特許第6845705号(P6845705)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6845705
(24)【登録日】2021年3月2日
(45)【発行日】2021年3月24日
(54)【発明の名称】水性メイクアップ化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/73 20060101AFI20210315BHJP
   A61K 8/896 20060101ALI20210315BHJP
   A61K 8/29 20060101ALI20210315BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20210315BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20210315BHJP
   A61Q 1/00 20060101ALI20210315BHJP
【FI】
   A61K8/73
   A61K8/896
   A61K8/29
   A61K8/19
   A61K8/02
   A61Q1/00
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-24495(P2017-24495)
(22)【出願日】2017年2月13日
(65)【公開番号】特開2018-131393(P2018-131393A)
(43)【公開日】2018年8月23日
【審査請求日】2019年12月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(74)【代理人】
【識別番号】100112874
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 薫
(74)【代理人】
【識別番号】100147865
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 美和子
(72)【発明者】
【氏名】萩野 亮
(72)【発明者】
【氏名】森 洋輔
【審査官】 池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−193148(JP,A)
【文献】 特開2011−195572(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)〜(D);
(A)水溶性多糖類
(B)式(1)
【化1】
(式中、各R1は、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは−O−及び−CO−から選ばれる少なくとも1種を有していても良い炭素数2〜7の2価の炭化水素基を表し、nは5〜40のいずれかの整数を表す)で表されるシリコーンリン酸トリエステル
(C)水
(D)光輝性粉体
を含有する水性メイクアップ化粧料。
【請求項2】
前記成分(B)の含有量が0.05〜10質量%である請求項1に記載の水性メイクアップ化粧料。
【請求項3】
前記成分(A)の含有量が0.1〜5質量%である請求項1又は2に記載の水性メイクアップ化粧料。
【請求項4】
前記成分(D)の含有量が0.1〜60質量%である請求項1〜3のいずれかに記載の水性メイクアップ化粧料。
【請求項5】
前記成分(A)と前記成分(B)の含有質量比が、(A)/(B)=0.1〜10である請求項1〜4のいずれかに記載の水性メイクアップ化粧料。
【請求項6】
前記成分(B)と前記成分(D)の含有質量比が、(B)/(D)=0.01〜0.5である請求項1〜5のいずれかに記載の水性メイクアップ化粧料。
【請求項7】
前記成分(A)の水溶性多糖類がジェランガムである請求項1〜6のいずれかに記載の水性メイクアップ化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メイクアップ化粧料に関し、更に詳しくは、水溶性多糖類とシリコーンリン酸トリエステルと水と光輝性粉体を含有することにより、均一な化粧膜で、光輝性粉体の光沢感、化粧持続性に優れ、光輝性粉体が物理的接触に対して剥離しづらい(二次付着レス効果)水性メイクアップ化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
メイクアップ化粧料は、まぶたや頬に塗布し、陰影を付けたり、化粧効果を演出するためにパールの光沢感が高いものが求められている。水と水性のゲル化剤を用いてゲルを形成した基剤に光輝性粉体を含有した水性メイクアップ化粧料は、透明感のある光沢感、水々しさを演出することができ、市場で好まれている。水性メイクアップ化粧料は、水性のゲル化剤、粉体、水等からなり、化粧料として求められる使用感、及び機能性を向上させるために、剤型や成分の検討が行われてきた。
【0003】
例えば、パール粉体の光沢感を得るためにジェランガムやアクリル酸アルキル共重合体ポリマーエマルション等の水性の増粘・ゲル化剤とパール光沢粉体を用いる技術(特許文献1)や化粧膜の均一性を高めるためにジェランガムとグリセリンを用いる技術(特許文献2)、パール光沢粉体の化粧持続性と均一な化粧膜を得るために特定の含フッ素共重合体を用いる技術(特許文献3)などが検討されてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−97148号公報
【特許文献2】特開2004−292375号公報
【特許文献3】特開2012−193148号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、こうした化粧料は水系であるために化粧持ちに欠ける傾向があり、特に粒径が大きい光輝性粉体は、汗と共に剥がれ落ちたり、指などに触れた際に剥離したり、アイシャドウであればまばたきの際に転写したりするなど化粧持ちに満足できるものではなかった。また、ジェランガムとグリセリンを含有する技術(特許文献2)では、水系への分散性がよく、均一な化粧膜は得られるが、汗に弱く、満足のいく化粧持ちが得られていなかった。特定の含フッ素共重合体を含有する技術(特許文献3)では、柔軟で均一な化粧膜が得られ、光輝性粉体の持ちは良くなるもの、物理的接触に対する耐転写性(二次付着レス効果)については十分な効果が得られていなかった。
【0006】
上記実情に鑑み、本発明は、均一な化粧膜で、光輝性粉体の光沢感、化粧持続性に優れ、光輝性粉体が物理的接触に対して剥離しづらい(二次付着レス効果)水性メイクアップ化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、水溶性多糖類を用いた水々しい感触の水性メイクアップ化粧料に、肌への親和性が高く、タック性の低い成分を含有することで化粧持ち効果を高めることができると考え、種々の成分の含有検討を行ったところ、特定のシリコーンリン酸トリエステルを含有することで、肌への密着性が高く、かつ表面のべたつき(タック性)が少ないため、物理的な接触ではがれにくい化粧膜ができることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明は、次の成分(A)〜(D);
(A)水溶性多糖類
(B)式(1)
【化1】
(式中、各R1は、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは−O−及び−CO−から選ばれる少なくとも1種を有していても良い炭素数2〜7の2価の炭化水素基を表し、nは5〜40のいずれかの整数を表す)で表されるシリコーンリン酸トリエステル
(C)水
(D)光輝性粉体
を含有する水性メイクアップ化粧料を提供するものである。
【0009】
前記成分(B)の含有量が0.05〜10質量%である前記水性メイクアップ化粧料を提供するものである。
【0010】
前記成分(A)の含有量が0.1〜5質量%である前記水性メイクアップ化粧料を提供するものである。
【0011】
前記成分(D)の含有量が0.1〜60質量%である前記水性メイクアップ化粧料を提供するものである。
【0012】
前記成分(A)と前記成分(B)の含有質量比が、(A)/(B)=0.1〜10である前記水性メイクアップ化粧料を提供するものである。
【0013】
前記成分(B)と前記成分(D)の含有質量比が、(B)/(D)=0.01〜0.5である前記水性メイクアップ化粧料を提供するものである。
【0014】
前記成分(A)の水溶性多糖類がジェランガムである前記水性メイクアップ化粧料を提供するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、均一な化粧膜で、光輝性粉体の光沢感、化粧持続性に優れ、光輝性粉体が物理的接触に対して剥離しづらい(二次付着レス効果)水性メイクアップ化粧料を提供するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において、「〜」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。
【0017】
本発明に用いられる成分(A)水溶性多糖類は、水で膨潤させることで、弾力のあるゲルを形成する多糖類である。水溶性多糖類には、ジェランガム、ペクチン、カンテン末、アルギン酸、カラギーナン、ヒアルロン酸等や、それらの塩類が挙げられ、これらを1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。特に、ジェランガムがタック性が低く、二次付着レス効果を発現しやすいため好ましい。ジェランガムには脱アシル型ジェランガムやネイティブ型ジェランガムがあり、どちらも好適に使用することができる。市販品としては、ケルコゲル、ケルコゲル LT100、ケルコゲル HM(以上、大日本住友製薬社製)、ゲニュペクチンLM−104AS−J(CPケルコ社製)、伊那寒天 UP−37CS(伊那食品工業社製)、キミカアルギンI3−150(キミカ社製)等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0018】
本発明に用いられる成分(A)の含有量は、特に限定されないが、均一な化粧膜と光輝性粉体の光沢感が良好なゲルを形成することができる等の観点から0.1〜5質量%(以下、単に「%」とする)であるとが好ましく、より好ましくは0.2〜2%である。
【0019】
本発明における成分(B)のシリコーンリン酸トリエステルは、下記一般式(1)
【0020】
【化2】
で表される。
式中、各R1は、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは−O−及び−CO−から選ばれる少なくとも1種を有していても良い炭素数2〜7の2価の炭化水素基を表し、nは5〜40のいずれかの整数を表す。
【0021】
R1における「炭素数1〜4のアルキル基」としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基が挙げられる。R1としては、これらのうち、メチル基が好ましい。
Rにおける「−O−及び−CO−から選ばれる少なくとも1種を有していても良い炭素数2〜7の2価の炭化水素基」の「炭素数2〜7の2価の炭化水素基」としては、エチレン鎖、プロピレン鎖、メチルエチレン鎖、ブチレン鎖、1,2−ジメチルエチレン鎖、ペンチレン鎖、1−メチルブチレン鎖、2−メチルブチレン鎖、ヘキシレン鎖、ヘプチレン鎖等が挙げられる。
【0022】
「−O−及び−CO−から選ばれる少なくとも1種を有している炭素数2〜7の2価の炭化水素基」としては、−O−又は−CO−を1又は2以上有していて良く、たとえば、−CH2−O−(CH2)2−、−(CH2)2−O−(CH2)2−、−(CH2)3−O−(CH2)2−、−(CH2)4−O−(CH2)2−、−(CH2)2−O(CH2)2−O−(CH2)2−、−(CH2)2−O−(CH2)4−、−(CH2)2−O−(CH2)5−、−(CH2)3−O−CH2−、−CH2−CO−(CH2)2−、−(CH2)2−CO−(CH2)2−、−(CH2)3−CO−(CH2)2−、−(CH2)4−CO−(CH2)2−、−(CH2)2−CO−(CH2)4−、−(CH2)2−CO−(CH2)5−、−(CH2)3−CO−CH2−等が挙げられる。
「−O−及び−CO−から選ばれる少なくとも1種を有していても良い炭素数2〜7の2価の炭化水素基」としては、これらのうち、−(CH2)3O(CH2)2−が好ましい。
【0023】
具体的に、シリコーンリン酸トリエステルとしては、例えば、以下のものが挙げられる。ただし、nは5〜40のいずれかの整数である。これらは、1種単独でも、2種以上の混合物でも使用できる。
【0024】
【化5】
【0025】
本発明のシリコーンリン酸トリエステルは、たとえば、以下の反応式に示される方法により製造することができる(特開2011−173852号公報を参照)。
【0026】
【化6】
(式中、R1、R及びnは、上記式(I)における定義と同じ)
【0027】
式(IV)で表される片末端カルビノール変性シリコーンと式(V)で表されるオキシ塩化リンとを、溶媒中で塩基の存在化で反応させる。
上記反応を行う際に使用する溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、ジエチルエーテル、アセトニトリル等の極性溶媒等が使用できる。
塩基としては、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミン類、ピペラジン、イミダゾールなどの複素環状アミン類、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類、n−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド等の有機金属類等が使用できる。
反応温度は、通常、25℃〜50℃程度であり、反応時間は、シリコーン鎖長によっても異なるが、通常、2時間〜20時間程度である。
【0028】
上記反応により、式(I)で表されるシリコーンリン酸トリエステルが得られるが、副生物として、以下の式(II)で表されるシリコーンリン酸ジエステル、以下の式(III)で表されるシリコーンリン酸モノエステルなどが生じる。
【0029】
【化3】
(式中、R1、R及びnは、上記式(I)における定義と同じ)
【0030】
【化4】
(式中、R1、R及びnは、上記式(I)における定義と同じ)
【0031】
これら副生物が存在したままシリコーンリン酸エステル混合物として使用することもできるが、通常の方法により、生成物を精製して、実質的に式(I)で表されるシリコーンリン酸トリエステルのみとして使用してもよい。
【0032】
本発明において、式(I)で表されるシリコーンリン酸トリエステル、式(II)で表されるシリコーンリン酸ジエステル及び、式(III)で表されるシリコーンリン酸モノエステルの含有質量比は、式(I)で表されるシリコーンリン酸トリエステルが効果を奏する限り特に限定されないが、シリコーンリン酸エステル混合物の合計100部に対して、好ましくは、式(I)で表されるシリコーンリン酸トリエステルが60〜100質量部、式(II)で表されるシリコーンリン酸ジエステルが0〜35質量部、及び、式(III)で表されるシリコーンリン酸モノエステルが0〜5質量部である。
【0033】
本発明に用いられる、成分(B)のシリコーンリン酸トリエステルの含有量は、特に限定されないが、化粧料基材、特に光輝性粉体の肌への密着性が高まると共に、表面のタック性が抑えられ、二次付着レス効果に優れる等の観点から0.05〜10%が好ましく、0.1〜10%がより好ましく、0.5〜10%が特に好ましい。
【0034】
本発明に用いられる成分(C)の水は、特に限定されないが、常水、精製水、温泉水、深層水、ラベンダー水、ローズ水、オレンジフラワー水等が挙げられ、1種又は2種以上を用いることができる。
【0035】
本発明における成分(C)の含有量は、特に限定されないが、本発明の効果がより優れる等の観点から30〜90%が好ましく、40〜90%であることがより好ましい。
【0036】
本発明に用いられる成分(D)の光輝性粉体は、化粧料に通常使用される光輝性粉体であれば、特に限定されず、例えば、マイカ、セリサイト、合成マイカ、合成セリサイト、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、劈開タルク、板状無水ケイ酸、板状酸化アルミニウム、板状カオリン、板状窒化硼素、板状酸化チタン、板状セルロース等の体質粉体、雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、有機顔料処理雲母チタン、二酸化チタン被覆雲母、二酸化チタン被覆合成金雲母、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、魚鱗箔、二酸化チタン被覆ガラス末、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末等の樹脂積層末等の光輝性粉体等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、マイカ、合成マイカ、ガラス末を母体とする光輝性粉体が光沢が良く好ましい。なお、これらの成分(D)は、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等の1種又は2種以上を用いて表面処理を施してあっても良い。
【0037】
本発明に用いられる成分(D)の平均粒径は、特に限定されないが、艶高さにより優れる等の観点から、20〜400μmのものを用いることが好ましく、30〜200μmのものを用いることがより好ましい。また、アスペクト比は、30以上であることが好ましく、50以上であることがより好ましい。なお、本発明において平均粒径とは、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用い、水中分散状態で測定された粉体の幅と長さの装置上の平均値(積算体積50%の平均粒径値)をいう。
【0038】
成分(D)の含有量としては、特に限定されないが、十分な化粧効果が得られ、水々しく光沢感が高い化粧膜が得られる等の観点から、0.1〜60%が好ましく、5〜40%がより好ましい。
【0039】
本発明における成分(D)は撥水撥油処理されたものを含んでいると、更に化粧持続性の点で好ましく、化粧料の安定性の面からもよい。撥水撥油処理は、パーフルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩、パーフルオロオクチルトリエトキシシラン等が挙げられる。撥水撥油処理されたものを含む場合、その含有量は成分(D)中に15%以上であるのが好ましく、30%以上であるとより好ましい。
【0040】
本発明における成分(A)と成分(B)の含有質量比は、特に限定されないが、均一な化粧膜と二次付着レス効果により優れる等の観点から、(A)/(B)=0.1〜10であることが好ましく、0.15〜5であることがより好ましい。
【0041】
また、本発明における成分(B)と成分(D)の含有質量比は、特に限定されないが、光輝性粉体の光沢感と二次付着レス効果により優れる等の観点から、(B)/(D)=0.01〜0.5であることが好ましく、0.02〜0.3であることがより好ましい。
【0042】
本発明の水性メイクアップ化粧料は、上記の成分(A)〜(D)の他に、本発明の効果を妨げない範囲で、通常化粧料に使用される成分、油性成分、粉体、粉体分散や感触調整としての界面活性剤、皮膜形成剤、水性成分、紫外線吸収剤、保湿剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料などを本発明の効果を損なわない範囲で適宜含有することができる。
【0043】
油性成分としては、動物油、植物油、合成油等の起源、及び、固形油、半固形油、液体油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類、油溶性樹脂、揮発性油剤等が挙げられる。
具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、エチレンプロピレンコポリマー、モンタンワックス、フィッシャトロプスワックス等の炭化水素類、モクロウ、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、ホホバ油、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、メチルフェニルポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、オクタン酸デキストリン、ラウリン酸デキストリン、パルミチン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン、ベヘニン酸デキストリン、ヤシ油脂肪酸デキストリン、(パルミチン酸/オクタン酸)デキストリン、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類、水添ロジン酸ペンタエリスリチル、特定のアクリル酸アルキルメチルポリシロキサンエステル等の油溶性樹脂、軽質流動イソパラフィン、イソドデカン等の炭化水素油、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、メチルトリメチコン、低重合度ジメチルポリシロキサン等のシリコーン類等の揮発性油剤等が挙げられる。
【0044】
成分(D)以外の粉体としては、紡錘状、針状、繊維状、球状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級などの粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、複合粉体類、等が挙げられる。具体的には、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、シリカ、炭化珪素等の無機粉体類、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン、ナイロン等の有機粉体類、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青、ベンガラ等の有色無機顔料、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を用いることができる。また、これら粉体は1種又は2種以上の複合化したものを用いても良く、フッ素化合物、シリコーン系油剤、金属石ケン、界面活性剤、油脂、炭化水素等を用いて公知の方法により表面処理してあっても良い。
【0045】
粉体の分散性向上を目的で含有される界面活性剤としては、化粧料一般に用いられている界面活性剤であればいずれのものも使用でき、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレンアルキル共変性オルガノポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、レシチン等が挙げられる。
【0046】
皮膜形成剤としては、アクリル酸アルキル重合体、メタクリル酸アルキル重合体、メタクリル酸アルキル共重合体等が挙げられる。
【0047】
水性成分としては、水に可溶な成分であれば何れでもよく、例えば、エチルアルコール、ブチルアルコール等の低級アルコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類等が挙げられる。
【0048】
水溶性高分子としては、カルボキシビニルポリマー、アルキル付加カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成系のものを挙げることができる。タンパク質、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等の他の保湿剤を含有する事もできる。
【0049】
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等、保湿剤としては、例えばタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等、酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等、美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、1,2―ペンタンジオール等が挙げられる。
【0050】
本発明の水性メイクアップ化粧料は、特に限定されないが、アイカラー、フェイスカラー、チークカラー、アイライナーなどに応用でき、形状としては、固型、クリーム状、ゲル状、液状等が挙げられるが、中でも粘度50,000mm2/s以上の流動性のあるものから流動性を有しない固型のゲル状が好ましい。外観は、透明、半透明、不透明それぞれの化粧料として使用することができる。
【0051】
本発明の水性メイクアップ化粧料は、成分(C)の水を連続相とする化粧料であり、特に限定されないが、油性成分の含有量が50%未満であることが好ましく、30%未満であることがより好ましく、本発明の効果がより発揮される点から、10%未満であることがより好ましい。剤型としては、特に限定されないが、水中油型や、乳化工程のない水性型が挙げられる。これらの中でも、本発明の効果がより顕著に発揮される点から、油性成分の含有量が1%未満である水性型であることが特に好ましい。
【実施例】
【0052】
以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0053】
本発明における成分(B)のシリコーンリン酸トリエステルの合成例を以下に示す。
[合成例1]
カルビノール変性シリコーン(式2)を265g、テトラヒドロフラン136gを混合し、−40℃に冷却した。リチウムジイソプロピルアミド(LDA)(1mol/THF溶液)200mlを滴下し、90分反応させた後、オキシ塩化リン(式1)7.8gを添加し、1時間反応させた。25℃まで温度を上げさらに2時間熟成させた後、濃塩酸42gを加え反応を終了させた。メタノールで洗浄し溶媒を留去することにより、シリコーンリン酸トリエステルを含む混合物を得た。得られた混合物の組成比は、31P−NMR測定により、トリエステル体である式(I)が92%、ジエステル体である式(II)が1%、その他ポリリン酸を含む副生成物が7%であった。
【0054】
【化7】
【0055】
[処方例]
上記製造実施例において製造されたシリコーンリン酸トリエステルを含む混合物を、以下の処方において使用した。したがって、以下の実施例において例えば「合成例1の生成物」とは、合成例1において得られたシリコーンリン酸トリエステルを含む混合物を意味する。
【0056】
実施例1〜8及び比較例1〜5:アイカラー(水性ゲル状)
表1に示す処方のアイカラーを調製し、a.化粧膜の均一性、b.パールの光沢感、c.化粧持続性、d.二次付着レス効果について下記の方法により評価した。結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
(製造方法)
A.成分(1)〜(5)を成分(20)の一部で均一に加温膨潤する。
B.Aに(6)〜(19)、(20)の残部を加え均一に混合する。
C.Bを容器に充填しアイカラー(水性ゲル状)を得た。
【0058】
(評価方法)
下記評価項目について各々下記方法により評価を行った。
(評価項目)
a.化粧膜の均一性
b.パールの光沢感
c. 化粧持続性
a〜cの項目について、各試料について専門パネル20名による使用テストを行った。パネル各人が実施例1〜8及び比較例1〜5の各アイカラーを指で使用し、下記絶対評価基準にて7段階に評価し評点をつけ、各試料についてパネル全員の評点合計からその平均値を算出し、下記判定基準により判定した。アイカラー使用後に化粧膜が均一に塗れているか、パールの光沢感が高いか、それぞれa.化粧膜の均一性、b.パールの光沢感、として評価した。化粧持続性については、各試料を塗布し、パネルに通常の生活をしてもらった後、6時間後に涙や汗などで化粧膜がくずれていないかを評価した。
【0059】
絶対評価基準
(評点):(評価)
6 :非常に良い
5 :良い
4 :やや良い
3 :普通
2 :やや悪い
1 :悪い
0 :非常に悪い
【0060】
判定基準
(判定):(評点の平均点)
◎ :5点以上
○ :3.5点以上〜5点未満
△ :2点以上〜3.5点未満
× :2点未満
【0061】
d.二次付着レス効果
各試料0.2gを人工皮革A(ビューラックス社製)に2cm四方に指で塗り広げ、3分間乾燥させた後に、別の人工皮革Bを50gwtの荷重で10秒間押し付け、引きはがした際の耐転写性(二次付着レス効果)を色差計(CM−700d、コニカミノルタ社製)を用いて人工皮革Bの転写前後の色調差ΔEを算出して評価し、下記の判断基準により判定した。
判定基準
(判定): (評価)
◎ : ΔE<1.0
○ : 1.0≦ΔE<3.0
△ : 3.0≦ΔE<5.0
× : 5.0<ΔE
【0062】
表1の結果から明らかな如く、本発明の実施例1〜8の水性アイカラーは、比較例1〜5に比べ、化粧膜の均一性、パールの光沢感、化粧持続性、ニ次付着レス効果の全てにおいて優れたものであった。これに対して、成分(A)のかわりに、水性のゲル化剤である、カルボキシビニルポリマーを含有した比較例1は、パールの光沢が十分ではなく、肌への密着感に劣るため、化粧膜が均一でなく化粧持持続性や二次付着レス効果が悪いものであった。成分(B)を含有していない比較例2、成分(B)のかわりに、ジメチコンを含有している比較例3及び、リン酸トリオレイルを含有している比較例4は、分散性が悪いために化粧膜が均一でなく、肌への密着感に劣るために二次付着レス効果も十分ではなかった。酢酸ビニル共重合体エマルションを含有している比較例5は、化粧料の肌への付着性は向上するものの、表面のタック性も同時に上がるため二次付着レス効果が悪いものであった。
【0063】
実施例9 頬紅(水性固型ゲル状)
(成分) (%)
1.脱アシル型ジェランガム 0.6
2.水 残量
3.トリエタノールアミン 0.1
4.EDTA−2Na 0.05
5.ジブチレングリコール 15
6.レシチン 0.2
7.ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート 0.15
8.タルク 2
9.パーフルオロオクチルトリエトキシシラン5%処理黄酸化鉄 0.2
10.パーフルオロオクチルトリエトキシシラン5%処理黒酸化鉄 0.02
11.パーフルオロオクチルトリエトキシシラン5%処理ベンガラ 0.1
12.パーフルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩5%処理
酸化チタン 0.05
13.合成金雲母※9 14
14.パーフルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩3%処理
酸化チタン被覆マイカ※10 10
15.シリコーン2%処理酸化チタン被覆合成金雲母※11 1
16.合成例1の生成物 2

※9:PDM−10L(トピー工業社製)
※10:FLAMENCO RED 420C(BASF社製)にパーフルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩を3%処理したもの
※11:HELIOS R100S(S)(トピー工業社製)
(製造方法)
A.成分(1)を成分(2)の一部で均一に膨潤する。
B.成分(3)〜(12)を均一に分散する。
C.AにBと成分(13)〜(16)を加え均一に混合する。
D.Cを容器に充填し頬紅(水性ゲル状)を得た。
本実施例6の頬紅は、化粧膜の均一性、パールの光沢感、化粧持続性、ニ次付着レス効果の全てにおいて優れたものであった。
【0064】
実施例10 ファンデーション(水中油型固型ゲル状)
(成分) (%)
1.ペクチン※12 0.5
2.精製水 残量
3.L−アルギニン 0.1
4.EDTA−2Na 0.05
5.塩化カルシウム 0.03
6.フェノキシエタノール 0.3
7.1,3−ブチレングリコール 15
8.ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール※13 0.3
9.ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸ナトリウム 0.3
10.ジメチルポリシロキサン2%処理タルク 3.5
11.ジメチルポリシロキサン2%処理黄酸化鉄 1.5
12.ジメチルポリシロキサン2%処理黒酸化鉄 0.1
13.ジメチルポリシロキサン2%処理ベンガラ 0.1
14.ジメチルポリシロキサン2%処理板状酸化チタン 7
15.ジメチルポリシロキサン2%処理雲母チタン※14 10
16.合成例1の生成物 0.5
17.モノステアリン酸グリセリン 1.5
18.セタノール 1.5
19.流動パラフィン 1
20.スクワラン 2
21.トリオクタン酸グリセリル 3
22.ジペンタエリトリットテトラ12−ヒドロキシステアリン酸
セスキステアリン酸ヘミロジンエステル 0.5
23.ジメチルポリシロキサン(20CS) 0.5
24.アクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルション※15 3
※12:GENUペクチン LM−104AS−J(三晶社製)
※13:ユニルーブ70DP−950B(日本油脂社製)
※14:チミロンスーパーゴールド(MERCK社製)にジメチルポリシロキサンを2%処理したもの
※15:ヨドゾールGH41F(アグゾノーベル社製)
(製造方法)
A.成分(1)を成分(2)にて均一に膨潤する。
B.成分(3)〜(16)を均一に分散する。
C.成分(17)〜(23)を70℃で加熱溶解する。
D.A、Bを混合し、そこにCを加えて乳化する。
E.Dに成分(24)を添加し混合する。
F.Eを加温溶解し、容器に充填した後、室温まで冷却して、ゲル状ファンデーションを得た。
本実施例6のゲル状ファンデーションは、化粧膜の均一性、化粧持続性、ニ次付着レス効果の全てにおいて優れたものであった。
【0065】
実施例11 下地(水中油型クリーム状))
(成分) (%)
1.寒天※2 0.3
2.ローカストビーンガム 0.1
3.キサンタンガム 0.1
4.1,2−ペンチレングリコール 5
5.1,3−ブチレングリコール 5
6.精製水 残量
7.2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール 0.3
8.EDTA−2Na 0.05
9.合成例1の生成物 0.1
10.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
11.ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸ナトリウム 0.3
12.ジメチルポリシロキサン2%処理タルク 3.5
13.ジメチルポリシロキサン2%処理黄酸化鉄 1.5
14.ジメチルポリシロキサン2%処理黒酸化鉄 0.1
15.ジメチルポリシロキサン2%処理ベンガラ 0.1
16.ジメチルポリシロキサン2%処理板状酸化チタン 7
17.ベンガラ被覆雲母チタン※16 7
18.モノステアリン酸ポリグリセリル 1.5
19.セタノール 1.5
20.ポリオキシエチレン(60)硬化ひまし油 1
21.スクワラン 3
22.トリオクタン酸グリセリル 5
23.モノステアリン酸グリセリル 0.5
24.ジメチルポリシロキサン(100CS) 0.5
25.ワセリン 0.5
※16CLOISONNE ROUGE FLAMBE(BASF社製)
(製造方法)
A.成分(1)〜(3)、(7)〜(11)を成分(4)、(5)、(6)の一部で均一に膨潤する。
B.成分(18)〜(25)を70℃で加熱溶解する。
C.成分(6)の残部に成分(12)〜(17)を均一に分散する。
D.CにBを添加して乳化する。
E.DにA、成分(6)を添加し混合する。
F.Eを容器に溶融充填した後、室温まで冷却して、ゲル状下地を得た。
本実施例7のゲル状下地は、化粧膜の均一性、パールの光沢感、化粧持続性、ニ次付着レス効果の全てにおいて優れたものであった。
【0066】
実施例12 アイライナー(水性液状)
(成分) (%)
1.ネイティブジェランガム※1 0.1
2.精製水 残量
3.EDTA−2Na 0.05
4.トリエタノールアミン 0.1
5.1,3−ブチレングリコール 15
6.レシチン 0.2
7.ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート 0.15
8.セリサイト 2
9.板状セルロース 2
10.パーフルオロオクチルトリエトキシシラン3%処理黒酸化鉄 5
11.酸化チタン被覆ホウケイ酸※17 5
12.黒酸化鉄被覆マイカ※18 20
13.合成例1の生成物 10
※17:メタシャインMT1080RS(日本板硝子社製)
※18:COLORONA MICA BLACK(メルク社製)

(製造方法)
A.成分(1)を成分(2)で均一に膨潤する。
B.成分(3)〜(10)を均一に分散する。
C.AにBと成分(11)〜(13)を加え均一に混合する。
D.Cを容器に充填しアイライナー(水性ゲル状)を得た。
本実施例8のアイライナーは、化粧膜の均一性、パールの光沢感、化粧持続性、ニ次付着レス効果の全てにおいて優れたものであった。