(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記送信部は、前記外部通信装置における以前の前記匿名識別情報と、前記通信装置における新たな前記匿名識別情報と、前記通信装置の識別情報とを関連付ける前記第2関連付け情報を、前記企業サーバへ送信する、請求項4に記載の通信装置。
前記受信部は、前記ユーザ端末から前記通信装置において前記ユーザに一意な非匿名識別情報及び前記ユーザに一意でない匿名識別情報のどちらを用いて前記企業に対してユーザ登録を行うかを示す指示を受信し、
前記送信部は、前記指示が示す前記非匿名識別情報及び前記匿名識別情報のどちらか一方と、前記通信装置の識別情報とを関連付ける前記第2関連付け情報を、前記企業サーバへ送信する、請求項1から5のいずれか一項に記載の通信装置。
前記送信部は、前記受信部が受信した前記第1関連付け情報が示す前記企業に対して前記通信装置が前記メッセージングサービスを提供していない場合に、前記通信装置が前記メッセージングサービスを提供している他の企業を示す情報を、前記ユーザ端末へ送信する、請求項1から6のいずれか一項に記載の通信装置。
前記送信部は、前記外部通信装置が前記メッセージングサービスを提供していない企業であって、かつ前記通信装置が前記メッセージングサービスを提供している企業を示す情報を、前記ユーザ端末へ送信する、請求項1から7のいずれか一項に記載の通信装置。
前記送信部は、前記第1関連付け情報が示す前記企業において、前記外部通信装置が提供していないサービスであって、かつ前記通信装置が提供しているサービスを示す情報を、前記ユーザ端末へ送信する、請求項1から8のいずれか一項に記載の通信装置。
前記送信部が前記第2関連付け情報を前記企業サーバへ送信した後に、前記メッセージを転送する前記ユーザ端末と前記企業サーバとの間で転送部をさらに有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の通信装置。
企業が管理する企業サーバと、ユーザが有するユーザ端末及び前記企業サーバの間でメッセージを送受信するためのメッセージングサービスを提供する通信装置と、を含む通信システムであって、
前記通信装置は、
前記メッセージングサービスを提供する、前記通信装置とは異なる外部通信装置から、前記外部通信装置において前記ユーザの識別情報と前記企業の識別情報とを関連付ける第1関連付け情報を受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記第1関連付け情報に基づいて、前記通信装置において前記ユーザの識別情報と前記通信装置の識別情報とを関連付ける第2関連付け情報を生成する生成部と、
前記生成部が生成した前記第2関連付け情報を、前記企業サーバへ送信する送信部と、
を有し、
前記企業サーバは、
前記通信装置から前記第2関連付け情報を受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記第2関連付け情報を記憶する記憶部と、
を有する通信システム。
前記企業サーバは、前記第2関連付け情報が示す前記通信装置の識別情報に対応する前記通信装置を介して、前記第2関連付け情報が示す前記ユーザの識別情報に対応する前記ユーザ端末へ前記メッセージを送信する送信部をさらに有する、請求項11に記載の通信システム。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[通信システムSの概要]
図1は、本実施形態に係る通信システムSの模式図である。通信システムSは、移転先サーバ1と、移転元サーバ2と、企業サーバ3と、ユーザ端末4とを含む。通信システムSが含む企業サーバ3及びユーザ端末4の数は限定されない。通信システムSは、その他のサーバ、端末等の機器を含んでもよい。
【0022】
移転先サーバ1及び移転元サーバ2は、それぞれ異なる事業者(例えば通信事業者等)が管理するコンピュータである。移転先サーバ1及び移転元サーバ2は、それぞれ通信によってメッセージを送受信するためのメッセージングサービス(メッセージサービス、メッセンジャサービスともいう)を、企業サーバ3及びユーザ端末4に提供する。メッセージングサービスは、例えばRCS(Rich Communication Services)である。移転先サーバ1を通信装置と呼ぶのに対して、移転元サーバ2を外部通信装置と呼んでもよい。
【0023】
企業サーバ3は、企業が管理するコンピュータである。企業は、メッセージングサービスの提供を受ける組織である。企業サーバ3は、移転先サーバ1及び移転元サーバ2との間で通信を行う。企業サーバ3は、移転先サーバ1又は移転元サーバ2を介して、ユーザ端末4との間でメッセージを送受信する。
【0024】
ユーザ端末4は、ユーザが有する通信端末である。ユーザ端末4は、例えばパーソナルコンピュータや、スマートフォン、タブレット端末等の携帯端末である。ユーザは、メッセージングサービスの提供を受ける人間である。ユーザ端末4は、移転先サーバ1及び移転元サーバ2との間で通信を行う。ユーザ端末4は、移転先サーバ1又は移転元サーバ2を介して、企業サーバ3との間でメッセージを送受信する。
【0025】
まず、ユーザは、移転元サーバ2を管理する第1事業者と通信サービス等の契約をしている。ユーザは、第1事業者が提供するメッセージングサービスにおいて、企業サーバ3を管理する企業に対してユーザ登録をする。ユーザ登録は、企業ごとに行われてもよく、企業が提供するサービスごとに行われてもよい。企業サーバ3は、ユーザ登録をしたユーザの識別情報と、移転元サーバ2の識別情報とを関連付けて記録する。これにより企業サーバ3は、ユーザの識別情報及び移転元サーバ2の識別情報を用いて、移転元サーバ2を介してユーザ端末4へメッセージを送信できる。
【0026】
このような状態で、ユーザは第1事業者から、移転先サーバ1を管理する第2事業者へ、通信サービス等の契約を移転(変更)する。契約の移転は、例えばMNP(Mobile Number Portability)である。これにより、ユーザは、移転元サーバ2においてメッセージングサービスの提供を受けられなくなり、代わりに移転先サーバ1において同じメッセージングサービスの提供を受けられるようになる。
【0027】
このとき、移転先サーバ1は、移転元サーバ2からユーザと企業とを関連付ける情報を受信し、新たに移転先サーバ1においてユーザ登録をするための情報を企業サーバ3へ送信する。企業サーバ3は、ユーザ登録をしたユーザの識別情報と、移転先サーバ1の識別情報とを関連付けて記録する。これにより、企業サーバ3は、移転先サーバ1を介してユーザ端末4へメッセージを送信できるようになる。
【0028】
このように通信システムSでは、ユーザが移転元サーバ2の第1事業者から移転先サーバ1の第2事業者へ契約を移転した場合であっても、ユーザがメッセージングサービスにおける企業に対するユーザ登録をやり直すことなく、企業サーバ3は継続的にユーザ端末4へメッセージを送信できる。そのため、通信システムSは、メッセージングサービスにおける企業に対するユーザ登録の手間を軽減できる。
【0029】
[通信システムSの構成]
図2は、本実施形態に係る移転先サーバ1及び移転元サーバ2のブロック図である。
図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、
図2に示していないデータの流れがあってよい。
図2において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、
図2に示すブロックは単一の装置内に実装されてよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてよい。
【0030】
移転先サーバ1は、制御部11と、記憶部12とを有する。制御部11は、受信部111と、生成部112と、送信部113と、転送部114とを有する。記憶部12は、ユーザ登録情報記憶部121を有する。
【0031】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部11が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部12は、移転先サーバ1の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部11との間でデータの授受を行ってもよい。
【0032】
ユーザ登録情報記憶部121は、ユーザがいずれの企業に対して登録したかを示すユーザ登録情報を記憶する。ユーザ登録情報は、例えばユーザID、企業ID、非匿名ID及び匿名IDを含む。さらに記憶部12は、電話番号、氏名、性別、住所等のユーザの個人情報を記憶してもよい。ユーザ登録情報記憶部121は、記憶部12上の記憶領域であってもよく、あるいは記憶部12上で構成されたデータベースであってもよい。
【0033】
制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、受信部111、生成部112、送信部113及び転送部114として機能する。制御部11の機能の少なくとも一部は、電気回路によって実行されてもよい。また、制御部11の機能の少なくとも一部は、ネットワーク経由で実行されるプログラムによって実行されてもよい。
【0034】
移転元サーバ2は、制御部21と、記憶部22とを有する。制御部21は、送信部211を有する。記憶部22は、ユーザ登録情報記憶部221を有する。
【0035】
記憶部22は、ROM、RAM、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部22は、制御部21が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部22は、移転元サーバ2の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部21との間でデータの授受を行ってもよい。
【0036】
ユーザ登録情報記憶部221は、ユーザがいずれの企業に対して登録したかを示すユーザ登録情報を記憶する。ユーザ登録情報記憶部221が記憶するユーザ登録情報の構成は、移転先サーバ1のユーザ登録情報記憶部121が記憶するユーザ登録情報と同様である。ユーザ登録情報記憶部221は、記憶部22上の記憶領域であってもよく、あるいは記憶部22上で構成されたデータベースであってもよい。
【0037】
制御部21は、例えばCPU等のプロセッサであり、記憶部22に記憶されたプログラムを実行することにより、送信部211として機能する。制御部21の機能の少なくとも一部は、電気回路によって実行されてもよい。また、制御部21の機能の少なくとも一部は、ネットワーク経由で実行されるプログラムによって実行されてもよい。
【0038】
図3は、本実施形態に係る企業サーバ3及びユーザ端末4のブロック図である。
図3において、矢印は主なデータの流れを示しており、
図3に示していないデータの流れがあってよい。
図3において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、
図3に示すブロックは単一の装置内に実装されてよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてよい。
【0039】
企業サーバ3は、制御部31と、記憶部32とを有する。制御部31は、受信部311と、送信部312とを有する。記憶部32は、送信先情報記憶部321を有する。
【0040】
記憶部32は、ROM、RAM、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部32は、制御部31が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部32は、企業サーバ3の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部31との間でデータの授受を行ってもよい。
【0041】
送信先情報記憶部321は、ユーザへのメッセージの送信先を示す送信先情報を記憶する。送信先情報は、例えば通信装置ID、非匿名ID及び匿名IDを含む。送信先情報記憶部321は、記憶部32上の記憶領域であってもよく、あるいは記憶部32上で構成されたデータベースであってもよい。
【0042】
制御部31は、例えばCPU等のプロセッサであり、記憶部32に記憶されたプログラムを実行することにより、受信部311及び送信部312として機能する。制御部31の機能の少なくとも一部は、電気回路によって実行されてもよい。また、制御部31の機能の少なくとも一部は、ネットワーク経由で実行されるプログラムによって実行されてもよい。
【0043】
ユーザ端末4は、制御部41と、記憶部42と、表示部43と、操作部44とを有する。制御部41は、受信部411と、送信部412とを有する。
【0044】
表示部43は、液晶ディスプレイ等、情報を表示可能な表示装置を含む。操作部44は、キーボード、マウス等、ユーザの操作によって情報を入力可能な操作装置を含む。表示部43としてユーザによる接触の位置を検出可能なタッチスクリーンを用いることによって、表示部43と操作部44とを一体に構成してもよい。
【0045】
記憶部42は、ROM、RAM、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部42は、制御部41が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部42は、ユーザ端末4の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部41との間でデータの授受を行ってもよい。
【0046】
制御部41は、例えばCPU等のプロセッサであり、記憶部42に記憶されたプログラムを実行することにより、受信部411及び送信部412として機能する。制御部41の機能の少なくとも一部は、電気回路によって実行されてもよい。また、制御部41の機能の少なくとも一部は、ネットワーク経由で実行されるプログラムによって実行されてもよい。
【0047】
本実施形態に係る移転先サーバ1、移転元サーバ2、企業サーバ3及びユーザ端末4は、
図2、
図3に示す具体的な構成に限定されない。移転先サーバ1、移転元サーバ2、企業サーバ3及びユーザ端末4は、それぞれ1つの装置に限られず、2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。
【0048】
[通信方法の説明]
図4は、本実施形態に係る通信システムSが行う通信方法の模式図である。移転元サーバ2のユーザ登録情報記憶部221は、ユーザがいずれの企業に対して登録したかを示すユーザ登録情報を予め記憶している。
【0049】
図5(a)は、ユーザ登録情報D1の模式図である。ユーザ登録情報D1は、互いに関連付けられた、事業者内で管理されるユーザの識別情報であるユーザIDと、企業の識別情報である企業IDと、企業に通知されるユーザの識別情報である非匿名ID又は匿名IDとを含む。ユーザIDは、事業者が契約中のユーザを管理するためにユーザごとに割り振られる識別情報であり、任意の文字によって表される。ユーザIDは、ユーザを管理する事業者ごとに異なる。企業IDは、企業に割り振られている識別情報であり、任意の文字によって表される。企業IDは、企業ごとに割り振られてもよく、企業が提供するサービスごとに割り振られてもよい。企業IDは、企業に対してメッセージングサービスを提供する複数の事業者間で共通であってもよい。あるいは移転先サーバ1及び移転元サーバ2は、事業者ごとに異なる企業IDを対応付けるデータベースを予め記憶することによって、企業IDが示す企業を特定してもよい。
【0050】
非匿名ID(非匿名識別情報)は、ユーザに付与されている識別情報であり、任意の文字によって表される。非匿名IDは、例えばユーザの電話番号である。非匿名IDとして、ユーザIDが用いられてもよい。非匿名IDは、ユーザ(ユーザID)に対して一意な、すなわちそれのみでユーザを一意に特定できる識別情報である。
【0051】
匿名ID(匿名識別情報)は、ユーザに付与されている識別情報であり、任意の文字によって表される。匿名IDは、ユーザ(ユーザID)と企業(企業ID)との組み合わせに対して一意な識別情報である。そのため、ある企業に通知される非匿名IDを他の企業が取得しても、他の企業は非匿名IDがいずれのユーザに対応するかを特定できない。そのため、ユーザの識別情報として非匿名IDを用いることによって、ユーザの匿名性を高められる。
【0052】
ユーザは、非匿名ID及び匿名IDのどちらか一方を用いて、企業に対してユーザ登録をする。ユーザ登録時に非匿名ID及び匿名IDのどちらを用いるかは、ユーザによって選択されてもよく、企業によって指定されてもよい。
【0053】
図5(a)においてユーザ登録情報D1は視認性のために文字列の表で表されているが、各データは任意の形式で記録されてもよく、例えば文字列データ、数値データおよびバイナリデータのいずれでもよい。ユーザ登録情報D1は、データベースとして記録されてもよく、あるいはデータを列挙したリストとして記録されてもよい。
【0054】
図4に戻り、ユーザが移転元サーバ2の第1事業者から移転先サーバ1の第2事業者へ通信サービス等の契約を移転した場合に、移転先サーバ1は第1関連付け情報の要求を移転元サーバ2へ送信する(a)。第1関連付け情報は、ユーザの識別情報と企業の識別情報とを関連付ける情報である。具体的には、第1関連付け情報は、契約を移転したユーザが移転元サーバ2においてユーザ登録をしていた企業の企業IDと、該ユーザの識別情報として非匿名ID又は匿名IDとを含む。さらに第1関連付け情報は、企業が複数のサービス(例えば複数種類の保険の提供サービスや、プレミアム会員及びスタンダード会員のような複数種類の会員サービス等)をユーザに提供している場合に、サービスを識別するための識別情報を含んでもよい。
【0055】
移転元サーバ2が移転先サーバ1から第1関連付け情報の要求を受信した場合に、移転元サーバ2の送信部211は、ユーザが移転元サーバ2において非匿名ID及び匿名IDのどちらを用いてユーザ登録をしていたかに応じて、非匿名ID及び匿名IDのどちらかを企業IDに関連付けた第1関連付け情報を、移転先サーバ1へ送信する(b)。
【0056】
移転元サーバ2においてユーザが匿名IDを用いていた場合には、移転元サーバ2は、移転先サーバ1へ非匿名IDを送信してよいか否かを、ユーザ端末4に照会してもよい。ユーザ端末4は、ユーザによる操作(ボタン押下等)に基づいて、非匿名IDを送信してよいか否かを示す情報を移転元サーバ2へ送信する。移転元サーバ2がユーザ端末4から非匿名IDを送信してよいことを示す情報を受信した場合に、送信部211は、第1関連付け情報とともに、非匿名IDを移転先サーバ1へ送信する。あるいはユーザ端末4が自身の非匿名IDを移転先サーバ1へ送信してもよい。これによりユーザは、自らの操作によって、移転先サーバ1に対して非匿名IDを開示するか否かを選択できる。
【0057】
また、ユーザが移転元サーバ2において複数の企業に対してユーザ登録をしていた場合であって、ユーザが少なくとも1つの企業において非匿名IDを用いてユーザ登録をしていた場合には、移転先サーバ1は移転元サーバ2又はユーザ端末4に対して非匿名IDの照会をしなくてもよい。
【0058】
図5(b)は、非匿名IDを含む第1関連付け情報D2の模式図である。
図5(c)は、匿名IDを含む第1関連付け情報D2の模式図である。
図5(b)に示す第1関連付け情報D2は、互いに関連付けられた、企業IDと、非匿名IDとを含む。
図5(c)に示す第1関連付け情報D2は、互いに関連付けられた、企業IDと、匿名IDとを含む。第1関連付け情報D2において非匿名IDと匿名IDとのどちらが設定されているかに基づいて、移転元サーバ2においてユーザが非匿名ID及び匿名IDのどちらを用いてユーザ登録をしていたかを判定可能である。
【0059】
図5(b)、
図5(c)において第1関連付け情報D2は視認性のために文字列の表で表されているが、各データは任意の形式で記録されてもよく、例えば文字列データ、数値データおよびバイナリデータのいずれでもよい。第1関連付け情報D2は、データベースとして記録されてもよく、あるいはデータを列挙したリストとして記録されてもよい。
【0060】
図4に戻り、移転先サーバ1の受信部111は、移転元サーバ2が送信した第1関連付け情報を受信する。受信部111が移転元サーバ2から第1関連付け情報を受信した場合に、移転先サーバ1は、登録指示の要求をユーザ端末4へ送信する(c)。このとき、移転先サーバ1は、第1関連付け情報が示す非匿名IDを宛先として登録指示の要求を送信してもよく、あるいは第1関連付け情報とともに受信した非匿名IDを宛先として登録指示の要求を送信してもよい。登録指示は、第1関連付け情報が示す企業IDの企業に対して、ユーザがユーザ登録を継続するか否かを示す情報である。登録指示の要求は、第1関連付け情報が示す企業IDを含む。
【0061】
ユーザ端末4の受信部411は、移転先サーバ1が送信した登録指示の要求を受信する。受信部411が登録指示の要求を受信した場合に、ユーザ端末4は、ユーザ登録を継続するか否かの入力を受け付ける画面を表示部43上に表示する。
図6は、ユーザ登録を継続するか否かの入力を受け付ける画面を表示しているユーザ端末4の正面図である。
【0062】
ユーザ登録を継続するか否かの入力を受け付ける画面は、登録指示の要求が示す企業IDの企業を表す情報431と、登録指示を入力するためのボタン432とを含む。ボタン432は、ユーザが押下可能な仮想的なボタン(アイコン)である。ユーザは、ユーザ端末4の操作部44を用いて、ユーザ登録を継続するか否かに応じて、いずれかのボタン432を押下する。
【0063】
ユーザ登録を継続するか否かの入力を受け付ける画面は、ユーザ登録の継続に限らず、ユーザ登録の変更、解約、一時中止等の指示種別の入力を受け付けてもよい。この場合に、ボタン432は、継続、変更、解約、一時中止等の指示種別ごとに設けられる。各ボタン432にはURL(Uniform Resource Locator)等のアクセス先に関連付けられており、ユーザがいずれかのボタン432を押下すると、ユーザ端末4は押下されたボタン432に関連付けられたアクセス先の所定のWebサイトを表示してもよい。
【0064】
図6のような独立した画面に限らず、ユーザ端末4は、メッセージングサービスにおいてユーザと企業との間でメッセージを送受信する画面内で、ユーザ登録を継続するか否かの入力を受け付けてもよい。
【0065】
図4に戻り、ユーザ端末4の送信部412は、操作部44の操作に基づいて、ユーザが登録指示の要求が示す企業IDの企業に対してユーザ登録を継続するか否か(あるいは指示種別)を示す登録指示を、移転先サーバ1へ送信する(d)。移転先サーバ1の受信部111は、ユーザ端末4が送信した登録指示を受信する。このように移転先サーバ1は、登録指示をユーザから受け付けることによって、ユーザが企業へのユーザ登録を継続したいかどうかの意思を確認できる。
【0066】
受信部111が受信した登録指示が企業に対するユーザ登録を継続することを示すことを条件として、移転先サーバ1の生成部112は、受信部111が受信した第1関連付け情報に基づいて、第2関連付け情報を生成する(e)。第2関連付け情報は、ユーザの識別情報と移転先サーバ1の識別情報とを関連付ける情報である。具体的には、第2関連付け情報は、ユーザが契約を移転した先の移転先サーバ1の識別情報である通信装置IDと、該ユーザの識別情報として非匿名ID又は匿名IDとを含む。さらに第2関連付け情報は、受信部111が受信した登録指示が示す継続、変更、解約、一時中止等の指示種別を含んでもよい。
【0067】
通信装置IDは、移転先サーバ1を識別するための識別情報であり、任意の文字によって表される。通信装置IDは、通信装置(サーバ)ごとに割り振られた識別情報であってもよく、あるいは移転先サーバ1を管理する事業者ごとに割り振られた識別情報であってもよい。匿名IDは、移転元サーバ2で以前ユーザに付与されていた旧匿名IDと、移転先サーバ1でユーザに新たに付与された新匿名IDとを含む。
【0068】
生成部112は、受信部111が受信した第1関連付け情報に基づいて、ユーザが移転元サーバ2において非匿名ID及び匿名IDのどちらを用いてユーザ登録をしていたかを判定する。ユーザが移転元サーバ2において非匿名IDを用いていた場合には、生成部112は、非匿名IDを通信装置IDに関連付けた第2関連付け情報を生成する。ユーザが移転元サーバ2において匿名IDを用いていた場合には、生成部112は、移転先サーバ1で新たに用いる新匿名IDをユーザに付与し、移転元サーバ2で以前ユーザに付与されていた旧匿名IDと、新匿名IDとを通信装置IDに関連付けた第2関連付け情報を生成する。
【0069】
図7(a)は、非匿名IDを含む第2関連付け情報D3の模式図である。
図7(b)は、匿名IDを含む第2関連付け情報D3の模式図である。
図7(a)に示す第2関連付け情報D3は、互いに関連付けられた、通信装置IDと、非匿名IDとを含む。
図7(b)に示す第2関連付け情報D3は、互いに関連付けられた、企業IDと、旧匿名IDと、新匿名IDとを含む。旧匿名IDは、企業が送信先情報を変更する対象のユーザを特定するために用いられる。第2関連付け情報D3において非匿名IDと匿名IDとのどちらが設定されているかに基づいて、移転先サーバ1においてユーザが非匿名ID及び匿名IDのどちらを用いてユーザ登録をするかを判定可能である。
【0070】
図7(a)、
図7(b)において第2関連付け情報D3は視認性のために文字列の表で表されているが、各データは任意の形式で記録されてもよく、例えば文字列データ、数値データおよびバイナリデータのいずれでもよい。第2関連付け情報D3は、データベースとして記録されてもよく、あるいはデータを列挙したリストとして記録されてもよい。
【0071】
さらに生成部112は、受信部111が受信した第1関連付け情報に基づいて、移転先サーバ1の事業者がユーザを管理するためのユーザIDを、企業IDと、非匿名ID又は匿名IDとに関連付けたユーザ登録情報を、ユーザ登録情報記憶部121に記憶させる。ユーザ登録情報記憶部121が記憶するユーザ登録情報の構成は、
図5(a)に示した移転元サーバ2のユーザ登録情報と同様である。
【0072】
図4に戻り、移転先サーバ1の送信部113は、生成部112が生成した第2関連付け情報を、企業サーバ3へ送信する(f)。ここで、移転先サーバ1は、移転元サーバ2に記憶されたユーザ登録情報を消去するか否かを、ユーザ端末4に照会してもよい。ユーザ端末4は、ユーザによる操作(ボタン押下等)に基づいて、ユーザ登録情報を消去するか否かを示す情報を移転先サーバ1へ送信する。移転先サーバ1がユーザ端末4からユーザ登録情報を消去することを示す情報を受信した場合に、送信部113は、ユーザの識別情報を示す消去依頼を移転元サーバ2へ送信する。移転元サーバ2は、消去依頼に従って、ユーザ登録情報記憶部221に記憶されたユーザ登録情報を消去する。移転先サーバ1は、移転元サーバ2におけるユーザ登録情報の消去結果をユーザ端末4へ送信してもよい。これによりユーザは、移転元サーバ2のユーザ登録情報を消去するか否かを選択できる。
【0073】
企業サーバ3の受信部311は、移転先サーバ1が送信した第2関連付け情報を受信する。受信部311は、受信した第2関連付け情報に基づいて、送信先情報記憶部321に記憶された送信先情報を変更する(g)。送信先情報は、企業サーバ3がユーザ端末4へメッセージを送信する際の送信先を示す情報である。
【0074】
具体的には、受信部311は、受信した第2関連付け情報に基づいて、ユーザが移転先サーバ1において非匿名ID及び匿名IDのどちらを用いてユーザ登録をするかを判定する。ユーザが移転先サーバ1において非匿名IDを用いる場合には、受信部311は、送信先情報記憶部321において第2関連付け情報が示す非匿名IDに関連付けられた送信先情報を抽出し、抽出した送信先情報の通信装置IDを第2関連付け情報が示す通信装置IDに変更する。あるいは受信部311は、第2関連付け情報が示す非匿名IDに関連付けられた送信先情報を送信先情報記憶部321から削除し、第2関連付け情報が示す非匿名ID及び通信装置IDを示す送信先情報を新たに送信先情報記憶部321に追加してもよい。
【0075】
ユーザが移転先サーバ1において匿名IDを用いる場合には、受信部311は、送信先情報記憶部321において第2関連付け情報が示す旧匿名IDに関連付けられた送信先情報を抽出し、抽出した送信先情報の通信装置ID及び匿名IDを第2関連付け情報が示す通信装置ID及び新匿名IDに変更する。あるいは受信部311は、第2関連付け情報が示す旧匿名IDに関連付けられた送信先情報を送信先情報記憶部321から削除し、第2関連付け情報が示す新匿名ID及び通信装置IDを示す送信先情報を新たに送信先情報記憶部321に追加してもよい。
【0076】
これにより、企業サーバ3は、ユーザへのメッセージの送信先を移転元サーバ2から移転先サーバ1に変更し、移転元サーバ2の第1事業者から移転先サーバ1の第2事業者へ契約を移転したユーザにメッセージを送信できる。
【0077】
受信部311が受信した第2関連付け情報が継続、変更、解約、一時中止等の指示種別を含んでいる場合に、企業サーバ3は、指示種別の処理を実行するか否かを、ユーザ端末4に照会してもよい。ユーザ端末4は、ユーザによる操作(ボタン押下等)に基づいて、指示種別の処理を実行するか否かを示す情報を企業サーバ3へ送信する。企業サーバ3は、ユーザ端末4から指示種別の処理を実行することを示す情報を受信した場合に、指示種別が示す継続、変更、解約、一時中止等の処理を実行する。これにより企業は、ユーザの意志を再確認できる。
【0078】
図8は、送信先情報D4の模式図である。送信先情報D4は、互いに関連付けられた、通信装置IDと、非匿名ID又は匿名IDとを含む。送信先情報記憶部321に記憶された送信先情報に基づいて、通信装置IDに対応する通信装置(サーバ)を介して、非匿名ID又は匿名IDをユーザの宛先としてメッセージを送信する。
【0079】
図8において送信先情報D4は視認性のために文字列の表で表されているが、各データは任意の形式で記録されてもよく、例えば文字列データ、数値データおよびバイナリデータのいずれでもよい。送信先情報D4は、データベースとして記録されてもよく、あるいはデータを列挙したリストとして記録されてもよい。
【0080】
図4に戻り、企業がユーザにメッセージを送る際に、企業サーバ3の送信部312は、送信先情報記憶部321からメッセージを送信したいユーザの送信先情報を取得する。送信部312は、取得した送信先情報が示す非匿名ID又は匿名IDを宛先としたメッセージを、取得した送信先情報が示す通信装置IDに対応する通信装置(ここでは移転先サーバ1)へ送信する(h)。
【0081】
移転先サーバ1の転送部114は、送信部113が第2関連付け情報を企業サーバ3へ送信した後、企業サーバ3が送信したメッセージを、メッセージが示す非匿名ID又は匿名IDに対応するユーザ端末4へ転送する。このとき、ユーザ端末4にはユーザの非匿名ID又は匿名IDが予め設定されており、移転先サーバ1は非匿名ID又は匿名IDに対応するユーザ端末4を特定できる。ユーザ端末4の受信部411は、移転先サーバ1が転送したメッセージを受信し、表示部43上に表示する。転送部114は、ユーザ端末4が送信したメッセージを、メッセージが示す企業IDに対応する企業サーバ3へ転送してもよい。
【0082】
[通信方法のシーケンス]
図9は、本実施形態に係る通信システムSが行う通信方法のシーケンス図である。ユーザが移転元サーバ2の第1事業者から移転先サーバ1の第2事業者へ通信サービス等の契約を移転した場合に、移転先サーバ1は第1関連付け情報の要求を移転元サーバ2へ送信する。移転元サーバ2が移転先サーバ1から第1関連付け情報の要求を受信した場合に、移転元サーバ2の送信部211は、ユーザの識別情報と企業の識別情報とを関連付ける第1関連付け情報を、移転先サーバ1へ送信する(S11)。移転先サーバ1の受信部111は、移転元サーバ2が送信した第1関連付け情報を受信する。
【0083】
受信部111が移転元サーバ2から第1関連付け情報を受信した場合に、移転先サーバ1は、登録指示の要求をユーザ端末4へ送信する。ユーザ端末4の受信部411は、移転先サーバ1が送信した登録指示の要求を受信する。受信部411が登録指示の要求を受信した場合に、ユーザ端末4は、ユーザ登録を継続するか否かの入力を受け付ける。
【0084】
ユーザ端末4の送信部412は、操作部44の操作に基づいて、ユーザが登録指示の要求が示す企業IDの企業に対してユーザ登録を継続するか否かを示す登録指示を、移転先サーバ1へ送信する(S12)。移転先サーバ1の受信部111は、ユーザ端末4が送信した登録指示を受信する。
【0085】
受信部111が受信した登録指示が企業に対するユーザ登録を継続することを示す場合に、移転先サーバ1の生成部112は、受信部111が受信した第1関連付け情報に基づいて、第2関連付け情報を生成する(S13)。このとき生成部112は、受信部111が受信した第1関連付け情報に基づいて、ユーザ登録情報を、ユーザ登録情報記憶部121に記憶させる。
【0086】
移転先サーバ1の送信部113は、生成部112が生成した第2関連付け情報を、企業サーバ3へ送信する(S14)。企業サーバ3の受信部311は、移転先サーバ1が送信した第2関連付け情報を受信する。
【0087】
受信部311は、受信した第2関連付け情報に基づいて、送信先情報記憶部321に記憶された送信先情報を変更する(S15)。これにより、企業サーバ3は、ユーザへのメッセージの送信先を移転元サーバ2から移転先サーバ1に変更する。
【0088】
企業がユーザにメッセージを送る際に、企業サーバ3の送信部312は、送信先情報記憶部321からメッセージを送信したいユーザの送信先情報を取得する。送信部312は、取得した送信先情報が示す非匿名ID又は匿名IDを宛先としたメッセージを、取得した送信先情報が示す通信装置IDに対応する通信装置(ここでは移転先サーバ1)へ送信する(S16)。
【0089】
移転先サーバ1の転送部114は、企業サーバ3が送信したメッセージを、メッセージが示す非匿名ID又は匿名IDに対応するユーザ端末4へ転送する(S17)。ユーザ端末4の受信部411は、移転先サーバ1が転送したメッセージを受信し、表示部43上に表示する。
【0090】
[第1の変形例]
本変形例では、移転先サーバ1は、非匿名ID及び匿名IDのどちらを用いるかの選択をユーザから受け付ける。本変形例に係る移転先サーバ1において、生成部112は、受信部111が受信した第1関連付け情報に基づいて、ユーザが移転元サーバ2において非匿名ID及び匿名IDのどちらを用いてユーザ登録をしていたかを判定する。移転先サーバ1は、非匿名ID及び匿名IDのどちらを用いるかの選択の要求をユーザ端末4へ送信する。
【0091】
ユーザ端末4の受信部411は、移転先サーバ1が送信した選択の要求を受信する。受信部411が選択の要求を受信した場合に、ユーザ端末4は、非匿名ID及び匿名IDのどちらを用いるかの入力を受け付ける画面を表示部43上に表示する。
【0092】
図10は、非匿名ID及び匿名IDのどちらを用いるかの入力を受け付ける画面を表示しているユーザ端末4の正面図である。非匿名ID及び匿名IDのどちらを用いるかの入力を受け付ける画面は、非匿名ID及び匿名IDの間で切り替えるかを表す情報433と、選択を入力するためのボタン434とを含む。ボタン434は、ユーザが押下可能な仮想的なボタン(アイコン)である。ユーザは、ユーザ端末4の操作部44を用いて、非匿名ID及び匿名IDのどちらを用いるかの選択に応じて、いずれかのボタン434を押下する。
【0093】
ユーザが移転元サーバ2において非匿名IDを用いていた場合には、例えば情報433は非匿名IDから匿名IDへ切り替える旨を表し、ボタン434は非匿名IDから匿名IDへ切り替えるか否かの選択を受け付ける。ユーザが移転元サーバ2において匿名IDを用いていた場合には、例えば情報433は匿名IDから非匿名IDへ切り替える旨を表し、ボタン434は匿名IDから非匿名IDへ切り替えるか否かの選択を受け付ける。
【0094】
ユーザ端末4の送信部412は、操作部44の操作に基づいて、非匿名ID及び匿名IDのどちらを用いるかの選択を、移転先サーバ1へ送信する。移転先サーバ1の受信部111は、非匿名ID及び匿名IDのどちらを用いるかの選択を、ユーザ端末4から受信する。受信部111が受信した選択が非匿名IDを用いることを示す場合には、生成部112は、非匿名IDを通信装置IDに関連付けた第2関連付け情報を生成する。受信部111が受信した選択が匿名IDを用いることを示す場合には、生成部112は、移転先サーバ1で新たに用いる新匿名IDをユーザに付与し、移転元サーバ2でユーザに付与されていた旧匿名IDと、新匿名IDとを通信装置IDに関連付けた第2関連付け情報を生成する。
【0095】
ユーザ端末4は、
図10の画面において1つの企業について個別で非匿名ID及び匿名IDのどちらを用いるかの入力を受け付けているが、複数の企業の名称を一覧で表示し、複数の企業について非匿名ID及び匿名IDのどちらを用いるかの入力をまとめて受け付けてもよい。さらにユーザ端末4は、複数の企業について、ユーザ登録を継続するか否かの入力と、非匿名ID及び匿名IDのどちらを用いるかの入力とを、まとめて受け付けてもよい。また、ユーザ端末4は、ユーザが移転先サーバ1においてユーザ登録をする全ての企業について一括で非匿名ID及び匿名IDのどちらを用いるかの入力を受け付けてもよい。
【0096】
図10のような独立した画面に限らず、ユーザ端末4は、メッセージングサービスにおいてユーザと企業との間でメッセージを送受信する画面内で、非匿名ID及び匿名IDのどちらを用いるかの入力を受け付けてもよい。
【0097】
このように、本変形例に係る通信システムSは、ユーザの選択に応じて、移転先サーバ1において非匿名ID及び匿名IDのどちらを用いるか切り替えることができる。
【0098】
[第2の変形例]
本変形例では、移転先サーバ1は、移転元サーバ2においてユーザがユーザ登録をしていた企業又はサービスとは異なる企業又はサービスを、ユーザへ提案する。移転先サーバ1において、生成部112は、受信部111が受信した第1関連付け情報に基づいて、移転元サーバ2においてユーザがユーザ登録をしていた企業を取得する。また、生成部112は、移転先サーバ1においてメッセージングサービスが提供される1又は複数の企業を取得する。
【0099】
そして生成部112は、移転元サーバ2においてユーザがユーザ登録をしていた企業(すなわち第1関連付け情報が示す企業)に対して移転先サーバ1がメッセージングサービスを提供していない場合に、生成部112は、該企業と同じ業種の他の企業であって、移転先サーバ1がメッセージングサービスを提供している企業を、提案企業として特定する。移転先サーバ1は、提案企業に対する登録指示の要求をユーザ端末4へ送信する。
【0100】
ユーザ端末4の受信部411は、移転先サーバ1が送信した登録指示の要求を受信する。受信部411が登録指示の要求を受信した場合に、ユーザ端末4は、提案企業に対してユーザ登録を行うか否かの入力を受け付ける画面を表示部43上に表示する。
図11(a)は、提案企業に対してユーザ登録を行うか否かの入力を受け付ける画面を表示しているユーザ端末4の正面図である。
【0101】
提案企業に対してユーザ登録を行うか否かの入力を受け付ける画面は、登録指示の要求が示す提案企業を表す情報435と、登録指示を入力するためのボタン436とを含む。ボタン436は、ユーザが押下可能な仮想的なボタン(アイコン)である。ユーザは、ユーザ端末4の操作部44を用いて、提案企業に対してユーザ登録を行うか否かに応じて、いずれかのボタン436を押下する。
【0102】
ユーザ端末4の送信部412は、操作部44の操作に基づいて、ユーザが登録指示の要求が示す提案企業に対してユーザ登録を行うか否かを示す登録指示を、移転先サーバ1へ送信する。移転先サーバ1の受信部111は、ユーザ端末4が送信した登録指示を受信する。
【0103】
受信部111が受信した登録指示が提案企業に対するユーザ登録を行うことを示す場合に、移転先サーバ1の生成部112は第2関連付け情報を生成し、送信部113は第2関連付け情報を提案企業へ送信する。
【0104】
これにより、移転先サーバ1は、移転元サーバ2においてユーザがユーザ登録していた企業に対してメッセージングサービスを提供していない場合であっても、同業種の他の企業をユーザに提案できるため、ユーザの利便性を向上できる。
【0105】
また、移転元サーバ2においてユーザがユーザ登録をしていた企業に対して移転先サーバ1がメッセージングサービスを提供していない場合に、移転先サーバ1は、その旨と該企業に関する情報をユーザ端末4へ送信してもよい。該企業に関する情報は、例えば該企業におけるユーザの識別情報や、該企業の連絡先(URL等)を含む。そしてユーザ端末4は、該企業に関連する情報を、表示部43上に表示する。
【0106】
また、生成部112は、移転元サーバ2がメッセージングサービスを提供していない企業であって、移転先サーバ1がメッセージングサービスを提供している企業を、提案企業として特定する。また、生成部112は、移転元サーバ2において第1関連付け情報が示す企業が提供していないサービスであって、移転先サーバ1において該企業が提供しているサービスを、提案サービスとして特定する。移転先サーバ1は、提案企業又は提案サービスに対する登録指示の要求をユーザ端末4へ送信する。
【0107】
ユーザ端末4の受信部411は、移転先サーバ1が送信した登録指示の要求を受信する。受信部411が登録指示の要求を受信した場合に、ユーザ端末4は、提案企業又は提案サービスに対してユーザ登録を行うか否かの入力を受け付ける画面を表示部43上に表示する。
図11(b)は、提案企業又は提案サービスに対してユーザ登録を行うか否かの入力を受け付ける画面を表示しているユーザ端末4の正面図である。
【0108】
提案企業又は提案サービスに対してユーザ登録を行うか否かの入力を受け付ける画面は、登録指示の要求が示す提案企業又は提案サービスを表す情報437と、登録指示を入力するためのボタン438とを含む。ボタン438は、ユーザが押下可能な仮想的なボタン(アイコン)である。ユーザは、ユーザ端末4の操作部44を用いて、提案企業又は提案サービスに対してユーザ登録を行うか否かに応じて、いずれかのボタン438を押下する。
【0109】
ユーザ端末4の送信部412は、操作部44の操作に基づいて、ユーザが登録指示の要求が示す提案企業又は提案サービスに対してユーザ登録を行うか否かを示す登録指示を、移転先サーバ1へ送信する。移転先サーバ1の受信部111は、ユーザ端末4が送信した登録指示を受信する。
【0110】
受信部111が受信した登録指示が提案企業又は提案サービスに対するユーザ登録を行うことを示す場合に、移転先サーバ1の生成部112は第2関連付け情報を生成し、送信部113は第2関連付け情報を提案企業又は提案サービスを提供する企業へ送信する。
【0111】
これにより、移転先サーバ1は、移転元サーバ2では提供されていなかった新たな企業又はサービスをユーザに提案できるため、ユーザの利便性を向上できる。
【0112】
また、ユーザが移転元サーバ2から移転先サーバ1へ契約を移転した時点で、移転元サーバ2においてユーザがユーザ登録をしていた企業に対して移転先サーバ1がメッセージングサービスを提供していない場合において、その時点よりも後に該企業に対して移転先サーバ1がメッセージングサービスを提供可能になるときがある。そのため、生成部112は、ユーザが移転元サーバ2から移転先サーバ1へ契約を移転した時点よりも後に、該企業に対して移転先サーバ1がメッセージングサービスを提供可能になった場合に、該企業を提案企業として特定してもよい。移転先サーバ1は、提案企業に対する登録指示の要求をユーザ端末4へ送信する。これにより、移転先サーバ1は、移転時にユーザがユーザ登録を継続できなかった企業に対して、改めてユーザからユーザ登録を受け付けることができる。
【0113】
[本実施形態の効果]
本実施形態に係る通信システムSによれば、ユーザが移転元サーバ2の第1事業者から移転先サーバ1の第2事業者へ契約を移転した場合に、移転先サーバ1は、移転元サーバ2から企業の識別情報とユーザの識別情報とを関連付ける第1関連付け情報を受信し、さらに移転先サーバ1の識別情報とユーザの識別情報とを関連付ける第2識別情報を企業サーバ3へ送信する。これにより、企業サーバ3は、ユーザへのメッセージの新たな送信先を知ることができ、継続的にユーザへメッセージを送信できる。ユーザは企業に対するユーザ登録をやり直す必要がないため、企業に対するユーザ登録の手間が軽減される。
【0114】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。
【0115】
移転先サーバ1、移転元サーバ2、企業サーバ3及びユーザ端末4のプロセッサは、
図9に示す通信方法に含まれる各ステップ(工程)の主体となる。すなわち、移転先サーバ1、移転元サーバ2、企業サーバ3及びユーザ端末4のプロセッサは、
図9に示す通信方法を実行するためのプログラムを記憶部から読み出し、該プログラムを実行して移転先サーバ1、移転元サーバ2、企業サーバ3及びユーザ端末4の各部を制御することによって、
図9に示す通信方法を実行する。
図9に示す通信方法に含まれるステップは一部省略されてもよく、ステップ間の順番が変更されてもよく、複数のステップが並行して行われてもよい。