特許第6846249号(P6846249)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6846249
(24)【登録日】2021年3月3日
(45)【発行日】2021年3月24日
(54)【発明の名称】充電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/02 20160101AFI20210315BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20210315BHJP
   H02M 3/00 20060101ALI20210315BHJP
【FI】
   H02J7/02 A
   H01M10/44 Q
   H02M3/00 B
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-61187(P2017-61187)
(22)【出願日】2017年3月27日
(65)【公開番号】特開2018-164376(P2018-164376A)
(43)【公開日】2018年10月18日
【審査請求日】2020年1月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237721
【氏名又は名称】FDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090022
【弁理士】
【氏名又は名称】長門 侃二
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 真鶴
(72)【発明者】
【氏名】福井 規生
【審査官】 早川 卓哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−65736(JP,A)
【文献】 特開2005−237146(JP,A)
【文献】 特開2013−70453(JP,A)
【文献】 特開2003−88111(JP,A)
【文献】 特開2011−223669(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/083886(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0312691(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J7/00−7/12
H02J7/34−7/36
H02J1/00−1/16
H02J9/00−11/00
H01M10/42−10/48
G06F1/26−1/32
H02M3/00−3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源が出力する交流電力を整流する整流回路と、
前記整流回路が出力する直流電力の電圧を変換するDC−DCコンバータと、
装着された二次電池の正極端子に接する正極接点、前記二次電池の負極端子に接する第1負極接点及び第2負極接点を含み、前記正極接点と前記第1負極接点との間に前記DC−DCコンバータの出力電圧が印加される充電回路と、
前記正極接点と前記第2負極接点との間の電位差でONするスイッチ回路を含み、前記スイッチ回路がONしているときに前記DC−DCコンバータのイネーブル信号を出力する制御回路と、を備える充電装置。
【請求項2】
請求項1に記載の充電装置において、前記スイッチ回路は、フォトカプラを含み、前記フォトカプラの発光ダイオードは、前記正極接点と前記第2負極接点との間の電位差で電流が流れて発光し、
前記制御回路は、前記フォトカプラのフォトトランジスタがONしているときに前記DC−DCコンバータのイネーブル信号を出力する、充電装置。
【請求項3】
請求項2に記載の充電装置において、前記充電回路は、第1電界効果トランジスタ、第2電界効果トランジスタ、前記二次電池の充電状態に応じて前記第1電界効果トランジスタ及び前記第2電界効果トランジスタをON/OFF制御する充電制御部を含み、前記第1電界効果トランジスタのソースが前記DC−DCコンバータの出力に接続され、前記第2電界効果トランジスタのソースが前記正極接点に接続され、前記第1電界効果トランジスタのドレインが前記第2電界効果トランジスタのドレインに接続されており、
前記フォトカプラの発光ダイオードは、前記第1電界効果トランジスタのドレインと前記第2電界効果トランジスタのドレインとの接続点にアノードが接続され、前記第2負極接点にカソードが接続されている、充電装置。
【請求項4】
交流電源が出力する交流電力を整流する整流回路と、
前記整流回路が出力する直流電力の電圧を変換するDC−DCコンバータと、
ケーブルの電力供給線を介して電子機器の二次電池の正極端子に接続される電力供給端子、前記ケーブルのグランド線を介して前記二次電池の負極端子に接続されるグランド端子を有するレセプタクルを含み、前記レセプタクルの筐体が前記ケーブルのシールドを介して前記電子機器のグランドに接続され、前記レセプタクルの電力供給端子と前記レセプタクルのグランド端子との間に前記DC−DCコンバータの出力電圧が印加される充電回路と、
前記レセプタクルの電力供給端子と前記レセプタクルの筐体との間の電位差でONするスイッチ回路を含み、前記スイッチ回路がONしているときに前記DC−DCコンバータのイネーブル信号を出力する制御回路と、を備える充電装置。
【請求項5】
請求項4に記載の充電装置において、前記スイッチ回路は、フォトカプラを含み、前記フォトカプラの発光ダイオードは、前記レセプタクルの電力供給端子と前記レセプタクルの筐体との間の電位差で電流が流れて発光し、
前記制御回路は、前記フォトカプラのフォトトランジスタがONしているときに前記DC−DCコンバータのイネーブル信号を出力する、充電装置。
【請求項6】
請求項5に記載の充電装置において、前記充電回路は、第1電界効果トランジスタ、第2電界効果トランジスタ、前記二次電池の充電状態に応じて前記第1電界効果トランジスタ及び前記第2電界効果トランジスタをON/OFF制御する充電制御部を含み、前記第1電界効果トランジスタのソースが前記DC−DCコンバータの出力に接続され、前記第2電界効果トランジスタのソースが前記レセプタクルの電力供給端子に接続され、前記第1電界効果トランジスタのドレインが前記第2電界効果トランジスタのドレインに接続されており、
前記フォトカプラの発光ダイオードは、前記第1電界効果トランジスタのドレインと前記第2電界効果トランジスタのドレインとの接続点にアノードが接続され、前記レセプタクルの筐体にカソードが接続されている、充電装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の充電装置において、前記制御回路は、前記整流回路が起動してから所定時間だけ前記イネーブル信号を生成して出力する起動回路をさらに含む、充電装置。
【請求項8】
請求項7に記載の充電装置において、前記起動回路は、前記整流回路の出力電圧が印加されるRC回路、前記整流回路が起動してから前記RC回路のコンデンサが充電されるまでの間だけベース電流が流れてONするトランジスタを含み、前記トランジスタがONしているときに前記DC−DCコンバータのイネーブル信号を出力する、充電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池を充電する充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池等の二次電池は、充電することで繰り返し使用することが可能であり、様々な電子機器で広く利用されている。そして二次電池を充電する機器として、例えば家庭用の商用交流電源を電源として動作する充電装置が広く利用されている。その一例としては、例えば乾電池互換型の二次電池を装着して充電する充電装置が公知である(例えば特許文献1を参照)。また例えばスマートフォンやタブレット型パソコン等の電子機器にUSBケーブル等を介して接続され、その電子機器に内蔵されている二次電池を充電する充電装置が公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−181979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の一般的な充電装置は、商用交流電源に接続されている状態では、二次電池が装着又は接続されていない状態であっても、内部のDC−DCコンバータは動作しているため、僅かではあるものの電力を常時消費する。このような電力の消費は、たとえ僅かであっても無駄であり、省エネルギーという観点から無視できないものとなりつつある。そのため本来的には、二次電池を充電するときだけ充電装置を商用交流電源に接続するのが望ましいと言える。しかしながら現実には、二次電池が装着又は接続されていない状態で、充電装置が商用交流電源に接続されたまま放置される場合が少なくない。
【0005】
このような状況に鑑み本発明はなされたものであり、その目的は、無駄な電力消費が少ない充電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
<本発明の第1の態様>
本発明の第1の態様は、交流電源が出力する交流電力を整流する整流回路と、前記整流回路が出力する直流電力の電圧を変換するDC−DCコンバータと、装着された二次電池の正極端子に接する正極接点、前記二次電池の負極端子に接する第1負極接点及び第2負極接点を含み、前記正極接点と前記第1負極接点との間に前記DC−DCコンバータの出力電圧が印加される充電回路と、前記正極接点と前記第2負極接点との間の電位差でONするスイッチ回路を含み、前記スイッチ回路がONしているときに前記DC−DCコンバータのイネーブル信号を出力する制御回路と、を備える充電装置である。
【0007】
充電装置に装着された二次電池は、正極端子が正極接点に接し、負極端子が第1負極接点及び第2負極接点に接する。この状態では、正極接点と第2負極接点との間に二次電池の電圧が印加されるため、スイッチ回路がONしてDC−DCコンバータのイネーブル信号が出力される。それによって充電装置は、DC−DCコンバータが起動し、二次電池にDC−DCコンバータの出力電圧が印加されて二次電池の充電が行われる。
【0008】
またこの状態では、第1負極接点と第2負極接点とが二次電池の負極端子を介して電気的に接続される。そのためDC−DCコンバータが起動した後は、正極接点と第2負極接点との間にDC−DCコンバータの出力電圧も印加される状態になる。したがって制御回路は、DC−DCコンバータが起動した後は、DC−DCコンバータの出力電圧によってスイッチ回路がONしている状態が維持され、DC−DCコンバータのイネーブル信号の出力が継続する。
【0009】
他方、充電装置から二次電池を取り外すと、正極接点と第2負極接点との間に二次電池の電圧が印加されない状態になる。また充電装置から二次電池を取り外すと、さらに第1負極接点と第2負極接点とが電気的に接続されない状態になるため、DC−DCコンバータの出力電圧も正極接点と第2負極接点との間に印加されない状態になる。それによってスイッチ回路がOFFしてDC−DCコンバータのイネーブル信号が出力されなくなり、DC−DCコンバータの動作が停止又は休止した状態になる。したがって充電装置は、二次電池を取り外した状態では、商用交流電源に接続されたまま放置されている状態であっても、DC−DCコンバータでは電力消費がほとんど生じない。
【0010】
これにより本発明の第1の態様によれば、無駄な電力消費が少ない充電装置を提供できるという作用効果が得られる。
【0011】
<本発明の第2の態様>
本発明の第2の態様は、前述した本発明の第1の態様において、前記スイッチ回路は、フォトカプラを含み、前記フォトカプラの発光ダイオードは、前記正極接点と前記第2負極接点との間の電位差で電流が流れて発光し、前記制御回路は、前記フォトカプラのフォトトランジスタがONしているときに前記DC−DCコンバータのイネーブル信号を出力する、充電装置である。
本発明の第2の態様によれば、DC−DCコンバータの入力側と出力側との間の電気的絶縁を維持した状態で、DC−DCコンバータの出力側から入力側へイネーブル信号を伝達することができる。
【0012】
<本発明の第3の態様>
本発明の第3の態様は、前述した本発明の第2の態様において、前記充電回路は、第1電界効果トランジスタ、第2電界効果トランジスタ、前記二次電池の充電状態に応じて前記第1電界効果トランジスタ及び前記第2電界効果トランジスタをON/OFF制御する充電制御部を含み、前記第1電界効果トランジスタのソースが前記DC−DCコンバータの出力に接続され、前記第2電界効果トランジスタのソースが前記正極接点に接続され、前記第1電界効果トランジスタのドレインが前記第2電界効果トランジスタのドレインに接続されており、前記フォトカプラの発光ダイオードは、前記第1電界効果トランジスタのドレインと前記第2電界効果トランジスタのドレインとの接続点にアノードが接続され、前記第2負極接点にカソードが接続されている、充電装置である。
【0013】
第1電界効果トランジスタ及び第2電界効果トランジスタがともにONしている状態では、DC−DCコンバータの出力電圧で二次電池が充電される。また第1電界効果トランジスタ又は第2電界効果トランジスタの少なくともいずれか一方がOFFしている状態では、二次電池の充電が停止される。そして第1電界効果トランジスタ及び第2電界効果トランジスタがともにOFFして二次電池の充電を停止している状態では、DC−DCコンバータ又は二次電池のいずれかで短絡故障が生じた場合、いずれの場合であっても電界効果トランジスタの寄生ダイオードを介して短絡電流が流れてしまうことを防止することができる。
【0014】
第1電界効果トランジスタ及び第2電界効果トランジスタがともにOFFしている状態では、第2電界効果トランジスタの寄生ダイオードを介して、二次電池の電圧がフォトカプラの発光ダイオードに印加されてフォトカプラのフォトトランジスタがONする。またその状態では、第1電界効果トランジスタの寄生ダイオードを介して、DC−DCコンバータの出力電圧がフォトカプラの発光ダイオードに印加されてフォトカプラのフォトトランジスタがONする。したがってDC−DCコンバータのイネーブル信号は、第1電界効果トランジスタ及び第2電界効果トランジスタがともにOFFしている状態においてもスイッチ回路から出力される。それによってDC−DCコンバータは、二次電池が装着されている限り、第1電界効果トランジスタ及び第2電界効果トランジスタがともにOFFしている状態でも動作することになる。そのため二次電池の充電状態にかかわらず、DC−DCコンバータの出力電圧で充電回路を動作させることができるので、充電回路の電源を別個に設ける必要がない。
【0015】
これにより本発明の第3の態様によれば、DC−DCコンバータ又は二次電池のいずれかで短絡故障が生じた場合の安全性を確保できるとともに、本発明に係る充電装置をより低コストで実現することができる。
【0016】
<本発明の第4の態様>
本発明の第4の態様は、交流電源が出力する交流電力を整流する整流回路と、前記整流回路が出力する直流電力の電圧を変換するDC−DCコンバータと、ケーブルの電力供給線を介して電子機器の二次電池の正極端子に接続される電力供給端子、前記ケーブルのグランド線を介して前記二次電池の負極端子に接続されるグランド端子を有するレセプタクルを含み、前記レセプタクルの筐体が前記ケーブルのシールドを介して前記電子機器のグランドに接続され、前記レセプタクルの電力供給端子と前記レセプタクルのグランド端子との間に前記DC−DCコンバータの出力電圧が印加される充電回路と、前記レセプタクルの電力供給端子と前記レセプタクルの筐体との間の電位差でONするスイッチ回路を含み、前記スイッチ回路がONしているときに前記DC−DCコンバータのイネーブル信号を出力する制御回路と、を備える充電装置である。
【0017】
ケーブルを介して電子機器が充電装置に接続されている状態では、レセプタクルの電力供給端子が電子機器の二次電池の正極端子に接続され、レセプタクルのグランド端子が電子機器の二次電池の負極端子に接続される。さらにレセプタクルの筐体は、電子機器のグランドに接続され、電子機器のグランドを介して二次電池の負極端子に接続される。この状態では、レセプタクルの電力供給端子とレセプタクルの筐体との間に二次電池の電圧が印加されるため、スイッチ回路がONしてDC−DCコンバータのイネーブル信号が出力される。それによって充電装置は、DC−DCコンバータが起動し、二次電池にDC−DCコンバータの出力電圧が印加されて二次電池の充電が行われる。
【0018】
またこの状態では、電子機器のグランドを介してレセプタクルのグランド端子がレセプタクルの筐体に接続される。そのためDC−DCコンバータが起動した後は、レセプタクルの電力供給端子とレセプタクルの筐体との間にDC−DCコンバータの出力電圧も印加される状態になる。したがって制御回路は、DC−DCコンバータが起動した後は、DC−DCコンバータの出力電圧によってスイッチ回路がONしている状態が維持され、DC−DCコンバータのイネーブル信号の出力が継続する。
【0019】
他方、ケーブルを介して電子機器が充電装置に接続されていない状態では、レセプタクルの電力供給端子とレセプタクルの筐体との間に二次電池の電圧が印加されない状態になる。またこの状態では、さらにレセプタクルのグランド端子がレセプタクルの筐体に接続されない状態になるため、レセプタクルの電力供給端子とレセプタクルの筐体との間にDC−DCコンバータの出力電圧も印加されない状態になる。それによってスイッチ回路がOFFしてDC−DCコンバータのイネーブル信号が出力されなくなり、DC−DCコンバータの動作が停止又は休止した状態になる。したがって充電装置は、ケーブルを介して電子機器が接続されていない状態では、商用交流電源に接続されたまま放置されている状態であっても、DC−DCコンバータでは電力消費がほとんど生じない。
【0020】
これにより本発明の第4の態様によれば、無駄な電力消費が少ない充電装置を提供できるという作用効果が得られる。
【0021】
<本発明の第5の態様>
本発明の第5の態様は、前述した本発明の第4の態様において、前記スイッチ回路は、フォトカプラを含み、前記フォトカプラの発光ダイオードは、前記レセプタクルの電力供給端子と前記レセプタクルの筐体との間の電位差で電流が流れて発光し、前記制御回路は、前記フォトカプラのフォトトランジスタがONしているときに前記DC−DCコンバータのイネーブル信号を出力する、充電装置である。
本発明の第5の態様によれば、前述した本発明の第2の態様と同様の作用効果が得られる。
【0022】
<本発明の第6の態様>
本発明の第6の態様は、前述した本発明の第5の態様において、前記充電回路は、第1電界効果トランジスタ、第2電界効果トランジスタ、前記二次電池の充電状態に応じて前記第1電界効果トランジスタ及び前記第2電界効果トランジスタをON/OFF制御する充電制御部を含み、前記第1電界効果トランジスタのソースが前記DC−DCコンバータの出力に接続され、前記第2電界効果トランジスタのソースが前記レセプタクルの電力供給端子に接続され、前記第1電界効果トランジスタのドレインが前記第2電界効果トランジスタのドレインに接続されており、前記フォトカプラの発光ダイオードは、前記第1電界効果トランジスタのドレインと前記第2電界効果トランジスタのドレインとの接続点にアノードが接続され、前記レセプタクルの筐体にカソードが接続されている、充電装置である。
【0023】
本発明の第6の態様によれば、前述した本発明の第3の態様と同様の作用効果が得られる。
【0024】
<本発明の第7の態様>
本発明の第7の態様は、前述した本発明の第1〜第6の態様のいずれかにおいて、前記制御回路は、前記整流回路が起動してから所定時間だけ前記イネーブル信号を生成して出力する起動回路をさらに含む、充電装置である。
【0025】
例えば交流電源の接続を一旦切断した後、交流電源を再度接続して整流回路を再起動すると、所定時間だけ起動回路からイネーブル信号が出力され、それによってDC−DCコンバータが起動する。そしてDC−DCコンバータが起動した後は、前述したようにDC−DCコンバータの出力電圧によってイネーブル信号を維持することが可能になる。したがって例えば二次電池の電力をほぼ使い切ってしまったような状態で、二次電池の電圧が低下しており、その二次電池の電圧でスイッチ回路をONできないような場合であっても、DC−DCコンバータを起動して二次電池を充電することができる。
【0026】
<本発明の第8の態様>
本発明の第8の態様は、前述した本発明の第7の態様において、前記起動回路は、前記整流回路の出力電圧が印加されるRC回路、前記整流回路が起動してから前記RC回路のコンデンサが充電されるまでの間だけベース電流が流れてONするトランジスタを含み、前記トランジスタがONしているときに前記DC−DCコンバータのイネーブル信号を出力する、充電装置である。
本発明の第8の態様によれば、極めてシンプルな回路で起動回路が構成されているので、本発明に係る充電装置をより低コストで実現することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、無駄な電力消費が少ない充電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】第1実施例の充電装置の回路図。
図2】電池装着部の第1変形例を図示した回路図。
図3】電池装着部の第2変形例を図示した回路図。
図4】第1実施例の充電装置の動作を図示したタイミングチャート。
図5】第2実施例の充電装置の回路図。
図6】第2実施例の充電装置と電子機器とのケーブル接続を図示した回路図。
図7】第2実施例の充電装置の動作を図示したタイミングチャート。
図8】第3実施例の充電装置の回路図。
図9】第3実施例の充電装置の動作を図示したタイミングチャート。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
尚、本発明は、以下説明する実施例に特に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【0030】
<第1実施例>
第1実施例の充電装置100の構成及び動作について、図1図4を参照しながら説明する。
図1は、第1実施例の充電装置100の回路図である。
【0031】
第1実施例の充電装置100は、整流回路10、DC−DCコンバータ20、充電回路30、制御回路40を備える。
【0032】
整流回路10は、交流電源50が出力する交流電力を整流する回路であり、ダイオードブリッジ11及び平滑コンデンサC1を備える単相ブリッジ型全波整流回路である。DC−DCコンバータ20は、整流回路10が出力する直流電力の電圧を変換する定電圧電源である。DC−DCコンバータ20は、スタンバイ端子STBを有し、スタンバイ端子STBに所定電圧が印加されていない状態では休止又は停止した状態になり、スタンバイ端子STBに所定電圧(イネーブル信号)が印加されている状態で動作する。DC−DCコンバータ20は、例えば絶縁型のDC−DCコンバータであるが、特にこれに限定されるものではなく、例えば非絶縁型のDC−DCコンバータであってもよい。
【0033】
充電回路30は、DC−DCコンバータ20の出力電圧で二次電池60を充電する回路である。充電回路30は、電池装着部31、充電制御部32、第1電界効果トランジスタQ1、第2電界効果トランジスタQ2、ダイオードD1、D2を含む。
【0034】
電池装着部31は、二次電池60が装着される。電池装着部31は、装着された二次電池60の正極端子に接する正極接点TP1、二次電池60の負極端子に接する第1負極接点TP2及び第2負極接点TP3を含む。第1電界効果トランジスタQ1及び第2電界効果トランジスタQ2は、例えばn型MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である。正極接点TP1は、第1電界効果トランジスタQ1及び第2電界効果トランジスタQ2を介して、DC−DCコンバータ20の出力に接続されている。第1負極接点TP2は、DC−DCコンバータ20の出力側のグランドに接続されている。つまり正極接点TP1と第1負極接点TP2との間には、DC−DCコンバータ20の出力電圧が印加される。
【0035】
充電制御部32は、例えば公知のマイコン制御回路や制御IC(Integrated Circuit)等であり、二次電池60の充電状態に応じて第1電界効果トランジスタQ1及び第2電界効果トランジスタQ2をON/OFF制御する。充電制御部32は、DC−DCコンバータ20の出力電圧で動作するのが好ましい。
【0036】
第1電界効果トランジスタQ1のソースは、DC−DCコンバータ20の出力に接続されている。第2電界効果トランジスタQ2のソースは、正極接点TP1に接続されている。第1電界効果トランジスタQ1のドレインは、第2電界効果トランジスタQ2のドレインに接続されている。第1電界効果トランジスタQ1及び第2電界効果トランジスタQ2のベースは、充電制御部32に接続されている。ダイオードD1は、例えば第1電界効果トランジスタQ1の寄生ダイオードであり、アノードが第1電界効果トランジスタQ1のソースに接続され、カソードが第1電界効果トランジスタQ1のドレインに接続されている。ダイオードD2は、例えば第2電界効果トランジスタQ2の寄生ダイオードであり、アノードが第2電界効果トランジスタQ2のソースに接続され、カソードが第2電界効果トランジスタQ2のドレインに接続されている。
【0037】
このような構成の充電回路30は、第1電界効果トランジスタQ1及び第2電界効果トランジスタQ2がともにONしている状態では、DC−DCコンバータ20の出力電圧で二次電池60が充電される。また第1電界効果トランジスタQ1又は第2電界効果トランジスタQ2の少なくともいずれか一方がOFFしている状態では、二次電池60の充電が停止される。そして第1電界効果トランジスタQ1及び第2電界効果トランジスタQ2がともにOFFして二次電池60の充電が停止している状態では、DC−DCコンバータ20又は二次電池60のいずれかで短絡故障が生じた場合、いずれの場合であってもダイオードD1、D2を介して短絡電流が流れてしまうことを未然に防止することができる。それによってDC−DCコンバータ20又は二次電池60のいずれかで短絡故障が生じた場合の安全性を確保することができる。
【0038】
制御回路40は、「スイッチ回路」としてのフォトカプラPC、抵抗R1、R2を含み、フォトカプラPCがONしているときにDC−DCコンバータ20のイネーブル信号を出力する回路である。抵抗R1は、フォトトランジスタのコレクタ電流を制限する抵抗であり、一端が整流回路10の出力に接続され、他端がフォトカプラPCのフォトトランジスタのコレクタに接続されている。フォトカプラPCのフォトトランジスタのエミッタは、DC−DCコンバータ20のスタンバイ端子STBに接続されている。フォトカプラPCの発光ダイオードは、アノードが抵抗R2の一端に接続され、カソードが第2負極接点TP3に接続されている。抵抗R2の他端は、第1電界効果トランジスタQ1のドレインと第2電界効果トランジスタQ2のドレインとの接続点に接続されている。抵抗R2は、フォトカプラPCの発光ダイオードの電流を制限する抵抗である。このようにフォトカプラPCがONしているときにDC−DCコンバータ20のイネーブル信号を出力する回路構成とすることによって、DC−DCコンバータ20の入力側と出力側との間の電気的絶縁を維持した状態で、DC−DCコンバータ20の出力側から入力側へイネーブル信号を伝達することができる。
【0039】
第1電界効果トランジスタQ1及び第2電界効果トランジスタQ2がともにOFFしている状態では、ダイオードD2を介して、二次電池60の電圧がフォトカプラPCの発光ダイオードに印加されてフォトカプラPCがONする。またその状態では、ダイオードD1を介して、DC−DCコンバータ20の出力電圧がフォトカプラPCの発光ダイオードに印加されてフォトカプラPCがONする。したがってDC−DCコンバータ20のイネーブル信号は、第1電界効果トランジスタQ1及び第2電界効果トランジスタQ2がともにOFFしている状態においてもフォトカプラPCから出力される。それによってDC−DCコンバータ20は、電池装着部31に二次電池60が装着されている限り、第1電界効果トランジスタQ1及び第2電界効果トランジスタQ2がともにOFFしている状態でも動作することになる。そのため二次電池60の充電状態にかかわらず、DC−DCコンバータ20の出力電圧で充電回路30を動作させることができるので、充電回路30の電源を別個に設ける必要がない。
【0040】
図2は、電池装着部31の第1変形例を図示した回路図である。
電池装着部31の第1変形例は、前述した正極接点TP1、第1負極接点TP2及び第2負極接点TP3を2つずつ有する。2つの正極接点TP1は、並列に接続され、その接続点が第2電界効果トランジスタQ2のソースに接続されている。2つの第1負極接点TP2は、並列に接続され、その接続点がDC−DCコンバータ20の出力側のグランドに接続されている。2つの第2負極接点TP3は、並列に接続され、その接続点がフォトカプラPCの発光ダイオードのカソードに接続されている。
【0041】
このような構成の電池装着部31は、2つの二次電池61、62が並列に接続され、その2つの二次電池61、62に同時に充電することができる。また電池装着部31の第1変形例は、2つの二次電池61、62の少なくとも1つが装着されている状態でDC−DCコンバータ20が起動し、その2つの二次電池61、62の少なくとも1つを単独で充電することができる。
【0042】
図3は、電池装着部31の第2変形例を図示した回路図である。
電池装着部31の第2変形例は、前述した正極接点TP1、第1負極接点TP2及び第2負極接点TP3に加えて、さらに2つの接点TP4、TP5を有する。正極接点TP1は、第2電界効果トランジスタQ2のソースに接続されており、1つ目の二次電池61の正極端子に当接する。接点TP4は、1つ目の二次電池61の負極端子に当接する。接点TP5は、接点TP4に接続されており、2つ目の二次電池62の正極端子に当接する。第1負極接点TP2は、DC−DCコンバータ20の出力側のグランドに接続されている。第2負極接点TP3は、フォトカプラPCの発光ダイオードのカソードに接続されている。第1負極接点TP2及び第2負極接点TP3は、2つ目の二次電池62の負極端子に当接する。
【0043】
このような構成の電池装着部31は、2つの二次電池61、62が直列に接続され、その2つの二次電池61、62に同時に充電することができる。また電池装着部31の第2変形例は、2つの二次電池61、62が両方とも装着されている状態においてのみDC−DCコンバータ20が起動するので、常に2つの二次電池61、62がセットで充電される。
【0044】
図4は、第1実施例の充電装置100の動作を図示したタイミングチャートである。
【0045】
電池装着部31に二次電池60を装着すると(タイミングT1、T3)、その二次電池60は、正極端子が正極接点TP1に接し、負極端子が第1負極接点TP2及び第2負極接点TP3に接する。この状態では、正極接点TP1と第2負極接点TP3との間に二次電池60の電圧が印加されるため、フォトカプラPCがONしてDC−DCコンバータ20のイネーブル信号が出力される。それによって充電装置100は、DC−DCコンバータ20が起動し、二次電池60にDC−DCコンバータ20の出力電圧が印加されて二次電池60の充電が行われる。より具体的には、電池装着部31に装着された二次電池60の電圧でフォトカプラPCの発光ダイオードに電流が流れることによって、フォトカプラPCのフォトトランジスタがONする。それによってDC−DCコンバータ20のスタンバイ端子STBは、整流回路10の出力電圧が印加されてハイレベルになる(イネーブル信号)。したがってDC−DCコンバータ20が起動する。
【0046】
またこの状態では、第1負極接点TP2と第2負極接点TP3とが二次電池60の負極端子を介して電気的に接続される。そのためDC−DCコンバータ20が起動した後は、正極接点TP1と第2負極接点TP3との間にDC−DCコンバータ20の出力電圧も印加される状態になる。したがって制御回路40は、DC−DCコンバータ20が起動した後は、DC−DCコンバータ20の出力電圧によってフォトカプラPCがONしている状態が維持される。それによってDC−DCコンバータ20のイネーブル信号の出力が継続するので、DC−DCコンバータ20の動作状態が維持される。
尚、充電装置100に交流電源50が接続されていない状態になると、装着されている二次電池60の電圧でフォトカプラPCがONしていても、整流回路10の出力電圧が停止するため、イネーブル信号は出力されなくなる(タイミングT4)。
【0047】
他方、電池装着部31から二次電池60を取り外すと(タイミングT2)、正極接点TP1と第2負極接点TP3との間に二次電池60の電圧が印加されない状態になる。また電池装着部31から二次電池60を取り外すと、第1負極接点TP2と第2負極接点TP3とが電気的に接続されない状態になるため、DC−DCコンバータ20の出力電圧も正極接点TP1と第2負極接点TP3との間に印加されない状態になる。そのためフォトカプラPCがOFFし、DC−DCコンバータ20のスタンバイ端子STBは、整流回路10の出力電圧が印加されないためローレベルになる。それによってDC−DCコンバータ20は、動作が停止又は休止した状態になる。したがって充電装置100は、二次電池60を取り外した状態では、交流電源50に接続されたまま放置されている状態であっても、DC−DCコンバータ20では電力消費がほとんど生じない。
【0048】
このようにして本発明によれば、無駄な電力消費が少ない充電装置100を提供することができる。
【0049】
<第2実施例>
第2実施例の充電装置100の構成及び動作について、図5図7を参照しながら説明する。
図5は、第2実施例の充電装置100の回路図である。図6は、第2実施例の充電装置100と電子機器80とのケーブル接続を図示した回路図である。
【0050】
第2実施例の充電装置100は、充電回路30の構成が第1実施例と異なる。より具体的には第2実施例の充電装置100は、第1実施例の電池装着部31に代えてレセプタクル33が設けられている点で第1実施例と異なる。それ以外の構成については、第1実施例と同様であるため、共通する構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0051】
レセプタクル33は、例えばUSB(Universal Serial Bus)規格のレセプタクルであり、「電力供給端子」としてのVbus端子、D+端子、D−端子、「グランド端子」としてのGND端子を有する。レセプタクル33のVbus端子は、第2電界効果トランジスタQ2のソースに接続されている。レセプタクル33のGND端子は、DC−DCコンバータ20の出力側のグランドに接続されている。つまりDC−DCコンバータ20の出力電圧は、レセプタクル33のVbus端子とGND端子との間に印加される。レセプタクル33の筐体331は、フォトカプラPCの発光ダイオードのカソードに接続されている。つまり制御回路40は、レセプタクル33のVbus端子と筐体331との間の電位差で発光ダイオードに電流が流れてフォトカプラPCがONし、そのときにDC−DCコンバータ20のイネーブル信号を出力する。
尚、レセプタクル33のD+端子、D−端子は、図示していないが、例えばD+端子をD−端子に接続してショートしてもよいし、或いは所定の抵抗値の抵抗を介してそれぞれグラントに接続してプルダウンしてもよい。
【0052】
電子機器80は、例えばスマートフォンやタブレット型パソコン等であり、レセプタクル81、制御部82、二次電池83を備える。レセプタクル81は、USB規格のレセプタクルであり、Vbus端子、D+端子、D−端子、GND端子を有する。レセプタクル81のD+端子、D−端子は、制御部82に接続されている。レセプタクル81のVbus端子は、制御部82を介して二次電池83の正極端子に接続されている。レセプタクル81のGND端子は、制御部82を介して二次電池83の負極端子に接続されている。制御部82は、例えばマイコン制御装置や制御IC等であり、二次電池83の充放電を制御する。
【0053】
充電装置100は、USB規格のケーブル70を介して電子機器80が接続される。ケーブル70は、充電装置100のレセプタクル33にプラグ71が接続され、電子機器80のレセプタクル81にプラグ73が接続される。レセプタクル33のVbus端子は、ケーブル70の電力供給線を介してレセプタクル81のVbus端子に接続され、それによって電子機器80の二次電池83の正極端子に接続される。レセプタクル33のGND端子は、ケーブル70のグランド線を介してレセプタクル81のGND端子に接続され、それによって電子機器80の二次電池83の負極端子に接続される。レセプタクル33の筐体331は、ケーブル70のシールド72を介してレセプタクル81の筐体に接続され、それによって電子機器80のグランドに接続される。
【0054】
図7は、第2実施例の充電装置100の動作を図示したタイミングチャートである。
【0055】
ケーブル70を介して充電装置100に電子機器80を接続すると(タイミングT11、T13)、二次電池83の正極端子がレセプタクル33のVbus端子に接続され、二次電池83の負極端子が電子機器80のグランドを介してレセプタクル33の筐体331に接続される。この状態では、レセプタクル33のVbus端子と筐体331との間に二次電池83の電圧が印加されるため、フォトカプラPCがONしてDC−DCコンバータ20のイネーブル信号が出力される。それによって充電装置100は、DC−DCコンバータ20が起動し、二次電池83にDC−DCコンバータ20の出力電圧が印加されて二次電池83の充電が行われる。より具体的には、電子機器80の二次電池83の電圧でフォトカプラPCの発光ダイオードに電流が流れることによって、フォトカプラPCのフォトトランジスタがONする。それによってDC−DCコンバータ20のスタンバイ端子STBは、整流回路10の出力電圧が印加されてハイレベルになる(イネーブル信号)。したがってDC−DCコンバータ20が起動する。
【0056】
またこの状態では、レセプタクル33のGND端子が電子機器80のグランドを介してレセプタクル33の筐体331に接続される。そのためDC−DCコンバータ20が起動した後は、レセプタクル33のVbus端子とレセプタクル33の筐体331との間にDC−DCコンバータ20の出力電圧も印加される状態になる。したがって制御回路40は、DC−DCコンバータ20が起動した後は、DC−DCコンバータ20の出力電圧によってフォトカプラPCがONしている状態が維持される。それによってDC−DCコンバータ20のイネーブル信号の出力が継続するので、DC−DCコンバータ20の動作状態が維持される。
尚、充電装置100に交流電源50が接続されていない状態になると、電子機器80の二次電池83の電圧でフォトカプラPCがONしていても、整流回路10の出力電圧が停止するため、イネーブル信号は出力されなくなる(タイミングT14)。
【0057】
他方、ケーブル70を取り外して充電装置100に電子機器80が接続されていない状態にすると(タイミングT12)、レセプタクル33のVbus端子とレセプタクル33の筐体331との間に二次電池83の電圧が印加されない状態になる。またこの状態では、レセプタクル33のGND端子がレセプタクル33の筐体331に接続されない状態になるため、レセプタクル33のVbus端子とレセプタクル33の筐体331との間にDC−DCコンバータ20の出力電圧も印加されない状態になる。そのためフォトカプラPCがOFFし、DC−DCコンバータ20のスタンバイ端子STBは、整流回路10の出力電圧が印加されないためローレベルになる。それによってDC−DCコンバータ20は、動作が停止又は休止した状態になる。したがって充電装置100は、電子機器80が接続されていない状態では、交流電源50に接続されたまま放置されている状態であっても、DC−DCコンバータ20では電力消費がほとんど生じない。
【0058】
このようにして本発明によれば、無駄な電力消費が少ない充電装置100を提供することができる。
【0059】
<第3実施例>
第3実施例の充電装置100の構成及び動作について、図8及び図9を参照しながら説明する。
図8は、第3実施例の充電装置100の回路図である。
【0060】
第3実施例の充電装置100は、制御回路40の構成が第1実施例と異なる。より具体的には第3実施例の充電装置100は、制御回路40が起動回路41をさらに含む点で第1実施例と異なる。それ以外の構成については、第1実施例と同様であるため、共通する構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
尚、以下説明する第3実施例の制御回路40の構成は、第1実施例のみならず第2実施例の充電装置100にも適用可能であることは言うまでもない。
【0061】
起動回路41は、整流回路10が起動してから所定時間だけイネーブル信号を生成して出力する回路であり、抵抗R3〜R5、コンデンサC2、トランジスタQ3を含む。
抵抗R3は、一端が整流回路10の出力に接続され、他端がコンデンサC2の一端に接続されている。コンデンサC2の他端は、DC−DCコンバータ20の入力側のグランドに接続されている。この抵抗R3とコンデンサC2は、RC回路を構成する。抵抗R5は、コンデンサC2に並列に接続されている。抵抗R4は、一端が抵抗R3とコンデンサC2の接続点に接続されており、他端がトランジスタQ3のベースに接続されている。トランジスタQ3は、PNP型のバイポーラトランジスタである。トランジスタQ3のエミッタは、フォトカプラPCのフォトトランジスタのコレクタに接続されている。トランジスタQ3のコレクタは、フォトカプラPCのフォトトランジスタのエミッタに接続されている。このような構成の起動回路41は、極めてシンプルな回路構成であるため、本発明に係る充電装置100をより低コストで実現できる点で好ましい。
【0062】
図9は、第3実施例の充電装置100の動作を図示したタイミングチャートである。
【0063】
電池装着部31に二次電池60を装着すると(タイミングT21)、その二次電池60は、正極端子が正極接点TP1に接し、負極端子が第1負極接点TP2及び第2負極接点TP3に接する。この状態では、正極接点TP1と第2負極接点TP3との間に二次電池60の電圧が印加される。しかし例えば二次電池60の電力をほぼ使い切ってしまったような状態で、二次電池60の電圧が低下しており、その二次電池60の電圧でフォトカプラPCをONできないような場合には、制御回路40からイネーブル信号が出力されないため、DC−DCコンバータ20を起動することができない。
【0064】
このような場合には、例えば交流電源50の接続を一旦切断した後(タイミングT22)、交流電源50を再度接続して整流回路10を再起動する(タイミングT23)。それによって所定時間だけ起動回路41からイネーブル信号が出力されるので、DC−DCコンバータ20が起動することができる。
【0065】
より具体的には、交流電源50の接続を切断すると、起動回路41のコンデンサC2の電荷が放電される(タイミングT22)。あるいはコンデンサC2の電荷を放電させるリセットスイッチ(図示せず)を設け、そのリセットスイッチを操作してもよい。そして交流電源50を再度接続して整流回路10を再起動すると(タイミングT23)、整流回路10が起動してからコンデンサC2が充電されるまでの間だけ、トランジスタQ3のベース電流が流れてトランジスタQ3がONする(タイミングT23〜T25)。トランジスタQ3がONすることによって、整流回路10の出力電圧がDC−DCコンバータ20のスタンバイ端子STBに印加される。それによってDC−DCコンバータ20が起動し、二次電池60にDC−DCコンバータ20の出力電圧が印加されて二次電池60の充電が行われる。
【0066】
DC−DCコンバータ20が起動した後は、DC−DCコンバータ20の出力電圧によってフォトカプラPCがONする(タイミングT24)。それによってDC−DCコンバータ20のイネーブル信号の出力が継続するので、DC−DCコンバータ20の動作状態が維持される。そして電池装着部31から二次電池60を取り外すと(タイミングT26)、フォトカプラPCがOFFし、DC−DCコンバータ20のスタンバイ端子STBは、整流回路10の出力電圧が印加されないためローレベルになる。それによってDC−DCコンバータ20は、動作が停止又は休止した状態になる。
【0067】
このように第3実施例の充電装置100は、例えば二次電池60の電力をほぼ使い切ってしまったような状態で、二次電池60の電圧が低下しており、その二次電池60の電圧でフォトカプラPCをONできないような場合であっても、DC−DCコンバータ20を起動して二次電池60を充電することができる。
【符号の説明】
【0068】
10 整流回路
20 DC−DCコンバータ
30 充電回路
40 制御回路
41 起動回路
100 充電装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9