(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6846694
(24)【登録日】2021年3月4日
(45)【発行日】2021年3月24日
(54)【発明の名称】体重又は内臓脂肪増加抑制剤若しくは体重又は内臓脂肪増加抑制用食品組成物若しくは体重又は内臓脂肪増加抑制用飼料組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 35/744 20150101AFI20210315BHJP
A61P 3/04 20060101ALI20210315BHJP
A61K 35/74 20150101ALI20210315BHJP
C12N 1/20 20060101ALI20210315BHJP
A23L 33/135 20160101ALI20210315BHJP
A23K 10/16 20160101ALI20210315BHJP
【FI】
A61K35/744
A61P3/04
A61K35/74 A
C12N1/20 E
A23L33/135
A23K10/16
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-184144(P2016-184144)
(22)【出願日】2016年9月21日
(65)【公開番号】特開2018-48087(P2018-48087A)
(43)【公開日】2018年3月29日
【審査請求日】2019年9月18日
【微生物の受託番号】NPMD NITE P-02318
(73)【特許権者】
【識別番号】391056871
【氏名又は名称】アダプトゲン製薬株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591175332
【氏名又は名称】イチビキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098741
【弁理士】
【氏名又は名称】武蔵 武
(72)【発明者】
【氏名】西村 篤寿
(72)【発明者】
【氏名】浅井 紀之
【審査官】
原口 美和
(56)【参考文献】
【文献】
特開2018−042557(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/005123(WO,A1)
【文献】
国際公開第2009/005124(WO,A1)
【文献】
日本食における味噌が肥満に与える効果,第88回日本生化学会大会,2015年,2T17P-03(2P0576)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 35/744
A23K 10/16
A23L 33/135
A61K 35/74
A61P 3/04
C12N 1/20
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テトラジェノコッカス属の乳酸菌のテトラジェノコッカス・ハロフィラスの菌体及び/又はその培養物を有効成分とする体重又は内臓脂肪増加抑制剤。
【請求項2】
テトラジェノコッカス属の乳酸菌のテトラジェノコッカス・ハロフィラスの菌体及び/又はその培養物を有効成分とする体重又は内臓脂肪増加抑制用食品組成物。
【請求項3】
テトラジェノコッカス属の乳酸菌のテトラジェノコッカス・ハロフィラスの菌体及び/又はその培養物を有効成分とする体重又は内臓脂肪増加抑制用飼料組成物。
【請求項4】
前記テトラジェノコッカス・ハロフィラスは、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに[受託番号:NITE P−02318]として寄託されている株菌体であることを特徴とする請求項1に記載の体重又は内臓脂肪増加抑制剤又は請求項2に記載の体重又は内臓脂肪増加抑制用食品組成物又は請求項3に記載の体重又は内臓脂肪増加抑制用飼料組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体重又は内臓脂肪の増加を抑制し得る抑制剤若しくは食品組成物若しくは飼料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
体重又は内臓脂肪が正常の範囲を越えるいわゆる肥満が、人或はペット等の動物の健康に悪影響を及ぼし得る危険因子であることは、広く知られている。
このような肥満を防止すべく、体重又は内臓脂肪の増加を抑制する機能を有する抑制剤が、例えば特許文献1などに記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−2576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記した特許文献1の体重増加抑制剤は、ローヤルゼリーを原料とするものである。
しかしながらローヤルゼリーは、蜜蜂の分泌腺(下咽頭腺、大腮腺)から分泌される天然の物質であって、第1に高価であり、第2に傷みやすいため取り扱いにくく、第3に品質・収量にばらつきがある、などの問題があった。
【0005】
ところで、味噌の醸造工程でテトラジェノコッカス(Tetragenococcus)属の乳酸菌が発酵に関与していることは広く知られているが、本出願人は、このテトラジェノコッカス属の乳酸菌に、従来知られていなかった体重又は内臓脂肪の増加を抑制する機能があることを実験により見いだした。
【0006】
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、その目的は、安全性、量産性、品質の安定性に優れた体重又は内臓脂肪増加抑制剤等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載したように、テトラジェノコッカス属の乳酸菌の
テトラジェノコッカス・ハロフィラスの菌体及び/又はその培養物を有効成分とする体重又は内臓脂肪増加抑制剤を提供する。
また、請求項2に記載したように、テトラジェノコッカス属の乳酸菌の
テトラジェノコッカス・ハロフィラスの菌体及び/又はその培養物を有効成分とする体重又は内臓脂肪増加抑制用食品組成物を提供する。
また、請求項3に記載したように、テトラジェノコッカス属の乳酸菌の
テトラジェノコッカス・ハロフィラスの菌体及び/又はその培養物を有効成分とする体重又は内臓脂肪増加抑制用飼料組成物を提供する。
なお、前記乳酸菌の培養物は、菌体の他、培地において菌体内外に生成された成分を含むものである。
【0009】
また、請求項
4に記載したように、前記テトラジェノコッカス・ハロフィラスは、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに[受託番号:NITE P−02318]として寄託されている株菌体である請求項
1に記載の体重又は内臓脂肪増加抑制剤又は請求項
2に記載の体重又は内臓脂肪増加抑制用食品組成物又は請求項
3に記載の体重又は内臓脂肪増加抑制用飼料組成物を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の体重又は内臓脂肪増加抑制剤、体重又は内臓脂肪増加抑制用食品組成物、体重又は内臓脂肪増加抑制用飼料組成物を経口摂取することにより、体重又は内臓脂肪の増加を有効に抑制することができる(後述する実験結果参照。)。
しかもテトラジェノコッカス属の乳酸菌は、食品原料である醤油とぶどう糖があれば生育できるため、培地に高価な原料を用いなくても培養可能であり、また、食中毒菌等の有害菌が生育しない塩分濃度で培養できるため、約80℃程度の殺菌レベルの簡易なタンクでの培養が可能であり、さらに商業レベルでの培養で、その培養中に例え雑菌が混入しても増殖しないなど、安全性、品質の安定性に優れ、低コストに量産することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】投与期間中の平均体重の経時変化を示すグラフである。
【
図2】投与後56日目の平均体重を示すグラフである。
【
図3】投与後56日目の腸間膜の平均重量を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の体重又は内臓脂肪増加抑制剤、体重又は内臓脂肪増加抑制用食品組成物、体重又は内臓脂肪増加用飼料組成物は、テトラジェノコッカス属の乳酸菌(以下テトラジェノコッカス属乳酸菌ともいう。)及び/又はその培養物を有効成分とする。
【0013】
[テトラジェノコッカス属乳酸菌]
テトラジェノコッカス(Tetragenococcus)属乳酸菌は、ヒスタミン生産能の低いものが好ましく、例えば味噌の醸造工程で単離されるものがよい。このような味噌の醸造工程で単離されるテトラジェノコッカス属乳酸菌は、言うまでもなく味噌由来であるため、食経験が豊富で安全性が高く、食中毒菌等の有害微生物が成育できない高塩分濃度の培地で簡単に培養できるからである。
ここで、味噌の醸造工程で単離される乳酸菌とは、味噌醸造工程の「蔵」、「室(ムロ)」、「桶」などに定着している微生物のことで、より具体的には、味噌の仕込工程〜熟成工程において増殖し得る乳酸菌のことをいう。
さらにテトラジェノコッカス属乳酸菌は、テトラジェノコッカス・ハロフィラス(Tetragenococcus. halophilus)であることが好ましく、特に、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに[受託番号:NITE P−02318、識別の表示No.1]として寄託されている乳酸菌のテトラジェノコッカス・ハロフィラス株(以下「LTK−1株」という。)がよい。
なお、テトラジェノコッカス属乳酸菌は、上記以外でも味噌の醸造工程で単離され且つ体重又は内臓脂肪増加抑制効果を有するものであればどのような菌でもよい。
【0014】
[テトラジェノコッカス属乳酸菌の培養方法]
本発明のテトラジェノコッカス属乳酸菌の培養方法は、上記のテトラジェノコッカス属乳酸菌を、塩分濃度が11〜18w/v%である培地で培養する。なお、「w/v%」は、(質量/体積)%を意味する。
このような条件で培養することにより、本発明のテトラジェノコッカス属乳酸菌を簡単且つ良好に培養することができる。
培地としては、窒素源及び炭素源を含有するものを用いることができる。
窒素源としては、特に制限はなく、例えば、醤油、味噌、肉エキス、ペプトン、グルテン、カゼイン、酵母エキス、アミノ酸等を挙げることができる。
また、炭素源としては、特に制限はなく、例えば、グルコース、麹消化液、米の糖化液、スクロース、澱粉、粉飴、グリセリン等を挙げることができる。
さらに、窒素源および炭素源の他に、無機質として、例えば、酢酸ナトリウム、マグネシウム、マンガン、鉄等の無機塩などを含有していてもよく、ビタミン類などを含有していてもよい。
培地の塩分濃度は、上記のように11〜18w/v%とすることが好ましく、その中でも11〜16w/v%とすることがより好ましく、さらには12〜14w/v%とすることが最も好ましい。かかる塩分濃度の培地であれば、食中毒菌等の有害微生物が生育できないため、高い安全性を簡単に確保することができる。
培養温度は、20〜40℃が好ましく、その中でも28〜37℃がより好ましい。
培養時間は、24〜120時間程度あり、培養中に攪拌してもよい。
また、培地のpHは、5〜9が好ましく、さらに6〜7がより好ましい。
【0015】
[テトラジェノコッカス属乳酸菌の調製方法]
本発明のテトラジェノコッカス属乳酸菌は、培養後、殺菌などの処理を行って調製することができる。具体的には、培養終了後、遠心分離などの手段により食塩を含む培地成分を取り除き、濃縮・精製する。そして、加熱殺菌を行い、そのまま濃縮液として使用しても良いし、或はその後、凍結乾燥・減圧乾燥・熱風乾燥、などの手段により乾燥・濃縮して、粉末状、顆粒状などにしても良い。このようにして、本発明のテトラジェノコッカス属乳酸菌を調製することができる。
なお、加熱殺菌は、特に制限はないが、具体的にはオートクレーブ殺菌(121℃、15分)またはそれと同等の殺菌条件が好ましい。
【0016】
[体重又は内臓脂肪増加抑制剤]
本発明の体重又は内臓脂肪増加抑制剤は、上記のテトラジェノコッカス属乳酸菌の菌体及び/又はその培養物を含有するものである。テトラジェノコッカス属乳酸菌の含有割合は、有効成分として含有する限り特に制限はなく、例えば上記で調整したものを医薬品或はサプリメントとして、1回当たり菌数で100億個(約2.5mg相当)〜1兆個(約250mg相当)程度を食前又は食後に経口摂取すればよい。これにより体重又は内臓脂肪の増加を抑制することができる。しかも味噌由来のテトラジェノコッカス属乳酸菌を含有したものは、食経験上きわめて安全性が高い。
なお、本発明の体重又は内臓脂肪増加抑制剤は、上記したテトラジェノコッカス属乳酸菌自体の他、その他の成分として、難消化性デキストリン、オリゴ糖、デキストリン、二酸化ケイ素、粉末セルロース、ショ糖脂肪酸エステル、還元麦芽糖水あめ、乳糖、ダイオウ、トウキ、ケイガイ、センキュウ、カンゾウ、ハッカ、カルニチン、ギムネマ、酵素、クロロゲン酸、亜麻仁油、カプサイシン、アミノ酸、ポリフェノール、カテキン、ギムネマ、キトサン、メチオニン、イノシトール、レシチン、オルニチン、αリポ酸、CLA(共役リノール酸)、ガラナ、カフェイン、ロディオラロデアエキス、コエンザイムQ10、コレウスフォルスコリエキス、ローズヒップ、DHA、EPA、オメガ3脂肪酸、L−プロリン、プロテイン、アルギニン、ラクトフェリン、ミドリムシ、酵母、パパイン、L-リジン、L-チロシン、BCAA、7-KETO、ピルビン酸、ヨウ素、シネフリン、HCA(ヒドロキシクエン酸)、ヨヒンベ、ヒハツ、黒酢、サラシア、黒しょうが、グラボノイド、コーヒークロロゲン酸、大豆ペプチド、アンセリン、パラミロン、杜仲エキス、桑の葉、ケルセチン、ココナッツオイル、サイリウム、石連花などを含ませることができる。
【0017】
[体重又は内臓脂肪増加抑制用食品組成物・同飼料組成物]
本発明の体重又は内臓脂肪増加抑制用食品組成物は、上記のように調整したテトラジェノコッカス属乳酸菌の菌体及び/又はその培養物を、飲料を含む適宜食品(例えば即席味噌汁)に、菌数で100億個(約2.5mg相当)〜1000億個(約25mg相当)程度になる分量を予め添加したものである。
また、体重又は内臓脂肪増加抑制用飼料組成物も、同様に上記テトラジェノコッカス属乳酸菌の菌体及び/又はその培養物を適宜ペットフード等に、菌数で100億個(約2.5mg相当)〜1000億個(約25mg相当)程度になる分量を予め添加したものである。
【実施例1】
【0018】
以下、本発明を実施例1によりさらに具体的に説明する。
[LTK−1株菌体の調製]
LTK−1株菌体は、前記のように独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに[受託番号:NITE P−02318、識別の表示No.1]として寄託されており、これを次のような培地で培養して粉末状に加工する。
【0019】
[培地調製]
培地は、醤油を20v/v%とし、ぶどう糖を1.7w/v%とし、さらに、塩分濃度が14w/v%となるように食塩の添加量を調整すると共に食品添加物の水酸化ナトリウムを添加してpHを7.0に調整し、これを121℃・15分間オートクレーブで滅菌した。
【0020】
[培養方法]
継代培養を想定して、同培地で前培養しておいたLTK-1株の培養液を前記培地に1v/v%添加し、35℃の恒温器の中で48時間静置培養した。
この培養が終了した後、培養液全てを100L容ジャーファーメンター中の本培養液70Lに接種した。
その後、培養温度35℃、撹拌速度50rpm、通気なしの条件で48時間本培養を実施した。培養中の培養液のpHは、食品添加物用25%水酸化ナトリウム溶液を使用して6.8〜7.2に調整した。
【0021】
[菌数の測定]
48時間本培養した後のLTK-1株菌体の総菌数(生菌と死菌の合計(最終収量))について、顕微鏡下で血球計算板を用いて菌数を計測した。
その結果、培養48時間後のLTK-1株菌体の総菌数は、6×10
9個/mlであった。
以上の培養工程を6回繰り返し、合計約400Lの培養液を得た。
【0022】
[集菌・水洗・濃縮]
上記のようにして得られた培養液約400LをMF膜濃縮機ML1×1(クラレアクア(株)製)を通して濃縮・水洗し、約30Lまで濃縮した。
【0023】
[乾燥]
上記で得られた濃縮液約30Lをステンレス容器に移し、120℃・15分間オートクレーブで滅菌した後、その濃縮液を噴霧乾燥装置L-12型(大川原化工機(株)製)を用いて乾燥した。
これにより体重又は内臓脂肪増加抑制剤たる粉末状のLTK-1株菌体508gを得た。
【0024】
[マウスによる効果の確認]
上記で得られたLTK−1株菌体の効果を確認するため、マウスによる以下の実験を行った。
【0025】
[実験方法]
ICR雄性マウスの一つの群に通常の実験用飼料にラード(マリンフード(株)製)15%を添加してなる飼料を56日間連続摂取させ(ラード添加飼料群)、もう一つの群に通常の実験用飼料に前記ラード15%と前記LTK−1株菌体1%を添加してなる飼料を56日間連続摂取させ(本発明飼料群)、さらにもう一つの群に通常の実験用飼料を56日間連続摂取させ、そうして各群のマウスの体重を1週間ごとに測定した。
なお、正規性の検定と分散が等しいかどうかをバートレット検定により確認し、正規分布で等分散であった場合Fisher'sPLSDで、正規分布ではないか、等分散とみなせない場合Scheffe'sFで多重比較検定を行った。
また、内臓脂肪の増加抑制効果を確認するため、56日目に腸間膜の重量を測定した。
【0026】
[実験結果1]
通常飼料群、ラード添加飼料群および本発明飼料群の間には、実験開始時点で平均体重に有意差は見られなかった。
しかし、56日後の平均体重では、次の表1及び
図2に示したように、ラード添加飼料群に対して通常飼料群(P=0.042)と本発明飼料群(P=0.021)が有意に低値を示した。
これにより本発明の体重増加抑制効果が確認された。
【0027】
【表1】
【0028】
[実験結果2]
腸管膜の重量は、脂肪が蓄積すると大きくなる。
ラード添加飼料群における56日目の平均腸間膜重量は、
図3のグラフに示したように約0.64gであり、これは通常飼料群の約0.54gに対して大きな値であった。
一方、本発明飼料群における56日目の平均腸間膜重量は、
図3のグラフに示したように約0.44gとラード添加飼料群よりも小さく、通常飼料群と比較しても小さな値であった。
これは体重の傾向と同様であり、マウスの体重増加抑制が内臓脂肪の増加抑制と密接に関係していることが分かった。
これにより本発明の内脂肪増加抑制効果が確認された。
【0029】
以上、本発明を実施の形態及び実施例1により説明したが、もちろん本発明は上記実施形態等に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更、改良等を加えてもよい。