【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために鋭意研究した結果、本発明者らは、前記IL-31アンタゴニスト(特に抗IL-31RA抗体(CIM331))を含有する製剤にアルギニンまたはその塩を含めることによって、凍結乾燥工程の有無に関わらず当該製剤におけるIL-31アンタゴニストを含有する製剤の安定性が向上することを見出した。また、当該製剤にスクロースまたはトレハロースを含めることによって、凍結乾燥状態での当該製剤におけるIL-31アンタゴニストを含有する製剤の安定性が向上することを見出した。さらに、当該製剤に非イオン性界面活性剤を含めることによって、溶液状態の当該製剤におけるIL-31アンタゴニストを含有する製剤の安定性が向上することを見出した。
【0007】
非限定的な一実施態様において本開示は以下に関する。
〔1〕 IL-31アンタゴニストを有効成分として含有する製剤であって、アルギニンおよび/またはその塩、スクロースおよび/またはトレハロースを含む、凍結乾燥製剤。
〔2〕 前記アルギニンおよび/またはその塩が、アルギニン-塩酸塩、アルギニン-アスパラギン酸塩、またはアルギニン-グルタミン酸塩である、〔1〕に記載の凍結乾燥製剤。
〔3〕 前記アルギニンおよび/またはその塩が、アルギニン-塩酸塩(Arg-HCl)である、〔1〕または〔2〕に記載の凍結乾燥製剤。
〔4〕 更に、緩衝剤としてトリス緩衝剤を含む、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔5〕 前記トリス緩衝剤がトリスヒドロキシメチルアミノメタンおよび/またはその塩である、〔4〕に記載の凍結乾燥製剤。
〔6〕 前記トリスヒドロキシメチルアミノメタンおよび/またはその塩が、トリスヒドロキシメチルアミノメタン-塩酸塩(Tris-HCl)、トリスヒドロキシメチルアミノメタン-アスパラギン酸塩、トリスヒドロキシメチルアミノメタン-グルタミン酸塩またはトリスヒドロキシメチルアミノメタン-酢酸塩である、〔5〕に記載の凍結乾燥製剤。
〔7〕 前記トリスヒドロキシメチルアミノメタンおよび/またはその塩がトリスヒドロキシメチルアミノメタン-塩酸塩(Tris-HCl)である、〔5〕または〔6〕に記載の凍結乾燥製剤。
〔8〕 更に、非イオン性界面活性剤として、ポロクサマー188またはポリソルベートを含む、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔9〕 前記ポリソルベートがポリソルベート20又はポリソルベート80である、〔8〕に記載の凍結乾燥製剤。
〔10〕 水で再溶解させた後のpHが6〜8である、〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔11〕 水で再溶解させた後のpHが6.5〜7.5である、〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔12〕 水で再溶解させた後のpHが7である、〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
【0008】
〔13〕 IL-31アンタゴニストを有効成分として含有する溶液製剤であって、アルギニンおよび/またはその塩を含む、溶液製剤
〔14〕 前記アルギニンおよび/またはその塩が、アルギニン-塩酸塩(Arg-HCl)、アルギニン-アスパラギン酸塩、またはアルギニン-グルタミン酸塩である、〔13〕に記載の溶液製剤。
〔15〕 前記アルギニンおよび/またはその塩が、アルギニン-塩酸塩(Arg-HCl)である、〔13〕または〔14〕に記載の溶液製剤。
〔16〕 更に、緩衝剤としてトリス緩衝剤を含む、〔13〕〜〔15〕のいずれかに記載の溶液製剤。
〔17〕 前記トリス緩衝剤がトリスヒドロキシメチルアミノメタンおよび/またはその塩である、〔16〕に記載の溶液製剤。
〔18〕 前記トリスヒドロキシメチルアミノメタンおよび/またはその塩が、トリスヒドロキシメチルアミノメタン-塩酸塩(Tris-HCl)、トリスヒドロキシメチルアミノメタン-アスパラギン酸塩、トリスヒドロキシメチルアミノメタン-グルタミン酸塩またはトリスヒドロキシメチルアミノメタン-酢酸塩である、〔17〕に記載の溶液製剤。
〔19〕 前記トリスヒドロキシメチルアミノメタンおよび/またはその塩がトリスヒドロキシメチルアミノメタン-塩酸塩(Tris-HCl)である、〔17〕または〔18〕に記載の溶液製剤。
〔20〕 更に、非イオン性界面活性剤を含み、非イオン性界面活性剤がポロクサマー188またはポリソルベートである、〔13〕〜〔19〕のいずれかに記載の溶液製剤。
〔21〕 前記ポリソルベートがポリソルベート20又はポリソルベート80、である〔20〕に記載の溶液製剤。
〔22〕 pHが6〜8である、〔13〕〜〔21〕のいずれかに記載の溶液製剤。
〔23〕 pHが6.5〜7.5である、〔13〕〜〔22〕のいずれかに記載の溶液製剤。
〔24〕 pHが7である、〔13〕〜〔23〕のいずれかに記載の溶液製剤。
【0009】
〔25〕 IL-31アンタゴニストを有効成分として含有する凍結乾燥製剤であって、
・1〜200 mg/mLのIL-31アンタゴニスト、
・1〜200 mmol/Lのトリス緩衝剤、
・4.5〜1500 mmol/Lのアルギニンまたはその塩、
・7.5〜2500 mmol/Lのスクロース又はトレハロース、および
・0.01〜5 mg/mLのポロクサマー188又はポリソルベート20
を含む溶液が凍結乾燥された組成物であり、水で再溶解させた後のpHが6〜8である、凍結乾燥製剤。
〔26〕 IL-31アンタゴニストを有効成分として含有する凍結乾燥製剤であって、
・6〜100 mg/mLのIL-31アンタゴニスト、
・6〜20 mmol/Lのトリス緩衝剤、
・45〜150 mmol/Lのアルギニンまたはその塩、
・75〜250 mmol/Lのスクロース又はトレハロース、および
・0.15〜0.50 mg/mLのポロクサマー188又はポリソルベート20
を含む溶液が凍結乾燥された組成物であり、水で再溶解させた後のpHが6〜8である、凍結乾燥製剤。
〔27〕 IL-31アンタゴニストを有効成分として含有する凍結乾燥製剤であって、バイアル、カートリッジまたはシリンジ当たり
・1〜800 mgのIL-31アンタゴニスト、
・0.1〜40 mgのトリスヒドロキシメチルアミノメタン、
・0.8〜400 mgのアルギニン、
・3〜1100 mgのスクロース又はトレハロース、および
・0.01〜7 mgのポロクサマー188又はポリソルベート20
を含み、水で再溶解させた後のpHが6〜8である、凍結乾燥製剤。
〔28〕 IL-31アンタゴニストを有効成分として含有する凍結乾燥製剤であって、バイアル、カートリッジまたはシリンジ当たり
・10〜80 mgのIL-31アンタゴニスト、
・0.8〜4 mgのトリスヒドロキシメチルアミノメタン、
・8〜40 mgのアルギニン、
・30〜110 mgのスクロース又はトレハロース、および
・0.1〜0.7 mgのポロクサマー188又はポリソルベート20
を含み、水で再溶解させた後のpHが6〜8である、凍結乾燥製剤。
〔29〕 前記アルギニンおよび/またはその塩とIL-31アンタゴニストとのモル比が220〜1100:1であり、かつ/あるいは前記アルギニンとIL-31アンタゴニストとの重量比が0.3〜1.3:1である、〔1〕〜〔28〕のいずれかに記載の製剤。
〔30〕 前記スクロース又はトレハロースとIL-31アンタゴニストとのモル比が370〜1840:1であり、かつ/あるいは重量比が0.8〜4.3:1である、〔1〕〜〔12〕、〔25〕〜〔28〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔31〕 前記アルギニンおよび/またはその塩が、アルギニン-塩酸塩(Arg-HCl)、アルギニン-アスパラギン酸塩、またはアルギニン-グルタミン酸塩である、〔25〕〜〔30〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔32〕 前記アルギニンおよび/またはその塩が、アルギニン-塩酸塩(Arg-HCl)である、〔25〕〜〔31〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔33〕 前記トリス緩衝剤がトリスヒドロキシメチルアミノメタンおよび/またはその塩である、〔32〕に記載の凍結乾燥製剤。
〔34〕 前記トリスヒドロキシメチルアミノメタンおよび/またはその塩が、トリスヒドロキシメチルアミノメタン-塩酸塩(Tris-HCl)、トリスヒドロキシメチルアミノメタン-アスパラギン酸塩、トリスヒドロキシメチルアミノメタン-グルタミン酸塩またはトリスヒドロキシメチルアミノメタン-酢酸塩である、〔33〕に記載の凍結乾燥製剤。
〔35〕 前記トリスヒドロキシメチルアミノメタンおよび/またはその塩がトリスヒドロキシメチルアミノメタン-塩酸塩(Tris-HCl)である、〔33〕または〔34〕に記載の凍結乾燥製剤。
【0010】
〔36〕 前記IL-31アンタゴニストが、IL-31シグナルを阻害する抗体である、〔1〕〜〔35〕のいずれかに記載の製剤。
〔37〕 前記、IL-31シグナルを阻害する抗体が、抗IL-31中和抗体または抗IL-31RA中和抗体である、〔36〕に記載の製剤。
〔38〕 前記抗IL-31RA中和抗体が、
(1)配列番号:1に記載のCDR1、配列番号:2に記載のCDR2、および配列番号:3に記載のCDR3を含むH鎖可変領域、ならびに、配列番号:4に記載のCDR1、配列番号:5に記載のCDR2、および配列番号:6に記載のCDR3を含むL鎖可変領域を含む抗IL-31RA抗体;
(2)配列番号:7に記載のH鎖可変領域、および、配列番号:8に記載のL鎖可変領域を含む抗IL-31RA抗体;又は、
(3)配列番号:9に記載のH鎖、および、配列番号:10に記載のL鎖を含む抗IL-31RA抗体のいずれかである、〔37〕に記載の製剤。
〔39〕 前記抗IL-31RA中和抗体が、IgG抗体、好ましくはIgG2抗体である、〔37〕または〔38〕に記載の製剤。
〔40〕 前記抗IL-31RA中和抗体が、ネモリズマブ(Nemolizumab)である、〔37〕〜〔39〕のいずれかに記載の製剤。
【0011】
〔41〕 前記抗IL-31RA中和抗体の濃度は68 mg/mLである溶液が凍結乾燥された組成物である、〔37〕〜〔40〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔42〕 前記抗IL-31RA中和抗体の濃度は50 mg/mLである溶液が凍結乾燥された組成物である、〔37〕〜〔40〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔43〕 前記抗IL-31RA中和抗体の濃度は15 mg/mLである溶液が凍結乾燥された組成物である、〔37〕〜〔40〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔44〕 前記抗IL-31RA中和抗体の濃度は7.5 mg/mLである溶液が凍結乾燥された組成物である、〔37〕〜〔40〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
【0012】
〔45〕 前記Tris-HClの濃度は13.6 mmol/Lである溶液が凍結乾燥された組成物である、〔37〕〜〔41〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔46〕 前記Tris-HClの濃度は10 mmol/Lである溶液が凍結乾燥された組成物である、〔37〕〜〔40〕、〔42〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔47〕 前記Tris-HClの濃度は6 mmol/Lである溶液が凍結乾燥された組成物である、〔37〕〜〔40〕、〔43〕〜〔44〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
【0013】
〔48〕 前記Arg-HClの濃度は102 mmol/Lである溶液が凍結乾燥された組成物である、〔37〕〜〔41〕、〔45〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔49〕 前記Arg-HClの濃度は75 mmol/Lである溶液が、凍結乾燥された組成物である、〔37〕〜〔40〕、〔42〕、〔46〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔50〕 前記Arg-HClの濃度は45 mmol/Lである溶液が凍結乾燥された組成物である、〔37〕〜〔40〕、〔43〕〜〔44〕、〔47〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
【0014】
〔51〕 前記スクロース又はトレハロースの濃度は170 mmol/Lである溶液が凍結乾燥された組成物である、〔37〕〜〔41〕、〔45〕、〔48〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔52〕 前記スクロース又はトレハロースの濃度は125 mmol/Lである溶液が凍結乾燥された組成物である、〔37〕〜〔40〕、〔42〕、〔46〕、〔49〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔53〕 前記スクロース又はトレハロースの濃度は75 mmol/Lである溶液が凍結乾燥された組成物である、〔37〕〜〔40〕、〔43〕〜〔44〕、〔47〕、〔50〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
【0015】
〔54〕 前記ポロクサマー188又はポリソルベート20の濃度は0.34 mg/mLである溶液が凍結乾燥された組成物である、〔37〕〜〔41〕、〔45〕、〔48〕、〔51〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔55〕 前記ポロクサマー188又はポリソルベート20の濃度は0.25 mg/mLである溶液が凍結乾燥された組成物である、〔37〕〜〔40〕、〔42〕、〔46〕、〔49〕、〔52〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔56〕 前記ポロクサマー188又はポリソルベート20の濃度は0.15 mg/mLである溶液が凍結乾燥された組成物である、〔37〕〜〔40〕、〔43〕〜〔44〕、〔47〕、〔50〕、〔53〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
【0016】
〔57〕 前記アルギニンと前記抗IL-31RA中和抗体とのモル比が220:1であり、かつ/あるいは重量比が0.3:1である溶液が凍結乾燥された組成物である、〔37〕〜〔42〕、〔45〕〜〔46〕、〔48〕〜〔49〕、〔51〕〜〔52〕、〔54〕〜〔55〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔58〕 前記アルギニンと前記抗IL-31RA中和抗体とのモル比が440:1であり、かつ/あるいは重量比が0.5:1である溶液が凍結乾燥された組成物である、〔37〕〜〔40〕、〔43〕、〔47〕、〔50〕、〔53〕、〔56〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔59〕 前記アルギニンと前記抗IL-31RA中和抗体とのモル比が880:1であり、かつ/あるいは重量比が1.0〜1.1:1である溶液が凍結乾燥された組成物である、〔37〕〜〔40〕、〔44〕、〔47〕、〔50〕、〔53〕、〔56〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
【0017】
〔60〕 前記スクロースと前記抗IL-31RA中和抗体とのモル比が370:1であり、かつ/あるいは重量比が0.8〜0.9:1である溶液が凍結乾燥された組成物である、〔37〕〜〔42〕、〔45〕〜〔46〕、〔48〕〜〔49〕、〔51〕〜〔52〕、〔54〕〜〔55〕、〔57〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔61〕 前記スクロースと前記抗IL-31RA中和抗体とのモル比が740:1であり、かつ/あるいは重量比が1.7:1である溶液が凍結乾燥された組成物である、〔37〕〜〔40〕、〔43〕、〔47〕、〔50〕、〔53〕、〔56〕、〔58〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔62〕 前記スクロースと前記抗IL-31RA中和抗体とのモル比が1470:1であり、かつ/あるいは重量比が3.4〜3.5:1である溶液が凍結乾燥された組成物である、〔37〕〜〔40〕、〔44〕、〔47〕、〔50〕、〔53〕、〔56〕、〔59〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
【0018】
〔63〕 前記水で再溶解させた後のpHが6.5〜7.5である、〔25〕〜〔62〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔64〕 前記水で再溶解させた後のpHが7である、〔25〕〜〔63〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
【0019】
〔65〕 シリンジ等の容器当たり
・75 mgの抗IL-31RA中和抗体、
・1.8 mgのトリスヒドロキシメチルアミノメタン、
・19 mgのアルギニン、
・64 mgのスクロース
・0.4 mgのポロクサマー188
を含む、〔25〕〜〔40〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔66〕 シリンジ等の容器当たり、
・75 mgの抗IL-31RA中和抗体、
・0.24 mgのトリスヒドロキシメチルアミノメタン、
・23.6 mgのL-アルギニン塩酸塩、
・63.9 mgのスクロース、
・0.37 mgのポロクサマー188、および
・pH調整剤としてトリスヒドロキシメチルアミノメタン塩酸塩、
を含む、〔25〕〜〔40〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔67〕 シリンジ等の容器当たり
・39 mgの抗IL-31RA中和抗体、
・0.9 mgのトリスヒドロキシメチルアミノメタン、
・10 mgのアルギニン、
・33 mgのスクロース、および
・0.2 mgのポロクサマー188
を含む、〔25〕〜〔40〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔68〕 カートリッジ等の容器当たり
・36 mgの抗IL-31RA中和抗体、
・0.9 mgのトリスヒドロキシメチルアミノメタン、
・9 mgのアルギニン、
・31 mgのスクロース、および
・0.2 mgのポロクサマー188
を含む、〔25〕〜〔40〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔69〕 バイアル等の容器当たり
・51 mgの抗IL-31RA中和抗体、
・2.5 mgのトリスヒドロキシメチルアミノメタン、
・27 mgのアルギニン、
・88 mgのスクロース、および
・0.5 mgのポロクサマー188
を含む、〔25〕〜〔40〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔70〕 バイアル等の容器当たり
・30 mgの抗IL-31RA中和抗体、
・3.0 mgのトリスヒドロキシメチルアミノメタン、
・32 mgのアルギニン、
・104 mgのスクロース、および
・0.6 mgのポロクサマー188
を含む、〔25〕〜〔40〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔71〕 バイアル等の容器当たり
・19 mgの抗IL-31RA中和抗体、
・1.9 mgのトリスヒドロキシメチルアミノメタン、
・20 mgのアルギニン、
・66 mgのスクロース、および
・0.4 mgのポロクサマー188
を含む、〔25〕〜〔40〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔72〕 バイアル等の容器当たり
・14 mgの抗IL-31RA中和抗体、
・1.3 mgのトリスヒドロキシメチルアミノメタン、
・15 mgのアルギニン、
・47 mgのスクロース、および
・0.3 mgのポロクサマー188
を含む、〔25〕〜〔40〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
【0020】
〔73〕 68 mg/mLの配列番号:9に記載のH鎖、および、配列番号:10に記載のL鎖を含む抗IL-31RA抗体、
・13.6 mmol/Lのトリスヒドロキシメチルアミノメタン-塩酸塩(Tris-HCl)緩衝剤、
・102 mmol/Lアルギニン-塩酸塩(Arg-HCl)、
・170 mmol/Lスクロース、および
・0.34 mg/mLポロクサマー188
を含む溶液が凍結乾燥された組成物であり、水で再溶解させた後のpHが7である、〔25〕〜〔40〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔74〕 50 mg/mLの配列番号:9に記載のH鎖、および、配列番号:10に記載のL鎖を含む抗IL-31RA抗体、
・10 mmol/Lのトリスヒドロキシメチルアミノメタン-塩酸塩(Tris-HCl)緩衝剤、
・75 mmol/Lアルギニン-塩酸塩(Arg-HCl)、
・125 mmol/Lスクロース、および
・0.25 mg/mLポロクサマー188
を含む溶液が凍結乾燥された組成物であり、水で再溶解させた後のpHが7である、〔25〕〜〔40〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔75〕 15 mg/mLの配列番号:9に記載のH鎖、および、配列番号:10に記載のL鎖を含む抗IL-31RA抗体、
・6 mmol/Lのトリスヒドロキシメチルアミノメタン-塩酸塩(Tris-HCl)緩衝剤、
・45 mmol/Lアルギニン-塩酸塩(Arg-HCl)、
・75 mmol/Lスクロース、および
・0.15 mg/mLポロクサマー188
を含む溶液が凍結乾燥された組成物であり、水で再溶解させた後のpHが7である、〔25〕〜〔40〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔76〕 7.5 mg/mLの配列番号:9に記載のH鎖、および、配列番号:10に記載のL鎖を含む抗IL-31RA抗体、
・6 mmol/Lのトリスヒドロキシメチルアミノメタン-塩酸塩(Tris-HCl)緩衝剤、
・45 mmol/Lアルギニン-塩酸塩(Arg-HCl)、
・75 mmol/Lスクロース、および
・0.15 mg/mLポロクサマー188
を含む溶液が凍結乾燥された組成物であり、水で再溶解させた後のpHが7である、〔25〕〜〔40〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
【0021】
〔77〕 IL-31アンタゴニストを有効成分として含有し、更に、トリス緩衝剤、アルギニン、スクロース又はトレハロース、ポロクサマー188又はポリソルベート20を含む凍結乾燥製剤であって、当該製剤が、水で再溶解させた後に、
・1〜200 mg/mLのIL-31アンタゴニスト、
・1〜200 mmol/Lのトリス緩衝剤、
・4.5〜1500 mmol/Lのアルギニンまたはその塩、
・7.5〜2500 mmol/Lのスクロース又はトレハロース、および
・0.01〜5 mg/mLのポロクサマー188又はポリソルベート20
を含み、pHが6〜8である、凍結乾燥製剤。
〔78〕 IL-31アンタゴニストを有効成分として含有し、更に、トリス緩衝剤、アルギニン、スクロース又はトレハロース、ポロクサマー188又はポリソルベート20を含む凍結乾燥製剤であって、当該製剤が、水で再溶解させた後に、
・20〜100 mg/mLのIL-31アンタゴニスト、
・10〜20 mmol/のトリス緩衝剤、
・75〜150 mmol/Lのアルギニンまたはその塩、
・125〜250 mmol/Lのスクロース又はトレハロース、および
・0.25〜0.50 mg/mLのポロクサマー188又はポリソルベート20
を含み、pHが6〜8である、凍結乾燥製剤。
〔79〕 前記アルギニンおよび/またはその塩とIL-31アンタゴニストとのモル比が220〜1100:1であり、かつ/あるいは前記アルギニンとIL-31アンタゴニストとの重量比が0.3〜1.3:1である、〔77〕または〔78〕に記載の凍結乾燥製剤。
〔80〕 前記スクロース又はトレハロースとIL-31アンタゴニストとのモル比が370〜1840:1であり、かつ/あるいは重量比が0.8〜4.3:1である、〔77〕〜〔79〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔81〕 前記アルギニンおよび/またはその塩が、アルギニン-塩酸塩(Arg-HCl)、アルギニン-アスパラギン酸塩、またはアルギニン-グルタミン酸塩である、〔77〕〜〔80〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔82〕 前記アルギニンおよび/またはその塩が、アルギニン-塩酸塩(Arg-HCl)である、〔77〕〜〔81〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔83〕 前記トリス緩衝剤がトリスヒドロキシメチルアミノメタンおよび/またはその塩である、〔77〕〜〔82〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔84〕 前記トリスヒドロキシメチルアミノメタンおよび/またはその塩が、トリスヒドロキシメチルアミノメタン-塩酸塩(Tris-HCl)、トリスヒドロキシメチルアミノメタン-アスパラギン酸塩、トリスヒドロキシメチルアミノメタン-グルタミン酸塩またはトリスヒドロキシメチルアミノメタン-酢酸塩である、〔83〕に記載の凍結乾燥製剤。
〔85〕 前記トリスヒドロキシメチルアミノメタンおよび/またはその塩がトリスヒドロキシメチルアミノメタン-塩酸塩(Tris-HCl)である、〔83〕または〔84〕に記載の凍結乾燥製剤。
【0022】
〔86〕 前記IL-31アンタゴニストが、IL-31シグナルを阻害する抗体である、〔77〕〜〔85〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔87〕 前記、IL-31シグナルを阻害する抗体が、抗IL-31中和抗体または抗IL-31RA中和抗体である、〔86〕に記載の凍結乾燥製剤。
【0023】
〔88〕 前記抗IL-31RA中和抗体が、
(1)配列番号:1に記載のCDR1、配列番号:2に記載のCDR2、および配列番号:3に記載のCDR3を含むH鎖可変領域、ならびに、配列番号:4に記載のCDR1、配列番号:5に記載のCDR2、および配列番号:6に記載のCDR3を含むL鎖可変領域を含む抗IL-31RA抗体;
(2)配列番号:7に記載のH鎖可変領域、および、配列番号:8に記載のL鎖可変領域を含む抗IL-31RA抗体;又は、
(3)配列番号:9に記載のH鎖、および、配列番号:10に記載のL鎖を含む抗IL-31RA抗体のいずれかである、〔87〕に記載の凍結乾燥製剤。
〔89〕 前記抗IL-31RA中和抗体が、IgG抗体、好ましくはIgG2抗体である、〔87〕または〔88〕に記載の凍結乾燥製剤。
〔90〕 前記抗IL-31RA中和抗体が、ネモリズマブ(Nemolizumab)である、〔87〕〜〔89〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
【0024】
〔91〕 水で再溶解させた後の前記抗IL-31RA中和抗体の濃度は100 mg/mLである、〔87〕〜〔90〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔92〕 水で再溶解させた後の前記抗IL-31RA中和抗体の濃度は61.5 mg/mLである、〔87〕〜〔90〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔93〕 水で再溶解させた後の前記抗IL-31RA中和抗体の濃度は50 mg/mLである、〔87〕〜〔90〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔94〕 水で再溶解させた後の前記抗IL-31RA中和抗体の濃度は25 mg/mLである、〔87〕〜〔90〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
【0025】
〔95〕 水で再溶解させた後の前記Tris-HClの濃度は20 mmol/Lである、〔87〕〜〔91〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔96〕 水で再溶解させた後の前記Tris-HClの濃度は12.3 mmol/Lである、〔87〕〜〔90〕、〔92〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔97〕 水で再溶解させた後の前記Tris-HClの濃度は20 mmol/Lである、〔87〕〜〔90〕、〔93〕〜〔94〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
【0026】
〔98〕 水で再溶解させた後の前記Arg-HClの濃度は150 mmol/Lである、〔87〕〜〔91〕、〔95〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔99〕 水で再溶解させた後の前記Arg-HClの濃度は92 mmol/Lである、〔87〕〜〔90〕、〔92〕、〔96〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔100〕 水で再溶解させた後の前記Arg-HClの濃度は150 mmol/Lである、〔87〕〜〔90〕、〔93〕〜〔94〕、〔97〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
【0027】
〔101〕 水で再溶解させた後の前記スクロース又はトレハロースの濃度は250 mmol/Lである、〔87〕〜〔91〕、〔95〕、〔98〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔102〕 水で再溶解させた後の前記スクロース又はトレハロースの濃度は154 mmol/Lである、〔87〕〜〔90〕、〔92〕、〔96〕、〔99〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔103〕 水で再溶解させた後の前記スクロース又はトレハロースの濃度は250 mmol/Lである、〔87〕〜〔90〕、〔93〕〜〔94〕、〔97〕、〔100〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
【0028】
〔104〕 水で再溶解させた後の前記ポロクサマー188又はポリソルベート20の濃度は0.50 mg/mLである、〔87〕〜〔91〕、〔95〕、〔98〕、〔101〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔105〕 水で再溶解させた後の前記ポロクサマー188又はポリソルベート20の濃度は0.31 mg/mLである、〔87〕〜〔90〕、〔92〕、〔96〕、〔99〕、〔102〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔106〕 水で再溶解させた後の前記ポロクサマー188又はポリソルベート20の濃度は0.50 mg/mLである、〔87〕〜〔90〕、〔93〕〜〔94〕、〔97〕、〔100〕、〔103〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
【0029】
〔107〕 前記アルギニンと前記抗IL-31RA中和抗体とのモル比が220:1であり、かつ/あるいは重量比が0.3:1である、〔87〕〜〔91〕、〔95〕、〔98〕、〔101〕、〔104〕〜〔105〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔108〕 前記アルギニンと前記抗IL-31RA中和抗体とのモル比が440:1であり、かつ/あるいは重量比が0.5:1である、〔87〕〜〔90〕、〔93〕、〔97〕、〔100〕、〔103〕、〔106〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔109〕 前記アルギニンと前記抗IL-31RA中和抗体とのモル比が880:1であり、かつ/あるいは重量比が1.0〜1.1:1である、〔87〕〜〔90〕、〔94〕、〔97〕、〔100〕、〔103〕、〔106〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
【0030】
〔110〕 前記スクロースと前記抗IL-31RA中和抗体とのモル比が370:1であり、かつ/あるいは重量比が0.8〜0.9:1である、〔87〕〜〔91〕、〔95〕、〔98〕、〔101〕、〔104〕〜〔105〕、〔107〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔111〕 前記スクロースと前記抗IL-31RA中和抗体とのモル比が740:1であり、かつ/あるいは重量比が1.7:1である、〔87〕〜〔90〕、〔93〕、〔97〕、〔100〕、〔103〕、〔106〕、〔108〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔112〕 前記スクロースと前記抗IL-31RA中和抗体とのモル比が1470:1であり、かつ/あるいは重量比が3.4〜3.5:1である、〔87〕〜〔90〕、〔94〕、〔97〕、〔100〕、〔103〕、〔109〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
【0031】
〔113〕 水で再溶解させた後の前記pHが6.5〜7.5である、〔77〕〜〔112〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔114〕 水で再溶解させた後の前記pHが6.7〜7.3である、〔77〕〜〔113〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔115〕 水で再溶解させた後の前記pHが7である、〔77〕〜〔114〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
【0032】
〔116〕 配列番号:9に記載のH鎖、および、配列番号:10に記載のL鎖を含む抗IL-31RA抗体を有効成分として含有する医薬組成物であって、緩衝剤、安定化剤、賦形剤、非イオン性界面活性剤を含む溶液を凍結乾燥させて調製する凍結乾燥製剤であり、水で再溶解させた後の濃度が
・抗IL-31RA中和抗体が100 mg/mL
・トリスヒドロキシメチルアミノメタン-塩酸塩(Tris-HCl)緩衝剤が20 mmol/L
・アルギニン-塩酸塩(Arg-HCl)が150 mmol/L
・スクロースが250 mmol/L
・ポロクサマー188 が0.50 mg/mL
である、〔87〕〜〔91〕、〔95〕、〔98〕、〔101〕、〔104〕、〔107〕、〔110〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔117〕 配列番号:9に記載のH鎖、および、配列番号:10に記載のL鎖を含む抗IL-31RA抗体を有効成分として含有する、医薬組成物であって、緩衝剤、安定化剤、賦形剤、非イオン性界面活性剤を含む溶液を凍結乾燥させて調製する凍結乾燥製剤であり、水で再溶解させた後の濃度が
・抗IL-31RA中和抗体が61.5 mg/mL
・トリスヒドロキシメチルアミノメタン-塩酸塩(Tris-HCl)緩衝剤が12.3 mmol/L
・アルギニン-塩酸塩(Arg-HCl)が92 mmol/L
・スクロースが154 mmol/L
・ポロクサマー188が0.31 mg/mL
である、〔87〕〜〔90〕、〔92〕、〔96〕、〔99〕、〔102〕、〔105〕、〔107〕、〔110〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔118〕 配列番号:9に記載のH鎖、および、配列番号:10に記載のL鎖を含む抗IL-31RA抗体を有効成分として含有する、医薬組成物であって、緩衝剤、安定化剤、賦形剤、非イオン性界面活性剤を含む溶液を凍結乾燥させて調製する凍結乾燥製剤であり、水で再溶解させた後の濃度が
・抗IL-31RA中和抗体が50 mg/mL
・トリスヒドロキシメチルアミノメタン-塩酸塩(Tris-HCl)緩衝剤が20 mmol/L
・アルギニン-塩酸塩(Arg-HCl)が150 mmol/L
・スクロースが250 mmol/L
・ポロクサマー188 が0. 50 mg/mL
である、〔87〕〜〔90〕、〔93〕、〔97〕、〔100〕、〔103〕、〔106〕、〔108〕、〔111〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔119〕 配列番号:9に記載のH鎖、および、配列番号:10に記載のL鎖を含む抗IL-31RA抗体を有効成分として含有する医薬組成物であって、緩衝剤、安定化剤、賦形剤、非イオン性界面活性剤を含む溶液を凍結乾燥させて調製する凍結乾燥製剤であり、水で再溶解させた後の濃度が
・抗IL-31RA中和抗体が25 mg/mL
・トリスヒドロキシメチルアミノメタン-塩酸塩(Tris-HCl)緩衝剤が20 mmol/L
・アルギニン-塩酸塩(Arg-HCl)が150 mmol/L
・スクロースが250 mmol/L
・ポロクサマー188が0.50 mg/mL
である、〔87〕〜〔90〕、〔94〕、〔97〕、〔100〕、〔103〕、〔109〕、〔112〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
【0033】
〔120〕 IL-31アンタゴニストを有効成分として含有する凍結乾燥製剤であって、
・1〜200 mg/mLのIL-31アンタゴニスト、
・1〜200 mmol/Lのトリス緩衝剤、
・4.5〜1500 mmol/Lのアルギニンまたはその塩、
・7.5〜2500 mmol/Lのスクロース又はトレハロース、および
・0.01〜5 mg/mLのポロクサマー188又はポリソルベート20
を含む溶液が凍結乾燥された組成物であり、水で再溶解させた後に、
・1〜200 mg/mLのIL-31アンタゴニスト、
・1〜200 mmol/Lのトリス緩衝剤、
・4.5〜1500 mmol/Lのアルギニンまたはその塩、
・7.5〜2500 mmol/Lのスクロース又はトレハロース、および
・0.01〜5 mg/mLのポロクサマー188又はポリソルベート20
を含み、pHが6〜8である、凍結乾燥製剤。
〔121〕 IL-31アンタゴニストを有効成分として含有する凍結乾燥製剤であって、
・6〜100 mg/mLのIL-31アンタゴニスト、
・6〜20 mmol/Lのトリス緩衝剤、
・45〜150 mmol/Lのアルギニンまたはその塩、
・75〜250 mmol/Lのスクロース又はトレハロース、および
・0.15〜0.50 mg/mLのポロクサマー188又はポリソルベート20
を含む溶液が凍結乾燥された組成物であり、水で再溶解させた後に、
・20〜100 mg/mLのIL-31アンタゴニスト、
・10〜20 mmol/のトリス緩衝剤、
・75〜150 mmol/Lのアルギニンまたはその塩、
・125〜250 mmol/Lのスクロース又はトレハロース、および
・0.25〜0.50 mg/mLのポロクサマー188又はポリソルベート20
を含み、pHが6〜8である、凍結乾燥製剤。
〔122〕 前記アルギニンおよび/またはその塩とIL-31アンタゴニストとのモル比が220〜1100:1である、〔120〕または〔121〕に記載の凍結乾燥製剤。
〔123〕 前記スクロース又はトレハロースとIL-31アンタゴニストとのモル比が370〜1840:1である、〔120〕〜〔122〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔124〕 前記アルギニンおよび/またはその塩が、アルギニン-塩酸塩(Arg-HCl)、アルギニン-アスパラギン酸塩、またはアルギニン-グルタミン酸塩である、〔120〕〜〔123〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔125〕 前記アルギニンおよび/またはその塩が、アルギニン-塩酸塩(Arg-HCl)である、〔120〕〜〔124〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔126〕 前記トリス緩衝剤がトリスヒドロキシメチルアミノメタンおよび/またはその塩である〔120〕〜〔125〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔127〕 前記トリスヒドロキシメチルアミノメタンおよび/またはその塩が、トリスヒドロキシメチルアミノメタン-塩酸塩(Tris-HCl)、トリスヒドロキシメチルアミノメタン-アスパラギン酸塩、トリスヒドロキシメチルアミノメタン-グルタミン酸塩またはトリスヒドロキシメチルアミノメタン-酢酸塩である〔120〕〜〔126〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔128〕 前記トリスヒドロキシメチルアミノメタンおよび/またはその塩がトリスヒドロキシメチルアミノメタン-塩酸塩(Tris-HCl)である〔120〕〜〔127〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
【0034】
〔129〕 前記IL-31アンタゴニストが、IL-31シグナルを阻害する抗体である、〔120〕〜〔128〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
〔130〕 前記、IL-31シグナルを阻害する抗体が、抗IL-31中和抗体または抗IL-31RA中和抗体である、〔129〕に記載の凍結乾燥製剤。
【0035】
〔131〕 前記抗IL-31RA中和抗体が、
(1)配列番号:1に記載のCDR1、配列番号:2に記載のCDR2、および配列番号:3に記載のCDR3を含むH鎖可変領域、ならびに、配列番号:4に記載のCDR1、配列番号:5に記載のCDR2、および配列番号:6に記載のCDR3を含むL鎖可変領域を含む抗IL-31RA抗体;
(2)配列番号:7に記載のH鎖可変領域、および、配列番号:8に記載のL鎖可変領域を含む抗IL-31RA抗体;又は、
(3)配列番号:9に記載のH鎖、および、配列番号:10に記載のL鎖を含む抗IL-31RA抗体のいずれかである、〔130〕に記載の凍結乾燥製剤。
〔132〕 前記抗IL-31RA中和抗体が、IgG抗体、好ましくはIgG2抗体である、〔130〕または〔131〕に記載の凍結乾燥製剤。
〔133〕 前記抗IL-31RA中和抗体が、ネモリズマブ(Nemolizumab)である、〔130〕〜〔132〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
【0036】
〔134〕 IL-31関連疾患又はそれに伴う症状の予防用及び/又は治療用の、〔1〕〜〔133〕のいずれかに記載の製剤。
〔135〕 前記IL-31関連疾患が、IL-31シグナルと関連する炎症性疾患である、〔134〕に記載の製剤。
〔136〕 前記炎症性疾患が、アトピー性皮膚炎、透析掻痒症、および結節性痒疹からなる群より選択される、〔135〕に記載の製剤。
〔137〕 前記IL-31アンタゴニストが皮下投与される、〔1〕〜〔136〕のいずれかに記載の製剤。
【0037】
〔138〕 抗体含有製剤において抗体を安定化する方法であって、アルギニンおよび/もしくはその塩、ならびに/またはスクロースおよび/もしくはトレハロースを含む抗体含有溶液を調製することを含み、当該溶液中のアルギニンおよび/またはその塩と抗体とのモル比が220〜1100:1であり、スクロース又はトレハロースと抗体とのモル比が370〜1840:1である、前記方法。
〔139〕 前記抗体含有溶液が、6〜20 mmol/Lのトリスヒドロキシメチルアミノメタン-塩酸塩(Tris-HCl)緩衝剤、および0.15〜0.50 mg/mLのポロクサマー188をさらに含む、〔138〕に記載の方法。
〔140〕 前記抗体含有溶液を凍結乾燥させて抗体含有凍結乾燥製剤を調製することをさらに含む、〔138〕または〔139〕に記載の方法。
〔141〕 抗体含有製剤において抗体を安定化するための、アルギニンおよび/もしくはその塩、ならびに/またはスクロースおよび/もしくはトレハロースの使用であって、アルギニンおよび/もしくはその塩、ならびに/またはスクロースおよび/もしくはトレハロースを含む抗体含有溶液を調製することを含み、当該溶液中のアルギニンおよび/またはその塩と抗体とのモル比が220〜1100:1であり、スクロース又はトレハロースと抗体とのモル比が370〜1840:1である、前記使用。
〔142〕 前記抗体含有溶液が、6〜20 mmol/Lのトリスヒドロキシメチルアミノメタン-塩酸塩(Tris-HCl)緩衝剤、および0.15〜0.50 mg/mLのポロクサマー188をさらに含む、〔141〕に記載の使用。
〔143〕 前記抗体含有溶液を凍結乾燥させて抗体含有凍結乾燥製剤を調製することをさらに含む、〔141〕または〔142〕に記載の使用。
【0038】
〔144〕 抗体含有製剤において抗体の会合化(会合体形成)を抑制する方法であって、アルギニンおよび/もしくはその塩、ならびに/またはスクロースおよび/もしくはトレハロースを含む抗体含有溶液を調製することを含み、当該溶液中のアルギニンおよび/またはその塩と抗体とのモル比が220〜1100:1であり、スクロース又はトレハロースと抗体とのモル比が370〜1840:1である、前記方法。
〔145〕 前記抗体含有溶液が、6〜20 mmol/Lのトリスヒドロキシメチルアミノメタン-塩酸塩(Tris-HCl)緩衝剤、および0.15〜0.50 mg/mLのポロクサマー188をさらに含む、〔144〕に記載の方法。
〔146〕 前記抗体含有溶液を凍結乾燥させて抗体含有凍結乾燥製剤を調製することをさらに含む、〔144〕または〔145〕に記載の方法。
〔147〕 抗体含有製剤において抗体の会合化(会合体形成)を抑制するための、アルギニンおよび/もしくはその塩、ならびに/またはスクロースおよび/もしくはトレハロースの使用であって、アルギニンおよび/もしくはその塩、ならびに/またはスクロースおよび/もしくはトレハロースを含む抗体含有溶液を調製することを含み、当該溶液中のアルギニンおよび/またはその塩と抗体とのモル比が220〜1100:1であり、スクロース又はトレハロースと抗体とのモル比が370〜1840:1である、前記使用。
〔148〕 前記抗体含有溶液が、6〜20 mmol/Lのトリスヒドロキシメチルアミノメタン-塩酸塩(Tris-HCl)緩衝剤、および0.15〜0.50 mg/mLのポロクサマー188をさらに含む、〔147〕に記載の使用。
〔149〕 前記抗体含有溶液を凍結乾燥させて抗体含有凍結乾燥製剤を調製することをさらに含む、〔147〕または〔148〕に記載の使用。
【0039】
〔150〕 抗体含有製剤において電荷的ヘテロ成分を低減する方法であって、アルギニンおよび/もしくはその塩、ならびに/またはスクロースおよび/もしくはトレハロースを含む抗体含有溶液を調製することを含み、当該溶液中のアルギニンおよび/またはその塩と抗体とのモル比が220〜1100:1であり、スクロース又はトレハロースと抗体とのモル比が370〜1840:1である、前記方法。
〔151〕 前記抗体含有溶液が、6〜20 mmol/Lのトリスヒドロキシメチルアミノメタン-塩酸塩(Tris-HCl)緩衝剤、および0.15〜0.50 mg/mLのポロクサマー188をさらに含む、〔150〕に記載の方法。
〔152〕 前記抗体含有溶液を凍結乾燥させて抗体含有凍結乾燥製剤を調製することをさらに含む、〔150〕または〔151〕に記載の方法。
〔153〕 抗体含有製剤において電荷的ヘテロ成分を低減するための、アルギニンおよび/もしくはその塩、ならびに/またはスクロースおよび/もしくはトレハロースの使用であって、アルギニンおよび/もしくはその塩、ならびに/またはスクロースおよび/もしくはトレハロースを含む抗体含有溶液を調製することを含み、当該溶液中のアルギニンおよび/またはその塩と抗体とのモル比が220〜1100:1であり、スクロース又はトレハロースと抗体とのモル比が370〜1840:1である、前記使用。
〔154〕 前記抗体含有溶液が、6〜20 mmol/Lのトリスヒドロキシメチルアミノメタン-塩酸塩(Tris-HCl)緩衝剤、および0.15〜0.50 mg/mLのポロクサマー188をさらに含む、〔153〕に記載の使用。
〔155〕 前記抗体含有溶液を凍結乾燥させて抗体含有凍結乾燥製剤を調製することをさらに含む、〔153〕または〔154〕に記載の使用。
【0040】
〔156〕 IL-31関連疾患に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象にIL-31アンタゴニストを投与することを含む、IL-31関連疾患の予防及び/又は治療方法であって、
6〜100 mg/mLのIL-31アンタゴニスト、45〜150 mmol/Lのアルギニン-塩酸塩(Arg-HCl)、および75〜250 mmol/Lのスクロース又はトレハロースを含む溶液を凍結乾燥させて凍結乾燥製剤を調製すること;
前記凍結乾燥製剤を水で再溶解させて再溶解液を調製すること;ならびに
前記再溶解液を前記対象に投与すること
を含む、前記方法。
〔157〕 IL-31関連疾患の予防及び/又は治療のための医薬の製造における、IL-31アンタゴニストの使用であって、6〜100 mg/mLのIL-31アンタゴニスト、45〜150 mmol/Lのアルギニン-塩酸塩(Arg-HCl)、および75〜250 mmol/Lのスクロース又はトレハロースを含む溶液を凍結乾燥させて凍結乾燥製剤を調製することを特徴とする、前記使用。
〔158〕 IL-31関連疾患の予防及び/又は治療に使用するためのIL-31アンタゴニストであって、6〜100 mg/mLのIL-31アンタゴニスト、45〜150 mmol/Lのアルギニン-塩酸塩(Arg-HCl)、および75〜250 mmol/Lのスクロース又はトレハロースを含む溶液が凍結乾燥された凍結乾燥製剤を水で再溶解して使用することを特徴とする、前記IL-31アンタゴニスト。
〔159〕 凍結乾燥前の前記溶液が、6〜20 mmol/Lのトリスヒドロキシメチルアミノメタン-塩酸塩(Tris-HCl)緩衝剤、および0.15〜0.50 mg/mLのポロクサマー188をさらに含む、〔156〕に記載の方法、〔157〕に記載の使用、または〔158〕に記載のIL-31アンタゴニスト。
【0041】
〔160〕 (i)容器、(ii)〔1〕〜〔12〕、〔25〕〜〔137〕のいずれかに記載の凍結乾燥製剤、および(iii)当該凍結乾燥製剤を再溶解するための注射用水、を含む注射用製剤またはキット。
〔161〕 (i)容器;(ii)6〜100 mg/mLの抗IL-31RA中和抗体、45〜150 mmol/Lのアルギニン-塩酸塩(Arg-HCl)、および75〜250 mmol/Lのスクロース又はトレハロースを含む溶液が凍結乾燥された、前記容器内の凍結乾燥製剤;ならびに(iii)任意で、前記凍結乾燥製剤を再溶解するための注射用水を含む、注射用製剤。
〔162〕 凍結乾燥前の前記溶液が、6〜20 mmol/Lのトリスヒドロキシメチルアミノメタン-塩酸塩(Tris-HCl)緩衝剤、および0.15〜0.50 mg/mLのポロクサマー188をさらに含む、〔161〕に記載の注射用製剤。
〔163〕 (i)容器;(ii)有効量の抗IL-31RA中和抗体と、当該抗体1モルに対して220〜1100モルのアルギニン-塩酸塩(Arg-HCl)および370〜1840モルのスクロース又はトレハロースとを含む溶液が凍結乾燥された、前記容器内の凍結乾燥製剤;ならびに(iii)任意で、前記凍結乾燥製剤を再溶解するための注射用水を含む、注射用製剤。
〔164〕 前記凍結乾燥製剤と、前記注射用水が、容器内の別の隔室に封入されている、〔160〕〜〔163〕のいずれかに記載の注射用製剤またはキット。
〔165〕 使用時に、前記容器内で、前記凍結乾燥製剤が、前記注射用水を用いて再溶解される、〔160〕〜〔164〕のいずれかに記載の注射用製剤またはキット。