特許第6845904号(P6845904)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6845904
(24)【登録日】2021年3月2日
(45)【発行日】2021年3月24日
(54)【発明の名称】表面音波装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H03H 9/25 20060101AFI20210315BHJP
   H03H 3/08 20060101ALI20210315BHJP
【FI】
   H03H9/25 A
   H03H3/08
【請求項の数】15
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-176196(P2019-176196)
(22)【出願日】2019年9月26日
(65)【公開番号】特開2021-16144(P2021-16144A)
(43)【公開日】2021年2月12日
【審査請求日】2019年10月4日
(31)【優先権主張番号】108124391
(32)【優先日】2019年7月10日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】311005208
【氏名又は名称】▲き▼邦科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】施 政宏
(72)【発明者】
【氏名】林 政帆
【審査官】 石田 昌敏
(56)【参考文献】
【文献】 再公表特許第2012/144370(JP,A1)
【文献】 特開2015−012428(JP,A)
【文献】 再公表特許第2016/185866(JP,A1)
【文献】 特開2014−007722(JP,A)
【文献】 特開2013−239753(JP,A)
【文献】 特開2008−130932(JP,A)
【文献】 特開平10−209164(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03H 3/007−3/10
H03H 9/25− 9/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電基板と、支持層と、シールド層と、柱状バンプとを備える表面音波装置であって、
前記圧電基板は、底板と、接続パッドと、電極ユニットと、を有し、前記接続パッド及び前記電極ユニットは前記底板に設置され、前記接続パッドは前記電極ユニットに電気的に接続され、
前記支持層は前記圧電基板に設置されると共に前記電極ユニットを包囲し、下部成形穴及び孔部が前記支持層上に形成され、前記下部成形穴は前記孔部の外側に位置され、前記下部成形穴からは前記接続パッドが露出され、前記孔部は前記電極ユニットの上方に位置され、
前記シールド層は、前記支持層に設置されると共に前記孔部を覆い、上部成形穴が形成され、前記上部成形穴は前記下部成形穴の上方に位置されると共に前記下部成形穴に連通され、前記上部成形穴は第一上部開口と、第一下部開口と、第一側開口部と、を有し、前記第一上部開口は前記シールド層の上面に位置され、前記第一下部開口は前記シールド層の下面に位置され、前記第一側開口部は前記シールド層の側面に位置され、前記第一側開口部の両端は前記第一上部開口及び前記第一下部開口にそれぞれ連接され、
前記柱状バンプは、前記支持層及び前記シールド層に接するように前記下部成形穴及び前記上部成形穴に形成され、前記接続パッドに連結され、前記シールド層に位置される前記柱状バンプは第一部及び第二部を有し、前記第一部は前記上部成形穴内に位置され、前記第二部は前記上部成形穴の前記第一側開口部から前記シールド層の前記側面に突出することを特徴とする表面音波装置。
【請求項2】
前記支持層に位置される前記柱状バンプは第三部及び第四部を有し、前記第三部は前記第一部に連接され、前記第四部は前記第二部に連接され、前記第三部及び前記第四部は前記下部成形穴内に各位置されることを特徴とする請求項1に記載の表面音波装置。
【請求項3】
前記下部成形穴は第二上部開口と、第二下部開口と、第二側開口部と、を有し、前記第二上部開口は前記支持層の上面に位置され、前記第二下部開口は前記支持層の下面に位置され、前記第二側開口部は前記支持層の側面に位置され、且つ前記第二側開口部の両端は前記第二上部開口及び前記第二下部開口にそれぞれ連接されることを特徴とする請求項1に記載の表面音波装置。
【請求項4】
前記支持層に位置される前記柱状バンプは第三部及び第四部を有し、前記第三部は前記第一部に連接されると共に前記下部成形穴内に位置され、前記第四部は前記第二部に連接されると共に前記下部成形穴の前記第二側開口部から前記支持層の前記側面に突出することを特徴とする請求項3に記載の表面音波装置。
【請求項5】
前記柱状バンプは、前記柱状バンプの頂面に設置される接合部材を更に備え、前記接合部材は前記柱状バンプを介して前記接続パッドに電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の表面音波装置。
【請求項6】
前記圧電基板は、前記電極ユニットを被覆すると共に前記接続パッドを露出させる保護層を更に有することを特徴とする請求項1に記載の表面音波装置。
【請求項7】
前記支持層の高さは前記電極ユニットの高さより高いことを特徴とする請求項1に記載の表面音波装置。
【請求項8】
底板と接続パッドと電極ユニットとを有する圧電基板と、支持層と、シールド層と、柱状バンプとを備える表面音波装置の製造方法であって、
前記接続パッド及び前記電極ユニットが前記底板に設置され、且つ前記接続パッドは前記電極ユニットに電気的に接続される圧電基板提供工程と、
前記圧電基板に前記支持層が形成される支持層形成工程と、
下部成形穴及び孔部が前記支持層上に形成され、前記下部成形穴が前記孔部の外側に位置されると共に前記接続パッドが露出され、前記孔部が前記電極ユニットの上方に位置されて前記支持層が前記電極ユニットを包囲するように前記支持層をパターン化する支持層パターン化工程と、
前記支持層上に前記孔部を被覆するように前記シールド層が形成されるシールド層形成工程と、
上部成形穴が前記シールド層上に形成され、前記上部成形穴が前記下部成形穴の上方に位置されると共に前記下部成形穴に連通されて、前記上部成形穴が第一上部開口と第一下部開口と第一側開口部とを有し、前記第一上部開口が前記シールド層の上面に位置し、前記第一下部開口が前記シールド層の下面に位置し、前記第一側開口部が前記シールド層の側面に位置し、前記第一側開口部の両端が前記第一上部開口及び前記第一下部開口にそれぞれ連接するようにされるシールド層パターン化工程と、
前記シールド層にフォトレジスト層が形成されるフォトレジスト層形成工程と、
開口部が前記フォトレジスト層上に形成され、前記開口部が前記上部成形穴に連通されるフォトレジスト層パターン化工程と、
前記柱状バンプが前記下部成形穴及び前記上部成形穴に形成されると共に前記接続パッドに連結されて前記支持層及び前記シールド層に接するように設置される柱状バンプ成形工程と、
前記フォトレジスト層を除去するフォトレジスト層除去工程とを含み、
前記シールド層に位置される前記柱状バンプは第一部及び第二部を有し、前記第一部は前記上部成形穴内に位置され、前記第二部は前記上部成形穴の前記第一側開口部から前記シールド層の前記側面に突出するようにされることを特徴とする表面音波装置の製造方法。
【請求項9】
前記支持層に位置される前記柱状バンプは第三部及び第四部を有し、前記第三部は前記第一部に連接され、前記第四部は前記第二部に連接され、前記第三部及び前記第四部は前記下部成形穴内に位置されることを特徴とする請求項8に記載の表面音波装置の製造方法。
【請求項10】
前記下部成形穴は第二上部開口と、第二下部開口と、第二側開口部とを有し、前記第二上部開口は前記支持層の上面に位置され、前記第二下部開口は前記支持層の下面に位置され、前記第二側開口部は前記支持層の側面に位置され、前記第二側開口部の両端は前記第二上部開口及び前記第二下部開口にそれぞれ連接されることを特徴とする請求項8に記載の表面音波装置の製造方法。
【請求項11】
前記支持層に位置される前記柱状バンプは第三部及び第四部を有し、前記第三部は前記第一部に連接されると共に前記下部成形穴内に位置され、前記第四部は前記第二部に連接されると共に前記下部成形穴の前記第二側開口部から前記支持層の前記側面に突出するようにされることを特徴とする請求項10に記載の表面音波装置の製造方法。
【請求項12】
前記柱状バンプが形成された後、前記柱状バンプの頂面に接合部材が形成され、前記接合部材は前記柱状バンプを介して前記接続パッドに電気的に接続されることを特徴とする請求項8に記載の表面音波装置の製造方法。
【請求項13】
前記フォトレジスト層が除去された後、前記接合部材がリフローはんだ付けされることを特徴とする請求項12に記載の表面音波装置の製造方法。
【請求項14】
前記圧電基板は、前記電極ユニットを被覆すると共に前記接続パッドを露出させる保護層を更に有することを特徴とする請求項8に記載の表面音波装置の製造方法。
【請求項15】
前記支持層の高さは前記電極ユニットの高さより高いことを特徴とする請求項8に記載の表面音波装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面音波装置に関し、より詳しくは、周波数応答性能を高める表面音波装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図21は従来の表面音波装置200を示す断面図である。圧電基板210と、壁部220と、カバー230と、バンプ240と、接合部材250とを備え、前記圧電基板210は底板211と、接続パッド212と、インターデジタルトランスデューサー(Interdigital Transducer、IDT)213と、を有する。前記接続パッド212及び前記インターデジタルトランスデューサー213は前記底板211の表面に設置され、前記壁部220は前記インターデジタルトランスデューサー213を包囲し、前記カバー230は前記壁部220を被覆し、前記インターデジタルトランスデューサー213は前記カバー230と前記圧電基板210との間のスペースに位置される。前記バンプ240は前記壁部220及び前記カバー230を貫通するスルーホール中に設置され、且つ前記接合部材250は前記バンプ240を介して前記接続パッド212に電気的に接続される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記バンプ240は前記壁部220及び前記カバー230内部のスルーホール中に設置されるため、前記表面音波素子200がパッケージングされた後の全体的な面積は、前記インターデジタルトランスデューサー213を収容するスペースの面積よりも明らかに大きくなって浮遊容量が発生しやすくなり、これが表面音波素子の性能に影響を及ぼすという課題があった。
【0004】
また、表面音波素子の表面音波の励起/受信能力及び周波数応答能力とインターデジタルトランスデューサーの対数(pair)とは正比例するため、インターデジタルトランスデューサーの数量を増加させて表面音波素子の表面音波の励起/受信能力及び周波数応答能力を向上させるには、表面音波素子の面積を増加させてインターデジタルトランスデューサーを収容するための大きなスペースを形成する必要がある。しかしながら、面積が増加することは、小型化を目指す趨勢にそぐわない。
また、インターデジタルトランスデューサーの対数を増やすと表面音波素子の性能は向上するが、同時にインターデジタルトランスデューサーが発生させる熱エネルギーを効率的に排熱しにくくなるため、表面音波素子の安定性に影響が及ぶという課題があった。
【0005】
そこで本発明者は、上記の課題が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的設計で上記の課題を効果的に改善できる本発明の完成に至った。
【0006】
本発明は、このような従来の表面音波装置の抱える課題に鑑みてなされたものである。本発明は、上記の課題が解決された表面音波装置を提供することを主な目的とする。すなわち、電極の収容スペースとパッケージとの間の面積差を縮小させることにより、浮遊容量の発生を回避し、性能に影響が及ばないようにすることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様による表面音波装置は、圧電基板と、支持層と、シールド層と、柱状バンプとを備える。
前記圧電基板は、底板と、接続パッドと、電極ユニットと、を有する。前記接続パッド及び前記電極ユニットは前記底板に設置され、前記接続パッドは前記電極ユニットに電気的に接続される。
前記支持層は前記圧電基板に設置されると共に前記電極ユニットを包囲する。前記支持層に下部成形穴及び孔部が形成され、下部成形穴は前記孔部の外側に位置され、前記下部成形穴からは前記接続パッドが露出される。前記孔部は前記電極ユニットの上方に位置される。
前記シールド層は、前記支持層に設置されると共に前記孔部を被覆する。前記シールド層に上部成形穴が形成され、前記上部成形穴は前記下部成形穴の上方に位置されると共に前記下部成形穴に連通される。前記上部成形穴は第一上部開口と、第一下部開口と、第一側開口部とを有し、前記第一上部開口は前記シールド層の上面に位置され、前記第一下部開口は前記シールド層の下面に位置され、前記第一側開口部は前記シールド層の側面に位置され、前記第一側開口部の両端は前記第一上部開口及び前記第一下部開口にそれぞれ連接される。
前記柱状バンプは、前記支持層及び前記シールド層に接するように前記下部成形穴及び前記上部成形穴に形成され、前記柱状バンプは前記接続パッドに連結される。前記シールド層に位置される前記柱状バンプは第一部及び第二部を有し、前記第一部は前記上部成形穴内に位置され、前記第二部は前記上部成形穴の前記第一側開口部から前記シールド層の前記側面に突出する。
【0008】
また、本発明に係る圧電基板と、支持層と、シールド層と、柱状バンプとを備える表面音波装置の製造方法は、
前記底板に前記接続パッド及び前記電極ユニットが設置され、且つ前記接続パッドが前記電極ユニットに電気的に接続される圧電基板提供工程と、
前記圧電基板上に支持層が形成される支持層形成工程と、
前記支持層上に下部成形穴及び孔部が形成され、前記下部成形穴が前記孔部の外側に位置されると共に前記接続パッドが露出され、前記孔部が前記電極ユニットの上方に位置されて前記支持層が前記電極ユニットを包囲するように前記支持層をパターン化する支持層パターン化工程と、
前記支持層上に前記孔部を被覆するように前記シールド層が形成されるシールド層形成工程と、
前記シールド層上に上部成形穴が形成され、前記上部成形穴が前記下部成形穴の上方に位置されると共に前記下部成形穴に連通されて、前記上部成形穴が第一上部開口と第一下部開口と第一側開口部とを有し、前記第一上部開口が前記シールド層の上面に位置し、前記第一下部開口が前記シールド層の下面に位置し、前記第一側開口部が前記シールド層の側面に位置し、前記第一側開口部の両端が前記第一上部開口及び前記第一下部開口にそれぞれ連通するようにされるシールド層パターン化工程と、
前記シールド層にフォトレジスト層が形成されるフォトレジスト層形成工程と、
前記フォトレジスト層上に開口部が形成され、前記開口部が前記上部成形穴に連通されるフォトレジスト層パターン化工程と、
前記柱状バンプが前記下部成形穴及び前記上部成形穴に形成されると共に前記接続パッドに連結されて前記支持層及び前記シールド層に接するように設置される柱状バンプ形成工程と、
前記フォトレジスト層を除去するフォトレジスト層除去工程とを含む。
前記シールド層に位置される前記柱状バンプは第一部及び第二部を有し、前記第一部は前記上部成形穴内に位置され、前記第二部は前記上部成形穴の前記第一側開口部から前記シールド層の前記側面に突出するようにされる。
【発明の効果】
【0009】
このように、本発明による表面音波装置は、次のような効果をもたらす。
従来の表面音波素子と比較すると、パッケージングされた後の本発明に係る前記表面音波装置と前記電極ユニット収容スペースとの間の面積差はごく僅かまで縮小し、高周波の浮遊容量が減少する。これにより、高周波効果も類似することになり、表面音波装置の性能が向上する。
【0010】
同じ面積であるとの前提の下、本発明に係る前記表面音波装置は、従来の表面音波素子に比べ、前記電極ユニット収容スペースが更に広く形成されることで、前記表面音波装置の表面音波の励起/受信能力及び周波数応答速度が高まるため、性能向上効果を有する。
また、従来の表面音波素子と比較すると、本発明に係る前記表面音波装置は、より小さい面積で同じ対数の電極を収容可能となるため、面積縮小効果を有する。
また、前記シールド層側面に突出する前記柱状バンプは放熱に有利なため、前記電極ユニットが発生する高温が前記表面音波装置の安定性に影響することはなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第一実施形態に係る表面音波装置の製造方法を示すフローチャートである。
図2】本発明の第一実施形態に係る圧電基板を示す断面図である。
図3】本発明の第一実施形態に係る表面音波装置の製造方法を模式的に示した断面図である。
図4】本発明の第一実施形態に係る表面音波装置の製造方法を模式的に示した断面図である。
図5】本発明の第一実施形態に係る表面音波装置の製造方法を模式的に示した平面図である。
図6】本発明の第一実施形態に係る表面音波装置の製造方法を模式的に示した断面図である。
図7】本発明の第一実施形態に係る表面音波装置の製造方法を模式的に示した断面図である。
図8】本発明の第一実施形態に係る表面音波装置の製造方法を模式的に示した斜視図である。
図9】本発明の第一実施形態に係る表面音波装置の製造方法を模式的に示した断面図である。
図10】本発明の第一実施形態に係る表面音波装置の製造方法を模式的に示した断面図である。
図11】本発明の第一実施形態に係る表面音波装置の製造方法を模式的に示した断面図である。
図12】本発明の第一実施形態に係る表面音波装置の製造方法を模式的に示した断面図である。
図13】本発明の第一実施形態に係る表面音波装置の製造方法を模式的に示した断面図である。
図14】本発明の第一実施形態に係る表面音波装置の製造方法を模式的に示した断面図である。
図15】本発明の第一実施形態に係る表面音波装置を示す断面図である。
図16】本発明の第一実施形態に係る表面音波装置を示す斜視図である。
図17】本発明の第二実施形態に係る表面音波装置の製造方法を模式的に示した平面図である。
図18】本発明の第二実施形態に係る表面音波装置の製造方法を模式的に示した斜視図である。
図19】本発明の第二実施形態に係る表面音波装置を示す断面図である。
図20】本発明の第二実施形態に係る表面音波装置を示す斜視図である。
図21】従来の表面音波装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明の実施形態は以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能であることは言うまでもない。
【0013】
(第一実施形態)
図1は本発明の第一実施形態に係る表面音波装置の製造方法100を示すフローチャートである。
表面音波装置の製造方法100は下記の工程を含む。すなわち、圧電基板提供工程11、支持層形成工程12、支持層パターン化工程13、シールド層形成工程14、シールド層パターン化工程15、フォトレジスト層形成工程16、フォトレジスト層パターン化工程17、柱状バンプ形成工程18、及びフォトレジスト層除去工程19である。
【0014】
図2に示されるように、圧電基板110は底板111と、接続パッド112と、電極ユニット113とを有し、前記接続パッド112及び前記電極ユニット113は前記底板111の表面に設置される。前記接続パッド112は前記電極ユニット113に電気的に接続される。
前記底板111は、石英(Quartz)、タンタル酸リチウム(LiTaO3、LT)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3、LN)、チタン酸鉛(PbTiO3、PTO)、またはチタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr、Ti)O3、PZT)等の圧電材料で製造される。前記接続パッド112及び前記電極ユニット113は、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、金(Au)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、またはプラチナ(Pt)等の同じまたは異なる金属であるが、本発明はこれらに制限されない。
好ましくは、前記圧電基板110は、前記電極ユニット113を被覆すると共に前記接続パッド112を露出させる保護層114を更に有する。ある実施形態では、前記圧電基板110が複数の電極ユニット113を有し、これら前記電極ユニットによりインターデジタルトランスデューサー(Interdigital Transducer、IDT)が構成される。
【0015】
続いて、図3図4及び図5図5図4の平面図)に示されるように、前記圧電基板110に支持層120が形成される。前記支持層120は、エポキシ樹脂(epoxy)やポリイミド(polyimide、PI)等の高分子材料であるが、但し本発明はこれらに制限されない。
次いで、露光現像工程を経て前記支持層120がパターン化され、前記支持層120に下部成形穴121及び孔部122が形成され、前記下部成形穴121が前記孔部122の外側に位置され、前記下部成形穴121から前記接続パッド112が露出し、前記孔部122が前記電極ユニット113の上方に位置される。
好ましくは、前記支持層120に複数の下部成形穴121が形成され、例えば4個または6個形成されるが、但し本発明はこれらに制限されない。本実施例では、前記孔部122からは前記電極ユニット113を被覆される前記保護層114が露出され、パターン化された後の前記支持層120は前記電極ユニット113を包囲する壁部となる。
好ましくは、前記支持層120の高さH2は前記電極ユニット113の高さH1よりも高い。
【0016】
図6図7及び図8図8図7の斜視図)に示されるように、前記支持層120がパターン化された後、前記支持層120にシールド層130が形成され、前記シールド層130が前記下部成形穴121及び前記孔部122を被覆する。前記シールド層130は高分子材料であり、ある実施形態では、前記シールド層130及び前記支持層120は同じ材料である。
次いで、前記シールド層130がパターン化され、前記シールド層130に上部成形穴131が形成され、前記上部成形穴131が前記下部成形穴121の上方に位置されると共に前記下部成形穴121に連通される。
よって、前記上部成形穴131からも前記接続パッド112が露出される。パターン化された後の前記シールド層130は前記孔部122を被覆するカバーとなり、前記シールド層130と前記圧電基板110との間にはスペースSが定義され、前記電極ユニット113は前記スペースS中に位置される。
【0017】
図8に示されるように、前記支持層120内に全て位置される前記下部成形穴121とは異なり、前記上部成形穴131は第一上部開口131aと、第一下部開口131bと、第一側開口部131cとを有し、前記第一上部開口131aは前記シールド層130131の上面132に位置され、前記第一下部開口131bは前記シールド層130131の下面133に位置され、前記第一側開口部131cは前記シールド層130の側面134に位置される。また、前記第一側開口部131cの両端は前記第一上部開口131a及び第一下部開口131bにそれぞれ連接される。
よって、前記上部成形穴131は前記シールド層130の前記側面134に露出する。本実施例では、前記支持層120内に形成される前記下部成形穴121は円形スルーホールであり、前記シールド層130の前記側面134に形成される前記上部成形穴131は半円形スルーホールである。他の実施例では、前記下部成形穴121及び前記上部成形穴131は他の幾何学形状を呈する。
【0018】
図9及び図10を参照し、前記シールド層130がパターン化された後、前記シールド層130にフォトレジスト層140が形成される。
次いで、前記フォトレジスト層140がパターン化され、前記フォトレジスト層140に開口部141が形成され、前記開口部141が前記上部成形穴131に連通されると共に前記接続パッド112が露出される。本実施例では、前記開口部141は直径が前記下部成形穴121と同じである円形開口部である。
【0019】
図11に示されるように、前記フォトレジスト層140がパターン化された後、前記下部成形穴121及び前記上部成形穴131中に柱状バンプ150が形成される。前記柱状バンプ150は前記接続パッド112に連結される。本実施例では、従来の銅の電気めっき工程により前記柱状バンプ150が形成される。
【0020】
図12乃至図15に示されるように、好ましくは、前記柱状バンプ150が形成された後、前記柱状バンプ150の頂面155に接合部材160が形成される。本実施例では、従来のすずの電気めっき工程により前記接合部材160が形成され、前記接合部材160は前記柱状バンプ150を介して前記接続パッド112に電気的に接続される。
前記接合部材160が形成された後、前記フォトレジスト層140が除去される。最後に、前記接合部材160がリフローはんだ付けされ、表面音波装置100が形成される。
【0021】
図15及び図16図16図15の斜視図)に示されるように、前記製造方法10で製造される前記表面音波装置100は前記圧電基板110と、前記圧電基板110に設置される前記支持層120と、前記支持層120に設置される前記シールド層130と、前記下部成形穴121及び前記上部成形穴131中に設置される前記柱状バンプ150と、を有する。好ましくは、前記表面音波装置100は前記柱状バンプ150に設置される前記接合部材160を更に有する。
【0022】
本実施例では、前記シールド層130に形成される前記柱状バンプ150は第一部151及び第二部152を有し、前記第一部151は前記上部成形穴131内に位置され、前記第二部152は前記上部成形穴131の前記第一側開口部131cから前記シールド層130の前記側面134に突出する。
前記支持層120に形成される前記柱状バンプ150は第三部153及び第四部154を有し、前記第三部153は前記第一部151に連接され、前記第四部154は前記第二部152に連接され、前記第三部153及び前記第四部154は共に前記支持層120の前記下部成形穴121内に位置される。これにより、前記柱状バンプ150が前記シールド層130に突出するが、前記支持層120には突出しない。
【0023】
従来の表面音波素子とは異なり、本発明に係る前記表面音波装置100はパッケージングされた後の面積が前記電極ユニット113にある前記スペースSの面積に相似する大きさとなり、高周波浮遊容量が発生して前記表面音波装置100の性能に影響を与える事象を回避する。
また、従来の表面音波装置と同じ面積を有する前提の下、本発明に係る前記表面音波装置100には前記電極ユニット113を収容するための更に広いスペースが形成されるため、前記電極ユニット113の電極の対数が増加して性能が向上し、且つ前記シールド層130に突出する前記柱状バンプ150は前記電極ユニット113が発生させる熱エネルギーの排熱を助ける。こうして、前記表面音波装置100の安定性が高まる。
【0024】
(第二実施形態)
図17乃至図20は、本発明の第二実施形態を示す図である。本実施例では、前記上部成形穴131と同じく、前記下部成形穴121が前記支持層120の外側の半円形スルーホールから露出し、前記下部成形穴121は第二上部開口121aと、第二下部開口121bと、第二側開口部121cとを有し、前記第二上部開口121aは前記支持層120の上面123に位置され、前記第二下部開口121bは前記支持層120の下面124に位置され、前記第二側開口部121cは前記支持層120の側面125に位置される。また、前記第二側開口部121cの両端は前記第二上部開口121a及び前記第二下部開口121bにそれぞれ連接される。
【0025】
前記支持層120に形成される前記柱状バンプ150は第三部153及び第四部154を有し、前記第三部153は前記第一部151に連接されると共に前記下部成形穴121内に位置され、前記第四部154は前記第二部152に連接され、前記下部成形穴121の前記第二側開口部121cから前記支持層120の前記側面125に突出する。このため、本実施例では、前記柱状バンプ150が前記支持層120及び前記シールド層130の側面から同時に突出する。
【0026】
本実施例では、前記柱状バンプ150は前記シールド層130の前記側面134及び前記支持層120の前記側面125から同時に露出する。よって、前記電極ユニット113が発生させる高温がより効率的に排熱され、温度変化が前記表面音波装置100の安定性に及ぼす影響が効果的に低減する。また、前記表面音波装置100がパッケージングされた後の面積は、前記電極ユニット113がある前記スペースSの面積に更に近くなり、更に性能が向上する。
【0027】
以上の実施形態は、本発明の技術思想及び特徴を説明するためのものにすぎず、当該技術分野を熟知する者に本発明の内容を理解させると共に、これを実施させることを目的とするものであり、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。従って、本発明の精神を逸脱せずに行われる各同様の効果をもつ改良又は変更は、請求項に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0028】
10 ・・・表面音波装置の製造方法
11 ・・・圧電基板提供工程
12 ・・・支持層形成工程
13 ・・・支持層パターン化工程
14 ・・・シールド層形成工程
15 ・・・シールド層パターン化工程
16 ・・・フォトレジスト層形成工程
17 ・・・フォトレジスト層パターン化工程
18 ・・・柱状バンプ形成工程
19 ・・・フォトレジスト層除去工程
100 ・・・表面音波装置
110 ・・・圧電基板
111 ・・・底板
112 ・・・接続パッド
113 ・・・電極ユニット
114 ・・・保護層
120 ・・・支持層
121 ・・・下部成形穴
121a ・・・第二一上部開口
121b ・・・第二一下部開口
121c ・・・第二一側開口部
122 ・・・孔部
123 ・・・上面
124 ・・・下面
125 ・・・側面
130 ・・・シールド層
131 ・・・上部成形穴
131a ・・・第一二上部開口
131b ・・・第一二下部開口
131c ・・・第一二側開口部
132 ・・・上面
133 ・・・下面
134 ・・・側面
140 ・・・フォトレジスト層
141 ・・・開口部
150 ・・・柱状バンプ
151 ・・・第一部
152 ・・・第二部
153 ・・・第三部
154 ・・・第四部
155 ・・・頂面
160 ・・・接合部材
200 ・・・表面音波素子
210 ・・・圧電基板
211 ・・・底板
212 ・・・接続パッド
213 ・・・インターデジタルトランスデューサー
220 ・・・壁部
230 ・・・カバー
240 ・・・バンプ
250 ・・・接合部材
H1 ・・・高さ
H2 ・・・高さ
S ・・・スペース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21