(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、防水パンの上に設置されている家電品たる洗濯機を、該防水パンの前方へ引き出す(移動させる)際や、新規の洗濯機を防水パンの上に設置する際に、安定した姿勢で行うことができる家電品の引出し台と、防水パン上の家電品たる洗濯機を引出し台に移す際や、引出し台上の洗濯機を防水パンの上に移す際に、安全に移すことができる家電品の移設台を提供できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、本発明に係る家電品の引出し台は、台座上の家電品を該台座の前方へ引き出す際に用いられる引出し台であって、引出し台本体と、引出し台本体とは別体の延伸台と、キャリッジと、から構成され、引出し台本体は、キャリッジを走行させるための走路を有し、延伸台は、キャリッジを走行させるための走路を有し、且つ引出し台本体の走路と該延伸台の走路とが段差なく接続するように引出し台本体に接続可能に構成されていることを特徴とする。
【0009】
一実施例においては、上記キャリッジは、少なくとも前後左右の四隅の脚を有する洗濯機や冷蔵庫などの家電品の、右側若しくは左側の片側のみの前後の脚を載置可能なスペースを有する。
【0010】
また、上述の延伸台が、引出し台本体の一端に接続可能に構成され、且つ、接続部または接続部近傍を支点に、引出し台本体の上方へ回動可能に構成されていることを特徴とする。
【0011】
また、上述の引出し台本体の走路および延伸台の走路は、キャリッジが、引出し台本体の走路および延伸台の走路上を直線移動可能に構成されていることを特徴とする。
【0012】
また、上述の引出し台本体に、移動用のキャスタが設けられていることを特徴とする。
【0013】
また、上述の引出し台本体ないし延伸台に、台高調節用の高さ調節具が設けられていることを特徴とする。
【0014】
一実施例においては、引出し台本体は、接続具によって2つ並列に接続可能に構成されていることを特徴とする。
【0015】
そして、本発明に係る家電品の移設台は、台座の上の家電品を、引出し台に移す際に用いる移設台であって、概ね逆U字ブロック状の移設台本体と、移設台本体の一端から上方へ延びている操作体と、から構成され、上記操作体は、移設台本体における空間通過方向の一方の上端ないし上端近傍に設けられていることを特徴とする。なお、上述の空間通過方向とは、概ね逆U字ブロック状の移設台本体を載置面に置いたとき、該載置面と移設台本体とにより形成される空間、所謂トンネルの内部の空間を指しているものであり、従って、該トンネル内を通過する方向である。
【0016】
一実施例においては、操作体が、少なくとも移設台本体の空間通過方向に可撓性を有していることを特徴とする。
【0017】
一実施例においては、操作体が、概ね基部から移設台本体の空間通過方向へ折曲可能に構成されていることを特徴とする。
【0018】
また、上述の移設台に、概ね逆U字ブロック状の台座が添付されている(付属している)ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の家電品の引出し台によれば、防水パン上で引出し台のキャリッジ(移動台座)の上に移された家電品たる洗濯機は、該洗濯機の前後左右の4脚でキャリッジの上に載置されるので、該キャリッジを操作して洗濯機を防水パンの前側に引き出すとき、引き出す速度にバラツキが生じても、該洗濯機を安全に引き出すことができる。
【0020】
また、本発明の家電品の移設台によれば、防水パン上の洗濯機を引出し台のキャリッジの上に移す際や、キャリッジ上の洗濯機を防水パンの上に移す際に、安全に且つスムースに移すことができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明に係る家電品の引出し台および家電品の移設台について、添付の図面を参照しつつ具体例に基づいて以下に説明する。
【0023】
なお、本実施例で説明する家電品の引出し台および家電品の移設台は、防水パン上に設置されている洗濯機を、該防水パンの前方へ移動させる場合を実施例として説明する。従って、引出し台本体は、接続具によって2つ並列に接続されている引出し台本体を有する引出し台を用いる。
【0024】
また、引出し台の実施例を説明する
図1および
図3は、防水パンの上に載置される洗濯機の図示は省略している。
【0025】
図1に示すように、家電品(洗濯機)の引出し台1は、引出し台本体2と、延伸台3と、キャリッジ4と、から構成されている。この
図1は、防水パン5の前側における左右の台座5a、台座5bに、引出し台1の引出し台本体2をそれぞれ対応させて配置して、それぞれの引出し台1の引出し台本体2どうしが接続具6によって接続されている状態を示している。
図1(a)は、キャリッジ4が引出し台本体2側に位置する状態を示し、
図1(b)は、キャリッジ4が延伸台3側に位置する状態を示している。なお、防水パン5の前方とは、引出し台1の引出し台本体2を設置する側とする。そして、キャリッジ4とは、移動する台座のことである。
【0026】
そして、引出し台本体2は、該引出し台本体2の上面にキャリッジ4を載置して走行させるための走路2aを有する。
【0027】
また、引出し台本体2には、移動用のキャスタ2bが設けられていて、キャリッジ4に載る洗濯機が引出し台本体2の走路2a上に引出された際、所望により、引出し台本体2を移動できるようになっている。キャスタ2bの形態は特に限定するものではなく公知のものを用い、その種類としては、車輪の向きを自在に変えることができる自在キャスタ(旋回キャスタ)、車輪の向きが固定の固定キャスタ、車輪の向きを自在と固定に切り替えられる自在・固定切替キャスタ、ストッパ付きキャスタ、重量物用のキャスタなどが挙げられ、これらを適宜選定して用いればよい。
【0028】
また、接続具6によって接続した2つの引出し台本体2の間を調節できるように、接続具6に長さの調節機能(例えば、入れ子)を設けたり、接続具6を引出し台本体2に取り付ける際の取り付け調節によって、接続した2つの引出し台本体2の間を調節できるようにするのがよい。
【0029】
また、引出し台本体2には、該引出し台本体2の走路2a上に引出されたキャリッジ4を停止させておくための固定具7(
図2を参照)の係合部2cが設けられている。そして、走路2aの係合部2c側には、該走路2aからのキャリッジ4の脱落を防止する脱落防止具(例えば、壁)を設置しておくのがよい。
【0030】
また、引出し台本体2には、該引出し台本体2を防水パン5の前方に停止させておくための床面固定具9が設けられている。
【0031】
また、引出し台本体2は、台高を調節できるように構成してもよく、例えば、アジャスタやスクリュージャッキ等で、あるいは、上述のキャスタ2b部に、台高調節機構を設けてもよい。該台高調節機構は、公知の技術(構造)を用いて構成すればよい。
【0032】
そして、延伸台3は、該延伸台3の上面にキャリッジ4を載置して走行させるための走路3aを有し、さらに、上述の引出し台本体2の一端に接続具3cによって接続できるようになっていて、接続された後には、引出し台本体2の走路2aとこの延伸台3の走路3aとが段差なく接続されるように構成されている。なお、延伸台3に台高調節用の高さ調節具(例えば、アジャスタやスクリュージャッキ等)を設けてもよい。そして、引出し台本体2の走路2aとこの延伸台3の走路3aとが段差なく接続される記述における接続とは、上述の接続具3cによる接続の他にも、接続具3cを用いないで引出し台本体2の走路2aと延伸台3の走路3aとをずれないように当接させている状態の場合も接続の一部であると解釈する(例えば、延伸台3を防水パン5に固定して引出し台本体2の走路2aと延伸台3の走路3aとがずれないようにする)。
【0033】
また、延伸台3には、該延伸台3の走路3a上に位置させたキャリッジ4を停止させておくための固定部(図示は省略している)を設けるのが望ましい。この固定部は、引出し台本体2の走路2a上に引出されたキャリッジ4を停止させるために用いる固定具7(
図2を参照)を兼用できる構造、例えば、固定具7のピンを挿入可能に構成した係合部とするのがよい。そして、走路3aの洗濯機の後脚が載る奥側には、該走路3aからのキャリッジ4の脱落を防止する脱落防止具を設置しておくのがよい。
【0034】
また、本実施例の延伸台3は、
図2参照のように、接続具3cによって引出し台本体2の一端に接続した状態のままで、接続部または接続部近傍を支点に、引出し台本体2の上方側へ回動できるように構成されている。
【0035】
また、本実施例における並列に配置された2つの延伸台3の各々は、防水パン5の前後の台座5aおよび台座5cと、台座5bおよび台座5dとの上面にそれぞれ載置される脚部3bの上部に走路3aが設けられた形態であるが、この形態に限定しない。例えば、図示は省略するが、走路3a自体を延伸台3の本体として、各々の走路3aを防水パン5の前後の台座5aおよび台座5cと、台座5bおよび台座5dとの上面に架設してもよい。
【0036】
そして、並列に配置された2つの引出し台1のうち、一方の引出し台1のキャリッジ4は、洗濯機の前後左右の脚のうち、右側若しくは左側の片側の脚のみを載置可能なスペースを有しており、従って、並列に接続する引出し台1の2つのキャリッジ4により、洗濯機を正立状態で載置(
図2を参照)することができる。さらに、キャリッジ4は、引出し台本体2の走路2aおよび延伸台3の走路3aを進退移動する。
図1(a)は、キャリッジ4が引出し台本体2側に移動している状態を示し、
図1(b)は、キャリッジ4が延伸台3側に移動している状態を示している。
【0037】
また、本実施例のキャリッジ4は、
図3に示すように、キャリッジ4の下部に車輪4aが設けられていて、該車輪4aによって引出し台本体2の走路2aおよび延伸台3の走路3a上を進退移動する。なお、この形態に限定することなく、例えば、本実施例での図示は省略するが、キャリッジ4の底面に、ローラの設置/摩擦抵抗低減部材の設置/摩擦抵抗低減処理(加工)の実施をして、キャリッジ4がスムースに引出し台本体2の走路2aおよび延伸台3の走路3a上を進退移動できるようにしてもよい。
図3(b)は、
図3(a)のA部分の範囲を拡大して示している。
【0038】
また、キャリッジ4の底面に、上述するようなローラの設置/摩擦抵抗低減部材の設置/摩擦抵抗低減処理(加工)をしないで、キャリッジ4の底面を摺動させて引出し台本体2の走路2aおよび延伸台3の走路3a上を進退移動させる場合は、例えば、本実施例での図示は省略するが、引出し台本体2の走路2aおよび延伸台3の走路3aに、ローラの設置/摩擦抵抗低減部材の設置/摩擦抵抗低減処理(加工)をして、キャリッジ4がスムースに引出し台本体2の走路2aおよび延伸台3の走路3a上を進退移動できるようにしてもよい。
【0039】
また、本実施例のキャリッジ4は、引出し台本体2の走路2aおよび延伸台3の走路3a上を直線移動できるように、引出し台本体2の走路2aおよび延伸台3の走路3aの幅員をキャリッジ4の車輪4aの幅より少々広くすると共に、両側端が立ち上がる断面U字状の走路にしている。すなわち、走路の両側端の立ち上がり部によってキャリッジ4の下部の車輪4aの進路が案内される。なお、この形態に限定することなく、例えば、本実施例での図示は省略するが、引出し台本体2の走路2aおよび延伸台3の走路3aに、キャリッジ4を案内するためのガイド(例えば、突条)/溝/レール等を設置して、これによってキャリッジ4が直線移動できるようにしてもよい。
【0040】
そして、
図4に示すように、本発明に係る家電品の移設台10は、概ね逆U字ブロック状の移設台本体11と、移設台本体11の一端から上方に延伸する操作体12と、から構成されている。上述の操作体12は、移設台本体11に設けられた空間13の通過方向の一方の上面端11aに設けている。なお、操作体12の上端には、移設台本体11の向きを表示する方向表示突条12bを設けている(
図8の移設台の拡大図も参照)。
図4(a)は、移設台10を側方から見た図で、
図4(b)は、移設台10を空間13の開口方向から見た図である。
【0041】
また、
図4(c)および
図4(d)は、上述の移設台10に添付(付属)されている概ね逆U字ブロック状の台座14を示す。
図4(c)は、台座14を側方から見た図であり、
図4(d)は、台座14を空間15の開口方向から見た図である。
【0042】
また、本実施例の操作体12はロッド状のものであるが、特にこの操作体12の形態も限定するものではなく、操作体12を操作して移設台10を防水パン5上に配置する際、操作に支障が生じなければ、特に操作体12の形態を限定するものではない。
【0043】
また、本実施例の操作体12は、移設台本体11の上面端11aに配置しているが、特にこの上面端11aに限定するものではなく、例えば、本実施例での図示は省略するが、移設台本体11の上面端の近傍に設けたり、移設台本体11の側面(周面)に設けてもよい。
【0044】
また、本実施例での図示は省略するが、操作体12を伸縮自在に構成したり、操作体12自体を可撓素材で形成したり、そして、移設台本体11に着脱自在に設けてもよい。
【0045】
図5は、移設台10の移設台本体11と操作体12とが、操作体12の基部12aから折曲自在に構成されているものを示す。折曲方向は、移設台本体11の上下方向に折曲(首振り)させ、そして、常に折曲可能としたり、公知技術によって構成したロック機構を解除することによって折曲可能としてもよい。
【0046】
そして、
図5(a)〜(d)は、移設台10を防水パン5の台座の上に載置する過程を示しており、
図5(a)は、移設台10の操作体12を持ち、移設台本体11を防水パン5の台座の上方に位置させた状態を示し、
図5(b)は、移設台10(操作体12)を降ろし、移設台本体11の摺動端11bを防水パン5の台座上に設置した状態を示し、
図5(c)は、更に移設台10(操作体12)を降ろし、移設台本体11の摺動端11bを防水パン5の台座上を矢印の方向に滑らせている状態を示し、
図5(d)は、防水パン5の台座上の定位置に載置(セット)された移設台10の移設台本体11を示している。
【0047】
一実施例においては、上述した移設台10の移設台本体11と操作体12とが、操作体12の基部12aから折曲自在に構成されている場合には、防水パン5上の洗濯機の後脚を嵩上げする際、操作体12の方向表示突条12bを洗濯機の前後方向に合わせ、移設台10を前傾させた洗濯機の後脚後方の防水パン5の台座上に降ろしていくことで、台座の上に接触した移設台本体11が首を振りつつ移設台本体11の摺動端11bが防水パン5の台座上を滑っていき、防水パン5の台座上の定位置に載置(セット)される。すなわち、操作体12を降ろしていくだけで載置(セット)を完了でき、そして洗濯機も必要以上に前傾させなくても済むので安全に作業を行える。
【0048】
図6は、移設台本体11の摺動端11bを曲面にしているもので、該移設台本体11の摺動端11bを防水パン5の台座上を矢印の方向に滑らせるときに、スムースに滑るようにしている。なお、摺動端11bに、摺動部材を取り付けたり突起や突状を設けて、摺動抵抗を低減させるようにしてもよい。
【0049】
図7は、移設台10の移設台本体11の摺動端11bに車輪11cを設けたもので、該車輪11cによって移設台本体11をスムースに防水パン5の台座上の定位置に載置(セット)できるようにしたものである(
図7(a)を参照)。この車輪11cは、移設台本体11が防水パン5の台座上の定位置に載置(セット)されたとき、車輪11cの台座接地面が、移設台本体11の底面と同一あるいは僅かに内方に位置するように構成する(
図7(b)を参照)。
【0050】
そして、車輪11cは、
図7(c)に示したように移設台本体11の外側に設置したり、
図7(d)に示したように移設台本体11の外側に形成した凹所に設置すればよい。勿論、移設台本体11の空間13側に、上述の
図7(c),(d)に示した形態に設置してもよい。さらには、本実施例での図示は省略するが、車輪11cにサスペンション機構を設けて、移設台本体11が防水パン5の台座上の定位置に載置(セット)された移設台本体11上に洗濯機などの物品が乗って重量が掛かるまで、車輪11cが移設台本体11の底面より突出しているようにしてもよい。
【0051】
図9は、移設台10および台座14を、防水パン5の台座5a、台座5b、台座5c、台座5dの上面に設置した状態を示している。
【0052】
この移設台10および台座14を用いることで、防水パン5の前方に設置する引出し台1の延伸台3の脚部3b(
図1を参照)を、防水パン5の台座5a、台座5b、台座5c、台座5dに設置した移設台10および台座14が有するそれぞれの空間13および空間15内で、各台座(台座5a、台座5b、台座5c、台座5d)の上面に設置できる。これにより、延伸台3の各々は、台座5aおよび台座5cと、台座5bおよび台座5dとの上面に、移設台10および台座14が有するそれぞれの空間13および空間15内を通過した状態でそれぞれ架設される。そして、引出し台1のキャリッジ4は、該引出し台本体2の走路2aおよび延伸台3の走路3a上を進退移動することができる。
図9は、引出し台1のキャリッジ4が延伸台3側に位置している状態を示す。
【0053】
図10は、延伸台3を引き起こすためのテープ17を、該延伸台3の先端に取り付けている引出し台1を示しおり、キャリッジ4の上に洗濯機16が載っている場合は、該テープ17を固定具18(例えば、マグネット)によって洗濯機16に固定しておく。そして、上述のテープ17を引っ張ることにより、防水パン5の上(台座上)に設置している延伸台3を引き起こすことができる。勿論、防水パン5の上(台座上)に倒設する際にも使用できる。なお、テープ17は、ABSなどの可撓性を有する薄い帯状の樹脂素材から形成するのがよい。
【0054】
図11−1〜4は、防水パン上の洗濯機を引き出す際の一実施例を示しており、図に従い、洗濯機の引き出す工程を説明する。なお、
図1も合わせて参照されたい。
【0055】
図11−1(a)は、洗濯機16が防水パン5の各台座(
図1を参照)の上に載置されている状態を示していて、この状態の洗濯機16を防水パン5の前方へ引き出す。
【0056】
図11−1(b)は、
図11−1(a)に示される状態から、洗濯機16の左右前脚16aを支点に該洗濯機16を前方に傾け、上方に上がった洗濯機16の左右後脚16bと左右台座との間に該移設台10をそれぞれ設置し、該移設台10の上に洗濯機16の左右後脚16bを降ろした状態を示している。なお、移設台10の設置は、操作体12を適宜操作して行い、また、移設台10の空間13の通過方向を洗濯機16の前後方向に合わせる。
【0057】
図11−2(c)は、
図11−1(b)に示される状態から、洗濯機16の左右後脚16bを支点に該洗濯機16の前側を上方に上げ、上方に上がった洗濯機16の左右前脚16aと左右台座との間に台座14をそれぞれ設置し、該台座14の上に洗濯機16の左右前脚16aを降ろした状態を示している。なお、台座14の設置は、台座14の空間15の通過方向を洗濯機16の前後方向に合わせる。ここまでの工程が終了すると、洗濯機16が移設台10と台座14との上面に載った状態になる。
【0058】
図11−2(d)は、洗濯機16を防水パン5の前方に引き出すための引出し台1を、該防水パン5にセットする工程で、
図11−2(c)の状態から引き続き行われものであり、引出し台1における引出し台本体2の端部に接続された延伸台3が、防水パン5の各台座上に設置された移設台10の空間13および台座14の空間15内を通過して、該延伸台3が各台座上に設置された状態を示している。すなわち、引出し台1の引出し台本体2は、防水パン5の前方に位置され、引出し台本体2に接続する延伸台3は、防水パン5の各台座上に位置され、また、引出し台本体2にキャリッジ4が配置される。なお、引出し台本体2は、床面固定具9によって床面8に固定される。
【0059】
図11−2(e)は、
図11−2(d)に示される状態から、引出し台本体2の上(走路2a上)に位置するキャリッジ4を、延伸台3の上(走路3a上)に移動させた状態を示している。なお、実施例では、固定具7によってキャリッジ4を走路3a上に固定している。
【0060】
図11−3(f)は、
図11−2(e)に示される状態から、洗濯機16の左右後脚16bを支点に該洗濯機16の前側を上方に上げ、洗濯機16の左右前脚16aが載っていたそれぞれの台座14を撤去し、洗濯機16の左右前脚16aをキャリッジ4の上面に降ろした状態を示している。
【0061】
図11−3(g)は、
図11−3(f)に示される状態から、洗濯機16の左右前脚16aを支点に該洗濯機16を前側に傾けて該洗濯機16の左右後脚16bを上方に上げ、洗濯機16の左右後脚16bが載っていたそれぞれの移設台10を撤去し、洗濯機16の左右後脚16bをキャリッジ4の上面に降ろした状態を示している。
【0062】
図11−3(h)は、
図11−3(g)に示される状態から、延伸台3の上(走路3a上)に固定されているキャリッジ4の固定具7を取り外し、延伸台3の上(走路3a上)のキャリッジ4を、引出し台本体2の上(走路2a上)に移動させている状態を示している。
【0063】
図11−4(i)は、
図11−3(h)に示される状態から、延伸台3の上(走路3a上)に位置するキャリッジ4を、引出し台本体2の上(走路2a上)に移動させた状態を示している。なお、引出し台本体2の上(走路2a上)に移動させたキャリッジ4は、固定具7によって走路2a上に固定している。ここまでの工程が終了すると、洗濯機16が防水パン5の前方へ引き出された状態になり、防水パン5の排水トラップの清掃や点検また交換、防水パン内の清掃や点検などのメンテナンス作業を実施できる。
【0064】
図11−4(j)は、防水パン5の前方へ引き出された洗濯機16を別の場所に移動させて、防水パン5の前を広く開けなければならないときや、洗濯機16を交換する際などに行われる工程で、
図11−4(i)に示される状態から引き続き行われものであり、延伸台3を引出し台本体2の上方側に回転させ、すなわち、上方に跳ね上げて保持している状態を示している。
【0065】
図11−4(k)は、
図11−4(j)に示される状態から、引出し台本体2の床面固定具9を解除して、床面8上を移動させている状態の引出し台本体2を示している。
【0066】
なお、移設台10は、防水パンの上に設置されている洗濯機を上方に上げ、該防水パンのメンテナンス作業を行う際に用いる嵩上げ台として使用することもできる。