(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6845765
(24)【登録日】2021年3月2日
(45)【発行日】2021年3月24日
(54)【発明の名称】鉄道車両の車上子支持装置及びそれを備えた台車ユニット
(51)【国際特許分類】
B61F 5/22 20060101AFI20210315BHJP
B60L 15/40 20060101ALI20210315BHJP
【FI】
B61F5/22 Z
B60L15/40 A
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-155358(P2017-155358)
(22)【出願日】2017年8月10日
(65)【公開番号】特開2019-34582(P2019-34582A)
(43)【公開日】2019年3月7日
【審査請求日】2020年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鴻池 史一
(72)【発明者】
【氏名】多賀 之高
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 與志
【審査官】
諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】
特開平01−132463(JP,A)
【文献】
特開平05−310125(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/044448(WO,A1)
【文献】
韓国公開特許第10−2015−0074783(KR,A)
【文献】
特開2006−281976(JP,A)
【文献】
特開2017−093014(JP,A)
【文献】
特開2013−035536(JP,A)
【文献】
特開2018−095207(JP,A)
【文献】
米国特許第1742148(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61F 5/22
B61F 5/38
B60L 15/40
B61L 23/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄道車両の車体の下方かつ台車の前方に配置される車上子を支持する装置であって、
前記車上子が取り付けられる車上子取付部と、
前記台車に連結される少なくとも1つの台車連結部を有し、前記車上子取付部を前記台車に接続する台車側支持部材と、
前記車体に連結される車体連結部を有し、前記車上子取付部を前記車体に接続する少なくとも1つの車体側支持部材と、
前記台車側支持部材に前記車体側支持部材を角変位可能に結合する結合器と、を備える、鉄道車両の車上子支持装置。
【請求項2】
前記台車側支持部材は、前記台車連結部が設けられ且つ前後方向に延びる少なくとも1つのアーム部を有し、
前記車体側支持部材は、前記結合器から前記車体に向けて延びたアーム状であり、
前記車体側支持部材の延在方向は、鉛直方向である、又は、前記アーム部の延在方向よりも鉛直方向に近い角度の方向である、請求項1に記載の鉄道車両の車上子支持装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの台車連結部は、左右方向に離間した一対の台車連結部を含み、
前記台車側支持部材は、前記台車の前方で左右方向に延び且つ前記車上子取付部が設けられた支持梁部を有し、
前記少なくとも1つのアーム部は、前記支持梁部の両端部から前記台車に向けて夫々延びた一対のアーム部を含み、
前記少なくとも1つの車体側支持部材は、前記車上子取付部の左右方向両側に配置される一対の車体側支持部材を含む、請求項2に記載の鉄道車両の車上子支持装置。
【請求項4】
前記車体連結部は、前記車体に対して前記車体側支持部材を少なくとも前後方向の軸線周りに回動可能に連結し、
前記結合器は、前記台車側支持部材に対して前記車体側支持部材を少なくとも前後方向の軸線周りに回動可能に結合する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の鉄道車両の車上子支持装置。
【請求項5】
前記台車連結部は、前記台車に対して前記台車側支持部材を左右方向の軸線周りに回動可能に連結する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の鉄道車両の車上子支持装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の車上子支持装置と、前記車上子支持装置が連結された台車とを備える台車ユニットであって、
前記台車は、左右方向に延びる横梁と、前後方向に離間して且つ一対の車軸の端部を夫々支持する一対の軸箱と、前記横梁の左右方向の端部を支持した状態で前後方向に延びて前記一対の軸箱に支持される板バネと、前記軸箱と前記板バネとの間に介在するバネ座と、を備え、
前記車上子支持装置の前記台車連結部は、前記バネ座又は前記軸箱に連結される、鉄道車両の台車ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両の車体の下方かつ台車の前方に配置される車上子を支持する装置及びそれを備えた台車ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両の先頭車には、運転席の下方辺りにATS(Automatic Train Stop)装置の車上子等が設けられることがある。ATS装置は、地上のレール間の所定の位置(例えば、レール中央等)に設置された地上子からの制御信号を車上子が無線で受信することにより、運転士に対して注意喚起したり自動的にブレーキを制動させて車両を停止させる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−60841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両が曲線区間を通過する際には、車体の前端部の左右方向中心がレール間の中心から外れて外軌側に偏倚するように挙動する。そのため、曲線区間又はその近傍に地上子が設置された路線を走行する車両において車上子を車体に取り付けた場合、車両の曲線通過時に地上子に対して車上子が外軌側に位置ズレしてしまう。そうすると、地上子と車上子との間の通信が不安定になり正常な情報伝送が行えない可能性がある。また、もし地上子を広角な通信エリアを有するものに置き換えるとすれば、地上子の置き換え作業が必要になると共に、導入コストも増加してしまう。
【0005】
他方、車上子を台車に取り付けた場合には、車両の曲線通過時に台車も曲線に沿って旋回するため、地上子に対して車上子が外軌側に位置ズレすることが防止される。しかし、車上子及びその支持装置の重量を台車が負担するため、台車の前端部側に偏荷重が掛かると共に、車上子支持装置が連結される部分における台車の強度を上げる必要もある。
【0006】
そこで本発明は、鉄道車両の曲線通過時における車上子と地上子との位置ズレを防止しながら、台車に掛かる偏荷重を低減すると共に台車の強度要求も緩和することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る鉄道車両の車上子支持装置は、鉄道車両の車体の下方かつ台車の前方に配置される車上子を支持する装置であって、前記車上子が取り付けられる車上子取付部と、前記台車に連結される少なくとも1つの台車連結部を有し、前記車上子取付部を前記台車に接続する台車側支持部材と、前記車体に連結される車体連結部を有し、前記車上子取付部を前記車体に接続する少なくとも1つの車体側支持部材と、前記台車側支持部材に前記車体側支持部材を角変位可能に結合する結合器と、を備える。
【0008】
前記構成によれば、車両の曲線通過時には台車と共に台車側支持部材も曲線に沿って旋回するため、車両の曲線通過時において車上子取付部に取り付けられた車上子が地上子に対して外軌側へ位置ズレすることを防止できる。また、車上子及び台車側支持部材は、車体側支持部材を介して車体に支持されるので、台車による重量負担が軽減される。そして、車体側支持部材は台車側支持部材に対して角変位可能に結合されるので、車両の曲線通過時における車体前端部の外軌側への変位に車体側支持部材が追従でき、装置に無理な応力が掛かることも防止される。よって、鉄道車両の曲線通過時における車上子と地上子との位置ズレを防止しながら、台車に掛かる偏荷重を低減できると共に台車の強度要求も緩和できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、鉄道車両の曲線通過時における車上子と地上子との位置ズレを防止しながら、台車に掛かる偏荷重を低減できると共に台車の強度要求も緩和できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態に係る鉄道車両の側面図である。
【
図2】
図1に示す車上子支持装置及びその近傍の斜視図である。
【
図3】
図1に示す車上子と無線通信する地上子の通信エリアを説明する図面である。
【
図4】
図1に示す鉄道車両の曲線通過時における車体及び台車の挙動を模式的に説明する平面図である。
【
図5】第2実施形態に係る鉄道車両の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。なお、以下の説明では、鉄道車両の先頭側を前方とし、鉄道車両が走行する方向であって車体が延びる方向を前後方向とし、それに直交する車幅方向を左右方向とする。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る鉄道車両1の側面図である。
図1に示すように、鉄道車両1は、台車2と、台車2により下方から支持される車体3とを備える。台車2は、二次サスペンションとしての空気バネ4を介して車体3を支持する台車枠5を備える。台車枠5は、左右方向に延びる横梁5aを備えるが、横梁5aの左右方向両端部から前後方向に延びる側梁を備えていない。横梁5aの前後方向両側に、一対の輪軸6が配置される。輪軸6は、左右方向に沿って延びる車軸6aと、車軸6aの左右方向両側の部分に設けられた一対の車輪6bとを有する。車軸6aの左右方向両側の端部には、車輪6bよりも左右方向外側にて車軸6aを回転自在に支持する軸受7が設けられ、軸受7が軸箱8に収容されることで、軸箱8が車軸6aの端部を回転自在に支持する。
【0013】
横梁5aの左右方向の端部は、軸梁式の軸箱支持装置9によって軸箱8に連結される。軸箱支持装置9は、軸箱8から前後方向に横梁5a側に向けて延びた軸梁10を備える。台車枠5には、横梁5aから軸梁10に向けて突出して且つ左右方向に互いに間隔をあけた一対の受け座11が設けられている。軸梁10は、受け座11に弾性的に結合されている。具体的には、軸梁10は、その先端において左右方向に軸線を有する筒状部を有し、当該筒状部には、弾性ブッシュ13(例えば、ゴムブッシュ)を介して心棒12が挿入され、当該心棒12の両端部が、受け座11に固定されている。即ち、軸箱8は、弾性ブッシュ13の弾性変形により台車枠5に対して変位可能に、かつ、車軸6a周りに角変位可能に台車枠5に連結されている。
【0014】
軸箱8と台車枠5との間には、一次サスペンションとして前後方向に延びた板バネ14が介在している。板バネ14は、一対の受け座11の間の空間を通過する。板バネ14の長手方向の中央部14aは、板バネ14の長手方向両側の端部14bよりも低く配置されている。板バネ14は、台車側面視で下方に凸な弓形状を有する。前後方向に離間した一対の軸箱8は、板バネ14の端部14bをそれぞれ下方から支持する。板バネ14の中央部14aは、横梁5aの左右方向の端部を下方から支持する。これにより、横梁5aは、板バネ14を介して軸箱8に支持される。即ち、板バネ14は、一次サスペンションの機能と従来の側梁の機能とを兼ねる。
【0015】
板バネ14は、例えば、繊維強化樹脂により形成される。横梁5aの左右方向端部の下部には、下方に凸な円弧状の下面を有する押圧部材15が設けられ、押圧部材15が板バネ14の中央部14aに上方から載せられて離間可能に接触する。即ち、押圧部材15は、固定具により板バネ14に固定されることなく、横梁5aからの重力による下方荷重とそれに対する板バネ14の反力とによる接触圧によって板バネ14の上面との接触が保たれている。
【0016】
軸箱8の上端部にはバネ座16が取り付けられ、板バネ14の端部14bはバネ座16を介して軸箱8に下方から支持される。バネ座16の上面は、台車側面視で台車中央側に向けて傾斜している。板バネ14の端部14bも、バネ座16に対して固定されない状態でバネ座16に上方から載せられる。バネ座16は、軸箱8の上に設置されたベース部材17(例えば、防振ゴム)と、ベース部材17の上に設置されてベース部材17に位置決めされた受部材18とを有する。受部材18は、上方及び台車中央側に向けて開放された凹部を有し、当該凹部に板バネ14の端部14bが収容されている。
【0017】
鉄道車両1のうち先頭車の台車2の前方かつ車体3の下方には車上子40が配置される。車上子40は、ATS(Automatic Train Stop)装置又はATC(Automatic Train Control)装置の機器として、予め定められた位置で地上子41(
図3参照)からの無線信号を受信するものである。なお、本実施形態では車上子40及び地上子41の各々は1つとしているが複数でもよい。車上子40は、車上子支持装置20を介して台車2及び車体3に支持される。車上子支持装置20及びそれが連結された台車2が台車ユニット50を構成する。
【0018】
図2は、
図1に示す車上子支持装置20及びその近傍の斜視図である。
図1及び2に示すように、車上子支持装置20は、台車側支持部材21と、一対の車体側支持部材22とを備える。台車側支持部材21は、台車2の前方で左右方向に延びた支持梁部30と、支持梁部30の両端部から台車2に向けて前後方向に延びた一対のアーム部31と、一対のアーム部31の台車側の先端部に設けられた一対の台車連結部32とを有する。支持梁部30の左右方向の中央部には、車上子40が取り付けられる車上子取付部24が設けられている。
【0019】
一対のアーム部31は、支持梁部30から台車2に向かうにつれて上方に向かうように傾斜している。一対の台車連結部32は、互いに左右方向に離間しており、台車2の左右方向に離間した一対のバネ座16に夫々連結されている。具体的には、台車連結部32は、バネ座16の受部材18に連結されている。なお、台車連結部32は、軸箱8に連結されてもよい。台車連結部32は、台車2に対して台車側支持部材21を左右方向の軸線X1周りに回動可能に連結する。一例として、台車連結部32は、左右方向の軸線X1を有するゴムブッシュ部とすることができる。台車連結部32は、左右方向の軸線X1周りの角変位に対する抵抗が左右方向の揺動変位に対する抵抗よりも小さくなるように構成されている。
【0020】
また、一対のアーム部31のうち支持梁部30側の端部には、支持梁連結部33が設けられている。支持梁連結部33は、車体連結部34と同様に、支持梁部30に対してアーム部31を左右方向の軸線X2周りに回動可能に連結する。一例として、支持梁連結部33は、左右方向の軸線X2を有するゴムブッシュ部とすることができる。なお、一対の支持梁連結部33のうち一方は、支持梁部30に対してアーム部31を回動不能に接続するものとしてもよい。
【0021】
一対の車体側支持部材22は、アーム状であり、鉄道車両1の直線走行時において鉛直方向に延びている。なお、車体側支持部材22の延在方向は、台車側支持部材21のアーム部31の延在方向よりも鉛直方向に近い角度の非鉛直方向であってもよい。一対の車体側支持部材22は、その上端部に車体連結部34を有する。一対の車体連結部34は、互いに左右方向に離間しており、車体3の床下に設けられたブラケット3aに対して車体側支持部材22を少なくとも前後方向の軸線X3,X4周りに回動可能に連結する。一例として、車体連結部34は、球面軸受部とすることができる。
【0022】
一対の車体側支持部材22は、車上子取付部24の左右方向両側に配置されている。一対の車体側支持部材22の下端部には、中継結合部23(結合器)が設けられている。車体側支持部材22は、一対の中継結合部23により台車側支持部材21にそれぞれ角変位可能に結合されている。一対の中継結合部23は、互いに左右方向に離間しており、支持梁部30に対して車体側支持部材22の下端部を少なくとも前後方向の軸線X5,X6周りに回動可能に連結する。一例として、中継結合部23は、球面軸受部とすることができる。
【0023】
鉄道車両1の直線走行時には、一対の車体側支持部材22と支持梁部30と車体3の下面とは、前後方向から見て長方形状(又は台形状)を呈する。鉄道車両1の曲線走行時には、台車2に対する車体3の左右方向変位に起因して中継結合部23及び車体連結部34において角変位が生じることで、一対の車体側支持部材22は、支持梁部30に対して外軌側に変位する。即ち、支持梁部30は、曲線走行時においても、車軸6aと平行に保たれた状態で車軸6aに対する左右方向の相対位置が維持される。
【0024】
図3は、
図1に示す車上子40と無線通信する地上子41の通信エリアCを説明する図面である。
図4は、
図1に示す鉄道車両1の曲線通過時における台車2及び車体3の挙動を模式的に説明する平面図である。
図3では、地上子41の通信エリアCが破線で示されている。また
図4では、一対のレールRの間を通る中心線を示す仮想の軌道線Lが、図示されている。
【0025】
図3及び4に示すように、線路の曲線区間又はその近傍において、一対のレールRの間の規定の位置に地上子41が設置されている。本実施形態の場合、地上子41が設置される規定の位置は、レールR間の中心Mであるが、仕様によってレールR間の中心以外の位置となる場合もある。鉄道車両1が曲線区間を通過する際には、車体3の前端部(運転室)の左右方向中心Pが軌道線Lから外軌側に偏倚する。しかし、車上子40は、車上子支持装置20の台車側支持部材21により台車2に連結されており、車両曲線通過時には台車2と共に台車側支持部材21も曲線に沿って旋回するため、車両曲線通過時における地上子41に対する車上子40の外軌側への位置ズレが防止される。よって、車両曲線通過時においても、車上子40は地上子41の通信エリアCに入ることができ、地上子41からの制御信号を車上子40が安定的に受信することができる。
【0026】
また、
図1及び2に示すように、車上子40及び台車側支持部材21は、車体側支持部材22を介して車体3に支持されるので、台車2による重量負担が軽減される。そして、車体側支持部材22は台車側支持部材21に対して角変位可能に結合されるので、車両曲線通過時における車体3の前端部の外軌側への変位に車体側支持部材22が追従でき、車上子支持装置20に無理な応力が掛かることも防止される。よって、鉄道車両1の曲線通過時における地上子41に対する車上子40の位置ズレを防止しながら、台車2に掛かる偏荷重を低減できると共に台車2の強度要求も緩和できる。
【0027】
また、車体側支持部材22の延在方向は、直線走行時において鉛直方向(又はそれに近い角度を有する方向)であり、車体側支持部材22がその長手方向(引張方向)において車上子40及び台車側支持部材21を安定支持できるので、台車側支持部材21のアーム部31に生じる曲げ応力を抑制できる。また、車体側支持部材22が直線走行時において鉛直方向(又は鉛直方向に近い角度を有する方向)に延びているため、空気バネ4の伸縮により車体3が上下動しても車体側支持部材22の撓みによる振動が起こり難く、車上子40の上下振動を抑制できる。
【0028】
また、一対の台車連結部32が左右方向に離間配置されて且つ一対の車体連結部34も左右方向に離間配置されるため、車上子40の支持が安定する。また、一対の車体側支持部材22が車上子取付部24の左右方向両側に配置されるので、隣接車両同士を連結する連結器(図示せず)を一対の車体側支持部材22の間に通過させることができる。
【0029】
また、車上子支持装置20及び車上子40は、台車2だけでなく車体3によって支持されているので、台車2のバネ間重量、即ち、一次サスペンション(板バネ14)と二次サスペンション(空気バネ4)との間の重量が低減され、乗客の乗り心地が向上する。
【0030】
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態に係る鉄道車両101の側面図である。なお、第1実施形態と共通する構成については同一符号を付して説明を省略する。
図5に示すように、鉄道車両101の台車102は、その台車枠105が平面視H形状を有する一般台車である。即ち、台車枠105は、左右方向に延びる横梁105aと、横梁105aの左右方向両端部からそれぞれ前後方向に延びた一対の側梁105bとを有する。側梁105bと軸箱8との間には、一次サスペンションとしてコイルバネ114が介設されている。車上子支持装置20の構成は、第1実施形態のものと同じである。車上子支持装置20の台車連結部32は、台車102の側梁105bに連結されて台車ユニット150が構成されている。なお、他の構成は前述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【符号の説明】
【0031】
1,101 鉄道車両
2,102 台車
3 車体
5a,105a 横梁
6a 車軸
8 軸箱
14 板バネ
16 バネ座
20 車上子支持装置
21 台車側支持部材
22 車体側支持部材
23 中継結合部(結合器)
24 車上子取付部
30 支持梁部
31 アーム部
32 台車連結部
33 支持梁連結部
34 車体連結部
40 車上子
41 地上子
50,150 台車ユニット