特許第6846572号(P6846572)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6846572
(24)【登録日】2021年3月3日
(45)【発行日】2021年3月24日
(54)【発明の名称】符号化方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 1/00 20060101AFI20210315BHJP
   H03M 13/13 20060101ALI20210315BHJP
   H03M 13/09 20060101ALI20210315BHJP
【FI】
   H04L1/00 A
   H03M13/13
   H03M13/09
【請求項の数】40
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2020-513723(P2020-513723)
(86)(22)【出願日】2018年5月4日
(65)【公表番号】特表2020-533855(P2020-533855A)
(43)【公表日】2020年11月19日
(86)【国際出願番号】CN2018085529
(87)【国際公開番号】WO2019047544
(87)【国際公開日】20190314
【審査請求日】2020年4月2日
(31)【優先権主張番号】201710807301.9
(32)【優先日】2017年9月8日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ホアン,リンチェン
(72)【発明者】
【氏名】ダイ,ションチェン
(72)【発明者】
【氏名】シュイ,チェン
(72)【発明者】
【氏名】チアオ,ユンフェイ
(72)【発明者】
【氏名】リ,ルゥォン
【審査官】 阿部 弘
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0365842(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0155405(US,A1)
【文献】 Samsung,Design of a Nested Sequence for Polar Codes[online],3GPP TSG RAN WG1 #88b R1-1705425,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_88b/Docs/R1-1705425.zip>,2017年 3月25日,pp. 1-8
【文献】 Huawei, HiSilicon,CRC polynomial for L1 control information and MIB[online],3GPP TSG RAN WG1 adhoc_NR_AH_1706 R1-1710471,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_AH/NR_AH_1706/Docs/R1-1710471.zip>,2017年 6月20日,pp. 1-3
【文献】 ZTE,Segmentation of Polar codes for large UCI[online],3GPP TSG RAN WG1 #90 R1-1713237,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_90/Docs/R1-1713237.zip>,2017年 8月17日,pp. 1-6
【文献】 村田 拓海 Takumi MURATA,Polar符号のリスト復号に適したCRCの設計に関する検討 CRC Design for List Decoding of Polar Codes,電子情報通信学会技術研究報告 Vol.115 No.396 IEICE Technical Report,日本,一般社団法人電子情報通信学会 The Institute of Electronics,Information and Communication Engineers,2016年 1月11日,第115巻/第396号,pp. 179-182
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 1/00
H03M 13/09
H03M 13/13
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1,4
IEEE 802.11
15
16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
符号化方法であって、
符号化装置により、巡回冗長検査(CRC)符号化されたビット系列を取得するために、CRC多項式に基づいて、A個の符号化対象の情報ビットに対してCRC符号化を実行するステップであり、前記CRC符号化されたビット系列はL個のCRCビット及び前記A個の符号化対象の情報ビットを含み、L及びAは正の整数であり、L=11であり、前記CRC多項式は、
D^11+D^10+D^9+D^5+1
である、ステップと、
前記符号化装置により、ポーラー符号化されたビット系列を取得するために、前記CRC符号化されたビット系列に対してポーラー符号化を実行するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記CRC多項式は、シフトレジスタを使用することにより実現される、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記CRC符号化されたビット系列内の前記L個のCRCビットは、前記A個の符号化対象の情報ビットの後に位置する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
当該方法は、
前記符号化装置により、前記ポーラー符号化されたビット系列を送信するステップを更に含む、請求項1乃至のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記ポーラー符号化されたビット系列を送信する前に、前記符号化装置は、ターゲット符号長に基づいて前記ポーラー符号化されたビット系列に対してレートマッチングを実行する、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記符号化装置は基地局又は端末である、請求項1乃至のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
符号化装置であって、
巡回冗長検査(CRC)符号化されたビット系列を取得するために、CRC多項式に基づいて、A個の符号化対象の情報ビットに対してCRC符号化を実行するように構成された第1の符号化モジュールであり、前記CRC符号化されたビット系列はL個のCRCビット及び前記A個の符号化対象の情報ビットを含み、L及びAは正の整数であり、L=11であり、前記CRC多項式は、
D^11+D^10+D^9+D^5+1
である、第1の符号化モジュールと、
ポーラー符号化されたビット系列を取得するために、前記CRC符号化されたビット系列に対してポーラー符号化を実行するように構成された第2の符号化モジュールと
を含む装置。
【請求項8】
当該装置は、シフトレジスタを更に含み、前記CRC多項式は、前記シフトレジスタを使用することにより実現される、請求項に記載の装置。
【請求項9】
前記CRC符号化されたビット系列内の前記L個のCRCビットは、前記A個の符号化対象の情報ビットの後に位置する、請求項7又は8に記載の装置。
【請求項10】
当該装置は、前記ポーラー符号化されたビット系列を送信するように構成された送信モジュールを更に含む、請求項乃至のうちいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記ポーラー符号化されたビット系列を送信する前に、当該装置は、ターゲット符号長に基づいて前記ポーラー符号化されたビット系列に対してレートマッチングを実行するように構成される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
当該装置は基地局又は端末である、請求項乃至11のうちいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
プロセッサを含む符号化装置であって、
前記プロセッサは、
巡回冗長検査(CRC)符号化されたビット系列を取得するために、CRC多項式に基づいて、A個の符号化対象の情報ビットに対してCRC符号化を実行し、前記CRC符号化されたビット系列はL個のCRCビット及び前記A個の符号化対象の情報ビットを含み、L及びAは正の整数であり、L=11であり、前記CRC多項式は、
D^11+D^10+D^9+D^5+1
であり、
ポーラー符号化されたビット系列を取得するために、前記CRC符号化されたビット系列に対してポーラー符号化を実行する、ように構成される、装置。
【請求項14】
当該符号化装置は、メモリを更に含み、前記メモリは、プログラム命令を記憶するように構成される、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記CRC多項式は、シフトレジスタを使用することにより実現される、請求項13又は14に記載の装置。
【請求項16】
前記CRC符号化されたビット系列内の前記L個のCRCビットは、前記A個の符号化対象の情報ビットの後に位置する、請求項13乃至15のうちいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
当該装置は、前記ポーラー符号化されたビット系列を送信するように構成されたトランシーバを更に含む、請求項13乃至16のうちいずれか1項に記載の装置。
【請求項18】
前記トランシーバが前記ポーラー符号化されたビット系列を送信する前に、前記プロセッサは、ターゲット符号長に基づいて前記ポーラー符号化されたビット系列に対してレートマッチングを実行するように更に構成される、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
当該装置は基地局又は端末である、請求項13乃至18のうちいずれか1項に記載の装置。
【請求項20】
符号化装置であって、
A個の符号化対象の情報ビットを取得するように構成された入力インタフェースと、
巡回冗長検査(CRC)符号化されたビット系列を取得するために、CRC多項式に基づいて、前記A個の符号化対象の情報ビットに対してCRC符号化を実行し、前記CRC符号化されたビット系列はL個のCRCビット及び前記A個の符号化対象の情報ビットを含み、L及びAは正の整数であり、L=11であり、前記CRC多項式は、
D^11+D^10+D^9+D^5+1
であり、
ポーラー符号化されたビット系列を取得するために、前記CRC符号化されたビット系列に対してポーラー符号化を実行する、ように構成された論理回路と、
前記ポーラー符号化されたビット系列を出力するように構成された出力インタフェースと
を含む装置。
【請求項21】
前記CRC多項式は、シフトレジスタを使用することにより実現される、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記CRC符号化されたビット系列内の前記L個のCRCビットは、前記A個の符号化対象の情報ビットの後に位置する、請求項20又は21に記載の装置。
【請求項23】
前記論理回路は、前記出力インタフェースが前記ポーラー符号化されたビット系列を送信する前に、ターゲット符号長に基づいて前記ポーラー符号化されたビット系列に対してレートマッチングを実行するように更に構成される、請求項20に記載の装置。
【請求項24】
コンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、
当該記憶媒体は、コンピュータプログラムを記憶するように構成され、
前記コンピュータプログラムが通信デバイスにより実行されるとき、請求項1乃至のうちいずれか1項に記載の方法が実行される、コンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項25】
復号化方法であって、
復号化装置により、復号化対象の系列を受信するステップと、
前記復号化装置により、ポーラー復号化されたビット系列を取得するために、巡回冗長検査(CRC)多項式に基づいて、前記復号化対象の系列に対してポーラー復号化を実行するステップであり、前記ポーラー復号化されたビット系列はL個のCRCビット及びA個の情報ビットを含み、L及びAは正の整数であり、L=11であり、前記CRC多項式は、
D^11+D^10+D^9+D^5+1
である、ステップと、
前記復号化装置により、前記ポーラー復号化されたビット系列を出力するステップと
を含む方法。
【請求項26】
前復号化対象の系列内の前記L個のCRCビットは、前記A個の情報ビットの後に位置する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記復号化装置が前記復号化対象の系列を受信する前に、前記復号化装置は、前記復号化対象の系列を取得するために、送信端から情報又はデータを受信し、前記送信端からの前記情報又はデータに対してレートデマッチングを実行するように更に構成される、請求項25又は26に記載の方法。
【請求項28】
前記復号化装置は基地局又は端末である、請求項25乃至27のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
復号化装置であって、
復号化対象の系列を取得するように構成された取得モジュールであり、前記復号化対象の系列はL個の巡回冗長検査(CRC)ビット及びA個の情報ビットを含み、L及びAは正の整数であり、L=11である、取得モジュールと、
ポーラー復号化されたビット系列を取得するために、CRC多項式に基づいて、前記復号化対象の系列に対してポーラー復号化を実行するように構成された復号化モジュールであり、前記CRC多項式は、
D^11+D^10+D^9+D^5+1
である、復号化モジュールと
を含む装置。
【請求項30】
前復号化対象の系列内の前記L個のCRCビットは、前記A個の情報ビットの後に位置する、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記取得モジュールが前記復号化対象の系列を受信する前に、前記取得モジュールは、前記復号化対象の系列を取得するために、送信端から情報又はデータを受信し、前記送信端からの前記情報又はデータに対してレートデマッチングを実行するように更に構成される、請求項29又は30に記載の装置。
【請求項32】
当該装置は基地局又は端末である、請求項29乃至31のうちいずれか1項に記載の装置。
【請求項33】
プロセッサを含む復号化装置であって、
前記プロセッサは、
復号化対象の系列を取得し、前記復号化対象の系列はL個の巡回冗長検査(CRC)ビット及びA個の情報ビットを含み、L=11であり、
ポーラー復号化されたビット系列を取得するために、CRC多項式に基づいて、前記復号化対象の系列に対してポーラー復号化を実行し、前記CRC多項式は、
D^11+D^10+D^9+D^5+1
である、ように構成される、装置。
【請求項34】
当該復号化装置は、メモリを更に含み、前記メモリは、プログラム命令を記憶するように構成される、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前復号化対象の系列内の前記L個のCRCビットは、前記A個の情報ビットの後に位置する、請求項33又は34に記載の装置。
【請求項36】
前記プロセッサが前記復号化対象のビット系列を受信する前に、前記プロセッサは、前記復号化対象の系列を取得するために、送信端から情報又はデータを受信し、前記送信端からの前記情報又はデータに対してレートデマッチングを実行するように更に構成される、請求項33乃至35のうちいずれか1項に記載の装置。
【請求項37】
当該装置は基地局又は端末である、請求項33乃至36のうちいずれか1項に記載の装置。
【請求項38】
復号化装置であって、
復号化対象の系列を取得するように構成された入力インタフェースと、
ポーラー復号化されたビット系列を取得するために、巡回冗長検査(CRC)多項式に基づいて、前記復号化対象の系列に対してポーラー復号化を実行するように構成された論理回路であり、前記ポーラー復号化されたビット系列はL個のCRCビット及びA個の情報ビットを含み、L及びAは正の整数であり、L=11であり、前記CRC多項式は、
D^11+D^10+D^9+D^5+1
である、論理回路と、
前記ポーラー復号化されたビット系列を出力するように構成された出力インタフェースと
を含む装置。
【請求項39】
前復号化対象の系列内の前記L個のCRCビットは、前記A個の情報ビットの後に位置する、請求項38に記載の装置。
【請求項40】
コンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、
当該記憶媒体は、コンピュータプログラムを記憶するように構成され、
前記コンピュータプログラムが通信デバイスにより実行されるとき、請求項25乃至27のうちいずれか1項に記載の方法が実行される、コンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、通信技術の分野に関し、特に符号化方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通信システムにおいて、チャネル符号化は、通常では、データ送信の信頼性を改善し、通信の品質を確保するために実行される。現在、5G移動通信システムは、3つの主要な適用シナリオ、すなわち、拡張モバイルブロードバンド(eMBB)、超高信頼性低遅延通信(URLLC)及び大規模マシンタイプ通信(mMTC)を含み、データ通信のための新たな要件が提示されており、polar(ポーラー)符号は、チャネル容量に「到達した」ことが厳密に証明できる第1のチャネル符号化方法であり、5G通信システム及び将来の通信システムに適用可能になり得る。
【発明の概要】
【0003】
この出願は、符号化方法及び装置を提供する。
【0004】
第1の態様によれば、この出願は符号化方法を提供し、
送信端により、第1のビット系列を取得するために、巡回冗長検査(CRC)多項式に基づいて、A個の符号化対象の情報ビットに対してCRC符号化を実行するステップであり、第1のビット系列はL個のCRCビット及びA個の情報ビットを含み、L及びAは正の整数であり、L=11であり、CRC多項式は以下の多項式、すなわち、
D^11+D^10+D^9+D^5+1、
D^11+D^7+D^6+D^2+1、
D^11+D^10+D^9+D^6+D^4+D^2+1、
D^11+D^10+D^9+D^7+D^5+D+1、
D^11+D^9+D^8+D^6+D^5+D+1、
D^11+D^10+D^9+D^8+D^7+D^5+D^4+D+1、
D^11+D^10+D^3+D+1、
D^11+D^5+D^3+D+1、
D^11+D^10+D^9+D^8+D^6+D^5+D^3+D+1、
D^11+D^10+D^8+D^7+D^6+D^5+D^3+D+1、
D^11+D^9+D^7+D^6+D^5+D^4+D^3+D+1、
D^11+D^10+D^9+D^7+D^6+D^3+D^2+D+1、又は
D^11+D^8+D^6+D^5+D^4+D^3+D^2+D+1
のうちいずれか1つである、ステップと、
第1のビット系列に対してポーラー符号化を実行するステップと
を含む。
【0005】
この符号化方式を使用することにより、通信が正常に実行されることを確保するためのFAR要件が満たされ得る。
【0006】
可能な設計では、CRC多項式は、シフトレジスタを使用することにより実現される。
【0007】
可能な設計では、第1のビット系列内のL個のCRCビットは、A個の符号化対象の情報ビットの後に位置する。
【0008】
可能な設計では、送信端は、第1のポーラー符号化されたビット系列を送信する。
【0009】
可能な設計では、符号化方法は、ハードウェアを使用することにより実現されてもよく、例えば、回路又は1つ以上の集積回路を使用することにより実現されてもよい。代替として、符号化方法は、ソフトウェアを使用することにより実現されてもよい。例えば、1つ以上のプロセッサは、メモリに記憶された命令を読み取ることにより、符号化方法を実行する。1つ以上のプロセッサは、チップに統合されてもよく、或いは、複数のチップに分散されてもよい。代替として、符号化方法は、ハードウェアを使用することにより部分的に実現され、ソフトウェアを使用することにより部分的に実現されてもよい。例えば、プロセッサは、メモリに記憶された命令を読み取ることにより、「第1のビット系列を取得するために、巡回冗長検査(CRC)多項式に基づいて、A個の符号化対象の情報ビットに対してCRC符号化を実行する」ステップを実行し、「第1のビット系列に対してポーラー符号化を実行する」ステップは、論理回路又はアクセラレータを使用することにより実現される。明らかに、具体的な実現の中で、当業者は、代替として、上記の方式の組み合わせを使用してもよい。
【0010】
可能な設計では、送信端は基地局又は端末である。
【0011】
第2の態様によれば、この出願は符号化装置を提供し、
第1のビット系列を取得するために、巡回冗長検査(CRC)多項式に基づいて、A個の符号化対象の情報ビットに対してCRC符号化を実行するように構成された第1の符号化モジュールであり、第1のビット系列はL個のCRCビット及びA個の情報ビットを含み、L及びAは正の整数であり、L=11であり、CRC多項式は以下の多項式、すなわち、
D^11+D^10+D^9+D^5+1、
D^11+D^7+D^6+D^2+1、
D^11+D^10+D^9+D^6+D^4+D^2+1、
D^11+D^10+D^9+D^7+D^5+D+1、
D^11+D^9+D^8+D^6+D^5+D+1、
D^11+D^10+D^9+D^8+D^7+D^5+D^4+D+1、
D^11+D^10+D^3+D+1、
D^11+D^5+D^3+D+1、
D^11+D^10+D^9+D^8+D^6+D^5+D^3+D+1、
D^11+D^10+D^8+D^7+D^6+D^5+D^3+D+1、
D^11+D^9+D^7+D^6+D^5+D^4+D^3+D+1、
D^11+D^10+D^9+D^7+D^6+D^3+D^2+D+1、又は
D^11+D^8+D^6+D^5+D^4+D^3+D^2+D+1
のうちいずれか1つである、第1の符号化モジュールと、
第1のビット系列に対してポーラー符号化を実行するように構成された第2の符号化モジュールと
を含む。
【0012】
可能な設計では、CRC多項式は、シフトレジスタを使用することにより実現される。
【0013】
可能な設計では、第1のビット系列内のL個のCRCビットは、A個の符号化対象の情報ビットの後に位置する。
【0014】
可能な設計では、当該装置は、第1のポーラー符号化されたビット系列を送信するように構成された送信モジュールを更に含む。
【0015】
可能な設計では、当該装置は基地局又は端末である。
【0016】
第3の態様によれば、この出願はプロセッサを含む符号化装置を提供する。プロセッサは、
第1のビット系列を取得するために、巡回冗長検査(CRC)多項式に基づいて、A個の符号化対象の情報ビットに対してCRC符号化を実行し、第1のビット系列はL個のCRCビット及びA個の情報ビットを含み、L及びAは正の整数であり、L=11であり、CRC多項式は以下の多項式、すなわち、
D^11+D^10+D^9+D^5+1、
D^11+D^7+D^6+D^2+1、
D^11+D^10+D^9+D^6+D^4+D^2+1、
D^11+D^10+D^9+D^7+D^5+D+1、
D^11+D^9+D^8+D^6+D^5+D+1、
D^11+D^10+D^9+D^8+D^7+D^5+D^4+D+1、
D^11+D^10+D^3+D+1、
D^11+D^5+D^3+D+1、
D^11+D^10+D^9+D^8+D^6+D^5+D^3+D+1、
D^11+D^10+D^8+D^7+D^6+D^5+D^3+D+1、
D^11+D^9+D^7+D^6+D^5+D^4+D^3+D+1、
D^11+D^10+D^9+D^7+D^6+D^3+D^2+D+1、又は
D^11+D^8+D^6+D^5+D^4+D^3+D^2+D+1
のうちいずれか1つであり、
第1のビット系列に対してポーラー符号化を実行する、
ように構成される。
【0017】
可能な設計では、符号化装置は、メモリを更に含み、メモリは、プログラム命令を記憶するように構成される。
【0018】
可能な設計では、CRC多項式は、シフトレジスタを使用することにより実現される。
【0019】
可能な設計では、第1のビット系列内のL個のCRCビットは、A個の符号化対象の情報ビットの後に位置する。
【0020】
可能な設計では、当該装置は基地局又は端末である。
【0021】
メモリは、プロセッサの内部にあってもよく、或いは、プロセッサの外部にあってもよい。プロセッサは、端末又は基地局に統合されてもよい。
【0022】
プロセッサは、回路、1つ以上の集積回路又は1つ以上の専用チップでもよい。代替として、プロセッサは、汎用チップでもよく、符号化方法を実現するために使用されるプログラム命令がプロセッサにロードされたとき、上記の符号化機能が実現されてもよい。代替として、プロセッサは、回路、集積回路、専用チップ及び汎用チップのうち1つ以上の組み合わせでもよい。
【0023】
第4の態様によれば、この出願は符号化装置を提供し、
符号化対象のビット系列を取得するように構成された入力インタフェースと、
符号化ビットを取得するために、取得された符号化対象のビット系列に基づいて、第1の態様及び第1の態様の可能な設計のうちいずれか1つによる方法を実行するように構成された論理回路と、
符号化ビットを出力するように構成された出力インタフェースと
を含む。
【0024】
可能な設計では、当該装置は基地局又は端末である。
【0025】
第5の態様によれば、この出願は、第3の態様及び第3の態様の可能な設計において提供される符号化装置と、トランシーバとを含む通信デバイスを提供し、
トランシーバは、符号化装置により符号化されたビットを送信するように構成される。
【0026】
可能な設計では、当該装置は基地局又は端末である。
【0027】
第6の態様によれば、この出願は、コンピュータプログラムを含む読み取り可能記憶媒体を提供する。コンピュータプログラムは、第1の態様及び第1の態様の可能な設計のうちいずれか1つにおいて提供される符号化方法を実現するために使用される。
【0028】
第7の態様によれば、この出願はプログラムプロダクトを提供する。プログラムプロダクトはコンピュータプログラムを含む。コンピュータプログラムは、読み取り可能記憶媒体に記憶される。符号化装置の少なくとも1つのプロセッサは、読み取り可能記憶媒体からコンピュータプログラムを読み取ってもよく、少なくとも1つのプロセッサは、コンピュータプログラムを実行し、それにより、符号化装置は、第1の態様及び第1の態様の可能な設計における符号化方法を実行する。
【0029】
この出願において提供されるCRC多項式が使用された後に、通信が正常に実行されることを確保するためのシステムのFAR要件が満たされることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1(a)】この出願の実施形態に適用される通信システムの概略アーキテクチャ図である。
図1(b)】この出願の実施形態に適用される通信システムの概略アーキテクチャ図である。
図2】通信システムの概略フローチャートである。
図3】この出願による符号化方法の実施形態のフローチャートである。
図4】CRC符号化方式の概略図である。
図5】この出願の実施形態による符号化装置の第1の概略構造図である。
図6】この出願の実施形態による符号化装置の第2の概略構造図である。
図7】この出願の実施形態による符号化装置の第3の概略構造図である。
図8】この出願の実施形態による復号化装置の第1の概略構造図である。
図9】この出願の実施形態による復号化装置の第2の概略構造図である。
図10】この出願の実施形態による復号化装置の第3の概略構造図である。
図11】この出願の実施形態によるネットワークデバイス及び端末の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
polar符号は線形ブロック符号である。polar符号の生成行列はGNである。polar符号の符号化プロセスはx1N=u1NGNである。u1N=(u1,u2,…,uN)は長さがN(すなわち、符号長)であるバイナリ行ベクトルである。
【数1】
であり、ここで、
【数2】
であり、
【数3】
はlog2N個の行列F2のクロネッカー(Kronecker)積として定義される。x1Nは符号化ビット(コードワードとも呼ばれる)であり、符号化ビットは、u1Nが生成行列GNで乗算された後に取得され、乗算プロセスは符号化プロセスである。polar符号の符号化プロセスにおいて、u1Nのうちいくつかのビットは、情報を搬送するために使用され、情報ビットと呼ばれ、情報ビットのインデックスの集合はAとして記され、u1Nのうち他のビットは、受信端及び送信端が事前に取り決めた固定値に設定され、凍結ビットと呼ばれ、凍結ビットのインデックスの集合はAの相補集合ACを使用することにより表される。凍結ビットは、通常では0に設定される。受信側及び送信側が事前に取り決めているという条件で、凍結ビット系列は任意に設定されてもよい。
【0032】
システムの符号化性能を更に改善するために、検査能力を有する外部コード、例えば、巡回冗長検査(英語:Cyclic Redundancy Check, CRC)符号がpolar符号と連結されてもよい。シリアルキャンセルリスト(Serial Cancellation List)復号化のような復号化方式が使用されるとき、通常では、復号化が終了した後に巡回冗長検査に基づいて生き残りパスに対して選択が実行され、それにより、システムのチャネル符号化性能を改善する。Polar符号が制御チャネルに使用されるとき、通常の技術指標であるブロック誤り率(block error rate, BLER)に加えて、誤警報率(false alarm rate, 略称FAR)指標が更に満たされる必要がある。例えば、CRCビット数がLであり、シリアルキャンセルリスト復号化のような復号化方式が使用され、復号化が終了した後に巡回冗長検査が使用され、生き残りパスのうちT個のパスが検査される場合、FARは、通常では(2^(−L+log2(T)))未満であることが要求される。値Tに対する選択は、巡回冗長検査多項式及び長さに依存せず、復号化の実現の複雑さ、復号化性能等に依存する点に留意すべきである。したがって、FAR要件に従ってCRC検査符号とpolar符号とを連結する適切な方式をどのように見出すかが検討される必要がある。この出願は、Lの値に基づいて適切なCRC多項式を決定することに重点を置き、それにより、システム要件を満たし、通信が正常に実行されることを確保する。
【0033】
この出願の実施形態は、無線通信システムに適用されてもよい。この出願の実施形態において言及される無線通信システムは、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution, LTE)システムと、次世代5G移動通信システムの3つの主要な適用シナリオ、すなわち、拡張モバイルブロードバンド(Enhanced Mobile Broad Band, eMBB)、URLLC及び大規模マシンタイプ通信(Massive Machine-Type Communications, mMTC)とを含むが、これらに限定されない点に留意すべきである。代替として、無線通信システムは、デバイス対デバイス(Device to Device, D2D)通信システム、他の通信システム、将来の通信システム等でもよい。
【0034】
この出願に関連する通信装置は、通信デバイス内に構成されてもよく、通信デバイスは、主にネットワークデバイス又は端末デバイスを含む。この出願における送信端がネットワークデバイスである場合、受信端は端末デバイスであり、或いは、この出願における送信端が端末デバイスである場合、受信端はネットワークデバイスである。
【0035】
この出願の実施形態では、図1(a)に示すように、通信システム100は、ネットワークデバイス110及び端末112を含む。無線通信ネットワーク100がコアネットワークを含むとき、ネットワークデバイス110はコアネットワークに更に接続されてもよい。ネットワークデバイス110は、インターネット(internet)、プライベートIPネットワーク又は他のデータネットワークのようなIPネットワーク200と更に通信してもよい。ネットワークデバイスは、カバレッジ内の端末にサービスを提供する。例えば、図1(a)を参照すると、ネットワークデバイス110は、ネットワークデバイス110のカバレッジ内の1つ以上の端末に無線アクセスを提供する。さらに、ネットワークデバイス110及びネットワークデバイス120のようなネットワークデバイスのカバレッジ内に重複領域が存在してもよい。ネットワークデバイスは、更に、互いに通信してもよい。例えば、ネットワークデバイス110は、ネットワークデバイス120と通信してもよい。
【0036】
ネットワークデバイス110又は端末112が情報又はデータを送信するとき、この出願の実施形態に記載される符号化方法が使用されてもよい。したがって、説明の便宜上、この出願のこの実施形態では、通信システム100は、図1(b)に示すように、送信端101及び受信端102を含むシステムに簡略化される。送信端101はネットワークデバイス110でもよく、受信端102は端末112であるか、或いは、送信端101は端末112であり、受信端102はネットワークデバイス110である。ネットワークデバイス110は、端末デバイスと通信するように構成されたデバイスでもよい。例えば、ネットワークデバイス110は、LTEシステムにおける進化型ノードB(Evolved NodeB、eNB又はeNodeB)、5Gネットワークにおけるネットワーク側デバイス、他のネットワークにおいて端末と通信するネットワーク側デバイス、又は将来のネットワークにおけるネットワーク側デバイスでもよい。代替として、ネットワークデバイスは、中継局、アクセスポイント、車載デバイス等でもよい。デバイス対デバイス(Device to Device, D2D)通信システムにおいて、ネットワークデバイスは、基地局の役割を果たす端末でもよい。端末は、無線通信機能を有する様々なハンドヘルドデバイス、車載デバイス、ウェアラブルデバイス若しくはコンピューティングデバイス、又は無線モデムに接続された他の処理デバイスと、様々な形式のユーザ装置(user equipment, UE)、移動局(mobile station, MS)等とを含んでもよい。
【0037】
この出願に関連する符号化プロセスは、概ね、符号化対象の情報に対してCRC検査を実行し、必要な場合には、CRC検査されたビット系列に対してインターリーブのような操作を実行し、次いで、polar符号化を実行することである。さらに、レートマッチング、変調、デジタル・アナログ変換及び周波数変換を含むが、これらに限定されないもののうち1つ以上が、ターゲット符号長Mに基づいて、polar符号化の後に取得された符号化ビットに対して更に実行されてもよい。
【0038】
図2は、通信システムの概略フローチャートである。図2に示すように、送信端では、信号ソースは、信号ソース符号化、チャネル符号化、レートマッチング(任意選択のステップ)及び変調を順次受け、次いで、送信を受ける。受信端では、信号ソースは、復調、レートデマッチング(任意選択のステップ)、チャネル復号化及び信号ソース復号化を順次受け、信号シンクに出力される。この出願の実施形態は、主にチャネル符号化及びチャネル復号化(簡単にチャネル符号化及び復号化と呼ばれる)に関連しており、具体的な例を使用して以下に説明する。CRC検査と連結されたpolar符号は、この出願の実施形態において、チャネル符号化及び復号化のために使用されてもよい。
【0039】
この出願は、FAR要件を満たすための符号化方法及び装置を提供する。この出願に関連する方法及び装置は、制御チャネルとデータチャネルとの双方に適用可能であり、アップリンクとダウンリンクとの双方に適用可能である。この出願において提供される符号化方法及び装置について、添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。
【0040】
図3は、この出願による符号化方法の実施形態のフローチャートである。図3に示すように、この実施形態は送信端により実行され、この実施形態の方法は以下のステップを含んでもよい。
【0041】
S101.送信端は、第1のビット系列を取得するために、CRC多項式に基づいて、A個の符号化対象の情報ビットに対してCRC符号化を実行し、第1のビット系列はL個のCRCビット及びA個の情報ビットを含み、L及びAは正の整数であり、Lは通常ではCRC長とも呼ばれる。
【0042】
FAR要件を考慮して、L=11であるとき、CRC多項式は以下の多項式、すなわち、
D^11+D^10+D^9+D^5+1、
D^11+D^7+D^6+D^2+1、
D^11+D^10+D^9+D^6+D^4+D^2+1、
D^11+D^10+D^9+D^7+D^5+D+1、
D^11+D^9+D^8+D^6+D^5+D+1、
D^11+D^10+D^9+D^8+D^7+D^5+D^4+D+1、
D^11+D^10+D^3+D+1、
D^11+D^5+D^3+D+1、
D^11+D^10+D^9+D^8+D^6+D^5+D^3+D+1、
D^11+D^10+D^8+D^7+D^6+D^5+D^3+D+1、
D^11+D^9+D^7+D^6+D^5+D^4+D^3+D+1、
D^11+D^10+D^9+D^7+D^6+D^3+D^2+D+1、又は
D^11+D^8+D^6+D^5+D^4+D^3+D^2+D+1
のうちいずれか1つである。
【0043】
選択された多項式に基づいてCRC符号化を実行する具体的なプロセスは、現在の一般的なCRC符号化と同じである。
【0044】
具体的には、A個の符号化対象の情報ビットを受信した後に、送信端は、第1のビット系列を取得するために、CRC多項式に基づいてL個のCRCビットを加算する。
【0045】
A個の符号化対象の情報ビットは、送信対象の情報ビットを昇順又は降順にソートすることにより取得されてもよく、或いは、情報ビットに対して他の処理を実行することにより取得されてもよい。これは、ここでは限定されない。
【0046】
CRC符号化の実現方式は、シフトレジスタの形式である。例えば、図4は、シフトレジスタ(簡単にレジスタと呼ばれる)の形式でCRC符号化を実現する一般的に使用される方式を示す。レジスタのフィードバックタップは、CRC多項式D^4+D^2+1により決定され、レジスタの内容は、予め設定された値に初期化される。符号化の間に、符号化対象の情報ビットは、ビット毎に、横からレジスタにシフトされ、ビット排他的論理和演算が、フィードバックタップ及び対応するレジスタ状態に対して実行され、それにより、レジスタ状態が変化する。全ての符号化対象のビットがレジスタにシフトされた後に、数がCRC長のビット数に等しいビット0がレジスタにシフトされ、次いで、レジスタ状態が読み取られ、レジスタ状態がCRCビットとして使用され、CRC符号化のコードワードとして使用される。第1のビット系列内のL個のCRCビットは、A個の符号化対象の情報ビットの後に位置してもよく、A個の符号化対象の情報ビットの前に位置してもよく、或いは、受信端及び送信端が取り決めるいずれかの位置に位置してもよい。
【0047】
S102.送信端は、第2のビット系列を取得するために、第1のビット系列をインターリーブする。
【0048】
インターリーブするステップでは、第1のビット系列内のいくつかのビットがインターリーブされてもよく、或いは、第1のビット系列内の全てのビットがインターリーブされてもよい。このステップは任意選択のステップである点に留意すべきである。このステップは、情報ビット及び/又はCRC検査ビットの位置が調整される必要があるときにのみ必要であり、情報ビット及び/又はCRC検査ビットの位置が調整される必要がない場合、このステップは、実際の符号化プロセスにおいて省略されてもよく、この場合、ステップS103における第2のビット系列は第1のビット系列である。具体的なインターリーブ方式は、この出願の内容ではなく、詳細は説明しない。
【0049】
S103.送信端は、第3のビット系列を取得するために、第2のビット系列に対してポーラー符号化を実行する。ステップS102が省略されるとき、このステップは、送信端が、第3のビット系列を取得するために、第1のビット系列に対してポーラー符号化を実行することである。
【0050】
既存のポーラー符号化方法は、送信端により、第2のビット系列に対してポーラー符号化を実行するための符号化方法として使用されてもよい。詳細はここでは説明しない。
【0051】
S104(図示せず).送信端は、第3のビット系列に対してレートマッチング、変調、アナログ・デジタル変換及び周波数変換を含むが、これらに限定されないものの一部又は全部のステップを実行し、次いで、第3のビット系列を送信する。
【0052】
ステップS104におけるレートマッチングステップは任意選択である点に留意すべきである。符号化符号長がターゲット符号の符号長と同じである場合、レートマッチングは必要ない。本発明のこの実施形態は、ステップS104を強調しない。したがって、詳細はここでは説明しない。例えば、可能な実現方式では、当業者は、従来技術のやり方を参照してもよい。
【0053】
この実施形態において提供される符号化方法に基づいて、送信端は、第1のビット系列を取得するために、この出願において提供されるCRC多項式に基づいてA個の符号化対象の情報ビットに対してCRC符号化を実行し、次いで、第1のビット系列に対してインターリーブ(必要な場合)及びpolar符号化を実行する。したがって、CRCが連結された後に、使用されるポーラー符号化方式は、FAR要件を満たすことができる。
【0054】
復号化対象の情報ビットを受信した後に、受信端(復号化器側)も同じCRC多項式に基づいてCRC検査を実行する必要がある点に留意すべきである。詳細はここでは説明しない。
【0055】
この出願のこの実施形態では、復号化器端における復号化操作は、概ね、復号化対象の系列を受信し、CRC多項式に基づいて、取得された復号化対象の系列に対してpolar復号化を実行することである。
【0056】
図3に示す符号化方法のものと同じ発明の考えに基づいて、図5に示すように、この出願の実施形態は、装置700を更に提供する。符号化装置700は、図3に示す符号化方法を実行するように構成される。図3に示す符号化方法の一部又は全部のステップは、ハードウェアを使用することにより、或いは、ソフトウェアを使用することにより実行されてもよい。図3に示す符号化方法の一部又は全部のステップがハードウェアを使用することにより実行されるとき、符号化装置700は、符号化対象のビット系列を取得するように構成された入力インタフェース701と、図3に示す符号化方法を実行するように構成され、詳細については、上記の実施形態の説明を参照し、詳細はここでは再び説明しない論理回路702と、符号化されたビット系列を出力するように構成された出力インタフェース703とを含む。
【0057】
任意選択で、具体的な実現の中で、符号化装置700はチップ又は集積回路でもよい。
【0058】
任意選択で、上記の実施形態の符号化方法の一部又は全部のステップがソフトウェアを使用することにより実行されるとき、図6に示すように、符号化装置800は、プログラムを記憶するように構成されたメモリ801と、メモリ801に記憶されたプログラムを実行するように構成されたプロセッサ802とを含む。プログラムが実行されるとき、符号化装置800は、図3における実施形態において提供される符号化方法を実行する。
【0059】
任意選択で、メモリ801は、物理的に独立したユニットでもよく、或いは、プロセッサ802と一緒に統合されてもよい。
【0060】
任意選択で、図3における実施形態の符号化方法の一部又は全部のステップがソフトウェアを使用することにより実行されるとき、符号化装置800は、プロセッサ802のみを含んでもよい。プログラムを記憶するように構成されたメモリ801は、符号化装置800の外部に位置し、プロセッサ802は、回路又はワイヤを使用することによりメモリ801に接続され、メモリ801に記憶されたプログラムを読み取って実行するように構成される。
【0061】
プロセッサ802は、中央処理装置(central processing unit, CPU)、ネットワークプロセッサ(network processor, NP)又はCPUとNPとの組み合わせでもよい。
【0062】
プロセッサ802は、ハードウェアチップを更に含んでもよい。ハードウェアチップは、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit, ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(programmable logic device, PLD)又はこれらの組み合わせでもよい。PLDは、複雑プログラマブルロジックデバイス(complex programmable logic device, CPLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array, FPGA)、ジェネリックアレイロジック(generic array logic, GAL)又はこれらのいずれかの組み合わせでもよい。
【0063】
メモリ801は、揮発性メモリ(volatile memory)、例えば、ランダムアクセスメモリ(random access memory, RAM)を含んでもよい。代替として、メモリ801は、不揮発性メモリ(non-volatile memory)、例えば、フラッシュメモリ(flash memory)、ハードディスクドライブ(hard disk drive, HDD)又はソリッドステートドライブ(solid-state drive, SSD)を含んでもよい。代替として、メモリ801は、上記のタイプのメモリの組み合わせを含んでもよい。
【0064】
図3に示す符号化方法のものと同じ発明の考えに基づいて、図7に示すように、この出願の実施形態は、符号化装置の実施形態の概略構造図を更に提供する。当該装置は、第1の符号化モジュール901と、インターリーブモジュール902と、第2の符号化モジュール903とを含んでもよい。第1の符号化モジュール901は、第1のビット系列を取得するために、巡回冗長検査CRC多項式に基づいて、A個の符号化対象の情報ビットに対してCRC符号化を実行するように構成され、第1のビット系列はL個のCRCビット及びA個の情報ビットを含み、L及びAは正の整数であり、L=11であり、CRC多項式は以下の多項式、すなわち、
D^11+D^10+D^9+D^5+1、
D^11+D^7+D^6+D^2+1、
D^11+D^10+D^9+D^6+D^4+D^2+1、
D^11+D^10+D^9+D^7+D^5+D+1、
D^11+D^9+D^8+D^6+D^5+D+1、
D^11+D^10+D^9+D^8+D^7+D^5+D^4+D+1、
D^11+D^10+D^3+D+1、
D^11+D^5+D^3+D+1、
D^11+D^10+D^9+D^8+D^6+D^5+D^3+D+1、
D^11+D^10+D^8+D^7+D^6+D^5+D^3+D+1、
D^11+D^9+D^7+D^6+D^5+D^4+D^3+D+1、
D^11+D^10+D^9+D^7+D^6+D^3+D^2+D+1、又は
D^11+D^8+D^6+D^5+D^4+D^3+D^2+D+1
のうちいずれか1つである。
【0065】
通常では、CRC符号化に使用されるCRC多項式は、シフトレジスタを使用することにより実現される。第1のビット系列内のL個のCRCビットは、A個の符号化対象の情報ビットの後に位置してもよく、A個の符号化対象の情報ビットの前に位置してもよく、或いは、受信端及び送信端が取り決めるいずれかの位置に位置してもよい。インターリーブモジュール902は任意選択のモジュールであり、第2のビット系列を取得するために、第1のビット系列に対してインターリーブ操作を実行するように構成される。このモジュールは、情報ビット及び/又はCRC検査ビットの位置が分散型CRCのような方式で調整される必要があるときにのみ必要である。情報ビット及び/又はCRC検査ビットの位置が調整される必要がない場合、このモジュールは、実際の符号化プロセスにおいて省略されてもよく、この場合、第2のビット系列は第1のビット系列である。第2の符号化モジュール903は、第2のビット系列に対してポーラー符号化を実行するように構成され、インターリーブモジュール902が存在しないとき、第2の符号化モジュール903は、第1のビット系列に対してポーラー符号化を実行するように構成される。
【0066】
レートマッチングモジュール、変調モジュール及び送信モジュールのようなモジュールは、図7に示されていない点に留意すべきである。送信モジュールは、符号化された系列を送信するように構成され、明らかに、符号化された系列が送信される前に、レートマッチング(必要な場合)及び変調のような操作が更に実行される必要がある。
【0067】
上記の実施形態において提供される復号化方法と同じ発明の考えに基づいて、図8に示すように、この出願の実施形態は、復号化装置1000を更に提供する。復号化装置1000は、この出願の実施形態において提供される復号化方法を実行するように構成されてもよく、復号化装置1000は、
復号対象のビット系列を取得するように構成された取得モジュール1001と
復号化方法に従って復号化対象のビット系列に対して復号化操作を実行するように構成された復号化モジュール1002であり、復号化方法は、CRC多項式及びpolar符号化方法に基づいて決定される、復号化モジュール1002と
を含む。
【0068】
上記の実施形態において提供される復号化方法と同じ発明の考えに基づいて、図9に示すように、この出願の実施形態は、復号化装置1100を更に提供する。復号化装置1100は、上記の復号化方法を実行するように構成される。上記の復号化方法の一部又は全部のステップは、ハードウェアを使用することにより、或いは、ソフトウェアを使用することにより実行されてもよい。上記の復号化方法の一部又は全部のステップがハードウェアを使用することにより実行されるとき、復号化装置1100は、復号化対象のビット系列を取得するように構成された入力インタフェース1101と、上記の復号化方法を実行するように構成された論理回路1102と、復号化された系列を出力するように構成された出力インタフェース1103とを含む。
【0069】
任意選択で、具体的な実現の中で、復号化装置1100はチップ又は集積回路でもよい。
【0070】
任意選択で、上記の実施形態の復号化方法の一部又は全部のステップがソフトウェアを使用することにより実行されるとき、図10に示すように、復号化装置1200は、プログラムを記憶するように構成されたメモリ1201と、メモリ1201に記憶されたプログラムを実行するように構成されたプロセッサ1202とを含む。プログラムが実行されるとき、復号化装置1200は、上記の実施形態において提供される復号化方法を実行する。
【0071】
任意選択で、メモリ1201は、物理的に独立したユニットでもよく、或いは、プロセッサ1202と一緒に統合されてもよい。
【0072】
任意選択で、上記の実施形態の復号化方法の一部又は全部のステップがソフトウェアを使用することにより実行されるとき、復号化装置1200は、プロセッサ1202のみを含んでもよい。プログラムを記憶するように構成されたメモリ1201は、復号化装置1200の外部に位置し、プロセッサ1202は、回路又はワイヤを使用することによりメモリ1201に接続され、メモリ1201に記憶されたプログラムを読み取って実行するように構成される。
【0073】
プロセッサ1202は、中央処理装置(central processing unit, CPU)、ネットワークプロセッサ(network processor, NP)又はCPUとNPとの組み合わせでもよい。
【0074】
プロセッサ1202は、ハードウェアチップを更に含んでもよい。ハードウェアチップは、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit, ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(programmable logic device, PLD)又はこれらの組み合わせでもよい。PLDは、複雑プログラマブルロジックデバイス(complex programmable logic device, CPLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array, FPGA)、ジェネリックアレイロジック(generic array logic, GAL)又はこれらのいずれかの組み合わせでもよい。
【0075】
メモリ1201は、揮発性メモリ(volatile memory)、例えば、ランダムアクセスメモリ(random access memory, RAM)を含んでもよい。代替として、メモリ1201は、不揮発性メモリ(non-volatile memory)、例えば、フラッシュメモリ(flash memory)、ハードディスクドライブ(hard disk drive, HDD)又はソリッドステートドライブ(solid-state drive, SSD)を含んでもよい。代替として、メモリ1201は、上記のタイプのメモリの組み合わせを含んでもよい。
【0076】
この出願の実施形態は、ネットワークデバイスを更に提供する。図11を参照すると、上記の符号化装置及び/又は復号化装置は、ネットワークデバイス110に設置されてもよい。上記の符号化装置及び復号化装置に加えて、ネットワークデバイス110は、トランシーバ1302を更に含んでもよい。符号化装置により符号化されたビット系列は、その後の変更又は処理を受け、次いで、トランシーバ1302により端末112に送信されるか、或いは、トランシーバ1302は、端末112から情報又はデータを受信するように更に構成される。情報又はデータは、一連の処理を受け、復号化対象の系列に変換され、復号化対象の系列は、復号化された系列を取得するために、復号化装置により処理される。ネットワークデバイス110は、他のネットワークデバイスと通信するように構成されたネットワークインタフェース1304を更に含んでもよい。
【0077】
同様に、上記の符号化装置及び/又は復号化装置は、端末112に設置されてもよい。上記の符号化装置及び/又は復号化装置に加えて、端末112は、トランシーバ1312を更に含んでもよい。符号化装置により符号化されたビット系列は、その後の変更又は処理(レートマッチング、変調、デジタル・アナログ変換及び周波数変換のうち一部又は全部を含むが、これらに限定されない)を受け、次いで、トランシーバ1312によりネットワークデバイス110に送信されるか、或いは、トランシーバ1312は、ネットワークデバイス110から情報又はデータを受信するように更に構成される。情報又はデータは、一連の処理(周波数変換、アナログ・デジタル変換、復調及びレートデマッチングのうち一部又は全部を含むが、これらに限定されない)を受け、復号化対象の系列に変換され、復号化対象の系列は、復号化された系列を取得するために、復号化装置により処理される。端末112は、ユーザにより入力された情報を受信するように構成されたユーザ入力/出力インタフェース1314を更に含んでもよい。ネットワークデバイス110に送信される必要がある情報は、符号化器により処理され、次いで、トランシーバ1312によりネットワークデバイス110に送信される必要がある。その後の処理を受けた後に、復号化器により復号化されたデータは、入力/出力インタフェース1314を使用することによりユーザに提示されてもよい。
【0078】
この出願の実施形態は、コンピュータプログラムを記憶するコンピュータ記憶媒体を更に提供する。コンピュータプログラムは、図3及び上記の実施形態に示す符号化方法並びに上記の実施形態において提供される復号化方法を実行するために使用される。
【0079】
この出願の実施形態は、図5図7における符号化装置のうちいずれか1つと、図8図10における復号化装置のうちいずれか1つとを含むpolar符号化装置を更に提供する。
【0080】
この出願の実施形態は、命令を含むコンピュータプログラムプロダクトを更に提供する。命令がコンピュータ上で実行したとき、コンピュータは、図3に示す符号化方法と、上記の実施形態において提供される復号化方法とを実行する。
【0081】
当業者は、この出願の実施形態が方法、システム又はコンピュータプログラムプロダクトとして提供されてもよいことを理解すべきである。したがって、この出願は、ハードウェアのみの実施形態、ソフトウェアのみの実施形態又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせを有する実施形態の形式を使用してもよい。さらに、この出願は、コンピュータ使用可能プログラムコードを含む1つ以上のコンピュータ使用可能記憶媒体(ディスクメモリ、CD-ROM及び光メモリを含むが、これらに限定されない)に実現されるコンピュータプログラムプロダクトの形式を使用してもよい。
【0082】
この出願は、この出願の実施形態による方法、デバイス(システム)及びコンピュータプログラムプロダクトのフローチャート及び/又はブロック図を参照して記載されている。コンピュータプログラム命令は、フローチャート及び/又はブロック図内の各プロセス及び/又は各ブロックと、フローチャート及び/又はブロック図内のプロセス及び/又はブロックの組み合わせとを実現するために使用されてもよいことが理解されるべきである。これらのコンピュータプログラム命令は、マシンを生成するために、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、埋め込みプロセッサ又はいずれかの他のプログラム可能データ処理デバイスのプロセッサに提供されてもよく、それにより、コンピュータ又はいずれかの他のプログラム可能データ処理デバイスのプロセッサにより実行される命令は、フローチャート内の1つ以上のプロセス及び/又はブロック図内の1つ以上のブロックにおける特定の機能を実現するための装置を生成する。
【0083】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又はいずれかの他のプログラム可能データ処理デバイスに特定の方式で動作するように命令できるコンピュータ読み取り可能メモリに記憶されてもよく、それにより、コンピュータ読み取り可能メモリに記憶された命令は、命令装置を含むアーチファクトを生成する。命令装置は、フローチャート内の1つ以上のプロセス及び/又はブロック図内の1つ以上のブロックにおける特定の機能を実現する。
【0084】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理デバイスにロードされてもよく、それにより、一連の操作及びステップがコンピュータ又は他のプログラム可能デバイスで実行され、それにより、コンピュータで実現される処理を生成する。したがって、コンピュータ又は他のプログラム可能デバイスで実行される命令は、フローチャート内の1つ以上のプロセス及び/又はブロック図内の1つ以上のブロックにおける特定の機能を実現するためのステップを提供する。
【0085】
この出願のいくつかの実施形態について説明したが、当業者は、基本的な発明の概念を習得すると、これらの実施形態に変更及び修正を加えることができる。したがって、以下の特許請求の範囲は、この出願の範囲内に入る好ましい実施形態並びに全ての変更及び修正をカバーするものと解釈されることを意図する。
【0086】
明らかに、当業者は、この出願の実施形態の範囲から逸脱することなく、この出願の実施形態に様々な修正及び変更を加えることができる。この出願は、以下の特許請求の範囲及びそれらの等価な技術により規定される保護の範囲内に入ることを条件として、これらの修正及び変更をカバーすることを意図する。
図1(a)】
図1(b)】
図2
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