(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ユーザ端末は、前記端末要求通知部が前記待受要求を通知した後において、前記第2端末通信部と前記第2錠通信部とが接続された場合に、前記第2端末通信部を介して、前記解錠指示を前記錠開閉機器に通知する端末指示通知部をさらに備え、
前記錠開閉機器は、前記待受モードに切り替えられた前記第2錠通信部を介して前記ユーザ端末から前記解錠指示を受信した場合に、前記錠を解錠する錠制御部をさらに備える、
請求項1に記載の錠制御システム。
前記錠開閉機器は、前記ユーザ端末から前記解錠指示を受信した場合に、前記制御装置を介して前記ユーザ端末に解錠の承諾を要求する承諾要求を通知する錠通知部をさらに有し、
前記ユーザ端末は、解錠を承諾するための承諾操作を受け付ける操作受付部をさらに有し、
前記端末指示通知部は、前記操作受付部が前記承諾操作を受け付けた場合に、前記制御装置を介して解錠を承諾する承諾通知を前記錠開閉機器に通知し、
前記錠制御部は、前記ユーザ端末から前記承諾通知を受信した場合に、前記錠を解錠する、
請求項2に記載の錠制御システム。
錠を開閉する錠開閉機器と、前記錠に対応する鍵として機能するユーザ端末と、前記錠開閉機器を制御する制御装置とを備える錠制御システムにおける前記錠開閉機器を制御する錠制御方法であって、
前記ユーザ端末が、前記ユーザ端末の存在位置が所定のエリアに含まれる場合に、前記制御装置と通信する第1端末通信部を介して、前記ユーザ端末を使用するユーザを識別するためのユーザ識別情報を含み、前記錠開閉機器の通信状態を、前記第1端末通信部とは異なる通信回線で前記錠開閉機器と通信する第2端末通信部と通信可能な状態にさせる待受要求を前記制御装置に通知するステップと、
前記制御装置が、前記ユーザ端末から前記待受要求を受信した場合に、前記ユーザ端末と通信可能な状態への切り替えを指示する待受指示を、前記待受要求に含まれる前記ユーザ識別情報に関連付けて装置記憶部に記憶されている前記錠開閉機器を識別する錠識別情報が示す前記錠開閉機器に通知するステップと、
前記錠開閉機器が、前記制御装置と通信する第1錠通信部を介して前記制御装置から前記待受指示を受信した場合に、前記第1錠通信部とは異なる通信回線で前記ユーザ端末と通信する通信部であって、前記第1錠通信部より待受時の消費電力が大きい第2錠通信部を、前記ユーザ端末と通信不能な状態である休止モードから前記ユーザ端末と通信可能な状態である待受モードに切り替えるステップと、
前記ユーザ端末が、前記待受要求を通知した後において、前記第2端末通信部と前記第2錠通信部とが接続された場合に、前記第2端末通信部を介して、前記錠の解錠を指示する解錠指示を前記錠開閉機器に通知するステップと、
前記錠開閉機器が、前記待受モードに切り替えられた前記第2錠通信部を介して前記ユーザ端末から前記解錠指示を受信した場合に、前記錠を解錠するステップと、
を有する錠制御方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、錠開閉機器をはじめとするIoT機器においては、消費電力の省力化が要求されている。従来の錠開閉機器においては、ユーザ端末からのコマンド等による指示をいつでも受け取れるようにするため、錠開閉機器の通信モジュールが、常時、ユーザ端末と通信可能な状態になっていた。この場合、錠開閉機器の通信モジュールが電力を消費し続けるため、錠開閉機器の消費電力量が増大するという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、錠開閉機器の消費電力量を低減させることができる錠制御システム、錠制御方法及び錠制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る錠制御システムは、錠を開閉する錠開閉機器と、前記錠に対応する鍵として機能するユーザ端末と、前記錠開閉機器を制御する制御装置とを備える錠制御システムであって、前記ユーザ端末は、前記制御装置と通信する第1端末通信部と、前記第1端末通信部とは異なる通信回線で前記錠開閉機器と通信する第2端末通信部と、前記ユーザ端末の存在位置が所定のエリアに含まれる場合に、前記第1端末通信部を介して、前記ユーザ端末を使用するユーザを識別するためのユーザ識別情報を含み、前記錠開閉機器の通信状態を前記第2端末通信部と通信可能な状態にさせる待受要求を前記制御装置に通知する端末要求通知部と、を備え、前記制御装置は、前記ユーザ識別情報と、前記錠開閉機器を識別する錠識別情報とを関連付けて記憶する装置記憶部と、前記ユーザ端末から前記待受要求を受信した場合に、前記ユーザ端末と通信可能な状態への切り替えを指示する待受指示を、前記待受要求に含まれる前記ユーザ識別情報に関連付けて前記装置記憶部に記憶されている前記錠識別情報が示す前記錠開閉機器に通知する装置通知部と、を備え、前記錠開閉機器は、前記制御装置と通信する第1錠通信部と、前記第1錠通信部とは異なる通信回線で前記ユーザ端末と通信する通信部であって、前記第1錠通信部より待受時の消費電力が大きい第2錠通信部と、前記第1錠通信部を介して前記制御装置から前記待受指示を受信した場合に、前記第2錠通信部を、前記ユーザ端末による前記錠の解錠を指示する解錠指示が受信不能な状態である休止モードから前記ユーザ端末による前記解錠指示が受信可能な状態である待受モードに切り替えるモード切替部と、を備える。
【0007】
前記ユーザ端末は、前記端末要求通知部が前記待受要求を通知した後において、前記第2端末通信部と前記第2錠通信部とが接続された場合に、前記第2端末通信部を介して、前記解錠指示を前記錠開閉機器に通知する端末指示通知部をさらに備えてもよいし、前記錠開閉機器は、前記待受モードに切り替えられた前記第2錠通信部を介して前記ユーザ端末から前記解錠指示を受信した場合に、前記錠を解錠する錠制御部をさらに備えてもよい。
【0008】
前記錠開閉機器は、前記ユーザ端末から前記解錠指示を受信した場合に、前記制御装置を介して前記ユーザ端末に解錠の承諾を要求する承諾要求を通知する錠通知部をさらに有してもよいし、前記ユーザ端末は、解錠を承諾するための承諾操作を受け付ける操作受付部をさらに有してもよいし、前記端末指示通知部は、前記操作受付部が前記承諾操作を受け付けた場合に、前記制御装置を介して解錠を承諾する承諾通知を前記錠開閉機器に通知してもよいし、前記錠制御部は、前記ユーザ端末から前記承諾通知を受信した場合に、前記錠を解錠してもよい。
【0009】
前記モード切替部は、前記錠が施錠された場合に、前記第2錠通信部を前記休止モードに切り替えてもよい。
前記装置通知部は、前記ユーザが宅内にいることを条件として、前記ユーザ端末と通信不能な状態への切り替えを指示する休止指示を前記錠開閉機器に通知してもよいし、前記モード切替部は、前記第1錠通信部を介して前記制御装置から前記休止指示を受信した場合に、前記第2錠通信部を前記休止モードに切り替えてもよい。
【0010】
前記制御装置は、前記ユーザ端末の存在位置に基づいて、前記ユーザが宅内にいるか否かを判定する判定部をさらに有してもよいし、前記装置通知部は、前記ユーザが宅内にいると判定された場合に、前記錠開閉機器に休止モードへの切り替えを指示する休止指示を通知してもよい。
【0011】
前記錠制御システムは、前記ユーザの宅内に設置された中継機器をさらに有してもよいし、前記中継機器は、前記ユーザの宅内に設置された通信機器を管理してもよいし、前記判定部は、前記中継機器が管理する前記通信機器の利用有無に基づいて、前記ユーザが宅内にいるか否かを判定してもよい。
【0012】
本発明の第2の態様に係る錠制御方法は、錠を開閉する錠開閉機器と、前記錠に対応する鍵として機能するユーザ端末と、前記錠開閉機器を制御する制御装置とを備える錠制御システムにおける前記錠開閉機器を制御する錠制御方法であって、前記ユーザ端末が、前記ユーザ端末の存在位置が所定のエリアに含まれる場合に、前記制御装置と通信する第1端末通信部を介して、前記ユーザ端末を使用するユーザを識別するためのユーザ識別情報を含み、前記錠開閉機器の通信状態を、前記第1端末通信部とは異なる通信回線で前記錠開閉機器と通信する第2端末通信部と通信可能な状態にさせる待受要求を前記制御装置に通知するステップと、前記制御装置が、前記ユーザ端末から前記待受要求を受信した場合に、前記ユーザ端末と通信可能な状態への切り替えを指示する待受指示を、前記待受要求に含まれる前記ユーザ識別情報に関連付けて装置記憶部に記憶されている前記錠開閉機器を識別する錠識別情報が示す前記錠開閉機器に通知するステップと、前記錠開閉機器が、前記制御装置と通信する第1錠通信部を介して前記制御装置から前記待受指示を受信した場合に、前記第1錠通信部とは異なる通信回線で前記ユーザ端末と通信する通信部であって、前記第1錠通信部より待受時の消費電力が大きい第2錠通信部を、前記ユーザ端末と通信不能な状態である休止モードから前記ユーザ端末と通信可能な状態である待受モードに切り替えるステップと、前記ユーザ端末が、前記待受要求を通知した後において、前記第2端末通信部と前記第2錠通信部とが接続された場合に、前記第2端末通信部を介して、前記錠の解錠を指示する解錠指示を前記錠開閉機器に通知するステップと、前記錠開閉機器が、前記待受モードに切り替えられた前記第2錠通信部を介して前記ユーザ端末から前記解錠指示を受信した場合に、前記錠を解錠するステップと、を有する。
【0013】
本発明の第3の態様に係る錠制御プログラムは、コンピュータを、錠開閉機器が開閉する錠に対応する鍵として機能するユーザ端末の存在位置が所定のエリアに含まれる場合に、前記錠開閉機器を制御する制御装置と通信する第1端末通信部を介して、前記ユーザ端末を使用するユーザを識別するためのユーザ識別情報を含み、前記錠開閉機器の通信状態を、前記第1端末通信部とは異なる通信回線で前記錠開閉機器と通信する第2端末通信部と通信可能な状態にさせる待受要求を前記制御装置に通知する端末要求通知部、及び前記端末要求通知部が前記待受要求を通知した後において、前記第2端末通信部と前記錠開閉機器とが接続された場合に、前記第2端末通信部を介して、前記錠の解錠を指示する解錠指示を前記錠開閉機器に通知する端末指示通知部、として機能させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、錠開閉機器の消費電力量を低減させることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[錠制御システムSの概要]
図1は、錠制御システムSの概要を説明するための図である。錠制御システムSは、いわゆるスマートロックであり、ネットワークを介して錠を制御するためのシステムである。錠制御システムSは、錠開閉機器1と、ユーザ端末2と、中継機器3と、制御装置4とを有する。
【0017】
錠開閉機器1は、錠を開閉するIoT機器である。錠開閉機器1は、例えば、建具(例えば、ドア、窓、又は門等)に備えられた錠のサムターン部分に被せて取り付ける後付型の機器であり、図示しないアクチュエータ等の動力を用いて建具に備えられた錠の開閉動作を制御する。錠開閉機器1は、例えば、錠を含み、建具に備えられた錠と取り替える交換型の機器であってもよい。本明細書においては、錠開閉機器1が後付型の機器であるとして説明する。
【0018】
錠開閉機器1には、制御装置4と通信する第1通信モジュールと、第1通信モジュールとは異なる通信モジュールであって、ユーザ端末2と通信する第2通信モジュールとを有する。第1通信モジュールは、主にIoT機器に用いられる通信モジュールであり、第2通信モジュールより待受時の消費電力が小さい。一方、第2通信モジュールは、スマートフォン及びPC等の様々な端末に用いられる通信モジュールであり、第1通信モジュールより待受時の消費電力が大きい。錠開閉機器1には、錠に対応する鍵として設定されたユーザ端末2に関する情報が記憶されている。
【0019】
ユーザ端末2は、ユーザが使用する端末であり、例えばスマートフォンである。ユーザは、例えば、ユーザ端末2で用いられる携帯電話回線の契約者である。ユーザ端末2は、錠に対応する鍵として機能する。ユーザ端末2には、錠に対応する鍵として機能させるための専用のアプリケーションソフトウェア(以下、「専用アプリ」という。)がインストールされている。
【0020】
中継機器3は、ユーザの宅内に設置された機器であり、例えばホームゲートウェイである。中継機器3は、ユーザの宅内の内部ネットワーク(近距離無線通信網)と外部ネットワーク(広域網)との間における通信を中継することにより、錠開閉機器1と制御装置4との間における通信を中継する。中継機器3は、錠開閉機器1と、ユーザの宅内に設置された錠開閉機器1とは異なるIoT機器である通信機器とを管理する。通信機器は、例えば、ユーザの宅内にある電化製品(例えば、照明、エアコン及びテレビ等)の動作を制御する。
【0021】
制御装置4は、錠開閉機器1を制御する装置であり、例えばサーバである。制御装置4には、初期設定で登録される設定情報が記憶されている。設定情報は、ユーザ端末2に関する情報と、中継機器3に関する情報と、錠開閉機器1に関する情報とを含む。
【0022】
図1に示す例において、錠開閉機器1は、ドアDの錠に取り付けられており、第2通信モジュールがユーザ端末2と通信不能な状態になっている。また、ユーザは、屋外におり、ユーザ宅に向かっているとする。この場合において、ユーザ端末2を所持するユーザが所定のエリアに入ると、ユーザ端末2は、錠開閉機器1の通信状態をユーザ端末2と通信可能な状態にさせる待受要求を制御装置4に通知する(
図1の(1))。所定のエリアは、例えば、予め設定された領域であり、錠開閉機器1の存在位置を含む領域である。
【0023】
制御装置4は、ユーザ端末2から待受要求を受信すると、中継機器3を介して、ユーザ端末2と通信可能な状態への切り替えを指示する待受指示を錠開閉機器1に通知する(
図1の(2)、(3))。錠開閉機器1は、第1通信モジュールを介して制御装置4から待受指示を受信すると、第2通信モジュールをユーザ端末2と通信可能な状態に切り替える(
図1の(4))。
【0024】
その後、ユーザがドアDに接近すると、ユーザ端末2は、ドアDの錠の解錠を指示する解錠指示を錠開閉機器1に通知する(
図1の(5))。そして、錠開閉機器1は、ユーザ端末2と通信可能な状態である第2通信モジュールを介してユーザ端末2から解錠指示を受信すると、ドアDの錠を解錠する(
図1の(6))。
【0025】
このように、ユーザ端末2を所持するユーザの存在位置に応じて錠開閉機器1の第2通信モジュールの通信状態を制御することにより、錠制御システムSは、ユーザがドアDを開けない状況における第2通信モジュールの電力消費を抑えることができる。その結果、錠制御システムSは、錠開閉機器1の消費電力量を低減させることができる。
【0026】
また、錠開閉機器1の第2通信モジュールが、ユーザ端末2と通信可能な状態に切り替わった後に、ユーザ端末2を所持するユーザが錠開閉機器1に接近したことを条件としてドアDの錠を解錠することにより、錠制御システムSは、ユーザがドアDの近くにいないにも関わらず、ドアDの錠が解錠されてしまうことを防ぐことができる。その結果、錠制御システムSは、錠の動作の自動化に伴うセキュリティ上のリスクを低減することができる。
以下、錠開閉機器1、ユーザ端末2及び制御装置4の構成について説明する。
【0027】
[錠開閉機器1の構成]
まず、錠開閉機器1の構成について説明する。
図2は、錠開閉機器1の構成を示す図である。錠開閉機器1は、第1錠通信部11と、第2錠通信部12と、錠記憶部13と、制御部14とを有する。
【0028】
第1錠通信部11は、第2錠通信部12とは異なる通信回線で制御装置4と通信する通信部であって、第2錠通信部12より待受時の消費電力が小さい第1通信モジュールである。具体的には、第1錠通信部11は、第2錠通信部12とは異なる通信回線で中継機器3と通信することにより、中継機器3を介して制御装置4と通信する。第1錠通信部11は、例えば、Z−Wave(登録商標)用の通信モジュールである。
【0029】
第2錠通信部12は、第1錠通信部11とは異なる通信回線でユーザ端末2と通信する通信部であって、第1錠通信部11より待受時の消費電力が大きい第2通信モジュールである。第2錠通信部12は、例えば、Bluetooth(登録商標)用の通信モジュールである。
【0030】
第2錠通信部12は、通信モードに応じて動作する。通信モードには、休止モード及び待受モードがある。休止モードは、ユーザ端末2による錠の解錠を指示する解錠指示が受信不能な状態となる通信モードである。待受モードは、ユーザ端末2による解錠指示が受信可能な状態となる通信モードである。通常時においては、第2錠通信部12の通信モードが休止モードに設定されている。
【0031】
錠記憶部13は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等の記憶媒体である。錠記憶部13は、制御部14が実行するプログラムを記憶している。錠記憶部13には、鍵として設定されたユーザ端末2を識別する端末識別情報が記憶されている。端末識別情報は、例えば、ユーザ端末2にインストールされた専用アプリにおいて、当該ユーザ端末2を識別するために割り当てられたUUID(Universally Unique Identifier)である。
【0032】
制御部14は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部14は、錠記憶部13に記憶されているプログラムを実行することにより、錠開閉機器1に係る機能を制御する。制御部14は、プログラムを実行することにより、設定部141、モード切替部142、錠通知部143及び錠制御部144として機能する。
【0033】
設定部141は、ユーザ端末2を錠に対応する鍵として機能させるための初期設定を行う。例えば、ユーザが、ユーザ端末2にインストールされている専用アプリにおいて錠開閉機器1を登録する操作を行うと、中継機器3がペアリング可能な状態になる。錠開閉機器1には、中継機器3とペアリングするためのペアリングボタンが備えてあり、ユーザがペアリングボタンを押下することにより、錠開閉機器1と中継機器3とがペアリングされる。これにより、設定部141は、中継機器3を介して制御装置4から取得したユーザ端末2のUUIDを錠記憶部13に記憶させる。また、錠開閉機器1に関する情報(例えば錠開閉機器1を識別する錠識別情報)が中継機器3に記憶され、設定情報が制御装置4に記憶される。
【0034】
モード切替部142は、第2錠通信部12の通信モードを切り替えることにより、第2錠通信部12を制御する。モード切替部142は、第1錠通信部11を介して制御装置4から待受指示を受信した場合に、第2錠通信部12の通信モードを、休止モードから待受モードに切り替える。
【0035】
モード切替部142は、錠開閉機器1が取り付けられた建具の錠が施錠された場合に、第2錠通信部12の通信モードを待受モードから休止モードに切り替える。具体的には、モード切替部142は、建具の錠が解錠された後に建具の錠が施錠された場合に、第2錠通信部12を休止モードに切り替える。モード切替部142は、例えば、錠制御部144が建具の錠を施錠した場合、又はユーザが手動で建具の錠を施錠した場合に、第2錠通信部12を休止モードに切り替える。
【0036】
モード切替部142は、制御装置4からの指示に基づいて、第2錠通信部12の通信モードを待受モードから休止モードに切り替えてもよい。具体的には、モード切替部142は、第1錠通信部11を介して制御装置4から、ユーザ端末2と通信不能な状態への切り替えを指示する休止指示を受信した場合に、第2錠通信部12を休止モードに切り替えてもよい。
【0037】
錠制御部144は、錠開閉機器1が取り付けられた建具の錠を制御する。錠制御部144は、ユーザ端末2が錠開閉機器1に接近した場合に、建具の錠を解錠する。具体的には、錠制御部144は、通信モードが待受モードに切り替えられた第2錠通信部12を介してユーザ端末2から解錠指示を受信した場合に、建具の錠を解錠する。より具体的には、錠制御部144は、UUIDを含む解除指示をユーザ端末2から受信すると、当該UUIDが錠開閉機器として錠記憶部13に記憶されている場合に、建具の錠を解錠する。
【0038】
錠制御部144は、ユーザがユーザ端末2において錠の解錠を承諾する操作を行った場合に、建具の錠を解錠してもよい。具体的には、まず、錠通知部143は、ユーザ端末2から解錠指示を受信した場合に、制御装置4を介してユーザ端末2に解錠の承諾を要求する承諾要求を通知する。そして、錠制御部は、錠通知部143が承諾要求を通知した後にユーザ端末2から錠の解錠を承諾する承諾通知を受信した場合に、建具の錠を解錠する。
【0039】
錠制御部144は、建具の錠を解錠した後に、錠を解錠したことを示す情報を制御装置4に通知することにより、制御装置4に錠開閉機器1の動作の履歴を記憶させてもよい。錠制御部144は、開けられた建具が閉じられた場合に、錠を施錠してもよい。
【0040】
[ユーザ端末2の構成]
続いて、ユーザ端末2の構成について説明する。
図3は、ユーザ端末2の構成を示す図である。ユーザ端末2は、表示部21と、操作部22と、位置情報取得部23と、第1端末通信部24と、第2端末通信部25と、端末記憶部26と、制御部27とを有する。
【0041】
表示部21は、専用アプリの画面を表示するディスプレイである。操作部22は、ユーザの操作を受け付ける入力デバイスである。操作部22は、例えば、表示部21に重ねて設けられたタッチパネルである。位置情報取得部23は、GPS(Global Positioning System)受信機である。位置情報取得部23は、所定の間隔でGPS衛星からユーザ端末2の存在位置を示す位置情報を受信する。
【0042】
第1端末通信部24は、第2端末通信部25とは異なる通信回線で制御装置4と通信する通信モジュールである。第1端末通信部24は、例えば、LTE(Long Term Evolution)用の通信モジュールである。第2端末通信部25は、第1端末通信部24とは異なる通信回線で錠開閉機器1と通信する通信モジュールである。第2端末通信部25は、例えば、Bluetooth用の通信モジュールである。
【0043】
端末記憶部26は、ROM、RAM及びハードディスク等の記憶媒体である。端末記憶部26は、制御部27が実行するOS(Operating System)及び専用アプリ等のプログラムを記憶している。
【0044】
制御部27は、例えばCPUである。制御部27は、端末記憶部26に記憶されているプログラムを実行することにより、ユーザ端末2に係る機能を制御する。制御部27は、プログラムを実行することにより、表示制御部271、操作受付部272、端末要求通知部273及び端末指示通知部274として機能する。
【0045】
表示制御部271は、専用アプリの画面を表示部21に表示させる。操作受付部272は、操作部22を介してユーザの操作を受け付ける。
【0046】
端末要求通知部273は、第1端末通信部24を介して、錠開閉機器1の通信状態を第2端末通信部25と通信可能な状態にさせる待受要求を制御装置4に通知することにより、錠開閉機器1の第2錠通信部12の通信モードを待受モードに切り替えさせる。具体的には、端末要求通知部273は、位置情報取得部23によって取得された位置情報が示すユーザ端末2の存在位置が所定のエリアに含まれる場合に、第1端末通信部24を介して、ユーザ端末2を使用するユーザを識別するためのユーザ識別情報を含む待受要求を制御装置4に通知する。
【0047】
例えば、OSには、ユーザ端末2が所定のエリアに入ると専用アプリを起動する設定がされており、位置情報取得部23によって取得された位置情報が示すユーザ端末2の存在位置が所定のエリアに含まれると、OSが専用アプリを起動させる。そして、専用アプリが起動すると、端末要求通知部273は、第1端末通信部24を介して、ユーザ識別情報を含む待受要求を制御装置4に通知する。また、例えば、専用アプリが常時起動しており、端末要求通知部273は、位置情報取得部23によって取得された位置情報が示すユーザ端末2の存在位置が所定のエリアに含まれる場合に、第1端末通信部24を介して、ユーザ識別情報を含む待受要求を制御装置4に通知してもよい。
【0048】
端末指示通知部274は、端末要求通知部273が待受要求を通知した後に、ユーザ端末2を所持するユーザが錠開閉機器1に接近すると、第2端末通信部25を介して、解錠指示を錠開閉機器1に通知することにより、錠開閉機器1に建具の錠を解錠させる。具体的には、端末指示通知部274は、端末要求通知部273が待受要求を通知した後において、ユーザ端末2の第2端末通信部25と錠開閉機器1の第2錠通信部12とが接続された場合に、第2端末通信部25を介して、UUIDを含む解錠指示を錠開閉機器1に通知する。
【0049】
なお、端末指示通知部274は、制御装置4を介して、解錠指示を錠開閉機器1に通知してもよい。この場合、端末指示通知部274は、端末要求通知部273が待受要求を通知した後、すなわち、ユーザ端末2を所持するユーザが所定のエリア内にいることを条件として、制御装置4を介して、解錠指示を錠開閉機器1に通知してもよい。端末指示通知部274は、例えば、端末要求通知部273が待受要求を通知した後において、ユーザ端末2の第2端末通信部25が錠開閉機器1の第2錠通信部12の電波を受信した場合に、第1端末通信部24を介して、UUIDを含む解錠指示を制御装置4に通知することにより、解錠指示を錠開閉機器1に通知してもよい。
【0050】
図4は、待受要求及び解錠指示が通知されるタイミングを説明するための図である。
図4に示す位置P1は、ユーザ端末2を所持するユーザの存在位置であり、ユーザが道路を矢印の方向に移動しているとする。位置P2は、錠開閉機器1の存在位置である。領域R1は、予め設定された領域であり、領域R2より領域が広い。領域R2は、錠開閉機器1の第2錠通信部12が発信した電波が届く領域、すなわち錠開閉機器1の第2錠通信部12と接続可能な領域であり、領域R1より領域が狭い。
【0051】
この場合において、位置P1に存在するユーザ端末2を所持するユーザが、領域R1外から領域R1内に移動すると、端末要求通知部273は、第1端末通信部24を介して、ユーザ識別情報を含む待受要求を制御装置4に通知する。これにより、錠開閉機器1の第2錠通信部12の通信モードが待受モードに切り替わり、ユーザ端末2と通信可能な状態になる。なお、位置P1に存在するユーザ端末2を所持するユーザが、領域R1内から領域R1外に移動した場合に、端末要求通知部273は、第1端末通信部24を介して、ユーザ識別情報を含み、錠開閉機器1の通信状態を第2端末通信部25と通信不能な状態にさせる休止要求を制御装置4に通知することにより、錠開閉機器1の第2錠通信部12の通信モードを休止モードに切り替えさせてもよい。
【0052】
その後、位置P1に存在するユーザ端末2を所持するユーザが、領域R2外から領域R2内に入ると、ユーザ端末2の第2端末通信部25と錠開閉機器1の第2錠通信部12とが接続され、端末指示通知部274は、第2端末通信部25を介して、解錠指示を錠開閉機器1に通知する。これにより、錠開閉機器1が錠を解錠し、錠が取り付けられた建具が開閉可能な状態になる。このようにすることで、錠制御システムSは、ユーザがユーザ端末2を所持して錠開閉機器1に接近すると、自動的に建具の錠を解錠させることができる。
【0053】
なお、ユーザ端末2は、ユーザが錠を解錠する操作をしたことを条件として、錠開閉機器1に建具の錠を解錠させてもよい。具体的には、まず、操作受付部272は、解錠を承諾するための承諾操作を受け付ける。そして、端末指示通知部274は、操作受付部272が承諾操作を受け付けた場合に、制御装置4を介して解錠を承諾する承諾通知を錠開閉機器1に通知してもよい。
【0054】
図5は、専用アプリの画面の一例を示す図である。例えば、表示制御部271は、制御装置4を介して錠開閉機器1から承諾要求を受信すると、
図5に示す画面を表示部21に表示させる。ユーザが、表示部21に表示された画面で解錠を承諾することを示す「はい」をタッチすると、操作受付部272は、解錠を承諾するための承諾操作を受け付ける。そして、端末指示通知部274は、操作受付部272が承諾操作を受け付けたことを契機として、制御装置4を介して承諾通知を錠開閉機器1に通知することにより、錠開閉機器1に建具の錠を解錠させる。このようにすることで、ユーザは、任意のタイミングで建具の錠を解錠させることができる。
【0055】
[制御装置4の構成]
続いて、制御装置4の構成について説明する。
図6は、制御装置4の構成を示す図である。制御装置4は、装置通信部41と、装置記憶部42と、制御部43とを有する。
【0056】
装置通信部41は、ユーザ端末2と、中継機器3を介して錠開閉機器1と通信する通信モジュールである。装置記憶部42は、ROM、RAM及びハードディスク等の記憶媒体である。装置記憶部42は、制御部43が実行するプログラムを記憶している。装置記憶部42には、設定情報を記憶する設定情報管理データベースが記憶されている。
【0057】
図7は、設定情報管理データベースの構成を示す図である。
図7に示すように、設定情報管理データベースは、設定情報として、ユーザ端末2を使用するユーザに対応するユーザ識別情報と、中継機器3を識別する機器識別情報と、錠開閉機器1を識別する錠識別情報とを関連付けて記憶している。
【0058】
図6に戻り、制御部43は、例えばCPUである。制御部43は、装置記憶部42に記憶されているプログラムを実行することにより、制御装置4に係る機能を制御する。制御部43は、プログラムを実行することにより、取得部431、判定部432及び装置通知部433として機能する。
【0059】
装置通知部433は、装置通信部41を介して、ユーザ端末2から待受要求を受信すると、ユーザ端末2を使用するユーザに関連付けられている錠開閉機器1に待受指示を通知することにより、錠開閉機器1の第2錠通信部12の通信モードを待受モードに切り替えさせる。具体的には、装置通知部433は、ユーザ端末2から待受要求を受信した場合に、ユーザ端末2と通信可能な状態への切り替えを指示する待受指示を、受信した待受要求に含まれるユーザ識別情報に関連付けて設定情報管理データベースに記憶されている錠識別情報が示す錠開閉機器1に通知する。
【0060】
より具体的には、装置通知部433は、ユーザ端末2から待受要求を受信した場合に、当該待受要求に含まれるユーザ識別情報に関連付けて設定情報管理データベースに記憶されている錠識別情報を含む待受指示を、当該ユーザ識別情報に関連付けて設定情報管理データベースに記憶されている機器識別情報が示す中継機器3に通知する。
【0061】
装置通知部433は、錠開閉機器1の第2錠通信部12の通信モードを待受モードに切り替えさせた後に、ユーザが宅内に入った場合に、錠開閉機器1の第2錠通信部12の通信モードを休止モードに切り替えさせてもよい。具体的には、装置通知部433は、ユーザが宅内にいることを条件として、ユーザ端末2と通信不能な状態への切り替えを指示する休止指示を錠開閉機器1に通知してもよい。
【0062】
より具体的には、まず、取得部431は、ユーザ端末2の存在位置を示す位置情報をユーザ端末2から取得する。判定部432は、取得部431が取得した位置情報が示すユーザ端末2の存在位置に基づいて、ユーザが宅内にいるか否かを判定する。判定部432は、例えば、ユーザ端末2の存在位置が錠開閉機器1を含む宅内領域(例えば、錠開閉機器1から半径10メートル以内等)に含まれているか否かに基づいて、ユーザが宅内にいるか否かを判定する。そして、装置通知部433は、判定部432によってユーザが宅内にいると判定された場合に、錠開閉機器1に休止モードへの切り替えを指示する休止指示を通知する。このようにすることで、制御装置4は、錠開閉機器1の消費電力量を低減させることができる。
【0063】
ところで、位置情報では、ユーザが宅内にいるか否かを判断することができない場合がある。例えば、ユーザ宅がマンションをはじめとする集合住宅の住戸である場合において、集合住宅の建物の入り口からユーザ宅までの経路が屋内である場合、GPSの精度が悪くなり、ユーザが宅内にいるか否かを判断することが難しくなる。そこで、判定部432は、ユーザの宅内に設置された通信機器の利用有無に基づいて、ユーザが宅内にいるか否かを判定してもよい。
【0064】
具体的には、まず、取得部431は、錠開閉機器1によって錠が解錠された後に、中継機器3が管理する通信機器の利用有無を示す利用情報を中継機器3から取得する。そして、判定部432は、利用情報が示す通信機器の利用有無に基づいて、ユーザが宅内にいるか否かを判定する。判定部432は、例えば、中継機器3から取得した利用情報が、通信機器によって制御されているリビング等の照明がついたこと、又は通信機器によって制御されているエアコンがついたことを示す場合に、ユーザが宅内にいると判定する。
【0065】
利用情報は、内部ネットワークの利用状況を示す情報であってもよい。判定部432は、例えば、中継機器3から取得した利用情報が、ユーザ端末2が内部ネットワークに接続していることを示す場合に、ユーザが宅内にいると判定してもよい。また、判定部432は、例えば、中継機器3から取得した利用情報が、ユーザ端末2と中継機器3とがペアリングされていることを示す場合に、ユーザが宅内にいると判定してもよい。このようにすることで、制御装置4は、錠開閉機器1の消費電力量を低減させることができる。
【0066】
また、装置通知部433は、ユーザの宅内において所定の機能が利用された場合に、錠開閉機器1に建具の錠を施錠させてもよい。この場合、制御装置4には、建具の錠を施錠させる条件を示す条件情報が設定されている。条件情報は、例えば、ユーザによって予め設定された情報であり、風呂場の照明がつけられた場合、又は寝室の照明が消された場合等である。具体的には、装置通知部433は、取得部431が取得した利用情報が示す通信機器の利用有無が、条件情報が示す条件を満たす場合に、錠開閉機器1に建具の錠を施錠させてもよい。
【0067】
[錠制御システムSの処理]
続いて、錠制御システムSの処理の流れについて説明する。
図8は、錠制御システムSの処理の流れを示すシーケンス図である。本処理は、ユーザ端末2のOSが、所定の間隔で取得された位置情報が示すユーザ端末2の存在位置が所定のエリアに含まれたことによって専用アプリを起動したことを契機として開始する(S1)。専用アプリが起動すると、ユーザ端末2の端末要求通知部273は、第1端末通信部24を介して、ユーザ識別情報を含む待受要求を制御装置4に通知する(S2)。
【0068】
制御装置4の装置通知部433は、ユーザ端末2から待受要求を受信すると、待受指示を、受信した待受要求に含まれるユーザ識別情報に関連付けて設定情報管理データベースに記憶されている錠識別情報が示す錠開閉機器1に中継機器3を介して通知する(S3)。錠開閉機器1のモード切替部142は、第1錠通信部11を介して制御装置4から待受指示を受信すると、第2錠通信部12の通信モードを、休止モードから待受モードに切り替える(S4)。
【0069】
ユーザ端末2の端末要求通知部273が待受要求を通知した後、すなわち錠開閉機器1の第2錠通信部12の通信モードが待受モードに切り替わった後に、ユーザ端末2の端末指示通知部274は、ユーザ端末2の第2端末通信部25と錠開閉機器1の第2錠通信部12とが接続されたか否かを判定する(S5)。
【0070】
端末指示通知部274は、ユーザ端末2の第2端末通信部25と錠開閉機器1の第2錠通信部12とが接続されていないと判定した場合(S5においてNOの場合)、処理をS5に戻す。一方、端末指示通知部274は、ユーザ端末2の第2端末通信部25と錠開閉機器1の第2錠通信部12とが接続されたと判定した場合(S5においてYESの場合)、第2端末通信部25を介して、UUIDを含む解錠指示を錠開閉機器1に通知する(S6)。
【0071】
錠開閉機器1の錠制御部144は、UUIDを含む解除指示をユーザ端末2から受信すると、当該UUIDが鍵として錠記憶部13に記憶されているか否かを判定する(S7)。錠制御部144は、受信した解除指示に含まれるUUIDが鍵として錠記憶部13に記憶されていないと判定した場合(S7においてNOの場合)、建具の錠を解錠せずに、処理を終了する。この場合、錠制御部144は、ユーザ端末2に鍵として設定されていない旨のメッセージを通知してもよい。
【0072】
一方、錠制御部144は、受信した解除指示に含まれるUUIDが鍵として錠記憶部13に記憶されていると判定した場合(S7においてYESの場合)、建具の錠を解錠する(S8)。
【0073】
[変形例]
上記において、錠制御システムSが、中継機器3を有し、錠開閉機器1と制御装置4との間における通信を中継する例を説明したが、これに限らない。例えば、錠開閉機器1と制御装置4とが直接通信してもよい。この場合、錠開閉機器1の第1錠通信部11は、例えば、第5世代移動通信システム(5G:5th Generation)用の通信モジュールであってもよい。
【0074】
[本実施の形態における効果]
以上説明したとおり、錠制御システムSは、ユーザ端末2の存在位置が所定のエリアに含まれる場合に、錠開閉機器1の第2錠通信部12の通信モードを、休止モードから待受モードに切り替えて、錠開閉機器1とユーザ端末2とが通信可能な状態にする。そして、錠制御システムSは、錠開閉機器1の第2錠通信部12とユーザ端末2の第2端末通信部25とが接続された場合に、錠開閉機器1が取り付けられた建具の錠を解錠する。このように、ユーザ端末2を所持するユーザの存在位置に応じて錠開閉機器1の第2錠通信部12の通信状態を制御することにより、錠制御システムSは、ユーザが建具を開けない状況における第2錠通信部12の電力消費を抑えることができる。その結果、錠制御システムSは、錠開閉機器1の消費電力量を低減させることができる。
【0075】
また、錠開閉機器1の第2錠通信部12が、ユーザ端末2と通信可能な状態に切り替わった後に、ユーザ端末2を所持するユーザが錠開閉機器1に接近したことを条件として、建具の錠を解錠することにより、錠制御システムSは、ユーザが建具の近くにいないにも関わらず、建具の錠が解錠されてしまうことを防ぐことができる。その結果、錠制御システムSは、錠の動作の自動化に伴うセキュリティ上のリスクを低減することができる。
【0076】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。