(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6845797
(24)【登録日】2021年3月2日
(45)【発行日】2021年3月24日
(54)【発明の名称】内蔵型送達ポンプを有する混合装置
(51)【国際特許分類】
B01F 15/02 20060101AFI20210315BHJP
B01F 7/16 20060101ALI20210315BHJP
B01F 3/14 20060101ALI20210315BHJP
B01F 5/10 20060101ALI20210315BHJP
B01F 5/16 20060101ALI20210315BHJP
F04D 7/04 20060101ALI20210315BHJP
F04D 29/42 20060101ALI20210315BHJP
【FI】
B01F15/02 A
B01F7/16 G
B01F7/16 J
B01F15/02 B
B01F3/14
B01F5/10
B01F5/16
F04D7/04 E
F04D7/04 F
F04D29/42 B
F04D7/04 K
【請求項の数】15
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-540853(P2017-540853)
(86)(22)【出願日】2015年11月23日
(65)【公表番号】特表2018-510054(P2018-510054A)
(43)【公表日】2018年4月12日
(86)【国際出願番号】DE2015100498
(87)【国際公開番号】WO2016124164
(87)【国際公開日】20160811
【審査請求日】2018年7月19日
(31)【優先権主張番号】102015101611.7
(32)【優先日】2015年2月4日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102015105247.4
(32)【優先日】2015年4月7日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】594184816
【氏名又は名称】イカーヴェルケ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】IKA−Werke GmbH & Co.KG
(74)【代理人】
【識別番号】100092897
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正悟
(72)【発明者】
【氏名】グリム,ウヴェ
(72)【発明者】
【氏名】ギースラー,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ガッセンシュミット,イェルク
【審査官】
小久保 勝伊
(56)【参考文献】
【文献】
特表2008−525169(JP,A)
【文献】
特開平10−151335(JP,A)
【文献】
実開昭50−027178(JP,U)
【文献】
西独国特許出願公開第19629945(DE,A)
【文献】
特開2013−132574(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第01197260(EP,A1)
【文献】
米国特許第03503846(US,A)
【文献】
特開平02−131129(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 1/00−15/06
F04D 1/00−35/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末粒子および/または粒状粒子または同様な自由流動性固体を少なくとも1つの液体と混合する混合装置(1)であって、
内部に混合器具(8)を備える混合モジュール(2)と、内部に送達ポンプ(14)を備える送達モジュール(3)と、液体用の入口(17)を備える入口モジュール(4)とから構成され、前記送達モジュール(3)は、前記混合モジュール(2)と前記入口モジュール(4)との間に配置されており、
前記混合モジュール(2)は、固体用の供給ダクト(5)および混合物用の出口(6)を備え、
前記混合器具(8)は、回転可能なローターリム(11)と固定保持されるステータリムとを有するロータ・ステータ装置(9、10)により構成されて前記混合モジュール内に形成された混合チャンバ(7)内に配置され、
前記混合チャンバ(7)が、前記ロータ・ステータ装置(9、10)に囲まれた内周側空間と、それより外周側の外周側空間とに分割され、
前記入口モジュール(4)の内部空間が前記液体用の入口(17)と繋がり、且つ、前記送達モジュール(3)の内部空間とも繋がっており、
前記送達モジュール(3)の前記内部空間が、前記混合チャンバ(7)の前記内周側空間と繋がっており、
前記供給ダクト(5)が、前記混合チャンバ(7)の前記内周側空間と直接繋がっており、
前記混合チャンバ(7)の前記外周側空間が、前記混合物用の出口(6)と繋がっており、
前記送達ポンプ(14)により、液体が前記液体用の入口(17)から前記送達モジュールの内部空間内に吸引されるとともに前記混合チャンバ(7)の前記内周側空間内に送られ、
前記混合チャンバ(7)の前記内周側空間内に送られた流体が、前記固体用の供給ダクト(5)から供給されてくる固体と前記ロータ・ステータ装置(9、10)により混合されて混合物が作られて前記外周側空間に送られ、
このようして作られた混合物が混合物用の出口(6)から流出することを特徴とする混合装置(1)。
【請求項2】
前記出口(6)および/または前記入口(17)は水平方向または横方向に配置され、および/または、前記供給ダクト(5)は垂直方向の中央に配置されることを特徴とする請求項1に記載の混合装置(1)。
【請求項3】
前記送達ポンプ(14)は、前記固体の送達方向に対して前記入口(17)の上方に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の混合装置(1)。
【請求項4】
前記供給ダクト(5)は、前記混合器具(8)の回転軸に対して偏心して配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の混合装置(1)。
【請求項5】
前記供給ダクト(5)はシールまたはプラグまたは圧力ピストン(26)によって閉鎖可能であり、ここで、前記シールまたは前記プラグまたは前記圧力ピストン(26)は、前記供給ダクト(5)内で固体の供給方向に沿って移動可能であり、前記供給ダクト(5)の壁と同一面となっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の混合装置(1)。
【請求項6】
前記送達ポンプ(14)と前記混合チャンバ(7)との間に更なる接続部(22)が存在し、前記更なる接続部(22)は、混合装置(1)のハウジング(23)の外側のパイプまたはホース経路によって形成され、前記混合チャンバ(7)内への開口部(24)を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の混合装置(1)。
【請求項7】
前記更なる接続部(22)は、混合装置(1)の前記ハウジング(23)の内側に配置されており、特に、前記更なる接続部(22)は接続チャネルであり、前記ハウジング(23)内で具現化されていることを特徴とする請求項6に記載の混合装置(1)。
【請求項8】
前記更なる接続部(22)の前記開口部(24)は、環状の隙間(25)および/または少なくとも1つの穴および/または少なくとも1つのノズルによって形成されていることを特徴とする請求項6または7に記載の混合装置(1)。
【請求項9】
前記環状の隙間(25)が、前記液体の送達方向に対して、特に前記供給ダクト(5)の周囲で前記混合チャンバ(7)の上方に配置されていることを特徴とする請求項8に記載の混合装置(1)。
【請求項10】
前記送達ポンプ(14)は、特に4個または8個の好ましくは湾曲した搬送ベーンである複数の搬送ベーン(16)を有する送達ホイール(15)を備える遠心力ポンプから形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の混合装置(1)。
【請求項11】
前記送達ポンプ(14)は、同心状に配置された1または複数のロータリムおよび/もしくはステータリム(21)を備えるロータ・ステータ装置(19、20)から形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の混合装置(1)。
【請求項12】
前記複数の搬送ベーン(16)は、前記送達ポンプ(14)の前記混合器具(8)とは反対の側に配置されていることを特徴とする請求項10に記載の混合装置(1)。
【請求項13】
前記ロータリムおよび/もしくはステータリム(21)は、前記送達ポンプ(14)の前記混合器具(8)とは反対の側に配置されていることを特徴とする請求項11に記載の混合装置(1)。
【請求項14】
前記送達ポンプ(14)は、前記混合器具(8)と同じ駆動軸(12)上に配置されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の混合装置(1)。
【請求項15】
前記出口(6)は、出口経路を通って液体用容器に戻り、前記液体用容器は供給経路を介して前記入口(17)に接続されていることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の混合装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内蔵型送達ポンプを有する混合装置に関し、特に、粉末粒子および/または粒状粒子または同様な自由流動性固体を少なくとも1つの液体と混合する混合装置であって、固体用の供給ダクトと、液体用の入口と、混合チャンバ内の軸の周りを回転可能な少なくとも1つの混合器具と、混合物用の出口とを備える混合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
そのような混合装置は、ドイツ特許公開公報第19629945号から知られており、粉末、顆粒およびバルク製品のような固体を液体受容器に組み込む目的を果たす。固体および液体は別々に供給される。運転中、混合器具を回転させることにより高度な乱流領域が形成される。それにより低圧が生成されて、固体および液体が混合チャンバに吸い込まれる。
【0003】
高粘度の液体の場合、所望の液体処理量を実現するためには、吸引効果が不十分であるという危険性がある。
【0004】
高粘度の場合には、液体処理量および従って固体に対する吸引効果は供給ダクト内で低減する。液体の粘度が増加するにつれて、装置は固体を吸収する能力を失う。同じことが混合物にも当てはまり、その混合工程の過程において混合物の粘度が増加する。この問題は、例えば、吸引効果を強めて液体処理量を維持する容積式ポンプのような外部ポンプを接続することによって低減できる。しかしながら、この解決策は構造物が大規模になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って本発明の目的は、前述のタイプの装置を、簡単でコンパクトな方法で組み立てることができて高粘度の液体または可変粘度の混合物を処理することに適している装置として提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は請求項1に記載された発明によって解決することができる。好ましい実施形態は、従属請求項および以下の説明に明記される。
【0007】
本発明によれば、粉末粒子および/または粒状粒子または同様な自由流動性固体を少なくとも1つの液体と混合する混合装置が作製される。この混合装置は、固体用の供給ダクトと、液体用の入口と、混合チャンバ内の軸の周りを回転可能な少なくとも1つの混合器具と、混合物用の出口と、入口と混合器具との間に配置された送達ポンプとを備える。
【0008】
本発明は、たとえ高粘度または粘度の増加する液体が処理される場合でも、内蔵型送達ポンプによって一様で安定した液体処理量を達成することができるという知見に基づいている。これは、装置が戻されるものを有する場合、すなわち、混合物が液体容器内に戻され、再び新たな処理に供給される場合に特に有利である。
【0009】
液体処理量は、例えば、固体用の供給ダクトに固体の供給のために装備されているバルブを開くことにより固体の供給がなされる場合にも特に安定して維持される。対照的に一般的な混合装置の場合には吸引効果の「消失」、およびこれに伴う液体および/または固体の供給の破綻が、少なくとも一時的に生じ得る。
【0010】
本発明は、入口と混合器具との間に配置された、従って固体の送達方向に対して混合器具の上流に、かつ、入口からは下流に配置された送達ポンプを提供する。従って吸引効果は、混合チャンバ内への固体の供給を妨げることなく、またはこれを回避するために構造上の対策を講じる必要もなく、改善される。
【0011】
一実施形態においては、出口および/または入口は水平方向または横方向に配置され、および/または、供給ダクトは垂直方向および特に中央に配置される。出口は入口の上方に配置される。ポンプはこれにより、液体の供給方向において、入口から下流に、かつ、出口の上流に配置される。供給ダクトの横断面の幾何学的中心は、混合器具の回転軸に一致している。
【0012】
本発明の一実施形態においては、供給ダクトは混合器具の回転軸に対して垂直方向におよび偏心して配置される。供給される固体は、混合器具の中心の外側で混合器具と接触して入ってくる。混合工程は、従って、より高い円周方向速度を有する領域内の混合器具上で、および/または混合器具で行われる。混合物は、混合器具のこの領域内でより高い乱流を受ける。
【0013】
本発明の一実施形態においては、供給ダクトはシールまたはプラグまたは圧力ピストンによって閉鎖可能であり、ここで、シールまたはプラグまたは圧力ピストンは、供給ダクト内で固体の供給方向に沿って移動可能であり、供給ダクトの壁と同一面となっている。一定量の液体と一定量の固体とを混合することが、特に、空気または固体または液体の所望しない質量の流量を追加することなく可能である。この実施形態は、供給ダクトの壁が清浄に維持されて追加的な洗浄を行う必要がない、という利点を有する。廃棄物も避けられる。シールはまた、簡単なシールとして実現できる。
【0014】
本発明の一実施形態においては、更なる接続部が送達ポンプと混合チャンバとの間に存在する。そこで更なる接続部はパイプ、または混合装置のハウジングの外側の経路によって形成されて、混合チャンバへの開口部を有する。更なる接続部は、送達側と混合チャンバとの間に液体用のバイパス経路を形成する。送達される液体の一部が開口部を介して混合チャンバ内に到達する。固体はこのように複数の側から液体に接触される。液体は従って、混合チャンバ内でより一様に分散する。固体の局所的な過剰集中や過少集中が低減される。
【0015】
本発明の一実施形態においては、更なる接続部が混合装置のハウジングの内側に配置されている。更なる接続部は特に接続チャネルであり、ハウジング内で具現化されている。従って、外側に沿って通る更なる経路を捨てることができる。外側の経路での漏出および損傷のリスクを避けることができる。この実施形態はさらに、混合装置の設計を非常にコンパクトに保つことができるという利点を有する。
【0016】
本発明の一実施形態においては、更なる接続部の開口部は、環状の隙間、および/または、少なくとも1つの穴、および/または、少なくとも1つのノズルによって形成されている。混合装置の配置または意図された用途にもよるが、異なるタイプの開口部を設けることができる。異なるタイプの濡れを必要とする異なる混合物をこのようにして処理することができる。環状の隙間としての開口部の特に好ましい実施形態においては、混合チャンバの中に液体を液体カーテンの形態で導入することができる。これは、固体と液体との間の移行領域内に供給される固体の濡れを改善する。改善された濡れによって固体の局所的な過剰集中が避けられる。不十分に濡れた固体の結合および/または接着による残渣の形成が阻止される。凝集の形成も避けられる。供給された固体の局所的な過熱もまた、追加的な液体の供給によって阻止される。これは、不十分な液体供給が固体の局所的な過剰集中を作り出す場合に、混合器具との摩擦のために高温がもたらされて起こりうる。混合チャンバは、さらに洗浄流体を用いてシンプルで効率的な方法で洗浄されることができる。従って、混合装置を洗浄するために開けることはもはや必要ではない(いわゆる「現場洗浄」特性)。
【0017】
本発明の一実施形態においては、環状の隙間が、特に供給ダクトの周りに、液体の送達方向に対して上方に配置されている。混合チャンバの「天井における」環状の隙間の配置は、供給される液体が、重力の助けを得て混合チャンバ内に入って行って液体カーテンを形成するという利点を有する。液体の湿った表面が増加し、これにより、固体はより迅速に湿らされる。これは分散の改善に寄与する。供給ダクトの周りの環状の隙間の配置が、均一な液体の分配を確保する。供給される固体は均一に濡らされる。これにより、局所的な液体不足の結果としての凝集を防ぐ。
【0018】
一実施形態においては、送達ポンプは、複数の搬送ベーンを有する送達ホイールを備える遠心力ポンプによって形成されている。複数の搬送ベーンは、特に4個または8個の好ましくは屈曲した搬送ベーンである。このような送達ポンプは構造的に簡単な方法で実現できるので、既存の構造を比較的容易にアップグレードすることができる。
【0019】
別の実施形態においては、送達ポンプは、同心状に配置された1または複数のロータリムおよび/またはステータリムを備えるロータ・ステータ装置によって形成されている。混合物中に生じ得る塊は、この実施形態によって粉砕されて混合物の更なる微粉砕が達成される。これは、特に混合を再循環する場合、すなわち混合工程に再び供給する場合に特に顕著である。
【0020】
一実施形態においては、搬送ベーンまたは、ロータリムおよび/もしくはステータリムは、混合器具から離れて対向する送達ポンプの側に配置される。このような配置は、格別に良好な吸引効果を有する。
【0021】
一実施形態においては、送達ポンプは、混合器具と同じ駆動軸上に配置される。単一の駆動モータが混合器具および送達ポンプ用に必要とされるのみである。
【0022】
一実施形態においては、出口は、出口経路を通って液体用容器に戻り、液体用容器は供給経路を介して入口に接続されている。これにより、容器からの開始材料が段階的に固体と混合されて、対応する程度の均一性および/または粘度を有する所望の総合混合物が作り出されるまで繰り返される戻し処理が可能となる。
【0023】
好ましい実施形態においては、混合装置は、混合器具を有する混合モジュールと、送達ポンプを有する送達モジュールと、入口を有する入口モジュールとを備えるモジュール方式で具現化される。ここで、送達モジュールは、混合モジュールと入口モジュールとの間に配置可能であり、入口モジュールは、混合モジュールに直接的に配置可能である。この実施形態によれば、個別のモジュールを提供すること、およびそれらを互いに組み合わせること、またはそれらを除くことが可能である。送達ポンプは、例えば、低粘度の液体の処理用には必要ではない。この場合には、送達モジュールを除去することもでき、混合モジュールを入口モジュールに直接的に接続することもできる。もし、高粘度の液体が混合装置で処理される場合には、送達モジュールを(後で)付け加えることもできる。
【0024】
本発明の例示的な実施形態が、部分的に体系化された図面を用いて以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態による混合装置の断面図である。
【
図2】送達モジュールのない
図1の混合装置の断面図である。
【
図3】
図1の混合装置の送達ホイールの斜視図である。
【
図5】本発明の更なる実施形態による混合装置の断面図である。
【
図6】バイパス経路を備える本発明の更なる実施形態による混合装置の断面図である。
【
図7】偏心した供給ダクトを備える本発明の一実施形態による混合装置の断面図である。
【
図8】内部バイパス経路を備える本発明の更なる実施形態による混合装置の断面図である。
【
図9】本発明の更なる実施形態による混合装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明の一実施形態による混合装置1を示す。混合装置は、モジュール式構造であり、混合モジュール2、送達モジュール3、および入口モジュール4を備える。モジュール2、3、および4は、互いに接続されているが、互いに取り外すこともでき、異なる方法で互いに接続することもできる。
図2は、混合装置に送達モジュール3が装備されていない別の例を示し、混合モジュール2が入口モジュール4に直接的に接続されている。
【0027】
混合モジュール2は、混合物用の水平な横方向出口6はもちろん、固体を供給するための垂直な中心供給ダクト5を有する。供給ダクト5および出口6は混合チャンバ7に通じており、混合チャンバ内にはロータリム11およびステータリムを備えるロータ・ステータ装置9、10によって形成された混合器具8が配置されている。ロータ9は、モータ13によって駆動される回転駆動軸12に接続されている。
【0028】
混合モジュール2に接続された送達モジュール3には、遠心力ポンプとして具現化された送達ポンプ14が装備されており、送達ポンプは送達ホイール15および送達ホイール15上に配置された複数の搬送ベーン16を備える。搬送ベーン16は、送達ホイール15の混合モジュール2とは反対の側に配置されている。ロータはもちろん送達ホイール15も駆動軸12に接続されており、駆動軸12の回転によって回転される。
【0029】
入口モジュール4は送達モジュール3の端部に接続されており、図の下部に図示されている。入口モジュール4は液体用の水平な横方向入口17を備える。
【0030】
入口17は、図示していない液体容器に接続されている。出口6もまた液体容器に接続可能である。その結果、閉回路が形成されて、混合物を液体容器の中に戻すように送達できて、再度混合工程へ供給することができる。
【0031】
運転の際には、すなわち、ロータ9および送達ホイール15の回転に応えて、固体が供給ダクト5を通って混合チャンバ7の中に吸引される。ロータ9によって加速された粒子のために、混合チャンバ7内で負圧が生じ、これにより、粉末または顆粒が供給ダクト5を通して吸引されるという効果が生じる。ロータ9は、固体が最初は液体から分離されて送達され、高い乱流を有するあらかじめ定められた領域でのみ液体に遭遇するような方法で配置され、具現化されている。従って、固体はロータ9内で加速されて、ロータ9の端部領域に向かって体積が増加するので、液体中に分散する前に微細に分布する。微細に分布した固体粒子は、その後、かなり大きな表面を有する液体ジャケットに遭遇し、その結果、凝集物のない状態で液体中に分散する。
【0032】
送達ポンプ14は追加的な吸引効果を作り出し、その結果、液体が高粘度でも液体の粘度が混合工程の際に増加しても、十分な液体および固体が混合チャンバ7に到達することを保証する。
【0033】
図3および4は、
図1に示す本発明の実施形態による送達ホイール15を示す。送達ホイール15は8個の搬送ベーン16を備え、搬送ベーンの各々は、ハブ18の方向で送達ホイールの外側端部に放射状に湾曲を有して延びており、搬送ベーン16の放射状の内側端部はハブ18から離間している。
【0034】
図5は、本発明の更なる実施形態による混合装置1を示す。
図5に示す実施形態は、ロータ19およびステータ20を有するロータ/ステータ装置によって送達ポンプ14が形成されている点で
図1に示す実施形態とは異なる。ロータ19は、少なくとも1つのロータリム21を備える。この実施形態によって、特別に微細な分散が達成される。これはとりわけ混合物を再循環させる場合、すなわち、混合工程に再度供給される場合である。
【0035】
図6は、送達モジュール3と混合チャンバ7との間に更なる接続部22を備える本発明の実施形態を示す。更なる接続部は、送達モジュール3の水平方向外側から混合モジュール2の外側へ、ハウジング23の外側上を延びる。更なる接続部22は、送達ポンプ14によって送達される液体用のバイパス経路を形成する。用語、更なる接続部、および、バイパス経路は、これ以降、同意語として使用する。送達される液体の一部は、送達モジュール3と更なる接続部22を介した混合モジュール2との間の送達ポンプ14の軸に沿って送達ダクトをバイパスすることができて、混合モジュール2の中に直接的に戻ることができる。更なる接続部22は、ホースまたはパイプ経路によって形成される。更なる接続部22は、混合チャンバ7の中に導く開口部24を有している。開口部24は、混合器具8の反対側−すなわち、混合チャンバ7の上側の図示された位置に位置しているので、液体は、重力の助けを得て混合チャンバ7内に流れることができる。開口部24は、環状の隙間25によって形成されている。環状の隙間25は、供給ダクト5を同心円状に囲んでいる。この実施形態においては、供給ダクト5は混合器具8の軸に並んでいる。
【0036】
図7は、偏心した供給ダクト5および外部バイパス経路22を備える本発明の一実施形態を示す。供給ダクト5は、混合器具8の軸線に対して変位するように配置されている。バイパス経路22の開口部24は、環状の隙間25として具現化されているが、環状の隙間25はまた、供給ダクト5の周りを同心円状に通るように、混合装置1のハウジング23の内側で拡張されている。
【0037】
図8は、本発明の一実施形態を示す。ここでは、バイパス経路を形成する更なる接続部22が、混合装置1のハウジング23の内側を、送達モジュール3から混合モジュール2に、図示された方向に上昇する液体の送達方向に沿って通る。開口部24は、また、混合装置1のハウジング23の内側に完全に位置している。バイパス経路22は、混合装置1のハウジング23の中に完全に一体化されており、ハウジング23によって完全に取り囲まれているチャネルを形成する。
【0038】
図9は、偏心した供給ダクト5を備える一実施形態を示す。供給ダクト5は、ピストン26によって閉鎖されている。ピストン26は、供給ダクト5内における固体の供給方向に沿って変位できるように配置されている。ピストン26は、供給ダクト5の壁と同一面となっており、ハウジング23と混合チャンバ7との間に閉じた空洞を形成する。ピストン26の類似の一体化手段として、混合チャンバ7のシールが耐圧方式で具現化されている。供給される固体は、供給ダクト5に沿ってピストン26を動かすことによって混合チャンバ7内に導き入れられる。
【符号の説明】
【0039】
1 混合装置
2 混合モジュール
3 送達モジュール
4 入口モジュール
5 供給ダクト
6 出口
7 混合チャンバ
8 混合器具
9 ロータ
10 ステータ
11 ロータリム
12 駆動軸
13 モータ
14 送達ポンプ
15 送達ホイール
16 搬送ベーン
17 入口
18 ハブ
19 ロータ
20 ステータ
21 ロータリム
22 更なる接続部(バイパス経路)
23 混合装置のハウジング
24 開口部
25 環状の隙間
26 ピストン