特許第6846516号(P6846516)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6846516微細凹凸パターン付き基板の製造方法、樹脂組成物および積層体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6846516
(24)【登録日】2021年3月3日
(45)【発行日】2021年3月24日
(54)【発明の名称】微細凹凸パターン付き基板の製造方法、樹脂組成物および積層体
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20210315BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20210315BHJP
   B29C 59/02 20060101ALI20210315BHJP
   C08G 61/08 20060101ALI20210315BHJP
【FI】
   H01L21/302 105A
   H01L21/30 502D
   B29C59/02 Z
   C08G61/08
【請求項の数】14
【全頁数】52
(21)【出願番号】特願2019-523538(P2019-523538)
(86)(22)【出願日】2018年6月5日
(86)【国際出願番号】JP2018021487
(87)【国際公開番号】WO2018225707
(87)【国際公開日】20181213
【審査請求日】2019年8月30日
(31)【優先権主張番号】特願2017-114363(P2017-114363)
(32)【優先日】2017年6月9日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005887
【氏名又は名称】三井化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】小田 隆志
(72)【発明者】
【氏名】大喜田 尚紀
(72)【発明者】
【氏名】茅場 靖剛
【審査官】 鈴木 聡一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−005207(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/024421(WO,A1)
【文献】 特開2014−196284(JP,A)
【文献】 特開2009−119694(JP,A)
【文献】 特開2012−149151(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/098102(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 53/00−53/84
B29C 57/00−59/18
C08G 2/00−2/38
C08G 61/00−61/12
H01L 21/027
H01L 21/30
H01L 21/302
H01L 21/3065
H01L 21/46−21/461
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に微細凹凸パターンを有する基板を製造するための製造方法であって、
基板と、前記基板上に設けられ、かつ、表面に第1の微細凹凸パターンが形成された第1の樹脂層と、を備える積層体を準備する工程(a)と、
前記第1の樹脂層をマスクとして、前記第1の微細凹凸パターンの表面をエッチングすることで、前記第1の微細凹凸パターンに対応する第2の微細凹凸パターンを前記基板の表面に形成する工程(b)と、を備え、
前記第1の樹脂層がフッ素含有環状オレフィンポリマー(A)を含む樹脂組成物(P)または前記樹脂組成物(P)の硬化物により構成される微細凹凸パターン付き基板の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の微細凹凸パターン付き基板の製造方法において、
前記フッ素含有環状オレフィンポリマー(A)は下記一般式(1)で表される繰返し構造単位を含む微細凹凸パターン付き基板の製造方法。
【化1】
(前記一般式(1)中、R〜Rのうち少なくとも1つが、フッ素、フッ素を含有する炭素数1〜10のアルキル基、フッ素を含有する炭素数1〜10のアルコキシ基およびフッ素を含有する炭素数2〜10のアルコキシアルキル基から選択される有機基である。R〜Rがフッ素を含有しない基である場合、R〜Rは、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基および炭素数2〜10のアルコキシアルキル基から選択される有機基である。R〜Rは同一でも異なっていてもよい。R〜Rが互いに結合して環構造を形成していてもよい。nは0〜2の整数を表す。)
【請求項3】
請求項1または2に記載の微細凹凸パターン付き基板の製造方法において、
前記樹脂組成物(P)は光硬化性化合物(B)および光硬化開始剤(C)をさらに含む微細凹凸パターン付き基板の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の微細凹凸パターン付き基板の製造方法において、
前記樹脂組成物(P)中の前記フッ素含有環状オレフィンポリマー(A)の含有量と前記光硬化性化合物(B)の含有量との質量比((A)/(B))が1/99以上99/1以下である微細凹凸パターン付き基板の製造方法。
【請求項5】
請求項3または4に記載の微細凹凸パターン付き基板の製造方法において、
前記光硬化性化合物(B)がカチオン重合可能な開環重合性化合物を含む微細凹凸パターン付き基板の製造方法。
【請求項6】
請求項3乃至5のいずれか一項に記載の微細凹凸パターン付き基板の製造方法において、
前記フッ素含有環状オレフィンポリマー(A)を含む樹脂組成物(P)の表面張力が20mN/m以上60mN/m以下であり、
前記工程(a)が、インクジェットコート法を用いて、前記基板上に前記樹脂組成物(P)を塗布して前記第1の樹脂層を形成する工程を含む微細凹凸パターン付き基板の製造方法。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の微細凹凸パターン付き基板の製造方法において、
前記工程(a)が、
前記基板上に設けられた前記フッ素含有環状オレフィンポリマー(A)を含む第1の樹脂層に、微細凹凸パターンを有するモールドを圧着させることによって、前記微細凹凸パターンに対応する微細凹凸パターンを前記第1の樹脂層の表面に形成する工程(a1)を含む、微細凹凸パターン付き基板の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の微細凹凸パターン付き基板の製造方法において、
前記工程(a)が、
前記第1の微細凹凸パターンを前記第1の樹脂層の表面に形成した後、光を照射することにより、前記第1の樹脂層を硬化させる工程(a2)と、
前記第1の樹脂層から前記モールドを剥離する工程(a3)と、
をさらに含む微細凹凸パターン付き基板の製造方法。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の微細凹凸パターン付き基板の製造方法において、
前記第2の微細凹凸パターンを構成する凸部の上方に位置する前記第1の樹脂層を除去する工程(c)をさらに含む微細凹凸パターン付き基板の製造方法。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の微細凹凸パターン付き基板の製造方法において、
前記基板が石英基板、シリコン基板、ニッケル基板、アルミニウム基板およびサファイア基板から選択される微細凹凸パターン付き基板の製造方法。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の微細凹凸パターン付き基板の製造方法における前記第1の樹脂層を形成するための樹脂組成物であって、
フッ素含有環状オレフィンポリマー(A)を含む樹脂組成物。
【請求項12】
請求項11に記載の樹脂組成物であって、
下記の方法1により測定されるOガスのエッチングレート(O)と、CHFガスのエッチングレート(CHF)との比((O)/(CHF))が1以上100以下である樹脂組成物。
(方法1:前記樹脂組成物を硬化後の厚みが200nm以上350nm以下の範囲になるようにシリコンウェハー上に塗布した後、得られた塗布膜を硬化させる。次いで、得られた硬化膜に対し、Oガスプラズマエッチングを10秒、20秒および30秒でそれぞれ実施し、前記Oガスプラズマエッチングによる前記硬化膜の膜厚の減少量を算出し、横軸に時間(sec)、縦軸に減少膜厚量(nm)をプロットし、得られたグラフの傾きから、前記Oガスのエッチングレート(O)(nm/sec)を算出する。同様に、得られた硬化膜に対し、CHFガスプラズマエッチングを30秒、60秒および90秒でそれぞれ実施し、前記CHFガスプラズマエッチングによる前記硬化膜の膜厚の減少量を算出し、横軸に時間(sec)、縦軸に減少膜厚量(nm)をプロットし、得られたグラフの傾きから、前記CHFガスのエッチングレート(CHF)(nm/sec)を算出する。)
【請求項13】
請求項11または12に記載の樹脂組成物であって、
表面張力が20mN/m以上60mN/m以下である樹脂組成物。
【請求項14】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の微細凹凸パターン付き基板の製造方法における前記積層体であって、
基板と、前記基板上に設けられ、かつ、表面に第1の微細凹凸パターンが形成された第1の樹脂層と、を備え、
前記第1の樹脂層がフッ素含有環状オレフィンポリマー(A)を含む樹脂組成物(P)または前記樹脂組成物(P)の硬化物により構成される積層体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細凹凸パターン付き基板の製造方法、樹脂組成物および積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
基板の表面に微細凹凸パターンを形成する方法として、フォトリソグラフィ法やナノインプリントリソグラフィ法が知られている。フォトリソグラフィ法は装置が高価であり、プロセスが複雑であるのに対し、ナノインプリントリソグラフィ法は簡便な装置とプロセスによって基板の表面に微細凹凸パターンを作製することができるという利点を有している。また、ナノインプリントリソグラフィ法は、比較的幅が広く、深い凹凸構造やドーム状、四角錐、三角錐等の多様な形状を形成するのに好ましい方法とされている。
ナノインプリントリソグラフィ法を用いた基板への微細凹凸パターンの形成方法は、例えば、表面にナノメートルオーダーの微細凹凸パターンを有するモールドを用いて、基板上に形成された樹脂層(レジスト層とも呼ぶ。)に微細凹凸パターンを転写し、次いで、得られた微細凹凸パターンを有する樹脂層をマスクとして上記基板をエッチングし、上記基板上に微細凹凸パターンを付与する方法である。
【0003】
このようなナノインプリントリソグラフィ法を用いた基板への微細凹凸パターンの形成方法に関する技術としては、例えば、特許文献1(特開2010−284970号公報)および特許文献2(特開2015−71741号公報)に記載のものが挙げられる。
【0004】
特許文献1には、超分岐ポリウレタンオリゴマーと、ペルフルオロポリエーテルと、メタクリル酸メチル樹脂と、有機希釈剤と、を含むナノインプリントのレジストを基板の一つ表面に塗布してレジスト層を形成するステップと、一つ表面がナノレベルのパターンを有する金型を提供し、上記ナノレベルのパターンを上記レジスト層に転写するステップと、上記ナノレベルのパターンに対応して上記基板を加工し、該基板の上記一つの表面に上記ナノレベルのパターンを形成するステップと、を含むことを特徴とするナノインプリントの方法が記載されている。
【0005】
特許文献2には、硬化成分として2個以上のエチレン性不飽和基を有する多官能不飽和化合物(A)及び2個以上のチオール基を有する多官能チオール化合物(B)を含むとともに、重量平均分子量が12,000以下であって、かつフッ素原子を実質的に有さない重合体(C)を含む、硬化性組成物を基板上に塗布して被転写層を形成する工程と、上記被転写層にモールドを圧接する工程と、上記モールドを圧接した後に上記被転写層に光照射する工程と、該光照射の後に上記モールドを上記被転写層から引き離し、次いで上記被転写層をマスクとして上記基板をエッチングする工程と、を含むパターン形成方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−284970号公報
【特許文献2】特開2015−71741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者らの検討によれば、ナノインプリントリソグラフィ法を用いた基板への微細凹凸パターンの形成方法に関し、モールド表面の微細凹凸パターンを転写できる樹脂層はエッチング性に劣る場合があることを知見した。この場合、樹脂層の下方に位置する基板を所望の形状にエッチングすることができない場合がある。すなわち、基板の表面に微細凹凸パターンを精度よく形成することができなくなってしまう場合がある。特に樹脂層が比較的厚い場合にその傾向が顕著な傾向があることが分かってきた。
一方で、より精度が高く、幅、深さの自由度が高い凹凸形状の基板が求められている。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、微細凹凸パターンの寸法精度に優れた基板を得ることが可能な微細凹凸パターン付き基板の製造方法およびこの製造方法に用いる樹脂組成物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を重ねた。その結果、フッ素含有環状オレフィンポリマーを含む樹脂層が、モールド表面の微細凹凸パターンを高い精度で転写できるとともに、エッチング耐性やエッチングの制御性に優れていることを見出した。すなわち、様々な精度の高い凹凸形状を有する基板を製造し得ることを見出して、本発明を完成させた。
【0010】
本発明によれば、以下に示す微細凹凸パターン付き基板の製造方法、樹脂組成物および積層体が提供される。
【0011】
[1]
表面に微細凹凸パターンを有する基板を製造するための製造方法であって、
基板と、上記基板上に設けられ、かつ、表面に第1の微細凹凸パターンが形成された第1の樹脂層と、を備える積層体を準備する工程(a)と、
上記第1の樹脂層をマスクとして、上記第1の微細凹凸パターンの表面をエッチングすることで、上記第1の微細凹凸パターンに対応する第2の微細凹凸パターンを上記基板の表面に形成する工程(b)と、を備え、
上記第1の樹脂層がフッ素含有環状オレフィンポリマー(A)を含む樹脂組成物(P)または上記樹脂組成物(P)の硬化物により構成される微細凹凸パターン付き基板の製造方法。
[2]
上記[1]に記載の微細凹凸パターン付き基板の製造方法において、
上記フッ素含有環状オレフィンポリマー(A)は下記一般式(1)で表される繰返し構造単位を含む微細凹凸パターン付き基板の製造方法。
【化1】
(上記一般式(1)中、R〜Rのうち少なくとも1つが、フッ素、フッ素を含有する炭素数1〜10のアルキル基、フッ素を含有する炭素数1〜10のアルコキシ基およびフッ素を含有する炭素数2〜10のアルコキシアルキル基から選択される有機基である。R〜Rがフッ素を含有しない基である場合、R〜Rは、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基および炭素数2〜10のアルコキシアルキル基から選択される有機基である。R〜Rは同一でも異なっていてもよい。R〜Rが互いに結合して環構造を形成していてもよい。nは0〜2の整数を表す。)
[3]
上記[1]または[2]に記載の微細凹凸パターン付き基板の製造方法において、
上記樹脂組成物(P)は光硬化性化合物(B)および光硬化開始剤(C)をさらに含む微細凹凸パターン付き基板の製造方法。
[4]
上記[3]に記載の微細凹凸パターン付き基板の製造方法において、
上記樹脂組成物(P)中の上記フッ素含有環状オレフィンポリマー(A)の含有量と上記光硬化性化合物(B)の含有量との質量比((A)/(B))が1/99以上99/1以下である微細凹凸パターン付き基板の製造方法。
[5]
上記[3]または[4]に記載の微細凹凸パターン付き基板の製造方法において、
上記光硬化性化合物(B)がカチオン重合可能な開環重合性化合物を含む微細凹凸パターン付き基板の製造方法。
[6]
上記[3]乃至[5]のいずれか一つに記載の微細凹凸パターン付き基板の製造方法において、
上記フッ素含有環状オレフィンポリマー(A)を含む樹脂組成物(P)の表面張力が20mN/m以上60mN/m以下であり、
上記工程(a)が、インクジェットコート法を用いて、上記基板上に上記樹脂組成物(P)を塗布して上記第1の樹脂層を形成する工程を含む微細凹凸パターン付き基板の製造方法。
[7]
上記[1]乃至[6]のいずれか一つに記載の微細凹凸パターン付き基板の製造方法において、
上記工程(a)が、
上記基板上に設けられた上記フッ素含有環状オレフィンポリマー(A)を含む第1の樹脂層に、微細凹凸パターンを有するモールドを圧着させることによって、上記微細凹凸パターンに対応する微細凹凸パターンを上記第1の樹脂層の表面に形成する工程(a1)を含む、微細凹凸パターン付き基板の製造方法。
[8]
上記[7]に記載の微細凹凸パターン付き基板の製造方法において、
上記工程(a)が、
上記第1の微細凹凸パターンを上記第1の樹脂層の表面に形成した後、光を照射することにより、上記第1の樹脂層を硬化させる工程(a2)と、
上記第1の樹脂層から上記モールドを剥離する工程(a3)と、
をさらに含む微細凹凸パターン付き基板の製造方法。
[9]
上記[1]乃至[8]のいずれか一つに記載の微細凹凸パターン付き基板の製造方法において、
上記第2の微細凹凸パターンを構成する凸部の上方に位置する上記第1の樹脂層を除去する工程(c)をさらに含む微細凹凸パターン付き基板の製造方法。
[10]
上記[1]乃至[9]のいずれか一つに記載の微細凹凸パターン付き基板の製造方法において、
上記基板が石英基板、シリコン基板、ニッケル基板、アルミニウム基板およびサファイア基板から選択される微細凹凸パターン付き基板の製造方法。
[11]
上記[1]乃至[10]のいずれか一つに記載の微細凹凸パターン付き基板の製造方法における上記第1の樹脂層を形成するための樹脂組成物であって、
フッ素含有環状オレフィンポリマー(A)を含む樹脂組成物。
[12]
上記[11]に記載の樹脂組成物であって、
下記の方法1により測定されるOガスのエッチングレート(O)と、CHFガスのエッチングレート(CHF)との比((O)/(CHF))が1以上100以下である樹脂組成物。
(方法1:上記樹脂組成物を硬化後の厚みが200nm以上350nm以下の範囲になるようにシリコンウェハー上に塗布した後、得られた塗布膜を硬化させる。次いで、得られた硬化膜に対し、Oガスプラズマエッチングを10秒、20秒および30秒でそれぞれ実施し、上記Oガスプラズマエッチングによる上記硬化膜の膜厚の減少量を算出し、横軸に時間(sec)、縦軸に減少膜厚量(nm)をプロットし、得られたグラフの傾きから、上記Oガスのエッチングレート(O)(nm/sec)を算出する。同様に、得られた硬化膜に対し、CHFガスプラズマエッチングを30秒、60秒および90秒でそれぞれ実施し、上記CHFガスプラズマエッチングによる上記硬化膜の膜厚の減少量を算出し、横軸に時間(sec)、縦軸に減少膜厚量(nm)をプロットし、得られたグラフの傾きから、上記CHFガスのエッチングレート(CHF)(nm/sec)を算出する。)
[13]
上記[11]または[12]に記載の樹脂組成物であって、
表面張力が20mN/m以上60mN/m以下である樹脂組成物。
[14]
上記[1]乃至[10]のいずれか一つに記載の微細凹凸パターン付き基板の製造方法における上記積層体であって、
基板と、上記基板上に設けられ、かつ、表面に第1の微細凹凸パターンが形成された第1の樹脂層と、を備え、
上記第1の樹脂層がフッ素含有環状オレフィンポリマー(A)を含む樹脂組成物(P)または上記樹脂組成物(P)の硬化物により構成される積層体。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、微細凹凸パターンの寸法精度に優れた基板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0014】
図1】本発明に係る微細凹凸パターン付き基板の製造方法の一例を示すフロー図である。
図2】本発明に係る微細凹凸パターン付き基板の製造方法の一例を示すフロー図である。
図3】本発明に係る微細凹凸パターン付き基板の製造方法の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には共通の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。また、数値範囲の「A〜B」は特に断りがなければ、A以上B以下を表す。また、本明細書においては、ピコリットルのことを「pL」と記載する場合が有る。
【0016】
図1〜3は、本発明に係る微細凹凸パターン付き基板の製造方法の一例を示すフロー図である。
【0017】
本実施形態に係る微細凹凸パターン付き基板101aの製造方法は表面に微細凹凸パターンを有する基板を製造するための製造方法であって、以下の2つの工程を少なくとも備えている。
工程(a):基板101と、基板101上に設けられ、かつ、表面に第1の微細凹凸パターン102が形成された第1の樹脂層103と、を備える積層体100を準備する工程
工程(b):第1の樹脂層103をマスクとして、第1の微細凹凸パターン102の表面をエッチングすることで、第1の微細凹凸パターン102に対応する第2の微細凹凸パターン105を基板101の表面104に形成する工程
そして、第1の樹脂層103がフッ素含有環状オレフィンポリマー(A)を含む樹脂組成物(P)または樹脂組成物(P)の硬化物により構成される。
ここで、本実施形態において、微細凹凸パターンとは、例えば、凸部および凹部を備え、凸部および/または凹部の幅が10nm〜50μm、凹部の深さおよび/または凸部の高さが10nm〜50μm、凸部の幅と凸部の高さの比のアスペクト比が0.1〜500である構造を意味する。
その他の例としては、ドーム形状、四角柱状、円柱状、角柱状、四角錐状、三角錐状、多面体状、半球状等の形状を挙げることができる。これらの形状においては、凹部の深さおよび/または凸部の高さが10nm〜50μm、凸部の幅と凸部の高さの比のアスペクト比が0.1〜500である構造を好ましい例として挙げることができる。
【0018】
本発明者らの検討によれば、ナノインプリントリソグラフィ法を用いた基板への微細凹凸パターンの形成方法に関し、モールド表面の微細凹凸パターンを転写できる樹脂層はエッチング性に劣る場合があることを知見した。この場合、例えば、樹脂層のOガスプラズマエッチング耐性が小さく、基板表面と凹部底面の樹脂層をエッチングする際に、パターンの凸部もエッチングされ基板加工のエッチングマスクとして利用できなくなる場合や、樹脂層の下方に位置する基板までエッチングが進まなくなり、すなわち、途中でエッチングが進まなくなり、基板の表面に微細凹凸パターンを精度よく形成することができなくなってしまう場合があることが明らかになった。
すなわち、本発明者らは、ナノインプリントリソグラフィ法を用いた基板への微細凹凸パターンの形成方法には、エッチングに関するトータル性能(エッチング耐性のバランス、制御等)において改善の余地があることを見出した。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を重ねた。その結果、フッ素含有環状オレフィンポリマー(A)を含む樹脂層が、モールド表面の微細凹凸パターンを高い精度で転写できる、すなわち、エッチング耐性とエッチング制御性(例えば、エッチングが経時的に安定して進行する等)とのバランスに優れていることを見出した。
すなわち、ナノインプリントリソグラフィ法を用いた基板への微細凹凸パターンの形成方法に使用されるレジスト層に、フッ素含有環状オレフィンポリマー(A)を含む樹脂層を使用することで、モールド表面の微細凹凸パターンを高い精度でレジスト層に転写でき、さらに微細凹凸パターンを構成する凹部の下方に残存するレジスト層のエッチングと、それに続く基板のエッチングを精度よくおこなうことができる。
フッ素含有環状オレフィンポリマー(A)を含む樹脂層は、モールド表面の微細凹凸パターンを高い精度で転写できるとともに、基板をエッチングするためのガスや液体等に対するエッチング耐性とエッチング制御性とのバランスに優れている。このようなエッチング性能を有すると、微細凹凸パターンを有する樹脂層をマスクとして基板をエッチングする際に基板の所望の位置をエッチングすることができるため、樹脂層に形成された微細凹凸パターンを基板に高い精度で転写することができる。さらに樹脂層の厚みを薄くすることができるため、樹脂層に形成された微細凹凸パターンをエッチングする際に、樹脂層の微細凹凸パターンを構成する凸部の側壁がエッチングされてしまうことを抑制することができる。
これらの結果、上記のような特性を有するフッ素含有環状オレフィンポリマー(A)を含む樹脂層をナノインプリントリソグラフィ法におけるレジスト層に用いると、微細凹凸パターンを高い精度で基板に付与することができる。また、特定の構造を有する基板を得ることができる。
以上のように、本実施形態に係る微細凹凸パターン付き基板の製造方法によれば、上記工程(a)および工程(b)を備え、第1の樹脂層103としてフッ素含有環状オレフィンポリマー(A)を含む樹脂組成物(P)または樹脂組成物(P)の硬化物を用いることで、基板表面に精度よく微細凹凸パターンを形成でき、その結果、微細凹凸パターンの寸法精度に優れた基板を得ることができる。
【0019】
1.樹脂組成物(P)
次に、本実施形態に係る微細凹凸パターン付き基板の製造方法で用いる樹脂組成物(P)について説明する。
本実施形態に係る樹脂組成物(P)は必須成分としてフッ素含有環状オレフィンポリマー(A)を含む。また、得られる第1の樹脂層103に光硬化性を付与する観点から、本実施形態に係る樹脂組成物(P)は光硬化性化合物(B)および光硬化開始剤(C)をさらに含むことが好ましい。第1の樹脂層103に光硬化性が付与されると、いわゆる光ナノインプリントリソグラフィ法を用いることができるため、加熱工程や冷却工程を最小化することができ、第1の樹脂層103を硬化する際の寸法変化等を抑制することができうる。
また、本実施形態に係る樹脂組成物(P)は全ての構成要素が有機化合物からなることが好ましい。この場合、本実施形態に係る樹脂組成物(P)は全ての構成要素が有機化合物からなり、また特定の構造を有するため、エッチングプロセスの初期過程で実施されるOガスプラズマエッチングに対して、残膜をより一層少なくでき、エッチング時間に対してエッチングレートの変動をより一層小さくでき、その結果、より一層高い制御性でのOガスプラズマエッチングができる。この性質は、微細な構造の基板を製造するのに有利である。
【0020】
さらに、本実施形態に係る樹脂組成物(P)において、下記の方法1により測定されるOガスのエッチングレート(O)と、CHFガスのエッチングレート(CHF)との比((O)/(CHF))が、好ましくは1以上100以下であり、より好ましくは5以上80以下であり、さらに好ましくは10以上70以下、さらにより好ましくは15以上70以下、特に好ましくは20以上70以下である。
上記範囲に酸素(O)ガスとフッ素系(CHF)ガスのエッチングレートとの比を調整することで、基板加工時のガス(例えば、フッ素系(CHF)ガス)で加工した際に本実施形態に係る樹脂組成物(P)により構成された樹脂層で形成したエッチングマスクに対する、影響(エッチングダメージと称する)の制御もし易く、加工基板の表面に精度良く凹凸構造を形成することもできる。
(O)/(CHF)が上記上限値以下である場合、酸素(O)ガスに対するエッチング耐性が適度となり、これにより、エッチングプロセスの初期過程で実施されるOガスプラズマエッチング等のプラズマエッチングで基板表面と凹部底面の樹脂層をエッチングする工程の負荷が小さくなり、生産性を向上させることができる。また、(O)/(CHF)が上記下限値以上である場合、基板加工時のガスによる本実施形態に係る樹脂組成物(P)により構成された樹脂層で形成したエッチングマスクに対するエッチングダメージを低減でき、加工基板表面に所望する形状を加工しやすくなる。
(方法1:樹脂組成物(P)を硬化後の厚みが200nm以上350nm以下の範囲になるようにシリコンウェハー上に塗布した後、得られた塗布膜を硬化させる。次いで、得られた硬化膜に対し、Oガスプラズマエッチングを10秒、20秒および30秒でそれぞれ実施し、上記Oガスプラズマエッチングによる上記硬化膜の膜厚の減少量を算出し、横軸に時間(sec)、縦軸に減少膜厚量(nm)をプロットし、得られたグラフの傾きから、上記Oガスのエッチングレート(O)(nm/sec)を算出する。同様に、得られた硬化膜に対し、CHFガスプラズマエッチングを30秒、60秒および90秒でそれぞれ実施し、上記CHFガスプラズマエッチングによる上記硬化膜の膜厚の減少量を算出し、横軸に時間(sec)、縦軸に減少膜厚量(nm)をプロットし、得られたグラフの傾きから、上記CHFガスのエッチングレート(CHF)(nm/sec)を算出する。)
【0021】
以下、樹脂組成物(P)を構成する各成分について説明する。
【0022】
<フッ素含有環状オレフィンポリマー(A)>
本実施形態に係るフッ素含有環状オレフィンポリマー(A)はフッ素を含有する環状オレフィンポリマーであり、下記一般式(1)で表される繰返し構造単位を含むことが好ましい。その他に、主鎖に1,2−ノルボルナン骨格などの複員環構造を持つものも例示できる。
下記一般式(1)で表される繰返し構造単位を含むフッ素含有環状オレフィンポリマー(A)は、主鎖に炭化水素構造および側鎖にフッ素含有脂肪族環構造を有するため、分子間または分子内に水素結合を形成させることができる。そのため、樹脂組成物(P)が下記一般式(1)で表される繰返し構造単位を含むフッ素含有環状オレフィンポリマー(A)を含む場合、表面に第1の微細凹凸パターン102が形成された第1の樹脂層103の製造工程における加熱や冷却プロセスにおける樹脂層の寸法変化を抑制でき、また、基板からの剥離の際、フッ素原子および/またはフッ素含有置換基の効果で、基板との界面の表面エネルギーを小さくできるため剥離性がよく、これらの結果、第1の樹脂層103に第1の微細凹凸パターン102を寸法精度よく形成することができる。
また、フッ素含有環状オレフィンポリマー(A)は、主鎖に炭化水素構造を側鎖にフッ素またはフッ素含有置換基を有することで、分子内に比較的大きな極性を有する。これにより、光硬化性化合物(B)に対する相溶性に優れている。
【0023】
【化2】
【0024】
上記一般式(1)中、R〜Rのうち少なくとも1つが、フッ素、フッ素を含有する炭素数1〜10のアルキル基、フッ素を含有する炭素数1〜10のアルコキシ基およびフッ素を含有する炭素数2〜10のアルコキシアルキル基から選択される有機基である。R〜Rがフッ素を含有しない基である場合、R〜Rは、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基および炭素数2〜10のアルコキシアルキル基から選択される有機基である。R〜Rは同一でも異なっていてもよい。R〜Rが互いに結合して環構造を形成していてもよい。nは0〜2の整数を表し、好ましくは0〜1の整数であり、より好ましくは0である。
【0025】
上記一般式(1)においてR〜Rとしては、より具体的には、フッ素;フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ−2−メチルイソプロピル基、ペルフルオロ−2−メチルイソプロピル基、n−ペルフルオロブチル基、n−ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロシクロペンチル基等のアルキル基の水素の一部または全てがフッ素で置換された炭素数1〜10のアルキル基;フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロエトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、ヘプタフルオロプロポキシ基、ヘキサフルオロイソプロポキシ基、ヘプタフルオロイソプロポキシ基、ヘキサフルオロ−2−メチルイソプロポキシ基、ペルフルオロ−2−メチルイソプロポキシ基、n−ペルフルオロブトキシ基、n−ペルフルオロペントキシ基、ペルフルオロシクロペントキシ基等のアルコキシ基の水素の一部または全てがフッ素で置換された炭素数1〜10のアルコキシ基;フルオロメトキシメチル基、ジフルオロメトキシメチル基、トリフルオロメトキシメチル基、トリフルオロエトキシメチル基、ペンタフルオロエトキシメチル基、ヘプタフルオロプロポキシメチル基、ヘキサフルオロイソプロポキシメチル基、ヘプタフルオロイソプロポキシメチル基、ヘキサフルオロ−2−メチルイソプロポキシメチル基、ペルフルオロ−2−メチルイソプロポキシメチル基、n−ペルフルオロブトキシメチル基、n−ペルフルオロペントキシメチル基、ペルフルオロシクロペントキシメチル基等のアルコキシアルキル基の水素の一部または全てがフッ素で置換された炭素数2〜10のアルコキシアルキル基等が挙げられる。
【0026】
また、R〜Rが互いに結合して環構造を形成していてもよく、例えば、ペルフルオロシクロアルキル、酸素を介したペルフルオロシクロエーテル等の環を形成してもよい。
フッ素を含有しないその他のR1〜R4としては、より具体的には、水素;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2−メチルイソプロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル、シクロペンチル基等の炭素数1〜10のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基;メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、ペントキシメチル基等の炭素数2〜10のアルコキシアルキル基等が挙げられる。
【0027】
これらの中でも、上記一般式(1)のR〜Rとしては、フッ素;フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ−2−メチルイソプロピル基、ペルフルオロ−2−メチルイソプロピル基、n−ペルフルオロブチル基、n−ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロシクロペンチル基等のアルキル基の水素の一部または全てがフッ素で置換された炭素数1〜10のフルオロアルキル基;が好ましい。
【0028】
本実施形態に係るフッ素含有環状オレフィンポリマー(A)は、上記一般式(1)で表される繰返し構造単位のみでもよく、上記一般式(1)のR〜Rの少なくとも1つが互いに異なる二種類以上の構造単位からなるものであってもよい。
【0029】
さらに、本実施形態において、上記一般式(1)で表される繰返し構造単位を含有するフッ素含有環状オレフィンポリマー(A)の具体的な例として、ポリ(1−フルオロ−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−フルオロ−1−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−1−フルオロ−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1−ジフルオロ−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロエチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1−ビス(トリフルオロメチル)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1,2−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ビス(トリフルオロメチル)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロプロピル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−2−ペルフルオロプロピル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ブチル−2−ペルフルオロプロピル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロ−iso−プロピル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−2−ペルフルオロ−iso−プロピル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1,2−ビス(トリフルオロメチル)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1,2,2,3,3,3a,6a−オクタフルオロシクロペンチル−4,6−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1,2,2,3,3,4,4,3a,7a−デカフルオロシクロヘキシル−5,7−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロブチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロ−iso−ブチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロ−tert−ブチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−2−ペルフルオロ−iso−ブチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ブチル−2−ペルフルオロ−iso−ブチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−トリフルオロメチル−2−ペルフルオロエチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−(1−トリフルオロメチル−2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−シクロペンチル)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ((1,1,2−トリフルオロ−2−ペルフルオロブチル)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−トリフルオロメチル−2−ペルフルオロブチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−フルオロ−1−ペルフルオロエチル−2,2−ビス(トリフルオロメチル)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−ペルフルオロプロパニル−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロヘキシル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−2−ペルフルオロヘキシル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ブチル−2−ペルフルオロヘキシル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ヘキシル−2−ペルフルオロヘキシル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−オクチル−2−ペルフルオロヘキシル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロヘプチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロオクチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロデカニル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1,2−トリフルオロ−ペルフルオロペンチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−トリフルオロメチル−2−ペルフルオロブチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1,2−トリフルオロ−ペルフルオロヘキシル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−トリフルオロメチル−2−ペルフルオロペンチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ビス(ペルフルオロブチル)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ビス(ペルフルオロヘキシル)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メトキシ−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−tert−ブトキシメチル−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1,3,3,3a,6a−ヘキサフルオロフラニル−3,5−シクロペンチレンエチレン)等が挙げられる。
【0030】
さらに、本実施形態において、上記一般式(1)で表される繰返し構造単位を含有するフッ素含有環状オレフィンポリマー(A)の具体的な例として、ポリ(1−フルオロ−2−トリフルオロメトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−フルオロ−1−トリフルオロメトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−1−フルオロ−2−トリフルオロメトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1−ジフルオロ−2−トリフルオロメトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−2−トリフルオロメトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロエトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1−ビス(トリフルオロメトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1,2−トリフルオロ−2−トリフルオロメトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ビス(トリフルオロメトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロプロポキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−2−ペルフルオロプロポキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ブチル−2−ペルフルオロプロポキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロ−iso−プロポキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−2−ペルフルオロ−iso−プロポキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1,2−ビス(トリフルオロメトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロブトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロ−iso−ブトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロ−tert−ブトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−2−ペルフルオロ−iso−ブトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ブチル−2−ペルフルオロ−iso−ブトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−トリフルオロメトキシ−2−ペルフルオロエトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ((1,1,2−トリフルオロ−2−ペルフルオロブトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−トリフルオロメトキシ−2−ペルフルオロブトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−フルオロ−1−ペルフルオロエトキシ−2,2−ビス(トリフルオロメトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−ペルフルオロプロポキシ−2−トリフルオロメトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロヘトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−2−ペルフルオロヘトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ブチル−2−ペルフルオロヘトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ヘキシル−2−ペルフルオロヘトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−オクチル−2−ペルフルオロヘトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロヘプトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロオクトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロデトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1,2−トリフルオロ−ペルフルオロペントキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−トリフルオロメトキシ−2−ペルフルオロブトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1,2−トリフルオロ−2−ペルフルオロヘトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−トリフルオロメトキシ−2−ペルフルオロペンチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ビス(ペルフルオロブトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ビス(ペルフルオロへトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メトキシ−2−トリフルオロメトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−tert−ブトキシメチル−2−トリフルオロメトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−(2’,2’,2’−トリフルオロエトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−(2’,2’,3’,3’,3’−ペンタフルオロプロポキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−2−(2’,2’,3’,3’,3’−ペンタフルオロプロポキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ブチル−2−(2’,2’,3’,3’,3’−ペンタフルオロプロポキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−プロポキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−プロポキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,4’−ヘプタフルオロブトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−ブトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−ブトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−2−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−ブトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ブチル−2−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−ブトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−トリフルオロメトキシ−2−(2’,2’,2’−トリフルオロエトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1,2−トリフルオロ−2−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,4’−ヘプタフルオロブトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−トリフルオロメトキシ−2−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,4’−ヘプタフルオロブトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−フルオロ−1−(2’,2’,2’−トリフルオロエトキシ)−2,2−ビス(トリフルオロメトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−(2’,2’,3’,3’,3’−ペンタフルオロプロポキシ)−2−トリフルオロメトキシ−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−2−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ブチル−2−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ヘキシル−2−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−オクチル−2−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,7’,7’,7’−トリデカフルオロヘプトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,7’,7’,8’,8’,8’−ペンタデカフルオロオクトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,7’,7’,8’,8’,9’,9’,9’−ヘプタデカフルオロデトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1,2−トリフルオロ−2−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−プロポキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−トリフルオロメトキシ−2−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,4’−ヘプタフルオロブトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1,2−トリフルオロ−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ビス(2’,2’,3’,3’,4’,4’,4’−ヘプタフルオロブトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ビス(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−3,5−シクロペンチレンエチレン)等が挙げられる。
【0031】
さらに、本実施形態において、上記一般式(1)で表される繰返し構造単位を含有するフッ素含有環状オレフィンポリマー(A)の具体的な例として、ポリ(3−フルオロ−4−トリフルオロメチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−フルオロ−3−トリフルオロメチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−メチル−3−フルオロ−4−トリフルオロメチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,3−ジフルオロ−4−トリフルオロメチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ジフルオロ−4−トリフルオロメチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロエチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,3−ビス(トリフルオロメチル)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,3,4−トリフルオロ−4−トリフルオロメチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ビストリフルオロメチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロプロピル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−メチル−4−ペルフルオロプロピル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ブチル−4−ペルフルオロプロピル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロ−iso−プロピル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−メチル−9−ペルフルオロ−iso−プロピル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ジフルオロ−3,4−ビス(トリフルオロメチル)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(2,3,3,4,4,5,5,6−オクタフルオロ−9,11−テトラシクロ[5.5.1.02,6.08,12]トリデカニレンエチレン)、ポリ(2,3,3,4,4,5,5,6,6,7−デカフルオロ−10,12−テトラシクロ[6.5.1.02,7.09,13]テトラデカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロブチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロ−iso−ブチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロ−tert−ブチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−メチル−4−ペルフルオロ−tert−ブチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ブチル−4−ペルフルオロ−tert−ブチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ジメチル−3−ペルフルオロ−tert−ブチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,3,4−トリフルオロ−4−ペルフルオロブチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ジフルオロ−3−トリフルオロメチル−4−ペルフルオロブチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−フルオロ−3−ペルフルオロエチル−4,4−ビス(トリフルオロメチル)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ジフルオロ−3−ペルフルオロプロパニル−4−トリフルオロメチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロヘキシル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−メチル−4−ペルフルオロヘキシル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ブチル−4−ペルフルオロヘキシル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ヘキシル−4−ペルフルオロヘキシル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−オクチル−4−ペルフルオロヘキシル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロヘプチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロデカニル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,3,4−トリフルオロ−4−ペルフルオロペンチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ジフルオロ−3−トリフルオロメチル−4−ペルフルオロブチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,3,4−トリフルオロ−3−ペルフルオロヘキシル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ジフルオロ−3−トリフルオロメチル−4−ペルフルオロペンチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ビス(ペルフルオロブチル)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ビス(ペルフルオロヘキシル)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−メトキシ−4−トリフルオロメチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−tert−ブトキシメチル−4−トリフルオロメチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(4−フルオロ−5−トリフルオロメチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−メチル−5−フルオロ−5−トリフルオロメチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,4−ジフルオロ−5−トリフルオロメチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロエチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,4−ビス(トリフルオロメチル)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,4,5−トリフルオロ−5−トリフルオロメチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ビス(トリフルオロメチル)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロプロピル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−メチル−5−ペルフルオロプロピル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−メチル−5−ペルフルオロプロピル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ブチル−5−ペルフルオロプロピル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロ−iso−プロピル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−メチル−5−ペルフルオロ−iso−プロピル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ジフルオロ−4,5−ビス(トリフルオロメチル)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(3,4,4,5,5,6,6,7−オクタフルオロ−12,14−ヘキサシクロ[7.7.0.12,8.110,16.03,7.011,15]オクタデカニレンエチレン)、ポリ(3,4,4,5,5,6,6,7,7,8−デカフルオロ−13,15−ヘキサシクロ[8.7.0.12,9.111,17.03,8.012,16]ノナデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロブチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロ−iso−ブチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−メチル−5−tert−ブチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ブチル−5−tert−ブチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−メチル−4−tert−ブチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,4,5−トリフルオロ−6−ペルフルオロブチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,6−ジフルオロ−4−トリフルオロメチル−5−ペルフルオロブチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−フルオロ−4−ペルフルオロエチル−5,5−ビス(トリフルオロメチル)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ジフルオロ−4−ペルフルオロプロパニル−5−トリフルオロメチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロへキシル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−メチル−5−ペルフルオロヘキシル−10,12−ペンタ
シクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ブチル−5−ペルフルオロヘキシル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ヘキシル−5−ペルフルオロヘキシル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−オクチル−5−ペルフルオロヘキシル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロヘプチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロオクチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロデカニル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,4,5−トリフルオロ−6−ペルフルオロペンチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメチル−6−ペルフルオロブチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,4,5−トリフルオロ−12−ペルフルオロヘキシル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメチル−5−ペルフルオロペンチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,4,5−トリス(トリフルオロメチル)−5−ペルフルオロ−tert−ブチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ビス(ペルフルオロヘキシル)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−メトキシ−5−トリフルオロメチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(3−フルオロ−4−トリフルオロメトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−フルオロ−4−トリフルオロメトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−メチル−3−フルオロ−4−トリフルオロメトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,3−ジフルオロ−4−トリフルオロメトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ジフルオロ−4−トリフルオロメトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロエトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,3,4−トリフルオロ−4−トリフルオロメトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ビス(トリフルオロメトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロプロポキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−メチル−4−ペルフルオロプロポキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ブチル−4−ペルフルオロプロポキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロ−iso−プロポキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−メチル−4−ペルフルオロ−iso−プロポキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ジフルオロ−3,4−ビス(トリフルオロメトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロブトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロ−iso−ブトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロ−tert−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−メチル−4−ペルフルオロ−iso−ブトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ブチル−4−ペルフルオロ−iso−ブトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ジフルオロ−3−トリフルオロメトキシ−4−ペルフルオロエトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ((3,3,4−トリフルオロ−4−ペルフルオロブトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ジフルオロ−3−トリフルオロメトキシ−4−ペルフルオロブトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−フルオロ−3−ペルフルオロエトキシ−2,2−ビス(トリフルオロメトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ジフルオロ−3−ペルフルオロプロポキシ−4−トリフルオロメトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロヘトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−メチル−4−ペルフルオロヘトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ブチル−4−ペルフルオロヘトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ヘキシル−4−ペルフルオロヘトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−オクチル−4−ペルフルオロヘトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロヘプトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロオクトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ペルフルオロデトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,3,4−トリフルオロ−ペルフルオロペントキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ジフルオロ−3−トリフルオロメトキシ−4−ペルフルオロブトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,3,4−トリフルオロ−4−ペルフルオロヘトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ジフルオロ−3−トリフルオロメトキシ−4−ペルフルオロペンチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ビス(ペルフルオロブトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ビス(ペルフルオロへトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−メトキシ−4−トリフルオロメトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−tert−ブトキシメチル−4−トリフルオロメトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−(2’,2’,2’−トリフルオロエトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−(2’,2’,3’,3’,3’−ペンタフルオロプロポキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−メチル−4−(2’,2’,3’,3’,3’−ペンタフルオロプロポキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ブチル−4−(2’,2’,3’,3’,3’−ペンタフルオロプロポキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−プロポキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−メチル−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−プロポキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,4’−ヘプタフルオロブトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−ブトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−ブトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−メチル−4−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−ブトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ブチル−4−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−ブトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ジフルオロ−3−トリフルオロメトキシ−4−(2’,2’,2’−トリフルオロエトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,3,4−トリフルオロ−4−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,4’−ヘプタフルオロブトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ジフルオロ−3−トリフルオロメトキシ−4−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,4’−ヘプタフルオロブトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−フルオロ−3−(2’,2’,2’−トリフルオロエトキシ)−4,4−ビス(トリフルオロメトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ジフルオロ−3−(2’,2’,3’,3’,3’−ペンタフルオロプロポキシ)−4−トリフルオロメトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デ
カニレンエチレン)、ポリ(3−メチル−4−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ブチル−4−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−ヘキシル−4−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−オクチル−4−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,7’,7’,7’−トリデカフルオロヘプトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,7’,7’,8’,8’,8’−ペンタデカフルオロオクトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,7’,7’,8’,8’,9’,9’,9’−ヘプタデカフルオロデトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,3,4−トリフルオロ−4−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−プロポキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ジフルオロ−3−トリフルオロメトキシ−4−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,4’−ヘプタフルオロブトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,3,4−トリフルオロ−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ビス(2’,2’,3’,3’,4’,4’,4’−ヘプタフルオロブトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(3,4−ビス(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(4−フルオロ−5−トリフルオロメトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−フルオロ−5−トリフルオロメトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−メチル−4−フルオロ−5−トリフルオロメトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,4−ジフルオロ−5−トリフルオロメトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ジフルオロ−5−トリフルオロメトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロエトキシ−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)、ポリ(4,4,5−トリフルオロ−5−トリフルオロメトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ビス(トリフルオロメトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロプロポキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−メチル−5−ペルフルオロプロポキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ブチル−5−ペルフルオロプロポキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロ−iso−プロポキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−メチル−5−ペルフルオロ−iso−プロポキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ジフルオロ−4,5−ビス(トリフルオロメトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロブトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロ−iso−ブトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロ−tert−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−メチル−5−ペルフルオロ−iso−ブトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ブチル−5−ペルフルオロ−iso−ブトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメトキシ−5−ペルフルオロエトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ((4,4,5−トリフルオロ−5−ペルフルオロブトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメトキシ−5−ペルフルオロブトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−フルオロ−4−ペルフルオロエトキシ−5,5−ビス(トリフルオロメトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ジフルオロ−4−ペルフルオロプロポキシ−5−トリフルオロメトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロヘトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−メチル−5−ペルフルオロヘトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ブチル−5−ペルフルオロヘトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ヘキシル−5−ペルフルオロヘトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−オクチル−5−ペルフルオロヘトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロヘプトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロオクトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ペルフルオロデトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,4,5−トリフルオロ−ペルフルオロペントキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメトキシ−5−ペルフルオロブトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,4,5−トリフルオロ−5−ペルフルオロヘトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメトキシ−5−ペルフルオロペンチル−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ビス(ペルフルオロブトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ビス(ペルフルオロへトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−メトキシ−5−トリフルオロメトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−tert−ブトキシメチル−5−トリフルオロメトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−(2’,2’,2’−トリフルオロエトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−(2’,2’,3’,3’,3’−ペンタフルオロプロポキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−メチル−5−(2’,2’,3’,3’,3’−ペンタフルオロプロポキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ブチル−5−(2’,2’,3’,3’,3’−ペンタフルオロプ
ロポキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−プロポキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−メチル−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−プロポキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,4’−ヘプタフルオロブトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−ブトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−ブトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−メチル−5−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−ブトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ブチル−5−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−ブトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメトキシ−5−(2’,2’,2’−トリフルオロエトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,4,5−トリフルオロ−5−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,4’−ヘプタフルオロブトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメトキシ−4−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,4’−ヘプタフルオロブトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−フルオロ−4−(2’,2’,2’−トリフルオロエトキシ)−5,5−ビス(トリフルオロメトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ジフルオロ−4−(2’,2’,3’,3’,3’−ペンタフルオロプロポキシ)−5−トリフルオロメトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−メチル−5−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ブチル−5−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−ヘキシル−5−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−オクチル−5−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,7’,7’,7’−トリデカフルオロヘプトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,7’,7’,8’,8’,8’−ペンタデカフルオロオクトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,7’,7’,8’,8’,9’,9’,9’−ヘプタデカフルオロデトキシ−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,4,5−トリフルオロ−5−(1’,1’,1’−トリフルオロ−iso−プロポキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメトキシ−5−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,4’−ヘプタフルオロブトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,4,5−トリフルオロ−(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ビス(2’,2’,3’,3’,4’,4’,4’−ヘプタフルオロブトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)、ポリ(4,5−ビス(2’,2’,3’,3’,4’,4’,5’,5’,6’,6’,6’−ウンデカフルオロヘトキシ)−10,12−ペンタシクロ[6.5.1.02,7.09,13.13,6]ペンタデカニレンエチレン)等が挙げられる。
【0032】
これらの中でも、本実施形態に係るフッ素含有環状オレフィンポリマー(A)としては、ポリ(1−フルオロ−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−フルオロ−1−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−1−フルオロ−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1−ジフルオロ−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロエチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1−ビス(トリフルオロメチル)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1,2−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ビス(トリフルオロメチル)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロプロピル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−2−ペルフルオロプロピル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ブチル−2−ペルフルオロプロピル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロ−iso−プロピル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−2−ペルフルオロ−iso−プロピル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1,2−ビス(トリフルオロメチル)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1,2,2,3,3,3a,6a−オクタフルオロシクロペンチル−4,6−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1,2,2,3,3,4,4,3a,7a−デカフルオロシクロヘキシル−5,7−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロブチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロ−iso−ブチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロ−tert−ブチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−2−ペルフルオロ−iso−ブチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ブチル−2−ペルフルオロ−iso−ブチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−トリフルオロメチル−2−ペルフルオロエチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−(1−トリフルオロメチル−2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−シクロペンチル)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ((1,1,2−トリフルオロ−2−ペルフルオロブチル)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−トリフルオロメチル−2−ペルフルオロブチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−フルオロ−1−ペルフルオロエチル−2,2−ビス(トリフルオロメチル)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−ペルフルオロプロパニル−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロヘキシル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メチル−2−ペルフルオロヘキシル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ブチル−2−ペルフルオロヘキシル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ヘキシル−2−ペルフルオロヘキシル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−オクチル−2−ペルフルオロヘキシル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロヘプチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロオクチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−ペルフルオロデカニル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1,2−トリフルオロ−ペルフルオロペンチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−トリフルオロメチル−2−ペルフルオロブチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1,2−トリフルオロ−ペルフルオロヘキシル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ジフルオロ−1−トリフルオロメチル−2−ペルフルオロペンチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ビス(ペルフルオロブチル)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,2−ビス(ペルフルオロヘキシル)−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−メトキシ−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1−tert−ブトキシメチル−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)、ポリ(1,1,3,3,3a,6a−ヘキサフルオロフラニル−3,5−シクロペンチレンエチレン)等が好ましい。
【0033】
また、本実施形態に係るフッ素含有環状オレフィンポリマー(A)は、本実施形態の効果を損なわない範囲であれば、上記一般式(1)で表される繰返し構造単位以外に、その他の繰返し構造単位を含んでいてもよいが、上記一般式(1)で表される繰返し構造単位の含有量は、本実施形態に係るフッ素含有環状オレフィンポリマー(A)の全体を100質量%としたとき、通常30〜100質量%であり、好ましくは70〜100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%である。
【0034】
本実施形態に係るフッ素含有環状オレフィンポリマー(A)の示差走査熱量分析によるガラス転移温度は好ましくは30〜250℃、より好ましくは50〜200℃、さらに好ましくは60〜160℃である。ガラス転移温度が上記下限値以上であると、モールドを離型した後に形成される微細凹凸パターン形状を高い精度で維持することが可能となる。また、ガラス転移温度が上記上限値以下であると溶融流動しやすくなために加熱処理温度を低くすることができ、樹脂層の黄変あるいは支持体の劣化を抑制することができる。
【0035】
本実施形態に係るフッ素含有環状オレフィンポリマー(A)において、例えば試料濃度3.0〜9.0mg/mlでゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、好ましくは5,000〜1,000,000、より好ましくは10,000〜300,000である。重量平均分子量(Mw)が上記範囲内であると、フッ素含有環状オレフィンポリマー(A)の溶媒溶解性や加熱圧着成形時の流動性が良好である。
また、均一な厚みの樹脂層を形成したり、良好な加熱成形性を得たりするためには、フッ素含有環状オレフィンポリマー(A)の分子量分布は広い方が好ましい。よって、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1.0〜5.0、より好ましくは1.2〜5.0、さらに好ましくは1.4〜3.0である。
【0036】
本実施形態に係るフッ素含有環状オレフィンポリマー(A)は、例えば、下記一般式(2)で表わされるフッ素含有環状オレフィンモノマーを、開環メタセシス重合触媒によって重合し、得られる重合体の主鎖のオレフィン部を水素添加することによって製造することができる。より具体的には、本実施形態に係るフッ素含有環状オレフィンポリマー(A)は、例えば、WO2011/024421A1の段落0075〜0099に記載の方法に準じて製造することができる。
【0037】
【化3】
【0038】
上記一般式(2)中、R〜Rおよびnは上記一般式(1)と同義である。
【0039】
また、本実施形態に係るフッ素含有環状オレフィンポリマー(A)の製造に用いるモノマーとしては、一般式(2)で表されるフッ素含有環状オレフィンモノマーを1種類用いてもよいし、2種類以上を用いてもよい。
【0040】
また、本実施形態に係るフッ素含有環状オレフィンポリマー(A)のオレフィン部の水素添加率は好ましくは50モル%以上であり、より好ましくは70モル%以上100モル%以下、さらに好ましくは90モル%以上100モル%以下である。水素添加率が上記下限値以上であるとオレフィン部の酸化や光の吸収劣化を抑制することができ、耐熱性または耐候性をより一層良好にすることができる。
さらには、本実施形態の光硬化性化合物(B)を光硬化させる際の光透過を大気面から、基板との界面までより一層均一に行え、光硬化のムラ無くより一層均一に光硬化性化合物(B)を硬化させることができる。
【0041】
<光硬化性化合物(B)>
光硬化性化合物(B)としては、反応性二重結合基を有する化合物、カチオン重合可能な開環重合性化合物等が挙げられ、カチオン重合可能な開環重合性化合物が好ましい。これらの化合物は、1分子中に反応性基を1個有しても、複数個有してもよいが、好ましくは2個以上有する化合物が用いられる。
また、異なる反応性基数の化合物を任意の割合で混合して用いてもよく、反応性二重結合基を有する化合物とカチオン重合可能な開環重合性化合物を任意の割合で混合して用いてもよい。
これらにより、得られる樹脂層の内部および表面に効率良く三次元の網目構造を形成させることができ、その結果、高い表面硬度を有する樹脂層を得ることができる。また、光硬化性化合物(B)の種類や組成比を選択することで、エッチングプロセスでのエッチング性を加工基板に応じた特性に調整することもできる。
【0042】
光硬化性化合物(B)のうち、反応性二重結合基を有する化合物としては、例えば、フルオロジエン(CF=CFOCFCFCF=CF、CF=CFOCFCF(CF)CF=CF、CF=CFCFC(OH)(CF)CHCH=CH、CF=CFCFC(OH)(CF)CH=CH、CF=CFCFC(CF)(OCHOCH)CHCH=CH、CF=CFCHC(C(CFOH)(CF)CHCH=CH等)等のオレフィン類;ノルボルネン、ノルボルナジエン等の環状オレフィン類;シクロヘキシルメチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;酢酸ビニル等のビニルエステル類;(メタ)アクリル酸、フェノキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、アリルアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタアエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、テトラヒドロフルフリールアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリオキシエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N−ビニルピロリドン、ジメチルアミノエチルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸及びその誘導体またはそれらのフッ素含有アクリレート類等が挙げられる。
さらに好ましくは、下記一般式(5)、(6)、(7)または(8)で表されるような3官能以上のアクリレートが挙げられる。これらのうち、単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。3官能以上の反応性二重結合基を有する(メタ)アクリレートモノマーを用いることで、光照射硬化後、効率良く3次元の網目構造を形成させることが可能になる。
【0043】
【化4】
上記一般式(5)中、R12はトルイレン、ジフェニルメタン、ヘキサメチレン、ノルボルナンジメチレン、ジシクロヘキシレンメタン、トリメチルシクロへキシレン、シクロヘキサンジメチレン、N,N’,N’’−トリス(ヘキサメチレン)−イソシアヌレート、N,N’−ジヘキサメチレン−ウレア、N,N,N’−トリス(ヘキサメチレン)−ウレア、N,N,N’N’−テトラキス(ヘキサメチレン)−ウレア、またはキシリレンを表す。R、R10およびR11はそれぞれ独立してHまたはCHを表す。WおよびWはそれぞれ独立してH、CH、OHまたはVを表す。Xは2〜4の整数を表す。Yは0〜2の整数、Yは0〜5の整数を表す。
【0044】
【化5】
【0045】
上記一般式(6)中、R16はトルイレン、ジフェニルメタン、ヘキサメチレン、ノルボルナンジメチレン、ジシクロヘキシレンメタン、トリメチルシクロへキシレン、シクロヘキサンジメチレン、N,N’,N’’−トリス(ヘキサメチレン)−イソシアヌレート、N,N’−ジヘキサメチレン−ウレア、N,N,N’−トリス(ヘキサメチレン)−ウレア、N,N,N’N’−テトラキス(ヘキサメチレン)−ウレア、またはキシリレンを表す。R13、R14およびR15はそれぞれ独立してHまたはCHを表す。WおよびWはそれぞれ独立してH、CH、OHまたはVを表す。Xは2〜4の整数を表す。Yは0〜2の整数、Yは0〜5の整数を表す。
【0046】
【化6】
【0047】
上記一般式(7)中、WはH、CH、OHまたはVを表す。R17、R18およびR19はそれぞれ独立してHまたはCHを表し、Yは0〜20の整数を表す。
【0048】
【化7】
【0049】
上記一般式(8)中、WおよびWはそれぞれ独立してH、CH、OHまたはVを表す。R20、R21およびR22はそれぞれ独立してHまたはCHを表し、Yは0〜3の整数を表す。
【0050】
また、光硬化性化合物(B)のうち、カチオン重合可能な開環重合性化合物としては、例えば、1,7−オクタジエンジエポキシド、1−エポキシデカン、シクロヘキセンエポキシド、ジシクロペンタジエンオキサイド、リモネンジオキサイド、4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルアルコール、(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、エチレン1,2−ジ(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸)エステル、(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、フェニルグリシジルエーテル、ジシクロヘキシル−3,3’−ジエポキシド、3‘,4’−エポキシシクロヘエキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、リモネンジオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、α−ピネンオキサイド、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、o−、m−、p−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、多価アルコールのポリグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートといった脂環式エポキシ樹脂あるいは水添ビスフェノールAのグリシジルエーテル等のエポキシ化合物等のエポキシ化合物類;オキセタニル基を1個有する化合物として3−メチル−3−(ブトキシメチル)オキセタン、3−メチル−3−(ペンチロキシメチル)オキセタン、3−メチル−3−(ヘキシロキシメチル)オキセタン、3−メチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−メチル−3−(オクチロキシメチル)オキセタン、3−メチル−3−(デカノロキシメチル)オキセタン、3−メチル−3−(ドデカノロキシメチル)オキセタン、3−メチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(ブトキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(ペンチロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(ヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(オクチロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(デカノロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(ドデカノロキシメチル)オキセタン、3−(シクロヘキシロキシメチル)オキセタン、3−メチル−3−(シクロヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(シクロヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、3,3−ジメチルオキセタン、3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタン、3−n−プロピル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−イソプロピル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−n−ブチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−イソブチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−sec−ブチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−tert−ブチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシル)オキセタン等、オキセタニル基を2個以上有する化合物としてビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)]プロパン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)]−2,2−ジメチル−プロパン、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、1,4−ビス[(3−メチル−3−オキセタニル)メトキシ]ベンゼン、1,3−ビス[(3−メチル−3−オキセタニル)メトキシ]ベンゼン、1,4−ビス{[(3−メチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、1,4−ビス{[(3−メチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}シクロヘキサン、4,4’−ビス{[(3−メチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ビフェニル、4,4’−ビス{[(3−メチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ビシクロヘキサン、2,3−ビス[(3−メチル−3−オキセタニル)メトキシ]ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,5−ビス[(3−メチル−3−オキセタニル)メトキシ]ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビス[(3−メチル−3−オキセタニル)メトキシ]ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]ベンゼン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]ベンゼン、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}シクロヘキサン、4,4’−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ビフェニル、4,4'−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ビシクロヘキサン、2,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,5−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等のオキセタン化合物類;が挙げられる。また、上記した光硬化性化合物(B)中の炭素−水素結合が炭素―フッ素結合に置き換わった形態の種々のフッ素系エポキシ化合物やフッ素系オキセタン化合物を用いてもよい。
また、これらの光硬化性化合物(B)は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0051】
カチオン重合可能な開環重合性化合物としては、例えば、下記一般式(9)で表されるような3官能以上のエポキシ化合物等が挙げられる。これらのうち、単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。3官能以上のエポキシ基を有するエポキシモノマーを用いることで、光照射硬化後、効率良く3次元の網目構造を形成させることが可能になる。
【0052】
【化8】
【0053】
上記一般式(9)中、WはH、炭素数1〜3のアルキル基、OHまたはVを表し、Yは1〜20の整数を表す。
【0054】
本実施形態に係る樹脂組成物(P)において、樹脂組成物(P)中のフッ素含有環状オレフィンポリマー(A)の含有量と光硬化性化合物(B)の含有量との質量比((A)/(B))は、好ましくは1/99以上99/1以下であり、より好ましくは1/99以上95/5以下、さらに好ましくは5/95以上95/5以下である。
また、例えば、特に後述するインクジェット法を用いる場合、上記(A)/(B)は、1/99以上80/20以下の範囲が好ましく、1/99以上70/30以下の範囲がより好ましい。
【0055】
<光硬化開始剤(C)>
光硬化開始剤(C)としては、光の照射によってラジカルを生成する光ラジカル開始剤、光の照射によってカチオンを生成する光カチオン開始剤等が挙げられる。光硬化開始剤(C)の使用量は、光硬化性化合物(B)100質量部に対して0.05質量部以上が好ましく、0.1〜10質量部がより好ましい。
【0056】
光硬化開始剤(C)のうち、光の照射によってラジカルを生成する光ラジカル開始剤としては、例えば、アセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、クロロアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ヒドロキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2'−フェニルアセトフェノン、2−アミノアセトフェノン、ジアルキルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン等のベンゾイン類;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、メチル−o−ベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ヒドロキシプロピルベンゾフェノン、アクリルベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ジメチルチオキサントン等のチオキサントン類;ペルフルオロ(tert−ブチルペルオキシド)、ペルフルオロベンゾイルペルオキシド等のフッ素系ペルオキド類;α−アシルオキシムエステル、ベンジル−(o−エトキシカルボニル)−α−モノオキシム、アシルホスフィンオキサイド、グリオキシエステル、3 −ケトクマリン、2−エチルアンスラキノン、カンファーキノン、テトラメチルチウラムスルフィド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシピバレート等が挙げられる。
さらに好ましく用いられる光ラジカル開始剤としては、例えば、イルガキュアー290(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)、イルガキュアー651(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)、イルガキュアー184(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)、ダロキュアー1173(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イルガキュアー500(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)、イルガキュアー2959(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)、イルガキュアー127(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)、イルガキュアー907(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)、イルガキュアー369(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)、イルガキュアー1300(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)、イルガキュアー819(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)、イルガキュアー1800(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)、ダロキュアーTPO(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)、ダロキュアー4265(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)、イルガキュアーOXE01(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)、イルガキュアーOXE02(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製))、エサキュアーKT55(ランベルティー社製)、エサキュアーKIP150(ランベルティー社製)、エサキュアーKIP100F(ランベルティー社製)、エサキュアーKT37(ランベルティー社製)、エサキュアーKTO46(ランベルティー社製)、エサキュアー1001M(ランベルティー社製)、エサキュアーKIP/EM(ランベルティー社製)、エサキュアーDP250(ランベルティー社製)、エサキュアーKB1(ランベルティー社製)、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられる。これらの中で、さらに好ましく用いられる光ラジカル重合開始剤としては、イルガキュアー290(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)、イルガキュアー184(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)、ダロキュアー1173(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)、イルガキュアー500(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)、イルガキュアー819(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)、ダロキュアーTPO(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)、エサキュアーKIP100F(ランベルティー社製)、エサキュアーKT37(ランベルティー社製)およびエサキュアーKTO46(ランベルティー社製)が挙げられる。また、これらの光ラジカル開始剤は、単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0057】
光硬化開始剤(C)のうち、光の照射によってカチオンを生成する光カチオン開始剤としては、光照射により、上記カチオン重合可能な開環重合性化合物類のカチオン重合を開始させる化合物であれば特に限定はないが、例えば、オニウム陽イオンとオニウム陽イオンと対を成す陰イオンとのオニウム塩のように光反応しルイス酸を放出する化合物が好ましい。
【0058】
オニウム陽イオンとしては、例えば、ジフェニルヨードニウム、4−メトキシジフェニルヨードニウム、ビス(4−メチルフェニル)ヨードニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム、トリフェニルスルホニウム、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウム、ビス〔4−(ジフェニルスルフォニオ)−フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル)スルホニオ)−フェニル〕スルフィド、η5−2,4−(シクロペンタジェニル)〔1,2,3,4,5,6−η−(メチルエチル)ベンゼン〕−鉄(1+)等が挙げられる。また、オニウム陽イオン以外に、過塩素酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、トリニトロトルエンスルホン酸イオン等が挙げられる。また、これらの光カチオン開始剤は、単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0059】
一方、陰イオンとしては、例えば、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサクロロアンチモネート、テトラ(フルオロフェニル)ボレート、テトラ(ジフルオロフェニル)ボレート、テトラ(トリフルオロフェニル)ボレート、テトラ(テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラ(ペルフルオロフェニル)ボレート、テトラ(トリフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラ(ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート等が挙げられる。また、これらの光カチオン開始剤は、単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
さらに好ましく用いられる光カチオン開始剤の具体例としては、例えば、イルガキュアー250(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)、イルガキュアー784(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)、エサキュアー1064(ランベルティー社製)、CYRAURE UVI6990(ユニオンカーバイト日本社製)、アデカオプトマーSP−172(ADEKA社製)、アデカオプトマーSP−170(ADEKA社製)、アデカオプトマーSP−152(ADEKA社製)、アデカオプトマーSP−150(ADEKA社製)、CPI−210S(サンアプロ社製)、CPI−200K(サンアプロ社製)、CPI−310B(サンアプロ社製)、CPI−100P(サンアプロ社製)等が挙げられる。また、これらの光カチオン開始剤は、単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0060】
光硬化性化合物(B)および光硬化開始剤(C)は、これらを含有する光硬化性組成物として用いることができる。光硬化性組成物は、例えば、光硬化開始剤(C)を上記の光硬化性化合物(B)に溶解して得てもよいし、光硬化性化合物(B)と光硬化開始剤(C)を共に有機溶媒に溶解して得てもよい。さらに、必要に応じて第3成分として他の公知の成分、例えば、老化防止剤、レベリング剤、濡れ性改良剤、界面活性剤、可塑剤等の改質剤、紫外線吸収剤、防腐剤、抗菌剤等の安定剤、光増感剤、シランカップリング剤等を含んでもよい。
【0061】
光硬化性組成物を調製するために使用する有機溶媒としては、特に制限はないが、例えば、メタキシレンヘキサフロライド、ベンゾトリフロライド、フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン、ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、メタキシレンヘキサフルオリド等のフッ素含有芳香族炭化水素;ペルフルオロヘキサン、ペルフルオロオクタン等のフッ素含有脂肪族炭化水素;ペルフルオロシクロデカリン等のフッ素含有脂肪族環状炭化水素;ペルフルオロ−2−ブチルテトラヒドロフラン等のフッ素含有エーテル類;クロロホルム、クロルベンゼン、トリクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素;テトラヒドロフラン、ジブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、3−メトキシブチルアセテート、シクロヘキサノールアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、1,4−ブタンジオールアセテート、1、3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリアセチン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、2−メトキシエタノール、3−メトキシプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシブタノール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール−n−プロピルエ−テル、プロピレングリコール−n−ブチルエ−テル、ジプロピレングリコ−ルメチルエ−テル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエ−テル、ジプロピレングリコール−n−ブチルエ−テル、トリプロピレングリコ−ルメチルエ−テル、トリプロピレングリコール−n−ブチルエーテル等のアルコール類等が挙げられる。これらのうちから溶解性、製膜性を考慮して選択でき、フッ素含有環状オレフィンポリマー(A)を溶解する有機溶媒と同一でも異なってもよい。
【0062】
本実施形態に係る樹脂組成物(P)は、上記一般式(1)で表される繰返し構造単位を含むフッ素含有環状オレフィンポリマー(A)、光硬化性化合物(B)および光硬化開始剤(C)を含む場合、主鎖に炭化水素構造、側鎖にフッ素含有脂肪族環構造を有する特定のフッ素含有環状オレフィンポリマー(A)を用いているので、分子間または分子内に水素結合を形成させることができる。さらに、光硬化性化合物(B)および光硬化開始剤(C)を用いているので、光を照射して硬化させた後、樹脂層の内部および表面に三次元の網目構造を形成させることができる。これらの作用により、表面に第1の微細凹凸パターン102が形成された第1の樹脂層103の製造工程の加熱、冷却、光照射硬化のプロセスにおける樹脂層の寸法変化を抑制するとともに樹脂層の硬度をより良好にすることができる。また、光硬化性化合物(B)の種類や組成比を選択することで、エッチングプロセスでのエッチング性を加工基板に応じた特性に調整することもできる。
【0063】
本実施形態に係る樹脂組成物(P)がワニス状で、かつ、有機溶媒を含む場合、樹脂組成物(P)の固形分濃度{質量(%)=固形成分の質量/(固形成分の質量+有機溶媒の質量)×100}が、好ましくは1質量%以上99質量%以下であり、より好ましくは、1質量%以上80質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以上70質量%以下であり、塗布方法や所望の膜厚等により好適に選択される。
ここで、固形成分とは、有機溶媒を除く成分であり、例えば、フッ素含有環状オレフィンポリマー(A)、光硬化性化合物(B)、光硬化開始剤(C)、その他の添加剤等である。
樹脂組成物(P)の固形分濃度を上記範囲内に調整することで、塗膜形成時の膜厚均一性がよく、所望の膜厚の塗工膜を作製することができる。なお、光硬化性化合物(B)がフッ素含有環状オレフィンポリマー(A)を溶解し、所望の塗工方法および膜厚で良好な塗工膜を形成可能な場合、必ずしも有機溶媒を用いる必要はない。
【0064】
<樹脂組成物(P)の調製方法>
本実施形態に係る樹脂組成物(P)は、例えば、フッ素含有環状オレフィンポリマー(A)を予め任意の濃度の溶液に調製し、得られた溶液に光硬化性組成物を加え、均一に混合することにより得ることができる。
また、液状の光硬化性化合物(B)を溶媒として代用し、有機溶媒を用いることなく樹脂組成物(P)を調製することができる。
樹脂組成物(P)を調製する際に用いる有機溶媒は、上記の光硬化性組成物を調製する際に用いる有機溶媒と同様のものを使用してもよく、特に制限はない。
【0065】
また、樹脂組成物(P)は、上記光硬化性組成物と同様に、必要に応じて第3成分として他の公知の成分、例えば、老化防止剤、レベリング剤、濡れ性改良剤、界面活性剤、可塑剤等の改質剤、紫外線吸収剤、防腐剤、抗菌剤等の安定剤、光増感剤、シランカップリング剤等を含んでもよい。
【0066】
2.微細凹凸パターン付き基板の製造方法
次に、本実施形態に係る微細凹凸パターン付き基板101aの製造方法の各工程について説明する。
【0067】
(工程(a))
はじめに、図1の(a)に示すように基板101と、基板101上に設けられ、かつ、表面に第1の微細凹凸パターン102が形成された第1の樹脂層103と、を備える積層体100を準備する。
【0068】
このような積層体100は、例えば、図2に示すように基板101上に設けられたフッ素含有環状オレフィンポリマー(A)を含む第1の樹脂層106に、第3の微細凹凸パターン107を有するモールド108を圧着させることによって、第3の微細凹凸パターン107に対応する第1の微細凹凸パターン102を第1の樹脂層106の表面に形成し、第1の微細凹凸パターン102が形成された第1の樹脂層103を得る工程(a1)により作製することができる。
以下、工程(a1)について説明する。
【0069】
基板101としては特に限定されず、例えば、石英基板、シリコン基板、ニッケル基板、アルミニウム基板およびサファイア基板等を用いることができる。
また、基板101の形状も特に限定されるものではなく、例えば、板状、円盤状、ロール状等が挙げられる。
【0070】
基板101上に設けられたフッ素含有環状オレフィンポリマー(A)を含む第1の樹脂層106を形成する方法としては、例えば、テーブルコート法、スピンコート法、ディップコート法、ダイコート法、スプレーコート法、バーコート法、ロールコート法、カーテンフローコート法、スリットコート法、インクジェットコート法等の方法を用いて、基板101上に樹脂組成物(P)を塗布して第1の樹脂層106を形成する方法が挙げられる。
第1の樹脂層106を形成する方法としては、上記の中から、基板の形状や第1の樹脂層106の厚み、生産性等を考慮して適時選択される。
【0071】
これらの中で、特に薄膜塗工の分野において最近産業界でも普及し始めている最新の塗工法であるインクジェットコートについて説明する。
従来、薄膜塗工の分野において特に膜厚が1μm未満の場合、スピンコートによる塗工法が半導体、ディスプレイ、回路形成等の分野で広く利用されている。しかしながら、本方式は基板の円運動により塗膜が形成されるため、例えば、長方形、正方形などの角基板上に塗工の際、角に液が盛り上がった形状になるなど面内の膜厚均一性が悪く、また、塗布液の利用率が非常に悪いなど問題がある。一方で、近年ディスプレイ、回路形成分野を中心に普及し始めているインクジェットコートは、特に膜厚が1μm未満の薄膜コートにおいて、均一塗布膜形成が可能で大面積化が容易であり、さらには塗布液の利用率が高い事などの利点から薄膜塗工の新方式として広範な分野への適応が始まっている。
インクジェットコートとはインク(塗布液と同意)を直接吐出する方式で、基板上に膜や回路を形成する塗工法であり、間欠運転が可能で原理的には塗布液を100%に近い利用効率で使用できる。また、通常、塗布液は数個〜1000個程度のピンが一群で配置されたヘッドから吐出されるためヘッドを縦横方向に並べるだけで小面積から大面積まで基板面積に応じた塗工を容易に実施することができる。
インクジェットコートの実施にあたって重要な点は、一つのピンからサイズ(粒とも称す。)が揃った液滴を吐出することである。液の吐出法で広く適応されているピエゾ方式では、通常、数pL〜数10pLの塗布液を保持した微細管に配置されたピエゾ素子に電圧を加えて変形させ一定量の液滴を吐出させる。この際、液滴の形状は粒が揃った状態で吐出されることで、高い膜厚精度の塗膜形成が可能になる。粒が揃った状態で吐出を可能にする際に塗布液に求められる指標として表面張力(mN/m)と粘度(mPas)が適応される。特に表面張力は最も重要なパラメーターであり、好ましくは10mN/m以上60mN/m以下、より好ましくは20mN/m以上50mN/m以下、さらに好ましくは25mN/m以上45mN/m以下の範囲に調整された塗布液(樹脂組成物(P))を用い、かつ、塗布液(樹脂組成物(P))の粘度(mPas)を、好ましくは1mPas以上30mPas以下、より好ましくは1mPas以上20mPas以下、さらに好ましくは1mPas以上15mPas以下の範囲で調整した塗布液(樹脂組成物(P))を用いることで、吐出した液滴の形状を球形に近く保つことができる傾向がある。表面張力(mN/m)および粘度(mPas)が上記範囲内である場合、液滴がより良好に吐出できたり、吐出した際に糸を弾いた状態になることや、吐出した液滴が割れ不均一に飛散すること等を抑制できたりして膜厚の面内均一性がより良好とし易い。
表面張力や粘度を調整する目的で、本発明の効果を損なわない範囲で各種レベリング剤や溶媒、さらには、光硬化性化合物を本実施形態に係る樹脂組成物(P)に添加してよく、2種以上を併用してもよい。このうち溶媒について、上記の光硬化性組成物を調製する際に用いる有機溶媒と同様のものを使用してよいが、好ましくは、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、3−メトキシブチルアセテート、シクロヘキサノールアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、1,4−ブタンジオールアセテート、1、3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリアセチン等の大気圧下での沸点が140℃以上の溶媒が用いられる。これにより、塗布液の表面張力を上記の範囲に調整しながら、塗布液の揮発を防止して、膜厚の面内均一性を高め、間欠運転などインクジェットコーター特有の多種多様な適応に有利になる傾向がある。
【0072】
第3の微細凹凸パターン107を有するモールド108の凸部および凹部の形状は特に限定されないが、例えば、ドーム状、四角柱状、円柱状、角柱状、四角錐状、三角錐状、多面体状、半球状等が挙げられる。また凸部および凹部の断面形状は特に限定されないが、例えば、断面四角形、断面三角形、断面半円形等が挙げられる。
【0073】
第1の微細凹凸パターン102および第3の微細凹凸パターン107の凸部および/または凹部の幅は特に限定されないが、例えば10nm〜50μmであり、好ましくは20nm〜10μmである。また、凹部の深さおよび/または凸部の高さは特に限定されないが、例えば10nm〜50μmであり、好ましくは50nm〜10μmである。さらに、凸部の幅と凸部の高さの比のアスペクト比は、好ましくは0.1〜500であり、より好ましくは0.5〜20である。
【0074】
第3の微細凹凸パターン107を有するモールド108の材質としては、例えば、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、ゲルマニウム、チタン、シリコン等の金属材料;ガラス、石英、アルミナ等の無機材料;ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアリレート、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂材料;ダイヤモンド、黒鉛等の炭素材料等が挙げられる。
【0075】
基板101上に設けられたフッ素含有環状オレフィンポリマー(A)を含む第1の樹脂層106に、第3の微細凹凸パターン107を有するモールド108を圧着させる方法としては特に制限はないが、例えば、第1の樹脂層106の表面を、モールド108の第3の微細凹凸パターン107が形成された面で押圧する方法が挙げられる。
モールド108の押圧時の圧力は特に限定されないが、例えば、10MPa以下が好ましく、5MPa以下がより好ましく、1MPa以下が特に好ましい。モールド108の押圧時の圧力は、モールド108の所望のパターン形状やアスペクト比、およびモールド108の材質により好適に選択される。
基板101上に設けられたフッ素含有環状オレフィンポリマー(A)を含む第1の樹脂層106にモールド108を圧着させることにより、モールド108の凸部に位置する第1の樹脂層106がモールド108の凹部の側に押しのけられ、モールド108の第3の微細凹凸パターン107が第1の樹脂層106の表面に転写される。
モールド108の第3の微細凹凸パターン107は、例えば、フォトリソグラフィ法や電子線描画法等によって形成することができる。または、使用の形態によっては本実施形態に係る樹脂組成物(P)を用いて得られた凹凸構造を形成したフィルムまたはシートをモールド108として利用してもよい。
【0076】
ここで、樹脂組成物(P)が光硬化性化合物(B)および光硬化開始剤(C)をさらに含む場合、図3に示すように第3の微細凹凸パターン107に対応する第1の微細凹凸パターン102を第1の樹脂層103の表面に形成した後、光を照射することにより、第1の樹脂層103を硬化させる工程(a2)と、硬化して得られた第1の樹脂層103からモールド108を剥離する工程(a3)と、をさらに含むことができる。
ここで、使用する光としては、第1の樹脂層103を硬化させるものであれば特に限定されないが、例えば、紫外線、可視光線、赤外線、等が挙げられる。硬化を促進させる目的で、加熱を併用して硬化させてもよく、光硬化の後、加熱してもよい。加熱の温度は、好ましくは室温(通常、25℃を意味する。)以上200℃以下であり、より好ましくは室温以上150℃以下である。加熱の温度は、加工基板(基板101)、第1の樹脂層103並びにモールド108の耐熱性および生産性を考慮して好適に選ばれる。
【0077】
照射光としては、光硬化開始剤(C)に光を照射することによってラジカル反応またはイオン反応を引き起こすエネルギーを与えることができれば特に限定されるものではない。この光源としては、波長400nm以下の光線、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯およびメタルハライドランプ、i線、G線、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光を用いることができる。
【0078】
第1の樹脂層103への積算光量は特に限定されないが、例えば3〜3000mJ/cmに設定することができる。
【0079】
(工程(b))
つぎに、図1の(b)に示すように第1の樹脂層103をマスクとして、第1の微細凹凸パターン102の表面をエッチングすることで、第1の微細凹凸パターン102に対応する第2の微細凹凸パターン105を基板101の表面104に形成する。
【0080】
まず、第1の微細凹凸パターン102を構成する凹部102aの下方に第1の樹脂層103が残っている場合、第1の微細凹凸パターン102を構成する凹部102aの下方に存在する第1の樹脂層103を除去し、第1の微細凹凸パターン102を構成する凹部102aの下方に位置する基板101の表面104を露出させる。
ここで、凹部102aの下方に存在する第1の樹脂層103を除去する方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができ、例えば、エッチング液を用いたウェットエッチングや、反応性イオンガスやプラズマガスを用いたドライエッチング等のエッチング処理を用いることができる。
前述した通り、本実施形態に係る樹脂組成物(P)は、特定の構造を有するポリマーを含むため、例えば、エッチングプロセスの初期過程で実施されるOガスプラズマエッチングにおいて、エッチング時間に対してエッチングレートの変動が小さい。その結果、Oガスプラズマエッチングにおいて、「形状の制御をし易い」、「プロセスウィンドウを広くできる」等の優位性を示す場合がある。この性質は、微細な構造の基板を製造する場合や、大量生産等の方法において、有効に利用することができる。
【0081】
次いで、第1の微細凹凸パターン102を構成する凹部102aの下方に位置する基板101の表面104をエッチングする。
基板101のエッチング方法は特に限定せず、例えばエッチング液を用いたウェットエッチング、エッチングガスを用いたドライエッチングにより行うことができる。
ここで、エッチング液としては、基板101の材質に応じて適宜選択されるが、例えば酸性水溶液を用いる場合、フッ化水素、硝酸水溶液等を使用することができ、アルカリ水溶液を用いる場合、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、アンモニア水溶液等を使用することができる。これらの酸性水溶液またはアルカリ水溶液には、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類等の水溶性有機溶媒や、界面活性剤を適量添加することもできる。さらには、有機溶媒を含有するエッチング液を用いることもできる。この有機溶媒としては、例えば、エステル類、ケトン類、エーテル類、アルコール類、アミド類、炭化水素類等が挙げられる。
上記ウェットエッチングではエッチング後、洗浄し、乾燥することによって、所定の凹凸パターンが形成される。
上記ドライエッチングに用いるエッチングガスは、基板101の材質に応じて適宜選択されるが、例えばO、CO、CO等の酸素原子を含むガス;He、N、Ar等の不活性ガス;Cl、BCl等の塩素系ガス;CHF、CF等のフッ素系ガス;H、NHのガス等を使用することができる。エッチングガスとしては、これらの中の1種を単独で使用してもよく、2種以上を同時に又は異なるタイミングで使用してもよい。さらに、生産性の観点からエッチングチャンバー内を加熱して、ドライエッチングプロセスを実施してもよい。本実施形態に係る樹脂組成物(P)は、特にドライエッチングに対する耐性が良好である。
【0082】
(工程(c))
次いで、必要に応じて、図1の(c)に示すように第2の微細凹凸パターン105を構成する凸部105aの上方に位置する第1の樹脂層103を除去する工程(c)をさらにおこなってもよい。
第1の樹脂層103を除去する方法としては特に限定されないが、例えば、剥離液による洗浄処理や、エッチングガスを用いたドライエッチングに第1の樹脂層103を除去することができる。
【0083】
以上により、本実施形態に係る微細凹凸パターン付き基板101aの製造方法によれば、微細凹凸パターンの寸法精度に優れた基板を得ることができる。
本実施形態に係る微細凹凸パターン付き基板101aの製造方法は生産性に優れると共に、得られる微細凹凸パターン付き基板101aの微細凹凸パターンの加工寸法や精度に優れるものである。
【実施例】
【0084】
以下、本実施形態を、実施例を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態は、これらの実施例の記載に限定されるものではない。なお、実施例において合成したポリマーの評価方法、ナノインプリント成形方法、微細凹凸パターンの観察方法および各種ガスエッチング方法を以下に記載する。
【0085】
[重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)]
下記の条件でゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)を使用して、テトラヒドロフラン(THF)またはトリフルオロメチルトルエン(TFT)に溶解したポリマーの重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を、ポリスチレンスタンダードによって分子量を較正して測定した。
【0086】
検出器:日本分光社製RI−2031および875−UVまたはViscotec社製Model270、直列連結カラム:Shodex K−806M、804、803、802.5、カラム温度:40℃、流量:1.0ml/分、試料濃度:3.0〜9.0mg/ml。
【0087】
[フッ素含有環状オレフィンポリマー(A)の水素添加率]
水素添加反応を行った開環メタセシス重合体の粉末を重水素化クロロホルム、または重水素化テトラヒドロフラン、またはヘキサフルオロベンゼンと重水素化クロロホルムの混合溶媒に溶解し、270MHz−H−NMRスペクトルを用いてδ=4.5〜7.0ppmの主鎖の二重結合炭素に結合する水素に由来する吸収スペクトルの積分値より水素添加率を算出した。
【0088】
[ガラス転移温度]
島津製作所社製DSC−50を用い、測定試料を窒素雰囲下で10℃/分の昇温速度で加熱し測定した。
【0089】
[表面張力の測定]
協和界面科学社製DY−300を用い、測定チャンバーとして直径6cmのシャーレに、サンプルを16g計量し、ウィルヘルミー(Wilhelmy)法により同一サンプルについて3回の測定を実施して、平均値を表面張力(mN/m)とした。
【0090】
[粘度張力の測定]
ブルックフィールド社製コーンタイプB型粘度計を用い、23〜25℃に恒温した試料台に2mLのサンプルを計量し、直径75mmのコーンを接液してずり速度を10〜1000/sの範囲で段階的に上げながら粘度を測定し、測定結果のグラフから、ずり速度に対して一定値を示した領域の粘度の平均値を粘度(mPas)とした。
【0091】
[紫外線硬化]
SCIVAX社製ナノインプリント装置X−100Uを用いて、高輝度LEDを光源にして波長365nmの紫外線を照射して光硬化性樹脂組成物を硬化させた。
【0092】
[微細凹凸パターンの観察]
微細凹凸パターンが転写されたフィルム状の転写体のラインとスペースおよび断面の観察、膜厚測定は、日本分光社製の走査型電子顕微鏡JSM−6701F(以下、SEMと表記する。)を使用した。ラインとスペースの幅は、SEMの断面写真から任意に3点のパターンを選び、高さの1/2を計測位置にラインとスペースそれぞれを計測した平均値により算出した。
【0093】
[インプリントに使用したモールド]
パターン形状がライン&スペースである石英モールドを使用し、モールド寸法は、凸部の幅をL1、凸と凸の等間隔距離をL2、凸部の高さをL3として表し、モールドAのそれぞれの寸法は、L1=75nm、L2=75nm、L3=150nmのパターンを有する部分を転写性評価に用いた。
【0094】
[プラズマエッチング特性評価]
エッチングガスとして、O、Cl、Cl/BCl(混合体積比=3/7)、CF、CHFの5種使用した。
アルバック社製RIH1515Z 並行平板型プラズマ処理装置を用いた。まず、チャンバー内にサンプルを入れ、チャンバーを1Pa以下に減圧した。次いで、チャンバー内にそれぞれのエッチングガスを30sccmでそれぞれ導入し、チャンバー内の圧力を7Paに保持した後、13.56MHz高周波電力を印加してプラズマ放電を行い、プラズマ処理した。プラズマ処理時間はエッチングガスの種類に応じ、10〜90秒の範囲で実施した。
【0095】
[エッチングレートの測定方法]
日本セミラボ社製分光エリプソメーターGES5Eを使用して、エッチング後の基板の表面の膜厚を3点測定し、平均値から膜厚を算出した。エッチング前後の膜厚から、エッチングによる膜厚の減少量を算出し、横軸に時間(sec)、縦軸に減少膜厚量(nm)をプロットした。得られたグラフの傾きから、エッチングレート(nm/sec)を算出した。
【0096】
[実施例1]
5,5,6−トリフルオロ−6−(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(100g)と1−ヘキセン(0.298mg)のテトラヒドロフラン溶液に、Mo(N−2,6−Pr)(CHCMePh)(OBut(50mg)のテトラヒドロフラン溶液を添加し、70℃で開環メタセシス重合を行った。得られたポリマーのオレフィン部を、パラジウムアルミナ(5g)によって160℃で水素添加反応を行い、ポリ(1,1,2−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)のテトラヒドロフラン溶液を得た。
得られた溶液を孔径5μmのフィルターで加圧ろ過することによりパラジウムアルミナを除去した。次いで、得られた溶液をメタノールに加え、白色のポリマーをろ別、乾燥し99gのフッ素含有環状オレフィンポリマー(A)であるポリマー1を得た。得られたポリマー1は、上記一般式(1)により表される構造単位を含有していた。また、水素添加率は100mol%、重量平均分子量(Mw)は70000、分子量分布(Mw/Mn)は1.71、ガラス転移温度は107℃であった。
【0097】
次いで、ポリマー1を30質量%濃度で溶解したシクロヘキサノン溶液100gに、光硬化性化合物(B)としてビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルと1,7−オクタジエンジエポキシドの質量比9/1の混合物を20g[質量比((A)/(B))=60/40]、および光硬化開始剤(C)としてアデカオプトマーSP−172(ADEKA社製)を0.8g加えた溶液を調製した。次いで、この溶液を孔径1μmのフィルターで加圧ろ過し、さらに0.1μmのフィルターでろ過して光硬化性樹脂組成物1を調製した。
4インチシリコンウェハーに光硬化性樹脂組成物1をスピンコートし、窒素雰囲気下で90℃、30秒の条件で乾燥した。次いで、得られた塗布膜に対して、1000mJ/cmの照射量で塗布膜を硬化させた。得られたシリコンウェハー上に形成した硬化膜の厚みは260nmであった。
【0098】
得られたシリコンウェハー上に形成した硬化膜に対して、Oガスプラズマエッチングを10秒、20秒、30秒で、その他のガスによるプラズマエッチングを30秒、60秒、90秒でそれぞれ実施した。
エッチング後の膜厚をエリプソメーターで測定し、各種ガスについてエッチングレートを算出した。その結果、酸素ガス(O)と各種ガス(VG)のエッチングレート比(O)/(VG)は、各種ガスがClの場合3.40、Cl/BCl(混合体積比=3/7)の場合3.51、CFの場合3.34、CHFの場合27.7であった。また、解析に用いた各種ガスによるプラズマエッチングの結果としての横軸に時間(sec)、縦軸に減少膜厚量(nm)をプロットしたグラフは全てのガス種で直線性を示した。
【0099】
[実施例2]
モノマーを5,6−ジフルオロ−5−トリフルオロメチル−6−ペルフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(50g)に変更したこと以外は、実施例1と同様な方法で49gのフッ素含有環状オレフィンポリマー(A)であるポリマー2[ポリ(1,2−ジフルオロ−1−トリフルオロメチル−2−ぺルフルオロエチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)]を得た。得られたポリマー2は、上記一般式(1)により表される構造単位を含有していた。水素添加率は100mol%、重量平均分子量(Mw)は80000、分子量分布(Mw/Mn)は1.52、ガラス転移温度は110℃であった。
【0100】
次いで、光硬化性化合物(B)の含有量を3g[質量比((A)/(B))=90/10]に変更し、さらに光硬化開始剤(C)としてアデカオプトマーSP−172(ADEKA社製)を0.1gに変更した以外は、実施例1と同様な方法で光硬化性樹脂組成物2を調製した。
実施例1と同様な方法でシリコンウェハー上に厚み210nmで光硬化性樹脂組成物2の硬化膜を形成し、プラズマエッチング評価をおこなった。
その結果、酸素ガス(O)と各種ガス(VG)のエッチングレート比(O)/(VG)は、各種ガスがClの場合3.61、Cl/BCl(混合体積比=3/7)の場合3.63、CFの場合3.43、CHFの場合36.3であった。また、解析に用いた各種ガスによるプラズマエッチングの結果としての横軸に時間(sec)、縦軸に減少膜厚量(nm)をプロットしたグラフは全てのガス種で直線性を示した。
【0101】
[実施例3]
モノマーを5,5,6−トリフルオロ−6−(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(50g)と8,8,9−トリフルオロ−9−(トリフルオロメチル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(22g)に変更したこと以外は、実施例1と同様な方法で71gのフッ素含有環状オレフィンポリマー(A)であるポリマー3[ポリ(1,1,2−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)とポリ(3,3,4−トリフルオロ−4−トリフルオロメチル−7,9−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカニレンエチレン)の共重合体]を得た。得られたポリマー3は、上記一般式(1)により表される構造単位を含有していた。水素添加率は100mol%、重量平均分子量(Mw)は65000、分子量分布(Mw/Mn)は2.41、ガラス転移温度は127℃であった。
【0102】
次いで、実施例1と同様な方法で光硬化性樹脂組成物3[質量比((A)/(B))=60/40]を調製した。
実施例1と同様な方法でシリコンウェハー上に厚み280nmで光硬化性樹脂組成物3の硬化膜を形成し、プラズマエッチング評価をおこなった。
その結果、酸素ガス(O)と各種ガス(VG)のエッチングレート比(O)/(VG)は、各種ガスがClの場合3.24、Cl/BCl(混合体積比=3/7)の場合3.28、CFの場合3.32、CHFの場合45.0であった。また、解析に用いた各種ガスによるプラズマエッチングの結果としての横軸に時間(sec)、縦軸に減少膜厚量(nm)をプロットしたグラフは全てのガス種で直線性を示した。
【0103】
[実施例4]
光硬化性化合物(B)の含有量を270gに変更し、さらに光硬化開始剤(C)としてアデカオプトマーSP−172(ADEKA社製)を11gに変更したこと以外は、実施例1と同様な方法で光硬化性樹脂組成物4[質量比((A)/(B))=10/90]を調製した。
実施例1と同様な方法でシリコンウェハー上に厚み330nmで光硬化性樹脂組成物4の硬化膜を形成し、プラズマエッチング評価をおこなった。
その結果、酸素ガス(O)と各種ガス(VG)のエッチングレート比(O)/(VG)は、各種ガスがClの場合4.00、Cl/BCl(混合体積比=3/7)の場合4.11、CFの場合4.37、CHFの場合62.0であった。また、解析に用いた各種ガスによるプラズマエッチングの結果としての横軸に時間(sec)、縦軸に減少膜厚量(nm)をプロットしたグラフは全てのガス種で直線性を示した。
【0104】
[実施例5]
光硬化性化合物(B)の種類をビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルと1−エポキシデカンの質量比9/1の混合物を45g、光硬化開始剤(C)としてIrgacure290(BASF社製)を2.3gに変更したこと以外は、実施例1と同様な方法で光硬化性樹脂組成物5[質量比((A)/(B))=40/60]を調製した。
実施例1と同様な方法でシリコンウェハー上に厚み250nmで光硬化性樹脂組成物5の硬化膜を形成し、プラズマエッチング評価をおこなった。
その結果、酸素ガス(O)と各種ガス(VG)のエッチングレート比(O)/(VG)は、各種ガスがClの場合3.88、Cl/BCl(混合体積比=3/7)の場合3.96、CFの場合3.86、CHFの場合49.2であった。また、解析に用いた各種ガスによるプラズマエッチングの結果としての横軸に時間(sec)、縦軸に減少膜厚量(nm)をプロットしたグラフは全てのガス種で直線性を示した。
【0105】
[実施例6]
実施例1で調製した光硬化性樹脂組成物1を石英ガラス基板の表面にスピンコートし、90℃、30秒の条件で乾燥し、光硬化性樹脂組成物1からなる樹脂層を得た。次いで、ライン&スペース形状の石英モールド(上記モールドA)のパターン面を、得られた樹脂層に接触させ、0.1MPaの圧力を印加しながら1000mJ/cmの照射量でUV照射した。その後、石英モールドを剥離して、石英ガラス基板の表面に形成したライン&スペース形状の断面をSEMにより観察した結果、L1=75nm、L2=75nm、L3=150nmであり石英モールドのパターンを精度良く再現した。また、石英ガラス基板の表面から、微細凹凸パターンの凹部底面までの高さは158nmであった。
【0106】
次いで、光硬化性樹脂組成物1による微細凹凸パターンが形成された上記石英ガラス基板をOガスプラズマエッチングし、次いで、ガス種をCF/O(混合体積比=96/4)に変更してプラズマエッチングした。プラズマエッチング後の基板の断面を観察すると、石英ガラス基板と光硬化性樹脂組成物1からなる樹脂層の界面から、石英ガラス基板の方向に幅75nm、深さ80nmの寸法で溝が形成されていた。
その後、再度、Oガスプラズマエッチングをおこない、光硬化性樹脂組成物1からなる樹脂層を完全に除去した。これにより、寸法精度に優れた微細凹凸パターン(溝)を有する石英ガラス基板が得られた。
【0107】
[実施例7]
実施例2で調製した光硬化性樹脂組成物2をアルミニウム基板表面にスピンコートし、90℃、30秒の条件で乾燥し、光硬化性樹脂組成物2からなる樹脂層を得た。次いで、ライン&スペース形状の石英モールド(上記モールドA)のパターン面を、得られた樹脂層に接触させ、0.1MPaの圧力を印加しながら1000mJ/cmの照射量でUV照射した。その後、石英モールドを剥離して、アルミニウム基板表面に形成したライン&スペース形状の断面をSEMにより観察した結果、L1=75nm、L2=75nm、L3=150nmであり石英モールドのパターンを精度良く再現した。また、アルミニウム基板表面から、微細凹凸パターンの凹部底面までの高さは163nmであった。
【0108】
次いで、光硬化性樹脂組成物2による微細凹凸パターンが形成された上記アルミニウム基板をOガスプラズマエッチングし、次いで、ガス種をCl/BCl(混合体積比=3/7)に変更してプラズマエッチングした。プラズマエッチング後の基板の断面を観察すると、アルミニウム基板と光硬化性樹脂組成物2からなる樹脂層の界面から、アルミニウム基板の方向に幅75nm、深さ100nmの寸法で溝が形成されていた。
その後、アルミニウム基板をシクロヘキサノンに浸漬して、アルミニウム基板表面を洗浄し、光硬化性樹脂組成物2からなる樹脂層は完全に除去した。これにより、寸法精度に優れた微細凹凸パターン(溝)を有するアルミニウム基板が得られた。
【0109】
[実施例8]
実施例1で合成したポリマー1を2.7質量%濃度で溶解したプロピレングリコールジアセテート溶液100gに光硬化性化合物(B)としてビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルと3‘,4’−エポキシシクロヘエキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートの質量比8/2の混合物を10.8g[質量比((A)/(B))=20/80]、および光硬化開始剤(C)としてCPI−210S(サンアプロ社製)を0.5g加えた溶液を調製した。次いで、この溶液を孔径1μmのフィルターで加圧ろ過し、さらに0.1μmのフィルターでろ過して光硬化性樹脂組成物9を調製した。光硬化性樹脂組成物9の表面張力は31mN/mであり、粘度は5.3mPasであった。
次いで、インクジェットコーターで4インチシリコンウェハー上に50mm×50mmの範囲で光硬化性樹脂組成物9をインクジェットコートし室温下、大気乾燥した後、2000mJ/cmの照射量で塗布膜を硬化させた。得られたシリコンウェハー上に形成した硬化膜の厚みは200nmであった。
プラズマエッチング評価の結果、酸素ガス(O)と各種ガス(VG)のエッチングレート比(O)/(VG)は、各種ガスがClの場合3.78、Cl/BCl(混合体積比=3/7)の場合3.91、CFの場合3.56、CHFの場合47.9であった。また、解析に用いた各種ガスによるプラズマエッチングの結果としての横軸に時間(sec)、縦軸に減少膜厚量(nm)をプロットしたグラフは全てのガス種で直線性を示した。
【0110】
[実施例9]
溶媒をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに変更し、ポリマー1の溶解濃度を4.0質量%に変更したこと以外は実施例8と同様な方法で、質量比((A)/(B))=60/40である光硬化性樹脂組成物10を調製した。光硬化性樹脂組成物10の表面張力は28mN/mであり、粘度は5.4mPasであった。
次いで、インクジェットコーターで4インチシリコンウェハー上に50mm×50mmの範囲で光硬化性樹脂組成物10をインクジェットコートし室温下、大気乾燥した後、2000mJ/cmの照射量で塗布膜を硬化させた。得られたシリコンウェハー上に形成した硬化膜の厚みは230nmであった。
プラズマエッチング評価の結果、酸素ガス(O)と各種ガス(VG)のエッチングレート比(O)/(VG)は、各種ガスがClの場合3.40、Cl/BCl(混合体積比=3/7)の場合3.51、CFの場合3.34、CHFの場合27.7であった。また、解析に用いた各種ガスによるプラズマエッチングの結果としての横軸に時間(sec)、縦軸に減少膜厚量(nm)をプロットしたグラフは全てのガス種で直線性を示した。
【0111】
[実施例10]
フッ素含有環状オレフィンポリマー(A)を実施例2で合成したポリマー2に変更したこと以外は実施例8と同様に、質量比((A)/(B))=20/80である光硬化性樹脂組成物11を調製した。光硬化性樹脂組成物11の表面張力は32mN/mであり、粘度は7.3mPasであった。
次いで、インクジェットコーターで4インチシリコンウェハー上に50mm×50mmの範囲で光硬化性樹脂組成物11をインクジェットコートし室温下、大気乾燥した後、2000mJ/cmの照射量で塗布膜を硬化させた。得られたシリコンウェハー上に形成した硬化膜の厚みは240nmであった。
プラズマエッチング評価の結果、酸素ガス(O)と各種ガス(VG)のエッチングレート比(O)/(VG)は、各種ガスがClの場合3.64、Cl/BCl(混合体積比=3/7)の場合3.61、CFの場合3.44、CHFの場合37.1であった。また、解析に用いた各種ガスによるプラズマエッチングの結果としての横軸に時間(sec)、縦軸に減少膜厚量(nm)をプロットしたグラフは全てのガス種で直線性を示した。
【0112】
[実施例11]
実施例3で調製した光硬化性樹脂組成物3を石英基板表面にスピンコートし90℃、30秒の条件で乾燥し、光硬化性樹脂組成物3からなる樹脂層を得た。次いで、ライン&スペース形状の石英モールド(上記モールドA)のパターン面を、得られた樹脂層に接触させ、0.1MPaの圧力を印加しながら1000mJ/cmの照射量でUV照射した。その後、石英モールドを剥離して、アルミニウム基板表面に形成したライン&スペース形状の断面をSEMにより観察した結果、L1=75nm、L2=75nm、L3=150nmであり石英モールドのパターンを精度良く再現した。また、アルミニウム基板表面から、微細凹凸パターンの凹部底面までの高さは161nmであった。
【0113】
次いで、光硬化性樹脂組成物3による微細凹凸パターンが形成された上記石英ガラス基板をOガスプラズマエッチングし、次いで、ガス種をCF/O(混合体積比=96/4)に変更してプラズマエチングした。プラズマエッチング後の基板の断面を観察すると、石英ガラス基板と光硬化性樹脂組成物3からなる樹脂層の界面から、石英ガラス基板の方向に幅75nm、深さ82nmの寸法で溝が形成されていた。
その後、再度、Oガスプラズマエッチングをおこない、光硬化性樹脂組成物3からなる樹脂層を完全に除去した。これにより、寸法精度に優れた微細凹凸パターン(溝)を有する石英ガラス基板が得られた。
【0114】
[実施例12]
実施例4で調製した光硬化性樹脂組成物4をアルミニウム基板表面にスピンコートし90℃、30秒の条件で乾燥し、光硬化性樹脂組成物4からなる樹脂層を得た。次いで、ライン&スペース形状の石英モールド(上記モールドA)のパターン面を、得られた樹脂層に接触させ、0.1MPaの圧力を印加しながら1000mJ/cmの照射量でUV照射した。その後、石英モールドを剥離して、アルミニウム基板表面に形成したライン&スペース形状の断面をSEMにより観察した結果、L1=75nm、L2=75nm、L3=150nmであり石英モールドのパターンを精度良く再現した。また、アルミニウム基板表面から、微細凹凸パターンの凹部底面までの高さは153nmであった。
【0115】
次いで、光硬化性樹脂組成物4による微細凹凸パターンが形成された上記石英ガラス基板をOガスプラズマエッチングし、次いで、ガス種をCF/O(混合体積比=96/4)に変更してプラズマエチングした。プラズマエッチング後の基板の断面を観察すると、石英ガラス基板と光硬化性樹脂組成物4からなる樹脂層の界面から、石英ガラス基板の方向に幅75nm、深さ95nmの寸法で溝が形成されていた。
その後、再度、Oガスプラズマエッチングをおこない、光硬化性樹脂組成物4からなる樹脂層を完全に除去した。これにより、寸法精度に優れた微細凹凸パターン(溝)を有する石英ガラス基板が得られた。
【0116】
[実施例13]
実施例5で調製した光硬化性樹脂組成物5をアルミニウム基板表面にスピンコートし90℃、30秒の条件で乾燥し、光硬化性樹脂組成物5からなる樹脂層を得た。次いで、ライン&スペース形状の石英モールド(上記モールドA)のパターン面を、得られた樹脂層に接触させ、0.1MPaの圧力を印加しながら1000mJ/cmの照射量でUV照射した。その後、石英モールドを剥離して、アルミニウム基板表面に形成したライン&スペース形状の断面をSEMにより観察した結果、L1=75nm、L2=75nm、L3=150nmであり石英モールドのパターンを精度良く再現した。また、アルミニウム基板表面から、微細凹凸パターンの凹部底面までの高さは155nmであった。
【0117】
次いで、光硬化性樹脂組成物5による微細凹凸パターンが形成された上記石英ガラス基板をOガスプラズマエッチングし、次いで、ガス種をCF/O(混合体積比=96/4)に変更してプラズマエチングした。プラズマエッチング後の基板の断面を観察すると、石英ガラス基板と光硬化性樹脂組成物5からなる樹脂層の界面から、石英ガラス基板の方向に幅75nm、深さ130nmの寸法で溝が形成されていた。
その後、再度、Oガスプラズマエッチングをおこない、光硬化性樹脂組成物5からなる樹脂層を完全に除去した。これにより、寸法精度に優れた微細凹凸パターン(溝)を有する石英ガラス基板が得られた。
【0118】
[実施例14]
実施例8で調製した光硬化性樹脂組成物9を石英ガラス基板の表面に50mm×50mmの範囲でインクジェットコートし、室温下、大気乾燥して光硬化性樹脂組成物9からなる樹脂層を得た。次いで、ライン&スペース形状の石英モールド(上記モールドA)のパターン面を、得られた樹脂層に接触させ、0.1MPaの圧力を印加しながら2000mJ/cmの照射量でUV照射した。その後、石英モールドを剥離して、石英ガラス基板の表面に形成したライン&スペース形状の断面をSEMにより観察した結果、L1=75nm、L2=75nm、L3=150nmであり石英モールドのパターンを精度良く再現した。また、石英ガラス基板の表面から、微細凹凸パターンの凹部底面までの高さは125nmであった。
【0119】
次いで、光硬化性樹脂組成物9による微細凹凸パターンが形成された上記石英ガラス基板をOガスプラズマエッチングし、次いで、ガス種をCF/O(混合体積比=96/4)に変更してプラズマエチングした。プラズマエッチング後の基板の断面を観察すると、石英ガラス基板と光硬化性樹脂組成物9からなる樹脂層の界面から、石英ガラス基板の方向に幅75nm、深さ90nmの寸法で溝が形成されていた。
その後、再度、Oガスプラズマエッチングをおこない、光硬化性樹脂組成物9からなる樹脂層を完全に除去した。これにより、寸法精度に優れた微細凹凸パターン(溝)を有する石英ガラス基板が得られた。
【0120】
[実施例15]
実施例9で調製した光硬化性樹脂組成物10を用いたこと以外は実施例11と同様な方法で石英モールド(上記モールドA)を用いて石英ガラス基板の表面にライン&スペース形状を形成した。ライン&スペース形状の断面をSEMにより観察した結果、L1=75nm、L2=75nm、L3=150nmであり石英モールドのパターンを精度良く再現した。また、石英ガラス基板の表面から、微細凹凸パターンの凹部底面までの高さは155nmであった。
【0121】
次いで、光硬化性樹脂組成物10による微細凹凸パターンが形成された上記石英ガラス基板をOガスプラズマエッチングし、次いで、ガス種をCF/O(混合体積比=96/4)に変更してプラズマエチングした。プラズマエッチング後の基板の断面を観察すると、石英ガラス基板と光硬化性樹脂組成物10からなる樹脂層の界面から、石英ガラス基板の方向に幅75nm、深さ85nmの寸法で溝が形成されていた。
その後、再度、Oガスプラズマエッチングをおこない、光硬化性樹脂組成物10からなる樹脂層を完全に除去した。これにより、寸法精度に優れた微細凹凸パターン(溝)を有する石英ガラス基板が得られた。
【0122】
[実施例16]
実施例10で調製した光硬化性樹脂組成物11を用い、基板をアルミニウム基板に変更したこと以外は実施例11と同様な方法で石英モールド(上記モールドA)を用いてアルミニウム基板の表面にライン&スペース形状を形成した。ライン&スペース形状の断面をSEMにより観察した結果、L1=75nm、L2=75nm、L3=150nmであり石英モールドのパターンを精度良く再現した。また、アルミニウム基板の表面から、微細凹凸パターンの凹部底面までの高さは165nmであった。
【0123】
次いで、光硬化性樹脂組成物11による微細凹凸パターンが形成された上記アルミニウム基板をOガスプラズマエッチングし、次いで、ガス種をCl/BCl(混合体積比=3/7)に変更してプラズマエチングした。プラズマエッチング後の基板の断面を観察すると、アルミニウム基板と光硬化性樹脂組成物11からなる樹脂層の界面から、アルミニウム基板の方向に幅75nm、深さ120nmの寸法で溝が形成されていた。
その後、アルミニウム基板をシクロヘキサノンに浸漬して、アルミニウム基板表面を洗浄し、光硬化性樹脂組成物11からなる樹脂層は完全に除去した。これにより、寸法精度に優れた微細凹凸パターン(溝)を有するアルミニウム基板が得られた。
【0124】
[比較例1]
ナノインプリント用の樹脂層に用いられる市販品の紫外線硬化タイプの液状シリコーンゴム(信越シリコーン社製、KER−4690−A液(10g)とKER−4690−B液(10g)を混合)を光硬化性樹脂組成物6とした。
4インチシリコンウェハーに光硬化性樹脂組成物6をスピンコートし、1000mJ/cmの照射量で塗布膜を硬化させた。得られたシリコンウェハー上に形成した硬化膜の厚みは240nmであった。
【0125】
得られたシリコンウェハー上に形成した硬化膜に対して、Oガスプラズマエッチングを10秒、20秒、30秒で実施した。
プラズマエッチングの結果としての横軸に時間(sec)、縦軸に減少膜厚量(nm)をプロットしたグラフの初期は直線的に立ち上がったが、20秒、30秒後の膜厚の減少量に変化なかった。すなわち、Oガスではエッチングできない成分が残存していることを示唆する結果となり、直線性を示すグラフの傾きから算出するエッチングレート(nm/sec)を算出できなかった。
【0126】
上記光硬化性樹脂組成物6を石英ガラス表面にスピンコートし、光硬化性樹脂組成物6からなる樹脂層を得た。
次いで、ライン&スペース形状の石英モールド(上記モールドA)のパターン面を、得られた樹脂層に接触させ、0.1MPaの圧力を印加しながら1000mJ/cmの照射量でUV照射した。その後、石英モールドを剥離して、石英ガラス表面に形成したライン&スペース形状の断面をSEMにより観察した結果、L1=73nm、L2=77nm、L3=145nmであった。また、石英ガラス基板の表面から、微細凹凸パターンの凹部底面までの高さは120nmであった。
【0127】
次いで、光硬化性樹脂組成物6による微細凹凸パターンが形成された上記石英ガラス基板に対し、Oガスプラズマエッチングを最長180秒で実施した。しかし、微細凹凸パターンの凹部底面の120nmの厚みを80nmの厚みまでエッチングできたが、完全に膜除去できず、石英ガラス基板を加工できなかった。
【0128】
[比較例2]
Si上の置換基がプロポキシメタクリレートであるシロキサン樹脂を30質量%で溶解したプロピレングリコール−1−メチルエーテル−2−アセテート(PGMEA)溶液に、光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンをシロキサン樹脂に対して3質量%溶解した光硬化性樹脂組成物7を調製した。
4インチシリコンウェハーに光硬化性樹脂組成物7をスピンコートし、1000mJ/cmの照射量で塗布膜を硬化させた。得られたシリコンウェハー上に形成した硬化膜の厚みは220nmであった。
【0129】
得られたシリコンウェハー上に形成した硬化膜に対して、Oガスプラズマエッチングを10秒、20秒、30秒で実施した。
プラズマエッチングの結果としての横軸に時間(sec)、縦軸に減少膜厚量(nm)をプロットしたグラフの初期は直線的に立ち上がったが、20秒、30秒後の膜厚の減少量に変化なかった。すなわち、Oガスではエッチングできない成分が残存していることを示唆する結果となり、直線性を示すグラフの傾きから算出するエッチングレート(nm/sec)を算出できなかった。
【0130】
上記光硬化性樹脂組成物7を石英ガラス表面にスピンコートし、光硬化性樹脂組成物7からなる樹脂層を得た。
次いで、ライン&スペース形状の石英モールド(上記モールドA)のパターン面を、得られた樹脂層に接触させ、0.1MPaの圧力を印加しながら1000mJ/cmの照射量でUV照射した。その後、石英モールドを剥離して、石英ガラス表面に形成したライン&スペース形状の断面をSEMにより観察した結果、L1=74nm、L2=76nm、L3=149nmであった。また、石英ガラス基板の表面から、微細凹凸パターンの凹部底面までの高さは118nmであった。
【0131】
次いで、光硬化性樹脂組成物7による微細凹凸パターンが形成された上記石英ガラス基板に対し、Oガスプラズマエッチングを最長180秒で実施した。しかし、微細凹凸パターンの凹部底面の118nmの厚みを75nmの厚みまでエッチングできたが、完全に膜除去できず、石英ガラス基板を加工できなかった。
【0132】
[比較例3]
メチルメタクリレートを10質量%で溶解したシクロヘキサノン溶液に光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンをメチルメタクリレートに対して2質量%溶解した光硬化性樹脂組成物8を調製した。
4インチシリコンウェハーに光硬化性樹脂組成物8をスピンコートし、1000mJ/cmの照射量で塗布膜を硬化させた。得られたシリコンウェハー上に形成した硬化膜の厚みは250nmであった。
【0133】
実施例1と同様な方法で、得られたシリコンウェハー上に形成した硬化膜に対して、Oガスプラズマエッチングを10秒、20秒、30秒で実施した。
その結果、酸素ガス(O)と各種ガス(VG)のエッチングレート比(O)/(VG)は、各種ガスがClの場合0.75、Cl/BCl(混合体積比=3/7)の場合0.88、CFの場合1.01、CHFの場合9.0であり、特に、Oエッチングレートが大きくなり(Oガスに対する耐性が小さくなった。)、各種ガス(VG)に対するエッチングレートが小さくなった。また、解析に用いた各種ガスによるプラズマエッチングの結果としての横軸に時間(sec)、縦軸に減少膜厚量(nm)をプロットしたグラフは全てのガス種で直線性を示した。
【0134】
上記光硬化性樹脂組成物8を石英ガラス表面にスピンコートし、光硬化性樹脂組成物8からなる樹脂層を得た。
次いで、ライン&スペース形状の石英モールド(上記モールドA)のパターン面を、得られた樹脂層に接触させ、0.1MPaの圧力を印加しながら1000mJ/cmの照射量でUV照射した。その後、石英モールドを剥離して、石英ガラス表面に形成したライン&スペース形状の断面をSEMにより観察した結果、L1=70nm、L2=80nm、L3=145nmであった。また、石英ガラス基板の表面から、微細凹凸パターンの凹部底面までの高さは121nmであった。
【0135】
次いで、光硬化性樹脂組成物8による微細凹凸パターンが形成された上記石英ガラス基板に対し、Oガスプラズマエッチングを最長180秒で実施した。SEMでOエッチング処理後のサンプルの断面を観察したところ、Oプラズマエッチングに対する耐性不足で光硬化性樹脂組成物8で形成した樹脂層は消失しており次工程の基板加工のためのエッチング処理をできなかった。
【0136】
[比較例4]
モノマーを3−メチルノルボルネンに変更し溶媒をシクロヘキサンに変更したこと以外は、実施例1と同様な方法でポリ(1−メチル−3,5−シクロペンチレンエチレン)の白色固体(98g)のポリマー4を得た。得られたポリマー4は、上記一般式(1)により表される構造単位のうち置換基R〜Rにフッ素を有しない環状オレフィンポリマーを含有していた。また、水素添加率は100mol%、重量平均分子量(Mw)は81000、分子量分布(Mw/Mn)は1.83、ガラス転移温度は95℃であった。
【0137】
次いで、ポリマー4を30質量%濃度で溶解したシクロヘキサン溶液100gを用いて、実施例1と同様な方法で光硬化性樹脂組成物12を調製した。
4インチシリコンウェハーに光硬化性樹脂組成物12をスピンコートし、窒素雰囲気下で90℃、30秒の条件で乾燥した。次いで、得られた塗布膜に対して、1000mJ/cmの照射量で塗布膜を硬化させた。得られたシリコンウェハー上に形成した硬化膜の厚みは230nmであった。また、得られた硬化膜の外観は環状オレフィンポリマーとUV硬化成分が相分離した状態であった。
【0138】
得られたシリコンウェハー上に形成した硬化膜に対して、Oガスプラズマエッチングを10秒、20秒、30秒で、その他のガスによるプラズマエッチングを30秒、60秒、90秒でそれぞれ実施した。
エッチング後の膜厚をエリプソメーターで測定し、各種ガスについてエッチングレートを算出した。その結果、酸素ガス(O)と各種ガス(VG)のエッチングレート比(O)/(VG)は、各種ガスがClの場合3.10、Cl/BCl(混合体積比=3/7)の場合3.21、CFの場合2.94、CHFの場合22.2であった。また、解析に用いた各種ガスによるプラズマエッチングの結果としての横軸に時間(sec)、縦軸に減少膜厚量(nm)をプロットしたグラフは全てのガス種で直線性を示した。
次いで、光硬化性樹脂組成物12を石英ガラス基板の表面にスピンコートし90℃、30秒の条件で乾燥し、光硬化性樹脂組成物12からなる樹脂層を得た。次いで、ライン&スペース形状の石英モールド(上記モールドA)のパターン面を、得られた樹脂層に接触させ、0.1MPaの圧力を印加しながら1000mJ/cmの照射量でUV照射した。その後、石英モールドの剥離を試みたがモールドと光硬化性樹脂組成物12の硬化物が強く密着してしまい剥離できなかった。
【0139】
以上の結果を表1および表2に示す。
【0140】
【表1】
【0141】
【表2】
【0142】
表1から理解できるように、フッ素含有環状オレフィンポリマー(A)を含む樹脂層は、酸素ガス(O)と各種ガス(VG)のエッチングレート比(O)/(VG)が大きく、エッチング性に優れていた。すなわち、フッ素含有環状オレフィンポリマー(A)を含む樹脂層はOガスプラズマエッチングによりエッチングできる一方で、基板をエッチングするための各種エッチングガスに対するエッチング耐性に優れていることが理解できる。基板をエッチングするための各種エッチングガスに対するエッチング耐性に優れているため、微細凹凸パターンを有する樹脂層をマスクとして基板をエッチングする際に基板をより選択的にエッチングすることができ、その結果、樹脂層に形成された微細凹凸パターンを基板に高い精度で転写することができる。
また、表2の実施例6、7および11〜16から理解できるように、フッ素含有環状オレフィンポリマー(A)を含む樹脂層を用いると、樹脂層に形成された微細凹凸パターンを基板に高い精度で転写することができることがわかった。
【0143】
この出願は、2017年6月9日に出願された日本出願特願2017-114363号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【0144】
本発明は、以下の態様を含む。
1.
表面に微細凹凸パターンを有する基板を製造するための製造方法であって、
基板と、前記基板上に設けられ、かつ、表面に第1の微細凹凸パターンが形成された第1の樹脂層と、を備える積層体を準備する工程(a)と、
前記第1の樹脂層をマスクとして、前記第1の微細凹凸パターンの表面をエッチングすることで、前記第1の微細凹凸パターンに対応する第2の微細凹凸パターンを前記基板の表面に形成する工程(b)と、を備え、
前記第1の樹脂層がフッ素含有環状オレフィンポリマー(A)を含む樹脂組成物(P)または前記樹脂組成物(P)の硬化物により構成される微細凹凸パターン付き基板の製造方法。
2.
1.に記載の微細凹凸パターン付き基板の製造方法において、
前記フッ素含有環状オレフィンポリマー(A)は下記一般式(1)で表される繰返し構造単位を含む微細凹凸パターン付き基板の製造方法。
【化9】
(前記一般式(1)中、R〜Rのうち少なくとも1つが、フッ素、フッ素を含有する炭素数1〜10のアルキル基、フッ素を含有する炭素数1〜10のアルコキシ基およびフッ素を含有する炭素数2〜10のアルコキシアルキル基から選択される有機基である。R〜Rがフッ素を含有しない基である場合、R〜Rは、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基および炭素数2〜10のアルコキシアルキル基から選択される有機基である。R〜Rは同一でも異なっていてもよい。R〜Rが互いに結合して環構造を形成していてもよい。nは0〜2の整数を表す。)
3.
1.または2.に記載の微細凹凸パターン付き基板の製造方法において、
前記樹脂組成物(P)は光硬化性化合物(B)および光硬化開始剤(C)をさらに含む微細凹凸パターン付き基板の製造方法。
4.
3.に記載の微細凹凸パターン付き基板の製造方法において、
前記樹脂組成物(P)中の前記フッ素含有環状オレフィンポリマー(A)の含有量と前記光硬化性化合物(B)の含有量との質量比((A)/(B))が1/99以上99/1以下である微細凹凸パターン付き基板の製造方法。
5.
3.または4.に記載の微細凹凸パターン付き基板の製造方法において、
前記光硬化性化合物(B)がカチオン重合可能な開環重合性化合物を含む微細凹凸パターン付き基板の製造方法。
6.
1.乃至5.のいずれか一つに記載の微細凹凸パターン付き基板の製造方法において、
前記工程(a)が、
前記基板上に設けられた前記フッ素含有環状オレフィンポリマー(A)を含む第1の樹脂層に、微細凹凸パターンを有するモールドを圧着させることによって、前記微細凹凸パターンに対応する微細凹凸パターンを前記第1の樹脂層の表面に形成する工程(a1)を含む、微細凹凸パターン付き基板の製造方法。
7.
6.に記載の微細凹凸パターン付き基板の製造方法において、
前記工程(a)が、
前記第1の微細凹凸パターンを前記第1の樹脂層の表面に形成した後、光を照射することにより、前記第1の樹脂層を硬化させる工程(a2)と、
前記第1の樹脂層から前記モールドを剥離する工程(a3)と、
をさらに含む微細凹凸パターン付き基板の製造方法。
8.
1.乃至7.のいずれか一つに記載の微細凹凸パターン付き基板の製造方法において、
前記第2の微細凹凸パターンを構成する凸部の上方に位置する前記第1の樹脂層を除去する工程(c)をさらに含む微細凹凸パターン付き基板の製造方法。
9.
1.乃至8.のいずれか一つに記載の微細凹凸パターン付き基板の製造方法において、
前記基板が石英基板、シリコン基板、ニッケル基板、アルミニウム基板およびサファイア基板から選択される微細凹凸パターン付き基板の製造方法。
10.
1.乃至9.のいずれか一つに記載の微細凹凸パターン付き基板の製造方法における前記第1の樹脂層を形成するための樹脂組成物であって、
フッ素含有環状オレフィンポリマー(A)を含み、
下記の方法1により測定されるOガスのエッチングレート(O)と、CHFガスのエッチングレート(CHF)との比((O)/(CHF))が1以上100以下である樹脂組成物。
(方法1:前記樹脂組成物を硬化後の厚みが200nm以上350nm以下の範囲になるようにシリコンウェハー上に塗布した後、得られた塗布膜を硬化させる。次いで、得られた硬化膜に対し、Oガスプラズマエッチングを10秒、20秒および30秒でそれぞれ実施し、前記Oガスプラズマエッチングによる前記硬化膜の膜厚の減少量を算出し、横軸に時間(sec)、縦軸に減少膜厚量(nm)をプロットし、得られたグラフの傾きから、前記Oガスのエッチングレート(O)(nm/sec)を算出する。同様に、得られた硬化膜に対し、CHFガスプラズマエッチングを30秒、60秒および90秒でそれぞれ実施し、前記CHFガスプラズマエッチングによる前記硬化膜の膜厚の減少量を算出し、横軸に時間(sec)、縦軸に減少膜厚量(nm)をプロットし、得られたグラフの傾きから、前記CHFガスのエッチングレート(CHF)(nm/sec)を算出する。)
図1
図2
図3