特許第6846563号(P6846563)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6846563
(24)【登録日】2021年3月3日
(45)【発行日】2021年3月24日
(54)【発明の名称】駆動装置及び電動移動体システム
(51)【国際特許分類】
   B60L 53/24 20190101AFI20210315BHJP
   B60K 1/00 20060101ALI20210315BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20210315BHJP
   H02K 1/06 20060101ALI20210315BHJP
   H02P 27/06 20060101ALI20210315BHJP
   B60L 15/20 20060101ALI20210315BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20210315BHJP
   B60L 53/14 20190101ALI20210315BHJP
   B60L 53/51 20190101ALI20210315BHJP
   B60L 53/52 20190101ALI20210315BHJP
   B60L 53/53 20190101ALI20210315BHJP
【FI】
   B60L53/24
   B60K1/00
   B60K1/04 Z
   H02K1/06 Z
   H02P27/06
   B60L15/20 Z
   B60L50/60
   B60L53/14
   B60L53/51
   B60L53/52
   B60L53/53
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-130335(P2020-130335)
(22)【出願日】2020年7月31日
【審査請求日】2020年7月31日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000233044
【氏名又は名称】株式会社日立パワーソリューションズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 拓也
(72)【発明者】
【氏名】井出 一正
(72)【発明者】
【氏名】高橋 浩一郎
(72)【発明者】
【氏名】宮部 昇三
(72)【発明者】
【氏名】関 正明
【審査官】 今井 貞雄
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭53−085509(JP,U)
【文献】 独国特許出願公開第102017222554(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 50/00−58/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池と、
外部から直流電力が供給されるコネクタと、
制御装置から、モータ固定子の位置を移動する固定子位置移動装置への指令により駆動モード・充電モードを切り替える駆動・充電モード変換器を備え、
前記駆動・充電モード変換器は、駆動モードにおいて前記二次電池からの直流電力を駆動力に変えるとともに、充電モードにおいて前記コネクタから供給された直流電力を変圧する機能を備え、
前記駆動・充電モード変換器は、
動力軸に連結されたモータ回転子と、
前記モータ回転子へ駆動力を与える前記モータ固定子と、
記モータ回転子の外側に設けられたトランス脚と、を備え、
前記固定子位置移動装置によって、駆動モード時に、前記モータ回転子の近傍まで前記モータ固定子を移動させ、充電モード時に、前記トランス脚の近傍まで前記モータ固定子を移動させる
ことを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
二次電池と、
外部から直流電力が供給されるコネクタと、
制御装置から、モータ固定子の位置を移動する固定子位置移動装置への指令により駆動モード・充電モードを切り替える駆動・充電モード変換器を備え、
前記駆動・充電モード変換器は、駆動モードにおいて前記二次電池からの直流電力を駆動力に変えるとともに、充電モードにおいて前記コネクタから供給された直流電力を変圧する機能を備え、
前記駆動・充電モード変換器は、
動力軸に連結されたモータ回転子と、
前記モータ回転子へ駆動力を与える前記モータ固定子と、
前記動力軸方向から見て、前記モータ回転子の外側に設けられたトランス脚と、を備え、
前記固定子位置移動装置によって、駆動モード時に、前記モータ回転子の近傍まで前記モータ固定子を移動させ、充電モード時に、前記トランス脚の近傍まで前記モータ固定子を移動させる
ことを特徴とする駆動装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の駆動装置であって、
駆動モード時に、一対の前記モータ固定子が前記モータ回転子を挟み込む場所に位置している
ことを特徴とする駆動装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の駆動装置であって、
駆動モード時に、2個の前記モータ回転子が2個の前記モータ固定子を挟み込む場所に位置している
ことを特徴とする駆動装置。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の駆動装置であって、
前記制御装置は、前記固定子位置移動装置に対して制御信号を送信するとともに、前記コネクタと前記駆動・充電モード変換器の間に設けられたスイッチの切替を指令する
ことを特徴とする駆動装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の駆動装置を備えた電動移動体と、
所定電圧の直流電力を発電する再生可能エネルギー発電設備と、
前記再生可能エネルギー発電設備が接続された直流線と、を備え、
前記電動移動体は、前記直流線を通じて直流電力が供給される
ことを特徴とする電動移動体システム。
【請求項7】
請求項6に記載の電動移動体システムであって、
前記電動移動体の車体には、可動範囲の境界を感知するセンサが設けられ、
前記車体が、前記可動範囲の境界から一定距離を離れて進行する
ことを特徴とする電動移動体システム。
【請求項8】
請求項7に記載の電動移動体システムであって、
前記電動移動体の車体には、前記センサからの情報を外部へ送信する送受信機を備える
ことを特徴とする電動移動体システム。
【請求項9】
請求項8に記載の電動移動体システムであって、
前記直流線には、前記再生可能エネルギー発電設備が発電していない場合にも前記電動移動体を充電可能なバッテリが接続されている
ことを特徴とする電動移動体システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置及び電動移動体システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気エネルギーを利用する電動移動体について各種検討されており、電気自動車はその一例である。特許文献1には、電気自動車のシステムの構成が記載されている。電気自動車には、操舵輪と駆動輪が備えられ、電池システムとモータシステムが搭載されている。
【0003】
電池システムは、車両駆動用バッテリと、バッテリマネジメントユニット(BMU)などにより構成されている。モータシステムは、車両駆動用モータと、モータ制御機能及び電力変換機能(インバータ)を一体化したモータコントロールユニット(MCU)などにより構成されている。車両駆動用モータが回転駆動すると、車両駆動用モータの回転駆動力が、減速 ギヤ及び駆動軸を介して駆動輪に伝達する。このため、駆動輪が回転して電気自動車が走行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−258910号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、電池システムとモータシステムとは別個のシステムとなっている。本願発明者らは、既存の電池システムとモータシステムに限定せず、新規な駆動装置が構成できないか思考を進め、充電モード及び駆動モードを切り替える方法を検討した。
【0006】
本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、充電モード及び駆動モードを適切に切り替えることができる駆動装置及び電動移動体システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明の駆動装置は、二次電池と、外部から直流電力が供給されるコネクタ(例えば、DCコネクタ6)と、制御装置(例えば、ECU7)から、モータ固定子の位置を移動する固定子位置移動装置への指令により駆動モード・充電モードを切り替える駆動・充電モード変換器を備え、駆動・充電モード変換器は、駆動モードにおいて二次電池からの直流電力を駆動力に変えるとともに、充電モードにおいてコネクタから供給された直流電力を変圧する機能を備え、駆動・充電モード変換器は、動力軸に連結されたモータ回転子と、モータ回転子へ駆動力を与えるモータ固定子と、モータ回転子の外側に設けられたトランス脚と、を備え、固定子位置移動装置によって、駆動モード時に、モータ回転子の近傍までモータ固定子を移動させ、充電モード時に、トランス脚の近傍までモータ固定子を移動させることを特徴とする。本発明のその他の態様については、後記する実施形態において説明する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、充電モード及び駆動モードを適切に切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係る電動移動体の駆動装置の構成であり、駆動モードを示す説明図である。
図2】第1実施形態に係る電動移動体の駆動装置の構成であり、充電モードを示す説明図である。
図3】第1実施形態に係る駆動モードにおける、駆動・充電モード変換器の構造を示す斜視図である。
図4】第1実施形態に係る充電モードにおける、駆動・充電モード変換器の構造を示す斜視図である。
図5】第2実施形態に係る駆動モードにおける、駆動・充電モード変換器の構造を示す斜視図である。
図6】第2実施形態に係る充電モードにおける、駆動・充電モード変換器の構造を示す斜視図である。
図7】駆動装置を備えた電動移動体を示す構成図である。
図8】電動移動体を充電する際に利用する電力系統を示す構成図である。
図9図8に示した電動移動体が走行する際の制御方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
<<第1実施形態>>
図1は、第1実施形態に係る電動移動体の駆動装置100の構成であり、駆動モードを示す説明図である。駆動・充電モード変換器1は、ECU7からの指令により、駆動モード・充電モードを切り替える装置である。A/D変換器3a、3bは、二次電池5から供給された直流電力を交流電力に変換し、駆動・充電モード変換器1に交流電力を供給する。DCコネクタ6は、二次電池5を充電する際に利用する。二次電池5は、電動移動体の駆動源であり、直流電力を供給する。スイッチ4は、DCコネクタ6又は二次電池5を選択することが可能である。
【0011】
ECU7は、電動移動体の駆動装置100の全体を制御する装置であり、モータ固定子10S(図3参照)の固定子位置移動装置2、A/D変換器3a、3bに対して制御信号を送信して制御するとともに、スイッチ4の切替えを指令する。
【0012】
駆動モードでは、駆動・充電モード変換器1が固定子位置移動装置2によって駆動モードに切り替わるとともに、スイッチ4を二次電池側に変えることで、二次電池5から入力された直流電力はA/D変換器3a,3bを介して交流電力へ変換される。そして、交流電力が駆動・充電モード変換器1に供給されて、動力軸11aの駆動力に変換されることで、電動移動体を駆動させることが可能になる。動力軸11aは軸受11bに支持されており、動力軸11aを通じて車輪に駆動力が伝達される。
【0013】
図2は、第1実施形態に係る電動移動体の駆動装置100の構成であり、充電モードを示す説明図である。図1と同じ符号の説明は省略する。二次電池5の充電時において、駆動・充電モード変換器1が固定子位置移動装置2によって充電モードに切り替わるとともに、スイッチ4をDCコネクタ6側に変えることで、DCコネクタ6から入力された直流電力はA/D変換器3bを介して、駆動・充電モード変換器1に供給される。駆動・充電モード変換器1では交流電力が変圧され、再びA/D変換器3aを介して直流電力となり、二次電池5に供給される。そして、二次電池5で蓄電される。
【0014】
図3は、第1実施形態に係る駆動モードにおける、駆動・充電モード変換器1の構造を示した斜視図である。駆動・充電モード変換器1は、モータ固定子10Sであるモータ・変圧器兼用ヨーク8a及び三相脚9、モータ固定子をECU7からの指令で上下に移動させる固定子位置移動装置2で構成される。
【0015】
また、固定子位置移動装置2は、固定子移動用モータ2a、固定子移動用ガイド2bで構成されている。固定子移動用ガイド2bは車体に固定されるとともに、固定子移動用モータ2aの回転軸にある歯車が、固定子移動用ガイド2bの歯車と噛み合っている。モータ固定子10S側に固定された固定子移動用モータ2aにより、モータ固定子10S(モータ・変圧器兼用ヨーク8a及び三相脚9)は固定子移動用ガイド2bに沿って上下に移動可能である。モータ回転子10は円盤状の部材であり、その回転中心に動力軸11aが連結されている。モータ回転子10の動力軸方向に2つのモータ固定子10S(モータ・変圧器兼用ヨーク8a及び三相脚9)があり、それぞれのモータ固定子10Sはモータ回転子10を挟み込む位置に設けられている。そして、二次電池5からの駆動電力がモータ・変圧器兼用ヨーク8aを介して三相脚9に供給されることで、一対の三相脚9の間に電磁場が発生し、モータ回転子10に非接触で回転力を生じさせ、動力軸11aを回転駆動させることができる。
【0016】
図4は、第1実施形態に係る充電モードにおける、駆動・充電モード変換器1の構造を示す斜視図である。トランス三相脚12は、モータ回転子10の半径方向外側、かつ、車体の上側に位置している。そして、ECU7からの指令により、固定子移動用モータ2aが、モータ固定子10S(モータ・変圧器兼用ヨーク8a及び三相脚9)をモータ回転子10の近傍から、トランス三相脚12を挟み込む位置に移動させる。その後、DCコネクタ6からA/D変換器3a、3bを介して、交流電力が駆動・充電モード変換器1に供給される。
【0017】
本実施形態において、トランス三相脚12は、車輪軸方向から見て、モータ回転子10の外側、かつ、車体上側に設けられている。そして、充電モード時に三相脚9がトランス三相脚12まで移動することで、三相脚9を駆動・充電モード変換器1に共用することが可能となる。
【0018】
また、駆動モード(図3参照)において、三相脚9の全てはモータ回転子10の内側に入っている。しかし、モータ回転子10の内側に入る三相脚9の本数を少なくすることで、駆動力を調整可能である。
【0019】
<<第2実施形態>>
第1実施形態では1つのモータ回転子10に対して2つのモータ固定子10Sが配置されていたが、第2実施形態では1つのモータ回転子10に対して1つのモータ固定子が配置されている点が相違する。
【0020】
図5は、第2実施形態に係る駆動モードにおける、駆動・充電モード変換器1の構造を示す斜視図である。図1と同じ符号の説明は省略する。本実施形態では、モータ回転子10において、動力軸11aが接続された面とは反対側にモータ固定子10S(モータ用ヨーク8c及び三相脚9)が配置されている。そのため、駆動モードにおいて、モータ回転子10は一つのモータ固定子によって回転力が得られている。また、モータ回転子10の半径方向外側には変圧器用ヨーク8bが配置されるとともに、トランス三相脚12は変圧器用ヨーク8bの間に設けられている。そして、固定子位置移動装置2は、固定子移動用モータ2a、固定子移動用ガイド2bで構成されている。固定子移動用モータ2aにより、三相脚9は固定子移動用ガイド2bに沿って上下に移動可能である。
【0021】
図6は、第2実施形態に係る充電モードにおける、駆動・充電モード変換器1の構造を示す斜視図である。充電モード時、モータ回転子10の間に位置していた三相脚9は、固定子移動用モータ2aにより変圧器用ヨーク8bとトランス三相脚12の間まで移動する。充電モード時、DCコネクタ6からA/D変換器3a,3bを介して、交流電力が駆動・充電モード変換器1に供給される。
【0022】
<<第3実施形態>>
図7は、駆動装置100を備えた電動移動体Vを示す構成図である。電動移動体Vは、駆動・充電モード変換器1(図1参照)、固定子位置移動装置2、A/D変換器3a,3b、スイッチ4、二次電池5、DCコネクタ6、ECU7を有している。駆動・充電モード変換器1(図1参照)は、モータ回転子10、モータ固定子10S(モータ・変圧器兼用ヨーク8a、三相脚9)を有し、モータが動力軸11aを駆動力することで、電動移動体を駆動させることが可能になる。なお、電動移動体Vには、障害物等を検知するセンサ24(接触式センサ又は赤外線センサ)も設けられている。詳細については後記する。
【0023】
電動移動体Vとして、農機(例えばトラクタ)として利用した場合の例を説明する。
図8は、電動移動体Vを充電する際に利用する電力系統を示す構成図である。適宜図1図4を参照する。管理されたエリアに設けられた直流線31に対して、交流電源23、太陽光発電設備15、農機17a,17b、バッテリ21(蓄電池)が接続されている。交流電源23はA/D変換器22を介して直流線31に接続されることで、交流電源23からの交流電力が直流電力に変換されて、直流線31に供給される。太陽光発電設備15からは、所定電圧の直流電力がD/D変換器14aを介して直流線31に供給される。バッテリ21はD/D変換器14cを介して直流線31に接続されており、バッテリ21が蓄電した直流電力を直流線31に供給する機能、直流線31の直流電力を蓄電する機能を有する。
【0024】
農機17は、車体内部にD/D変換器18を備えた農機17a、車体内部にD/D変換器を備えていない農機17bの2種類があり、いずれもDCコネクタ16a及び16b(給電スポット)を介して直流線31に接続可能に構成されている。農機17は、給電スポットからケーブルCを介してDCコネクタ6(図7参照)と接続される。なお、ケーブルCを介せず、DCコネクタ6を直接、給電スポットに接続する方式としてもよい。
【0025】
ユーザ(管理者)は自宅30から遠隔監視装置13で、農作業の際の農機17a,17bを監視する。
【0026】
農機17の車体には、自動操縦制御装置19、送受信機20、及び前記したようにセンサ24(接触式センサ又は赤外線センサ)(図7図9参照)も設けられている。
【0027】
本実施形態において、直流線31には太陽光発電設備15を接続しているが、そのほかの再生可能エネルギー発電設備(例えば、風力発電設備)を接続することも可能である。そして、太陽光発電設備15が発電している時、バッテリ21を充電するとともに、直流線31に接続された農機17a,17bの車載充電池も充電される。また、太陽光発電設備15が発電していない場合(例えば夜、雨天時)においても、バッテリ21が放電することにより、農機17a,17bを充電することが可能である。
【0028】
図9は、図8に示した電動移動体V(農機17)が走行する際の制御方法を示す説明図である。適時図1〜4、図7を参照する。図9に示す通り、所定の充電量に達した農機17bは、自動操縦により農作業を開始する。農作業を開始する際、農機17bに搭載したECU7から固定子位置移動装置2、A/D変換器3a,3b及びスイッチ4へ駆動モード切替信号を送信する。
【0029】
農機17bの車体には、前記したように、自動操縦制御装置19、送受信機20、及びセンサ24(接触式センサ又は赤外線センサ)が設けられている。農地内の給電スポット(DCコネクタ16a,16bが設けられた場所)から出発した農機17bは、一定方向に進行する。
【0030】
センサ24は、車体前方又は側方から一定距離26の範囲内に可動範囲の境界25(例えば、農機が対象であれば畔)が存在する場合、検知信号を自動操縦制御装置19へ送信する。このセンサ24により、農機17bは可動範囲の境界25から一定距離を離れて自走し、農作業を行うことが可能である。なお、センサ24は、障害物を検知することも可能である。
【0031】
また、送受信機20は、車体の駆動状態、センサ24からの情報を外部へ無線送信するための装置である。ユーザは自宅30に設置する遠隔監視装置13により、農機17bの送受信機20から送信された車体の駆動状態、センサ24からの情報を受信することで、農機17bの稼働状況を把握することができる。
【0032】
農作業を終えた農機17bは、農地内の充電スポットに戻り、車体をDCコネクタ16bに押し付ける。そして、DCコネクタ16bへの接続をトリガーとして、農機17bに搭載したECU7から固定子位置移動装置2、A/D変換器3a,3b及びスイッチ4へ充電モード切替信号を送信する。
【0033】
本実施形態によれば、管理されたエリアに設けられた直流線31に対して、交流電源23、太陽光発電設備15、農機17、バッテリ21が接続されることで、太陽光発電設備15による再生可能エネルギーで、農機17を充電し、所定の充電レベルに達した時点で、農作業を開始することが可能である。
【0034】
また、農機17の車体にセンサを設けることで、自動的に畔など可動範囲の境界25を検知することが可能となり、昼夜を問わずに農作業を行うことも可能である。
【符号の説明】
【0035】
1 駆動・充電モード変換器
2 固定子位置移動装置
2a 固定子移動用モータ
2b 固定子移動用ガイド
3a,3b A/D変換器
4 スイッチ
5 二次電池
6 DCコネクタ(コネクタ)
7 ECU(制御装置)
8a モータ・変圧器兼用ヨーク
8b 変圧器用ヨーク
8c モータ用ヨーク
9 三相脚
10S モータ固定子
10 モータ回転子
11a 動力軸
11b 軸受
12 トランス三相脚
13 遠隔監視装置
14a,14b,14c D/D変換器
15 太陽光発電設備
16a,16b DCコネクタ(給電スポット)
17a,17b 農機
18 D/D変換器
19 自動操縦制御装置
20 送受信機
21 バッテリ(蓄電池)
22 A/D変換器
23 交流電源
24 センサ
25 可動範囲の境界
30 自宅
31 直流線
100 駆動装置
C ケーブル
V 電動移動体
【要約】
【課題】充電モード及び駆動モードを適切に切り替えることができる駆動装置を提供する。
【解決手段】駆動装置100は、モータを駆動する駆動装置あって、二次電池5と、外部から直流電力が供給されるDCコネクタ6と、ECU7から、モータ固定子の位置を移動する固定子位置移動装置2への指令により駆動モード・充電モードを切り替える駆動・充電モード変換器1を備え、駆動・充電モード変換器1は、駆動モードにおいて二次電池5からの直流電力を駆動力に変えるとともに、充電モードにおいてDCコネクタ6から供給された直流電力を変圧する機能を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9