(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0013】
以下の説明において、「FR」はプリンタの前方を意味し、「RR」はプリンタの後方を意味する。
「UP」はプリンタを水平面に置いたときの上方を意味し、「LO」はプリンタを水平面に置いたときの下方を意味する。
「LH」及び「RH」は、プリンタの前後方向及び上下方向に直行する方向(以下「幅方向」という)を意味する。
搬送経路上の任意の基準に対して収容部側を「搬送方向上流側」といい、当該基準に対して排出口側を「搬送方向下流側」という。
【0014】
(1)印字媒体
本実施形態の印字媒体について説明する。
図1は、本実施形態の印字媒体の概略図である。
【0015】
図1に示すように、本実施形態の印字媒体Pは、台紙PMと、複数枚のラベルPLとを有している。
台紙PMは、仮着面PMaと、仮着面PMaと反対側の非仮着面PMbと、を有する。
仮着面PMaには、複数枚のラベルPLが所定間隔毎に仮着されている。
非仮着面PMbには、所定間隔毎に基準マークMが形成されている。基準マークMは、ラベルPLの基準位置を示している。
【0016】
各ラベルPLは、印字面PLaと、粘着面PLb(不図示)と、を有する。
印字面PLaは、熱により発色する発熱層を含む。
粘着面PLbには、粘着剤が塗工されている。
【0017】
(2)プリンタの構成
本実施形態のプリンタの構成について説明する。
図2は、本実施形態のプリンタカバーが閉鎖位置にあるときのプリンタの斜視図である。
図3は、本実施形態のプリンタカバーが開放位置にあり、かつ、ヘッドカバーが遮蔽位置にあるときのプリンタの斜視図である。
図4は、本実施形態のプリンタカバーが開放位置にあり、かつ、ヘッドカバーが非遮蔽位置にあるときのプリンタの斜視図である。
図5は、
図4の領域Iの拡大斜視図である。
図6は、
図5のコネクタユニットの要部を示す図である。
図7は、
図5のサーマルヘッドの要部斜視図である。
【0018】
図2〜
図4に示すように、プリンタ1は、フロントパネル2と、筐体8と、プリンタカバー3と、タッチパネルディスプレイ4と、収容部6と、一対の用紙ガイド7a及び7bと、プラテンローラ10と、サーマルヘッド12と、第1補助ローラ13と、第2補助ローラ14と、剥離部15と、ヘッドカバー21(操作部材の一例)と、搬送ガイド24と、を備えている。
【0019】
プリンタカバー3の後端部は、筐体8の後端部に軸支されている。プリンタカバー3は、回動軸RS1を軸として、閉鎖位置(
図2)と開放位置(
図3)との間を筐体8に対して移動可能(つまり、回動可能)である。
閉鎖位置とは、プリンタカバー3が筐体8内を閉鎖する(例えば、プリンタ1の外部から筐体8内を視認できないようにする)位置である。
開放位置とは、プリンタカバー3が筐体8内を開放する(例えば、プリンタ1の外部から筐体8内を視認可能にする)位置である。
プリンタカバー3が閉鎖位置に位置する場合、プラテンローラ10とサーマルヘッド12とが対向する。
プリンタカバー3が、閉鎖位置から開放位置に向かって回動する場合、プリンタカバー3の前端部は、フロントパネル2及び筐体8の前端部から離間する方向に回動する。
プリンタカバー3が、開放位置から閉鎖位置に向かって回動する場合、プリンタカバー3の前端部は、フロントパネル2及び筐体8の前端部に近づく方向に回動する。
プリンタカバー3が開放位置に位置する場合、サーマルヘッド12は、プラテンローラ10から離間している。
プリンタカバー3の前面は、プリンタカバー3が閉鎖位置にあるときに上方UPを向き、かつ、プリンタカバー3が開放位置にあるときに後方RRを向く。
プリンタカバー3の背面は、プリンタカバー3が閉鎖位置にあるときに下方LOを向き、かつ、プリンタカバー3が開放位置にあるときに前方FRを向く。
【0020】
筐体8には、フロントパネル2と、収容部6と、第1補助ローラ13と、プラテンローラ10と、剥離部15と、搬送ガイド24と、が配置される。
【0021】
収容部6は、筐体8の後端部側に位置する。
収容部6は、ロール紙Rを収容するように構成される。
図3に示すように、プリンタカバー3が開放位置にある場合、収容部6は、プリンタ1の外部からアクセス可能になる。これにより、ユーザは、ロール紙Rを収容部6にセットすることができる。
【0022】
一対の用紙ガイド7a及び7bは、幅方向(LH−RH方向)において、互いに近づく方向、又は互いに離間する方向に移動可能である。ユーザが一対の用紙ガイド7a及び7bを移動させると、一対の用紙ガイド7a及び7bは、収容部6に収容されたロール紙Rの幅方向(LH−RH方向)の端部に当接する。これにより、ロール紙Rは、幅方向(LH−RH方向)において、収容部6の中央に保持される。
【0023】
プラテンローラ10は、第1補助ローラ13の前方FRに位置する。プラテンローラ10は、筐体8に軸支されている。幅方向(LH−RH方向)は、プラテンローラ10の回転軸方向である。
プラテンローラ10は、ステッピングモータ(不図示)に接続されている。プラテンローラ10は、ステッピングモータの制御に従って回転することにより、印字媒体Pを搬送するように構成される。
【0024】
第1補助ローラ13は、収容部6の前方FRに位置する。第1補助ローラ13は、筐体8に軸支されている。幅方向(LH−RH方向)は、第1補助ローラ13の回転軸方向である。
【0025】
剥離部15は、プラテンローラ10の前方FRに位置する。
剥離部15は、少なくとも1つの平面を有する部材(例えば、剥離板)、又は、少なくとも1つの曲面を有する部材(例えば、剥離ピン)である。
剥離部15は、プラテンローラ10から前方FRに向かって搬送される印字媒体Pのうち、台紙PMを下方LO及び後方RRに折り返すことにより、印字が行われたラベルPLを台紙PMから剥離するように構成される。
【0026】
図2に示すように、閉鎖位置にあるプリンタカバー3と筐体8との間(つまり、フロントパネル2の上方UP)には、ラベル排出口2aが形成される。
フロントパネル2の下方LOには、台紙排出口2bが形成される。
【0027】
ラベル排出口2aは、剥離部15の前方FRに位置する。
ラベル排出口2aは、台紙PMから剥離されたラベルPLを排出するように構成される。
【0028】
台紙排出口2bは、ラベル排出口2aの下方LOに位置する。
台紙排出口2bは、ラベルPLが剥離された後の台紙PMを排出するように構成される。
【0029】
図2に示すように、タッチパネルディスプレイ4は、プリンタカバー3が閉鎖位置にある場合、プリンタカバー3の上面に位置する。
タッチパネルディスプレイ4は、所定の情報を表示するように構成される。所定の情報は、プリンタ1に関する情報と、操作キー画像と、を含む。ユーザが操作キー画像に触れると、プリンタ1のプロセッサは、当該操作キー画像に応じた指示を受け付ける。
タッチパネルディスプレイ4は、例えば、タッチセンサを有する液晶ディスプレイである。
【0030】
図3〜
図5に示すように、プリンタカバー3には、サーマルヘッド12と、第2補助ローラ14と、ヘッドブラケット20と、ヘッドカバー21と、コネクタユニット22(接続部の一例)と、一対のギア23と、が配置される。サーマルヘッド12と、第2補助ローラ14と、ヘッドブラケット20と、ヘッドカバー21と、コネクタユニット22と、一対のギア23とは、プリンタカバー3が閉鎖位置にある場合、プリンタカバー3の下面に位置する。
【0031】
図3及び
図4に示すように、ヘッドカバー21は、プリンタカバー3に軸支されている。ヘッドカバー21は、回動軸RS2を軸として、
図3の遮蔽位置(第1位置の一例)と
図4の非遮蔽位置(第2位置の一例)との間をプリンタカバー3に対して移動可能(つまり、回動可能)である。回動軸RS2は、回動軸RS1と平行である。
遮蔽位置に位置するヘッドカバー21は、サーマルヘッド12の一部を遮蔽する。この場合、サーマルヘッド12の一部、及び、コネクタユニット22(
図4)は、ヘッドカバー21に覆われるため、プリンタ1の外部から視認することはできない。
非遮蔽位置に位置するヘッドカバー21は、コネクタユニット22を開放する。具体的には、非遮蔽位置に位置するヘッドカバー21とプリンタカバー3との間には空間が形成される。コネクタユニット22は、この空間から露出する。コネクタユニット22の接続端子であるコネクタ部22a(後述)は、上方UPを向いている。この場合、サーマルヘッド12及びコネクタユニット22は、プリンタ1の外部から視認可能である。
【0032】
第2補助ローラ14は、プリンタカバー3に軸支されている。第2補助ローラ14は、幅方向(LH−RH方向)において、ヘッドカバー21の中央に位置する。幅方向(LH−RH方向)は、第2補助ローラ14の回転軸方向である。つまり、ヘッドカバー21は、プリンタカバー3が閉鎖位置にあるときに、第2補助ローラ14の回転軸方向(LH−RH方向)において、第2補助ローラ14の両側に延在している。
第2補助ローラ14は、第1補助ローラ13に従動回転することにより、印字媒体Pの搬送を補助するように構成される。
【0033】
図5に示すように、ヘッドブラケット20は、一対の凸部20aと、一対の突起20bと、ヘッドブラケット本体20dと、を有する。
【0034】
一対の凸部20aは、ヘッドブラケット本体20dから前方FRに突出している。
【0035】
ヘッドカバー21は、一対の係合部21aと、一対のギア21bと、ガイド面21cと、を有する。
【0036】
一対の係合部21aは、ヘッドカバー21の側端部に位置する。
一対の係合部21aは、一対の突起20bに係合することにより、ヘッドカバー21を遮蔽位置(
図3)にロックするように構成される。
ユーザがヘッドカバー21を回動させると、一対の係合部21aと一対の突起20bとの係合が解除される。
【0037】
図6A及び
図6Bに示すように、コネクタユニット22の前面には、コネクタ部22a(第2コネクタ部の一例)と、当接部22bと、複数の金属部材22cと、ガイド22dと、コネクタボード22eと、一対の係合孔22fと、が配置される。
【0038】
コネクタ部22aは、コネクタボード22eの前面に配置される。
【0039】
当接部22bは、コネクタボード22eの上端部から上方UPに突出している。当接部22bは、切欠き部22baを有する。切欠き部22baは、幅方向(LH−RH方向)において、コネクタユニット22の中央に位置する。
【0040】
複数の金属部材22cは、当接部22bの前面に配置される。
各金属部材22cは、アース線(不図示)に接続されている。
各金属部材22cは、例えば、金属製のバネである。
【0041】
ガイド22dは、コネクタ部22aの上方UPに位置する。ガイド22dは、幅方向(LH−RH方向)において、コネクタユニット22の中央に位置する。
ガイド22dの前面は、下端部が上端部より前方FRに位置する方向(つまり、前後方向(FR−RR方向)において、上方UPから下方LOに向かうにつれてコネクタ部22aに近づく方向)に、傾斜している。
【0042】
図5に示すように、一対のギア23は、一対の係合孔22f及び一対のギア21bと係合する。これにより、ヘッドカバー21の回動運動は、一対のギア23を介して、コネクタユニット22の上下方向(UP−LO方向)の運動に変換される。
つまり、一対のギア21b及び一対のギア23から構成されるギア機構は、コネクタユニット22とヘッドカバー21とに連結する移動機構である。この移動機構は、ヘッドカバー21の移動に応じてコネクタユニット22を移動させる(例えば、上下方向(UP−LO方向)にスライド移動させる)ことにより、サーマルヘッド12とコネクタユニット22とを着脱させるように構成される。
【0043】
サーマルヘッド12は、コネクタユニット22に対して着脱可能である。
図7Aに示すように、サーマルヘッド12の前面には、サーマルヘッド本体12aと、コネクタ部12b(第1コネクタ部の一例)と、複数の発熱素子12cと、が配置される。
図7Bに示すように、サーマルヘッド12の背面には、コネクタユニット規制部12d(接続位置規制部の一例)と、一対の凹部12eと、複数のアース部12fと、が配置される。
【0044】
コネクタ部12bは、サーマルヘッド本体12aから下方LOに突出している。コネクタ部12bは、幅方向(LH−RH方向)において、サーマルヘッド12の中央に位置する。
【0045】
複数の発熱素子12cは、コネクタ部12bの上方UPに位置する。複数の発熱素子12cは、サーマルヘッド12の幅方向(LH−RH方向)に沿って一直線に配列している。複数の発熱素子12cの配列方向を「印字ライン方向」という。
【0046】
一対の凹部12eは、幅方向(LH−RH方向)において、コネクタユニット規制部12dの両側に位置する。
【0047】
図7に示すように、各アース部12fは、上下方向(UP−LO方向)において、コネクタユニット規制部12dの上方UPに位置する。
【0048】
コネクタユニット22は、サーマルヘッド12に対して着脱可能である。コネクタユニット22は、サーマルヘッド12に取り付けられることにより、サーマルヘッド12と制御回路(不図示)とを接続するように構成される。
【0049】
搬送ガイド24は、収容部6の前方FR及びプラテンローラ10の後方RRに位置する。
搬送ガイド24は、ガイド面24aを有する。
【0050】
(3)サーマルヘッドとコネクタユニットとの着脱
本実施形態のサーマルヘッドとコネクタユニットとの着脱について説明する。
図8〜
図10は、本実施形態のサーマルヘッドとコネクタユニットとの着脱方法の説明図である。
【0051】
図8〜
図10は、開放位置(
図3)に位置するプリンタカバー3の要部の断面を示している。
【0052】
図8に示すように、プリンタカバー3が開放位置に位置し、かつ、ヘッドカバー21が非遮蔽位置に位置する場合、サーマルヘッド12は、開放される。このとき、サーマルヘッド12は、プリンタカバー3の前方(FR)から視認可能である。
【0053】
ユーザが、回動軸RS2を基準として、ヘッドカバー21を時計回り(
図8)に回動させると、ギア23は、回動軸RS3を基準として、反時計回り(
図8)に回動する。反時計回りに回動したギア23は、係合孔22fを上方UPに押すことにより、コネクタユニット22を上方UP(つまり、ヘッドブラケット20により保持されたサーマルヘッド12に近づく方向)に移動させる。
その結果、
図9に示すように、ヘッドカバー21が遮蔽位置に移動する。これにより、サーマルヘッド12とコネクタユニット22とが接続される。
【0054】
次に、ユーザが、回動軸RS1を基準として、プリンタカバー3を反時計周り(
図9)に回動させると、プリンタカバー3は、閉鎖位置(
図2)に移動する。
【0055】
ヘッドカバー21が遮蔽位置(
図9)にあるときに、ユーザが、回動軸RS2を基準として、ヘッドカバー21を反時計回り(
図10)に回動させると、ギア23は、回動軸RS3を基準として、時計回り(
図10)に回動する。時計回りに回動したギア23は、係合孔22fを下方LOに押すことにより、コネクタユニット22を下方LO(つまり、ヘッドブラケット20により保持されたサーマルヘッド12から離間する方向)に移動させる。
その結果、
図8に示すように、ヘッドカバー21が非遮蔽位置に移動する。これにより、サーマルヘッド12がコネクタユニット22から取り外される。
【0056】
(4)搬送経路
本実施形態の搬送経路について説明する。
図11は、本実施形態の搬送経路を示す概略図である。
【0057】
図11に示すように、プリンタカバー3が閉鎖位置に位置し、かつ、ヘッドカバー21が遮蔽位置に位置する場合、ガイド面21cは、プラテンローラ10、第1補助ローラ13、及び、ガイド面24aに対向する。
【0058】
印字媒体Pの搬送経路とは、収容部6と剥離部15との間の経路である。印字媒体Pの搬送経路は、ガイド面21c及び24aと、第1補助ローラ13と、第2補助ローラ14と、サーマルヘッド12と、プラテンローラ10と、を経由する。
ラベルPLの搬送経路とは、剥離部15とラベル排出口2aとの間の経路である。
台紙PMの搬送経路とは、剥離部15と台紙排出口2bとの間の経路である。台紙PMの搬送経路は、第1ニップローラ16と、第2ニップローラ17と、を経由する。
【0059】
収容部6には、ロール紙Rが収容されている。
【0060】
第1補助ローラ13及び第2補助ローラ14は、収容部6を基準として搬送方向下流側に位置する。第1補助ローラ13は、搬送経路の下方LOに位置する。第2補助ローラ14は、搬送経路の上方UPに位置する。つまり、プリンタカバー3が閉鎖位置(
図2)にあるときに、第1補助ローラ13及び第2補助ローラ14は、互いに対向する。
第1補助ローラ13は、ステッピングモータに接続されている。第1補助ローラ13は、ステッピングモータの制御に従って回転する。
第2補助ローラ14は、第1補助ローラ13に従動回転する。
第1補助ローラ13及び第2補助ローラ14は、印字媒体Pを挟持しながら回転することにより、印字媒体Pの搬送を補助するように構成される。
【0061】
プラテンローラ10及びサーマルヘッド12は、第1補助ローラ13及び第2補助ローラ14を基準として搬送方向下流側に位置する。プラテンローラ10は、搬送経路の下方LOに位置する。
サーマルヘッド12は、搬送経路の上方UPに位置する。つまり、プリンタカバー3が閉鎖位置(
図2)にあるときに、プラテンローラ10及びサーマルヘッド12は、互いに対向する。
【0062】
剥離部15は、プラテンローラ10及びサーマルヘッド12に対して搬送方向下流側に位置する。
剥離部15の上面と前面は、鋭角を形成する。
【0063】
第1ニップローラ16及び第2ニップローラ17は、剥離部15を基準として搬送方向下流側に位置する。第1ニップローラ16及び第2ニップローラ17は、互いに対向する。
第1ニップローラ16は、第2ニップローラ17に従動回転する。
第2ニップローラ17は、ステッピングモータに接続されている。第2ニップローラ17は、ステッピングモータの制御に従って回転する。
第1ニップローラ16及び第2ニップローラ17は、台紙PMを挟持しながら回転することにより、剥離部15から台紙排出口2bに向かって台紙PMを搬送するように構成される。幅方向(LH−RH方向)は、第1ニップローラ16及び第2ニップローラ17の回転軸方向である。
【0064】
プラテンローラ10がフォワード方向(
図8の反時計周り方向)に回転すると、収容部6から、帯状の印字媒体P(ラベルPL及び台紙PMの組合せ)が、収容部6を基準として搬送方向下流側に繰り出される。繰り出された印字媒体Pの下面は、台紙PMの非仮着面PMbである。繰り出された印字媒体Pの上面は、印字面PLaである。
【0065】
プラテンローラ10がフォワード方向に回転すると、第1補助ローラ13は、非仮着面PMbに当接しながら、
図8の反時計回り方向に回転し、かつ、第2補助ローラ14は、印字面PLaに当接しながら、
図8の時計回り方向に回転する。
【0066】
収容部6から繰り出された印字媒体Pは、印字面PLa(つまり、印字媒体Pの上面)をガイド面21c及び第2補助ローラ14に当接させ、かつ、非仮着面PMb(つまり、印字媒体Pの下面)をガイド面24a及び第1補助ローラ13に当接させながら、プラテンローラ10とサーマルヘッド12との間を通過する。
つまり、ヘッドカバー21及び搬送ガイド24は、それぞれ、プラテンローラ10によって搬送される印字媒体Pの上面及び下面を搬送経路に沿ってガイドするように構成される。
【0067】
制御回路には、ユーザの指示に応じて、印字面PLaに印字すべき情報(以下「印字情報」という)に対応する印字データが与えられる。制御回路は、印字データに基づいて、各発熱素子を発熱させる。
印字媒体Pがサーマルヘッド12とプラテンローラ10との間を通過するときに、発熱した発熱素子が印字面PLaに押し当てられる。発熱素子の熱により、印字面PLaの発熱層が発色する。その結果、印字面PLaに印字情報が印字される。
【0068】
ラベルPLは、剥離部15の前方端からラベル排出口2aに向かって搬送される。
台紙PMは、剥離部15の前面に沿って、下方LO及び後方RRに折り返された後、台紙排出口2bに向かって搬送される。
つまり、剥離部15は、ラベルPLに対して台紙PMを鋭角に折り返す。これにより、剥離部15において、ラベルPLが台紙PMから剥離される。
【0069】
台紙PMから剥離されたラベルPLは、ラベル排出口2aから排出される。
ラベルPLが剥離された後の台紙PM(つまり、剥離部15の前方端を通過した台紙PM)は、第1ニップローラ16及び第2ニップローラ17を経由して、台紙排出口2bから排出される。
【0070】
(5)実施形態の小括
本実施形態について小括する。
【0071】
図8〜
図10に示すように、ユーザがヘッドカバー21を移動させると、サーマルヘッド12側の接続端子であるコネクタ部12bと、プリンタ本体側の接続端子であるコネクタ部22aとが着脱する。つまり、ヘッドカバー21は、サーマルヘッド12を着脱させる操作部材として機能する。また、
図11に示すように、ヘッドカバー21は、プラテンローラ10によって搬送される印字媒体Pをガイドするように構成される。
これにより、収容部6とプラテンローラ10との間において、印字媒体Pをスムーズに搬送することができる。
【0072】
ヘッドカバー21は、サーマルヘッド12を着脱する機能と、サーマルヘッド12を遮蔽する機能と、印字媒体Pをガイドする機能と、を有する。したがって、印字媒体Pをガイドするための専用部品(例えば、ガイドローラ)は不要である。これにより、プリンタ1の製造コスト及びメンテナンスコストを低減することができる。
【0073】
図11に示すように、ヘッドカバー21は、印字面PLaをガイドする。つまり、ヘッドカバー21は、印字面PLaに当接する。
プラテンローラ10は、非仮着面PMb(つまり、印字媒体Pの面のうち印字面PLaと反対の面)に当接する。
これにより、印字媒体Pの搬送を安定させることができる。
【0074】
図11に示すように、第2補助ローラ14が、ヘッドカバー21と共に、印字面PLaに当接する。
これにより、印字媒体Pの搬送をより安定させることができる。
【0075】
図8〜
図10に示すように、ユーザは、サーマルヘッド12及びコネクタユニット22に触れることなく、サーマルヘッド12とコネクタユニット22とを着脱させることができる。これにより、サーマルヘッド12とコネクタユニット22との着脱が容易になる。
また、ユーザがサーマルヘッド12に触れると、サーマルヘッド12に汚れが付着することがある。この汚れは、サーマルヘッド12の誤作動の原因になる。本実施形態では、ユーザは、サーマルヘッド12をヘッドブラケット20に保持させた後は、サーマルヘッド12に触れない。したがって、サーマルヘッド12への汚れの付着を抑制することができる。
【0076】
図8〜
図10に示すように、プリンタカバー3が開放位置にあるときに、プリンタカバー3に軸支されたヘッドカバー21は、サーマルヘッド12の一部を遮蔽する遮蔽位置と、サーマルヘッド12を開放する非遮蔽位置との間を回動可能である。
【0077】
図11に示すように、搬送ガイド24は、プリンタカバー3が閉鎖位置にあるときに、遮蔽位置にあるヘッドカバー21に対向する。ヘッドカバー21は、印字面PLaをガイドする。搬送ガイド24は、非仮着面PMbをガイドする。
つまり、ヘッドカバー21及び搬送ガイド24は、それぞれ、搬送経路の上方UP及び下方LOから印字媒体Pに当接する。
これにより、印字媒体Pの搬送をより安定させることができる。
【0078】
(6)変形例
以下、本実施形態の変形例について説明する。
【0079】
(6−1)変形例1
変形例1について説明する。変形例1では、台紙PMを有していないラベルPLを印字媒体Pとして使用する場合の好適な例を示す。
【0080】
台紙PMを有していないラベルPLを印字媒体Pとして使用する場合、収容部6において、印字面PLaには、粘着面PLbに塗布された粘着剤が付着することがある。
【0081】
第1例として、ガイド面21cには、非粘着加工(例えば、テフロン(登録商標)加工)を施すことが好ましい。
これにより、印字面PLaに付着した粘着剤がガイド面21cに貼り付くことを防止することができる。
【0082】
第2例として、ガイド面21cは、リブを有することが好ましい。
この場合、印字面PLaとガイド面21cとの接触面積が低減する。これにより、印字面PLaに粘着剤が貼り付いたときの搬送への影響を低減することができる。
【0083】
(6−2)変形例2
変形例2について説明する。変形例2では、印字媒体の搬送を補助する補助ローラを含むプリンタの例を示す。
図12は、変形例2のプリンタカバーが開放位置にあり、かつ、ヘッドカバーが遮蔽位置にあるときのプリンタの斜視図である。
【0084】
図12に示すように、第2補助ローラ14は、幅方向(LH−RH方向)におけるガイド面21cの端部のうち片側(LH側)の端部において、ガイド面21cより前方FRに突出している。
換言すると、ガイド面21cは、幅方向(LH−RH方向)において、第2補助ローラ14の片側(RH側)に延在する。
【0085】
RH側の用紙ガイド7aは、幅方向(LH−RH方向)に移動可能である。LH側の用紙ガイド7bは、筐体8に固定されている。つまり、一対の用紙ガイド7a及び7bは、一方の用紙ガイド7aのみが移動可能である点において、
図3の用紙ガイド7a及び7bと異なる。これにより、ロール紙Rのサイズにかかわらず、ロール紙Rは、幅方向(LH−RH方向)において、収容部6の片側(LH側)の端部に保持される。
【0086】
上述のとおり、幅方向(LH−RH方向)におけるガイド面21cの片側(LH側)の端部に第2補助ローラ14を配置するので、収容部6においてロール紙Rを片側(LH側)に保持する場合にも、本実施形態を適用することができる。
【0087】
(6−3)変形例3
変形例3について説明する。変形例3では、ヘッドカバー21のサイズの好適な例を示す。
【0088】
図5のヘッドカバー21の回動軸RS2と、
図3のヘッドカバー21の上端部との間の長さは、長い方が好ましい。当該長さが長い程、ヘッドカバー21を回動させるために必要な力は小さくなる。
つまり、当該長さが長い程、サーマルヘッド12とコネクタユニット22を着脱させるためのユーザの操作負担を低減することができる。
【0089】
(6−4)変形例4
変形例4について説明する。変形例4では、一対のギア23の歯数に対する一対のギア21bの歯数の比(以下「ギア比」という)の好適な例を示す。
【0090】
一対のギア23に対する一対のギア21bのギア比は、大きい方が好ましい。
当該ギア比が大きいほど、サーマルヘッド12とコネクタユニット22を着脱させるために必要なヘッドカバー21の回動の量が少なくなる。また、当該ギア比が大きい程、ヘッドカバー21を回動させるために必要な力は小さくなる。
つまり、サーマルヘッド12とコネクタユニット22を着脱させるためのユーザの操作負担を低減することができる。
【0091】
(6−5)変形例5
変形例5について説明する。変形例5では、ヘッドカバー21とは異なる操作部材に対する操作に応じて、コネクタユニット22を移動させる。
【0092】
一例として、プリンタカバー3(
図3)は、レバー(操作部材の一例)を有する。
レバーは、一対のギアを備える。レバーの一対のギアは、一対のギア23(
図5)と係合する。これにより、レバーの回動運動は、一対のギア23を介して、コネクタユニット22の上下方向(UP−LO方向)の運動に変換される。
つまり、レバーの一対のギア及び一対のギア23から構成されるギア機構は、コネクタユニット22に連結する移動機構である。この移動機構は、レバーに対する回動操作に応じてコネクタユニット22を移動させるように構成される。
【0093】
変形例5では、ヘッドカバー21(
図3)は、省略可能である。
【0094】
(6−6)変形例6
変形例6について説明する。変形例6では、コネクタユニット22の代わりに、サーマルヘッド12を移動させることにより、サーマルヘッド12とコネクタユニット22とを着脱する。
【0095】
一例として、
図5のヘッドブラケット20には、一対の係合孔が配置される。ヘッドブラケット20は、サーマルヘッド12を保持する。
一対のギア23は、一対の係合孔22fではなく、ヘッドブラケット20の一対の係合孔と係合する。つまり、ヘッドカバー21は、一対のギア23を介して、ヘッドブラケット20により保持されたサーマルヘッド12と連結している。
ユーザが、
図11の回動軸RS2を軸として、ヘッドカバー21を時計回りに回動させると、ヘッドブラケット20は、ギア23の回動に応じて、サーマルヘッド12を保持したまま、下方LO(つまり、コネクタユニット22に近づく方向)に移動する。
【0096】
上述のように、変形例6では、移動機構は、ヘッドカバー21の移動に応じて、ヘッドブラケット20を移動させることにより、サーマルヘッド12とコネクタユニット22とが着脱する。
【0097】
(6−7)変形例7
変形例7について説明する。変形例7では、ヘッドカバーの回動に応じて、サーマルヘッドと接続可能な接続基板を移動させる例を示す。
図13は、本実施形態の変形例7の概略図である。
【0098】
図13に示すように、変形例7のサーマルヘッド12には、コネクタ部12g(第1コネクタ部の一例)が取り付けられている。
【0099】
接続基板25(接続部の一例)は、コネクタ部12gと接続可能である。接続基板25には、コネクタ部25a(第2コネクタ部の一例)が配置される。コネクタ部25aは、接続基板25から上方UPに突出している。
ヘッドカバー21の回動運動は、接続基板25は、例えば、
図5と同様の構造により、接続基板25の上下方向(UP−LO方向)の運動に変換される。
【0100】
ヘッドカバー21を回動させると、接続基板25が上下方向(UP−LO方向)に移動する。その結果、接続基板25とコネクタ部12gとが着脱する。
つまり、変形例7のヘッドカバー21は、接続基板25を移動させるように構成される。
【0101】
上述のように、変形例7では、ユーザがヘッドカバー21を移動させると、サーマルヘッド12側の接続端子であるコネクタ部12gと、プリンタ本体側の接続端子であるコネクタ部25aとが着脱する。つまり、ユーザは、サーマルヘッド12及び接続基板25に触れることなく、サーマルヘッド12と接続基板25とを着脱させることができる。これにより、サーマルヘッド12と接続基板25との着脱が容易になる。
【0102】
(7)その他の変形例
その他の変形例について説明する。
【0103】
上述の実施形態では、台紙PM及びラベルPLを有する印字媒体Pを例示したが、印字媒体Pはこれに限られるものではない。印字媒体Pは、例えば、台紙PMを有していないラベルPLであってもよい。
【0104】
上述の実施形態では、サーマルヘッド12が印字を行う例を示したが、印字を行う手段は、サーマルヘッド12に限られない。
本実施形態は、インクリボンを用いて印字を行う場合にも適用可能である。
【0105】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態および変形例は、組合せ可能である。