【課題を解決するための手段】
【0006】
<本発明の第1の態様>
本発明の第1の態様は、交流電源が出力する交流電力を整流する整流回路と、前記整流回路が出力する直流電力の電圧を変換するDC−DCコンバータと、装着された二次電池の正極端子に接する正極接点、前記二次電池の負極端子に接する第1負極接点及び第2負極接点を含み、前記正極接点と前記第1負極接点との間に前記DC−DCコンバータの出力電圧が印加される充電回路と、前記正極接点と前記第2負極接点との間の電位差でONするスイッチ回路を含み、前記スイッチ回路がONしているときに前記DC−DCコンバータのイネーブル信号を出力する制御回路と、を備える充電装置である。
【0007】
充電装置に装着された二次電池は、正極端子が正極接点に接し、負極端子が第1負極接点及び第2負極接点に接する。この状態では、正極接点と第2負極接点との間に二次電池の電圧が印加されるため、スイッチ回路がONしてDC−DCコンバータのイネーブル信号が出力される。それによって充電装置は、DC−DCコンバータが起動し、二次電池にDC−DCコンバータの出力電圧が印加されて二次電池の充電が行われる。
【0008】
またこの状態では、第1負極接点と第2負極接点とが二次電池の負極端子を介して電気的に接続される。そのためDC−DCコンバータが起動した後は、正極接点と第2負極接点との間にDC−DCコンバータの出力電圧も印加される状態になる。したがって制御回路は、DC−DCコンバータが起動した後は、DC−DCコンバータの出力電圧によってスイッチ回路がONしている状態が維持され、DC−DCコンバータのイネーブル信号の出力が継続する。
【0009】
他方、充電装置から二次電池を取り外すと、正極接点と第2負極接点との間に二次電池の電圧が印加されない状態になる。また充電装置から二次電池を取り外すと、さらに第1負極接点と第2負極接点とが電気的に接続されない状態になるため、DC−DCコンバータの出力電圧も正極接点と第2負極接点との間に印加されない状態になる。それによってスイッチ回路がOFFしてDC−DCコンバータのイネーブル信号が出力されなくなり、DC−DCコンバータの動作が停止又は休止した状態になる。したがって充電装置は、二次電池を取り外した状態では、商用交流電源に接続されたまま放置されている状態であっても、DC−DCコンバータでは電力消費がほとんど生じない。
【0010】
これにより本発明の第1の態様によれば、無駄な電力消費が少ない充電装置を提供できるという作用効果が得られる。
【0011】
<本発明の第2の態様>
本発明の第2の態様は、前述した本発明の第1の態様において、前記スイッチ回路は、フォトカプラを含み、前記フォトカプラの発光ダイオードは、前記正極接点と前記第2負極接点との間の電位差で電流が流れて発光し、前記制御回路は、前記フォトカプラのフォトトランジスタがONしているときに前記DC−DCコンバータのイネーブル信号を出力する、充電装置である。
本発明の第2の態様によれば、DC−DCコンバータの入力側と出力側との間の電気的絶縁を維持した状態で、DC−DCコンバータの出力側から入力側へイネーブル信号を伝達することができる。
【0012】
<本発明の第3の態様>
本発明の第3の態様は、前述した本発明の第2の態様において、前記充電回路は、第1電界効果トランジスタ、第2電界効果トランジスタ、前記二次電池の充電状態に応じて前記第1電界効果トランジスタ及び前記第2電界効果トランジスタをON/OFF制御する充電制御部を含み、前記第1電界効果トランジスタのソースが前記DC−DCコンバータの出力に接続され、前記第2電界効果トランジスタのソースが前記正極接点に接続され、前記第1電界効果トランジスタのドレインが前記第2電界効果トランジスタのドレインに接続されており、前記フォトカプラの発光ダイオードは、前記第1電界効果トランジスタのドレインと前記第2電界効果トランジスタのドレインとの接続点にアノードが接続され、前記第2負極接点にカソードが接続されている、充電装置である。
【0013】
第1電界効果トランジスタ及び第2電界効果トランジスタがともにONしている状態では、DC−DCコンバータの出力電圧で二次電池が充電される。また第1電界効果トランジスタ又は第2電界効果トランジスタの少なくともいずれか一方がOFFしている状態では、二次電池の充電が停止される。そして第1電界効果トランジスタ及び第2電界効果トランジスタがともにOFFして二次電池の充電を停止している状態では、DC−DCコンバータ又は二次電池のいずれかで短絡故障が生じた場合、いずれの場合であっても電界効果トランジスタの寄生ダイオードを介して短絡電流が流れてしまうことを防止することができる。
【0014】
第1電界効果トランジスタ及び第2電界効果トランジスタがともにOFFしている状態では、第2電界効果トランジスタの寄生ダイオードを介して、二次電池の電圧がフォトカプラの発光ダイオードに印加されてフォトカプラのフォトトランジスタがONする。またその状態では、第1電界効果トランジスタの寄生ダイオードを介して、DC−DCコンバータの出力電圧がフォトカプラの発光ダイオードに印加されてフォトカプラのフォトトランジスタがONする。したがってDC−DCコンバータのイネーブル信号は、第1電界効果トランジスタ及び第2電界効果トランジスタがともにOFFしている状態においてもスイッチ回路から出力される。それによってDC−DCコンバータは、二次電池が装着されている限り、第1電界効果トランジスタ及び第2電界効果トランジスタがともにOFFしている状態でも動作することになる。そのため二次電池の充電状態にかかわらず、DC−DCコンバータの出力電圧で充電回路を動作させることができるので、充電回路の電源を別個に設ける必要がない。
【0015】
これにより本発明の第3の態様によれば、DC−DCコンバータ又は二次電池のいずれかで短絡故障が生じた場合の安全性を確保できるとともに、本発明に係る充電装置をより低コストで実現することができる。
【0016】
<本発明の第4の態様>
本発明の第4の態様は、交流電源が出力する交流電力を整流する整流回路と、前記整流回路が出力する直流電力の電圧を変換するDC−DCコンバータと、ケーブルの電力供給線を介して電子機器の二次電池の正極端子に接続される電力供給端子、前記ケーブルのグランド線を介して前記二次電池の負極端子に接続されるグランド端子を有するレセプタクルを含み、前記レセプタクルの筐体が前記ケーブルのシールドを介して前記電子機器のグランドに接続され、前記レセプタクルの電力供給端子と前記レセプタクルのグランド端子との間に前記DC−DCコンバータの出力電圧が印加される充電回路と、前記レセプタクルの電力供給端子と前記レセプタクルの筐体との間の電位差でONするスイッチ回路を含み、前記スイッチ回路がONしているときに前記DC−DCコンバータのイネーブル信号を出力する制御回路と、を備える充電装置である。
【0017】
ケーブルを介して電子機器が充電装置に接続されている状態では、レセプタクルの電力供給端子が電子機器の二次電池の正極端子に接続され、レセプタクルのグランド端子が電子機器の二次電池の負極端子に接続される。さらにレセプタクルの筐体は、電子機器のグランドに接続され、電子機器のグランドを介して二次電池の負極端子に接続される。この状態では、レセプタクルの電力供給端子とレセプタクルの筐体との間に二次電池の電圧が印加されるため、スイッチ回路がONしてDC−DCコンバータのイネーブル信号が出力される。それによって充電装置は、DC−DCコンバータが起動し、二次電池にDC−DCコンバータの出力電圧が印加されて二次電池の充電が行われる。
【0018】
またこの状態では、電子機器のグランドを介してレセプタクルのグランド端子がレセプタクルの筐体に接続される。そのためDC−DCコンバータが起動した後は、レセプタクルの電力供給端子とレセプタクルの筐体との間にDC−DCコンバータの出力電圧も印加される状態になる。したがって制御回路は、DC−DCコンバータが起動した後は、DC−DCコンバータの出力電圧によってスイッチ回路がONしている状態が維持され、DC−DCコンバータのイネーブル信号の出力が継続する。
【0019】
他方、ケーブルを介して電子機器が充電装置に接続されていない状態では、レセプタクルの電力供給端子とレセプタクルの筐体との間に二次電池の電圧が印加されない状態になる。またこの状態では、さらにレセプタクルのグランド端子がレセプタクルの筐体に接続されない状態になるため、レセプタクルの電力供給端子とレセプタクルの筐体との間にDC−DCコンバータの出力電圧も印加されない状態になる。それによってスイッチ回路がOFFしてDC−DCコンバータのイネーブル信号が出力されなくなり、DC−DCコンバータの動作が停止又は休止した状態になる。したがって充電装置は、ケーブルを介して電子機器が接続されていない状態では、商用交流電源に接続されたまま放置されている状態であっても、DC−DCコンバータでは電力消費がほとんど生じない。
【0020】
これにより本発明の第4の態様によれば、無駄な電力消費が少ない充電装置を提供できるという作用効果が得られる。
【0021】
<本発明の第5の態様>
本発明の第5の態様は、前述した本発明の第4の態様において、前記スイッチ回路は、フォトカプラを含み、前記フォトカプラの発光ダイオードは、前記レセプタクルの電力供給端子と前記レセプタクルの筐体との間の電位差で電流が流れて発光し、前記制御回路は、前記フォトカプラのフォトトランジスタがONしているときに前記DC−DCコンバータのイネーブル信号を出力する、充電装置である。
本発明の第5の態様によれば、前述した本発明の第2の態様と同様の作用効果が得られる。
【0022】
<本発明の第6の態様>
本発明の第6の態様は、前述した本発明の第5の態様において、前記充電回路は、第1電界効果トランジスタ、第2電界効果トランジスタ、前記二次電池の充電状態に応じて前記第1電界効果トランジスタ及び前記第2電界効果トランジスタをON/OFF制御する充電制御部を含み、前記第1電界効果トランジスタのソースが前記DC−DCコンバータの出力に接続され、前記第2電界効果トランジスタのソースが前記レセプタクルの電力供給端子に接続され、前記第1電界効果トランジスタのドレインが前記第2電界効果トランジスタのドレインに接続されており、前記フォトカプラの発光ダイオードは、前記第1電界効果トランジスタのドレインと前記第2電界効果トランジスタのドレインとの接続点にアノードが接続され、前記レセプタクルの筐体にカソードが接続されている、充電装置である。
【0023】
本発明の第6の態様によれば、前述した本発明の第3の態様と同様の作用効果が得られる。
【0024】
<本発明の第7の態様>
本発明の第7の態様は、前述した本発明の第1〜第6の態様のいずれかにおいて、前記制御回路は、前記整流回路が起動してから所定時間だけ前記イネーブル信号を生成して出力する起動回路をさらに含む、充電装置である。
【0025】
例えば交流電源の接続を一旦切断した後、交流電源を再度接続して整流回路を再起動すると、所定時間だけ起動回路からイネーブル信号が出力され、それによってDC−DCコンバータが起動する。そしてDC−DCコンバータが起動した後は、前述したようにDC−DCコンバータの出力電圧によってイネーブル信号を維持することが可能になる。したがって例えば二次電池の電力をほぼ使い切ってしまったような状態で、二次電池の電圧が低下しており、その二次電池の電圧でスイッチ回路をONできないような場合であっても、DC−DCコンバータを起動して二次電池を充電することができる。
【0026】
<本発明の第8の態様>
本発明の第8の態様は、前述した本発明の第7の態様において、前記起動回路は、前記整流回路の出力電圧が印加されるRC回路、前記整流回路が起動してから前記RC回路のコンデンサが充電されるまでの間だけベース電流が流れてONするトランジスタを含み、前記トランジスタがONしているときに前記DC−DCコンバータのイネーブル信号を出力する、充電装置である。
本発明の第8の態様によれば、極めてシンプルな回路で起動回路が構成されているので、本発明に係る充電装置をより低コストで実現することができる。