(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記金属筒として、前記軸線方向の全長L0、前記径大部の前記一端から前記段部の前記小径部に繋がる部位の内面までの前記軸線方向長さL1としたとき、L1≦(L0/2)、かつ、(1)、(2)、(3)又は(4)を満たすものを用いる請求項1記載の金属筒の製造方法。
但し、(1)前記径大部の最小内径をd1とし、前記小径部の前記段部に繋がる部位の内径をd2とし、前記小径部の前記段部に繋がる部位の外径をD2とし、前記金属筒の前記他端の外径をD3としたとき、d1>D2、d1>D3、
(2)D3<D2の場合は(d1−d2)≧(D2−D3)≧0、
(3)D3<D2で、前記小径部が前記段部側の第1小径部と、該第1小径部の先端側に第2段部を介して接続されて該第1小径部より小径で前記軸線方向の他端側の第2小径部とを有し、(d1−d2)≧(D2−D3)≧0、前記第2小径部から前記第2段部に繋がる部位の外面までの前記軸線方向長さL3としたとき、L3≧L1、
(4)D3<D2で、前記小径部が前記段部側の第1小径部と、該第1小径部の先端側に第2段部を介して接続されて該第1小径部より小径で前記軸線方向の他端側の第2小径部とを有し、(d1−d2)≧(D2−D3)≧0、前記第1小径部の前記段部に繋がる部位から前記第2段部の外面までの前記軸線方向長さL2とし、前記第2小径部から前記第2段部に繋がる部位の外面までの前記軸線方向長さL3としたとき、L2とL3の少なくとも一方≧L1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ショットブラスト処理は、粉塵が発生する等で作業性に劣る。そこで、本発明者は、バレル研磨の「共摺り」を行うことで、作業性の向上を図った。「共摺り」とは、研磨材(メディア)を用いず、研磨対象物のみを水溶液に投入し、研磨対象物同士をこすり合せて、研磨する方法である。
しかしながら、段部が付いた金属筒を共摺りによりバレル研磨した場合、研磨対象である金属筒同士が入れ子状態に重ならず、段部の内面を確実に研磨することが困難なことが判明した。そして、車両の走行時の振動等がガスセンサに加わった場合、段部が破壊の起点となるので、金属カバーの段部の内面を十分に研磨し、段部の残留応力を低減することが重要である。
そこで、本発明は、金属筒の段部の内面を共摺りで確実にバレル研磨することが可能な金属筒の製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の金属筒の製造方法は、軸線方向に延びる金属筒を複数用意し、前記複数の金属筒を共摺りでバレル研磨する金属筒の製造方法において、前記金属筒は、前記軸線方向の一端側の径大部と、該径大部より小径で前記軸線方向の他端側の小径部と、前記径大部と前記小径部とを前記軸線方向に繋ぐ段部とを有し、前記複数の金属筒のうち、一の金属筒の前記小径部の外周面が、他の金属筒の前記段部の内面に入れ子状に当接した状態で研磨する。
【0006】
この金属筒の製造方法によれば、共摺りにより2つの金属筒を入れ子状態にさせ、このときに、一の金属筒の小径部が他の金属筒の段部の内面に届くので、金属筒の段部の内面を共摺りで確実にバレル研磨することが可能となる。
【0007】
本発明の金属筒の製造方法において、前記金属筒として、前記軸線方向の全長L0、前記径大部の前記一端から前記段部の前記小径部に繋がる部位の内面までの前記軸線方向長さL1としたとき、L1≦(L0/2)、かつ、(1)、(2)、(3)又は(4)を満たすものを用いるとよい。
但し、(1)前記径大部の最小内径をd1とし、前記小径部の前記段部に繋がる部位の内径をd2とし、前記小径部の前記段部に繋がる部位の外径をD2とし、前記金属筒の前記他端の外径をD3としたとき、d1>D2、d1>D3、
(2)D3<D2の場合は(d1−d2)≧(D2−D3)≧0、
(3)D3<D2で、前記小径部が前記段部側の第1小径部と、該第1小径部の先端側に第2段部を介して接続されて該第1小径部より小径で前記軸線方向の他端側の第2小径部とを有し、(d1−d2)≧(D2−D3)≧0、前記第2小径部の前記他端から前記第2段部の前記第2小径部に繋がる部位の外面までの前記軸線方向長さL3としたとき、L3≧L1、
(4)D3<D2で、前記小径部が前記段部側の第1小径部と、該第1小径部の先端側に第2段部を介して接続されて該第1小径部より小径で前記軸線方向の他端側の第2小径部とを有し、(d1−d2)≧(D2−D3)≧0、前記第1小径部の前記段部に繋がる部位から前記第2段部の外面までの前記軸線方向長さL2としたとき、L2とL3の少なくとも一方≧L1
【0008】
この金属筒の製造方法によれば、金属筒のL1≦(L0/2)とするので、共摺りにより2つの金属筒が入れ子状態になったときに、一の金属筒の小径部が他の金属筒の段部の内面に確実に届くことができる。
又、(1)では、d1>D2、d1>D3とするので一の金属筒の小径部が他の金属筒の径大部に入ることができる。
又、(2)では、D3≦D2の場合には、(d1−d2)≧(D2−D3)≧0とすることで、一の金属筒の小径部の先端側(他端側)が他の金属筒の段部内面に確実に届くことができる。
(3)では金属筒を2段とし、L3≧L1とすることで、一の金属筒の第2小径部の先端側(他端側)が他の金属筒の段部や第2段部の内面に確実に届くことができる。
(4)では金属筒を2段とし、L2とL3の少なくとも一方≧L1とすることで、一の金属筒の第2小径部の先端側(他端側)が他の金属筒の段部や第2段部の内面に確実に届くことができる。なお、(4)にてL3>L2≧L1の場合、一の金属筒の第2小径部の先端側は他の金属筒の段部の内面には届くが、第2段部の内面には届かないが、段部の内面を研磨することはできる。
【0009】
本発明の金属筒の製造方法において、前記金属筒として、前記段部又は前記第2段部が前記軸線方向に直角に延びるものを用いてもよい。
この金属筒の製造方法によれば、段部又は第2段部がよりきつい加工を受けて軸線方向に直角に延びて、引張残留応力が多く残っているものに対し、引張残留応力を低減させる効果が大きい。
【0010】
本発明のガスセンサの製造方法は、軸線方向に延びるセンサ素子と、該センサ素子の後端側を覆う金属筒と、を有するガスセンサの製造方法であって、前記金属筒を、前記金属筒の製造方法により製造する金属筒製造工程を含む。
【0011】
このガスセンサの製造方法によれば、金属筒の段部の内面がバレル研磨されて滑らかになるので、センサ素子の後端側を金属筒でスムースに覆うことができる。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、金属筒の段部の内面を共摺りで確実にバレル研磨することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について説明する。まず、請求項2の(2)の態様について説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る金属筒の製造方法が適用される外筒(金属筒)90を備えたガスセンサ100の軸線方向に沿う断面図、
図2は外筒(金属筒)90の軸線方向に沿う断面図である。なお、
図1の下側(センサ素子10の検出部10aが位置する側)を「先端側」と称し、上側(センサ素子10の電極取出部(電極パッド)10eが位置する側)を「後端側」と称する。
【0015】
図1に示すように、ガスセンサ100は、センサ素子10を組み付けたアッセンブリである。ガスセンサ100は、軸線O方向(
図1の上下方向)に延びる板状のセンサ素子10と、自動車エンジンの排気管に固定される主体金具2とを備えている。主体金具2は略円筒状をなし、排気管に固定されるためのねじ部24が外表面に形成される一方、内孔25を有し、内孔25から径方向内側に突出する棚部2pを先端側に有している。そして、主体金具2はセンサ素子10を内孔25内に収容すると共に、センサ素子10の先端側に設けられた検出部10aと後端側に設けられた電極パッド10eをそれぞれ主体金具2から突出させた状態で、センサ素子10を保持している。また、主体金具2の内周面とセンサ素子10の外周面との間には、センサ素子10の外周面を囲むセラミック製の環状の保持部材21、粉末充填材(滑石リング)22、23、およびセラミック製のスリーブ30がこの順に検出部10a側から積層されている。
【0016】
そして、主体金具2の後端部2aを加締めてスリーブ30を先端側に押し付けることにより、保持部材21が棚部2pに係止されつつ滑石リング22,23が押し潰れて内孔25内に充填され、センサ素子10が主体金具2内の所定位置にしっかりと固定される。
なお、保持部材21及び滑石リング22は金属カップ20を介して主体金具2の内孔25内に収容されている。
また、主体金具2の先端側外周には、センサ素子10の検出部10aを囲む金属製の外部プロテクタ4および内部プロテクタ3が取り付けられている。さらに、センサ素子10の検出部10aの表面を多孔質保護層12が覆っている。
【0017】
一方、センサ素子10の後端側の両板面にそれぞれ設けられた電極パッド10e(この例では各面に2個ずつ計4個)は、円筒状のセラミック製セパレータ70で囲まれている。セパレータ70は、センサ素子10の挿通孔70hを中心に有すると共に、この挿通孔70hに連通して複数の端子金具60(この例では4個)をそれぞれ収容する空孔(図示せず)を有している。
セパレータ70は、先端側に筒状の外側面70cが設けられると共に、後端側には、外側面70cから拡径するように径方向外側に突出する鍔部70dが設けられている。そして、外側面70cと鍔部70dとは、先端に向かって縮径する先端向き面70b(テーパー面)により繋がっている。
【0018】
セパレータ70の後端には、円筒状でゴム製のシール部材(グロメット)50がセパレータ70と離間して配置され、セパレータ70とグロメット50が金属製の外筒90に覆われている。外筒90の軸線O方向中央付近には、セパレータ70を保持する環状の留め金具80が加締め固定され、さらに外筒90の上記加締め部より後端部が後端側へ向かって縮径して段部90sを形成している。又、外筒90の後端側のグロメット50を覆う部位も、後端側へ向かって縮径して第2段部90tを形成している。
そして、留め金具80がセパレータ70を囲み、留め金具80の後端側が鍔部70dの先端向き面70bに当接すると共に、段部90s(の先端向き面)がセパレータ70の後端向き面70aに係止する。これにより、セパレータ70が先端側と後端側の上下で軸線O方向に挟まれつつ、軸線O方向に主体金具2(の後端部2a)と離間して保持される。
【0019】
セパレータ70内に保持された各端子金具60は、センサ素子10の各電極パッド10eに電気的に接続する。又、各端子金具60の後端側はセパレータ70の後端から突出する圧着部65になっていて、圧着部6の内側にリード線68が加締め接続されている。各リード線68は、グロメット50のそれぞれ別個のリード孔(図示せず)を通されて外部に引き出されている。
さらに、外筒90の後端側が加締められ、グロメット50が外筒90内に保持されている。このようにして内部にセパレータ70及びグロメット50を保持した外筒90は、主体金具2の後端側に嵌合され、嵌合部を全周溶接して両者が接続される。
【0020】
次に、
図2を参照し、外筒(金属筒)90xの形状について説明する。なお、バレル研磨前の外筒を90xで表記して区別するが、実質的な寸法は、バレル研磨後の完成品である外筒90と変わらない。但し、外筒90をガスセンサ100に組み付け時に加締めた部位の形状は異なる。
外筒90xは、軸線O方向の一端側(
図2の下側)の径大部90aと、径大部90aより小径で軸線O方向の他端側(
図2の上側)の小径部90bと、径大部90aと小径部90bとを軸線O方向に繋ぐ段部90sとを有している。
なお、外筒90xは、例えばステンレス鋼からなる。
【0021】
さらに、小径部90bは、段部90sに繋がる第1小径部90cと、第1小径部90cよりも他端側(
図2の上側)の第2小径部90dと、第1小径部90cと第2小径部90dとを軸線O方向に繋ぐ第2段部90tとを有している。又、第2小径部90dは第1小径部90cよりも小径とされている。
なお、本実施形態では、径大部90a、小径部90b(第1小径部90cと第2小径部90d)はいずれも軸線O方向に平行なストレートな筒状をなすが、テーパ筒状であってもよい。
【0022】
そして、外筒90xの軸線O方向の全長L0、径大部90aの一端側から段部90sの内面90iまでの軸線O方向長さL1としたとき、L1≦(L0/2)である。
又、径大部90aの最小内径をd1とし、小径部90bの段部90sに繋がる部位(つまり、第1小径部90c)の内径をd2とし、小径部90bの段部90sに繋がる部位(つまり、第1小径部90c)の外径をD2とし、小径部90bの他端側(つまり、第2小径部90d)の外径をD3としたとき、d1>D2、d1>D3、かつ、(d1−d2)≧(D2−D3)≧0である。なお、D2=D3の場合は、(d1−d2)≧0となる。
ここで、小径部90bの段部90sに繋がる部位とは、段部90sの内面90iの曲率が他端側(
図2の上側)に向かって変化する点とする。
【0023】
そして、
図3に示すように、複数個の外筒90xと、溶液(水とコンパウンド等)200とを、粒状の研磨石(メディア)を用いずにバレル研磨機300のバレル槽302に投入し、「共摺り」によりバレル研磨を行う。「共摺り」とは、粒状の研磨石を用いず、研磨対象物のみを水溶液に投入し、研磨対象物同士をこすり合せて、研磨する方法である。なお、「共摺り」では、粒状の研磨石を用いないが、微粉末のコンパウンドは用いても良い。
なお、
図3の例では、バレル研磨機300として回転バレル研磨機を用い、バレル槽を8角形としている。
【0024】
ここで、段部90sが付いた外筒90xを共摺りによりバレル研磨した場合、外筒90x同士が入れ子状態に重ならず、段部90sの内面90iを確実に研磨することが困難な場合がある。そこで、上述の
図2のように外筒90xの寸法を規定することで、内面90iを確実に研磨できる。
この理由について
図4を参照して説明する。
図4は、一の外筒90x1の内側に、他の外筒90x2が挿入された状態を示す。なお、外筒90x1の各構成要素を、符号の最後に「1」(例えば径大部90a1)を付して表記し、外筒90x2の各構成要素を、符号の最後に「2」(例えば小径部90b2)を付して表記する。
【0025】
まず、L1≦(L0/2)とすることで、小径部90b2の先端が段部90s1の内面90i1に届くので、内面90i1の研磨が可能となる。L1<(L0/2)とするとより好ましい。
又、d1>D2、d1>D3とすることで、小径部90b2の先端側(つまり、第2小径部90d2)も段部90s2側(つまり、第1小径部90c2)も径大部90a1の内側に入ることができ、入れ子状態になることが可能となる。
さらに、(d1−d2)≧(D2−D3)≧0とすることで、小径部90b2(第2小径部90d2)の先端が段部90s1の内面90i1に届くようになる。つまり、内面90i1は、径大部90a1の内面から、径方向内側にdx=(d1−d2)の部位まで形成されている。一方、(D2−D3)は、第1小径部90c2の外面よりも第2小径部90d2の外面が径方向内側に縮む長さである。
従って、この長さ(D2−D3)がdxよりも長いと、
図4に示すように第1小径部90c2が径大部90a1の内面に接したとき、第2小径部90d2の先端が内面90i1よりも径方向内側に位置してしまい、内面90i1に届かなくなる。
【0026】
なお、(d1−d2)≧(D2−D3)≧0という条件は、後述の
図7のようなD3>D2の場合は不要である。
又、
図4では、外筒90x1の内側に外筒90x2がまっすぐ(軸線Oに沿って)入った状態を示しており、第2小径部90d2の先端が内面90i1に接点Pで接触している。この状態のままであれば、接点Pよりも径方向外側に位置する内面90i1には第2小径部90d2の先端が届かないが、バレル研磨により外筒90x1、90x2が流動することで、
図5に示すように外筒90x1、90x2が互いに軸線O方向に傾き、内面90i1の径方向外側の部位Qまで第2小径部90d2の先端が十分に届いて研磨される。
【0027】
次に、
図6、
図7を参照して外筒の変形例について説明する。
図6に示すように、外筒92xは、軸線O方向の一端側(
図6の下側)の径大部92aと、径大部92aより小径で軸線O方向の他端側(
図6の上側)の小径部92bと、径大部92aと小径部92bとを軸線O方向に繋ぐ段部92sとを有している。
ここで、径大部92aは、
図2の径大部90aと同一形状であるが、小径部92bが軸線O方向の他端側(
図6の上側)へ向かって窄まるテーパ状であることが異なる。この場合、小径部92bの段部92sに繋がる部位の内径及び外径をそれぞれd2、D2とする。又、小径部92bの他端側の外径をD3とする。
【0028】
又、
図7は、請求項2の(1)の態様に相当する変形例である。
図7に示すように、外筒94xは、軸線O方向の一端側(
図7の下側)の径大部94aと、径大部94aより小径で軸線O方向の他端側(
図7の上側)の小径部94bと、径大部94aと小径部94bとを軸線O方向に繋ぐ段部94sとを有している。
ここで、径大部94a及び段部94sは、
図2の径大部90a及び段部90sと同一形状であるが、さらに、小径部94bは、段部94sに繋がる第1小径部94cと、第1小径部94cよりも他端側(
図7の上側)の第2小径部94dと、第1小径部94cと第2小径部94dとを軸線O方向に繋ぐ第2段部94tとを有していることが異なる。そして、第2小径部94dは第1小径部94cよりも大径で(D3>D2)、かつ径大部94aよりも小径とされている。
この場合、
図4と同様に一の外筒の内側に、他の外筒が挿入された際、小径部94bの先端側(他端側)の第2小径部94dが第1小径部94cよりも大径なため、第2小径部94dが段部94sの内面に確実に届き、研磨することができる。
従って、(d1−d2)≧(D2−D3)≧0という条件は、D3>D2の場合は不要である。
【0029】
次に、
図8を参照し、請求項2の(3)の態様について説明する。
図8に示すように、外筒96xは、軸線O方向の一端側(
図8の下側)の径大部96aと、径大部96aより小径で軸線O方向の他端側(
図8の上側)の小径部96bと、径大部96aと小径部96bとを軸線O方向に繋ぐ段部96sとを有している。
さらに、小径部96bは、段部96sに繋がる第1小径部96cと、第1小径部96cよりも他端側(
図8の上側)の第2小径部96dと、第1小径部96cと第2小径部96dとを軸線O方向に繋ぐ第2段部96tとを有している。そして、第2小径部96dは第1小径部96cよりも小径で(D3<D2)、第1小径部96cは径大部96aよりも小径とされている。つまり、外筒96xは2段となっている。
【0030】
さらに、請求項2の(2)と同様、(d1−d2)≧(D2−D3)≧0である。又、第2小径部96dから第2段部96tに繋がる部位の外面までの軸線方向長さをL3としたとき、L3≧L1である。
この場合、
図4と同様に一の外筒の内側に、他の外筒が挿入された際、L3≧L1であるので、第2小径部96dが段部96sの内面に確実に届き、研磨することができる。
なお、第2小径部96dから第2段部96tに繋がる部位とは、第2段部96tの内面96i2の曲率が他端側(
図8の上側)から一端側(
図8の下側)で変化する点とする。
【0031】
次に、
図9を参照し、請求項2の(4)の態様について説明する。
図9に示すように、外筒98xは、軸線O方向の一端側(
図9の下側)の径大部98aと、径大部98aより小径で軸線O方向の他端側(
図9の上側)の小径部98bと、径大部98aと小径部98bとを軸線O方向に繋ぐ段部98sとを有している。
さらに、小径部98bは、段部98sに繋がる第1小径部98cと、第1小径部98cよりも他端側(
図9の上側)の第2小径部98dと、第1小径部98cと第2小径部98dとを軸線O方向に繋ぐ第2段部98tとを有している。そして、第2小径部98dは第1小径部98cよりも小径で(D3<D2)、第1小径部98cは径大部98aよりも小径とされている。つまり、外筒98xは2段となっている。
【0032】
さらに、請求項2の(2)と同様、(d1−d2)≧(D2−D3)≧0である。又、第1小径部98cの段部98sに繋がる部位から第2段部98tの外面までの軸線方向長さをL2としたとき、L2とL3の少なくとも一方≧L1である。
この場合、
図4と同様に一の外筒の内側に、他の外筒が挿入された際、L2とL3の少なくとも一方≧L1であるので、軸線O方向の他端側の端面や第2小径部98dが段部98sの内面に確実に届き、研磨することができる。
なお、L3>L2≧L1の場合、軸線O方向の他端側の端面が段部98sの内面に届く。L2>L3≧L1の場合、第2小径部98dが段部98sの内面には届き、段部98sの内面を研磨することはできる。
なお、L2は、L1とL3の間の部位である。
【0033】
本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。例えば、金属筒の形状は上記に限定されない。
又、センサとしては、酸素センサの他、NOxセンサ、HC、H
2等のガス濃度を測定するためのガスセンサに適用することもできる。