(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6846544
(24)【登録日】2021年3月3日
(45)【発行日】2021年3月24日
(54)【発明の名称】トランスミッションとシフトケーブルとの間のロック装置の取付装置
(51)【国際特許分類】
B25B 27/00 20060101AFI20210315BHJP
F16H 61/36 20060101ALI20210315BHJP
【FI】
B25B27/00
F16H61/36
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-562279(P2019-562279)
(86)(22)【出願日】2018年12月10日
(65)【公表番号】特表2020-530402(P2020-530402A)
(43)【公表日】2020年10月22日
(86)【国際出願番号】CN2018119981
(87)【国際公開番号】WO2020015280
(87)【国際公開日】20200123
【審査請求日】2019年11月11日
(31)【優先権主張番号】201810793461.7
(32)【優先日】2018年7月17日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518110198
【氏名又は名称】広汽本田汽車有限公司
【氏名又は名称原語表記】GAC HONDA AUTOMOBILE CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】莫 智英
(72)【発明者】
【氏名】李 偉棠
(72)【発明者】
【氏名】張 鋒
【審査官】
山村 和人
(56)【参考文献】
【文献】
実開平4−130163(JP,U)
【文献】
実開昭60−125073(JP,U)
【文献】
実開昭58−33118(JP,U)
【文献】
中国実用新案第201194306(CN,Y)
【文献】
中国特許出願公開第103624737(CN,A)
【文献】
中国実用新案第205663864(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 27/00
F16H 61/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスミッションとシフトケーブルとの間のロック装置の取付装置であって、ペンチ本体を含み、前記ペンチ本体の上端には、ロック片を位置決めするための位置決め部材が設けられ、前記位置決め部材の上端には、ロック片にフィットするフックが設けられ、前記位置決め部材の底側には、前記ペンチ本体の長さ方向に沿って移動可能に設置されたプッシュロッドが設けられ、前記ペンチ本体の側部にはつまみが回転可能に取り付けられ、前記つまみは、接続部材を介して前記プッシュロッドに接続され、前記つまみが前記ペンチ本体に沿って回転して前記プッシュロッドを動かして前記ペンチ本体の長さ方向に沿って伸縮移動させることを特徴とする、トランスミッションとシフトケーブルとの間のロック装置の取付装置。
【請求項2】
前記位置決め部材には位置決め係止溝が設けられ、前記フックが前記位置決め係止溝の開口端に設けられ、前記プッシュロッドが前記位置決め係止溝の底側に挿通設置されていることを特徴とする、請求項1に記載のトランスミッションとシフトケーブルとの間のロック装置の取付装置。
【請求項3】
前記フックの前記ロック片との接触面が、前記位置決め係止溝の底面とは平行であり、且つ前記プッシュロッドは前記位置決め係止溝の底面に垂直であることを特徴とする、請求項2に記載のトランスミッションとシフトケーブルとの間のロック装置の取付装置。
【請求項4】
前記ペンチ本体の側部には、前記プッシュロッドに垂直な回動軸が設けられ、前記接続部材の中央部が前記回動軸に嵌設され、前記接続部材の第1端部が前記つまみの一端に接続され、前記接続部材の第2端部が前記プッシュロッドの一端に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のトランスミッションとシフトケーブルとの間のロック装置の取付装置。
【請求項5】
前記ペンチ本体には、その両側に位置する第1溝及び第2溝が設けられ、前記第1溝と前記第2溝との間には貫通孔が設けられ、前記第1溝及び前記第2溝が前記貫通孔を介して互いに連通し、前記回動軸及び前記接続部材の第1端部が前記第1溝側に設けられ、前記プッシュロッド及び前記接続部材の第2端部が前記第2溝側に設けられていることを特徴とする、請求項4に記載のトランスミッションとシフトケーブルとの間のロック装置の取付装置。
【請求項6】
前記接続部材は、折曲接続された第1ロッド及び第2ロッドを含み、前記第1ロッドの一端が前記つまみに接続され、前記第2ロッドの一端が前記プッシュロッドに接続され、前記回動軸が前記第1ロッドと前記第2ロッドとの接続部に挿通設置され、且つ前記第1ロッドと前記第2ロッドとが互いに垂直であることを特徴とする、請求項5に記載のトランスミッションとシフトケーブルとの間のロック装置の取付装置。
【請求項7】
前記ペンチ本体の上側にはガイドスリーブが設けられ、前記ガイドスリーブの一端が前記位置決め部材の底部に接続され、前記プッシュロッドが前記ガイドスリーブ内に挿通設置されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のトランスミッションとシフトケーブルとの間のロック装置の取付装置。
【請求項8】
前記ガイドスリーブは、前記ペンチ本体に回転可能に取り付けられ、且つ前記ガイドスリーブの外側には、その緩さを調整するための調整ナットが嵌合接続されていることを特徴とする、請求項7に記載のトランスミッションとシフトケーブルとの間のロック装置の取付装置。
【請求項9】
前記プッシュロッドの外側には戻しばねが嵌合接続され、前記戻しばねの一端が前記ガイドスリーブの端面に当接し、前記戻しばねの他端が前記接続部材に当接していることを特徴とする、請求項8に記載のトランスミッションとシフトケーブルとの間のロック装置の取付装置。
【請求項10】
前記フックの頂側には当て板が設けられ、前記当て板が前記位置決め部材の端面と揃え、前記フックの頂部には前記プッシュロッド側に向かう傾斜面が設けられていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のトランスミッションとシフトケーブルとの間のロック装置の取付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の組立の技術分野に関するものであり、具体的には、トランスミッションとシフトケーブルとの間のロック装置の取付装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車のシフトケーブルとエンジンのトランスミッションとの間の組立接続は、ロック装置によって実現されるものであり、自動車のシフトケーブルが複数回移動する必要があるため、ロック装置の構造により自動車のシフトケーブルとエンジンのトランスミッションとの間の安定的な接続を実現できることを確保する必要がある。ロック装置は、主にボルト及びロック片を含み、ボルトが溶接プレートホルダの接続部に挿入接続され、ロック片がボルトのロックナットの内側に設置され、そしてロック片が折り曲げられてロックナットに密着されることで、この接続構造が安定かつ強固になる。
【0003】
従来技術では、ロック片の折り曲げ作業を実現するために、一般的には、開口ペンチでロック片を押し付け、その後折り曲げ作業を完了させる。作業過程中において、常に開口ペンチをしっかりと握って力を入れながらロック片を押し付ける方向を変える必要があり、上記の作業方法を採用すると、生産・製造の条件及び設計の構造要件に制限される。作業工程において、ロック片の折り曲げの作業スペースが小さいため、折り曲げ作業が不便になり、また、組み立てを補助するように開口ペンチを使用すると、開口ペンチが滑りやすくなり、シフトケーブル及びエンジンのトランスミッションを損傷しやすくなり、且つギアロック装置が正確に取り付けられず、ロック片がしっかりと密着していない場合があり、さらに組立品質の不良を引き起こして安全上の潜在的危険をもたらすことがある。以上から分かるように、開口ペンチを採用する作業形態の場合、部材の取り付けの品質制御、作業効率、組立安定性及び操作の快適性などの重要な課題が制限されているため、新しいロック装置の取付装置が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、ロック装置の安定かつ強固な取付を保証し、ロック片を容易に折り曲げてしっかりと密着させ、取付作業が簡単かつ便利である、トランスミッションとシフトケーブルとの間のロック装置の取付装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
これに基づき、本発明は、トランスミッションとシフトケーブルとの間のロック装置の取付装置を提供し、当該取付装置は、ペンチ本体を含み、前記ペンチ本体の上端には、ロック片を位置決めするための位置決め部材が設けられ、前記位置決め部材の上端には、ロック片にフィットするフックが設けられ、前記位置決め部材の底側には、前記ペンチ本体の長さ方向に沿って移動可能に設置されたプッシュロッドが設けられ、前記ペンチ本体の側部にはつまみが回転可能に取り付けられ、前記つまみは、接続部材を介して前記プッシュロッドに接続され、前記つまみが前記ペンチ本体に沿って回転して前記プッシュロッドを動かして前記ペンチ本体の長さ方向に沿って伸縮移動させる。
【0006】
好ましい形態として、前記位置決め部材には位置決め係止溝が設けられ、前記フックが前記位置決め係止溝の開口端に設けられ、前記プッシュロッドが前記位置決め係止溝の底側に挿通設置されている。
【0007】
好ましい形態として、前記フックの前記ロック片との接触面が、前記位置決め係止溝の底面とは平行であり、且つ前記プッシュロッドは前記位置決め係止溝の底面に垂直である。
【0008】
好ましい形態として、前記ペンチ本体の側部には、前記プッシュロッドに垂直な回動軸が設けられ、前記接続部材の中央部が前記回動軸に嵌設され、前記接続部材の第1端部が前記つまみの一端に接続され、前記接続部材の第2端部が前記プッシュロッドの一端に接続されている。
【0009】
好ましい形態として、前記ペンチ本体には、その両側に位置する第1溝及び第2溝が設けられ、前記第1溝と前記第2溝との間には貫通孔が設けられ、前記第1溝及び前記第2溝が前記貫通孔を介して互いに連通し、前記回動軸及び前記接続部材の第1端部が前記第1溝側に設けられ、前記プッシュロッド及び前記接続部材の第2端部が前記第2溝側に設けられている。
【0010】
好ましい形態として、前記接続部材は、折曲接続された第1ロッド及び第2ロッドを含み、前記第1ロッドの一端が前記つまみに接続され、前記第2ロッドの一端が前記プッシュロッドに接続され、前記回動軸が前記第1ロッドと前記第2ロッドとの接続部に挿通設置され、且つ前記第1ロッドと前記第2ロッドとが互いに垂直である。
【0011】
好ましい形態として、前記ペンチ本体の上側にはガイドスリーブが設けられ、前記ガイドスリーブの一端が前記位置決め部材の底部に接続され、前記プッシュロッドが前記ガイドスリーブ内に挿通設置されている。
【0012】
好ましい形態として、前記ガイドスリーブは、前記ペンチ本体に回転可能に取り付けられ、且つ前記ガイドスリーブの外側には、その緩さを調整するための調整ナットが嵌合接続されている。
【0013】
好ましい形態として、前記プッシュロッドの外側には戻しばねが嵌合接続され、前記戻しばねの一端が前記ガイドスリーブの端面に当接し、前記戻しばねの他端が前記接続部材に当接している。
【0014】
好ましい形態として、前記フックの頂側には当て板が設けられ、前記当て板が前記位置決め部材の端面と揃え、前記フックの頂部には前記プッシュロッド側に向かう傾斜面が設けられている。
【発明の効果】
【0015】
本発明の実施例によれば、以下の有益な効果がある。
【0016】
1.ロック装置を取り付ける時、位置決め部材がロック装置の位置決めを実現し、位置決め完了後に、ロック片がフックの端面に当接し、この時、プッシュロッドがロックナットに接触しておらず、つまみがペンチ本体側から離れた側に位置し、この後、手でつまみを握ってつまみをペンチ本体に接近させ、プッシュロッドを動かしてロック片へ移動させ、つまみの移動過程において、プッシュロッドがロックナットに接触し、そして力を入れてつまみをさらに回転すると、プッシュロッドがロックナットを押圧し、フックがロック片を動かして折り曲げを実現し、これにより、ロック片の両端をロックナットの側部に密着させ、ロック片とロックナットとの間の密着を保証し、さらに、ロック装置が安定的に取り付けられ、ロック装置の取り付け品質を向上させる。作業過程全体は、多くの操作スペースを必要とせず、且つツール滑りの事故が発生せず、操作が簡単で作業効率が向上する。
【0017】
2.位置決め部材には位置決め係止溝が設けられ、フックが位置決め係止溝の開口端に設けられ、プッシュロッドが位置決め係止溝の底側に挿通設置され、位置決め係止溝がロック片及びそれに対応するロックナットを収容するためのスペースを提供し、ロック装置の係止接続の位置決めを実現し、位置決め効果が良好であり、ロック片の折り曲げ作業時、プッシュロッドが位置決め係止溝の底部を貫通し、プッシュロッドが滑り落ちることが発生せず、優れた操作安定性を保証する。
【0018】
3.フックのロック片との接触面が、位置決め係止溝の底面とは平行であり、且つプッシュロッドが位置決め係止溝の底面に垂直であることにより、プッシュロッドの押圧過程において、プッシュロッドがロックナットを垂直に押圧するため、プッシュロッドの押圧効果が良好になり、プッシュロッドの押しがより安定的なものとなりかつ滑り落ちにくくなる。
【0019】
4.ペンチ本体の上側には、ガイドスリーブが設けられ、ガイドスリーブの一端が位置決め部材の底部に接続され、プッシュロッドがガイドスリーブ内に挿通設置され、これにより、プッシュロッドがガイドスリーブ内で伸縮移動を完成し、プッシュロッドの移動過程においてスリップして外れることの発生を回避し、この装置の安定性を向上させる。ガイドスリーブは、ペンチ本体に回転可能に取り付けられ、且つガイドスリーブの外側にはその緩さを調整するための調整ナットが嵌合接続され、この構造に基づき、ガイドスリーブが回転して位置決め部材を動かして回転させることができ、これにより、この位置決め部材を360°調整することができ、そのため、この取付装置は、様々な組立スペースに適用することができ、作業者の身長によらず快適に使用することができ、適用性がより良くなり、広く普及することができる。
【0020】
5.プッシュロッドの外側には戻しばねが嵌合接続され、戻しばねの一端がガイドスリーブの端面に当接し、戻しばねの他端が接続部材に当接することにより、プッシュロッドは、ロック片が折り曲げられた後に自動的に復帰することができ、この取付装置のさらなる使用が容易になる。
【0021】
6.フックの頂側には当て板が設けられ、当て板が位置決め部材の端面と揃え、フックの頂部にはプッシュロッド側に向かう傾斜面が設けられている。当て板は、作業過程においてさらにストッパの機能を果たすことができ、同時に、位置決め過程において手で当て板を押し付けて位置決めをより容易にすることができ、当て板の構造により、この取付装置の操作がより簡単且つ快適になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施例におけるトランスミッションとシフトケーブルとの間のロック装置の取付装置の概略構成図である。
【
図2】本発明の実施例におけるトランスミッションとシフトケーブルとの間のロック装置の取付装置とロック装置とが位置決めされてフィットした状態にある概略構成図である。
【
図3】本発明の実施例におけるトランスミッションとシフトケーブルとの間のロック装置の取付装置がロック片の折り曲げを完了した時の概略構成図である。
【符号の説明】
【0023】
1−ペンチ本体、2−位置決め部材、3−フック、4−プッシュロッド、5−つまみ、6−接続部材、7−回動軸、8−ガイドスリーブ、9−戻しばね、10−当て板、11−ロック装置、12−溶接プレートホルダ、1a−第1溝、1b−第2溝、2a−位置決め係止溝、6a−第1ロッド、6b−第2ロッド、8a−調整ナット、11a−ロック片、11b−ロックナット。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術案を明瞭且つ完全に説明する。明らかに、記載された実施例は、単に本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づき、当業者であれば創造的な労働をしない前提で得られる全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属するものである。
【0025】
理解すべきこととして、本発明において、「第1」、「第2」などの用語で各種の情報を説明するが、これらの情報は、これらの用語に限定されるべきではなく、これらの用語は、単に同じ種類の情報を互いに区別させるためのものである。例えば、本発明の範囲から逸脱しない場合、「第1」情報が「第2」情報と呼ばれてもよく、同様に、「第2」情報が「第1」情報と呼ばれてもよい。
【0026】
図1から
図3に示すように、本実施例は、トランスミッションとシフトケーブルとの間のロック装置の取付装置を提供し、このロック装置の取付装置は、ペンチ本体1を含み、前記ペンチ本体1の上端には、ロック片11aを位置決めするための位置決め部材2が設けられ、位置決め部材2によりこの取付装置の位置決めを実現させ、前記位置決め部材2の上端には、ロック片11aにフィットするフック3が設けられ、前記位置決め部材2の底側には、前記ペンチ本体1の長さ方向に沿って移動可能に設置されたプッシュロッド4が設けられ、前記ペンチ本体1の側部には、つまみ5が回転可能に取り付けられ、前記つまみ5は、接続部材6を介して前記プッシュロッド4に接続され、前記つまみ5が前記ペンチ本体1に沿って回転し前記プッシュロッド4を動かして前記ペンチ本体1の長さ方向に沿って伸縮移動させる。
図2及び
図3に示すように、ロック装置11の構造をより明らかに示すために、図において当て板10が隠され、溶接プレートホルダ12は、自動車のシフトケーブルとエンジンのトランスミッションとの間に接続されたキャリアとして機能し、ロック装置11は、溶接プレートホルダ12に設けられ、ロック装置11は、ボルト及びロックナット11bの内側に位置するロック片11aを含み、スクリューが図示されず、ロック装置11を取り付ける時に、まずロック装置11の位置決めを行い、この時、フック3がロック片11aの端面に当接し、プッシュロッド4がロックナット11bに接触しておらず、つまみ5がペンチ本体1から離れた側に位置しており、その後、手でつまみ5を握ってつまみ5をペンチ本体1に接近させ、つまみ5は、てこの原理で接続部材6を動かして移動させ、さらに、接続部材6の移動により、プッシュロッド4が押されてロック片11aに向けて移動し、つまみ5の移動過程において、プッシュロッド4がロックナット11bに接触し、そして力を入れてつまみ5をさらに回転すると、プッシュロッド4がロックナット11bを押圧し、フック3がロック片11aを動かして反対方向に移動させて折り曲げを実現し、これにより、ロック片11aの両端がロックナット11bの側部に密着し、ロック装置11が安定的に取り付けられる。本実施例では、つまみ5が初期状態でペンチ本体1から離れた位置にあり、つまみ5を押し付けてペンチ本体1に接近させると、ロック片11aの折り曲げが完了する。このような構造は、操作が便利で省力的であり、なお、他の設置形態により作業を完了させることができ、例えば、つまみ5が初期状態でペンチ本体1の近傍に設置され、そして、つまみ5を引くと、ロック片11aの折り曲げを完了させることができる。ただし、本実施例が好適な形態である。
【0027】
以上の技術案に基づき、ロック装置11を取り付ける時、位置決め部材2によりロック装置11の位置決めを実現し、位置決め完了後にロック片11aがフック3の端面に当接し、この時、プッシュロッド4がロックナット11bに接触しておらず、つまみ5がペンチ本体1から離れた側に位置し、この後、手でつまみ5を握ってつまみ5をペンチ本体1に接近させ、これにより、プッシュロッド4が動かされロック片11aに向けて移動し、つまみ5の移動過程において、プッシュロッド4がロックナット11bに接触し、そして力を入れてつまみ5をさらに回転すると、プッシュロッド4がロックナット11bを押圧し、フック3がロック片11aを動かしてロック片11aの折り曲げを実現する。これにより、ロック片11aの両端がロックナット11bの側部に密着し、ロック片11aとロックナット11bとの間の密着が保証され、さらに、ロック装置11が安定的に取り付けられ、ロック装置11の取り付け品質を向上させる。作業過程全体においては、余計な操作スペースを必要とせず、且つツール滑りの事故が発生せず、操作が簡単で作業効率が向上する。
【0028】
本実施例では、前記位置決め部材2には位置決め係止溝2aが設けられ、前記フック3が前記位置決め係止溝2aの開口端に設けられ、前記プッシュロッド4は、前記位置決め係止溝2aの底側に挿通設置され、位置決め係止溝2aがロック片11a及びそれに対応するロックナット11bを収容するためのスペースを提供し、ロック装置11の係止接続の位置決めを実現し、位置決めの効果が良好である。これにより、ロック片11aの折り曲げ作業時、プッシュロッド4が位置決め係止溝2aの底部を貫通し、プッシュロッド4が滑り落ちる現象が発生することなく、優れた操作安定性を保証する。さらに、前記フック3の前記ロック片11aとの接触面が、前記位置決め係止溝2aの底面とは平行であり、且つ前記プッシュロッド4が前記位置決め係止溝2aの底面に垂直であることにより、プッシュロッド4の押圧過程において、プッシュロッド4がロックナット11bを垂直に押圧するため、プッシュロッド4の押圧効果が良好になり、プッシュロッド4の押しがより安定的なものとなりかつ滑り落ちにくくなる。
【0029】
ここで、前記ペンチ本体1の側部には、前記プッシュロッド4に垂直な回動軸7が設けられ、前記接続部材6の中央部が前記回動軸7に嵌設され、前記接続部材6の第1端部が前記つまみ5の一端に接続され、前記接続部材6の第2端部が前記プッシュロッド4の一端に接続されている。上記構造に基づき、接続部材6が回動軸7の周りを回転し、つまみ5が接続部材6を介してプッシュロッド4に接続され、且つつまみ5の一端が接続部材6の第1端部に接続され、つまみ5が回動軸7を支点とし、てこの原理でプッシュロッド4を動かして伸縮移動させ、すなわちつまみ5が回動軸7の周りを回転する時に、接続部材6の第2端部を動かして押す力を発生させることができるため、プッシュロッド4の押しを実現する。回動軸7を採用した構造形態により、取付装置全体の構造がより合理的になり、着脱及び保守がより便利になる。
【0030】
具体的には、前記ペンチ本体1には、その両側に位置する第1溝1a及び第2溝1bが設けられ、前記第1溝1aと前記第2溝1bとの間には貫通孔が設けられ、前記第1溝1a及び前記第2溝1bが前記貫通孔を介して互いに連通しており、前記回動軸7及び前記接続部材6の第1端部が前記第1溝1a側に設けられ、前記プッシュロッド4及び前記接続部材6の第2端部が前記第2溝1b側に設けられている。上記構造により、ペンチ本体1の両側が中空構造となり、構造の強度を確保した上で、回動軸7、接続部材6及びつまみ5の可動スペースを提供し、この取付装置を正常に動作させるとともに、中空構造によりこの取付装置の重量が低減され、ペンチ本体1をより軽量にし、さらにロック片11aの折り曲げ作業をより容易にする。さらに、前記接続部材6は、折曲接続された第1ロッド6a及び第2ロッド6bを含み、前記第1ロッド6aの一端が前記つまみ5に接続され、前記第2ロッド6bの一端が前記プッシュロッド4に接続され、前記回動軸7が前記第1ロッド6aと前記第2ロッド6bとの接続部に挿通設置され、且つ前記第1ロッド6aと前記第2ロッド6bとが互いに垂直であり、動作状態で、回動軸7を支点とし、第1ロッド6a及び第2ロッド6bがそれぞれレバーの2つのモーメントアームとし、垂直に設置された第1ロッド6a及び第2ロッド6bは、2つのモーメントアームを最大化にし、さらに、つまみ5の回転をより省力化し、これにより、この取付装置の折り曲げ作業をより快適にする。
【0031】
プッシュロッド4が伸縮移動を安定的に行えるようにするために、前記ペンチ本体1の上側にはガイドスリーブ8が設けられ、前記ガイドスリーブ8の一端が前記位置決め部材2の底部に接続され、前記プッシュロッド4が前記ガイドスリーブ8内に挿通設置され、これにより、プッシュロッド4がガイドスリーブ8内で伸縮移動を完成し、プッシュロッド4の移動過程においてスリップして外れることの発生を回避し、この装置の安定性を向上させる。さらに、前記ガイドスリーブ8は、前記ペンチ本体1に回転可能に取り付けられ、且つ前記ガイドスリーブ8の外側には、その緩さを調整するための調整ナット8aが嵌合接続され、上記構造に基づき、ガイドスリーブ8が回転して位置決め部材2を動かして回転させることができ、これによりこの位置決め部材2を360°調整することができ、そのため、この取付装置は、異なる作業の組立の要求に満たすことを可能にするように、異なる作業スペースに応じて組立角度を再設定することができ、これにより、この取付装置は、様々な組立スペースに適用することができ、作業者の身長によらず快適に使用することができ、適用性がより良くなり、広く普及することができる。
【0032】
好ましくは、前記プッシュロッド4の外側には戻しばね9が嵌合接続され、前記戻しばね9の一端が前記ガイドスリーブ8の端面に当接し、前記戻しばね9の他端が前記接続部材6に当接することにより、プッシュロッド4は、ロック片11aが折り曲げられた後に自動的に復帰することができ、この取付装置のさらなる使用が容易になる。
【0033】
また、前記フック3の頂側には当て板10が設けられ、前記当て板10が前記位置決め部材2の端面と揃え、前記フック3の頂部には前記プッシュロッド4側に向かう傾斜面が設けられ、この傾斜面により、このフック3の縁部が動作時に溶接プレートホルダ12に接触することがなく、この装置を安定に動作させる。当て板10は、作業過程においてさらにストッパの機能を果たすことができ、同時に、位置決め過程において手で当て板10を押し付けて位置決めをより容易にすることができ、当て板10の構造により、この取付装置の操作がより簡単且つ快適になる。
【0034】
本発明の実施例のトランスミッションとシフトケーブルとの間のロック装置の取付装置によれば、ロック装置11を取り付ける時に、位置決め部材2がロック装置11の位置決めを実現し、位置決めが完了した後に、ロック片11aがフック3の端面に当接し、この時、プッシュロッド4がロックナット11bに接触しておらず、つまみ5がペンチ本体1から離れた側に位置し、この後、手でつまみ5を握ってつまみ5をペンチ本体1に接近させ、プッシュロッド4が動かされてロック片11aへ移動し、つまみ5の移動過程において、プッシュロッド4がロックナット11bに接触し、そして力を入れてつまみ5をさらに回転すると、プッシュロッド4がロックナット11bを押圧し、フック3がロック片11aを動かして折り曲げを実現し、これにより、ロック片11aの両端がロックナット11bの側部に密着し、ロック片11aとロックナット11bとの密着を保証し、さらにロック装置11が安定的に取り付けられ、ロック装置11の取り付け品質を向上させる。作業過程全体は、多くの操作スペースを必要とせず、且つツール滑りの事故が発生せず、操作が簡単で作業効率が向上する。
【0035】
本発明の説明において、説明すべきこととして、用語の「上」、「下」「左」、「右」、「頂」、「底」などが指示する方位又は位置関係は、図面に示される方位又は位置関係に基づきものであり、単に本発明の説明を容易にして簡略化するためのものであり、言及した装置又は部品が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構成されて操作されることを指示又は暗示することではなく、従って本発明を限定するものと理解されるべきではない。
【0036】
以上に記載された内容は、本発明の好ましい実施形態にすぎず、指摘すべきことは、当業者であれば、本発明の技術的原理から逸脱しない前提で、さらに複数の改良及び置き換えを行うことができ、これらの改良及び置き換えも本発明の保護範囲に属する。