特許第6845847号(P6845847)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ライオン株式会社の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6845847
(24)【登録日】2021年3月2日
(45)【発行日】2021年3月24日
(54)【発明の名称】液体皮膚洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/36 20060101AFI20210315BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20210315BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20210315BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20210315BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20210315BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20210315BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20210315BHJP
【FI】
   A61K8/36
   A61K8/81
   A61K8/34
   A61K8/92
   A61K8/37
   A61Q19/10
   A61K8/31
【請求項の数】6
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2018-520659(P2018-520659)
(86)(22)【出願日】2017年2月28日
(86)【国際出願番号】JP2017007640
(87)【国際公開番号】WO2017208541
(87)【国際公開日】20171207
【審査請求日】2019年7月19日
(31)【優先権主張番号】特願2016-109581(P2016-109581)
(32)【優先日】2016年5月31日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2016-123904(P2016-123904)
(32)【優先日】2016年6月22日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100107733
【弁理士】
【氏名又は名称】流 良広
(74)【代理人】
【識別番号】100115347
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 奈緒子
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 円康
(72)【発明者】
【氏名】筒井 葉月
(72)【発明者】
【氏名】河崎 梨彩子
(72)【発明者】
【氏名】石井 真悠子
【審査官】 ▲高▼ 美葉子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−051944(JP,A)
【文献】 特開2010−180181(JP,A)
【文献】 特開2014−189502(JP,A)
【文献】 特開2012−153627(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
C08F 26/04
C08F 220/56
C11D 1/00
C11D 3/00
C11D 17/08
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、及びパルミチン酸塩をいずれも含む高級脂肪酸塩10質量%〜32質量%、
(B)塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、及び塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリル酸共重合体から選択される少なくとも1種のカチオン性ポリマー0.2質量%〜3質量%、
(C)炭素数12〜22の高級アルコール、ホホバ油、オリーブ油、一価アルコール脂肪酸エステル、及び炭化水素から選択される少なくとも1種0.05質量%〜3質量%、及び
(E)下記一般式(2)で表される共重合体を0.2質量%〜3質量%
【化1】
(ただし、前記一般式(2)中、n、m、及びlは各構造単位のモル比率(モル%)を示し、n+m+l=100であり、前記nは、0〜34、前記mは26.5〜31、前記lは35〜70である)
を含有し、
前記(B)成分の塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリル酸共重合体における塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位のモル比率が65モル%以上であり、
前記(A)成分の高級脂肪酸塩の含有量(質量%)と、前記(B)成分のカチオン性ポリマーの含有量(質量%)との質量比(A/B)が、5〜130であり、
25℃におけるpHが、9.5〜11.0であることを特徴とする液体皮膚洗浄剤組成物。
【請求項2】
前記(C)成分が、セチルアルコール、ベヘニルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、ステアリルアルコール、ホホバ油、イソステアリン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、及び流動パラフィンから選択される少なくとも1種である請求項1に記載の液体皮膚洗浄剤組成物。
【請求項3】
(D)ノニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤を更に含有し、
前記ノニオン性界面活性剤が、アルキル基の炭素数が12〜22かつエチレンオキサイドの平均付加モル数が7〜100であるポリオキシエチレンアルキルエーテル、エチレンオキサイドの平均付加モル数が3〜60であるイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、エチレンオキサイドの平均付加モル数が10〜60であるジイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、及びエチレンオキサイドの平均付加モル数が10〜60であるトリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルから選択される少なくとも1種であり、
前記両性界面活性剤が、アミノ酸系両性界面活性剤、及びベタイン系両性界面活性剤から選択される少なくとも1種である請求項1から2のいずれかに記載の液体皮膚洗浄剤組成物。
【請求項4】
前記(D)成分のノニオン界面活性剤の含有量が、0.3質量%〜1質量%であり、両性界面活性剤の含有量が、0.8質量%〜3質量%である請求項3に記載の液体皮膚洗浄剤組成物。
【請求項5】
前記ノニオン性界面活性剤が、アルキル基の炭素数が12〜16かつエチレンオキサイドの平均付加モル数が7〜25であるポリオキシエチレンアルキルエーテル、エチレンオキサイドの平均付加モル数が3であるイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、エチレンオキサイドの平均付加モル数が10であるジイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、及びエチレンオキサイドの平均付加モル数が10であるトリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルから選択される少なくとも1種であり、
前記両性界面活性剤が、ベタイン系両性界面活性剤である請求項3から4のいずれかに記載の液体皮膚洗浄剤組成物。
【請求項6】
2質量%〜30質量%の炭素数6〜26の高級脂肪酸塩と、0.1質量%〜5質量%の乳酸及び乳酸塩の少なくともいずれかと、0.1質量%〜5質量%の下記一般式(3)で表される構造を有する高分子化合物と、を含有する皮膚洗浄剤組成物を除く請求項1から5のいずれかに記載の液体皮膚洗浄剤組成物。
【化2】
(ただし、前記一般式(3)中、n、m、及びzはモル比を表し、前記nは0〜35であり、前記mは20〜100であり、前記zは0〜80であり、前記n、前記m、及び前記zが下記式(I)を満たす。
n+m+z=100 ・・・式(I))
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体皮膚洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ハンドソープ、ボディソープ等の液体皮膚洗浄剤組成物には、泡の量の多さ、及び泡のクリーミー性などの泡性能が良好であること、洗浄後の肌の状態を良好にすることが望まれている。特に、最近では、洗浄後の肌にしっとり感を付与できるほどの高い保湿性を有する液体皮膚洗浄剤組成物の提供が強く要望されている。
【0003】
洗浄後の肌の状態を良好にするために、例えば、脂肪酸塩と塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位を有するカチオン性ポリマーとを含有する液体皮膚洗浄剤組成物が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。しかし、前記提案では、タオルドライ後の肌のしっとり感、しっとり感の持続、及びタオルドライ後の肌のすべすべ感のすべてについて満足できるものではなかった。また、脂肪酸塩、カチオン性ポリマー、及びN−アシルアミノ酸を含有する皮膚洗浄剤組成物が提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、前記提案では、泡の量の多さ、泡のクリーミー性、肌のしっとり感、肌のしっとり感の持続性、及びタオルドライ後のすべすべ感について満足できるものではなかった。更に、ラウリン酸塩、カチオン性ポリマー、及びジカプリン酸ネオペンチルグリコールを含有する皮膚洗浄組成物が提案されている(例えば、特許文献4参照)。しかし、前記提案では、泡の量の多さ、及び泡のクリーミー性について満足できるものではない。
【0004】
したがって、泡の量の多さ、及び泡のクリーミー性と、タオルドライ後の肌のしっとり感、肌のしっとり感の持続性、及びタオルドライ後の肌のすべすべ感のすべてを満たす液体皮膚洗浄剤組成物の提供が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−56802号公報
【特許文献2】特開2015−74621号公報
【特許文献3】特表2008−530152号公報
【特許文献4】特開2004−262838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、泡の量が多く、泡のクリーミー性、タオルドライ後の肌のしっとり感、肌のしっとり感の持続性、及びタオルドライ後の肌のすべすべ感が良好な液体皮膚洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明者らが、鋭意検討を重ねた結果、(A)高級脂肪酸塩、(B)カチオン性ポリマー、(C)炭素数12〜22の高級アルコール、ホホバ油、オリーブ油、一価アルコール脂肪酸エステル、及び炭化水素から選択される少なくとも1種を含有する液体皮膚洗浄剤組成物が、各成分の相乗効果により、泡の量が多く、泡のクリーミー性、タオルドライ後の肌のしっとり感、肌のしっとり感の持続性、及びタオルドライ後の肌のすべすべ感が優れることを知見した。
【0008】
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> (A)ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、及びパルミチン酸塩をいずれも含む高級脂肪酸塩10質量%〜32質量%、
(B)塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、及び塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリル酸共重合体から選択される少なくとも1種のカチオン性ポリマー0.2質量%〜3質量%、
(C)炭素数12〜22の高級アルコール、ホホバ油、オリーブ油、一価アルコール脂肪酸エステル、及び炭化水素から選択される少なくとも1種0.05質量%〜3質量%を含有し、
前記(B)成分の塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリル酸共重合体における塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位のモル比率が65モル%以上であり、
前記(A)成分の高級脂肪酸塩の含有量(質量%)と、前記(B)成分のカチオン性ポリマーの含有量(質量%)との質量比(A/B)が、5〜130であることを特徴とする液体皮膚洗浄剤組成物である。
<2> 前記(C)成分が、セチルアルコール、ベヘニルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、ステアリルアルコール、ホホバ油、イソステアリン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、及び流動パラフィンから選択される少なくとも1種である前記<1>に記載の液体皮膚洗浄剤組成物である。
<3> (D)ノニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤を更に含有し、
前記ノニオン性界面活性剤が、アルキル基の炭素数が12〜22かつエチレンオキサイドの平均付加モル数が7〜100であるポリオキシエチレンアルキルエーテル、エチレンオキサイドの平均付加モル数が3〜60であるイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、エチレンオキサイドの平均付加モル数が10〜60であるジイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、及びエチレンオキサイドの平均付加モル数が10〜60であるトリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルから選択される少なくとも1種であり、前記両性界面活性剤が、アミノ酸系両性界面活性剤及びベタイン系両性界面活性剤から選択される少なくとも1種である前記<1>から<2>のいずれかに記載の液体皮膚洗浄剤組成物である。
<4> 前記ノニオン性界面活性剤が、アルキル基の炭素数が12〜16かつエチレンオキサイドの平均付加モル数が7〜25であるポリオキシエチレンアルキルエーテル、エチレンオキサイドの平均付加モル数が3であるイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、エチレンオキサイドの平均付加モル数が10であるジイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、及びエチレンオキサイドの平均付加モル数が10であるトリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルから選択される少なくとも1種、前記両性界面活性剤が、ベタイン系両性界面活性剤である前記<3>に記載の液体皮膚洗浄剤組成物である。
<5> (E)下記一般式(2)で表される共重合体を更に含む前記<1>から<4>のいずれかに記載の液体皮膚洗浄剤組成物である。
【化1】
ただし、前記一般式(2)中、n、m、及びlは各構造単位のモル比率(モル%)を示し、n+m+l=100であり、前記nは、0〜34、前記mは26.5〜31、前記lは35〜70である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、泡の量が多く、泡のクリーミー性、タオルドライ後の肌のしっとり感、肌のしっとり感の持続性、及びタオルドライ後の肌のすべすべ感が良好な液体皮膚洗浄剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(液体皮膚洗浄剤組成物)
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物は、(A)高級脂肪酸塩、(B)カチオン性ポリマー、(C)炭素数12〜22の高級アルコール、ホホバ油、オリーブ油、一価アルコール脂肪酸エステル、及び炭化水素から選択される少なくとも1種を含有し、(D)ノニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤、並びに(E)共重合体を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
【0011】
<(A)高級脂肪酸塩>
前記(A)成分の高級脂肪酸塩は、泡の量の多さ、及び泡のクリーミー性を向上させるために含有されている。
前記(A)成分の高級脂肪酸塩は、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、及びパルミチン酸塩をいずれも含有し、更に必要に応じてステアリン酸塩などのその他の高級脂肪酸塩を含有してもよい。
【0012】
前記(A)成分の高級脂肪酸塩の対イオンとしては、例えば、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アルカノールアミン、塩基性アミノ酸などが挙げられる。
前記アルカリ金属イオンとしては、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどが挙げられる。
前記アルカノールアミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール、2−アミノ−2−メチルプロパンジオールなどが挙げられる。
前記塩基性アミノ酸としては、例えば、リジン、アルギニンなどが挙げられる。
これらの中でも、泡の量の多さ、泡のクリーミー性の点から、カリウムイオンが好ましい。
なお、前記(A)成分の高級脂肪酸塩は、特に制限はなく、高級脂肪酸塩として配合することも可能であるが、高級脂肪酸と、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン等の塩と、を別々に、配合槽中に添加して中和反応させて高級脂肪酸塩としてもよい。
【0013】
前記(A)成分の高級脂肪酸塩の含有量としては、泡の量の多さ、泡のクリーミー性、タオルドライ後の肌のしっとり感、及び肌のしっとり感の持続性の点から、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、10質量%〜32質量%であり、20質量%〜32質量%が好ましい。前記含有量が、10質量%未満であると、泡の量の多さ、及び泡のクリーミー性が不十分となることがあり、32質量%を超えると、タオルドライ後の肌のしっとり感、及び肌のしっとり感の持続性が不十分となることがある。
【0014】
前記ラウリン酸塩の含有量としては、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、3質量%〜12質量%が好ましく、7質量%〜12質量%がより好ましい。前記ミリスチン酸塩の含有量としては、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、4質量%〜14質量%が好ましく、8質量%〜14質量%がより好ましい。前記パルミチン酸塩の含有量としては、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、1質量%〜9質量%が好ましく、3質量%〜9質量%がより好ましい。前記ラウリン酸塩、前記ミリスチン酸塩、及び前記パルミチン酸塩の含有量が、前記数値範囲外であると、泡の量の多さ、泡のクリーミー性、及びタオルドライ後の肌のしっとり感、及び肌のしっとり感の持続性が不十分となることがある。
【0015】
前記その他の高級脂肪酸塩としては、本発明の効果を阻害しない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ステアリン酸塩が好ましい。
前記ステアリン酸塩の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記高級脂肪酸塩の全量に対して、泡の多さの点から、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。前記ステアリン酸塩の含有量の下限値としては、0質量%が好ましい。
【0016】
<(B)カチオン性ポリマー>
前記(B)成分のカチオン性ポリマーは、塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、及び塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリル酸共重合体から選択される少なくとも1種であり、タオルドライ後の肌のしっとり感、及び肌のしっとり感の持続性を向上させるために含有されている。
【0017】
前記(B)成分のうちの塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリル酸共重合体は、下記一般式(1)で表される。
【化1】
ただし、前記一般式(1)中、n、及びmは各構造単位のモル比を示し、n+m=100であり、前記mは65モル%以上である。
【0018】
前記(B)成分のうちの塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリル酸共重合体における塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位のモル比率は、タオルドライ後の肌のしっとり感、及び肌のしっとり感の持続性の点から、65モル%以上であり、95モル%が好ましい。前記モル比率が、65モル%未満であると、タオルドライ後の肌のしっとり感、及び肌のしっとり感の持続性が不十分となることがある。
【0019】
前記(B)成分のうちの塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリル酸共重合体における構造単位のモル比率は、核磁気共鳴(NMR)により下記測定条件で測定することで決定することができる。
[測定条件]
溶媒:重水(DO)
測定器:JNM−LA300(300MHz、日本電子株式会社製)
【0020】
前記(B)成分のカチオン性ポリマーの重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、タオルドライ後の肌のしっとり感、及び肌のしっとり感の持続性の点から、10,000〜1,000,000が好ましく、15,000〜450,000がより好ましい。
前記(B)成分のカチオン性ポリマーの重量平均分子量は、例えば、SEC−MALLS−RIシステム(測定条件:カラム:東ソー株式会社製TSKgelαシリーズ α−Mカラム30cm、溶媒:硝酸ナトリウム0.3M水溶液)で測定することができる。
【0021】
前記(B)成分のカチオン性ポリマーにおける固形分30質量%〜44質量%の前記共重合体溶液の25℃での粘度は、タオルドライ後の肌のしっとり感、及び肌のしっとり感の持続性の点から、10mPa・s〜15,000mPa・sが好ましく、20mPa・s〜12,000mPa・sがより好ましい。
前記粘度は、例えば、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて測定することができる。
【0022】
前記(B)成分のカチオン性ポリマーとしては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、以下のものなどが挙げられる。
マーコート100(成分名:塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、ルーブリゾール社製、固形分39質量%〜44質量%の25℃での粘度:8,000mPa・s〜12,000mPa・s、重量平均分子量:150,000)。前記粘度は、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて、25℃でスピンドルNo.3のローターを使用し、6回転/分間の条件において測定することができる。
【0023】
マーコート106(成分名:塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、ルーブリゾール社製、固形分30質量%〜36質量%の25℃での粘度:20mPa・s〜65mPa・s、重量平均分子量:15,000)。前記粘度は、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて、25℃でスピンドルNo.1のローターを使用し、60回転/分間の条件において測定することができる。
【0024】
マーコート295(成分名:塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリル酸共重合体、ルーブリゾール社製、固形分35質量%〜40質量%の25℃での粘度:3,500mPa・s〜9,000mPa・s、重量平均分子量:190,000、前記一般式(1)におけるn:m=5:95(モル比)、塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位のモル比率が95モル%)。前記粘度は、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて、25℃でスピンドルNo.4のローターを使用し、30回転/分間の条件において測定することができる。
【0025】
マーコート280(成分名:塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリル酸共重合体、ルーブリゾール社製、固形分39質量%〜43質量%の25℃での粘度:3,000mPa・s〜6,000mPa・s、重量平均分子量:450,000、前記一般式(1)におけるn:m=35:65(モル比)、塩化ジメチルジアリルアンモニウムに由来する構造単位のモル比率が65モル%)。前記粘度は、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて、25℃でスピンドルNo.4のローターを使用し、60回転/分間の条件において測定することができる。
【0026】
これらの中でも、タオルドライ後の肌のしっとり感、及び肌のしっとり感の持続性の点から、前記(B)成分のカチオン性ポリマーとしては、マーコート100、マーコート106、マーコート295が好ましく、マーコート100がより好ましい。
【0027】
前記(B)成分のカチオン性ポリマーの含有量としては、泡の量の多さ、タオルドライ後の肌のしっとり感、及び肌のしっとり感の持続性の点から、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.2質量%〜3質量%であり、0.3質量%〜1質量%が好ましい。前記含有量が、0.2質量%未満であると、タオルドライ後の肌のしっとり感、及び肌のしっとり感の持続性が不十分となることがあり、3質量%を超えると、泡の量の多さが不十分となることがある。
【0028】
[質量比(A/B)]
前記(A)成分の高級脂肪酸塩の含有量(質量%)と、前記(B)成分のカチオン性ポリマーの含有量(質量%)との質量比(A/B)としては、泡の量の多さ、タオルドライ後の肌のしっとり感、及び肌のしっとり感の持続性の点から、5〜130であり、20〜85が好ましい。前記質量比が5未満であると、泡の量の多さが不十分となることがあり、130を超えると、タオルドライ後の肌のしっとり感、及び肌のしっとり感の持続性が不十分となることがある。
【0029】
<(C)高級アルコール、ホホバ油、オリーブ油、一価アルコール脂肪酸エステル、及び炭化水素から選択される少なくとも1種>
前記(C)成分は、炭素数12〜22の高級アルコール、ホホバ油、オリーブ油、一価アルコール脂肪酸エステル、及び炭化水素から選択される少なくとも1種であり、タオルドライ後の肌のしっとり感、肌のしっとり感の持続性、及びタオルドライ後の肌のすべすべ感を向上させるために含有される。
【0030】
前記高級アルコールの炭素数としては、12〜22であり、16〜20が好ましい。
前記高級アルコールとしては、例えば、セチルアルコール、ベヘニルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、ステアリルアルコールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、タオルドライ後の肌のしっとり感、肌のしっとり感の持続性、及びタオルドライ後の肌のすべすべ感の点から、ベヘニルアルコールが好ましい。
【0031】
前記一価アルコール脂肪酸エステルとしては、例えば、ラウリン酸イソステアリル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸メチル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸イソブチル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソステアリル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸ブチル、パルミチン酸イソブチル、パルミチン酸オクチル、イソパルミチン酸オクチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸バチル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、タオルドライ後の肌のしっとり感、肌のしっとり感の持続性、及びタオルドライ後の肌のすべすべ感の点から、イソステアリン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、ネオペンタン酸イソデシル、及びネオペンタン酸イソステアリルが好ましく、ミリスチン酸オクチルドデシルがより好ましい。
【0032】
前記炭化水素としては、例えば、流動パラフィンなどが挙げられる。
前記流動パラフィンとしては、40℃において液体である流動パラフィンが好ましい。
前記40℃で液体である流動パラフィンの動粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、タオルドライ後の肌のしっとり感、肌のしっとり感の持続性、及びタオルドライ後の肌のすべすべ感の点から、40℃において、12.8mm−1〜70mm−1が好ましく、18.5mm−1〜70mm−1がより好ましい。
前記流動パラフィンとしては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、商品名:80−S(動粘度12.8mm−1〜14.8mm−1)、商品名:90−S(動粘度14.4mm−1〜16.4mm−1)、商品名:100−S(動粘度16.0mm−1〜20.0mm−1)、商品名:120−S(動粘度18.5mm−1〜22.5mm−1)、商品名:150−S(動粘度23.4mm−1〜27.4mm−1)、商品名:260−S(動粘度46.0mm−1〜52.0mm−1)、商品名:350−S(動粘度64.0mm−1〜70.0mm−1)(以上、三光化学工業株式会社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、商品名:120−S、商品名:150−S、商品名:260−S、商品名:350−Sが好ましく、商品名:350−Sがより好ましい。
【0033】
これらの中でも、前記(C)成分としては、ベヘニルアルコール、ホホバ油、ミリスチン酸オクチルドデシル、及び流動パラフィン(商品名:350−S)が好ましい。
【0034】
前記(C)成分の含有量としては、泡の量の多さ、泡のクリーミー性、タオルドライ後の肌のしっとり感、肌のしっとり感の持続性、及びタオルドライ後の肌のすべすべ感の点から、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.05質量%〜3質量%であり、0.2質量%〜1質量%が好ましい。前記含有量が、0.05質量%未満であると、タオルドライ後の肌のしっとり感、肌のしっとり感の持続性、及びタオルドライ後の肌のすべすべ感が不十分となることがあり、3質量%を超えると、泡の量の多さ、及び泡のクリーミー性が不十分となることがある。
【0035】
なお、タオルドライ後の肌のしっとり感、及び肌のしっとり感の持続性を向上させる効果については、前記(C)成分の方が前記(B)成分のカチオン性ポリマーよりも優れている。
【0036】
<(D)界面活性剤>
前記(D)成分の界面活性剤は、保存安定性を向上させるために含有される。
前記(D)成分の界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤を含有することが好ましい。
【0037】
前記ノニオン性界面活性剤としては、アルキル基の炭素数が12〜22でありかつエチレンオキサイドの平均付加モル数が7〜100であるポリオキシエチレンアルキルエーテル、エチレンオキサイドの平均付加モル数が3〜60であるイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、エチレンオキサイドの平均付加モル数が10〜60であるジイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、及びエチレンオキサイドの平均付加モル数が10〜60であるトリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルから選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルにおけるアルキル基の炭素数としては、保存安定性の点から、12〜22が好ましく、12〜16がより好ましい。
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルにおけるエチレンオキサイドの平均付加モル数としては、保存安定性の点から、7〜100が好ましく、7〜25がより好ましい。
前記イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルにおけるエチレンオキサイドの平均付加モル数としては、保存安定性の点から、3〜60が好ましく、3がより好ましい。
前記ジイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルにおけるエチレンオキサイドの平均付加モル数としては、保存安定性の点から、10〜60が好ましく、10がより好ましい。
前記トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルにおけるエチレンオキサイドの平均付加モル数としては、保存安定性の点から、10〜60が好ましく、10がより好ましい。
【0038】
これらの中でも、前記ノニオン性界面活性剤としては、アルキル基の炭素数が12〜16かつエチレンオキサイドの平均付加モル数が7〜25であるポリオキシエチレンアルキルエーテル、エチレンオキサイドの平均付加モル数が3であるイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、エチレンオキサイドの平均付加モル数が10であるジイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、及びエチレンオキサイドの平均付加モル数が10であるトリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルから選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
【0039】
前記ノニオン性界面活性剤の含有量としては、保存安定性、及び泡の量の多さの点から、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.1質量%〜2質量%が好ましく、0.3質量%〜1質量%がより好ましい。前記含有量が、0.1質量%未満であると、保存安定性が不十分となることがあり、2質量%を超えると、泡の量の多さが不十分となることがある。
【0040】
前記両性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ酸系両性界面活性剤、ベタイン系両性界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ベタイン系両性界面活性剤が好ましい。
前記アミノ酸系両性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、βラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムなどが挙げられる。
前記ベタイン系両性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、ミリスチン酸アミドプロピルベタインなどが挙げられる。これらの中でも、保存安定性の点で、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインが好ましい。
【0041】
前記両性界面活性剤の含有量としては、泡のクリーミー性、及び保存安定性の点から、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.5質量%〜5質量%が好ましく、0.8質量%〜3質量%がより好ましい。前記含有量が、0.5質量%未満であると、保存安定性が不十分となることがあり、5質量%を超えると、泡のクリーミー性が不十分となることがある。
【0042】
<(E)共重合体>
前記(E)成分の共重合体は、すすぎ時の肌のなめらかさを向上させるために含有される。前記(E)成分の共重合体としては、下記一般式(2)で表される共重合体が用いられる。
【化3】
ただし、前記一般式(2)中、n、m、及びlは各構造単位のモル比率(モル%)を示し、n+m+l=100である。
前記nは、0〜34が好ましく、前記mは26.5〜31が好ましく、前記lは35〜70が好ましい。
これらの中でも、すすぎ時の肌のなめらかさの点から、前記一般式(2)におけるn:m:l=(0:30:70)が好ましい。
【0043】
前記(E)成分の共重合体における各構造単位のモル比率は、核磁気共鳴(NMR)により下記測定条件で測定することで決定することができる。
[測定条件]
溶媒:重水(DO)
測定器:JNM−LA300(300MHz、日本電子株式会社製)
【0044】
前記(E)成分の共重合体の重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100,000〜3,000,000が好ましく、150,000〜1,600,000がより好ましい。前記(E)成分の共重合体の重量平均分子量は、例えば、SEC−MALLS−RIシステム(測定条件:カラム:東ソー株式会社製TSKgelαシリーズ α−Mカラム30cm、溶媒:硝酸ナトリウム0.3M水溶液)で測定することができる。
【0045】
前記(E)成分の共重合体における固形分8質量%〜45質量%の前記共重合体溶液の25℃での粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,500mPa・s〜16,000mPa・sが好ましく、7,500mPa・s〜15,000mPa・sがより好ましい。
これらの中でも、前記(E)成分の前記粘度としては、7,500mPa・s〜15,000mPa・sが好ましい。
前記粘度は、例えば、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて測定することができる。
【0046】
前記(E)成分の共重合体としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、以下のものなどが挙げられる。
マーコート550PR(成分名:塩化ジメチルアリルアンモニウム−アクリルアミド共重合体、ルーブリゾール社製、固形分8.8質量%〜9.8質量%の25℃での粘度:7,500mPa・s〜15,000mPa・s、重量平均分子量:1,600,000、前記一般式(2)におけるn:m:l=0:30:70)。前記粘度は、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて、25℃でスピンドルNo.4のローターを使用し、10回転/分間の条件で測定することができる。
【0047】
マーコート3330PR(成分名:アクリル酸−塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリルアミド共重合体、ルーブリゾール社製、固形分10.2質量%〜11.5質量%の25℃での粘度:1,000mPa・s〜6,000mPa・s、重量平均分子量:1,500,000、前記一般式(2)におけるn:m:l=34:31:35)。前記粘度は、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて、25℃でスピンドルNo.4のローターを使用し、30回転/分間の条件で測定することができる。
【0048】
マーコート3331PR(成分名:アクリル酸−塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリルアミド共重合体、ルーブリゾール社製、固形分9.7質量%〜10.7質量%の25℃での粘度:2,000mPa・s〜12,000mPa・s、重量平均分子量:1,600,000、前記一般式(2)におけるn:m:l=22.5:26.5:51)。前記粘度は、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて、25℃でスピンドルNo.5のローターを使用し、30回転/分間の条件で測定することができる。
【0049】
マーコート3940(成分名:アクリル酸−塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリルアミド共重合体、ルーブリゾール社製、固形分41質量%〜45質量%の25℃での粘度:1,500mPa・s〜4,500mPa・s、重量平均分子量:150,000、前記一般式(2)におけるn:m:l=31:29:40)。前記粘度は、ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)を用いて、25℃でスピンドルNo.3のローターを使用し、10回転/分間の条件で測定することができる。
【0050】
これらの中でも、前記(E)成分の共重合体としては、すすぎ時の肌のなめらかさの点から、マーコート550PRが好ましい。
【0051】
前記(E)成分の共重合体の含有量としては、泡の量の多さ、及びすすぎ時の肌のなめらかさの点から、前記液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.2質量%〜3質量%が好ましく、0.4質量%〜2質量%がより好ましい。前記含有量が、0.2質量%未満であると、すすぎ時の肌のなめらかさが不十分となることがあり、3質量%を超えると、泡の量の多さが不十分となることがある。
【0052】
<その他の成分>
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物には、前記(A)〜前記(E)の各成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、その他の成分を配合することができる。
前記その他の成分としては、例えば、精製水、前記(B)成分以外のカチオン性ポリマー、及び前記(E)成分の共重合体以外の水溶性ポリマー、アーモンド油、コメヌカ油、コメ胚芽油、ゴマ油、サフラワー油、ダイズ油、ナタネ油、ヒマシ油、パーム油等の前記(C)成分以外の油分、低級アルコール、前記(C)成分以外の高級アルコール等のアルコール類、ラノリン誘導体、蛋白誘導体、アクリル樹脂分散液、ビタミンなどの薬剤、殺菌剤、防腐剤、pH調整剤、粘度調整剤、酸化防止剤、金属封鎖剤、紫外線吸収剤、動植物抽出物又はその誘導体、色素、香料、顔料、無機粉体、粘土鉱物;ナイロン、ポリエチレン等の水不溶性ポリマー粉体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0053】
−製造方法−
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記(A)〜(C)成分、必要に応じて、前記(D)〜(E)成分、前記その他の成分、及び前記精製水(液体皮膚洗浄剤組成物全体が100質量%となるように残量配合)を混合して得ることができる。
具体的には、以下のようにして製造することができる。70℃〜80℃に加温した精製水に前記(A)成分の高級脂肪酸塩、及び前記(C)成分の油分を溶解し、40℃以下に冷却してから、前記(B)成分のカチオン性ポリマー、及び必要に応じて前記(D)成分の界面活性剤、前記(E)成分の共重合体を添加して製造できる。
前記液体皮膚洗浄剤組成物は、装置を用いて調製してもよい。前記装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、剪断力があり、全体を混合することができる攪拌羽根を備えた攪拌装置などが挙げられる。
前記攪拌羽根としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プロペラ、タービン、ディスパーなどが挙げられる。
【0054】
−pH−
前記液体皮膚洗浄剤組成物の25℃におけるpHとしては、泡の量の点から、9.5〜11.0が好ましく、9.8〜10.6がより好ましい。前記pHの値が前記数値範囲であれば、泡の量の多さが良好となり、皮膚刺激がない。
前記pHは、例えば、pHメーター(HM−30R、TOA DKK社製)を使用して測定することができる。
【0055】
−粘度−
前記液体皮膚洗浄剤組成物の25℃における粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1mPa・s〜6,000mPa・sが好ましく、50mPa・s〜4,000mPa・sがより好ましい。
前記粘度は、例えば、BM型粘度計(株式会社東京計器製)を用いて、試料温度25℃にて、以下の条件で測定することができる。前記粘度が、1mPa・s〜3,000mPa・sであれば、BMアダプター、回転数30rpm、No.3のローターを用いて1分間後の粘度を測定し、3,000mPa・sを超える場合は、BMアダプター、回転数30rpm、No.4のローターにて1分間後の粘度を測定することにより測定できる。
【0056】
−容器−
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物は、特に制限はなく、通常の容器に充填して使用される。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポンプディスペンサー容器、チューブ、フォーマー容器、袋状容器などが挙げられる。これらの中でも、ポンプディスペンサー容器が好ましい。前記ポンプディスペンサー容器としては、例えば、株式会社吉野工業所製のノズル口径(内径)3.5mm、吐出量3mLのポンプディスペンサー容器などが挙げられる。
【0057】
−用途−
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物は、泡の量が多く、泡のクリーミー性、タオルドライ後の肌のしっとり感、肌のしっとり感の持続性、及びタオルドライ後の肌のすべすべ感が良好であるため、例えば、洗顔料、ハンドソープ、ボディソープ、クレンジングフォーム、メイク落としなどに用いられ、特にボディソープに好適に用いられる。
【実施例】
【0058】
以下に、本発明を実施例、及び比較例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明は、下記実施例に制限されるものではない。なお、実施例、及び比較例の記載の各成分の含有量は、全て純分換算した値である。
【0059】
(実施例1〜27、及び比較例1〜12)
下記表1〜表7に示す組成、及び含有量の液体皮膚洗浄剤組成物を常法により調製した。具体的には、以下の方法により調製した。
最終的に得られる液体皮膚洗浄剤組成物の全量の95質量%になる量の精製水を、70℃〜80℃に加温し、(A)成分の高級脂肪酸塩、及び(C)成分の油分を溶解し、40℃以下に冷却してから、(B)成分のカチオン性ポリマーを添加することにより液体皮膚洗浄剤組成物を調製した。その後、所定のpHに満たない場合は、共通成分である水酸化カリウムを添加し、所定のpHに調整後、全体量が100質量%になるように精製水を加えて、目的とする液体皮膚洗浄剤組成物を得た。また、攪拌羽根としてはプロペラを使用し、スリーワンモーター(HEIDON BL1200、新東化学株式会社製)を用いて攪拌した。なお、pHは、pHメーター(HM−30R、TOA DKK社製)を用いて、25℃で測定した。
得られた実施例1〜27及び比較例1〜12の各液体皮膚洗浄剤組成物は、ポンプディスペンサー付き容器[吐出量3mL、ノズル口径(内径)3.5mm、株式会社吉野工業所製]に充填した。
【0060】
次に、得られた各液体皮膚洗浄剤組成物について、以下のようにして、「泡の量の多さ」、「泡のクリーミー性」、「タオルドライ後の肌のしっとり感」、「肌のしっとり感の持続性」、及び「タオルドライ後の肌のすべすべ感」を評価した。結果を下記表1〜表7に併記した。
【0061】
<泡の量の多さ、泡のクリーミー性>
専門評価者10名が、40℃の温水に濡らして、軽く水気をとったナイロンタオルに、実施例1〜27、及び比較例1〜12の液体皮膚洗浄剤組成物を2プッシュ(約6g)取り、ナイロンタオルを10回擦って泡立てたときの、泡の量の多さ、及び泡のクリーミー性を観察し、下記評価基準に従って評価した。結果は、前記専門評価者10名の平均評価点を求め、「泡の量の多さ」、及び「泡のクリーミー性」を評価した。なお、平均評価点が3.0点以上であれば、「泡の量の多さ」、及び「泡のクリーミー性」は良好である。
−「泡の量の多さ」の評価基準−
5点:ナイロンタオルから泡があふれる
4点:ナイロンタオルの70%以上100%が泡で覆われている
3点:ナイロンタオルの50%以上70%未満が泡で覆われている
2点:ナイロンタオルの20%以上50%未満が泡で覆われている
1点:ナイロンタオルの20%未満が泡で覆われている、又はほとんど泡がない
−「泡のクリーミー性」の評価基準−
5点:ほとんどの泡が細かい泡で、非常にクリーミーである
4点:細かい泡の中の一部に大きな泡が混ざっているが、クリーミーである
3点:細かい泡の中に大きな泡が半分ぐらい混ざり、ややクリーミーである
2点:細かい泡よりも大きく粗い泡の方が多く、クリーミーではなかった
1点:大きく粗い泡しか立たず、全くクリーミーではなかった
【0062】
<タオルドライ後の肌のしっとり感、タオルドライ後の肌のすべすべ感>
専門評価者10名が、40℃の温水に濡らして、軽く水気をとったナイロンタオルに、実施例1〜27、及び比較例1〜12の液体皮膚洗浄剤組成物を2プッシュ(約6g)取り、10回擦って泡立て、前記ナイロンタオルで全身を擦った後、40℃の温水で、前記液体皮膚洗浄剤組成物をすすぎ流し、タオルで水滴を拭き取った。水滴を拭き取った後すぐに「タオルドライ後の肌のしっとり感」、及び「タオルドライ後の肌のすべすべ感」を、下記評価基準に従って評価した。
結果は、前記専門評価者10名の平均評価点を求め、「タオルドライ後の肌のしっとり感」、及び「タオルドライ後の肌のすべすべ感」を評価した。なお、平均評価点が3.0点以上であれば、「タオルドライ後の肌のしっとり感」、及び「タオルドライ後の肌のすべすべ感」は良好である。
−「タオルドライ後の肌のしっとり感」の評価基準−
5点:しっとり感を強く感じる
4点:しっとり感を感じる
3点:しっとり感をやや感じる
2点:しっとり感をあまり感じない
1点:しっとり感を全く感じない
−「タオルドライ後の肌のすべすべ感」の評価基準−
5点:すべすべ感を強く感じる
4点:すべすべ感を感じる
3点:すべすべ感をやや感じる
2点:すべすべ感をあまり感じない
1点:すべすべ感を全く感じない
【0063】
<肌のしっとり感の持続性>
専門評価者10名が、40℃の温水に濡らして、軽く水気をとったナイロンタオルに、実施例1〜27、及び比較例1〜12の液体皮膚洗浄剤組成物を2プッシュ(約6g)取り、10回擦って泡立て、前記ナイロンタオルで全身を擦った後、40℃の温水で、前記液体皮膚洗浄剤組成物をすすぎ流し、タオルで水滴を拭き取った。
その後、25℃、40%RHの部屋にて3時間安静にし、3時間後の「肌のしっとり感の持続性」を下記評価基準に従って評価した。なお、平均評価点が3.0点以上であれば、「肌のしっとり感の持続性」は良好である。
−「肌のしっとり感の持続性」の評価基準−
5点:しっとり感を強く感じる
4点:しっとり感を感じる
3点:しっとり感をやや感じる
2点:しっとり感をあまり感じない
1点:しっとり感を全く感じない
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
【表4】
【0068】
【表5】
【0069】
【表6】
【0070】
【表7】
【0071】
(実施例28〜37、比較例13)
下記表8、9に示す組成、及び含有量の液体皮膚洗浄剤組成物を常法により調製した。具体的には、以下の方法により調製した。
最終的に得られる液体皮膚洗浄剤組成物の全量の95質量%になる量の精製水を、70℃〜80℃に加温し、(A)成分の高級脂肪酸塩、及び(C)成分の油分を溶解し、40℃以下に冷却してから、(B)成分のカチオン性ポリマー、及び(D)成分の界面活性剤を添加することにより液体皮膚洗浄剤組成物を調製した。その後、所定のpHに満たない場合は、共通成分である水酸化カリウムを添加し、所定のpHに調整後、全体量が100質量%になるように精製水を加えて、目的とする液体皮膚洗浄剤組成物を得た。また、攪拌羽根としてはプロペラを使用し、スリーワンモーター(HEIDON BL1200、新東化学株式会社製)を用いて攪拌した。なお、pHは、pHメーター(HM−30R、TOA DKK社製)を用いて、25℃で測定した。
得られた実施例28〜37、及び比較例13の各液体皮膚洗浄剤組成物は、ポンプディスペンサー付き容器[吐出量3mL、ノズル口径(内径)3.5mm、株式会社吉野工業所製]に充填した。
【0072】
次に、得られた各液体皮膚洗浄剤組成物について、実施例1と同様にして、「泡の量の多さ」、「泡のクリーミー性」、「タオルドライ後の肌のしっとり感」、「肌のしっとり感の持続性」、及び「タオルドライ後の肌のすべすべ感」を評価した。また、上記の評価に加えて、以下のようにして「保存安定性」を評価した。結果を下記表8、9に併記した。
【0073】
<保存安定性>
実施例28〜37、及び比較例13の各液体皮膚洗浄剤組成物を50mL容量の透明ガラス瓶(SV-50A、日電理化硝子株式会社製)に50mL入れ、ガラス瓶の蓋を閉めて、密封して、40℃において、28日間(4週間)保存した。保存後、専門評価者1名が、液体皮膚洗浄剤組成物を観察し、下記評価基準に従って「保存安定性」を評価した。なお、平均評価点が「○」以上であれば、「保存安定性」は良好である。
−評価基準−
◎:白濁及び分離はしていない
○:わずかに白濁しているが、分離又は沈殿はしていない
△:少量の分離又は白濁があり、ガラス瓶を振っても、均一に溶解しない
×:完全に分離している
【0074】
【表8】
【0075】
【表9】
【0076】
(実施例38〜42、及び比較例14)
下記表10に示す組成、及び含有量の液体皮膚洗浄剤組成物を常法により調製した。具体的には、以下の方法により調製した。
最終的に得られる液体皮膚洗浄剤組成物の全量の95質量%になる量の精製水を、70℃〜80℃に加温し、(A)成分の高級脂肪酸塩、及び(C)成分の油分を溶解し、40℃以下に冷却してから、(B)成分のカチオン性ポリマー、及び(E)成分の共重合体を添加することにより液体皮膚洗浄剤組成物を調製した。その後、所定のpHに満たない場合は、共通成分である水酸化カリウムを添加し、所定のpHに調整後、全体量が100質量%になるように精製水を加えて、目的とする液体皮膚洗浄剤組成物を得た。また、攪拌羽根としてはプロペラを使用し、スリーワンモーター(HEIDON BL1200、新東化学株式会社製)を用いて攪拌した。なお、pHは、pHメーター(HM−30R、TOA DKK社製)を用いて、25℃で測定した。
得られた実施例38〜42、及び比較例14の各液体皮膚洗浄剤組成物は、ポンプディスペンサー付き容器[吐出量3mL、ノズル口径(内径)3.5mm、株式会社吉野工業所製]に充填した。
【0077】
次に、得られた各液体皮膚洗浄剤組成物について、実施例1と同様にして、「泡の量の多さ」、「泡のクリーミー性」、「タオルドライ後の肌のしっとり感」、「肌のしっとり感の持続性」、及び「タオルドライ後の肌のすべすべ感」を評価した。また、上記の評価に加えて、以下のようにして「すすぎ時の肌のなめらかさ」を評価した。結果を下記表10に併記した。
【0078】
<すすぎ時の肌のなめらかさ>
専門評価者10名が、40℃の温水に濡らして、軽く水気をとったナイロンタオルに、実施例38〜42、及び比較例14の液体皮膚洗浄剤組成物を2プッシュ(約6g)取り、ナイロンタオルを10回擦って泡立て、全身を洗浄した。すすぎ流した時の肌のなめらかさについて、下記評価基準に従って評価した。結果は、前記専門評価者10名の平均評価点を求め、「すすぎ時の肌のなめらかさ」を評価した。なお、平均評価点が3.0点以上であれば、「すすぎ時の肌のなめらかさ」は良好である。
−「すすぎ時の肌のなめらかさ」の評価基準−
5点:すすぎ時のなめらかさを強く感じる
4点:すすぎ時のなめらかさを感じる
3点:すすぎ時のなめらかさをやや感じる
2点:すすぎ時のなめらかさをあまり感じない
1点:すすぎ時のなめらかさを全く感じない
【0079】
【表10】
【0080】
(実施例43〜44)
下記表11に示す組成、及び含有量の液体皮膚洗浄剤組成物を常法により調製した。具体的には、以下の方法により調製した。
最終的に得られる液体皮膚洗浄剤組成物の全量の95質量%になる量の精製水を、70℃〜80℃に加温し、(A)成分の高級脂肪酸塩、及び(C)成分の油分を溶解し、40℃以下に冷却してから、(B)成分のカチオン性ポリマー(D)成分の界面活性剤、及び(E)成分の共重合体を添加することにより液体皮膚洗浄剤組成物を調製した。その後、所定のpHに満たない場合は、共通成分である水酸化カリウムを添加し、所定のpHに調整後、全体量が100質量%になるように精製水を加えて、目的とする液体皮膚洗浄剤組成物を得た。また、攪拌羽根としてはプロペラを使用し、スリーワンモーター(HEIDON BL1200、新東化学株式会社製)を用いて攪拌した。なお、pHは、pHメーター(HM−30R、TOA DKK社製)を用いて、25℃で測定した。
得られた実施例43〜44の各液体皮膚洗浄剤組成物は、ポンプディスペンサー付き容器[吐出量3mL、ノズル口径(内径)3.5mm、株式会社吉野工業所製]に充填した。
【0081】
次に、得られた各液体皮膚洗浄剤組成物について、実施例1と同様にして、「泡の量の多さ」、「泡のクリーミー性」、「タオルドライ後の肌のしっとり感」、「肌のしっとり感の持続性」、及び「タオルドライ後の肌のすべすべ感」を、実施例28と同様にして「保存安定性」を、実施例38と同様にして「すすぎ時の肌のなめらかさ」を評価した。結果を下記表11に併記した。
【0082】
【表11】
【0083】
(実施例45)
下記表12に示す組成、及び含有量の液体皮膚洗浄剤組成物を常法により調製した。具体的には、以下の方法により調製した。
最終的に得られる液体皮膚洗浄剤組成物の全量の95質量%になる量の精製水を、70℃〜80℃に加温し、(A)成分の高級脂肪酸塩、(C)成分の油分、及びその他の成分(フェノキシエタノールと香料と水酸化カリウムと精製水を除く)を溶解し、40℃以下に冷却してから、(B)成分のカチオン性ポリマー、(D)成分の界面活性剤、(E)成分の共重合体、フェノキシエタノール、及び香料を添加することにより液体皮膚洗浄剤組成物を調製した。その後、所定のpHに満たない場合は、共通成分である水酸化カリウムを添加し、所定のpHに調整後、全体量が100質量%になるように精製水を加えて、目的とする液体皮膚洗浄剤組成物を得た。また、攪拌羽根としてはプロペラを使用し、スリーワンモーター(HEIDON BL1200、新東化学株式会社製)を用いて攪拌した。なお、pHは、pHメーター(HM−30R、TOA DKK社製)を用いて、25℃で測定した。
得られた実施例45の各液体皮膚洗浄剤組成物は、ポンプディスペンサー付き容器[吐出量3mL、ノズル口径(内径)3.5mm、株式会社吉野工業所製]に充填した。
【0084】
次に、得られた実施例45の液体皮膚洗浄剤組成物について、実施例1と同様にして、「泡の量の多さ」、「泡のクリーミー性」、「タオルドライ後の肌のしっとり感」、「肌のしっとり感の持続性」、及び「タオルドライ後の肌のすべすべ感」を、実施例28と同様にして「保存安定性」を、実施例38と同様にして「すすぎ時の肌のなめらかさ」を評価した。結果を下記表12に併記した。
【0085】
【表12】
なお、実施例45において使用したその他の成分の詳細は下記の通りである。
・モノエタノールアミン(株式会社日本触媒製)
・プロピレングリコール(化粧用プロピレングリコール、株式会社ADEKA)
・フェノキシエタノール(ニューポールEFP、三洋化成工業株式会社)
・メタクリル酸−アクリル酸エチル−アクリル酸ブチル共重合体(レオアール MS−200)
・エチレンジアミン四酢酸(ディゾルビンZ、ライオンスペシャリティケミカルズ株式会社製)
・香料:下記表13に示した組成を有する香料
・水酸化カリウム(液体苛性カリ、旭硝子株式会社製)
【0086】
【表13】
【0087】
なお、前記実施例、及び前記比較例で使用した各種成分の詳細について、下記表14〜表16に示す。
【表14】
※1:ラウリン酸カリウムは、ラウリン酸(NAA−122、日油株式会社製)を、水酸化カリウム(液体苛性カリ、旭硝子株式会社製)を用いて100%中和したものである。
※2:ミリスチン酸カリウムは、ミリスチン酸(NAA−142、日油株式会社製)を、水酸化カリウム(液体苛性カリ、旭硝子株式会社製)を用いて100%中和したものである。
※3:パルミチン酸カリウムは、パルミチン酸(NAA−160、日油株式会社製)を、水酸化カリウム(液体苛性カリ、旭硝子株式会社製)を用いて100%中和したものである。
※4:ステアリン酸カリウムは、ステアリン酸(NAA−180、日油株式会社製)を、水酸化カリウム(液体苛性カリ、旭硝子株式会社製)を用いて100%中和したものである。
なお、カチオン化セルロースは、グルコースに由来する構造単位を有するポリマーである。
【0088】
−(B)成分−
【表15】
*1:ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)、スピンドルNo.3、6回転/分間、25℃
*2:ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)、スピンドルNo.4、30回転/分間、25℃
*3:ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)、スピンドルNo.4、60回転/分間、25℃
【0089】
−(E)成分−
【表16】
*1:ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)、スピンドルNo.4、10回転/分間、25℃
*2:ブルックフィールド粘度計LVF(ブルックフィールド社製)、スピンドルNo.4、30回転/分間、25℃
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物は、泡の量が多く、泡のクリーミー性、タオルドライ後の肌のしっとり感、肌のしっとり感の持続性、及びタオルドライ後の肌のすべすべ感が良好であるため、例えば、洗顔料、ハンドソープ、ボディソープ、クレンジングフォーム、メイク落としなどに好適に用いられ、特にボディソープに好適に用いられる。