特許第6845914号(P6845914)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6845914通信装置、接続制御方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6845914
(24)【登録日】2021年3月2日
(45)【発行日】2021年3月24日
(54)【発明の名称】通信装置、接続制御方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20210315BHJP
   H04W 4/00 20180101ALI20210315BHJP
   H04W 76/25 20180101ALI20210315BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20210315BHJP
【FI】
   H04M1/00 R
   H04W4/00 110
   H04W76/25
   H04M11/00 302
【請求項の数】14
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2019-237189(P2019-237189)
(22)【出願日】2019年12月26日
(62)【分割の表示】特願2016-131113(P2016-131113)の分割
【原出願日】2016年6月30日
(65)【公開番号】特開2020-58071(P2020-58071A)
(43)【公開日】2020年4月9日
【審査請求日】2019年12月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩田 敏行
【審査官】 山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/002533(WO,A1)
【文献】 特開2011−172063(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/099700(WO,A1)
【文献】 特開2016−066938(JP,A)
【文献】 特表2013−505658(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/014151(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0094662(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24−7/26
H04M1/00
1/24−3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
99/00
H04W4/00−8/24
8/26−16/32
24/00−28/00
28/02−72/02
72/04−74/02
74/04−74/06
74/08−84/10
84/12−88/06
88/08−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の無線インタフェースを備えて通信を行う通信部と、
各無線インタフェースを介した通信の状態の劣化を監視する状態監視部と、
前記通信の状態の劣化が検知された場合に前記通信の状態の劣化が検知された無線インタフェースの再接続を行う接続制御部と、
を備え、
前記接続制御部は、前記通信の状態の劣化が検知された無線インタフェースを介したネットワークアドレスを用いた通信を行わない区間の再接続を行う通信装置。
【請求項2】
複数の無線インタフェースを備えて通信を行う通信部と、
各無線インタフェースを介した通信の状態の劣化を監視する状態監視部と、
前記通信の状態の劣化が検知された場合に無線インタフェースの再接続を行う接続制御部と、
を備え、
前記接続制御部は、前記通信の状態の劣化が検知された無線インタフェースを介したネットワークアドレスを用いた通信を行う区間の通信を一度切断して再接続を行う通信装置。
【請求項3】
複数の無線インタフェースを備えて通信を行う通信部と、
各無線インタフェースを介した通信の状態の劣化を監視する状態監視部と、
前記通信の状態の劣化が検知された場合に無線インタフェースの再接続を行う接続制御部と、
を備え、
前記接続制御部は、前記通信の状態の劣化が検知された無線インタフェースを介したネットワークアドレスを用いた通信を行わない区間の再接続を行う第一の手法、前記通信の状態の劣化が検知された無線インタフェースを介したネットワークアドレスを用いた通信を行う区間の再接続を行う第二の手法及び前記通信の状態の劣化が検知された無線インタフェースに対応付けられている識別情報と異なる識別情報の無線インタフェースに切り替えることによって、無線インタフェースの再接続を行う第三の手法を、前記通信の状態の劣化が改善されるまで、ある基準で定められた順番で行う通信装置。
【請求項4】
複数の無線インタフェースを備えて通信を行う通信部と、
各無線インタフェースを介した通信の状態の劣化を監視する状態監視部と、
前記通信の状態の劣化が検知された場合に無線インタフェースの再接続を行う接続制御部と、
リアルタイム性が要求されるアプリケーションを利用して行われている通話を他の通信網を利用した通話に切り替える通話制御部と、
を備え、
前記通話制御部は、前記再接続が行われている間に、前記アプリケーションが利用されている場合に前記通話を前記アプリケーションで利用される通信網と異なる通信網を利用した通話に切り替え、前記通信の状態の劣化が改善された後、前記通信網を利用した通話から前記アプリケーションを利用した通話に切り替える通信装置。
【請求項5】
前記再接続が行われている間に、再接続に関する情報をユーザに通知する通知部をさらに備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記複数の無線インタフェースそれぞれには、MVNO(Mobile Virtual Network Operator)向けの加入者を特定するための識別情報が記録された記録媒体が対応付けられる、請求項1から5のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項7】
加入者を特定するための識別情報である加入者識別情報を複数記憶する記憶部をさらに備え、
前記記憶部に記憶された複数の加入者識別情報は、複数の通信装置に記憶されている情報であり、
前記通信部は、前記記憶部に記憶された複数の加入者識別情報のうち、他の通信装置が利用していない加入者識別情報を利用して通信を行う、請求項1から5のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項8】
前記記憶部が記憶する複数の加入者識別情報は、所定のタイミングで、前記複数の加入者識別情報を記憶するサーバから取得されて前記記憶部に記憶される、請求項7に記載の通信装置。
【請求項9】
前記通信部は、外部の通信装置から送信されるリアルタイム性が要求されるアプリケーションを利用して行われている通話を他の装置に中継する、請求項1から8のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項10】
複数の無線インタフェースを備えて通信を行う通信部を備えた通信装置が、
各無線インタフェースを介した通信の状態の劣化を監視する状態監視ステップと、
前記通信の状態の劣化が検知された場合に前記通信の状態の劣化が検知された無線インタフェースの再接続を行う接続制御ステップと、
を有し、
前記接続制御ステップにおいて、前記通信の状態の劣化が検知された無線インタフェースを介したネットワークアドレスを用いた通信を行わない区間の再接続を行う接続制御方法。
【請求項11】
複数の無線インタフェースを備えて通信を行う通信部を備えた通信装置が、
各無線インタフェースを介した通信の状態の劣化を監視する状態監視ステップと、
前記通信の状態の劣化が検知された場合に無線インタフェースの再接続を行う接続制御ステップと、
を有し、
前記接続制御ステップにおいて、前記通信の状態の劣化が検知された無線インタフェースを介したネットワークアドレスを用いた通信を行う区間の通信を一度切断して再接続を行う接続制御方法。
【請求項12】
複数の無線インタフェースを備えて通信を行う通信部を備えた通信装置が、
各無線インタフェースを介した通信の状態の劣化を監視する状態監視ステップと、
前記通信の状態の劣化が検知された場合に無線インタフェースの再接続を行う接続制御ステップと、
を有し、
前記接続制御ステップにおいて、前記通信の状態の劣化が検知された無線インタフェースを介したネットワークアドレスを用いた通信を行わない区間の再接続を行う第一の手法、前記通信の状態の劣化が検知された無線インタフェースを介したネットワークアドレスを用いた通信を行う区間の再接続を行う第二の手法及び前記通信の状態の劣化が検知された無線インタフェースに対応付けられている識別情報と異なる識別情報の無線インタフェースに切り替えることによって、無線インタフェースの再接続を行う第三の手法を、前記通信の状態の劣化が改善されるまで、ある基準で定められた順番で行う接続制御方法。
【請求項13】
複数の無線インタフェースを備えて通信を行う通信部を備えた通信装置が、
各無線インタフェースを介した通信の状態の劣化を監視する状態監視ステップと、
前記通信の状態の劣化が検知された場合に無線インタフェースの再接続を行う接続制御ステップと、
リアルタイム性が要求されるアプリケーションを利用して行われている通話を他の通信網を利用した通話に切り替える通話制御ステップと、
を有し、
前記通話制御ステップにおいて、前記再接続が行われている間に、前記アプリケーションが利用されている場合に前記通話を前記アプリケーションで利用される通信網と異なる通信網を利用した通話に切り替え、前記通信の状態の劣化が改善された後、前記通信網を利用した通話から前記アプリケーションを利用した通話に切り替える接続制御方法。
【請求項14】
コンピュータを、請求項1から9のいずれか一項に記載の通信装置として機能させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置の接続制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スマートフォンに代表される携帯端末では、無線アクセスのIF(Interface:インタフェース)として、携帯電話キャリアに接続するための無線アクセスIF(3G(3rd Generation)やLTE(Long Term Evolution))と、無線LAN(Local Area Network)のIFとが備えられている。携帯端末には、その他に周辺のデバイスを無線で接続するためのBluetooth(登録商標)等が実装されているものの、インターネット等の外部のネットワークに接続できるIFは無線アクセスIFと無線LANのIFに限られている。
【0003】
複数の無線IFを携帯端末に実装する場合、実装上の制約(例えば、携帯端末に備えられるアンテナの本数)や、コスト上の制約(例えば、SIMカード(Subscriber Identity Module Card)毎に携帯キャリアとの契約が必要)がある。そのため、一台の携帯端末に多くのIFを持つことは困難であり、市販されている携帯端末のほとんどが無線アクセスIF一つと、無線LANのIF一つとを備える構成になっている。また、無線LANは、特定エリアでの利用に限定される。そのため、エリアフリーで利用できる無線IFは、現状、無線アクセスIFのみであると考えられる。
【0004】
複数の無線IFを同時に利用することで、通信状況が劣化するIFがあったとしても、残りのIFでサービスを維持したり、IF毎にトラフィック量を状況に応じて調整したりすることで常にサービスの品質を維持するといった技術が複数提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−041986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、複数の無線IFを利用し、通信の品質を安定して提供することを狙った携帯端末には以下の課題がある。携帯端末においてエリアフリーで利用できる無線IFの数は、上記の制約を考えると、数個(例えば、2〜4個)程度が限界であると考えられる。したがって、エリア(利用場所の電波状況やユーザの混雑状況)や、利用状態(移動しているかどうか)によって、全てのIFが利用不可になる状況が起こりうる。
【0007】
また、VoIP(Voice over Internet Protocol)やTV電話のように、利用中はEND to ENDで接続を維持し続けるアプリケーションの場合、無線IFの劣化だけでなく、インターネット等の有線ネットワーク内の接続(例えば、NATルータの接続、サーバでのラッチング接続等)も携帯端末の移動に伴うハンドオーバー等によって誤接続となることが想定される。利用できなくなったIFの切り替えや再接続で回復を図る場合、3G/LTEでは切り替えや再接続に数十秒程度以上の時間が必要である。そのため、VoIPやTV電話のようなリアルタイムアプリケーションでは、切断と同様の状態が数十秒間継続することにより、復旧する前にユーザは通信が切断されたと思い、利用を止めてしまう場合がある。このような場合、VoIPやTV電話等のリアルタイムアプリケーションサービスを安定して提供することができないという問題があった。
【0008】
上記事情に鑑み、本発明は、VoIPやTV電話等のリアルタイムアプリケーションサービスを安定して提供することができる技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、複数の無線インタフェースを備えて通信を行う通信部と、各無線インタフェースを介した通信の状態の劣化を監視する状態監視部と、前記通信の状態の劣化が検知された場合に無線インタフェースの再接続を行う接続制御部と、を備え、前記接続制御部は、前記通信の状態の劣化が検知された無線インタフェースを介したネットワークアドレスを用いた通信を行わない区間の再接続を行う通信装置である。
【0010】
本発明の一態様は、複数の無線インタフェースを備えて通信を行う通信部と、各無線インタフェースを介した通信の状態の劣化を監視する状態監視部と、前記通信の状態の劣化が検知された場合に無線インタフェースの再接続を行う接続制御部と、を備え、前記接続制御部は、前記通信の状態の劣化が検知された無線インタフェースを介したネットワークアドレスを用いた通信を行う区間の再接続を行う通信装置である。
【0011】
本発明の一態様は、複数の無線インタフェースを備えて通信を行う通信部と、各無線インタフェースを介した通信の状態の劣化を監視する状態監視部と、前記通信の状態の劣化が検知された場合に無線インタフェースの再接続を行う接続制御部と、を備え、前記接続制御部は、前記通信の状態の劣化が検知された無線インタフェースに対応付けられている識別情報と異なる識別情報の無線インタフェースに切り替えることによって、無線インタフェースの再接続を行う通信装置である。
【0012】
本発明の一態様は、複数の無線インタフェースを備えて通信を行う通信部と、各無線インタフェースを介した通信の状態の劣化を監視する状態監視部と、前記通信の状態の劣化が検知された場合に無線インタフェースの再接続を行う接続制御部と、リアルタイム性が要求されるアプリケーションを利用して行われている通話を他の通信網を利用した通話に切り替える通話制御部と、を備え、前記通話制御部は、前記再接続が行われている間に、前記アプリケーションが利用されている場合に前記通話を前記アプリケーションで利用される通信網と異なる通信網を利用した通話に切り替え、前記通信の状態の劣化が改善された後、前記通信網を利用した通話から前記アプリケーションを利用した通話に切り替える通信装置である。
【0013】
本発明の一態様は、上記の通信装置であって、前記再接続が行われている間に、再接続に関する情報をユーザに通知する通知部をさらに備える。
【0014】
本発明の一態様は、上記の通信装置であって、前記複数の無線インタフェースそれぞれには、MVNO(Mobile Virtual Network Operator)向けの加入者を特定するための識別情報が記録された記録媒体が対応付けられる。
【0015】
本発明の一態様は、上記の通信装置であって、加入者を特定するための識別情報である加入者識別情報を複数記憶する記憶部をさらに備え、前記記憶部に記憶された複数の加入者識別情報は、複数の通信装置に記憶されている情報であり、前記通信部は、前記記憶部に記憶された複数の加入者識別情報のうち、他の通信装置が利用していない加入者識別情報を利用して通信を行う。
【0016】
本発明の一態様は、上記の通信装置であって、前記記憶部が記憶する複数の加入者識別情報は、所定のタイミングで、前記複数の加入者識別情報を記憶するサーバから取得されて前記記憶部に記憶される。
【0017】
本発明の一態様は、上記の通信装置であって、前記通信部は、外部の通信装置から送信されるリアルタイム性が要求されるアプリケーションを利用して行われている通話を他の装置に中継する。
【0018】
本発明の一態様は、複数の無線インタフェースを備えて通信を行う通信部を備えた通信装置が、各無線インタフェースを介した通信の状態の劣化を監視する状態監視ステップと、前記通信の状態の劣化が検知された場合に無線インタフェースの再接続を行う接続制御ステップと、を有し、前記接続制御ステップにおいて、前記通信の状態の劣化が検知された無線インタフェースを介したネットワークアドレスを用いた通信を行わない区間の再接続を行う接続制御方法である。
【0019】
本発明の一態様は、複数の無線インタフェースを備えて通信を行う通信部を備えた通信装置が、各無線インタフェースを介した通信の状態の劣化を監視する状態監視ステップと、前記通信の状態の劣化が検知された場合に無線インタフェースの再接続を行う接続制御ステップと、を有し、前記接続制御ステップにおいて、前記通信の状態の劣化が検知された無線インタフェースを介したネットワークアドレスを用いた通信を行う区間の再接続を行う接続制御方法である。
【0020】
本発明の一態様は、複数の無線インタフェースを備えて通信を行う通信部を備えた通信装置が、各無線インタフェースを介した通信の状態の劣化を監視する状態監視ステップと、前記通信の状態の劣化が検知された場合に無線インタフェースの再接続を行う接続制御ステップと、を有し、前記接続制御ステップにおいて、前記通信の状態の劣化が検知された無線インタフェースに対応付けられている識別情報と異なる識別情報の無線インタフェースに切り替えることによって、無線インタフェースの再接続を行う接続制御方法である。
【0021】
本発明の一態様は、複数の無線インタフェースを備えて通信を行う通信部を備えた通信装置が、各無線インタフェースを介した通信の状態の劣化を監視する状態監視ステップと、前記通信の状態の劣化が検知された場合に無線インタフェースの再接続を行う接続制御ステップと、リアルタイム性が要求されるアプリケーションを利用して行われている通話を他の通信網を利用した通話に切り替える通話制御ステップと、を有し、前記通話制御ステップにおいて、前記再接続が行われている間に、前記アプリケーションが利用されている場合に前記通話を前記アプリケーションで利用される通信網と異なる通信網を利用した通話に切り替え、前記通信の状態の劣化が改善された後、前記通信網を利用した通話から前記アプリケーションを利用した通話に切り替える接続制御方法である。
【0022】
本発明の一態様は、コンピュータを、上記の通信装置として機能させるためのコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0023】
本発明により、VoIPやTV電話等のリアルタイムアプリケーションサービスを安定して提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第1実施形態における通信システム100の機能構成を示す図である。
図2】通信端末10の機能構成を表す概略ブロック図である。
図3】通信端末10の処理の流れを説明するための図である。
図4】本発明の第2実施形態における通信システム100aの機能構成を示す図である。
図5】通信端末10aの機能構成を表す概略ブロック図である。
図6】中継サーバ30aの機能構成を表す概略ブロック図である。
図7】通信端末10aによる不安回避手法処理の流れを示すフローチャートである。
図8】通信システム100aにおける処理の流れを示すシーケンス図である。
図9】本発明の第3実施形態におけるコスト低減第二手法を用いる場合の通信システム100bの機能構成を示す図である。
図10】通信端末10bの機能構成を表す概略ブロック図である。
図11】加入者情報制御サーバ80の機能構成を表す概略ブロック図である。
図12】通信システム100bにおける処理の流れを示すシーケンス図である。
図13】通信システム100bにおける別例の処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の具体的な構成例(第1実施形態〜第3実施形態)について、図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態における通信システム100の機能構成を示す図である。通信システム100は、通信端末10、複数の中継装置20(20−1〜20−m(mは2以上の整数))及び中継サーバ30を備える。中継サーバ30には、通信端末10と通信を行う通信端末40が接続されている。通信端末10と、複数の中継装置20とは、セルラーネットワーク50を介して接続される。中継装置20と、中継サーバ30とは、キャリアネットワーク60及び外部ネットワーク70を介して接続される。
【0026】
通信端末10は、例えば携帯電話、スマートフォン、タブレット装置等の情報処理装置を用いて構成される。通信端末10は、中継装置20との間で無線通信を行う。無線通信には、例えば、移動通信システムの規格に応じた通信(例えば、LTEや3Gなど)が用いられてもよい。通信端末10は、加入者を特定するための識別情報(以下、「加入者情報」という。)が記録された記録媒体(以下、「加入者情報記録媒体」という。)を複数備える。加入者情報記録媒体は、例えばSIMカードである。複数の加入者情報記録媒体は、全て同じ通信事業者から提供された記録媒体であってもよいし、一部異なる通信事業者から提供された記録媒体であってもよいし、全て異なる通信事業者から提供された記録媒体であってもよい。
【0027】
中継装置20は、移動体通信網の基地局装置である。中継装置20は、通信端末10と中継サーバ30との通信を中継する。
中継サーバ30は、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置を用いて構成される。中継サーバ30は、通信端末10と、通信端末40との通信を中継する。
通信端末40は、例えば携帯電話、スマートフォン、タブレット装置等の情報処理装置を用いて構成される。通信端末40は、中継サーバ30との間で通信を行う。
【0028】
セルラーネットワーク50は、例えば移動体通信網を用いて構成される。
キャリアネットワーク60は、例えば、通信事業者が提供するネットワーク用いて構成される。
外部ネットワーク70は、どのように構成されたネットワークであってもよい。外部ネットワーク70は、例えばインターネットを用いて構成されてもよい。
【0029】
図2は、通信端末10の機能構成を表す概略ブロック図である。通信端末10は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、再接続プログラムを実行する。再接続プログラムの実行によって、通信端末10は、記録媒体保持部101、第一通信部102、アプリ記憶部103、アプリ通話制御部104、状態監視部105、接続制御部106を備える装置として機能する。なお、通信端末10の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。また、再接続プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、再接続プログラムは、電気通信回線を介して送受信されてもよい。
【0030】
記録媒体保持部101は、複数の加入者情報記録媒体11−1〜11−n(nは2以上の整数)を保持する。
第一通信部102は、複数の無線IF12−1〜12−nを備える。無線IF12−1〜12−nそれぞれには、加入者情報記録媒体11−1〜11−nのいずれかが対応付けられる。第一通信部102は、セルラーネットワーク50を介して、無線IF12に対応付けられている加入者情報記録媒体11に対応する中継装置20との間で通信を行う。
【0031】
アプリ記憶部103は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。アプリ記憶部103は、例えば、VoIPやTV電話等のリアルタイム性が要求されるアプリケーション(以下、「リアルタイムアプリケーション」という。)を記憶する。アプリケーションとは、通信端末10において実行されるソフトウェアである。
アプリ通話制御部104は、ユーザの操作に応じて、アプリ記憶部103に記憶されているリアルタイムアプリケーションを起動し、起動したリアルタイムアプリケーションを利用して行われている通話を、第一通信部102を介して中継装置20に送信する。
【0032】
状態監視部105は、各無線IF12を介した通信の状態の劣化を監視する。
接続制御部106は、状態監視部105の監視結果に基づいて、通信の状態の劣化が検知された場合に無線IF12の再接続を行う。再接続とは、無線IF12の接続を一度切断し、再度接続し直す処理を表す。
【0033】
図3は、通信端末10の処理の流れを説明するための図である。通信端末10は、ユーザの操作に応じて、リアルタイムアプリケーションによる通話を開始する(ステップS101)。この処理により、通信端末10のユーザと、通信端末40のユーザとの間で通話が開始される。状態監視部105は、各無線IF12を介した通信の状態を監視する(ステップS102)。状態監視部105は、監視の結果、通信の状態の劣化を検知したか否か判定する(ステップS103)。ここで、通信の状態の劣化とは、パケットロス、パケットの遅延及びパケットの遅延の揺らぎのいずれかが閾値以上であることを表す。通信の状態の劣化を検知していないと判定された場合(ステップS103−NO)、通信端末10は図3の処理を終了する。
【0034】
一方、通信の状態の劣化を検知したと判定された場合(ステップS103−YES)、接続制御部106は無線IF12の再接続を開始する(ステップS104)。本実施形態における接続制御部106は、複数の再接続手法(例えば、再接続第一手法〜再接続第三手法)を用いて再接続を行う。複数の再接続手法を用いる順番は、どのような順番であってもよく、ここでは再接続第一手法、再接続第二手法、再接続第三手法の順番で行うものとする。まず、接続制御部106は、再接続第一手法による再接続の処理を行う(ステップS105)。
【0035】
再接続第一手法は、通信の状態の劣化が検知された無線IF12(以下、「劣化IF」という。)を介したIPアドレスを用いた通信を行わない区間の再接続を行う方法である。IPアドレスを用いた通信を行わない区間とは、通信端末10と中継装置20との間の区間を表す。接続制御部106は、劣化IFと、劣化IFを介して接続している中継装置20との間の物理的な接続(例えば、レイヤ2接続)を一度切断する。切断後、接続制御部106は、劣化IFを再度接続する。この際、接続制御部106は、劣化IFが切断直前に接続していた中継装置20との間で別のチャネルで接続、あるいは、劣化IFが切断直前に接続していた中継装置20と異なる中継装置20との間で接続する。これにより、通信端末10と、中継装置20とが再度接続される。
【0036】
状態監視部105は、所定の時間経過後、劣化が改善されたか否か判定する(ステップS106)。劣化が改善されたか否かの判定は、劣化IFと判定された無線IF12を介した通信において、パケットロス、パケットの遅延及びパケットの遅延の揺らぎの全てが閾値未満であるか否かで行われる。劣化IFと判定された無線IF12を介した通信において、パケットロス、パケットの遅延及びパケットの遅延の揺らぎの全てが閾値未満である場合、状態監視部105は劣化が改善されたと判定する。一方、劣化IFと判定された無線IF12を介した通信において、パケットロス、パケットの遅延及びパケットの遅延の揺らぎのいずれか又は全てが閾値以上である場合、状態監視部105は劣化が改善されていないと判定する。
【0037】
劣化が改善されたと判定された場合(ステップS106−YES)、通信端末10は図3の処理を終了する。
一方、劣化が改善されていないと判定された場合(ステップS106−NO)、次に接続制御部106は、再接続第二手法による再接続の処理を行う(ステップS107)。再接続第二手法は、劣化IFを介したIPアドレスを用いた通信を行う区間の再接続を行う方法である。IPアドレスを用いた通信を行う区間とは、通信端末10と中継サーバ30との間の区間を表す。接続制御部106は、割り当てられているIPアドレスを開放することによって劣化IFと、劣化IFを介して接続している中継サーバ30との間の仮想的な接続(例えば、レイヤ3接続)を一度切断する。切断後、接続制御部106は、中継サーバ30に対して再度IPアドレスを要求することによって劣化IFを再度接続する。なお、接続制御部106は、劣化IFと、劣化IFを介して接続している中継装置20との間の物理的な接続は切断しない。
【0038】
状態監視部105は、所定の時間経過後、劣化が改善されたか否か判定する(ステップS108)。劣化が改善されたと判定された場合(ステップS108−YES)、通信端末10は図3の処理を終了する。
一方、劣化が改善されていないと判定された場合(ステップS108−NO)、次に接続制御部106は、再接続第三手法による再接続の処理を行う(ステップS109)。再接続第三手法は、使用する無線IF12を、劣化IFに対応付けられている加入者情報記録媒体11を提供した通信事業者と異なる通信事業者の加入者情報記録媒体11に対応付けられている無線IF12に切り替えることによって、無線IF12の再接続を行う方法である。
【0039】
接続制御部106は、使用する無線IF12を、劣化IFに対応付けられている加入者情報記録媒体11を提供した通信事業者と異なる通信事業者の加入者情報記録媒体11に対応付けられている無線IF12に切り替えることによって、無線IF12の再接続を行う。その後、図3の処理が終了する。
なお、ステップS109の処理の後に、通信端末10は再度、劣化が改善した否かの処理が実行し、劣化が改善していない場合には複数の再接続手法による処理を繰り返し実行してもよい。
【0040】
以上のように構成された通信システム100によれば、携帯端末においてVoIPやTV電話等のリアルタイムアプリケーションサービスを安定して提供することができる。具体的には、通信端末10は、各無線IF12を介して通信の状態を監視し、通信の状態の劣化が検知された場合に再接続を行う。これにより、通信の状態の改善が図れる。そのため、携帯端末においてVoIPやTV電話等のリアルタイムアプリケーションサービスを安定して提供することが可能になる。
【0041】
また、通信端末10は、自装置と中継装置20との間の無線区間における接続を切断して再接続を行う手法、自装置と中継サーバ30との間の有線区間における接続を切断して再接続を行う手法及び異なる通信事業者が提供するネットワークに接続して再接続を行う手法など複数の再接続手法による処理を行う。このように、通信端末10は、あらゆる観点による再接続を行うことによって、通信の状態の様々な劣化パターンにも対応することができる。そのため、ユーザに対して安定したサービスを提供することが可能になる。
【0042】
<変形例>
本実施形態における方法は、リアルタイムアプリケーションサービス以外の通信を利用するサービスに適用可能である。
通信端末10が備える記録媒体保持部101と、第一通信部102と、状態監視部105と、接続制御部106とを、ポケット無線LANルータのような無線LAN通信装置に備えるように構成されてもよい。このように構成されることによって、既存のスマートフォン等の通信端末であっても本発明の技術を適用することができる。具体的な処理として、通信端末と、無線LAN通信装置とを無線LAN(例えば、Wi−Fi(登録商標))で接続し、通信端末から送信される通話を無線LAN通信装置が中継装置20に送信する。そして、無線LAN通信装置が備える状態監視部が第一通信部の通信を監視し、監視結果に応じて再接続を行う。
また、通信端末10が備える第一通信部102と、状態監視部105と、接続制御部106とを、ポケット無線LANルータのような無線LAN通信装置に備えるように構成されてもよい。このように構成されることによって、複数の加入者情報記録媒体11を保持する記録媒体保持部101を持つ既存のスマートフォン等の通信端末であっても本発明の技術を適用することができる。
【0043】
[第2実施形態]
第1実施形態では、劣化が検知された場合に再接続を行うことによって劣化を改善する例について説明した。ここで、一般的に、再接続には数十秒以上の時間を要する。そのため、通信端末10が備える無線IF12が全て利用できない状態で再接続を行う場合、数十秒以上の間、データの疎通が停止してしまう。特に、VoIPやTV電話のようなリアルタイムアプリケーションでは、ユーザにとって突然数十秒間停止するような状況があると、不安で利用できないアプリケーションであると判断されてしまい利用されなくなってしまう可能性がある。そこで、第2実施形態では、そのような問題を解決する。
【0044】
図4は、本発明の第2実施形態における通信システム100aの機能構成を示す図である。通信システム100aは、通信端末10a、複数の中継装置20(20−1〜20−m)及び中継サーバ30aを備える。中継サーバ30には、通信端末10aと通信を行う通信端末40aが接続されている。通信端末10aと、複数の中継装置20とは、セルラーネットワーク50を介して接続される。中継装置20と、中継サーバ30aとは、キャリアネットワーク60及び外部ネットワーク70を介して接続される。通信端末10aと、通信端末40aとは、携帯電話網71又は衛星通信網72を介して接続される。通信システム100aにおいて、中継装置20は通信システム100と同様である。以下の説明では、セルラーネットワーク50、キャリアネットワーク60及び外部ネットワーク70をリアルタイムアプリケーションで利用される通信網として説明し、携帯電話網71又は衛星通信網72をリアルタイムアプリケーションで利用される通信網と異なる通信網として説明する。
【0045】
図5は、通信端末10aの機能構成を表す概略ブロック図である。通信端末10aは、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、再接続プログラムを実行する。再接続プログラムの実行によって、通信端末10aは、記録媒体保持部101、第一通信部102、アプリ記憶部103、アプリ通話制御部104、状態監視部105、接続制御部106a、通知部107、通話制御部108、第二通信部109を備える装置として機能する。なお、通信端末10aの各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。また、再接続プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、再接続プログラムは、電気通信回線を介して送受信されてもよい。
【0046】
通信端末10aは、接続制御部106に代えて接続制御部106aを備える点、通知部107、通話制御部108及び第二通信部109を新たに備える点で通信端末10と構成が異なる。通信端末10aは、他の構成については通信端末10と同様である。そのため、通信端末10a全体の説明は省略し、接続制御部106a、通知部107、通話制御部108及び第二通信部109について説明する。
【0047】
接続制御部106aは、状態監視部105の監視結果に基づいて、無線IF12の再接続を行う。また、接続制御部106aは、再接続を行っている間に不安回避手法を実行する。不安回避手法とは、再接続により生じうるユーザの不安を軽減させるための手法である。不安回避手法として、再接続中であることをユーザに通知するガイダンス手法と、リアルタイムアプリケーションで利用される通信網と異なる通信網(例えば、図4における携帯電話網71又は衛星通信網72)を利用させる通話切替手法とが挙げられる。
【0048】
通知部107は、再接続が行われている間に、再接続に関する情報をユーザに通知する。再接続に関する情報とは、ネットワークの劣化により再接続中であることを示す情報や、復旧までの目安となる時間を示す情報である。
通話制御部108は、リアルタイムアプリケーションを利用して行われている通話を、リアルタイムアプリケーションで利用される通信網と異なる通信網を利用した通話に切り替える。
第二通信部109は、携帯電話網又は衛星通信網を介して、通信端末40aとの間で通信を行う。
【0049】
図6は、中継サーバ30aの機能構成を表す概略ブロック図である。中継サーバ30aは、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、中継プログラムを実行する。中継プログラムの実行によって、中継サーバ30aは、第一通信部301、第二通信部302、中継部303、状態監視部304、通知部305を備える装置として機能する。なお、中継サーバ30aの各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。また、中継プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、中継プログラムは、電気通信回線を介して送受信されてもよい。
【0050】
第一通信部301は、キャリアネットワーク60及び外部ネットワーク70を介して、中継装置20との間で通信を行う。
第二通信部302は、通信端末40aとの間で通信を行う。
中継部303は、第一通信部301と、第二通信部302との間で通信の中継を行う。
状態監視部304は、第一通信部301を介した通信の状態を監視する。
通知部305は、再接続が行われている間に、再接続に関する情報を通信端末40aのユーザに通知する。
【0051】
図7は、通信端末10aによる不安回避手法処理の流れを示すフローチャートである。
なお、図7に示す処理は、再接続中に実行される。接続制御部106aは、実行する不安回避手法を判定する(ステップS201)。実行する不安回避手法は、予め設定されていてもよいし、直前に実行した手法と異なる手法であってもよい。実行する不安回避手法がガイダンス手法と判定された場合(ステップS201−ガイダンス)、接続制御部106aは通知部107に対してユーザに対して通知を指示する。通知部107は、接続制御部106aから指示がなされると、再接続に関する情報を含むガイダンスを生成する(ステップS202)。通知部107は、生成したガイダンスをユーザに通知する(ステップS203)。なお、通知の方法は、音声による通知であってもよいし、通信端末10aの画面上にガイダンスを表示してもよいし、その他の方法で通知してもよい。その後、図7の処理が終了する。
【0052】
また、ステップS201の処理において、実行する不安回避手法が通話切替手法と判定された場合(ステップS201−通話切替)、接続制御部106aは通話制御部108に対して迂回ルートへの切り替えを指示する。通話制御部108は、接続制御部106aから迂回ルートへの切り替え指示がなされると、第二通信部109を介して携帯電話網又は衛星通信網等の迂回ルートに通話を切り替える(ステップS204)。具体的には、通話制御部108は、携帯電話網又は衛星通信網等の迂回ルートを介して、通信端末40aとの間で接続を確立することによって通話可能にして通話を切り替える。この際、アプリ通話制御部104はリアルタイムアプリケーションを停止してもよいし、停止しなくてもよい。
【0053】
状態監視部105は、第一通信部102の劣化が改善されたか否か判定する(ステップS205)。劣化が改善されていないと判定された場合(ステップS205−NO)、ステップS205の処理が繰り返し実行される。
一方、劣化が改善されたと判定された場合(ステップS205−YES)、接続制御部106aは通話制御部108に対してリアルタイムアプリケーションによる通話への切り替えを指示する。通話制御部108は、接続制御部106aからリアルタイムアプリケーションによる通話への切り替えの指示がなされると、迂回ルートによる通話をリアルタイムアプリケーションによる通話へ切り替える(ステップS206)。その後、図7の処理が終了する。
【0054】
図8は、通信システム100aにおける処理の流れを示すシーケンス図である。なお、図8の説明では、説明の簡単化のため、通信端末10a、中継サーバ30a及び通信端末40aを用いて説明する。また、不安回避手法として、ガイダンスを例に説明する。
通信端末10aのユーザと、通信端末40aのユーザとによるリアルタイムアプリケーションでの通話が行われている(ステップS301)。状態監視部105は、通信の状態の監視の結果、通信の状態の劣化を検知する(ステップS302)。これにより、接続制御部106aは、再接続の処理を開始する(ステップS303)。なお、再接続の処理の説明は省略する。接続制御部106aは、再接続の処理を開始すると、通知部107に対してガイダンスの通知を指示する。
【0055】
また、中継サーバ30aの状態監視部304は、第一通信部301の通信の状態を監視し、監視の結果、通信端末10aが再接続中であることを検知する(ステップS304)。通信端末10aが再接続中であることは、通信端末10aから再接続することを示す情報を受信することによって検知してもよい。状態監視部304は、再接続中であることを検知すると、通知部305に対してガイダンスの通知を指示する。
【0056】
通信端末10aの通知部107は、接続制御部106aから指示がなされると、再接続に関する情報を含むガイダンスを生成する(ステップS305)。また、中継サーバ30aの通知部305は、状態監視部304から指示がなされると、再接続に関する情報を含むガイダンスを生成する(ステップS306)。通信端末10aの通知部107は、生成したガイダンスをユーザに通知する(ステップS307)。また、中継サーバ30aの通知部305は、生成したガイダンスを通信端末40aに通知する(ステップS308)。
【0057】
以上のように構成された通信システム100aによれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、通信端末10a及び中継サーバ30aは、再接続中であることを通信端末10aのユーザ及び通信端末40aのユーザに通知する。これにより、ユーザは、再接続中であることを把握することができる。そのため、不安を払拭することができる。
また、通信端末10aは、リアルタイムアプリケーションによる通話を、携帯電話網又は衛星通信網を利用した通話に切り替える。これにより、継続して通話が可能になる。さらに、携帯電話網又は衛星通信網は、セルラーネットワーク50よりも劣化がしにくいため安定したリアルタイムアプリケーションサービスを提供することができる。
【0058】
また、通信端末10aが中継サーバ30aに接続している場合に、通信端末10aが大きく移動するとその移動に伴って、通信端末10aが接続する中継装置20が変わり、それに伴い通信端末10aのIPアドレスが変わり、中継サーバ30aと通信端末10aとの接続が維持できなくなってしまう場合も考えられる。これに対して、通信端末10aのように、通信端末10aと中継サーバ30aとの間の接続を再接続することによってこのような問題を回避することができる。
【0059】
<変形例>
第2実施形態は、第1実施形態と同様に変形されてもよい。
本実施形態では、不安回避手法のうちいずれかの手法を利用する構成を示したが、通信端末10aは不安回避手法を全て利用するように構成されてもよい。例えば、通信端末10aは、ユーザに対してガイダンスを通知するとともに、迂回ルートに通話を切り替える。このように構成されることによって、ユーザは、現在、再接続中で、携帯電話網又は衛星通信網を利用していることを把握することができる。
本実施形態では、図7の処理が再接続中に実行される場合を説明したが、図7の処理は通信端末10aが備える全ての無線IF12を再接続しなければならない状況になった場合にのみ実行されてもよい。このように構成されることによって、再接続が行われる度にガイダンスの通知や、迂回ルートへの通話切り替えが行われなくなる。したがって、処理に係る負荷を軽減することができる。さらに、再接続が行われる度にガイダンスが通知されてしまうことによる煩わしさを改善することができる。さらに、再接続が行われる度に迂回ルートへの通話切り替えがなされることにより生じる料金を削減することができる。
【0060】
[第3実施形態]
第1実施形態では、劣化が検知された場合に再接続を行うことによって劣化を改善する例について説明した。また、第2実施形態では、再接続中に生じうるユーザの不安を軽減する例について説明した。第1実施形態及び第2実施形態のように、複数の無線IF12を通信事業者が提供する携帯電話サービスで実現しようとすると、無線IF12分の携帯電話通信契約を結ぶ必要があり、一般のユーザが利用できるレベルの低コストで実現することは困難である。そこで、第3実施形態では、そのような問題を解決する。
【0061】
(コスト低減第一手法)
コスト低減第一手法は、複数の無線IF12それぞれに対して、MVNO(Mobile Virtual Network Operator)向けの加入者情報記録媒体を対応付けて利用する手法である。
コスト低減第一手法を利用する場合、通信端末のユーザがMVNOによる契約を前提とする。そして、通信端末の第一通信部は、複数の無線IFそれぞれに対応付けられたMVNOの加入者情報記録媒体を利用して通信を行う。
【0062】
(コスト低減第二手法)
コスト低減第二手法は、仮想的な加入者情報(例えば、バーチャルSIM)を利用する手法である。コスト低減第二手法について具体的に説明する。図9は、本発明の第3実施形態におけるコスト低減第二手法を用いる場合の通信システム100bの機能構成を示す図である。通信システム100bは、複数の通信端末10b(10b−1〜10b−l(lは2以上の整数))、複数の中継装置20(20−1〜20−m)、中継サーバ30及び加入者情報制御サーバ80を備える。中継サーバ30には、通信端末10bと通信を行う通信端末40が接続されている。通信端末10bと、複数の中継装置20とは、セルラーネットワーク50を介して接続される。中継装置20と、中継サーバ30とは、キャリアネットワーク60及び外部ネットワーク70を介して接続される。通信端末10bと、加入者情報制御サーバ80とは、外部ネットワーク70を介して接続される。通信システム100aにおいて、中継装置20、中継サーバ30及び通信端末40は通信システム100と同様である。
【0063】
通信端末10bは、例えば携帯電話、スマートフォン、タブレット装置等の情報処理装置を用いて構成される。通信端末10bは、中継装置20との間で無線通信を行う。また、複数の通信端末10b−1〜10b−lは、互いに同じ複数の加入者識別情報を記憶する。例えば、複数の通信端末10b−1〜10b−lは、加入者識別情報“A”、“B”及び“C”を記憶する。
加入者情報制御サーバ80は、複数の通信端末10b−1〜10b−lが記憶する加入者識別情報を管理する。具体的には、加入者情報制御サーバ80は、通信端末10b同士で同時に同じ加入者識別情報を利用することがないように、各通信端末10bに対して利用させる加入者識別情報を指示する。
【0064】
図10は、通信端末10bの機能構成を表す概略ブロック図である。なお、通信端末10b−1〜10b−lは、同一の構成を備えるためまとめて説明する。通信端末10bは、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、再接続プログラムを実行する。再接続プログラムの実行によって、通信端末10bは、第一通信部102、アプリ記憶部103、アプリ通話制御部104、状態監視部105、接続制御部106b、加入者情報記憶部110を備える装置として機能する。なお、通信端末10bの各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。
また、再接続プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。
コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、再接続プログラムは、電気通信回線を介して送受信されてもよい。
【0065】
通信端末10bは、接続制御部106に代えて接続制御部106aを備える点、加入者情報記憶部110を新たに備える点、記録媒体保持部101を備えない点で通信端末10と構成が異なる。通信端末10bは、他の構成については通信端末10と同様である。そのため、通信端末10b全体の説明は省略し、接続制御部106b及び加入者情報記憶部110について説明する。
【0066】
加入者情報記憶部110は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。加入者情報記憶部110は、複数の加入者識別情報を記憶する。加入者情報記憶部110に記憶される加入者識別情報は、例えば通信事業者から提供される記録媒体の識別情報や、MVNOの向けの加入者情報記録媒体の識別情報などである。加入者情報記憶部110に記憶される加入者識別情報は、予め加入者情報記憶部110に記憶させておいてもよいし、所定のタイミングで、加入者識別情報を記憶するサーバ(例えば、加入者情報制御サーバ80)から取得されて加入者情報記憶部110に記憶されてもよい。所定のタイミングは、例えば、通信端末10bとサーバとの接続がなされてから所定の時間が経過したタイミングであってもよいし、所定の時刻になったタイミングでもよいし、加入者識別情報を記憶するサーバからの指示がなされたタイミングであってもよいし、その他のタイミングであってもよい。
【0067】
接続制御部106bは、状態監視部105の監視結果に基づいて、無線IF12の再接続を行う。また、接続制御部106bは、加入者情報制御サーバ80からの指示に従って利用する加入者識別情報を、加入者情報記憶部110から用いて各無線IF12に対応付けることによって通信可能に構成する。これにより、第一通信部102は、加入者情報記憶部110に記憶された加入者識別情報を利用して通信を行うことができる。
【0068】
図11は、加入者情報制御サーバ80の機能構成を表す概略ブロック図である。加入者情報制御サーバ80は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、管理プログラムを実行する。管理プログラムの実行によって、加入者情報制御サーバ80は、通信部801、加入者識別情報記憶部802、利用状態記憶部803、管理部804を備える装置として機能する。なお、加入者情報制御サーバ80の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。また、管理プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、管理プログラムは、電気通信回線を介して送受信されてもよい。
【0069】
通信部801は、中継装置20を介して、通信端末10bとの間で通信を行う。
加入者識別情報記憶部802は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。加入者識別情報記憶部802は、複数の加入者識別情報を記憶する。
利用状態記憶部803は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。利用状態記憶部803は、複数の通信端末10b−1〜10b−lの加入者識別情報の利用状態を記憶する。具体的には、利用状態記憶部803は、複数の通信端末10b−1〜10b−lの識別情報と、各通信端末10bが利用している加入者識別情報とを対応付けて記憶する。
管理部804は、複数の通信端末10b−1〜10b−lが、同じ加入者識別情報を利用することがないように、複数の通信端末10b−1〜10b−lそれぞれに対して異なる加入者識別情報の利用を指示する。
【0070】
図12は、通信システム100bにおける処理の流れを示すシーケンス図である。なお、図12の説明では、説明の簡単化のため、2台の通信端末10b−1〜10b−2及び加入者情報制御サーバ80を用いて説明する。また、通信端末10b−1及び10b−2には、予め同じ複数の加入者識別情報が記憶されており、加入者情報制御サーバ80には通信端末10b−1及び10b−2が記憶している加入者識別情報が記憶されているものとする。
【0071】
通信端末10b−1の接続制御部106bは、加入者識別情報の利用を要求する利用要求を加入者情報制御サーバ80に対して送信する(ステップS401)。また、通信端末10b−2の接続制御部106bは、加入者識別情報の利用を要求する利用要求を加入者情報制御サーバ80に対して送信する(ステップS402)。加入者情報制御サーバ80の通信部801は、通信端末10b−1及び通信端末10b−2から送信された利用要求を受信する。管理部804は、利用要求の受信に応じて、加入者識別情報記憶部802に記憶されている複数の加入者識別情報に基づいて、通信端末10b−1及び10b−2に利用させる加入者識別情報を決定する(ステップS403)。具体的には、通信端末10b−1及び10b−2からの利用要求を受けた管理部804は、加入者識別情報記憶部802に記憶されている複数の加入者識別情報のうち、通信端末10b−1及び10b−2が同じ加入者識別情報を利用しないようにそれぞれ異なる加入者識別情報を通信端末10b−1及び10b−2が利用する加入者識別情報に決定する。なお、各通信端末10bが利用する加入者識別情報の決定方法は、各通信端末10bが利用する加入者識別情報が被らないように決定されてもよい。この処理により、通信端末10b−1及び10b−2で同じ加入者識別情報を利用することが無くなる。管理部804は、決定した通信端末10b毎の加入者識別情報を、通信端末10bの識別情報に対応付けて利用状態記憶部803に記憶する。その後、管理部804は、通信部801を介して、決定した加入者識別情報を利用するように通信端末10b−1及び通信端末10b−2にそれぞれ利用指示を送信する(ステップS404及びステップS405)。利用指示には、どの加入者識別情報が利用可能であるのかを示す情報が含まれる。
【0072】
通信端末10b−1は、加入者情報制御サーバ80から送信された利用指示を受信する。接続制御部106bは、受信された利用指示で示される利用可能な加入者識別情報を各無線IF12に対応付けることによって通信可能に構成する。その後、通信端末10b−1は、対応付けられた加入者識別情報を利用して通信を行う(ステップS406)。
通信端末10b−2は、加入者情報制御サーバ80から送信された利用指示を受信する。接続制御部106bは、受信された利用指示で示される利用可能な加入者識別情報を各無線IF12に対応付けることによって通信可能に構成する。その後、通信端末10b−2は、対応付けられた加入者識別情報を利用して通信を行う(ステップS407)。
【0073】
また、通信端末10b−1は、通信が終了した段階で、加入者情報制御サーバ80に利用終了を送信する(ステップS408)。同様に通信端末10b−2もまた、通信が終了した段階で、加入者情報制御サーバ80に利用終了を送信する(ステップS409)。利用終了には、どの加入者識別情報の利用を終了するかを示す情報が含まれる。これにより、加入者情報制御サーバ80は、どの加入者識別情報の利用が終了したのかを把握することができる。なお、管理部804は、利用終了が受信されると、利用状態記憶部803に記憶されている情報のうち、利用終了で示される通信端末10bの識別情報と、通信端末10bの識別情報に対応付けられた加入者識別情報を削除する。
【0074】
以上のように構成された通信システム100bによれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、通信端末10bは、MVNOの加入者情報記録媒体や、仮想的な加入者情報を用いて通信を行う。これにより、低コストで複数の無線IF12の利用を実現することが可能になる。
また、加入者情報制御サーバ80は、複数の通信端末10b内で同じ加入者識別情報が利用されないように、各通信端末10bが利用する加入者識別情報を制御する。これにより、同じ加入者識別情報が複数の通信端末10bで利用されてしまうことを無くすことができる。
【0075】
<変形例>
通信端末10bが備える第一通信部102と、状態監視部105と、接続制御部106bと、加入者情報記憶部110とを、ポケット無線LANルータのような無線LAN通信装置に備えるように構成されてもよい。このように構成されることによって、既存のスマートフォン等の通信端末であっても本発明の技術を適用することができる。
また、通信端末10bが備える第一通信部102と、状態監視部105と、接続制御部106bとを、ポケット無線LANルータのような無線LAN通信装置に備えるように構成されてもよい。このように構成されることによって、加入者情報記憶部110を持つ既存のスマートフォン等の通信端末であっても本発明の技術を適用することができる。
通信端末10bは、第2実施形態における通信端末10aの通知部107、通話制御部108及び第二通信部109をさらに備えるように構成されてもよい。
【0076】
加入者情報制御サーバ80の管理部804は、各通信端末10bが利用する加入者識別情報をスケジューリングしておき、スケジューリング結果を指示することによって各通信端末10bが利用する加入者識別情報を制御してもよい。ここで、スケジューリングとは、通信端末10b毎に加入者識別情報の利用手順を制御することを意味する。具体的な処理について図13を用いて説明する。図13は、通信システム100bにおける別例の処理の流れを示すシーケンス図である。なお、図13の説明では、説明の簡単化のため、2台の通信端末10b−1〜10b−2及び加入者情報制御サーバ80を用いて説明する。
また、通信端末10b−1及び10b−2には、予め同じ複数の加入者識別情報が記憶されており、加入者情報制御サーバ80には通信端末10b−1及び10b−2が記憶している加入者識別情報が記憶されているものとする。
【0077】
管理部804は、加入者識別情報記憶部802に記憶されている複数の加入者識別情報に基づいて、通信端末10b−1及び10b−2毎のスケジューリングを行う(ステップS501)。具体的には、管理部804は、加入者識別情報記憶部802に記憶されている複数の加入者識別情報のうち、通信端末10b−1に対して利用させる加入者識別情報を所定の時間帯(例えば、10時〜15時、15時〜20時等)毎に決定する。また、管理部804は、加入者識別情報記憶部802に記憶されている複数の加入者識別情報のうち、通信端末10b−2に対して利用させる加入者識別情報を所定の時間帯毎に決定する。管理部804は、通信端末10b−1及び10b−2が利用する加入者識別情報が被る時間帯がないように、通信端末10b−1及び10b−2が利用する時間帯毎の加入者識別情報を決定する。管理部804は、このようにして通信端末10b毎に加入者識別情報の利用手順を制御する。
【0078】
管理部804は、決定した通信端末10b毎のスケジューリング結果を、通信端末10bの識別情報に対応付けて利用状態記憶部803に記憶する。その後、管理部804は、通信部801を介して、決定したスケジューリング結果を通信端末10b−1及び通信端末10b−2にそれぞれ送信する(ステップS502及びステップS503)。スケジューリング結果には、どの時間帯にどの加入者識別情報が利用可能であるのかを示す情報が含まれる。
【0079】
通信端末10b−1は、加入者情報制御サーバ80から送信されたスケジューリング結果を受信する。接続制御部106bは、受信されたスケジューリング結果を参照し、自装置で利用する加入者識別情報を判断する(ステップS504)。そして、接続制御部106bは、現在利用可能な加入者識別情報を各無線IF12に対応付けることによって通信可能に構成する。通信端末10b−1は、対応付けられた加入者識別情報を利用して通信を行う(ステップS505)。その後、接続制御部106bは、スケジューリング結果で示される時間帯毎に、利用する加入者識別情報を変更する。
【0080】
通信端末10b−2は、加入者情報制御サーバ80から送信されたスケジューリング結果を受信する。接続制御部106bは、受信されたスケジューリング結果を参照し、自装置で利用する加入者識別情報を判断する(ステップS506)。そして、接続制御部106bは、現在利用可能な加入者識別情報を各無線IF12に対応付けることによって通信可能に構成する。通信端末10b−2は、対応付けられた加入者識別情報を利用して通信を行う(ステップS507)。その後、接続制御部106bは、スケジューリング結果で示される時間帯毎に、利用する加入者識別情報を変更する。
【0081】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0082】
10、10a、10b…通信端末,11(11−1〜11−n)…加入者情報記録媒体,12(12−1〜12−n)…無線IF, 20(20−1〜20−m)…中継装置, 30、30a…中継サーバ, 40、40a…通信端末, 50…セルラーネットワーク, 60…キャリアネットワーク, 70…外部ネットワーク, 80…加入者情報制御サーバ, 101…記録媒体保持部, 102…第一通信部, 103…アプリ記憶部, 104…アプリ通話制御部, 105…状態監視部, 106、106a、106b…接続制御部, 107…通知部, 108…通話制御部, 109…第二通信部, 110…加入者情報記憶部, 301…第一通信部, 302…第二通信部, 303…中継部, 304…状態監視部, 305…通知部, 801…通信部, 802…加入者識別情報記憶部, 803…利用状態記憶部, 804…管理部
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