特許第6846308号(P6846308)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6846308
(24)【登録日】2021年3月3日
(45)【発行日】2021年3月24日
(54)【発明の名称】コンパクト容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/00 20060101AFI20210315BHJP
   A45D 34/04 20060101ALI20210315BHJP
【FI】
   B65D83/00 K
   A45D34/04 560
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-148650(P2017-148650)
(22)【出願日】2017年7月31日
(65)【公開番号】特開2019-26347(P2019-26347A)
(43)【公開日】2019年2月21日
【審査請求日】2020年2月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 彰紀
【審査官】 新田 亮二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−256316(JP,A)
【文献】 特開2015−212170(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/208928(WO,A1)
【文献】 米国特許第5551597(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/00
A45D 34/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が収容される容器本体と、
前記容器本体に連結され、前記容器本体を開放可能に閉塞する蓋体と、
前記容器本体または前記蓋体に、前記容器本体の径方向の内側に向けて移動自在に配置された押釦体と、を備え、
前記蓋体には、前記容器本体に設けられた第1係止部に離脱可能に係止され、前記容器本体に対する前記蓋体の開放動作を規制する第2係止部が設けられ、
前記容器本体は、上方付勢状態で下方移動自在に配置されたステムを有し前記ステムの下方移動に伴って前記容器本体内の内容物を吐出孔から吐出する吐出器を備え、
前記押釦体は、前記径方向の内側に向けて押し込まれることで、前記第2係止部を前記第1係止部から離脱させるとともに前記ステムを下方移動させることを特徴とするコンパクト容器。
【請求項2】
前記容器本体は、内容物を収容し内容物の減少に伴い減容する収容空間を備えていることを特徴とする請求項1に記載のコンパクト容器。
【請求項3】
前記容器本体は、
容器軸方向に延び内部に前記収容空間を画成する画成筒と、
前記画成筒内に容器軸方向に摺動自在に嵌合され前記画成筒とともに前記収容空間を画成する中皿と、を備え、
前記収容空間は、前記中皿が前記画成筒内を容器軸方向に摺動することで減容することを特徴とする請求項2に記載のコンパクト容器。
【請求項4】
前記収容空間は、環状に形成され、
前記ステムは、前記収容空間に対して、前記収容空間の径方向の内側に配置されていることを特徴とする請求項2または3に記載のコンパクト容器。
【請求項5】
前記押釦体は、前記径方向の内側に向けて離脱位置まで押し込まれたときに前記第2係止部を前記第1係止部から離脱させ、前記離脱位置よりも前記径方向の内側に向けて押下位置まで押し込まれたときに前記ステムを下方移動させることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のコンパクト容器。
【請求項6】
前記吐出器は、前記ステムに外装される外装部材を備え、
前記押釦体は、前記外装部材を押下する押下部を備え、
前記押下部は、前記ステムを前記径方向に挟んで一対配置されている請求項1から5のいずれか1項に記載のコンパクト容器。
【請求項7】
前記容器本体は、
前記蓋体が連結された外殻体と、
内容物を収容するとともに前記吐出器を有し、前記外殻体に着脱自在に装着された付け替え部と、を備え、
前記押釦体は、前記付け替え部に装着されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のコンパクト容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンパクト容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、アイシャドウやアイライナ、ファンデーション等の化粧料を収容するコンパクト容器が知られている。一般的なコンパクト容器は、内容物が収容される容器本体と、容器本体に連結され、容器本体を開放可能に閉塞する蓋体と、容器本体または蓋体に配置され、容器本体の径方向の内側に向けて移動自在に配置された押釦体と、を備える。コンパクト容器では、押釦体を押し込むことで蓋体を開放させることができる。
ここで本願発明者は、前記コンパクト容器における容器本体に、例えば下記特許文献1に記載のポンプ付き容器を適用することに想到した。前記ポンプ付き容器は、上方付勢状態で下方移動自在に配置されたステムを有する吐出器を備えている。吐出器は、ステムの下方移動に伴って内容物を吐出孔から吐出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−116423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記コンパクト容器では、操作性に改善の余地がある。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、操作性を確保することができるコンパクト容器を適用することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係るコンパクト容器は、内容物が収容される容器本体と、前記容器本体に連結され、前記容器本体を開放可能に閉塞する蓋体と、前記容器本体または前記蓋体に、前記容器本体の径方向の内側に向けて移動自在に配置された押釦体と、を備え、前記蓋体には、前記容器本体に設けられた第1係止部に離脱可能に係止され、前記容器本体に対する前記蓋体の開放動作を規制する第2係止部が設けられ、前記容器本体は、上方付勢状態で下方移動自在に配置されたステムを有し前記ステムの下方移動に伴って前記容器本体内の内容物を吐出孔から吐出する吐出器を備え、前記押釦体は、前記径方向の内側に向けて押し込まれることで、前記第2係止部を前記第1係止部から離脱させるとともに前記ステムを下方移動させることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、押釦体を前記径方向の内側に向けて押し込むことで、第2係止部を第1係止部から離脱させ、蓋体を開放することができる。また、ステムを下方移動させて吐出器を作動させ、内容物を吐出孔から吐出することができる。ここで、従来のコンパクト容器に単に吐出器を適用した構成では、押釦体を径方向に押し込んで蓋体を開放した後、ステムを上方から押し込んで内容物を吐出させることとなる。これに対して、このコンパクト容器では、使用者が、押し込み操作の方向性を変えることなく、単に所定の方向に向けて押し込み操作を実施することで、蓋体の開放および内容物の吐出を実現することができる。これにより、操作性を高めることができる。
また、内容物の使用時には、吐出器の作動によって容器本体内から所定量の内容物が吐出される。したがって、例えば、内容物が過度に吐出されること等がなく、内容物を適量、使用することができる。
【0008】
前記容器本体は、内容物を収容し内容物の減少に伴い減容する収容空間を備えていてもよい。
【0009】
この場合、内容物の減少に伴い収容空間が減容する。したがって、吐出孔から吐出されずに収容空間内に収容されている内容物を、外気から保護し易くすることが可能になり、内容物の意図しない乾燥を抑えることができる。
また、内容物の減少に伴い収容空間が減容する。したがって、収容空間内の内容物が少なくなっても、吐出器が内容物を吐出し易い。その結果、内容物が容器本体内に残存した状態で吐出器が内容物を吐出不能になる状況の発生を抑え、容器本体内の内容物の残量を低減することができる。
【0010】
前記容器本体は、容器軸方向に延び内部に前記収容空間を画成する画成筒と、前記画成筒内に容器軸方向に摺動自在に嵌合され前記画成筒とともに前記収容空間を画成する中皿と、を備え、前記収容空間は、前記中皿が前記画成筒内を容器軸方向に摺動することで減容してもよい。
【0011】
この場合、中皿が画成筒内を容器軸方向に摺動することで収容空間が減容する。したがって、収容空間内の内容物を中皿の移動によって吐出器に供給し易くすることが可能になり、容器本体内の内容物の残量をより低減することができる。
【0012】
前記収容空間は、環状に形成され、前記ステムは、前記収容空間に対して、前記収容空間の径方向の内側に配置されていてもよい。
【0013】
この場合、ステムが、収容空間に対して、収容空間の径方向の内側に配置されている。したがって、ステムおよび収容空間の容器軸方向の位置を重複させることができる。これにより、ステムおよび収容空間全体の容器軸方向の省スペース化を図ることが可能になり、容器本体の容器軸方向の大きさを小さくすることができる。
【0014】
前記押釦体は、前記径方向の内側に向けて離脱位置まで押し込まれたときに前記第2係止部を前記第1係止部から離脱させ、前記離脱位置よりも前記径方向の内側に向けて押下位置まで押し込まれたときに前記ステムを下方移動させてもよい。
【0015】
この場合、押釦体が、離脱位置まで押し込まれたときに第2係止部を第1係止部から離脱させ、開放位置から押下位置まで更に押し込まれたときにステムを下方移動させる。したがって、押釦体の押し込み量を変更することで、単に蓋体の開放動作の規制を解除するだけか、規制を解除した後に内容物の吐出まで実施するかを調整することができる。これにより、コンパクト容器の利便性を向上させることができる。例えば、蓋体に鏡体が配置されている場合であって、内容物を使用せずに鏡体のみを使用したい場合には、押釦体を押下位置までは移動させずに離脱位置まで移動させることで、内容物の不要な吐出を回避することができる。
【0016】
前記吐出器は、前記ステムに外装される外装部材を備え、前記押釦体は、前記外装部材を押下する押下部を備え、前記押下部は、前記ステムを前記径方向に挟んで一対配置されていてもよい。
【0017】
この場合、押下部が、ステムを前記径方向、つまり押釦体が押し込まれる方向に挟んで一対配置されている。したがって、押釦体を押し込んで外装部材を介してステムを下方移動させるときに、一対の押下部によってステムを安定に下方移動させることができる。これにより、コンパクト容器の操作性をより高めることができる。
【0018】
前記容器本体は、前記蓋体が連結された外殻体と、内容物を収容するとともに前記吐出器を有し、前記外殻体に着脱自在に装着された付け替え部と、を備え、前記押釦体は、前記付け替え部に装着されていてもよい。
【0019】
この場合、容器本体が、付け替え部と外殻体を備えている。したがって、容器本体内の内容物を使い終えた後、外殻体から付け替え部を離脱させて新たな付け替え部を装着させることで、内容物の詰め替えをすることができる。このとき、押釦体が付け替え部に装着されていることから、内容物の詰め替えにあわせて押釦体も交換することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、操作性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係るコンパクト容器の縦断面図である。
図2図1に示すA−A断面矢視図である。
図3図1に示すコンパクト容器の平面図である。
図4図1に示すコンパクト容器であって、押釦体が離脱位置まで押し込まれた状態を示す縦断面図である。
図5図4に示すコンパクト容器の平面図である。
図6図4に示すコンパクト容器であって、押釦体が離脱位置から押下位置まで押し込まれた状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図1から図6を参照し、本発明の一実施形態に係るコンパクト容器を説明する。
図1から図3に示すように、コンパクト容器10は、例えば化粧料などの内容物を収容する携帯用である。コンパクト容器10は、平面視で円形状の偏平容器である。コンパクト容器10は、容器本体11と、蓋体12と、押釦体13と、を備えている。容器本体11は、筒状に形成されている。蓋体12は、ヒンジ部14によって容器本体11に回動可能に連結されている。
【0023】
以下では、容器本体11の中心軸線を容器軸Oという。容器軸O方向に沿う容器本体11側を下側といい、蓋体12側を上側という。コンパクト容器10を容器軸O方向から見た平面視において、容器軸Oに直交する方向を径方向(容器本体11の径方向)といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。径方向のうち、ヒンジ部14を通過する方向を前後方向という。前後方向に沿って容器軸Oに対するヒンジ部14側を後側といい、その反対側を前側という。容器軸O方向および前後方向に直交する方向を左右方向という。ヒンジ部14のヒンジ軸15は、左右方向に延びている。
【0024】
容器本体11は、外殻体21と、付け替え部22と、を備えている。
外殻体21には、蓋体12がヒンジ部14により連結されている。図2に示すように、外殻体21は、外周壁部23と、内周壁部24と、底面部25と、天面部26と、を備えている。外周壁部23および内周壁部24は、容器軸Oと同軸に配置されている。底面部25および天面部26は、容器軸Oと同軸の環状に形成されている。底面部25は、外周壁部23と一体に形成され、外周壁部23の下端部から径方向の内側に向けて延びている。天面部26は、内周壁部24と一体に形成され、内周壁部24の下端部から径方向の外側に向けて延びている。
【0025】
図1に示すように、外殻体21には、ヒンジ凹部27と、係止凹部28と、が設けられている。
ヒンジ凹部27は、ヒンジ部14の一部を構成する。ヒンジ凹部27は、外殻体21において後側に位置する部分に配置されている。ヒンジ凹部27は、前方に向けて窪んでいる。ヒンジ凹部27は、外殻体21の容器軸O方向の全長にわたって延びている。
【0026】
ヒンジ凹部27は、ヒンジ主壁27aと、一対のヒンジ側壁27bと、を備えている。ヒンジ主壁27aは、後方を向いている。一対のヒンジ側壁27bは、ヒンジ主壁27aの左右方向の両端部から後方に向けて延びている。
ヒンジ主壁27aには、付勢部材29が配置されている。付勢部材29は、ヒンジ部14のヒンジ軸15よりも上方に配置されている。付勢部材29は、蓋体12において後側に位置する部分を後側に向けて付勢する。
【0027】
係止凹部28は、外殻体21において前側に位置する部分に配置されている。係止凹部28は、外殻体21の上端部に配置され、外殻体21から下方に向けて窪んでいる。
係止凹部28は、係止主壁28aと、係止底壁28bと、を備えている。係止主壁28aは、前方を向いている。係止底壁28bは、係止主壁28aの下端部から前方に向けて延びている。係止主壁28aには、第1係止部30が設けられている。第1係止部30は、係止主壁28aから前方に向けて突出している。
【0028】
付け替え部22は、外殻体21に着脱自在に装着されている。付け替え部22は、外殻体21内に上方から挿入され、外殻体21内に収容されている。付け替え部22は、外殻体21内から上方に向けた離脱を許容されるものの、下方に向けた離脱を規制されている。付け替え部22は、吐出器31と、画成筒32と、底皿33と、中皿34と、を備えている。
【0029】
吐出器31は、シリンダ35と、吸込弁36と、ピストン37と、ピストン押さえ38と、ステム39と、ステムヘッド40と、外装部材41と、コイルスプリング42と、吐出ヘッド43と、を備えている。吐出器31は、ステム39の下方移動に伴って後述する収容空間75内の内容物を吐出孔72から吐出する。
シリンダ35は、容器軸Oと同軸の多段の有底筒状に形成されている。シリンダ35は、下底壁44と、内筒45と、上底壁46と、外筒47と、本体筒48と、を備えている。
【0030】
下底壁44は、平面視円形状に形成されている。内筒45は、下底壁44の外周縁部から上方に向けて延びている。上底壁46は、内筒45の上端部から径方向の外側に向けて突出している。上底壁46は、平面視円環状に形成されている。上底壁46には、空気孔49が形成されている。空気孔49は、上底壁46を容器軸O方向に貫通されている。外筒47は、上底壁46の外周縁部から上方に向けて延びている。本体筒48は、下底壁44から上方に向けて突出している。本体筒48は、容器軸Oと同軸に配置されている。本体筒48は、内筒45よりも小径である。
【0031】
シリンダ35には、吸込孔50と、後挿通孔51と、が形成されている。吸込孔50は、下底壁44を容器軸O方向に貫通する。吸込孔50は、本体筒48内に連通している。後挿通孔51は、外筒47に形成されている。後挿通孔51は、外筒47において前側に位置する部分に形成されている。後挿通孔51は、外筒47を前後方向に貫通する。
【0032】
吸込弁36は、後述する収容空間75からシリンダ35内への内容物の流入を許容し、シリンダ35内から収容空間75への流出を規制する逆止弁である。吸込弁36は、いわゆる三点弁によって形成されている。吸込弁36は、本体筒48内に配置され、下底壁44に離反自在に着座する。吸込弁36は、下底壁44に着座することで吸込孔50を閉塞し、本体筒48内と収容空間75との連通を遮断する。吸込弁36は、下底壁44から離反することで吸込孔50を開放し、本体筒48内と収容空間75とを連通する。吸込弁36は、本体筒48内に負圧が生じたときに、例えば弾性付勢力に抗して開弁し、それ以外のときには閉弁する。
【0033】
ピストン37は、シリンダ35内(本体筒48内)に上下摺動自在に密に嵌合されている。
ピストン押さえ38は、ピストン37のシリンダ35からの上方への離脱を規制している。ピストン押さえ38の一部は、本体筒48の上端縁から径方向の内側に向けて張り出し、ピストン37に対して上方から係止可能とされている。
【0034】
ピストン押さえ38は、小径部52と、大径部53と、ばね座部54と、押さえ部55と、を備えている。
小径部52は、本体筒48に外嵌されている。大径部53は、内筒45内に配置されており、小径部52を径方向の外側から囲繞している。ばね座部54は、小径部52および大径部53の下端部同士を連結している。押さえ部55は、小径部52の上端部から径方向の内側に向けて突出している。押さえ部55がピストン37に対して上側から係止することで、ピストン37のシリンダ35からの上方への離脱が規制される。
【0035】
ステム39は、上方付勢状態で下方移動自在に配置されている。ステム39は、有底筒状に形成されている。ステム39は、シリンダ35内(本体筒48内)に配置されている。ステム39の下端部には、鍔部56が設けられている。鍔部56は、ステム39から径方向の外側に向けて突出している。鍔部56は、ピストン37の下方に配置されている。ピストン37は、蓋体12と押さえ部55との間に配置されている。鍔部56は、本体筒48内に容器軸O方向に摺動自在に嵌合されている。鍔部56には、第1流通孔57が形成されている。第1流通孔57は、鍔部56を容器軸O方向に貫通する。第1流通孔57は、鍔部56に周方向に間隔をあけて複数配置されている。
【0036】
ステム39の上端部は、本体筒48よりも上方に位置し、外筒47の上端部よりも下方に位置している。ステム39における容器軸O方向の中間部には、第2流通孔58が形成されている。第2流通孔58は、ステム39を径方向に貫通している。第2流通孔58は、周方向に間隔をあけて配置されている。
ステムヘッド40は、ステム39の上端部に装着されている。ステムヘッド40は、有頂筒状に形成されている。ステムヘッド40は、ステム39の上端部に外嵌されている。ステムヘッド40には、第3流通孔59が形成されている。第3流通孔59は、ステムヘッド40を貫通している。第3流通孔59は、ステム39内に連通している。
【0037】
外装部材41は、ステム39に外装されている。外装部材41は、装着筒60と、上フランジ61と、内ガイド筒62と、下フランジ63と、外ガイド筒64と、を備えている。
装着筒60は、ステム39に装着されている。装着筒60は、ステム39に対して容器軸O方向の位置が固定されている。装着筒60は、ステム39および外装部材41が下方移動したときに、ピストン37に上方から当接してピストン37を下方移動させる。
上フランジ61は、装着筒60の上端部から径方向の外側に向けて突出している。上フランジ61は、押さえ部55の上方に位置し、押さえ部55に対して上方から対向している。
【0038】
内ガイド筒62は、上フランジ61の外周縁部から下方に向けて延びている。内ガイド筒62は、小径部52に容器軸O方向に移動自在に外挿されている。
下フランジ63は、内ガイド筒62における容器軸O方向の中間部から径方向の外側に向けて突出している。下フランジ63は、大径部53よりも上方に位置している。下フランジ63の外径は、大径部53の外径と同等である。
外ガイド筒64は、下フランジ63から下方に向けて延びている。外ガイド筒64は、大径部53に容器軸O方向に移動自在に内挿されている。
【0039】
外装部材41には、配置孔65が形成されている。配置孔65は、外装部材41において後側に位置する部分に形成されている。配置孔65は、上フランジ61および内ガイド筒62の両方にわたって一体に形成されている。配置孔65は、内ガイド筒62のうち、下フランジ63よりも上側に位置する部分に配置されている。配置孔65は、外装部材41を左右方向に貫通する。
【0040】
外装部材41は、被押下部66を更に備えている。被押下部66は、下フランジ63から上方に向けて突出している。被押下部66は、ステム39を前後方向に挟んで一対配置されている。被押下部66は、前側に位置する前被押下部66aと、後側に位置する後被押下部66bと、を備えている。前被押下部66aの後端部は、内ガイド筒62の上端部に連結されている。後被押下部66bは、配置孔65内に配置されている。各被押下部66には、前方を向く第1傾斜面67が形成されている。第1傾斜面67は、後方に向かうに従い上方に向けて延びている。
【0041】
コイルスプリング42は、容器軸O方向に弾性変形可能に配置されている。コイルスプリング42は、被押下部66の下方(真下)に配置されている。これにより、被押下部66が押下されたときに、被押下部66からコイルスプリング42に効果的に圧縮力が伝達される。コイルスプリング42は、ばね座部54と、下フランジ63と、の間に配置されている。コイルスプリング42は、内ガイド筒62と、外ガイド筒64と、の間に挿通されている。
【0042】
吐出ヘッド43は、シリンダ35を上方から覆う。吐出ヘッド43は、有頂筒状に形成されている。吐出ヘッド43は、頂壁部68と、周壁部69と、挿入筒70と、突き当て部71と、を備えている。頂壁部68の外周縁部は、シリンダ35の外筒47の上端開口縁上に配置されている。周壁部69は、頂壁部68の外周縁部から下方に向けて延びている。周壁部69は、外筒47に外嵌されている。周壁部69の下端部は、外筒47よりも下方に位置している。挿入筒70は、容器軸Oと同軸に配置されている。挿入筒70は、ステムヘッド40の外周面と装着筒60の内周面との間に挿入されている。挿入筒70は、装着筒60内に容器軸O方向に摺動可能に密に嵌合されている。突き当て部71は、挿入筒70や外装部材41よりも後方に配置されている。突き当て部71は、頂壁部68から下方に向けて延びている。
【0043】
吐出ヘッド43には、吐出孔72と、前挿通孔73と、が形成されている。吐出孔72は、容器軸Oと同軸に配置されている。吐出孔72は、挿入筒70よりも小径であり、挿入筒70内に連通している。吐出孔72は、ステムヘッド40によって開放可能に閉塞されている。ステムヘッド40は、頂壁部68の下面に離反可能に密に着座している。ステムヘッド40が頂壁部68に着座することで、第3流通孔59と吐出孔72との連通が遮断されている。前挿通孔73は、周壁部69に形成されている。前挿通孔73は、周壁部69において前側に位置する部分に形成されている。前挿通孔73は、周壁部69を前後方向に貫通する。
【0044】
画成筒32は、容器軸O方向に延びている。画成筒32は、シリンダ35と一体に形成されている。画成筒32は、上底壁46から下方に向けて延びている。画成筒32は、内筒45を径方向の外側から囲繞している。
底皿33は、有底筒状に形成されている。底皿33は、画成筒32に外嵌されている。底皿33の底壁部33aの下面は、外殻体21の底面部25の下面と面一とされている。底壁部33aの上面とシリンダ35の下底壁44の下面との間には、連通隙間74が設けられている。連通隙間74は、吸込孔50に連通している。
中皿34は、画成筒32内に容器軸O方向に摺動自在に嵌合されている。中皿34は、環状に形成され、画成筒32内に密に嵌合されている。中皿34は、シリンダ35の内筒45に密に外嵌されている。中皿34は、画成筒32の上端部内に配置され、画成筒32内を下方移動可能である。
【0045】
付け替え部22には、収容空間75が設けられている。収容空間75は、内容物を収容し内容物の減少に伴い減容する。収容空間75は、画成筒32の内部に画成される。本実施形態では、収容空間75は、画成筒32の内周面と、内筒45の外周面と、中皿34の下面と、底皿33の底壁部33aの上面と、の間に画成されている。
【0046】
収容空間75は、周方向に延びる環状に形成されている。収容空間75は、ステム39を径方向の外側から囲繞するように配置されている。ステム39は、収容空間75に対して、径方向(収容空間75の径方向)の内側に配置されている。収容空間75は、連通隙間74を通して吸込孔50に連通している。
【0047】
収容空間75は、中皿34が画成筒32内を容器軸O方向に摺動(本実施形態では、下方移動)することで減容する。中皿34が下方移動すると、中皿34の上面と、シリンダ35の上底壁46の下面と、の間の空気空間76が拡大する。空気空間76には、空気孔49を通して外気が導入される。
【0048】
蓋体12は、容器本体11に連結されている。蓋体12、容器本体11を開放可能に閉塞している。蓋体12は、有頂筒状に形成されている。蓋体12は、天壁部77と、蓋周壁78と、を備えている。
天壁部77は、蓋体12の閉状態において吐出ヘッド43の頂壁部68に上方から対向している。天壁部77の下面には、鏡体79が固定されている。
蓋周壁78は、天壁部77の外周縁部から下方に向けて延びている。蓋周壁78には、ヒンジ凸部80と、係止凸部81と、が設けられている。
【0049】
ヒンジ凸部80は、蓋周壁78において後側に位置する部分から下方に向けて延びている。ヒンジ凸部80は、ヒンジ凹部27の左右方向の内側に配置されている。ヒンジ凸部80とヒンジ凹部27とは、左右方向に延びる前記ヒンジ軸15を介して連結されている。ヒンジ凸部80、ヒンジ凹部27およびヒンジ軸15は、前記ヒンジ部14を構成する。
係止凸部81は、蓋周壁78において前側に位置する部分から下方に向けて延びている。係止凸部81は、係止凹部28の左右方向の内側に配置されている。係止凸部81には、第2係止部82と、第1案内面83と、が設けられている。
【0050】
第2係止部82は、第1係止部30に離脱可能に係止されている。第2係止部82は、容器本体11に対する蓋体12の開放動作を規制している。第2係止部82は、係止凸部81から後方に向けて突出している。第2係止部82は、第1係止部30に下側から上側に向けて乗り越え可能に係止している。
第1案内面83は、前方を向く傾斜面である。第1案内面83は、後方に向かうに従い下方に向けて延びている。第1案内面83は、係止凸部81を前後方向に挟んだ第2係止部82の反対側に位置している。
【0051】
押釦体13は、容器本体11または蓋体12に、径方向の内側に向けて移動自在に配置されている。本実施形態では、押釦体13は、容器本体11に後側に向けて移動自在に配置されている。押釦体13は、付け替え部22に装着されている。
図1および図3に示すように、押釦体13は、操作部84と、側部85と、押下部86と、規制部87と、弾性片89と、を備えている。
【0052】
操作部84は、係止凹部28に配置されている。操作部84には、案内凸部90が設けられている。案内凸部90は、操作部84から後方に向けて突出している。案内凸部90には、第2案内面91が設けられている。第2案内面91は、後方を向く傾斜面である。第2案内面91は、後方に向かうに従い下方に向けて延びている。
側部85は、操作部84の左右方向の両端部から後方に向けて延びている。側部85は、左右方向に間隔をあけて一対配置されている。側部85は、前挿通孔73および後挿通孔51を通して吐出ヘッド43内(吐出器31内)に配置されている。
【0053】
押下部86は、外装部材41を押下する。押下部86は、ステム39を前後方向(押釦体13が押し込まれる径方向)に挟んで一対配置されている。押下部86は、前側に位置する前押下部86aと、後側に位置する後押下部86bと、を備えている。前押下部86aは、前被押下部66aに前方から対向している。後押下部86bは、後被押下部66bに前方から対向している。後押下部86bは、配置孔65内に配置されている。各押下部86には、後方を向く第2傾斜面92が形成されている。第2傾斜面92は、後方に向かうに従い上方に向けて延びている。
【0054】
規制部87は、押釦体13の後側への過度の移動を規制する。規制部87は、左右一対の側部85における後端部同士を連結している。規制部87は、突き当て部71に前方から対向している。
図3に示すように、弾性片89は、側部85から左右方向の外側に突出している。弾性片89は、前後方向に弾性変形可能である。弾性片89は、突き当て部71に前方から対向している。
【0055】
次に、前記コンパクト容器10の作用について説明する。
【0056】
図1および図3に示すように、押釦体13を後方に向けて押し込む前には、押釦体13は初期位置P0に位置している。押釦体13が初期位置P0に位置している状態で、蓋体12は閉状態であり第2係止部82は第1係止部30に係止している。第1案内面83と第2案内面91との前後方向の間隔は、第1傾斜面67と第2傾斜面92との前後方向の間隔よりも狭い。規制部87および弾性片89は、突き当て部71から前方に離間している。
【0057】
図4から図6に示すように、押釦体13は、後側(径方向の内側)に向けて押し込まれることで、第2係止部82を第1係止部30から離脱させるとともにステム39を下方移動させる。本実施形態では、押釦体13は、図4および図5に示すように、後側に向けて離脱位置P1まで押し込まれたときに第2係止部82を第1係止部30から離脱させる。押釦体13は、図6に示すように、離脱位置P1よりも後側に向けて押下位置P2まで押し込まれたときにステム39を下方移動させる。
【0058】
図4および図5に示すように、押釦体13が離脱位置P1まで押し込まれるときには、第1案内面83と第2案内面91とが摺接し、係止凸部81が案内凸部90によって上方に向けて案内される。その結果、第2係止部82が第1係止部30を上方に乗り越える。これにより、容器本体11に対する蓋体12の開放動作の規制が解除される。このとき、付勢部材29が蓋体12を後側に付勢することで、蓋体12がヒンジ軸15回りの開放側に回動する。
なお、押釦体13を操作する使用者は、第2係止部82が第2係止部82を乗り越えることによるクリック感を得ることで、押釦体13が離脱位置P1に到達したタイミングを認識することができる。
【0059】
蓋体12の離脱位置P1では、第1傾斜面67と第2傾斜面92とが当接している。また図5に示すように、弾性片89が突き当て部71に当接し、弾性片89が前後方向に弾性変形させられている。
その後、押釦体13が押下位置P2まで押し込まれるときには、図6に示すように、第1傾斜面67と第2傾斜面92とが摺接し、被押下部66が押下部86によって下方に向けて押下される。これにより、外装部材41がコイルスプリング42を容器軸O方向に圧縮変形させながら下方移動する。
【0060】
このとき、ステム39も、外装部材41に連係して下方移動する。ステム39の下方移動に伴って、装着筒60がピストン37に係止してピストン37がシリンダ35内(本体筒48内)で下方移動し、シリンダ35内が加圧される。すると、シリンダ35内の内容物が第1流通孔57、ステム39の外周面とピストン37の内周面との間、第2流通孔58、ステム39内、第3流通孔59および挿入筒70内を通して吐出孔72から吐出される。内容物は、吐出ヘッド43の頂壁部68上に吐出される。なお、押釦体13が最後端位置まで押し込まれると、規制部87が突き当て部71に突き当たり、押釦体13の更なる後方移動が規制される。
【0061】
押釦体13の押し込みを解除すると、弾性片89の弾性復元力により、押釦体13が前方に向けて復元変位する。またこのとき、コイルスプリング42の弾性復元力により、ステム39が、外装部材41とともに上方に向けて復元変位する。この過程で、鍔部56がピストン37をシリンダ35内で引き上げることで、シリンダ35内が負圧となる。すると、吸込弁36が吸込孔50を開放し、収容空間75内の内容物が、連通隙間74および吸込孔50を通してシリンダ35内に吸い込まれる。このとき、収容空間75は減容され、空気空間76が拡大する。
押釦体13の押し込みを解除した後、例えば、使用者は、蓋体12をヒンジ軸15回りに回動させて蓋体12を開状態とする。その後、使用者は、吐出ヘッド43上に吐出された内容物を、例えば、パフ等の図示しない塗布具により拭い取り使用する。
【0062】
以上説明したように、本実施形態に係るコンパクト容器10によれば、押釦体13を後側(径方向の内側)に向けて押し込むことで、第2係止部82を第1係止部30から離脱させ、蓋体12を開放することができる。また、ステム39を下方移動させて吐出器31を作動させ、内容物を吐出孔72から吐出することができる。ここで、従来のコンパクト容器に単に吐出器を適用した構成では、押釦体13を前後方向(径方向)に押し込んで蓋体12を開放した後、ステム39を上方から押し込んで内容物を吐出させることとなる。これに対して、このコンパクト容器10では、使用者が、押し込み操作の方向性を変えることなく、単に所定の方向に向けて押し込み操作を実施することで、蓋体12の開放および内容物の吐出を実現することができる。これにより、操作性を高めることができる。
また、内容物の使用時には、吐出器31の作動によって収容空間75(容器本体11内)から所定量の内容物が吐出される。したがって、例えば、内容物が過度に吐出されること等がなく、内容物を適量、使用することができる。
【0063】
また、内容物の減少に伴い収容空間75が減容する。したがって、吐出孔72から吐出されずに収容空間75内に収容されている内容物を、外気から保護し易くすることが可能になり、内容物の意図しない乾燥を抑えることができる。
さらに、内容物の減少に伴い収容空間75が減容する。したがって、収容空間75内の内容物が少なくなっても、吐出器31が内容物を吐出し易い。その結果、内容物が容器本体11内に残存した状態で吐出器31が内容物を吐出不能になる状況の発生を抑え、容器本体11内の内容物の残量を低減することができる。
【0064】
また、中皿34が画成筒32内を容器軸O方向に摺動することで収容空間75が減容する。したがって、収容空間75内の内容物を中皿34の移動によって吐出器31に供給し易くすることが可能になり、容器本体11内の内容物の残量をより低減することができる。
また、ステム39が、収容空間75に対して、収容空間75の径方向の内側に配置されている。したがって、ステム39および収容空間75の容器軸O方向の位置を重複させることができる。これにより、ステム39および収容空間75全体の容器軸O方向の省スペース化を図ることが可能になり、容器本体11の容器軸O方向の大きさを小さくすることができる。
【0065】
また、押釦体13が、離脱位置P1まで押し込まれたときに第2係止部82を第1係止部30から離脱させ、開放位置から押下位置P2まで更に押し込まれたときにステム39を下方移動させる。したがって、押釦体13の押し込み量を変更することで、単に蓋体12の開放動作の規制を解除するだけか、規制を解除した後に内容物の吐出まで実施するかを調整することができる。これにより、コンパクト容器10の利便性を向上させることができる。例えば本実施形態のように、蓋体12に鏡体79が配置されている場合であって、内容物を使用せずに鏡体79のみを使用したい場合には、押釦体13を押下位置P2までは移動させずに離脱位置P1まで移動させることで、内容物の不要な吐出を回避することができる。
【0066】
また、押下部86が、ステム39を前後方向、つまり押釦体13が押し込まれる方向に挟んで一対配置されている。したがって、押釦体13を押し込んで外装部材41を介してステム39を下方移動させるときに、一対の押下部86によってステム39を安定に下方移動させることができる。これにより、コンパクト容器10の操作性をより高めることができる。
また、容器本体11が、付け替え部22と外殻体21を備えている。したがって、収容空間75内(容器本体11内)の内容物を使い終えた後、外殻体21から付け替え部22を離脱させて新たな付け替え部22を装着させることで、内容物の詰め替えをすることができる。このとき、押釦体13が付け替え部22に装着されていることから、内容物の詰め替えにあわせて押釦体13も交換することができる。
【0067】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0068】
鏡体79や付勢部材29がなくてもよい。
容器本体11が付け替え部22を備えず、内容物が詰め替え可能でなくてもよい。
押下部86が前後方向に一対配置されていなくてもよい。
【0069】
前記実施形態では、押釦体13が、径方向の内側に向けて押し込まれる過程で、第2係止部82を第1係止部30から離脱させた後、ステム39を下方移動させるが、本発明はこれに限られない。例えば、押釦体13が、第2係止部82を第1係止部30から離脱させながら、ステム39を下方移動させてもよい。
【0070】
前記実施形態では、ステム39が、収容空間75に対して、収容空間75の径方向の内側に配置されているが、本発明はこれに限られない。例えば、ステム39と収容空間75とが、容器軸O方向に完全にずらされていてもよい。
【0071】
前記実施形態では、中皿34が画成筒32内を容器軸O方向に摺動することで収容空間75が減容するが、本発明はこれに限られない。例えば、容器本体11が、可撓性に富む減容変形可能な袋体を備え、収容空間75が、袋体の内部によって形成されていてもよい。この種の容器本体11としては、いわゆるデラミ容器などが挙げられる。また容器本体11内が、内容物の減少に伴い減容しなくてもよく、その場合、吐出器31として、容器本体11内(収容空間75)を減容させずに内容物を吐出する構成を採用してもよい。
【0072】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0073】
10 コンパクト容器
11 容器本体
12 蓋体
13 押釦体
21 外殻体
22 付け替え部
30 第1係止部
31 吐出器
32 画成筒
34 中皿
39 ステム
75 収容空間
82 第2係止部
86 押下部
O 容器軸
P1 離脱位置
P2 押下位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6