(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ロード調整ユニットは、前記引出機を介して前記トンネル炉の出側の主経路上から離脱させた内部鋳片を、前記引込機を介して前記トンネル炉の入側の主経路上に引き込ませることを特徴とする請求項2に記載の連続鋳造圧延装置。
前記引込機は、前記連続鋳造機で製造された内部鋳片及び外部から搬送される外部鋳片のうち少なくとも一つを受けて主経路上に引き込ませることを特徴とする請求項2に記載の連続鋳造圧延装置。
前記外部鋳片供給段階は、前記圧延段階で圧下を行う鋳片の収容量が前記内部鋳片の供給量よりも大きい場合に行われることを特徴とする請求項12に記載の連続鋳造圧延方法。
【背景技術】
【0002】
ミニミル工程では、連続鋳造工程を介して製造された切断済みの鋳片を冷却することなく圧延することができるように、レイアウト(layout)が構成されている。
【0003】
そして、連続鋳造機と圧延機との間には、バッファの役割を果たす空間としてのトンネル炉(tunnel furnace)が設置されている。
【0004】
このトンネル炉は、2つの連続鋳造機と1つの圧延機を連結するための空間としての機能も行なう。また、圧延機ロールの交換などにより一定の時間が必要であるとき、バッファ空間として用いられる。尚、その空間にスラブ(slab)などの鋳片が滞留する間の温度低下を補償するために、ガス加熱方式や誘導加熱方式などの加熱器を設置して下落温度を補償している。
【0005】
ところが、ミニミル工程では、連続鋳造で製造された鋳片が直ちに圧延機に移送されて圧延されるため、圧延機内で異常操業状況が長時間発生したとき、トンネル炉内にある鋳片と新たに連続鋳造機で製造される鋳片とがすべてスクラップとして処理され、実収率が大幅に低下するという問題がある。すなわち、従来のミニミル工程は、連続鋳造機と圧延機が素材の流れに沿って直接接続されているためエネルギー面における利点はあるが、異常操業状況に対応できるほどの能力には至らないという短所がある。
【0006】
また、自動車の外板材や優れた表面が要求される製品は、鋳片を切断したスラブなどとして製作された後、溶削(scarfing)工程を行う。この過程を介して連続鋳造過程で発生した表面欠陥を除去するようになる。ところが、ミニミル工程において溶削方法を適用するためには、連続鋳造機で製造された鋳片が圧延機に直接移送されるミニミル工程の特性上、オンライン(on−line)上に溶削機が設置される必要がある。この場合、選別的な鋳片に対する溶削作業を行うとき、溶削が行われる必要がない鋳片は溶削機の設置領域の分だけ鋳片が冷却されるという欠点を有するようになる。
【0007】
そして、ミニミル工程では、連続鋳造機が稼動されないか、又は連続鋳造機の鋳片製造の速度に応じて圧延機の圧延収容量を無駄にするという問題も発生する可能性がある。
【0008】
そこで、上述した問題を解決するための連続鋳造圧延装置及び連続鋳造圧延方法が必要になった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、異常操業時に鋳片の温度低下を補完するとともに、鋳片の実収率が低下するという問題を防止できる連続鋳造圧延装置及び連続鋳造圧延方法を提供することにある。
【0010】
他の目的は、連続鋳造工程で鋳片に対して溶削を行なったり、又は圧延機の収容量を無駄にするという問題を防止できる連続鋳造圧延装置及び連続鋳造圧延方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明による連続鋳造圧延装置は、連続鋳造機と、前記連続鋳造機の出側に位置し、前記連続鋳造機で製造される内部鋳片を切断する切断機と、鋳片を圧下し、前記連続鋳造機よりも前記内部鋳片の移動方向の下流に備えられる圧延機と、前記切断機と前記圧延機との間に備えられ、前記連続鋳造機から前記圧延機に搬送される前記内部鋳片の主経路上に位置する鋳片を加熱するトンネル炉と、前記トンネル炉に隣接して備えられ、主経路上の鋳片を前記トンネル炉の出側から離脱させ、前記トンネル炉の入側から鋳片を主経路上に引き込ませるロード調整ユニットと、を含むことを特徴とする。
【0012】
ここで、連続鋳造圧延装置の前記ロード調整ユニットは、前記トンネル炉の出側に隣接して備えられ、主経路上から鋳片を離脱させて補助経路に引き込ませる引出機と、前記トンネル炉の入側に隣接して備えられ、補助経路を介して鋳片の搬送を受けて主経路上に引き込ませる引込機と、を含むことを特徴とする。
【0013】
そして、連続鋳造圧延装置の前記ロード調整ユニットは、前記引出機を介して前記トンネル炉の出側の主経路上から離脱させた内部鋳片を、前記引込機を介して前記トンネル炉の入側の主経路上に引き込ませることを特徴とする。
【0014】
また、連続鋳造圧延装置は、前記引出機と前記引込機との間の補助経路上に備えられ、補助経路上の鋳片を加熱する再加熱器を含むことを特徴とする。
【0015】
さらに、連続鋳造圧延装置は、前記引出機と前記引込機との間の補助経路上に備えられ、補助経路上の鋳片を溶削する溶削機を含むことを特徴とする。
【0016】
また、連続鋳造圧延装置の前記引込機は、前記連続鋳造機で製造された内部鋳片及び外部から搬送される外部鋳片のうち少なくとも一つを受けて主経路上に引き込ませることを特徴とする。
【0017】
本発明による連続鋳造圧延方法は、連続鋳造機で製造される内部鋳片を切断してトンネル炉に供給する内部鋳片供給段階と、前記トンネル炉を介して移動する鋳片の主経路上から鋳片の搬送を受けて前記鋳片を圧下する圧延段階と、前記内部鋳片供給段階と前記圧延段階との間に行われ、前記圧延段階が中断されると、主経路上の前記鋳片を前記トンネル炉の出側から離脱させ、前記圧延段階が再開されると、前記トンネル炉の入側から鋳片を主経路上に引き込ませるサブワーキング段階と、を含むことを特徴とする。
【0018】
ここで、連続鋳造圧延方法の前記サブワーキング段階は、前記圧延段階が中断されると、主経路上の前記鋳片を前記トンネル炉の出側から離脱させる引出段階と、前記圧延段階が再開されると、前記トンネル炉の出側の主経路上から離脱された鋳片を補助経路上で受けて前記トンネル炉の入側の主経路上に引き込ませる引込段階と、を含むことを特徴とする。
【0019】
そして、連続鋳造圧延方法の前記サブワーキング段階は、主経路上に引き込まれる鋳片が少なくとも前記圧延段階の遂行温度を維持する場合には、前記引出段階と前記引込段階との間に、他の段階の介入を排除するように、前記引出段階に相次いで前記引込段階を行うことを特徴とする。
【0020】
また、連続鋳造圧延方法の前記サブワーキング段階は、前記引込段階の前に行われ、主経路上に引き込まれる前記サブワーキング段階における鋳片が前記圧延段階の遂行温度未満の場合には、前記補助経路上で鋳片を加熱する再加熱段階を含むことを特徴とする。
【0021】
さらに、連続鋳造圧延方法の前記サブワーキング段階は、前記引込段階の前に行われ、前記トンネル炉の出側の主経路上から離脱された鋳片を前記トンネル炉の入側の主経路上に引き込ませるように搬送する補助経路上において鋳片を溶削する溶削段階を含むことを特徴とする。
【0022】
また、連続鋳造圧延方法の前記サブワーキング段階は、前記引込段階の前に行われ、前記トンネル炉の出側の主経路上から離脱された鋳片を前記トンネル炉の入側の主経路上に引き込ませるように搬送する補助経路上に外部で製造された外部鋳片を導入する外部鋳片供給段階を含むことを特徴とする。
【0023】
そして、連続鋳造圧延方法の前記外部鋳片供給段階は、前記圧延段階で圧下を行う鋳片の収容量が前記内部鋳片の供給量よりも大きい場合に行われることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明の連続鋳造圧延装置及び連続鋳造圧延方法は、異常操業時に鋳片の温度低下を補完するとともに、鋳片の実収率が低下するという問題を防止することができる。
【0025】
他の面としては、本発明の連続鋳造圧延装置及び連続鋳造圧延方法は、連続鋳造工程において鋳片に対して溶削を行なったり、又は圧延機の収容量を無駄にするという問題を防止することができる。
【0026】
但し、本発明の特徴及び効果は、上述した内容に限定されず、実施形態の説明によりさらに深く理解することができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を説明する。しかし、本発明の実施形態は、他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下の実施形態に限定されるものではない。図面における要素の形状及び大きさなどは、より明確な説明のために実際とは異なる場合がある。
【0029】
また、本明細書において、単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。尚、明細書全体にわたって同一の参照符号は、同一の構成要素又は対応する構成要素を指すものとする。
【0030】
本発明は、連続鋳造圧延装置及び連続鋳造圧延方法に関し、異常操業時における鋳片の温度低下を補完するとともに、鋳片の実収率が低下するという問題を防止することができる。他の側としては、連続鋳造工程において鋳片に対して溶削を行なったり、又は圧延機30の収容量を無駄にするという問題を防止することができる。
【0031】
図面を参照して具体的に説明する。
図1は本発明の連続鋳造圧延装置において異常操業時に鋳片の移動経路を示すレイアウト構成図である。
図1に示すように、連続鋳造圧延装置は、連続鋳造機10と、連続鋳造機10の出側に位置し、連続鋳造機10で製造される内部鋳片ISを切断する切断機20と、鋳片を圧下し、連続鋳造機10よりも内部鋳片ISの移動方向の下流に備えられる圧延機30と、切断機20と圧延機30との間に備えられ、連続鋳造機10から圧延機30に搬送される内部鋳片ISの主経路MP上に位置する鋳片を加熱するトンネル炉40と、トンネル炉40に隣接して備えられ、主経路MP上の鋳片をトンネル炉40の出側から離脱させ、トンネル炉40の入側から鋳片を主経路MP上に引き込ませるロード調整ユニット50と、を含むことができる。
【0032】
このような構成によると、圧延機30の欠陥又は移送ロールの交換などといった圧延作業を行なうことできない異常操業時に鋳片がスクラップ処理されて、実収率が低下するという問題を防止することができるようになる。
【0033】
すなわち、トンネル炉40に位置する鋳片又は連続鋳造機10に残っている溶鋼によって製造される鋳片は、異常操業中にロード調整ユニット50によりトンネル炉40の出側の主経路MP上から離脱されて補助経路SPに流入される。そして、補助経路SP上の鋳片は、トンネル炉40の入側の主経路MP上に再び引き込まれて、鋳片が移動経路上に位置する時間を増加させることができる。
【0034】
このように、鋳片が圧延機30に進入しなくても、移動経路上において残留する経路を確保することで、鋳片の残留経路が確保されないことが原因となって鋳片がスクラップ処理されて無駄になるという問題を防止することができる。
【0035】
また、ロード調整ユニット50は、主経路MP上に進入する鋳片がトンネル炉40の入側に流入するように限定することで、補助経路SPを介して移動する間に低下した鋳片の温度を圧延可能温度により補完することができる。
【0036】
連続鋳造機10は、鋳造工程を介して溶鋼から内部鋳片ISを製造する役割を果たすことができる。すなわち、連続鋳造機10は、タンディッシュから鋳型に溶鋼を供給し、供給された溶鋼はエネルギーを奪われて鋳片を形成するようになる。そして、内部鋳片ISは、セグメントロール(Segment Roll)及びピンチロール(Pinch Roll)によってガイドされて移動されて、後述する圧延機30に供給されることができる。
【0037】
但し、連続鋳造機10では、溶鋼の凝固速度に依存して内部鋳片ISを製造するため、製造速度を調整することが困難となる。そのため、連続鋳造機10で製造された内部鋳片ISを連続的に受け、後述する圧延機30で圧下して製品を生産すると速度の制約を伴うようになる。
【0038】
一方で、連続鋳造機10から排出された内部鋳片ISは、平均温度が高いことから、圧延機30において圧延作業時に必要となる温度をある程度確保することができる利点がある。
【0039】
切断機20は、圧延機30において圧延を行う鋳片(内部鋳片IS又は外部鋳片OS)が連続鋳造機10と連結されて連続した形態となるか、又は連続鋳造機10と離れて不連続な形態となるかを調整する役割を果たすことができる。このために、切断機20は、連続鋳造機10の出側に設けられる。
【0040】
換言すると、切断機20が内部鋳片ISを切断することなく自由通過させると、圧延機30は、連続鋳造機10で製造され搬送される内部鋳片ISを連続鋳造機10と連結されて連続した形で受けて圧延を行う。これに対し、切断機20が内部鋳片ISを切断して圧延機30に搬送と、圧延機30は、連続鋳造機10と離れて不連続に内部鋳片ISを受けて圧延を行う。
【0041】
但し、異常操業による圧延機30の中断時には、内部鋳片ISを補助経路SPなどに進入させる必要があるため、切断機20は、鋳片を切断する。
【0042】
圧延機30は、連続鋳造機10で製造された内部鋳片IS、又は後述のように、外部から搬送されて供給される外部鋳片OSなどの鋳片を受けて圧下することにより、薄物又は厚物製品を生産する役割を果たす。
【0043】
このために、圧延機30は、圧延ロール対の間に鋳片を通過させながら圧延する。また、圧延ロール対が設けられる圧延スタンドは複数個が設置される。
【0044】
このように、圧延機30は、鋳片に対して様々な厚さに設定して圧延を行うことができる。
【0045】
そして、圧延機30は、粗圧延機30と仕上げ圧延機30に区分して設けられる。粗圧延機30は、連続鋳造機10で製造された鋳片を最初に圧延する構成であり、仕上げ圧延機30は、粗圧延機30で圧延した鋳片に対する仕上げ圧延を行う構成である。
【0046】
ここで、鋳片に対する圧延厚さが粗圧延機30によって満たされるようになると、仕上げ圧延機30で圧延を行うことなく圧延ロール対が開放された状態で鋳片を自由通過させる。これに対し、鋳片に対する圧延厚さが仕上げ圧延機30の動作だけで形成されることができる場合、粗圧延機30で圧延を行うことなく圧延ロール対が開放された状態で鋳片を自由通過させる。
【0047】
そして、粗圧延機30又は仕上げ圧延機30の入側には、鋳片の圧延温度を調整するための加熱器やスケールを除去するためのスケール除去器などが設けられる。
【0048】
トンネル炉40は、鋳片を圧延機30に搬送して圧延を行うとき、鋳片が圧延される温度に維持又は昇温させる役割を果たす。
【0049】
このために、トンネル炉40は、連続鋳造機10と圧延機30との間に備えられ、連続鋳造機10で製造される内部鋳片IS又は外部から搬送されて供給される外部鋳片OSなどの鋳片を加熱して鋳片を圧延温度に維持又は昇温させる。
【0050】
他の面としては、鋳片の昇温量又は加熱量の減少に伴う冷却速度を調整することができるため、鋳片の材質を調整することもできる。
【0051】
このために、トンネル炉40には、ガス加熱方式や誘導加熱方式などの加熱手段が設けられ、トンネル炉40の長さに応じて複数個が備えられる。
【0052】
特に、トンネル炉40の出側では、連続鋳造機10から圧延機30に搬送される内部鋳片ISの主経路MP上から鋳片を補助経路SPに離脱させ、トンネル炉40の入側では、補助経路SPから主経路MPに鋳片を引き込ませるロード調整ユニット50が設けられる。ここで、トンネル炉40は、ロード調整ユニット50と連係される。
【0053】
ロード調整ユニット50は、トンネル炉40の出側において鋳片を主経路MP上から離脱させて補助経路SPに引き込ませ、トンネル炉40の入側において鋳片を補助経路SPから離脱させて主経路MPに引き込ませる役割を果たす。これは、圧延機30の欠陥又は移送ロールの交換などといった圧延作業が不可能な異常操業時に鋳片がスクラップ処理されて実収率が低下するという問題を防止するために、鋳片が残留する経路を補助経路SPまで拡張したものである。これにより、鋳片は、主経路MP及び補助経路SP上に操業が正常化するまで廃棄されることなく残留することができる。
【0054】
このために、ロード調整装置50は、引出機51及び引込機52を含むことができる。すなわち、本発明の一実施形態による連続鋳造圧延装置のロード調整ユニット50は、トンネル炉40の出側に隣接して備えられ、主経路MP上から鋳片を離脱させて補助経路SPに引き込ませる引出機51と、トンネル炉40の入側に隣接して備えられ、補助経路SPを介して鋳片の搬送を受けて主経路MP上に引き込ませる引込機52と、を含むことができる。
【0055】
引出機51は、トンネル炉40の出側に位置し、鋳片を主経路MPから補助経路SPに搬送する役割を果たすようになる。これにより、トンネル炉40の出側から圧延機30に向かう鋳片の移動経路を補助経路SPに変更することにより、鋳片の移動経路を拡大する。
【0056】
引出機51は、移送ロール上で鋳片を押すプッシャーなどで構成されることができるが、これに限定されるものではなく、鋳片を主経路MPから補助経路SPに搬送することができる構成であれば本発明の引出機51になり得る。
【0057】
引込機52は、トンネル炉40の入側に位置し、鋳片を補助経路SPから主経路MPに搬送する役割を果たす。これにより、トンネル炉40の出側から離脱された鋳片は圧延機30に向かうように搬送される。
【0058】
また、引込機52は、トンネル炉40の入側に備えられるため、トンネル炉40による鋳片の加熱を可能にして、補助経路SPを介して移動しながら下落した鋳片の温度を圧延可能温度まで昇温させることができる。
【0059】
引込機52も、引出機51と同様に、移送ロール上で鋳片を押すプッシャーなどで構成されるが、これに限定されるものではなく、鋳片を補助経路SPから主経路MPに搬送することができる構成であれば本発明の引込機52になり得る。
【0060】
そして、本発明の一実施形態による連続鋳造圧延装置のロード調整ユニット50は、引出機51を介してトンネル炉40の出側の主経路MP上から離脱させた内部鋳片ISを、引込機52を介してトンネル炉40の入側の主経路MP上に引き込ませることができる。
【0061】
換言すると、引出機51から引込機52に移動する鋳片の移動経路上には別の構成が提示されず、引出機51と引込機52とを直接連結する補助経路SPを形成して鋳片が移動するように構成される。
【0062】
このように補助経路SPを形成するにあたり、補助経路SPの長さは、残留する必要がある鋳片の数量に応じて加減できる。
【0063】
但し、補助経路SPの長さは、補助経路SP上における鋳片の冷却量を考慮して限定される。すなわち、鋳片に加わるトンネル炉40における昇温量と補助経路SPから抜け出る鋳片の冷却量を考慮した圧延機30の入側における鋳片の温度が圧延可能温度以上となる必要がある。このような関係により補助経路SPの最大距離が限定される。
【0064】
図2は本発明の連続鋳造圧延装置において異常操業時に鋳片の温度損失を補完する移動経路を示すレイアウト構成図である。
図2に示すように、本発明の一実施形態による連続鋳造圧延装置は、引出機51と引込機52との間の補助経路SP上に備えられ、補助経路SP上の鋳片を加熱する再加熱器60を含むことができる。
【0065】
このように、補助経路SP上に再加熱器60をさらに備える理由は、補助経路SP上に残留する必要がある鋳片の数量が増加するにつれて、残留経路上における鋳片の温度低下(冷却量)がトンネル炉40で補完できる範囲を超えたためである。
【0066】
これは、異常操業の期間が長期化するなどの場合に、連続鋳造機10で製造された内部鋳片ISの廃棄を防止しながら、主経路MP又は補助経路SP上に残留する内部鋳片ISの数量が増加するケースである。
【0067】
再加熱器60は、トンネル炉40のような構成で設けることができる。すなわち、再加熱器60には、ガス加熱方式や誘導加熱方式などの加熱手段を設けることができ、加熱区間の長さに応じて、複数個が備えられることができる。
【0068】
図3は本発明の連続鋳造圧延装置において鋳片の溶削を行う移動経路を示すレイアウト構成図である。
図3を参照すると、本発明の一実施形態による連続鋳造圧延装置は、引出機51と引込機52との間の補助経路SP上に備えられ、補助経路SP上の鋳片を溶削する溶削機70を含むことができる。
【0069】
溶削機70は、生産される製品の必要に応じて、内部鋳片IS又は外部鋳片OSに対して溶削(scarfing)を行う役割を果たす。
【0070】
一例として、溶削機70は、鋳片の表面又は端に対して高圧酸素を噴射して酸化又は溶融を行うことにより、鋳片の外面を必要な性質で形成する。
【0071】
特に、溶削機70は、主経路MP上に備えられるものではなく、補助経路SP上に備えられることにより、溶削処理を必要としない鋳片に対して、不必要な主経路MP区間が無駄になって不必要な冷却が発生するという問題を防止する。また、溶削作業が必要となる鋳片に対しては選択的に溶削を行う。
【0072】
図4は本発明の連続鋳造圧延装置において外部鋳片OSを収容する移動経路を示すレイアウト構成図であり、
図5は本発明の連続鋳造圧延装置において、外部鋳片OSを収容し、溶削を行う移動経路を示すレイアウト構成図である。
【0073】
図4及び
図5を参照すると、本発明の一実施形態による連続鋳造圧延装置の引込機52は、連続鋳造機10で製造された内部鋳片IS及び外部から搬送された外部鋳片OSのうち少なくとも一つを受けて主経路MP上に引き込ませることができる。
【0074】
換言すると、連続鋳造機10で製造された内部鋳片ISだけを圧延機30に供給して圧延を行うことに限定せず、外部で製造された鋳片も導入することにより、圧延機30の圧延収容量が無駄にならないように構成する。これにより、圧延機30によって生産される製品の生産効率を向上できる。
【0075】
また、圧延機30の圧延収容量を考慮して1つの圧延機30に複数の連続鋳造機10が連係されて主経路MPを形成することもできる。他の面としては、メイン連続鋳造機10と圧延機30とを連結する鋳片移動経路を主経路MPとして形成し、他の連続鋳造機10で製造される鋳片は補助経路SPを介して圧延機30に搬送されるように構成することもできる。
【0076】
そして、外部鋳片OSは、溶削処理を必要とする場合には、溶削機70を経由する移動経路を構成し、追加の加熱を必要とする場合には、再加熱器60を経由する移動経路を構成することもできる。
【0077】
図6は本発明の連続鋳造圧延方法を示すフローチャートである。
図6を参照すると、本発明の他の実施形態による連続鋳造圧延方法は、連続鋳造機10で製造される内部鋳片ISを切断してトンネル炉40に供給する内部鋳片供給段階と、トンネル炉40を介して移動する鋳片の主経路MP上において鋳片の搬送を受けて鋳片を圧下する圧延段階と、内部鋳片供給段階と圧延段階との間に行われ、圧延段階が中断されると、主経路MP上の鋳片をトンネル炉40の出側から離脱させ、圧延段階が再開されると、トンネル炉40の入側から鋳片を主経路MP上に引き込ませるサブワーキング段階と、を含むことができる。
【0078】
このように、サブワーキング段階を備えることで、圧延機30の欠陥又は移送ロールの交換などといった圧延作業が不可能な異常操業時に、鋳片がスクラップ処理されて実収率が低下するという問題を防止することができる。
【0079】
すなわち、トンネル炉40に位置する鋳片又は連続鋳造機10に残っている溶鋼によって製造される鋳片は、異常操業中にトンネル炉40の出側の主経路MP上から離脱されて補助経路SPに流入され、そして、補助経路SP上の鋳片はトンネル炉40の入側の主経路MP上に再び引き込まれて鋳片が移動経路上に位置する時間を増加させることができる。
【0080】
このように、鋳片が圧延を行う圧延機30に進入しなくても、移動経路上に残留する経路を確保することで、鋳片の残留経路が確保されないことが原因となって鋳片がスクラップ処理されて無駄になるという問題を防止することができる。
【0081】
さらに、主経路MP上に進入する鋳片がトンネル炉40の入側に流入するように限定することにより、補助経路SPを介して移動する間に低下した鋳片の温度を圧延可能温度により補完することができる。
【0082】
ここで、内部鋳片供給段階は、連続鋳造機10で溶鋼を内部鋳片ISに製造する段階であり、圧延段階は、鋳片を、圧延機30を介して圧下して圧延製品に形成する段階である。
【0083】
そして、サブワーキング段階は、上述のように、異常操業時に鋳片が廃棄されるという問題を防止するために、連続鋳造機10から圧延機30に内部鋳片ISが搬送される主経路MPに加えて、補助経路SPを形成する段階である。
【0084】
より具体的には、本発明の他の実施形態による連続鋳造圧延方法のサブワーキング段階は、圧延段階が中断されると、主経路MP上の鋳片をトンネル炉40の出側から離脱させる引出段階と、圧延段階が再開されると、トンネル炉40の出側の主経路MPから離脱された鋳片を補助経路SP上で受けてトンネル炉40の入側の主経路MP上に引き込ませる引込段階と、を含むことができる。
【0085】
換言すると、主経路MPから補助経路SP上に鋳片を搬送する引出段階、及び補助経路SPから主経路MP上に鋳片を供給する引込段階を備えるものである。
【0086】
そして、引出段階及び引込段階は、その間に別の段階が介入しないように行われる。これにより、補助経路SP上で別の段階が行われず、鋳片が主経路MP及び補助経路SP上に残留するように構成することができる。
【0087】
すなわち、本発明の他の実施形態による連続鋳造圧延方法のサブワーキング段階は、主経路MP上に引き込まれる鋳片が少なくとも圧延段階の遂行温度を維持した場合に、引出段階と引込段階との間に他の段階の介入を排除するように、引出段階に相次いで引込段階を行うことができる。
【0088】
このようにサブワーキング段階を行うのは、補助経路SP上に残留する間の冷却量がトンネル炉40を介して補完できる程度に小さい異常操業の期間が短い場合である。
【0089】
但し、異常操業の期間が長くなると、補助経路SP上に残留する間の冷却量が増加して圧延遂行温度を確保することができなくなる。この場合には、引出段階と引込段階との間で鋳片の再加熱を行う。
【0090】
すなわち、本発明の他の実施形態による連続鋳造圧延方法のサブワーキング段階は、引込段階の前に行われ、主経路MP上に引き込まれるサブワーキング段階における鋳片が圧延段階の遂行温度未満である場合には、補助経路SP上で鋳片を加熱する再加熱段階を含むことができる。
【0091】
再加熱段階は、補助経路SP上に備えられる再加熱器60を介して行われる。
【0092】
さらに、本発明の他の実施形態による連続鋳造圧延方法のサブワーキング段階は、引込段階の前に行われ、トンネル炉40の出側の主経路MP上から離脱された鋳片をトンネル炉40の入側の主経路MP上に引き込ませるように搬送する補助経路SPで鋳片を溶削する溶削段階を含むことができる。
【0093】
溶削段階は、自動車の外板材や優れた表面が要求される製品を生産する場合に行われる。
【0094】
このために、溶削段階は、補助経路SP上に備えられる溶削機70を介して行われる。これにより、溶削機70によって主経路MPが増加するという問題を防止することができる。結果として、主経路MP上の鋳片が冷却されるという問題も防止することができる。
【0095】
また、本発明の他の実施形態による連続鋳造圧延方法のサブワーキング段階は、引込段階の前に行われ、トンネル炉40の出側の主経路MP上から離脱された鋳片をトンネル炉40の入側の主経路MP上に引き込ませるように搬送する補助経路SP上に外部で製造された外部鋳片OSを導入する外部鋳片供給段階を含むことができる。
【0096】
換言すると、内部鋳片供給段階で供給される内部鋳片ISに限定されず、外部から導入される外部鋳片OSを供給する段階をさらに追加したものである。
【0097】
このように、外部鋳片供給段階がさらに行われる理由は、圧延段階を行う圧延機30が圧延を行う収容量を無駄にするという問題を防止するためである。
【0098】
換言すると、本発明の他の実施形態による連続鋳造圧延方法の外部鋳片供給段階は、圧延段階で圧下を行う鋳片の収容量が内部鋳片ISの供給量よりも大きい場合に行われることができる。
【0099】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で多様な修正及び変形が可能である。