特許第6845950号(P6845950)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6845950
(24)【登録日】2021年3月2日
(45)【発行日】2021年3月24日
(54)【発明の名称】真空掃除機用のフィルタ装置
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/20 20060101AFI20210315BHJP
【FI】
   A47L9/20 A
   A47L9/20 511Z
   A47L9/20 521Z
   A47L9/20 531K
【請求項の数】7
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-572538(P2019-572538)
(86)(22)【出願日】2018年6月20日
(65)【公表番号】特表2020-525226(P2020-525226A)
(43)【公表日】2020年8月27日
(86)【国際出願番号】EP2018066327
(87)【国際公開番号】WO2019002032
(87)【国際公開日】20190103
【審査請求日】2020年2月21日
(31)【優先権主張番号】17178621.3
(32)【優先日】2017年6月29日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591010170
【氏名又は名称】ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】特許業務法人ナガトアンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】オーレンドルフ, オリバー
【審査官】 粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/090640(US,A1)
【文献】 独国特許出願公開第10101219(DE,A1)
【文献】 独国特許出願公開第102010045979(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空掃除機(1)の少なくとも一部を通る、少なくとも1つの第1及び第2の主空気流(8a、8b)を生成するためのタービン装置(6)と、制御ユニット(7)とを含む、前記真空掃除機(1)用のフィルタ装置(2)であって、
第1のチャンバ(11a)であって、第1のフィルタ要素(22a)、第1の流出開口(12a)、第1の入口開口(25a)及び前記第1のチャンバ(11a)を第1及び第2の空間(23a、24a)に分割し且つ第1及び第2の位置の間で可逆的に移動可能である、第1の圧力サージ要素(14a)を含み、前記第1の主空気流(8a)が前記第1のフィルタ要素(22a)を介して前記第1のチャンバ(11a)の前記第1の空間(23a)に流入し、前記第1の流出開口(12a)を介して背後へ流れ出ることができる第1のチャンバ(11a)と、
第2のチャンバ(11b)であって、第2のフィルタ要素(22b)、第2の流出開口(12b)、第2の入口開口(25b)及び前記第2のチャンバ(11b)を第1及び第2の空間(23b、24b)に分割し且つ第1及び第2の位置の間で可逆的に移動可能である、第2の圧力サージ要素(14b)を含み、前記第2の主空気流(8b)が前記第2のフィルタ要素(22b)を介して前記第2のチャンバ(11b)の前記第1の空間(23b)に流入し、前記第2の流出開口(12b)を介して背後へ流れ出ることができる第2のチャンバ(11b)とを含み、
前記第1の主空気流(8a)によって生成可能な負圧が前記第1の圧力サージ要素(14a)を第1の位置に移動させるように、前記第1の流出開口(12a)および前記第1のフィルタ要素(22a)が前記第1のチャンバ(11a)の前記第1の空間(23a)に配置されており、且つ、前記第2の主空気流(8b)によって生成可能な負圧が前記第2の圧力サージ要素(14b)を第1の位置に移動させるように、前記第2の流出開口(12b)および前記第2のフィルタ要素(22b)が前記第2のチャンバ(11b)の前記第1の空間(23b)に配置されており、
前記第1の入口開口(25a)を介して前記第1のチャンバ(11a)の前記第2の空間(24a)に作用する大気圧が、前記第1の圧力サージ要素(14a)を前記第2の位置に移動し、その際にパルスが前記第1の圧力サージ要素(14a)から前記第1のフィルタ要素(22a)に伝達されて、前記第1のフィルタ要素(22a)を瞬時にクリーニングするように、前記第1の入口開口(25a)が前記第1のチャンバ(11a)の前記第2の空間(24a)に配置され、且つ、前記第2の入口開口(25b)を介して前記第2のチャンバ(11b)の前記第2の空間(24b)に作用する大気圧が、前記第2の圧力サージ要素(14b)を前記第2の位置に移動し、その際にパルスが前記第2の圧力サージ要素(14b)から前記第2のフィルタ要素(22b)に伝達されて、前記第2のフィルタ要素(22b)を瞬時にクリーニングするように、前記第2の入口開口(25b)が前記第2のチャンバ(11b)の前記第2の空間(24b)に配置されており、且つ、前記第1のフィルタ要素(22a)および前記第2のフィルタ要素(22b)を交互にクリーニングするように、前記第1の圧力サージ要素(14a)および前記第2の圧力サージ要素(14b)は前記第1の位置から前記第2の位置に交互に可逆的に移動可能である、ことを特徴とするフィルタ装置(2)。
【請求項2】
前記第1および第2の圧力サージ要素の前記第1の位置から前記第2の位置への交互に可逆的な移動が、前記制御ユニットによって調節される、ことを特徴とする請求項1に記載のフィルタ装置(2)。
【請求項3】
第1の弁を備えた第1の入口ラインおよび第2の弁を備えた第2の入口ラインを有し、
前記第1の入口開口は前記第1の入口ラインによって周囲空気に接続可能であり、前記第2の入口開口は前記第2の入口ラインによって周囲空気に接続可能であり、
前記第1の入口ラインは前記第1の弁によって閉鎖可能であり、前記第2の入口ラインは前記第2の弁によって閉鎖可能である、ことを特徴とする請求項1または2に記載のフィルタ装置(2)。
【請求項4】
第1および第2の保持要素を備え、前記第1の保持要素は前記第1の圧力サージ要素を前記第1の位置に保持することができ、前記第2の保持要素は前記第2の圧力サージ要素を前記第1の位置に保持することができる、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載のフィルタ装置(2)。
【請求項5】
前記第1および/または第2の保持要素は、ばねの形態に設計されている、ことを特徴とする請求項4に記載のフィルタ装置(2)。
【請求項6】
前記第1および/または第2の保持要素は、磁石の形態に設計されている、ことを特徴とする請求項4に記載のフィルタ装置(2)。
【請求項7】
請求項1に記載の前記フィルタ装置(2)であって、
第1および第2の接続チャネルを備え、前記第1の接続チャネルは前記タービン装置によって前記第1のチャンバの前記第2の空間内の空気圧を増大させるために前記タービン装置と前記第1の入口ラインとを接続しており、前記第2の接続チャネルは前記タービン装置によって前記第2のチャンバの前記第2の空間内の空気圧を増大させるために前記タービン装置と前記第2の入口ラインとを接続している、ことを特徴とするフィルタ装置(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空掃除機(バキューム クリーナ)の少なくとも一部を通る、少なくとも1つの第1及び少なくとも1つの第2の主空気流を生成するためのタービン装置と、制御ユニットとを含む、真空掃除機用フィルタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
掃除機はしばしば、ダスト、ボーリング(borings)等の形態の汚れ粒子を掃除するために建設現場で使用される。
【0003】
汚れを収集するために、タービンを用いて真空掃除機の内部に負圧が生成される。真空掃除機に接続されたホースを介して、負圧を利用して、汚れ粒子を真空引きし、それらを真空掃除機の収集容器内に移送する。商業的に入手可能な真空掃除機は、通常、タービン、フィルタ、収集容器、及び吸引された汚れ粒子のための入口開口が連続的に又は流路上に位置するように設計される。フィルタが、収集容器或いは吸引された汚れ粒子のための入口開口と負圧発生タービンとの間に配置されることが重要である。汚れ粒子を多く含んだ吸引空気がタービンを通って流れると、その結果、タービンを汚すか、または損傷することになるので、フィルタは吸引空気を清浄にし、したがって、特に、タービンを保護するために使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、フィルタもはや十分なフィルタ機能を提供することができず、フィルタを通って流れる空気から吸引された汚れ粒子を濾過することもはや不可能である場合には、問題がプロセスにおいて生じる。これは、特に、真空掃除機の長期使用に起因して、フィルタがますます汚れている、すなわち汚れ粒子で満たされている場合に当てはまる。フィルタを機能的に保つためには、フィルタを断続的にクリーニング(浄化)し、収集された汚れ粒子を除去しなければならない。しかしながら、フィルタを清浄にするためには、真空掃除機のスイッチを切って開き、フィルタを取り出して、収集された汚れ粒子を除去しなければならない。しかしながら、このような活動は真空引きプロセスを中断し、非常に時間がかかる。
【0005】
従来技術によれば、真空掃除機のスイッチを切って開き、収集された汚れ粒子を除去するためにフィルタを取り出す必要なしに、フィルタをクリーニングするための装置を含む真空掃除機も既に存在する。しかしながら、このような装置の欠点はフィルタがクリーニングされている間、これらの真空掃除機では真空引きプロセスも中断されなければならないことである。これはまた、真空掃除機での作業を長引かせる。
【0006】
したがって、本発明の目的は上述の問題を解決し、フィルタがクリーニングされている間、真空引きプロセスが中断されず、したがって、真空掃除機のユーザが時間の節約をできる、真空掃除機用の改善されたフィルタ装置を提供することである。
【0007】
この目的は、独立請求項1の主題によって達成される。本発明による主題の有利な特定の実施形態は、従属請求項に記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、真空掃除機の少なくとも一部を通る少なくとも1つの第1及び少なくとも1つの第2の主空気流を生成するためのタービン装置と、制御ユニットとを含む、真空掃除機用フィルタ装置によって達成される。
【0009】
本発明によれば、第1のチャンバであって、第1のフィルタ要素、第1の流出開口、第1の入口開口及び前記第1のチャンバを第1及び第2の空間に分割し且つ第1及び第2の位置の間で可逆的に移動可能である、第1の圧力サージ要素を含み、前記第1の主空気流が前記第1のフィルタ要素を介して前記第1のチャンバの前記第1の空間に流入し、前記第1の流出開口を介して背後へ流れ出ることができる第1のチャンバと、第2のチャンバであって、第2のフィルタ要素、第2の流出開口、第2の入口開口及び前記第2のチャンバを第1及び第2の空間に分割し且つ第1及び第2の位置の間で可逆的に移動可能である、第2の圧力サージ要素を含み、前記第2の主空気流が前記第2のフィルタ要素を介して前記第2のチャンバの前記第1の空間に流入し、前記第2の流出開口を介して背後へ流れ出ることができる第2のチャンバとを含み、前記第1の主空気流によって生成可能な負圧が前記第1の圧力サージ要素を第1の位置に移動させるように、前記第1の流出開口および前記第1のフィルタ要素が前記第1のチャンバの前記第1の空間に配置されており、且つ、前記第2の主空気流によって生成可能な負圧が前記第2の圧力サージ要素を第1の位置に移動させるように、前記第2の流出開口および前記第2のフィルタ要素が前記第2のチャンバの前記第1の空間に配置されており、前記第1の入口開口を介して前記第1のチャンバの前記第2の空間に作用する大気圧が、前記第1の圧力サージ要素を前記第2の位置に移動し、その際にパルスが前記第1の圧力サージ要素から前記第1のフィルタ要素に伝達されて、前記第1のフィルタ要素を瞬時にクリーニングするように、前記第1の入口開口が前記第1のチャンバの前記第2の空間に配置され、且つ、前記第2の入口開口を介して前記第2のチャンバの前記第2の空間に作用する大気圧が、前記第2の圧力サージ要素を前記第2の位置に移動し、その際にパルスが前記第2の圧力サージ要素から前記第2のフィルタ要素に伝達されて、前記第2のフィルタ要素を瞬時にクリーニングするように、前記第2の入口開口が前記第2のチャンバの前記第2の空間に配置されており、且つ、前記第1のフィルタ要素および前記第2のフィルタ要素を交互にクリーニングするように、前記第1の圧力サージ要素および前記第2の圧力サージ要素は前記第1の位置から前記第2の位置に交互に可逆的に移動可能である。
【0010】
このようにして、フィルタがクリーニングされている間、真空プロセスは中断されず、ユーザは、真空掃除機によって汚れ粒子を吸引し続けることができる。
【0011】
本発明の1つの有利な実施形態によれば、第1および第2の圧力サージ要素の第1の位置から第2の位置への交互の可逆的な移動が、制御ユニットによって調節されることが可能であり得る。このようにして、フィルタをクリーニングするための回数または頻度を正確に制御することができる。
【0012】
1つのさらなる代替の実施形態によれば、第1および/または第2のチャンバの第1の空間内の空気流を測定するためのセンサが存在してもよく、それを用いて、それぞれのフィルタの汚れの程度を確認することができる。センサは、制御ユニットに接続され、それぞれのフィルタの汚れの程度に関する対応する信号を制御ユニットに送信する。制御ユニットはさらに、論理ユニットおよび/またはルックアップテーブルを含み、これらの論理ユニットおよび/またはルックアップテーブルを用いて、それぞれのフィルタの汚れの程度を解釈することができ、必要に応じて、それぞれのフィルタの即座のクリーニングをすることができる。
【0013】
本発明の1つのさらなる有利な実施形態によれば、第1の弁を備えた第1の入口ラインおよび第2の弁を備えた第2の入口ラインを有し、第1の入口開口は前記第1の入口ラインによって周囲空気に接続可能であり、第2の入口開口は第2の入口ラインによって周囲空気に接続可能であり、第1の入口ラインは第1の弁によって閉鎖可能であり、第2の入口ラインは第2の弁によって閉鎖可能である。このようにして、第1または第2のチャンバのそれぞれの第2の空間から真空掃除機のバイパス空気への接続、したがって大気圧状態への接続を簡単な方法で形成することができる。
【0014】
制御ユニットが第1および/または第2の弁、または第1および/または第2の弁の流れ開口を制御または調整することができるように、第1および/または第2の弁を制御ユニットに接続することが可能である。このようにして、第1および/または第2の弁は制御ユニットを介して集中的に、かつ個別的に制御できる。
【0015】
本発明の1つのさらなる有利な実施形態によれば、第1および第2の保持要素が存在し、第1の保持要素は第1の圧力サージ要素を第1の位置に保持することができ、第2の保持要素は、第2の圧力サージ要素を第1の位置に保持することができる。第1の保持要素が第1のチャンバの第2の空間に配置され、第2の保持要素が第2のチャンバの第2の空間に配置されることが可能である。
【0016】
圧力サージ要素が第1の位置から第2の位置に移動される前に、第1または第2のチャンバのそれぞれの第2の空間内のそれぞれの入口ラインによってより高い空気圧が設定され得るように、それぞれの圧力サージ要素のための保持力が保持要素によって形成される。保持要素の選択された保持力に対応して、クリーニングのためにそれぞれのフィルタ要素に作用する圧力サージ要素によって形成されるパルスを増加させることも可能である。ブーストパルスの結果として、クリーニングも改善される。
【0017】
本発明のさらに有利な特定の実施形態によれば、第1および/または第2の保持要素は、ばねの形態に設計されることが可能である。このようにして、保持要素は、簡単な方法で実施され得る。ばねは、第1の空間内に配置され、圧力サージ要素を一方向に押す圧縮ばねの形成で設計することができる。さらに、ばねは、第2の空間内に配置され、圧力サージ要素を一方向に引っ張る引張ばねの形成で設計されてもよい。
【0018】
本発明のさらに有利な特定の実施形態によれば、第1および/または第2の保持要素は、磁石の形態で設計されることが可能であり得る。
このようにして、それぞれの圧力サージ要素が第1の位置から第2の位置に瞬時に移動される前に、第2の空間内にほぼ最大の圧力を簡単な方法で生成することができる。
したがって、フィルタ要素をクリーニングするために圧力圧力サージ要素によって生成されるパルスはほぼ最大である。
【0019】
本発明の1つのさらなる有利な実施形態によれば、第1および第2の接続チャネルを備えることが可能であり、第1の接続チャネルはタービン装置の助けを借りて第1のチャンバの第2の空間内の空気圧を増大させるためにタービン装置と第1の供給ラインとを接続し、第2の接続チャネルは、タービン装置の助けを借りて第2のチャンバの第2の空間内の空気圧を増大させるためにタービン装置と第2の供給ラインとを接続することができる。このようにして、タービン装置を用いてそれぞれの第2の空間内に負圧を発生させて、圧力サージ要素を第2の位置から第1の位置へと再びより迅速に移動させることができる。
1つのさらなる有利な実施形態によれば、接続チャネルは、弁を介して制御または調整されてもよい。その制御または調整は、制御ユニットによって実行される。
【0020】
さらに、制御ユニットに接続された第1の圧力センサが第1のチャンバの第2の空間内に存在してもよく、制御ユニットに接続された第2のセンサが第2のチャンバの第2の空間内に存在してもよく、それによって、それぞれの第2の空間内の空気圧を測定することができる。このようにして、それぞれの第2の空間内の空気圧の値は、制御ユニットに送られ、その結果、制御ユニットは、第1および/または第2の弁を開き、又はその開度を増加し、空気圧を増加させる。代替として、制御ユニットは、したがって、タービン装置から第1および/または第2の接続チャネルを介してそれぞれの第2の空間内に空気圧流を有することができる。制御ユニットは、この目的のためにタービン装置に接続されている。
【0021】
さらなる利点は、以下の図面に基づいた説明から得られる。図面は、本発明の異なる例示的な実施形態を示している。図面、説明、および特許請求の範囲は、組み合わせた多数の特徴を含んでいる。当業者にとって特徴を個別に考慮し、それらを有用なさらなる組み合わせで組み合わせることも有利であろう。
【0022】
図面において、同一および類似の構成要素は、同一の参照番号によって示されている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は本発明の第1の実施形態に係るフィルタ装置を含む真空掃除機の概略側面図を示している図である。
図2図2は本発明の第1の実施形態に係るフィルタ装置を含む真空掃除機の更なる概略側面図を示し、第1及び第2の圧力サージ要素は第1の位置にあり、第1及び第2の弁は閉じている様子を示している図である。
図3図3は本発明の第1の実施形態に係るフィルタ装置を含む真空掃除機のさらなる概略側面図を示し、第1及び第2の圧力サージ要素は第1の位置にあり、第1の弁は開いており、第2の弁は閉じている様子を示している図である。
図4図4は本発明の第1の実施形態に係るフィルタ装置を含む真空掃除機のさらなる概略側面図を示し、第1の圧力サージ要素は、第1の位置と第2の位置との間にある様子を示している図である。
図5図5は本発明の第1の実施形態に係るフィルタ装置を含む真空掃除機のさらなる概略側面図を示し、第1のフィルタ要素がクリーニングされるように第1の圧力サージ要素が第2の位置にある様子を示している図である。
図6図6は本発明の第1の実施形態に係るフィルタ装置を含む真空掃除機のさらなる概略側面図を示し、第1及び第2の弁が閉じられ、第1の圧力サージ要素が第2の位置から第1の位置に移動する様子を示している図である。
図7図7は本発明の第1の実施形態に係るフィルタ装置を含む真空掃除機のさらなる概略側面図を示し、第1及び第2の弁は閉じており、第1及び第2の圧力サージ要素の両方が第1の位置にある様子を示している図である。
図8図8は本発明の第1の実施形態に係るフィルタ装置を含む真空掃除機のさらなる概略側面図を示し、第2の弁が開いており、第2の圧力サージ要素が第1の位置と第2の位置との間にある様子を示している図である。
図9図9は本発明の第1の実施形態に係るフィルタ装置を含む真空掃除機のさらなる概略側面図を示し、第2のフィルタ要素がクリーニングされるように第2の圧力サージ要素が第2の位置にある様子を示している図である。
図10図10は本発明の第1の実施形態に係るフィルタ装置を含む真空掃除機のさらなる概略側面図を示し、第1及び第2の弁が閉じられ、第2の圧力サージ要素が第2の位置から第1の位置に移動する様子を示している図である。
図11図11は本発明の第1の実施形態に係るフィルタ装置を含む真空掃除機の更なる概略側面図を示し、第1及び第2の弁は閉じられ、第1及び第2の圧力サージ要素の両方が第1の位置にある様子を示している図である。
図12図12は本発明の第1の実施形態に係るフィルタ装置を含む真空掃除機のさらなる概略側面図を示し、第1の圧力サージ要素は、第1のフィルタ要素がクリーニングされるように第2の位置にある様子を示している図である。
図13図13は本発明の第2の実施形態に係るフィルタ装置を含む真空掃除機のさらなる概略側面図を示している図である。
図14図14は本発明の第3の実施形態に係るフィルタ装置を含む真空掃除機のさらなる概略側面図を示している図である。
図15図15は本発明の第4の実施形態に係るフィルタ装置を含む真空掃除機のさらなる概略側面図を示している図である。
図16図16は本発明の第5の実施形態に係るフィルタ装置を含む真空掃除機の概略側面図を示している図である。
図17図17は本発明の第5の実施形態に係るフィルタ装置を含む真空掃除機のさらなる概略側面図を示している図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1図12は、本発明の第1の実施形態に係るフィルタ装置2を含む真空掃除機1を示している。
【0025】
真空掃除機1は本質的に、吸引ヘッド3と、汚れ粒子のための収集容器4とを含んでいる。吸引ヘッド3は、ハウジング5と、タービン装置6と、フィルタ装置2と、制御ユニット7とを有している。
【0026】
タービン装置6は、第1の主空気流8aおよび第2の主空気流8bを生成するために使用される。第1および第2の主空気流8a、8bの両方は、収集容器4からタービン装置6を介して吸引ヘッド3に流れ、ハウジング5から出る(図2参照)。
【0027】
制御ユニット7は、タービン装置6のハウジング6aに配置されている。しかしながら、制御ユニット7を吸引ヘッド3の任意の他の可能な位置に配置することも可能である。さらに、制御ユニット7はタービン装置6の機能が制御ユニット7によって制御および調整され得るように、タービン装置6に接続されている。
【0028】
収集容器4は本質的に、吸引開口10を有するパン9から構成される。代替として、収集容器4はまた、吸引開口なしで設計することができ、その結果、汚れ粒子SPを含む吸引された空気は、この目的のために提供される開口を介して吸引ヘッド3に流すことができ、そして対応するラインを介して収集容器4に流すことができる。このような実施形態では、吸引開口のための対応する孔を有さない廃棄バッグを収集容器4に挿入することができる。
【0029】
真空掃除機ホースの第1の端部は、吸引開口10に接続することができる。真空掃除機ホースの第2の端部は工作機械上のノズル(例えば、フロアノズル)又は吸引装置のためのインターフェースを含み、このインターフェースを用いて汚れ粒子を吸引することができる。第1および第2の主空気流8a、8bの助けを借りて、空気、したがって汚れ粒子SPが真空掃除機ホースを介して吸引され、収集容器4内に移送される。真空掃除機ホースは図示されていない。
【0030】
フィルタ装置2は、第1のチャンバ11aおよび第2のチャンバ11bを含んでいる。第1および第2のチャンバ11a、11bは共に円筒形状を有する。しかしながら、第1のチャンバ11aおよび/または第2のチャンバ11bがそれぞれ異なる形状を有することも可能である。
【0031】
第1のチャンバ11aは本質的に、第1の流出開口12aと、第1の入口開口25aと、第1の圧力サージ要素14aと、第1の流入開口15aとを有する。第2のチャンバ11bは、第2の流出開口12bと、第2の入口開口25bと、第2の圧力サージ要素14bと、第2の流入開口15bとを有する。
【0032】
第1および第2の圧力サージ要素14a、14bの両方は本質的に、円の直径と中央凹部16a、16bとを有するピストンの形成で実現される。代替として、断面は、任意の他の適宜な形状を有する可能性がある。各圧力サージ要素14a、14bは、第1の位置と第2の位置との間でそれぞれの第1または第2のチャンバ11a、11b内で移動可能である。チャンバ11a、11bはプロセスにおいて一種のシリンダとして働き、その結果、それぞれのチャンバ11a、11b内の圧力サージ要素14a、14bは、ピストン−シリンダユニットを形成する。
【0033】
さらに、第1および第2のチャンバ11a、11bはそれぞれ、ガイドロッド17a、17bと、第1のストップ要素18a、18bと、第2のストップ要素19a、19bとを含む。各ガイドロッド17a、17bは、それぞれの第1の端部20a、20bおよび第2の端部21a、21bを有する。第1のストップ要素18a、18bはガイドロッド17a、17bの第1の端部20a、20bに配置され、第2のストップ要素19a、19bはガイドロッド17a、17bの第2の端部21a、21bに配置される。ピストンとして設計された圧力サージ要素14a、14bは、ガイドロッド17a、17bの周りの中央凹部16a、16b、またはガイドロッド17a、17bが中央凹部16a、16bを通って延びるように配置される。したがって、圧力サージ要素14a、14bは、第1のストップ要素18a、18bを含むガイドロッド17a、17bの第1の端部20a、20bと、第2のストップ要素19a、19bを含むガイドロッド17a、17bの第2の端部21a、21bとの間を移動することができる。ストップ要素18a、18b、19a、19bはゴム(または別の弾性または圧縮可能な材料)から構成されており、圧力サージ要素14a、14bが第1端または第2端20a、20b、21a、21bのガイドロッド17a、17bのいずれかに位置する場合にその動きを弱める。圧力サージ要素14a、14bがガイドロッド17a、17bの第1の端部20a、20bに当接すると、圧力サージ要素14a、14bは第1の位置にある。したがって、圧力サージ要素14a、14bは、圧力サージ要素14a、14bがガイドロッド17a、17bの第2の端部21a、21bに当接したときに第2の位置にある。
【0034】
第1の流入開口15aは第1のチャンバ11a上に方向Aに向いて配置され、第1のフィルタ要素22aを解放可能に収容するために使用される。第1の主空気流8aは、第1のフィルタ要素22a及び第1の流入開口15aを通って収集容器4から第1のチャンバ11a内に流れる。第1のフィルタ要素22aは、吸引された汚れ粒子SPを第1の主空気流8aから濾過するために使用される。汚れ粒子SPは、第1のフィルタ要素22aの個々の繊維内に残る。第1の主空気流8aは、第1の流出開口12aを通って第1のチャンバ11aの後ろから出て、タービン装置6に向かう。
【0035】
第1の流出開口12aは第1の圧力サージ要素14aが第2の位置にあるとき、第1の圧力サージ要素14aによって閉じられることに留意すべきである(図5図9図12参照)。
【0036】
上述したように、第1の圧力サージ要素14aは、第1のチャンバ11aの内側に配置され、第1の位置と第2の位置との間で可逆的に移動することができる。従って、第1圧力サージ要素14aは、第1チャンバ11aを第1の空間23aと第2の空間24aとに分割する。第1のチャンバ11a内の第1の圧力サージ要素14aを変位させることによって、第1および第2の空間23a、24aの容積は可変である。第1の主空気流8aは、主として第1のチャンバ11aの第1の空間23aを通って流れる。
【0037】
第1の入口開口25aは、第1のチャンバ11aの第2の空間24a上に位置している。第1の弁27aを含む第1の入口ライン26aは、第1の入口開口25aに接続される。大気圧を有する真空掃除機の周囲ULからの空気は、第1の入口ライン26aを介して第1のチャンバ11aの第2の空間24aに到達することができる。制御ユニット7は制御ユニット7が第1の弁27aの機能を制御および調整することができるように、第1の弁27aに接続されている。制御ユニット7は特に、第1の弁27aの開閉を制御して、大気圧を有する周囲空気ULの第2の空間への内に向かう流れを調整することができる。制御ユニット7と第1の弁27aとの間の接続は図示されていない。
【0038】
第2の流入開口15bは第2のチャンバ11b上の方向Bに向いて配置され、第2のフィルタ要素22bを解放可能に収容するために使用される。第2の主空気流8bは、第2のフィルタ要素22b及び第2の流入開口15bを通って収集容器4から第2のチャンバ11b内に流れる。第2のフィルタ要素22bは、吸引された汚れ粒子SPを第2の主空気流8bから濾過するために使用される。汚れ粒子SPは、第2のフィルタ要素22bの個々の繊維内に残る。第2の主空気流8bは、第2の流出開口12bを通って第2のチャンバ11bの背後から出てタービン装置6に向かう。
【0039】
上述したのと同様に、第2の圧力サージ要素14bは、第2のチャンバ11bの内側に配置され、第1の位置と第2の位置との間で可逆的に移動することができる。第2の圧力サージ要素14bは、第2のチャンバ11bを第1の空間23bと第2の空間24bとに分割する。第2のチャンバ11b内の第2の圧力サージ要素14bを変位させることによって、第1および第2の空間23b、24bの容積は可変である。第2の主空気流8bは、主として第2のチャンバ11bの第1の空間23bを通って流れる。第2の入口開口25bは、第2のチャンバ11bの第2の空間24b上に位置している。第2の弁27bを含む第2の入口ライン26bは、第2の入口開口25bに接続される。大気圧を有する真空掃除機1の周囲からの空気ULは、第2の入口ライン26bを介して第2のチャンバ11bの第2の空間24bに到達することができる。制御ユニット7は制御ユニット7が第2の弁27bの機能を制御および調整することができるように、第2の弁27bに接続される。制御ユニット7は特に、第2の弁27bの開閉を制御して、第2の空間24bへの大気圧を有する周囲空気ULの内に向かう流れを調整することができる。制御ユニット7と第2の弁27bとの間の接続は図示されていない。
【0040】
さらに、第1および第2のチャンバ11a、11bの第1の空間23a、23bは第1の空間23a、23b内の空気圧を測定し、制御ユニット7に接続されるそれぞれの第1の空気圧センサ28a、28bを含んでいる。接続部を介して、第1の空気圧センサ28a、28bは、第1の空間23a、23b内の空気圧値を制御ユニット7に伝達することができる。第1の空気圧センサ28a、28bは第1の空間23a、23b内に、特にそれぞれガイドロッド17a、17bの第2の端部21a、21b上に配置されている。処理ユニットおよび制御ユニット7のメモリはハイライトされたデータ(ルックアップテーブル)も含んでおり、これを用いて、第1の空気圧センサ28a、28bによって送信された第1の空間23a、23b内の空気圧値を処理することができる。
【0041】
以下に詳細に説明するように、第1の空気圧センサ28a、28bの値は、第1および/または第2のフィルタ要素22a、22bが吸引された汚れ粒子SPで満たされているかどうか、およびどの程度満たされているかを確立するために使用される。第1の空気圧センサ28a、28bによって測定された空気圧値が低ければ低いほど、チャンバ11a、11b内に侵入することができる空気は少なくなり、フィルタ要素22a、22bは汚れ粒子SPで満たされることになる。
【0042】
さらに、第1および第2のチャンバ11a、11bの第2の空間24a、24bはそれぞれ第2の空気圧センサ30a、30bを含み、第2の空間24a、24b内の空気圧を測定すると共に制御ユニット7に接続されている。接続部を介して、第2の空気圧センサ30a、30bは、第2の空間24a、24b内の空気圧値を制御ユニット7に伝達することができる。第2の空気圧センサ30a、30bはそれぞれの第2の空間24a、24b内に、第1のチャンバ11aと第2のチャンバ11bとの間に延在する隔壁31上に配置されている。制御ユニット7の処理ユニットおよびメモリは、基礎となるデータ(ルックアップテーブル)を含んでおり、これを用いて、第2の空気圧センサ30a、30bによって送信された第2の空間24a、24b内の空気圧値を処理することができる。
【0043】
真空掃除機1が通常の吸引状態にあるとき、空気は真空掃除機のホース(図示せず)及び2つのフィルタ要素22a、22bを介して2つの主空気流8a、8bによって吸引され、第1のチャンバ11a内の第1の圧力サージ要素14aは第1の位置にある(図1及び図2参照)。主空気流8a、8bによって吸引された汚れ粒子SPは、フィルタ要素22a、22bの繊維に付着したままである(図3参照)。図1および図2から明らかなように、第1および第2の弁27a、27bはそれぞれの入口ライン26a、26bに接続され、大気圧を有する周囲空気ULは入口ライン26a、26bを通って、第1または第2のチャンバ11a、11bの第2の空間24a、24bに到達しない。
【0044】
図3に示すように、第1フィルタ要素22a上には、吸引された汚れ粒子SPからなる所定の層が形成されている。第1のフィルタ要素22a上の汚れ粒子層SPは、第2のフィルタ要素22b上よりも厚い。第1のフィルタ要素22a上の比較的厚い汚れ粒子層SPの結果として、より少ない吸引空気が第1の主空気流8aを有する第1のチャンバ11aの第1の空間23aに到達する。第1のチャンバ11aの第1の空間23a内の第1の空気圧センサ28aは低空気圧値を測定し、それを制御ユニット7に送信する。制御ユニット7は低空気圧値を評価し、第1の入口ライン26aの第1の弁27aを開く。この評価は、検出された空気圧値と記憶された値との比較によって行われる。代替として、評価は、記憶された対数によって行われてもよい。第1の弁27aの開放の結果として、大気圧を有する、すなわち、第1のチャンバ11aの第1の空間23a内の瞬間空気圧値よりも高い空気圧値を有する周囲空気ULは、第1の入口ライン26aおよび第1の入口開口25aを通って第1のチャンバ11aの第2の空間24a内に流れることができる。第2の空間24a内の第2の空気圧センサ30aは、流入する周囲空気ULによって増加する第2の空間24a内の空気圧を測定する。第2の空気圧センサ30aの値を制御ユニット7に送信することによって、制御ユニット7は第2の空間24a内の上昇する空気圧を監視し、それに応じて弁27aを設定することができる。例えば、第2の空間24a内の空気圧が制御ユニット7のメモリに記憶された特定の値を非常に迅速に超えた場合、制御ユニット7は、それに応じて迅速に弁27aを再び閉じる。同様に、弁27aは、第2の空間24a内の空気圧がゆっくりとしか上昇しないときにはより長く開いたままであってもよい。同様に、制御ユニット7は多かれ少なかれ周囲空気ULがより迅速に又はよりゆっくりと第2の空間24aに流入することを可能にするように、弁27a内の流れ直径を調整することもできる。
【0045】
第1の空間23aよりも第2の空間24aに高い圧力が存在するので、第1の圧力サージ要素14aは第1の位置から方向Aに第2の位置に移動する(図4参照)。この移動は瞬間的に行われ、その結果、第1の圧力サージ要素14aと第1のフィルタ要素22aとの間のギャップ(すなわち、小さな第1の空間)に蓄積された空気を介して、第1の圧力サージ要素14aから第1のフィルタ要素22aにパルスが伝達される。この衝撃の結果、汚れ粒子層SPは第1のフィルタ要素22aから分離されるか、またはノックオフ(knocked off)される。汚れ粒子層SPは、方向Dに収集容器4内に落下する(図5参照)。この状態では、真空掃除機1が第2の主空気流8bを用いて第2のフィルタ要素22b及び第2のチャンバ11bを通して汚れ粒子SPを吸引し続けることが可能であるため、真空引きモードのままであり続けることができる(図4図5参照)。
【0046】
圧力サージ要素14a、14bは、接触がなされるまで、フィルタ要素22a、22bに向かって完全には移動されないことに留意されたい。上述したように、圧力サージ要素14a、14bとフィルタ要素22a、22bとの間には、一定のギャップが残されている。また上述したように、第1の流出開口12aは、第1の圧力サージ要素14aが第2の位置にあるときにピストンとして設計された圧力サージ要素14aによって閉じられる(図5)。
【0047】
汚れ粒子層SPが第1のフィルタ要素22aから収集容器4内に落下した後、第1の弁27aは再び閉じられ、その結果、大気圧を有する周囲空気ULもはや第2の空間24aに到達することができない。導入された周囲空気ULの結果としての過剰圧力はもはや第1のチャンバ11aの第2の空間24aに存在せず、第1の主空気流8aはより高い空気圧で第1の圧力サージ要素14aを再び押すので、第1の圧力サージ要素14aは第2の位置から方向Bに再び第1の位置に戻る。第1の流出開口12aは第1の圧力サージ要素14aによってもはや閉じられず、第1の圧力サージ要素14aが方向Bに移動すると次第に開き、第1の流出開口12aの開きが増大することにつれて、第1の主空気流8aと共に第1のチャンバ11aの第1の空間23aを通って次第に多くの空気が流れる。
【0048】
図7は第1のフィルタ要素22aがクリーニングされているが、第2のフィルタ要素22bに保持された吸引した汚れ粒子SPによって第2のフィルタ要素22b上に特定の汚れ粒子層SPが蓄積されている状態を示している。また、図7から明らかなように、第2の主空気流8bは、第1の主空気流8aに比べて弱い。第2の主空気流8bは、目詰まりした第2のフィルタ要素22bを通って第2のチャンバ11bの第1の空間23bに流れ込むことができる空気が少ないので、より弱い。空気圧値は、第2のチャンバ11bの第1の空間23b内の第1の空気圧センサ28bを用いて測定され、制御ユニット7に伝達される。制御ユニット7は第1の空間23b内に低い空気圧値を確立し、第2の弁27bを開き、その結果、大気圧を有する周囲空気ULは、第2の入口ライン26bを介して、第2の入口開口25bを通って、第2のチャンバ11bの第2の空間24b内に流れることができる。第2のチャンバ11bの第2の空間24b内の突然の過剰圧力の結果として、第2の圧力サージ要素14bは、第1の位置から方向Bに第2の位置に瞬時に移動する(図8)。第1の圧力サージ要素14aについて既に説明したように、ピストンとして設計された第2の圧力サージ要素14bは、第1の位置から第2の位置への経路において第2の流出開口12bを次第に閉じる。このようにして、第1の空間23bと第2の空間24bとの間の圧力差は増大し続ける。
【0049】
第1の位置から第2の位置への第2の圧力サージ要素14bの瞬間的な移動は第2の圧力サージ要素14bと第2のフィルタ要素22bとの間のギャップ(すなわち、小さな第1の空間)内に蓄積された空気を介して、第2の圧力サージ要素14bから第2のフィルタ要素22bにパルスが伝達されるようにする。この衝動の結果、汚れ粒子層SPは第2のフィルタ要素22bから分離されるか、またはノックオフされる。汚れ粒子層SPは、方向Dに収集容器4内に落下する(図9参照)。この状態では、真空掃除機1が第1の主空気流8aを用いて第1のフィルタ要素22a及び第1のチャンバ11aを通して汚れ粒子SPを吸引し続けることが可能であるため、真空引きモードのままであり続けることができる(図8図9参照)。
【0050】
その後、第2の入口ライン26b内の第2の弁27bが制御ユニット7を介して閉じられ、その結果、過剰圧力が第2の空間24b内にもはや存在しなくなる。第2の主空気流8bはピストンとして設計された第2の圧力サージ要素14bを押圧し、それを第2の位置から方向Aに移動させて再び第1の位置に戻す。第2の流出開口12bもはや閉じられておらず、第2の主空気流8bは再び第2のフィルタ要素22bおよび第2のチャンバ11bを通って流れる。
【0051】
図12に示すように、第1のフィルタ要素22aをクリーニングする手順はある時間後に再び汚れ粒子層SPで覆われたとき、すなわちフィルタ要素22aが汚れ粒子SPで詰まったときに繰り返される。
【0052】
フィルタ要素22a、22bのクリーニングは、第1の空気圧センサ28a、28bによって測定され、制御ユニット7に送信される空気圧値に基づいて実行することができる。上述したように、フィルタ要素22a、22bのクリーニングは、第1の空間23a、23b内の測定空気圧値が特定の値を超えたときに行うことができる。しかしながら、フィルタ要素22a、22bのクリーニングは、規則的に又は特定の間隔で制御ユニット7によって制御されることも可能である。代替として、フィルタ要素22a、22bのクリーニングは、図示されていない機構の助けを借りて、真空掃除機1の使用者によって行うこともできる。この機構は第1または第2の弁27a、27bを交互に閉鎖および再開放することができ、その結果、第1および第2のフィルタ要素22a、22bも交互にクリーニングされることが可能である。
【0053】
図13は、第2の実施形態によるフィルタ装置2を示している。第2の実施形態によるフィルタ装置2は本質的に、第1の実施形態によるフィルタ装置2に対応する。第1の実施形態とは対照的に、第2の実施形態によるフィルタ装置2は、圧縮ばねの形態の第1の保持要素32を含んでいる。この圧縮ばねは、それぞれ第1の空間23a、23b内で、ガイドロッド17a、17bの周りに配置されている。圧縮ばねは第1および第2の端部を含み、第1の端部はガイドロッド17a、17bの第1の端部20a、20bに当接し、第2の端部はピストンとして設計された圧力サージ要素14a、14bに当接する。圧縮ばねとして設計された保持要素32は、流入する周囲空気ULによって第1の空間23a、23b内で特定の空気圧値が達成されるまで、圧力サージ要素14a、14bを第1の位置に保持するために使用される。空気圧が最終的に圧縮ばねとして設計された保持要素32のばね力を超えると、圧力サージ要素14a、14bは特に、第1の位置から第2の位置に瞬間的に移動する。このようにして、フィルタ要素22a、22bの改善されたクリーニングを達成することができる。
【0054】
図14は、第3の実施形態によるフィルタ装置2を示す。この第3の実施形態によるフィルタ装置22a、22bは本質的に、第1の実施形態によるフィルタ装置2に対応する。第1の実施形態とは対照的に、第3の実施形態によるフィルタ装置2は、磁石の形態の第2の保持要素33を含んでいる。この磁石は、第2の空間24a、24b内で、ガイドロッド17a、17bの第2の端部21a、21bに配置される。磁石はピストンとして設計された圧力サージ要素14a、14bに作用し、第2の空間24a、24b内の流入周囲空気ULの結果として上昇する空気圧がある値を超えるまで、第1の位置に保持される。第2の空間24a、24b内の空気圧が最終的に磁石の磁力を超えると、圧力サージ要素14a、14bは特に、第1の位置から第2の位置に瞬間的に移動する。このようにして、フィルタ要素22a、22bの改善されたクリーニングを達成することができる。
【0055】
図15は、第4の実施形態によるフィルタ装置2を示す。第4の実施形態によるフィルタ装置2は本質的に、第1の実施形態によるフィルタ装置2に対応する。第1の実施形態とは対照的に、第4の実施形態によるフィルタ装置2は、第1および第2の接続チャネル33a、33bを含んでいる。第1の接続チャネル33aはタービン装置6と第1の入口ライン26aとを接続し、タービン装置6を用いて第1のチャンバ11aの第2の空間24a内の空気圧を増大させる。第2の接続チャネル33bはタービン装置6と第2の入口ライン26bとを接続し、タービン装置6を用いて第2のチャンバ11bの第2の空間14b内の空気圧を増大させる。空気は、タービン装置6によって発生された負圧の助けを借りて、第1または第2のチャンバ11a、11bのそれぞれの第2の空間24a、24bから第1または第2の接続チャネル33a、33bを介してさらに流れることができるので、圧力サージ要素14a、14bを第2の位置から第1の位置に移動させることが可能である。このようにして、圧力サージ要素14a、14bは、第2の位置から第1の位置へとより迅速に移動することができる。
【0056】
図16および図17は、第5の実施形態によるフィルタ装置2を示す。他の実施形態、すなわち第1から第4の実施形態によるフィルタ装置2とは対照的に、第5の実施形態によるフィルタ装置2の第1および第2の圧力サージ要素14a、14bは、それぞれのガイドロッド17a、17bを備えていない。図16および図17から明らかなように、第1および第2の圧力サージ要素14a、14bは、それぞれ円形ピストン形に設計されている。第1のシリンダ要素34aは、第1のチャンバ11aの第2の空間24a内に存在する。第2のシリンダ要素34bは、第2のチャンバ11bの第2の空間24b内に存在する。各シリンダ要素34a、34bは、それぞれの第1の端部35a、35bおよび第2の端部36a、36bを含む。シリンダ要素34a、34bの第1の端部35a、35bは、仕切り31に取り付けられている。第1のダイヤフラム要素37aは、第1のシリンダ要素34aの第2の端部36aに配置されている。第1のダイヤフラム要素37aは第1のシリンダ要素34aの第2の端部36aを完全に取り囲み、第1のシリンダ要素34aの第2の端部36aを、円形ピストンまたはディスクとして設計された圧力サージ要素14a、14bの外縁に接続する。第2のダイヤフラム要素37bは、第2のシリンダ要素34bの第2の端部36bに配置される。第2のダイヤフラム要素37bは第2のシリンダ要素34bの第2の端部36bを完全に取り囲み、第2のシリンダ要素34bの第2の端部36bを、円形ピストンまたはディスクとして設計された圧力サージ要素の外縁に接続する。第1および第2のダイヤフラム要素37a、37bはそれぞれ、第1または第2の圧力サージ要素14a、14bが第1の位置から第2の位置に移動するときに第1または第2の圧力サージ要素14a、14bと共に弾性的に延びるように、転動(rolling)ダイヤフラムとして設計されている(図17参照)。換言すれば、それぞれの圧力サージ要素14a、14bが第1の位置から第2の位置に移動するとき、転動ダイヤフラムとして設計された第1および第2のダイヤフラム要素37a、37bはそれぞれ転動する。圧力サージ要素14a、14bが第2の位置から第1の位置に戻るとき、回転ダイヤフラムとして設計された第1および第2のダイヤフラム要素37a、37bは、それぞれ再び巻き上がる。
【0057】
図面に示されていない1つのさらなる実施形態によれば、第2、第3、および第4の実施形態を互いに組み合わせることもさらに可能である。
【符号の説明】
【0058】
1 真空掃除機
2 フィルタ装置
3 吸引ヘッド
4 収集容器
5 ハウジング
6 タービン装置
7 制御ユニット
8 主空気流(8a 第1の主空気流、8b 第2の主空気流)
10 吸引開口
11 チャンバ(11a 第1のチャンバ、11b 第2のチャンバ)
12 流出開口(12a 第1の流出開口、12b 第2の流出開口)
14 圧力サージ要素(14a 第1の圧力サージ要素、14b 第2の圧力サージ要素)
15 流入開口(15a 第1の流入開口、15b 第2の流入開口)
17 ガイドロッド(17a 第1のガイドロッド、17b 第2のガイドロッド)
22 フィルタ要素(22a 第1のフィルタ要素、22b 第2のフィルタ要素)
23 第1の空間(23a 第1の空間、23b 第1の空間)
24 第2の空間(24a 第2の空間、24b 第2の空間)
25 入口開口(25a 第1の入口開口、25b 第2の入口開口)
26 入口ライン(26a 第1の入口ライン、26b 第2の入口ライン)
27 弁(27a 第1の弁、27b 第2の弁)
UL 周囲空気
SP 汚れ粒子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17