、温度センサー10の固定支持のための第2結合孔62とが設けられる。
【0020】
また、第1固定部材63はブラケット60に形成された第1結合孔61に挿入されて温度センサー10とコントローラーとの間にデータを送受信するケーブルを固定するものである。また、第2固定部材64はブラケット60に形成された第2結合孔に挿入されて温度センサー10を固定するものである。
【0021】
また、位置調整部材65は第2固定部材64の下に取り付けられて温度センサー10を固定支持するものであり、位置調整部材65は温度センサー10を上下及び左右に調整することができるようにヒンジで結合されることが良い。
【0022】
図5に示すように、温度センサー10は半導体ウエハー洗浄装置1に取り付けられたマルチステーションプロセッシングチャンバー(Multi−Station Processing Chamber、MPC)2内に取り付けられる。温度センサー10は非接触式センサーであり、赤外線(iR)カメラが適用できる。また、温度センサーは多重領域(Multi area)の温度を感知するものであり、ウエハーの表面を64領域(64CH)に区分して温度を感知する。温度センサー10は各チャンバー2の上部一側に取り付けられ、プラテン3内に挿入されたウエハー4の表面温度を感知する。温度センサー10は、動作範囲がおよそ−30〜120度であり、温度測定範囲はおよそ−70〜380度である。そして、図3に示すように、温度センサー10の測定距離の範囲はおよそ50〜600mmであり、測定角度はおよそ40〜60度であり、感知対象であるウエハーと温度センサー10の取付角度はおよそ60〜120度である。また、温度センサー10はイーサーネットを介して通信し、USB又は無線で通信することができる。温度センサー10は、無線で感知されたウエハーの表面温度情報データをコントローラー30に対して送受信する。
【0023】
また、図4に示すように、温度センサー10にはレーザービーム投射機12が一体に結合される。レーザービーム投射機12は位置調整部材65の端部に固定結合され、温度センサー10の位置調整のためのものである。また、レーザービーム投射機12は、温度センサー10がウエハーの表面温度を正確に認知することができるように、温度センサー10の取付とともに撮影位置を調整するためのものである。
【0024】
図2に示すように、ジグ70は、上部に温度センサー10の感知位置を調整するための位置調整板75が備えられ、下部に位置調整板75の作動のための制御用基板71が一体に結合される。ジグ70はマルチステーションプロセッシングチャンバー2のそれぞれのプラテン3に挿入されて温度センサー10の感知位置を調整するためのものである。ジグ70は略円盤状に形成され、位置調整板75の縁部に360度まで角度目盛り79が印刷されて表示される。そして、位置調整板75の中心点から上下及び左右に一定の間隔で座標目盛り80が印刷されて表示される。例えば、位置調整板75の中心から左側と右側に12本の縦線が表示され、中心から上側と下側に7本の横線が表示される。したがって、座標目盛り80は格子状に上下及び左右に一定間隔で配列されて表示される。また、座標目盛り80は、位置調整板75の中心点の右側及び上側は+値、左側及び下側は−値となることができる。
【0025】
また、発熱体72は制御用基板71に装着され、制御用基板71の制御によって一定温度で発熱するものである。発熱体72は、位置調整板75の中心点から左右に一定間隔で形成された第1貫通孔76に貫通して取り付けられる。発熱体72は、中心に相当する中央と、左側縁端及び右側縁端に相当する端と、中央と端間のそれぞれの中間とに位置する。したがって、発熱体72は、制御用基板71の中央に1個、中間に2個、端に2個が装着され、各発熱体72は位置調整板75に形成されたそれぞれの第1貫通孔76内に位置する。また、オン/オフスイッチ73は制御用基板71に装着され、発熱体72の作動をオン又はオフさせる。オン/オフスイッチ73は位置調整板75に形成された第1貫通孔76の一側に一定間隔でそれぞれ形成された第2貫通孔77に貫通して取り付けられる。オン/オフスイッチ73は1個の中央発熱体、2個の中間発熱体及び2個の端発熱体をそれぞれオン又はオフするために設けられる。また、リセットスイッチ74は制御用基板71に装着されて設定を初期化するものである。リセットスイッチ74は位置調整板75の縁端の一側に形成された第3貫通孔78に貫通して取り付けられる。
【0026】
一方、図7に示すように、本発明の温度センサー10で感知された信号は増幅器20で一定レベル以上に増幅して出力する。増幅器20は、温度センサー10で感知された信号に含まれたノイズをフィルタリングすることができる。
【0027】
コントローラー30は、増幅器20から一定レベルに増幅された温度信号をモニター40を介して可視的に表示する。また、コントローラー30に設けられたウエハー表面モニタリングシステム41はグラフィックユーザーインターフェース(GUI)からなるアプリケーションである。ウエハー表面モニタリングシステム41は、マルチステーションプロセッシングチャンバー2のそれぞれの温度データを全て表示するか、又はそれぞれのチャンバー別に表示するか、又はヒストリービュー(History View)又はレコーディングビュー(Recording View)に分類して全て又は選択的に表示する。
【0028】
また、コントローラー30は、マルチステーションプロセッシングチャンバー2の中で該当チャンバーで感知されたウエハーの表面温度が設定温度以上と判断されれば、ウエハー表面モニタリングシステム41がモニター40を介して警報することにより、管理者が該当チャンバーに対する後処理を行うようにする。また、コントローラー30は、マルチステーションプロセッシングチャンバー2別に温度データを通信網を介して工程異常診断装置50に伝送する。また、コントローラー30は、マルチステーションプロセッシングチャンバー2から受信された温度データとともに比較及び分析とレポート情報などをDB31に保存する。
【0029】
工程異常診断装置(Fault Detection and Classification、FDC)は、ウエハー表面モニタリングシステムのデータを実時間で収集して分析する。また、工程異常診断装置50は、ウエハー表面モニタリング中に発生する問題を適時に対処することができ、累積したデータの分析によって適切な周期のPMを設定して設備の障害を最小化することができ、それぞれ異なるデータ間の相関関係を把握して組み合わせてもっと精密な分析業務ができるようにすることにより、半導体ウエハー洗浄装置の無欠点工程が行われるようにする。
【0030】
このように構成される本発明による半導体ウエハー洗浄装置におけるウエハーの表面温度測定のための温度センサー取付位置調整方法について図6のフローチャートを参照して説明する。
【0031】
まず、本発明の半導体ウエハー洗浄装置は、マルチステーションプロセッシングチャンバー2としておよそ12個のチャンバーが単一システムになったものであるが、これに限定されない。それぞれのチャンバー2には、プラテン3に装着されるウエハー4の表面温度を感知するための温度センサー10が取り付けられる。
【0032】
温度センサー10の取付のために、各チャンバー2の上部一側にブラケット60が取り付けられる。ブラケット60には第1結合孔61及び第2結合孔62が形成される。第1結合孔61にはケーブルが配線され、ケーブルは第1固定部材63に固定されて支持される。第2結合孔62には温度センサー10を固定して支持するための第2固定部材64が取り付けられる。また、第2固定部材64が結合されたブラケット60の下には、温度センサー10を固定して支持する位置調整部材65が取り付けられる。位置調整部材65は取り付けられた温度センサー10の位置が設定のウエハー表面に向かうように調整するものであり、位置調整部材65は上下方向及び左右方向に転換される構造であることが良い。温度センサー10は水平のブラケット60に対しておよそ120度まで転換されることが良く、ブラケット60の底面からおよそ5mm内外で取り付けられることが良い。
【0033】
次に、温度センサー10の取付が完了すれば、ウエハー4がプラテン3に挿入されて洗浄工程が行われるうちに温度センサー10がウエハーの表面を実時間で感知することができるように位置を調整する。
【0034】
すなわち、図6のフローチャートで、温度センサー10に装着されたレーザービーム投射機12にオン(on)させる(S1)。そして、レーザービーム投射機12から投射されたビームポイントがジグ70の位置調整板75の表面に表示された角度目盛りの中で設定の角度目盛り79に位置するように位置調整部材65を調整する(S2)。例えば、角度目盛り79はおよそ170度又は250度の地点になることができる。また、レーザービーム投射機12から投射されたビームポイントがジグ70の位置調整板75の表面に表示された座標目盛りの中で設定の座標目盛り80に位置するように位置調整部材65を調整する(S3)。ここで、座標目盛り80は(9、−4)又は(−9、−4)になることができる。その後、ジグ70のヒートゾーンに相当する発熱体72を作動させる。すなわち、センタースイッチ73a、右ミドルスイッチ73b及び右エッジスイッチ73cをそれぞれオンさせて、該当発熱体72が制御用基板71によって発熱するようにするか、あるいはセンタースイッチ73a、左ミドルスイッチ73d及び左エッジスイッチ73eをそれぞれオン(on)させて、該当発熱体72が制御用基板71の制御によってそれぞれ発熱するようにする(S4)。
【0035】
そして、温度センサー10のカメラ11がジグ70の表面温度を撮影する(S5)。撮影されたジグ70の表面の温度信号はケーブルを介してコントローラー30に伝送され、コントローラー30に設けられたアプリケーション形態のウエハー表面モニタリングシステム41で一定個数のチャネル、例えば上下4個のチャネルと左右16個チャネルの総数64個のチャネルに分離し、モニター40を介してグラフィックユーザーインターフェース(GUI)に表示する(S6)。また、ヒートゾーンでそれぞれ該当のセンターチャネル、ミドルチャネル及びエッジチャネルを確認する。ここで、ヒートゾーンの温度が25〜120℃、許容範囲は±1℃又は±0.5℃又は±0.25℃で測定されるようにセンサー値を調整する(S7)。
【0036】
一方、本発明の半導体ウエハー洗浄装置において、マルチステーションプロセッシングチャンバー2ごとにウエハーの表面温度の測定のために、ジグ70に表示された角度目盛りと座標目盛りを用いて各チャンバー2に取り付けられた温度センサー10の撮影位置を調整するかあるいは全てのチャンバー2ごとに一律的に同じ角度目盛りと座標目盛りを用いて温度センサー10の撮影位置を調整することができる。また、マルチステーションプロセッシングチャンバー2を区分して該当のチャンバー2ごとに同じ角度目盛りと座標目盛りを用いて温度センサー10の撮影位置を調整することもできる。
【0037】
以上で、本発明を特定の実施例に基づいて図示して説明したが、請求範囲によって決定される発明の思想及び領域から逸脱しない範疇内で多様な改造及び変形が可能であることが当該技術分野で通常の知識を有する者であればだれでも易しく分かるであろう。
【符号の説明】
【0038】
1 半導体ウエハー洗浄装置
2 チャンバー
3 プラテン
4 ウエハー
5 研磨パッド
10 温度センサー
11 カメラ
12 レーザービーム投射機
20 増幅器
30 コントローラー
31 DB
40 モニター
41 ウエハー表面モニタリングシステム
50 工程異常診断装置
60 ブラケット
61 第1結合孔
62 第2結合孔
63 第1固定部材
64 第2固定部材
65 位置調整部材
70 ジグ
71 制御用基板
72 発熱体
73 オン/オフスイッチ
74 リセットスイッチ
75 位置調整板
76 第1貫通孔
77 第2貫通孔
78 第3貫通孔
79 角度目盛り
80 座標目盛り
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7