特許第6846215号(P6846215)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6846215
(24)【登録日】2021年3月3日
(45)【発行日】2021年3月24日
(54)【発明の名称】プリンタ
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/13 20060101AFI20210315BHJP
【FI】
   B41J29/13
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-9659(P2017-9659)
(22)【出願日】2017年1月23日
(65)【公開番号】特開2018-118396(P2018-118396A)
(43)【公開日】2018年8月2日
【審査請求日】2019年12月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000235
【氏名又は名称】特許業務法人 天城国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スー チン フーン
(72)【発明者】
【氏名】眞田 強
【審査官】 牧島 元
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−018470(JP,A)
【文献】 特開2005−088350(JP,A)
【文献】 特開2013−086477(JP,A)
【文献】 特開2003−237116(JP,A)
【文献】 特開2003−211783(JP,A)
【文献】 米国特許第06102590(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/13
B41J 2/32
B41J 11/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体に印刷して排出口に向けて搬送するプリンタであって、
印刷媒体が搬送される搬送路と、
前記搬送路に溜まった前記プリンタ内のごみを前記プリンタの外部から吸い出すための貫通孔と、を備え、
前記貫通孔の穴方向は、前記印刷媒体の幅方向と平行である、
プリンタ。
【請求項2】
前記印刷媒体は連続紙であり、
前記プリンタは、前記搬送路に設置され、前記搬送路を搬送される前記連続紙をカットするカット機構、を備え、
前記貫通孔は、前記カット機構の設置位置の周辺に設けられている
請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
印刷媒体に印刷して排出口に向けて搬送するプリンタであって、
印刷媒体が搬送される搬送路と、
前記搬送路に設置され、連続紙である前記印刷媒体の終端を検出するセンサーと、
前記センサーの設置位置の周辺に溜まった前記プリンタ内のごみを前記プリンタの外部から吸い出すための貫通孔と、を備えるプリンタ。
【請求項4】
印刷媒体に印刷して排出口に向けて搬送するプリンタであって、
印刷媒体が搬送される搬送路と、
前記搬送路に設置され、前記印刷媒体のサイドをガイドするサイドガイドと、
前記サイドガイドの設置位置の周辺に溜まった前記プリンタ内のごみを前記プリンタの外部から吸い出すための貫通孔と、を備えるプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、プリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
金融情報処理装置(例えば、ATM)及び商品情報処理装置(例えば、POS端末)は、多くの場合、印刷媒体(例えば、連続紙、通帳)に情報を印刷するプリンタを備える。この種のプリンタは、内部が複雑な機構となっている。例えば、プリンタは、内部に、印刷媒体をカットするカット機構、及び、印刷媒体を排出口に搬送する搬送機構を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−187755号公報
【特許文献2】特開2002−37516号公報
【特許文献3】特開2002−210919号公報
【特許文献4】特開平11−35186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プリンタの内部にゴミが溜まることがある。例えば、カット機構を備えるプリンタは、プリンタの内部に紙の切り屑が溜まり易い。プリンタの内部に溜まったゴミは、プリンタに不具合を引き起こす恐れがある。例えば、プリンタ内部のセンサー周辺にゴミがたまると、センサーは内部の状態を正常に検出できなくなる。センサーが正常に動作しない場合、場合によっては、プリンタは不具合を起こす。プリンタが不具合を起こさないようにするためには、ユーザがプリンタ内部から定期的にゴミを取り除く必要がある。しなしながら、プリンタ内部は複雑な機構となっているので、ユーザがプリンタ内部からゴミを取り除くのは容易ではない。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、プリンタ内部のゴミを容易に取り除けるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態のプリンタは、印刷媒体に印刷して排出口に向けて搬送するプリンタである。プリンタは、印刷媒体が搬送される搬送路と、搬送路に溜まったプリンタ内のごみをプリンタの外部から吸い出すための貫通孔と、を備える。貫通孔の穴方向は、印刷媒体の幅方向と平行である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態のプリンタを備える商品情報処理装置を示す斜視図である。
図2】実施形態のプリンタの斜視図である。
図3】実施形態のプリンタのブロック図である。
図4】実施形態のプリンタの内部構造を示す断面図である。
図5】印刷媒体が搬送路を搬送される様子を示す図である。
図6】実施形態のプリンタの左側面図である。
図7】実施形態のプリンタの右側面図である。
図8】吸引器でプリンタの内部のゴミを吸引する様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または同等の部分には同一の符号を付す。
【0009】
図1は、実施形態のプリンタ10を備える商品情報処理装置1を示す斜視図である。商品情報処理装置1は、例えば、POS(Point of sales)端末である。商品情報処理装置1は、各ストアに設置され、オペレータによって操作される。商品情報処理装置1は不図示のストアサーバ(POSサーバ)とネットワークを介して接続されている。プリンタ10は商品情報処理装置1に固定或いは内蔵されている。
【0010】
なお、以下の説明には、X軸、Y軸、及びZ軸から構成される直交座標系を用いる。図中、矢印の指し示す方向がプラス方向である。X軸プラス方向が右方向であり、X軸マイナス方向が左方向である。また、Y軸プラス方向が正面方向(前側)であり、Y軸マイナス方向が背面方向(後側)である。また、Z軸プラス方向が上方向であり、Z軸マイナス方向が下方向である。正面とはオペレータが位置する側のことである。図1の例であれば、正面は白抜き矢印の方向である。
【0011】
図2は、商品情報処理装置1からプリンタ10を取り出したものである。プリンタ10は、レシートを発行するためのレシートプリンタである。プリンタ10の筐体22の上部には、ロール紙ホルダーを覆うカバー21が配置されている。ユーザはカバー21を開けてロール紙ホルダーにロール紙PRを格納する。ロール紙PRは、印刷媒体Sが巻き回されたロールである。印刷媒体Sは、帯状の用紙(連続紙)である。本実施形態では、印刷媒体Sの幅方向D3はX軸方向となっている。プリンタ10は、ロール紙PRから印刷媒体Sを取り出し、取引明細等の情報を印刷する。プリンタ10は、印刷媒体Sを排出するための排出口20を備える。なお、図1及び図2に示した外観はあくまで一例であり、様々な変形が可能である。
【0012】
図3は、プリンタ10のブロック図である。プリンタ10は、制御部11と、通信インタフェース12と、出力部13と、カット機構14と、印刷部15と、検出部16と、搬送部17と、を備える。
【0013】
制御部11は、プロセッサ、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の処理装置である。制御部11は、プリンタ10の制御手段として機能する。制御部11は、プリンタ10の各部を制御する。例えば、出力部13は、後述の検出部16から送信される信号に基づいて、ロール紙PRに巻き回されている連続紙が少なくなったこと(ペーパーロー)、及び、ロール紙PRに巻き回されている連続紙がなくなったこと(ペーパーエンド)を検出し、検出結果を出力部13に出力する。
【0014】
通信インタフェース12は、商品情報処理装置1の制御装置(例えば、プロセッサ)と通信する通信インタフェースである。通信インタフェース12は、RS−232c、シリアルATA等のシリアルインタフェースであってもよいし、ISA(Industrial Standard Architecture bus)、PCI(Peripheral Component Interconnect)等のパラレルインタフェースであってもよい。通信インタフェース12は、商品情報処理装置1から各種データを取得する。例えば、通信インタフェース12は、商品情報処理装置1から、印刷部15が印刷媒体Sに印刷する情報(例えば、取引明細等の取引情報)を取得する。
【0015】
また、通信インタフェース12は、制御部の制御に従って、商品情報処理装置1の制御装置に各種情報を送信する。商品情報処理装置1は、通信インタフェース12を介して取得した情報をユーザに通知してもよい。通信インタフェース12は、プリンタ10の通知手段として機能する。
【0016】
出力部13は、ユーザに情報を通知するための出力装置である。出力部13は、例えば、スピーカー、ブザー等の音響発生装置、或いはLED(Light Emitting Diode)ランプ等の点灯装置である。勿論、出力部13は音響発生装置及び点灯装置に限定されない。例えば、出力部13は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(Organic Electroluminescence Display)等の表示装置であってもよい。出力部13は、制御部11の制御に基づいて、ユーザに対し各種情報を出力する。例えば、出力部13は、ペーパーロー及びペーパーエンドが発生した場合に点灯装置を点灯する。出力部13は、プリンタ10の通知手段として機能する。
【0017】
図4は、プリンタ10の内部構造を示す断面図である。プリンタ10は内部にロール紙ホルダー19を備え、ロール紙ホルダー19にロール紙PRを格納である。ロール紙ホルダー19の底部には、落込部19aが形成されている。落込部19aは、巻き回されている連続紙が少なくなって径の小さくなったロール紙PRが落ち込む凹部である。ロール紙PRは径が小さくなると落込部19aに嵌まり込む。
【0018】
プリンタ10は、ロール紙ホルダー19から排出口20まで一直線に延びる搬送路18が形成されている。本実施形態の搬送路18は、水平(Y軸方向)に一直線に延びている。搬送路18には、カット機構14と、印刷部15と、検出部16と、搬送部17と、が配置されている。
【0019】
カット機構14は、印刷媒体Sから印刷完了部分(例えば、レシートとなる部分)を切り離すための機構である。カット機構14は、スライドカッターを備えるスライド式カット機構であってもよいし、ローラカッターを備えるローラ式カット機構であってもよい。図4には、カット機構14の一例として、スライド式カット機構が示されている。カット機構14は、印刷部15の上流に配置されている。上流とは、連続紙Sの供給元(本実施形態の場合、ロール紙ホルダー19)に近い側のことである。図4の例であれば、上流はD1の示す方向である。カット機構14は、制御部11の制御に従って印刷媒体Sをカットする。
【0020】
印刷部15は、印刷媒体Sに取引明細等の情報を印字する印刷ユニットである。印刷部15は、サーマル方式のプリントユニットである。印刷部15は、プリントヘッド15aと、ローラ15bと、を備える。プリントヘッド15aは、サーマルヘッドであり、ローラ15bはプラテンローラである。ローラ15bは、用紙Sを搬送する搬送部(搬送手段)としても機能する。プリントヘッド15aと、ローラ15bは、印字媒体Sの通路を挟んで対向している。印刷部15は、制御部11の制御に従って連続紙Sに情報を印字する。
【0021】
検出部16は、プリンタ10の状態を検出する検出装置である。検出部16は、プリンタ10の検出手段として機能する。検出部16は、センサー16aと、センサー16bと、を備える。
【0022】
センサー16aは、連続紙(印刷媒体S)の終端を検出するペーパーエンドセンサーである。センサー16aは、プリンタ10の第1のセンサーとして機能する。センサー16aは、搬送路18に設置されている。例えば、センサー16aの上流側の端(ロール紙ホルダー19の出口付近)に設置されている。センサー16aは、例えば、光センサーである。例えば、センサー16aは、印刷媒体Sの搬送路18の搬送面に向けて光を照射する発光体と、搬送面からの反射光を受光する受光体と、を備え、受光体で受光した光の強さに基づいて搬送路18上に印刷媒体Sがあるか否かを検出する。搬送路18上に印刷媒体Sがない場合、センサー16aは、ロール紙Sから取り出された連続紙の終端が通過したと判断する。これによりセンサー16aは、連続紙の終端を検出することが可能になる。
【0023】
センサー16bは、ロール紙PRに巻き回されている連続紙が少なくなったことを検出するペーパーローセンサーである。センサー16bは、プリンタ10の第2のセンサーとして機能する。センサー16bは、ロール紙ホルダー19に設置されている。例えば、センサー16bは、落込部19aの底部に設置されている。検出部16は、例えば、機械式スイッチである。例えば、落込部19aに落ち込んだロール紙PRの重さでONするボタンスイッチである。センサー16bのON、OFFは制御部11に通知される。制御部11は、センサー16bがONされたら、ロール紙の連続紙が少なくなったと判別する。
【0024】
搬送部17は、印刷媒体Sを搬送路18に沿って搬送する搬送装置である。搬送部17は、プリンタ10の搬送手段として機能する。搬送部17は、複数の搬送ローラ(図4に示す、ローラ17a〜e2)を備える。複数の搬送ローラは搬送路に沿って配置されている。ローラ17aは、搬送ローラとして機能するとともに、連続紙(印刷媒体S)にテンションを加えるテンションローラとしても機能する。ローラ17b1〜71e2は、それぞれ、上下一対となっている。
【0025】
図5は、印刷媒体Sが搬送路18を搬送される様子を示す図である。搬送路18には、印刷媒体Sの搬送方向に延びる搬送面18sが設けられている。搬送面18sには、上下一対のローラ(図5に示すローラ17c1〜17d4)が複数設けられている。印刷媒体Sは上下のローラに挟まれて下流に搬送される。下流とは、排出口20に近い側のことである。図5の例であれば、D2の示す方向である。
【0026】
搬送路18には、印刷媒体Sのサイドをガイドするサイドガイド18a、18bが設けられている。サイドガイド18a、18bは、搬送面18sから上方向に突出する凸部である。サイドガイド18aは、搬送面18sの左側端部(X軸マイナス方向側端部)に設けられており、搬送面18sの右側端部(X軸プラス方向側端部)に設けられている。
【0027】
上述したように、プリンタ10の内部には、カット機構14が設けられている。カット機構14付近には紙の切り屑が溜まり易い。また、搬送路18には、サイドガイド18a、18bが設けられている。印刷媒体Sの幅方向の端部がサイドガイド18a、18bによって擦られるので、サイドガイド18a、18b付近にも紙屑が溜まり易い。特に、サイドガイド18a、18bの上流側端部18a1、18b1は、印刷媒体Sのサイドが最初に当接する場所であるので、紙屑が特に溜まり易い。これらのゴミがプリンタ10の内部に多く溜まると、センサー16a、16bの感度は低下する恐れがある。
【0028】
しかしながら、本実施形態のプリンタ10には、プリンタ10の内部からゴミを吸い出すための貫通孔が設けられている。なお、貫通孔とは、小径の孔のことであり、トップカバーが設けられた開口(例えば、ロール紙ホルダー19上部のカバー21が設けられた開口)とは異なる。貫通孔の形状は円形であってもよいし、楕円形であってもよい。また、貫通孔の形状は、四角形、六角形等の多角形であってもよい。上述したように貫通孔は小径の孔である。例えば、貫通孔は、外接円の直径が1mm〜50mm、望ましくは5mm〜20mmの孔である。
【0029】
図6は、プリンタ10の左側面図であり、図7はプリンタ10の右側面図である。プリンタ10の筐体22の左側面には、貫通孔22a1、22b1、22c1、22d1が設けられている。また、プリンタ10の筐体22の右側面には、貫通孔22a2、22b2、22c2、22d2が設けられている。貫通孔22a1〜22d2は、それぞれ、プリンタ10の外部と内部を繋いでいる。
【0030】
貫通孔22a1、22a2、22b1、22b2、22c1、22c2は、それぞれ、
搬送路18とプリンタ10の外部とを繋いでいる。貫通孔22a1、22a2は、センサー16aの設置位置とプリンタ10の外部とを繋いでいる。貫通孔22b1、22b2は、カット機構14の設置位置とプリンタ10の外部とを繋いでいる。貫通孔22c1は、サイドガイド18aの設置位置とプリンタ10の外部とを繋いでおり、貫通孔22c2は、サイドガイド18bの設置位置とプリンタ10の外部とを繋いでいる。より具体的には、貫通孔22c1は、サイドガイド18aの上流側端部18a1とプリンタ10の外部とを繋いでおり、貫通孔22c2は、サイドガイド18bの上流側端部18b1の設置位置とプリンタ10の外部とを繋いでいる。また、貫通孔22d1、22d2は、センサー16bの設置位置とプリンタ10の外部とを繋いでいる。
【0031】
貫通孔22a1〜22d2は、搬送路18の搬送方向端部にある排出口20とは異なる孔である。そのため、貫通孔22a1〜22d2の穴方向は、いずれも、印刷媒体Sの搬送方向(本実施形態ではY軸プラス方向)とは異なっている。ここで穴方向とは、貫通孔の貫通方向のことである。例えば、穴方向は、貫通孔の一方の開口の中心と他方の開口の中心を結んだ方向のことである。本実施形態の場合、貫通孔22a1〜22d2の穴方向は、いずれも、印刷媒体Sの幅方向(X軸方向)と平行となっている。
【0032】
ユーザは貫通孔22a1〜22d2からプリンタ10内部のゴミを吸引する。図8は吸引器30でプリンタ10の内部のゴミを吸引する様子を示す図である。ユーザは、吸引器30に繋がるホース31の先端を貫通孔に当接させ、貫通孔からプリンタ10内部のゴミを吸引する。図8の例では、ユーザは、貫通孔22b1からカット機構14周辺に溜まった紙屑を吸い出している。
【0033】
本実施形態によれば、プリンタ10の筐体22に、プリンタ10の内部のゴミを吸引するための貫通孔22a1〜22d2が設けられている。従って、ユーザは、貫通孔22a1〜22d2からプリンタ10の内部のゴミを容易に取り除くことができる。
【0034】
カット機構14の設置位置には紙屑が溜まり易い。本実施形態のプリンタ10には、カット機構14の設置位置に繋がる貫通孔22b1、22b2が設けられている。ユーザはこれらの貫通孔を使ってプリンタ10の内部のゴミを効率的に取り除くことができる。
【0035】
また、サイドガイド18a、18bの設置位置にも紙屑が溜まり易い。特に、サイドガイド18a、18bの上流側端部18a1、18b2には紙屑が溜まり易い。本実施形態のプリンタ10には、サイドガイド18a、18bの設置位置に繋がる貫通孔22c1、22c2が設けられている。ユーザはこれらの貫通孔を使ってプリンタ10の内部のゴミを効率的に取り除くことができる。
【0036】
センサー付近にゴミがたまると、センサーの精度が低下する恐れがある。本実施形態のプリンタ10には、センサー16aの設置位置に繋がる貫通孔22a1、22a2と、センサー16bの設置位置に繋がる貫通孔22d1、22d2と、が設けられている。ユーザはこれらの貫通孔を使ってセンサー付近のゴミを効率的に取り除くことができる。よって、ゴミによるセンサー精度の低下はあまり発生しない。
【0037】
また、貫通孔22a1〜22d2は、プリンタ10の側面に設けられており、貫通孔22a1〜22d2の穴方向は印刷媒体Sの幅方向と平行となっている。プリンタの外部と目的の場所(カット機構14、サイドガイド18a、18b、及びセンサー16a、16bの設置位置)との距離が短いので、ユーザは効率的にプリンタ内部のゴミを取り除くことができる。
【0038】
上述の各実施形態はそれぞれ一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。
【0039】
例えば、上述の実施形態では、印刷媒体Sは、ロール紙PRから取り出された連続紙であるものとしたが、印刷媒体Sはロール紙PRから取り出された連続紙に限定されない。例えば、印刷媒体Sは、折り畳み連続紙等の他の連続紙であってもよい。また、印刷媒体Sは、連続紙に限定されない。例えば、印刷媒体Sは、予め決められた大きさにカットされた用紙(例えば、A4用紙、B5用紙、或いは、手形、小切手等に使用される帳票用紙)であってもよい。また、印刷媒体Sは、通帳であってもよい。このとき、プリンタ10は通帳のページを捲るページ捲り機構を備えていてもよい。ページ捲り機構は、搬送路18に設けられていてもよい。
【0040】
また、上述の実施形態では、プリンタ10に設けられる貫通孔は、貫通孔22a1〜22dの8つであったが、プリンタ10に設けられる貫通孔は8つに限られない。貫通孔は8つより多くてもよいし、少なくてもよい。貫通孔は、プリンタ10の右側面にだけ設けられていてもよいし、左側面にだけ設けられていてもよい。勿論、貫通孔は側面以外に設けられていてもよい。例えば、貫通孔はプリンタ10の上面或いは底面に設けられていてもよい。底面に貫通孔を設けた場合、貫通孔からプリンタ10の内部へ塵や埃が入るのを防止できる。
【0041】
また、上述の実施形態では、プリンタ10は、センサー16a、16bを備えるものとしたが、プリンタ10が備えるセンサーはセンサー16a、16bに限定されない。例えば、プリンタ10は、搬送路18上に印刷媒体Sに付与された磁気部分(例えば、通帳の磁気テープ部分)から情報を読み取る磁気センサーを備えていてもよい。また、手形、小切手等の帳票に付与されたMICR(Magnetic ink character recognition)方式の文字を読み取るMICRセンサーであってもよい。磁気センサーやMICRセンサーは搬送路18に設けられていてもよい。
【0042】
また、上述の実施形態では、プリンタ10には、カット機構14、サイドガイド18a、18b、及びセンサー16a、16bの設置位置とプリンタ10の外部とを繋ぐように貫通孔が設けられていた。しかしながら、貫通孔が設けられる位置はこれらの設置位置に限定されない。例えば、貫通孔は、磁気センサーの設置位置とプリンタ10の外部とを繋ぐように設けられていてもよいし、MICRセンサーの設置位置とプリンタ10の外部とを繋ぐように設けられていてもよい。また、貫通孔は、通帳のページを捲るページ捲り機構の設置位置とプリンタ10の外部とを繋ぐよう設けられていてもよい。これらの貫通孔もプリンタ10の側面に設けられていてもよい。すなわち、貫通孔の穴方向は、印刷媒体Sの幅方向と平行であってもよい。
【0043】
また、上述の実施形態では、搬送路18は水平に一直線に延びているものとしたが、搬送路18が延びる方向は水平でなくてもよい。例えば、搬送路18は鉛直方向(Z軸方向)に延びていてもよい。また、搬送路18は必ずしも一直線でなくてもよい。搬送路18は曲がっていてもよい。
【0044】
また、上述の実施形態では、印刷部15はサーマル方式のプリントユニットであるものとしたが、印刷部15はサーマル方式のプリントユニットに限定されない。例えば、印刷部15は、ドットインパクト方式、インクジェット方式、或いは電子写真方式のプリントユニットであってもよい。
【0045】
また、上述の実施形態では、プリンタ10は商品情報処理装置1に固定或いは内蔵されるものとしたが、プリンタ10は商品情報処理装置1に外付できるよう構成されていてもよい。例えば、プリンタ10はUSB(Universal Serial Bus)等の接続インタフェースを備え、USBケーブル等の通信ケーブルで商品情報処理装置1に接続できるよう構成されていてもよい。
【0046】
また、プリンタ10は、ユーザインタフェースを備え、商品情報処理装置1から独立して単体動作できるよう構成されていてもよい。また、プリンタ10は、パーソナルコンピュータに接続され、パーソナルコンピュータの指示に基づいて動作するよう構成されていてもよい。また、上述の実施形態では、プリンタ10は出力部13を備えるものとしたが、プリンタ10は出力部13を備えていなくてもよい。
【0047】
また、上述の実施形態では、商品情報処理装置1は、POS端末であるものとしたが、商品情報処理装置1はPOS端末に限定されない。例えば、商品情報処理装置1は、ネットワーク接続機能を持たない単体動作型のキャッシュレジスターであってもよい。
【0048】
また、上述の実施形態では、プリンタ10はPOS端末或いは単体動作型のキャッシュレジスターに設置されるものとしたが、プリンタ10が設置される装置はこれらに限定されない。例えば、プリンタ10が設置される装置は、金融情報処理装置であってもよい。金融情報処理装置は、銀行のATM(Automated Teller Machine)であってもよい。この場合、商品情報処理装置1は金融情報処理装置1と言い換えることができる。勿論、プリンタ10が設置される装置は、商品情報処理装置および金融情報処理装置、以外の装置であってもよい。
【0049】
また、上述の実施形態では、商品情報処理装置1或いは金融情報処理装置1は、プリンタ10が固定或いは内蔵されるものとした。しかし、商品情報処理装置1或いは金融情報処理装置1は、プリンタ10を介することなく、直接、連続紙Sに印刷できるよう構成されていてもよい。例えば、商品情報処理装置1或いは金融情報処理装置1は、制御部11と、通信インタフェース12と、出力部13と、カット機構14と、印刷部15と、検出部16と、搬送部17と、を備えていてもよい。制御部11は商品情報処理装置1或いは金融情報処理装置1の各部を制御する制御装置(例えば、プロセッサ)と共通であってもよい。商品情報処理装置1或いは金融情報処理装置1をプリンタ10そのものとみなすことも可能である。
【0050】
また、上述の実施形態では、プリンタ10はレシートプリンタであるものとして説明したが、プリンタ10はレシートプリンタに限定されない。例えば、プリンタ10はラベルプリンタであってもよい。このとき、プリンタ10に格納されるロール紙PR1は、ラベル台紙が巻き回された、ラベル用のロール紙であってもよい。ラベル台紙も連続紙の一種である。
【0051】
なお、プリンタ10は、ジャーナルプリンタ、ラベルプリンタ以外のプリンタであってもよい。例えば、プリンタ10は、レシートや銀行のステートメントに印刷を行うプリンタであってもよいし、ジャーナル情報を印刷するジャーナルプリンタであってもよい。また、プリンタ10は、通帳に印刷するよう構成されていてもよい。プリンタ10が印刷媒体Sに印刷する情報は取引明細等の取引情報に限定されず、他の情報であってもよい。
【0052】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0053】
上述の実施形態は以下の付記のようにも記載され得る。もちろん、上述の実施形態は、以下の付記のみに限定されるものではない。
【0054】
(付記1)
印刷媒体に印刷して排出口に向けて搬送するプリンタであって、
印刷媒体が搬送される搬送路と、
前記搬送路と前記プリンタの外部とを繋ぐ第1の貫通孔と、を備える、
プリンタ。
【0055】
(付記2)
前記第1の貫通孔の穴方向は、前記印刷媒体の搬送方向とは異なる方向である、
付記1に記載のプリンタ。
【0056】
(付記3)
前記第1の貫通孔の穴方向は、前記印刷媒体の幅方向と平行である、
付記2に記載のプリンタ。
【0057】
(付記4)
前記印刷媒体は連続紙であり、
前記プリンタは、前記搬送路に設置され、前記搬送路を搬送される前記連続紙をカットするカット機構、を備え、
前記第1の貫通孔は、前記カット機構の設置位置と前記プリンタの外部とを繋いでいる、
付記1乃至3のいずれか1つに記載のプリンタ。
【0058】
(付記5)
前記印刷媒体は連続紙であり、
前記プリンタは、前記搬送路に設置され、前記連続紙の終端を検出する第1のセンサー、を備え、
前記第1の貫通孔は、前記第1のセンサーの設置位置と前記プリンタの外部とを繋いでいる、
付記1乃至4のいずれか1つに記載のプリンタ。
【0059】
(付記6)
前記搬送路に設置され、前記印刷媒体のサイドをガイドするサイドガイド、を備え、
前記第1の貫通孔は、前記サイドガイドの設置位置と前記プリンタの外部とを繋いでいる、
付記1乃至5のいずれか1つに記載のプリンタ。
【0060】
(付記7)
前記第1の貫通孔は、前記サイドガイドの上流側端部と前記プリンタの外部とを繋いでいる、
付記6に記載のプリンタ。
【0061】
(付記8)
連続紙が巻き回されたロール紙を格納するロール紙ホルダーと、
前記ロール紙ホルダーに設置され、前記ロール紙の連続紙が少なくなったことを検出する第2のセンサーと、
前記第2のセンサーの設置位置と前記プリンタの外部とを繋ぐ第1の貫通孔と、を備える、
付記1乃至7のいずれか1つに記載のプリンタ。
【0062】
(付記9)
ロール紙から取り出された連続紙に印刷して排出口に向けて搬送するプリンタであって、
前記ロール紙を格納するロール紙ホルダーと、
前記ロール紙ホルダーに設置され、前記ロール紙に巻き回されている連続紙が少なくなったことを検出するセンサーと、
前記センサーの設置位置と前記プリンタの外部とを繋ぐ貫通孔と、を備え、
前記貫通孔の穴方向は、前記連続紙の搬送方向とは異なる方向である、
プリンタ。
【0063】
(付記10)
前記貫通孔の穴方向は、前記連続紙の幅方向と平行である、
付記9に記載のプリンタ。
【0064】
(付記11)
付記1乃至10のいずれか1つに記載のプリンタを備える、
商品情報処理装置。
【0065】
(付記12)
付記1乃至10のいずれか1つに記載のプリンタを備える、
金融情報処理装置。
【符号の説明】
【0066】
1…商品情報処理装置(金融情報処理装置)
10…プリンタ
11…制御部
12…通信インタフェース
13…出力部
14…カット機構
15…印刷部
15a…プリントヘッド
15b…ローラ
16…検出部
16a、16b…センサー
17…搬送部
17a〜17e2…ローラ
18…搬送路
18a、18b…サイドガイド
18a1、18b1…上流側端部
18s…搬送面
19…ロール紙ホルダー
19a…落込部
20…排出口
21…カバー
22…筐体
22a1〜22d1、22a2〜22d2…貫通孔
30…吸引器
31…ホース
PR…ロール紙
S…印刷媒体
図1
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図3
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図8