特許 6846494 ノズル着脱装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B1)

(11)【特許番号】6846494

(24)【登録日】2021年3月3日

(45)【発行日】2021年3月24日

(54)【発明の名称】ノズル着脱装置

(51)【国際特許分類】

   A63F 5/04 20060101AFI20210315BHJP

【ＦＩ】

   A63F5/04 691C

   A63F5/04 691D

【請求項の数】2

【全頁数】8

(21)【出願番号】特願2019-195958(P2019-195958)

(22)【出願日】2019年10月29日

【審査請求日】2020年3月2日

(73)【特許権者】

【識別番号】302038154

【氏名又は名称】宮本 成容

(74)【代理人】

【識別番号】110000051

【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】宮本 成容

【審査官】 高木 亨

(56)【参考文献】

【文献】 特開２０１８−１１４１７２（ＪＰ，Ａ）

【文献】 登録実用新案第３１５１３２２（ＪＰ，Ｕ）

(58)【調査した分野】（Int.Cl.，ＤＢ名）

Ａ６３Ｆ ５／０４

Ａ６３Ｆ ７／０２

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

パチスロ機のメダル取込み口にノズル部を着脱可能に取付ける取付け部を備えるノズル着脱装置であって、
前記取付け部が、横連結部材の両端に設けられ、パチスロ機の背面を挟み込む左係止部材及び右係止部材と、前記横連結部材に取り付けられ、前記ノズル部が固定される位置調節板と、前記左係止部材と前記右係止部材に付勢するばねと、前記ばねを伸縮させて前記パチスロ機と前記取付け部の着脱を行なう操作レバーと、からなることを特徴とするノズル着脱装置。

【請求項2】

前記位置調節板が、前記横連結部材に左右位置調節可能に取り付けられることを特徴とする請求項１に記載のノズル着脱装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、ノズル着脱装置に係り、より詳細には、パチスロ機のメダル取込み口にノズルを着脱可能に装着できるノズル着脱装置に関する。

【背景技術】

【0002】

特許文献１には、遊技機のメダル補給装置が開示されている。遊技機が背中合わせに並ぶ島上部にはメダル補給装置が設けられ、レール上をメダルが積載されたバケットが走行し、指定された遊技機の上部に来ると、バケットの扉が開いてメダルがホッパーに投入される。ホッパーのメダルは、ジャバラホース（２ａ）を通過して遊技機のメダル取込み口に送り込まれる。

【0003】

遊技機のメダル取込み口には、図８に示すように、ジャバラホースが挿入される筒部とノズル部を備える連結用金具がビスで取付けられる。ビスによる取り付けは、新台入れ替え時に、旧台からの取り外しと新台への取り付けが発生して、時間と手間がかかる。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0004】

【特許文献1】実開平５−７６４９０号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

本発明の目的は、パチスロ機背面のメダル取込み口に着脱可能に装着できるノズル着脱装置を提供することにある。

【課題を解決するための手段】

【0006】

本発明によるノズル着脱装置は、パチスロ機のメダル取込み口にノズル部を着脱可能に取付ける取付け部を備えるノズル着脱装置であって、前記取付け部が、横連結部材の両端に設けられ、パチスロ機の背面を挟み込む左係止部材及び右係止部材と、前記横連結部材に取り付けられ、前記ノズル部が固定される位置調節板と、前記左係止部材と前記右係止部材に付勢するばねと、前記ばねを伸縮させて前記パチスロ機と前記取付け部の着脱を行なう操作レバーと、からなることを特徴とする。

【0007】

前記位置調節板は、前記横連結部材に左右位置調節可能に取り付けられることを特徴とする。

【発明の効果】

【0008】

本発明によるノズル着脱装置によれば、ノズル部を固定して、パチスロ機に着脱可能に取り付けられる取付け部を設けたので、新台入れ替え時、旧台からのノズル部の取り外しと新台への取り付けが容易にできる。取付け部にパチスロ機の背面を挟み込む左係止部材と右係止部材を設け、ばねと操作レバーで動かすようにしたので、ワンタッチの着脱ができる。ビスやクギで固定する場合に比べて、取付け取り外しが極めて容易である。

【0009】

位置調節板が、横連結部材に左右位置調節可能に取り付けられるので、ノズル部の位置をパチスロ機のメダル取込み口に合わせることができる。

【図面の簡単な説明】

【0010】

【図1】本発明のノズル着脱装置をパチスロ機６の背面図で示す。

【図2】本発明のノズル着脱装置をパチスロ機の平面図で示す。

【図3】ノズル着脱装置の左係止部材付近を示す斜視図である。

【図4】筒用バンドと形状変換バンドの部品図である。

【図5】位置調節板の構成図である。

【図6】本発明のノズル着脱装置の取付け状態を示す図である。

【図7】本発明のノズル着脱装置の取付け状態を示す図である。

【図8】従来のメダル取込み口に取り付けられる連結用金具の例である。

【発明を実施するための形態】

【0011】

以下、図面を参照して、本発明によるノズル着脱装置を詳しく説明する。

【0012】

図１に、本発明のノズル着脱装置１００をパチスロ機６の背面図で示す。ノズル着脱装置１００は、取付け部１５が、横連結部材２０と、右係止部材２１と、左係止部材２２と、位置調節板２３と、ばね２５と、ばね２５を伸縮させる操作レバー２４（図２参照）と、からなる。操作レバー２４の操作でカム２７が回動してばねを伸縮させる。カム２７によらずテコでもよい。ばね２５は、第１ばね２５ａと第２ばね２５ｂを直列に繋いだ。第１ばね２５ａの径は、第２ばね２５ｂよりも細い。第１ばね２５ａは、左係止部材２２を大きく押し戻すために使用する。第２ばね２５ｂは、操作レバー操作で左係止部材２２を筐体にきつく挟み込むために使用する。取付け部１５が右係止部材２１と左係止部材２２で、パチスロ機６筐体の背面を挟み込むので、メダル取込み口７からノズル部１４が抜けないように保持できる。右係止部材２１と左係止部材２２は縦の長さＬを有しており、確実に挟み込める。

【0013】

本実施例では、筒部は第１筒部１１と第２筒部１２と、第３筒部１３からなる。図１では、第１筒部１１が第２筒部１２にスライド可能に挿入され、第１筒部１１の大部分が、第２筒部１２の中にある。ジャバラ固定バンド１９で挿入したジャバラホース１０が第１筒部１１から抜け出ないように固定する。第１筒部１１のジャバラホース１０が挿入される箇所には複数のスリットが設けられ、締め付けで折れ曲がるので、ジャバラホース１０が抜けないようにできる。

【0014】

図１に示すように、第２筒部１２の下側には、短い第３筒部１３が連結されている。第３筒部１３は、上部が斜めに切断されており、背面視で楕円形に見える。第３筒部１３は第２筒部１２をピン２８で傾斜可能（図６参照）に支持している。第３筒部１３は、筒用バンド１６、１７で、回動可能かつ上下動不可に位置調節板２３に取り付けられる。本実施例では筒用バンド１６、１７の２本を使用したが、幅の太いバンド１本でもよい。上下動不可とするため、第３筒部１３には、バンドの幅で溝が設けられる。もしくは突起を設けてもよい。第３筒部１３の下側には、ノズル部１４が設けられる。形状変換バンド１８は、第３筒部１３の下が円形で、ノズル部１４の上部が矩形であるため、断面の形状をなだらかに変換する部材として設けた。ノズル部１４の上部を第３筒部１３の形状に整合するなら、形状変換バンド１８はなくてもよい。なお、位置調節板２３は、長孔９が設けられ、横連結部材２０に左右位置調節可能に取り付けられる。

【0015】

図２に、本発明のノズル着脱装置をパチスロ機１００の平面図で示す。右係止部材２１と左係止部材２２は、Ｌ形の金具で、パチスロ機６の背面を挟み込む。操作レバー２４を一方に回動すると、カム２７が回り、左係止部材２２を右係止部材２１の方向に押し込むことができる。操作レバー２４を他方に回動すると、カム２７が元に戻り、左係止部材２２を右係止部材２１から離れる方向（図２の左方向）に戻される。第２筒部１２の径は、第１筒部１１の径より太く、第３筒部１２の径は第２筒部１１の径より太い。第３筒部１３は第２筒部１２をピン２８で傾斜可能に支持している。

【0016】

図３は、ノズル着脱装置１００の左係止部材２２付近を示す斜視図である。円Ｃ１と円Ｃ２に、カム２７と操作レバー２４の関係を示す。操作レバー２４は、レバー軸２４ａを中心に反対側にカム２７が設けられる。Ｃ１に示すように、操作レバー２４が下方向を向いている場合は、左係止部材２２がパチスロ機の背面を挟み込んでいない。その場合、ノズル着脱装置１００をパチスロ機６から離すことができる。Ｃ２に示すように、操作レバー２４が水平方向を向いている場合は、左係止部材２２がパチスロ機の背面を挟み込む。

【0017】

図４は、筒用バンド１６、１７と、形状変換バンド１８の部品図である。筒用バンド１６、１７は、半円形で、第３筒部１３を回動可能に位置調節板２３に支持する。形状変換バンド１８は上部が大きな矩形で、下部がやや小さな矩形で、位置調節板２３に固定され、断面が円形から矩形の形状変換を行なう部材として使用している。

【0018】

図５は、位置調節板２３の構成図である。位置調節板２３は、上部取付け板２３ａ、バンド取付け板２３ｂ、及び底部取付け板２３ｃの３枚の板材からなる。これに限らず１枚の板で構成してもよい。位置調節板２３は、長孔９が設けられ、横連結部材２０に左右位置調節可能に取り付けられる。

【0019】

図６は、本発明のノズル着脱装置１００の取付け状態を示す図である。図６は、パチスロ機６が、壁９を背にして島１に設置された例である。パチスロ機６は、脚部４の上側のテーブル５に設置される。島枠上部２には、メダル供給ライン３が構築されている。メダルを積載したバケットがレール上を走行し、指定されたパチスロ機６のジャバラホース１０にメダルを供給する。図６に示すように、パチスロ機６が引き出されていない状態（通常状態）では、第１筒部１１と第２筒部１２が少し傾いた状態にある。第１筒部１１は、スライドして大部分が第２筒部１２の内部に収納される。ジャバラホース１０の下端は、第１筒部１１の内部を通して、第１筒部１１の下端で固定している。ノズル部１４は、メダル取り込み口７に挿入された状態にある。

【0020】

図７は、本発明のノズル着脱装置１００の取付け状態を示す図である。図７のパチスロ機６は、正面側に引き出され、正面側の下部の１点をピボットにして約９０°回動させた状態にある。第２筒部１２には、第１筒部１１がスライド可能に挿入されるので、第１筒部１１が第２筒部１２からスライドして、より大きく伸び出ている。第３筒部１３は、第２筒部１２を回動可能に支持しているので、図７に示すように、パチスロ機６が回動しても右方向に傾斜を維持できる。ノズル着脱装置１００の取付け部１５は、パチスロ機６が正面側に引き出され、回動されても、ノズル部１４をメダル取り込み口７に挿入した状態で維持できる。

【0021】

本実施例では、筒部が、第１筒部１１と、第２筒部１２と、第３筒部１３と、からなり、ジャバラホース１０の一端が第１筒部１１に連結されるとしたが、図８に示すようなジャバラホース１０を筒部に挿入するだけの構成に適用しても、ビス固定による手間のかかる作業から解放される。

【0022】

本発明によるノズル着脱装置１００によれば、
（１）着脱可能な取付け部を設けたので、ノズル部の取り外しと取り付けが極めて容易にできる。
（２）パチスロ機背面を挟み込む左係止部材と右係止部材を設け、ばねと操作レバーで動かすようにしたので、ワンタッチの着脱ができる。

【産業上の利用可能性】

【0023】

本発明は、パチスロ機のノズル着脱装置として好適である。

【符号の説明】

【0024】

１ 島
２ 島枠上部
３ メダル供給ライン
４ 脚部
５ テーブル
６ パチスロ機
７ メダル取込み口
８ 壁
９ 長孔
１０ ジャバラホース
１０ａ ホース端部
１１ 第１筒部
１２ 第２筒部
１３ 第３筒部
１４ ノズル部
１５ 取付け部
１６、１７ 筒用バンド
１８ 形状変換バンド
１９ ジャバラ固定バンド
２０ 横連結部材
２１ 右係止部材
２２ 左係止部材
２３ 位置調節板
２３ａ 上部取付け板
２３ｂ バンド取付け板
２３ｃ 底部取付け板
２４ 操作レバー
２４ａ レバー軸
２５ ばね
２５ａ 第１ばね
２５ｂ 第２ばね
２７ カム
２８ ピン
１００ ノズル着脱装置

【要約】

【課題】メダル取込み口に着脱可能に装着できるノズル着脱装置を提供する。
【解決手段】パチスロ機のメダル取込み口にノズル部を着脱可能に取付ける取付け部を備えるノズル着脱装置であって、取付部が、横連結部材の両端に設けられ、パチスロ機の背面を挟み込む左係止部材及び右係止部材と、横連結部材に取り付けられ、ノズル部が固定される位置調節板と、左係止部材と前記右係止部材に付勢するばねと、ばねを伸縮させて着脱を行なう操作レバーと、からなる。
【選択図】図１

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】