(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記走行移動体が、運転装置を備えており、操作者が前記運転装置を操作することにより、前記運転装置から前記走行制御部に走行経路データが入力されることを特徴とする、請求項1から4の何れかに記載の監視装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、広大な施設の監視のためにドローンを使用した場合には、幾つかの問題がある。
まず、監視作業の途中で、ドローンが操縦不能になる事態が発生することがある。このような操縦不能によって、ドローンが飛行してはいけない場所を飛行したり、あるいはドローンが墜落するおそれがあり、場合によって、施設の一部が損傷し、あるいは破壊してしまうこともある。従って、プラント施設等の施設の監視にドローンを利用することは困難である。
【0005】
また、ドローンの飛行性能や操縦性を確保するためには、電源電池をできるだけ小型化することが望ましいが、電源電池の小型化によって、ドローンの飛行可能時間が短くなってしまうという問題がある。
現状では、このような施設の監視等を行なうために適した飛行性能を備えるようなドローンの場合、数十分程度の飛行可能時間に制限されてしまう。このため、プラント施設等の監視作業を行なうためには、数十分毎にドローンを着陸させて、電源電池の交換を行なう必要がある。従って、一回の監視作業で例えば一時間以上かかるようなプラント施設等においては、このようなドローンの利用は実用的ではない。
【0006】
本発明は、以上の点に鑑み、飛行移動体を利用して、安全且つ確実に施設の監視作業を行なうことができるようにした監視装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的は、本発明の第一の構成によれば、走行移動体と、飛行移動体と、走行移動体及び飛行移動体を機械的及び電気的に接続する複数本の導体から成る可撓性の配線部と、から構成されており、走行移動体が、地上を走行するための走行部と、走行部を駆動制御する走行制御部と、処理部と、電源部と、上方から視認容易な標識と、
配線部を巻き取るための配線部巻取り制御装置と、該配線部巻取り制御装置に備えられて配線部の張力を検出する張力センサと、を具備し、飛行移動体が、ロータ等を回転駆動する駆動部と、駆動部を制御する飛行制御部と、監視用の撮像部と、追尾装置と、駆動部,飛行制御部,撮像部及び追尾装置に給電する給電部と、を備えており、給電部が、配線部を介して、走行移動体の電源部に接続されることにより、長い飛行可能時間を確保するために電源部から給電されると共に、配線部の長さにより走行移動体を中心とする三次元の飛行可能範囲が限定され、飛行制御部が、追尾装置で検出した標識の検出信号に基づいて走行移動体に対する位置を検出して、走行移動体の標識を配線部の長さの範囲内で追尾するように、駆動部を制御
し、走行移動体の配線部巻取り制御装置が、張力センサからの検出信号に基づいて配線部の繰り出しと巻き取りをするように動作し、飛行移動体の追尾装置が走行移動体の標識を検出できなくなったとき走行移動体の配線部巻取り制御装置が配線部を所定長さまで巻き取ることを特徴とする、監視装置により達成される。
【0008】
上記構成によれば、走行移動体が監視すべき領域の地上を走行すると共に、飛行移動体が監視すべき領域の上空を飛行し、その際、飛行移動体が走行移動体の標識を追尾装置で検出して、走行移動体の移動に追従する。これにより、飛行移動体の撮像部が、監視すべき領域の上空を撮像して、撮像データが配線部を介して走行移動体の処理部に伝送され処理されることにより、監視すべき領域の画像による監視が行なわれる。
従って、例えばプラント等の監視すべき施設において、危険性を伴うような箇所、あるいは人が近づけないような箇所の監視を確実に行なうことが可能になると共に、撮像部が赤外線による撮像を行なうようにすれば、夜間等の人間が直接に視認を行なうことが困難である箇所であっても、確実に監視を行なうことが可能である。
【0009】
ここで、飛行移動体は、その駆動部,飛行制御部,撮像部及び追尾装置が走行移動体の電源部から配線部を介して給電されることにより、従来の飛行移動体に搭載可能な電源部と比較して大幅に動作可能時間が長くなる。従って、例えば広大な施設における本監視装置による監視作業が、途中で電源部の電池交換あるいは充電作業等によって中断されることなく、長時間に亘って連続的に行なわれることになり、作業効率が大幅に向上すると共に、作業時間が大幅に短縮され得る。
【0010】
さらに、飛行移動体が配線部を介して機械的に走行移動体に接続されていることから、万が一、飛行移動体が制御不能となった場合であっても、そのまま何れかの方向に飛行を続けてしまうようなことがなく、配線部の長さによって飛行範囲が規制される。従って、制御不能となった飛行移動体が、飛行禁止領域に侵入してしまったり、あるいは墜落等によって監視すべき施設の一部を破損するようなことが確実に排除される。
【0011】
また、撮像部で撮像した撮像データが配線部を介して走行移動体の処理部に伝送されるようにしておけば、走行移動体の処理部でリアルタイムに処理して、例えばモニタ画面上に画像表示することが可能となる。従って、走行移動体側でリアルタイムで監視画像を確認するとことができる。
【0012】
上記目的は、本発明の第二の構成によれば
、走行移動体の走行制御部が、前もって設定された走行経路データに基づいて走行部を駆動制御する
。
【0013】
上記構成によれば、走行移動体が前もって設定された走行経路を走行することにより監視すべき領域の地上を走行すると共に、飛行移動体が監視すべき領域の上空を飛行し、その際、飛行移動体が走行移動体の標識を位置検出部で検出して、走行移動体の移動に追従する。
これにより、前述した本発明の第一の構成と同様に、飛行移動体の撮像部が、監視すべき領域の上空を撮像することにより、監視すべき領域の画像による監視が行なわれ、その際、飛行移動体が走行移動体の電源部から給電されることによって、長い飛行可能時間が確保され、長時間に亘る監視作業が連続的に可能となる。
さらに、飛行移動体は、配線部を介して走行移動体に機械的に接続されているので、飛行移動体が制御不能になった場合であっても、飛行移動体が不用意にどこかに飛んで行ってしまったり、墜落して監視すべき施設の一部を破壊してしまうようなことはない。
【0014】
上記目的は、本発明の第三の構成によれば、走行移動体と、飛行移動体と、走行移動体及び飛行移動体を機械的及び電気的に接続する複数本の導体から成る可撓性の配線部と、から構成されており、走行移動体が、地上を走行するための走行部と、走行部を駆動制御する走行制御部と、電源部と、上方から視認容易な標識と、を備えており、飛行移動体が、ロータ等を回転駆動する駆動部と、駆動部を制御する飛行制御部と、監視用の撮像部と、追尾装置と、位置検出部と、駆動部,飛行制御部,撮像部,追尾装置及び位置検出部に給電する給電部と、を備えており、給電部が、配線部を介して、走行移動体の電源部に接続されることにより、長い飛行可能時間を確保するために電源部から給電されると共に、配線部の長さにより走行移動体を中心とする三次元の飛行可能範囲が限定され、飛行移動体の飛行制御部が、前もって設定された飛行経路データに基づいて駆動部を制御し、飛行移動体の位置検出部が、GPSによる第一の測地データを検出して、配線部を介して走行移動体の処理部に送出し、走行移動体が、GPSによる第二の測地データを検出する第二の位置検出部を備えており、走行移動体の走行制御部が、第一の測地データ及び第二の測地データを比較して、走行部を駆動制御することにより、配線部の長さの範囲内で飛行移動体の飛行移動に追従させることを特徴とする、監視装置により達成される。
【0015】
上記構成によれば、飛行移動体が前もって設定された飛行経路を飛行することにより監視すべき領域の上空を飛行すると共に、走行移動体が監視すべき領域の地上を走行し、その際、走行移動体は、その第二の位置検出部が検出した第二の測地データを飛行移動体の第一の測地データと比較して、飛行移動体の移動に追従する。
これにより、前述した本発明の第一の構成と同様に、飛行移動体の撮像部が、監視すべき領域の上空を撮像することにより、監視すべき領域の三次元での監視が行なわれ、その際、飛行移動体が走行移動体の電源部から給電されることによって、長い飛行可能時間が確保され、長時間に亘る監視作業が連続的に可能となる。
さらに、飛行移動体は、配線部を介して走行移動体に機械的に接続されているので、飛行移動体が制御不能になった場合であっても、飛行移動体が不用意にどこかに飛んで行ってしまったり、墜落して監視すべき施設の一部を破壊してしまうことはない。
【0016】
上記目的は、本発明の第四の構成によれば、走行移動体と、飛行移動体と、走行移動体及び飛行移動体を機械的及び電気的に接続する複数本の導体から成る可撓性の配線部と、から構成されており、走行移動体が、地上を走行するための走行部と、走行部を駆動制御する走行制御部と、処理部と、電源部と、を備えており、飛行移動体が、ロータ等を回転駆動する駆動部と、駆動部を制御する飛行制御部と、監視用の撮像部と、追尾装置と、位置検出部と、駆動部,飛行制御部,撮像部,位置検出部及び追尾装置に給電する給電部と、を備えており、給電部が、配線部を介して走行移動体の電源部に接続されることにより、長い飛行可能時間を確保するために電源部から給電されると共に、配線部の長さにより走行移動体を中心とする三次元の飛行可能範囲が限定され、飛行移動体の位置検出部が、GPSによる第一の測地データを検出して、走行移動体の処理部に送出し、走行移動体が、GPSによる第二の測地データを検出する第二の位置検出部を備えており、飛行移動体の飛行制御部が、前もって設定された飛行経路データに基づいて、駆動部を制御すると共に、第一の測地データと第二の測地データを比較して、飛行経路上における走行移動体に対する相対位置を検出して、当該飛行移動体が飛行経路上で所定距離を越えて走行移動体より先行しているとき飛行経路データに沿う移動を中断するように駆動部を制御し、走行移動体の走行制御部が、前もって設定された走行経路データに基づいて、走行移動部を駆動制御すると共に、第二の測地データと第一の測地データを比較して、走行経路上における飛行移動体に対する相対位置を検出して、当該走行移動体が走行経路上で所定距離を越えて飛行移動体より先行しているとき走行経路データに沿う移動を中断するように、走行部を駆動制御することを特徴とする、監視装置により達成される。
【0017】
上記構成によれば、走行移動体が前もって設定された走行経路を走行することにより監視すべき領域の地上を走行し、また飛行移動体が前もって設定された飛行経路を飛行することにより監視すべき領域の上空を飛行すると共に、走行移動体及び飛行移動体がそれぞれGPSによる測地データを交換して、相互の相対位置を検出することにより、飛行移動体または走行移動体が、それぞれ所定距離を越えて先行したときに飛行経路または走行経路に沿う移動を中断してその位置に留まることにより相互距離を縮小させることができる。
【0018】
本発明による監視装置は、好ましくは、走行移動体が運転装置を備えており、操作者が運転装置を操作することにより、運転装置から走行制御部に走行経路データが入力される。この構成によれば、走行移動体は、操作者が運転装置を操作することにより、監視すべき施設内の地上を適宜に走行すると共に、飛行移動体が走行移動体の移動に追従して、監視すべき施設内の上空を飛行することによって、当該施設を三次元で監視することができる。その際、操作者も目視にて監視すべき施設を監視することができるので、走行移動体及び飛行移動体による自動監視に加えて、操作者による目視監視も行なうことによって、より完全な監視作業を行なうことが可能となる。
【0019】
本発明による監視装置は、好ましくは、走行移動体と別体に構成され、操作者の操作により入力された走行経路データを送信する遠隔監視部を備えていて、走行移動体が、遠隔監視部から送信される走行データ信号を受信して走行制御部に送出する受信装置を備えている。この構成によれば、操作者が遠隔監視部を操作することにより、遠隔監視部から走行移動体の走行制御部に走行データ信号が送信され、これにより走行移動体の走行制御部は、この走行データ信号に基づいて走行部を駆動制御することにより、走行移動体は、操作者の操作によって監視すべき施設内の地上を走行し、飛行移動体が走行移動体の移動に追従して、監視すべき施設内の上空を飛行することによって、当該施設を三次元で監視することができる。
【0020】
本発明による監視装置の飛行移動体が第一の熱センサを備えていると、飛行移動体の飛行中に、第一の熱センサが監視すべき施設の温度を検出するので、飛行移動体の飛行により監視すべき範囲の熱異常を即時に検出することができる。
【0021】
飛行移動体が第一の臭気センサを備えている場合は、飛行移動体の飛行中に、第一の臭気センサが監視すべき施設の臭気を検出するので、飛行移動体の飛行により監視すべき範囲のガス洩れ等による臭気異常を即時に検出することができる。
【0022】
走行移動体が第二の熱センサを備え、第二の熱センサの検出信号が処理部に伝送され処理されるように構成すると、走行移動体の走行中に、第二の熱センサが監視すべき施設の温度を検出して、その検出信号を処理部に伝送することにより、走行移動体の処理部は、走行移動体の走行により監視すべき範囲の熱異常を即時に検出することができる。
【0023】
走行移動体が第二の臭気センサを備え、第二の臭気センサの検出信号が処理部に伝送され処理されるように構成すると、走行移動体の走行中に、第二の臭気センサが監視すべき施設の臭気を検出して、その検出信号を処理部に伝送することにより、走行移動体の処理部は、走行移動体の走行により監視すべき範囲のガス洩れ等の臭気異常を即時に検出することができる。
【0024】
走行移動体がマイクを備え、マイクの検出信号が処理部に伝送され処理されるように構成すると、走行移動体の走行中に、マイクが監視すべき施設の音を検出して、その検出信号を処理部に伝送することにより、走行移動体の処理部は、走行移動体の走行により監視すべき範囲の爆発等の異常音を即時に検出することができる。
【0026】
走行移動体が、飛行移動体のための着陸スペースを備えており、飛行移動体の飛行制御部が、位置検出部からの標識の検出信号に基づいて駆動部を制御して、走行移動体の着陸スペース上に飛行移動体を着陸させる構成とすると、例えば監視作業の終了後、あるいは飛行移動体に不具合が発生した場合には、飛行移動体が走行移動体の着陸スペース上に着陸させられる。その後は、走行移動体のみの走行によって、走行移動体及び飛行移動体が一体となって移動し、例えば保管または保守場所に持ち来される。
【0027】
飛行移動体の追尾装置が位置検出用カメラであって、飛行移動体の制御部が、位置検出用カメラで検出した画像信号に基づいて画像認識により走行移動体の標識の位置を検出するように構成すると、追尾装置は、位置検出用カメラが撮像した走行移動体の標識の画像信号から画像認識により、走行移動体の標識の相対位置を検出することができる。
【0028】
走行移動体が、配線部を巻き取るための配線部巻取り制御装置と、該配線部巻取り制御装置に備えられて配線部の張力を検出する張力センサと、を具備し、配線部巻取り制御装置が張力センサからの検出信号に基づいて配線部の繰り出しと巻き取りをすれば、走行移動体と飛行移動体の距離が短くなって配線部が弛んだときには配線部の張力が低くなるので、配線部巻取り制御装置は、張力センサからの検出信号に基づいて配線部を巻き取って配線部の弛みを低減する。これにより、配線部が絡んでしまったり、飛行移動体の飛行を妨げるようなことがない。また、飛行移動体が走行移動体から離れて配線部の張力が高くなると、配線部巻取り制御装置は、張力センサからの検出信号に基づいて配線部を繰り出して配線部の張力を低減し、高い張力による配線部の切断が防止される。
飛行移動体の追尾装置が、走行移動体の標識を検出できなくなったとき、走行移動体の
配線部巻取り
制御装置が配線部を所定長さまで巻き取るよう構成すると、飛行移動体が走行移動体の移動に追従できなくなったときには、走行移動体の
配線部巻取り
制御装置が配線部を所定長さまで巻き取ることによって、飛行移動体が強制的に走行移動体の近傍に引き寄せられて、飛行移動体の位置検出部の検出可能範囲内に走行移動体が相対的に位置することになるので、飛行移動体の位置検出部が、走行移動体の標識を検出できるようになる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、飛行移動体を利用して、安全且つ確実に施設の監視作業を行なうことができるようにした監視装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面に示した実施形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明による監視装置の一実施形態の全体構成を示している。
図1において、監視装置10は、走行移動体20と、走行移動体20とは別体に構成された飛行移動体30と、これら走行移動体20及び飛行移動体30を接続する配線部50と、から構成されている。
【0032】
走行移動体20は、
図2及び
図3に示すように、箱状の本体21と、本体21の下部に設けられた走行部22と、走行部22を駆動制御する走行制御部23と、監視データ処理のための処理部24と、送受信部25と、記憶部26と、大容量電源部27と、センサ部28と、配線部巻取り制御装置29と、から構成されている。
【0033】
本体21は、
図3(A)及び(B)に示すように、その上面21aが平坦に構成されていると共に、飛行移動体30から認識するための標識21bを備えている。これにより、飛行移動体30が標識21bを目標として、走行移動体20の位置を検出すると共に、この上面21a上に着陸できるようになっている。
【0034】
走行部22は、
図2及び
図3(C)に示すように、四つの車輪22aと、各車輪22aにそれぞれ取り付けられた駆動モータ22bと、から構成されている。これにより、各駆動モータ22bが走行制御部23により駆動制御されることにより、各車輪22aが回転駆動され、走行移動体20が前進,後退または左右に転回して所定の方向に走行する。
なお、走行部22は、車輪22aに限らず、例えば無限軌道等の他の駆動手段により構成されていてもよい。
【0035】
走行制御部23は、走行経路データ23aに基づいて、走行部22の各駆動モータ22bをそれぞれ駆動制御することにより車輪22aをそれぞれ独立的に駆動して、前進,後退,左右転回等の走行を行なわせる。
走行データ23aは、直接に入力され、または前もって設定されて記憶部26に記憶され、あるいは送受信部25を介して外部から受信することにより取得され、走行制御部23に入力される。
【0036】
処理部24には、飛行移動体30から配線部50のデータライン52を介して飛行監視データ39a(後述)が入力されると共に、後述するようにセンサ部28から検出信号S1,S2及びS3が入力され、これらから監視データ24f(後述)を生成して記憶部26に登録し、あるいは送受信部25を介して外部に送信する。
【0037】
送受信部25は、外部に設けられる遠隔監視部60との間で無線通信により、処理部24で生成された監視データ24fを送信すると共に、必要に応じて、遠隔監視部60から前もって設定された走行経路データ25aまたは飛行経路データ25bを受信して、記憶部26に登録し、あるいは走行制御部23または配線部50のデータライン52を介して飛行移動体30の飛行制御部33に伝送する。
【0038】
記憶部26は、外部の管理部から受信した走行経路データ23aと、飛行移動体30から伝送されてくる飛行監視データ39a(後述)及びセンサ部28からの検出信号S1,S2及びS3と、を逐次記憶する。これらの飛行監視データ39a及びセンサ部28からの検出信号S1,S2及びS3は、処理部24により読み出されて処理される。
【0039】
大容量電源部27は、電源電池27aと変圧コンバータ27bとから構成されている。電源電池27aは、蓄電池や充電可能な二次電池、例えばリチウム電池等が使用でき、通常飛行移動体30に搭載される電源電池と同じものが複数個、例えば100個が互いに並列接続されている。なお、このような電源電池としては、例えば14.8Vで10000mAHの規格のリチウム二次電池が使用される。また、走行移動体20内に各部への給電は、以下の変圧コンバータ27bを介さずに、電源電池27aから直接に供給されてもよい。
【0040】
変圧コンバータ27bは、電源電池27aの電圧を昇圧するための公知の構成のものであって、通常使用される電源電池27aの電圧14.8Vを例えば400V程度に昇圧して、走行移動体20内の各部そして配線部50の電源ライン51に供給する。この昇圧により、小電流でも大きな電力を飛行移動体30に対して供給することが可能となる。
【0041】
センサ部28は、図示の場合三つのセンサ、例えば熱センサ28a,臭気センサ28b及び音センサとしてのマイク28cを備えている。
熱センサ28aは、例えば赤外センサから構成されており、その検出信号S1は、処理部24に送出される。これにより、処理部24は、熱センサ28aからの検出信号S1に基づいて、走行移動体20の周囲の熱異常を判断し、熱異常と判定した場合には、熱異常発生信号24aを生成する。
臭気センサ28bは公知の構成であって、周囲の臭気を検出してその検出信号S2は、同様に処理部24に送出される。これにより、処理部24は、臭気センサ28bからの検出信号S2に基づいて、走行移動体20の周囲の臭気異常(例えばガス洩れ等)を判断し、臭気異常と判定した場合には臭気異常発生信号24bを生成する。
マイク28cは公知の構成であって、周囲の音を検出し、その検出信号S3は、処理部24に送出される。これにより、処理部24は、マイク28cからの検出信号S3に基づいて、走行移動体20の周囲の音異常(例えば爆発音等)を判断し、音異常と判定した場合には、音異常発生信号24cを生成する。
【0042】
配線部巻取り制御装置29は、所謂電動リール29aとして構成されており、走行移動体20の本体21への配線部50の引き込み部分に設けられている。配線部巻取り制御装置29は、電動リール29aに、配線部50の張力を検出する張力センサ29bを備えており、張力センサ29bにより検出された張力が所定の上限値を越えた場合には、電動リール29aを回転駆動して配線部50を繰り出すように動作し、また張力がゼロとなった場合には、電動リール29aを回転駆動して配線部50を巻き取るように動作する。さらに、配線部巻取り制御装置29は、処理部24から巻取り指令24gを受け取ったときには、電動リール29aを回転駆動して、配線部50を所定長さまで巻き取るように動作する。
【0043】
飛行移動体30は、公知の構成の飛行ロボットであって、
図4に示すように、飛行するためのロータ,プロペラ等の飛行手段31と、この飛行手段31を回転駆動する駆動モータ等の駆動部32と、駆動部32を制御する飛行制御部33と、を含んでいる。図示の場合、飛行手段31及び駆動部32は、それぞれ四個づつ設けられている。
ここで、飛行移動体30は、例えば縦横がそれぞれ数十cm程度で高さが数cm程度の比較的小型の機体34を有しており、前述した飛行手段31,駆動部32及び飛行制御部33は、機体34内に搭載されている。
そして、飛行制御部33は、飛行経路データ33aに基づいて、各駆動部32により、それぞれ対応する飛行手段31を回転駆動することにより安定して飛行すると共に、所謂自律飛行する機能を有しており、この飛行経路データ33aにより指定される監視エリアを飛行する。
【0044】
以上の構成は、従来使用されている所謂ドローンとほぼ同様の構成であるが、本実施形態における飛行移動体30は、電源電池が搭載されておらず、後述するように配線部50の電源ライン51を介して、走行移動体20の大容量電源部27から、後述する給電部40を介して、駆動部32,飛行制御部33に給電が行なわれる。
これにより、例えば1kg程度の重量を有する電源電池を搭載する必要がなくなることから、飛行移動体30は総重量がより軽くなり、操縦性が向上することになる。
【0045】
さらに、飛行移動体30は機体34内に、監視すべき施設の撮像を行なう撮像部35と、追尾装置36と、位置検出部37と、センサ部38と、処理部39と、給電部40と、を備えている。これらの撮像部35,追尾装置36,位置検出部37,センサ部38及び処理部39も、同様に配線部50の電源ライン51から給電部40を介して、それぞれ給電が行なわれる。
【0046】
撮像部35は、飛行移動体30の飛行中に、監視すべき施設等を所定の高さ位置にて高解像度の静止画像を撮像するものである。撮像部35の撮像方向は、撮像部35自体に備えられた方向変更手段により所定方向に変更され、あるいは撮像部35が飛行移動体30の機体34に固定された状態で、飛行移動体30自体の姿勢を飛行制御部33により変更することにより、任意の方向に変更可能である。そして、撮像部35は、その撮像した高解像度の静止画像の撮像データ35aを処理部39に送出する。
【0047】
追尾装置36は、機体34に下向きに取り付けられた追尾カメラから構成されており、飛行移動体30の飛行中に、追尾カメラで動画を撮像する。この追尾カメラは、動画としてのデータ量を低減するため、低解像度で且つ高フレームレートで動画の撮像を行なうものである。追尾装置36で撮像した動画データ36aは、処理部39に送出される。
【0048】
位置検出部37は、例えばGPSセンサによる経度,緯度と、高さデータを検出する。
高さデータは、例えば圧力センサまたは超音波センサにより地上からの高さを検出することにより得られる。これにより、位置検出部37は、例えば所定時間毎に飛行移動体30のそのときの三次元の測地データ(第一の測地データ)37aを検出し、処理部39に送出する。
【0049】
センサ部38は図示の場合、二つのセンサ、例えば熱センサ38a及び臭気センサ38bを備えている。
熱センサ38aは、例えば赤外センサから構成されており、その検出信号S4は処理部39に送出される。
【0050】
臭気センサ38bは公知の構成であって、周囲の臭気を検出して、その検出信号S5は、同様に処理部39に送出される。ここで、臭気センサ38bは、好ましくは、飛行移動体30の飛行手段31の上側に配置される。飛行手段31の下側では、飛行手段31により発生する下向きの気流の流速が速いため、気流の流速の遅い上側の方がより精度よく臭気を検出することが可能であることに因る。
【0051】
処理部39は、撮像部35からの撮像データ35a,追尾装置36からの動画データ36a,位置検出部37からの測地データ37a及びセンサ部38からの検出信号S4,S5を、それぞれ以下のように処理する。
即ち、処理部39は、撮像データ35aを画像圧縮処理により圧縮すると共に、位置検出部37からの測地データ37a及びセンサ部38からの検出信号S4,S5と圧縮した撮像データ35aを一括して、飛行監視データ39aとして、配線部50のデータライン52を介して走行移動体20の処理部24に送出する。
また、処理部39は、追尾装置36からの動画データ36aに基づいて動画データ36を画像解析して、走行移動体20の標識21bを検出し、この標識21bが画面中心に位置するような追尾用飛行経路データ33bを生成して、飛行制御部33に送出する。
この追尾用飛行経路データ33bに基づいて、飛行移動体30の飛行制御部33が駆動部32を駆動制御することによって、飛行移動体30は、常に走行移動体20の標識21bの上方に位置するように飛行することになる。
【0052】
従って、走行移動体20の処理部24は、この飛行監視データ39のうち、センサ部38からの検出信号S4に基づいて飛行移動体30の周囲の熱異常を判断し、熱異常と判定した場合には、熱異常発生信号24dを生成し、また検出信号S5に基づいて飛行移動体30の周囲の臭気異常を判断し、臭気異常と判定した場合には臭気異常発生信号24eを生成する。
そして、走行移動体20の処理部24は、前述した熱異常発生信号24a及び24d,臭気異常発生信号24b及び24eそして音異常発生信号24cを、撮像データ35aと共に、監視データ24fとして、送受信部25を介して無線通信により遠隔監視部60に送信する。
【0053】
配線部50は、ロボット制御用として市販されている軽くて丈夫なワイヤー、例えば樹脂被覆の複数本の撚線から成るワイヤーから構成されており、数十メートルの長さを有している。このワイヤーは、飛行移動体30の飛行に対して十分に対抗できる程度の機械的強度を備えると共に、弛んだ状態においては、飛行移動体30の飛行を妨げないような可撓性を有している。
配線部50は複数対のワイヤーから成り、一対が電源ライン51として利用されると共に、他の一対がデータライン52として利用される。なお、配線部50は、さらなる対のデータラインを備えていてもよく、その場合、飛行移動体20側から飛行経路データを飛行移動体30に対して伝送することが可能である。
【0054】
遠隔監視部60は、監視すべき施設内、あるいはこのような施設に隣接して配置されており、走行移動体20の送受信部25との間で例えばWi−Fi方式にて無線通信を行なう送受信部61と、記憶部62と、制御部63と、表示部64と、入力部65と、を含んでいる。
遠隔監視部60の制御部63は、送受信部61で受信した走行移動体20からの監視データ24fを記憶部62に記憶させると共に、この監視データ24fに含まれる撮像データ35aを表示部64の表示画面上に表示する。これにより、表示部64の表示画面に表示される撮像データ35aによる高解像度の静止画面を監視員の目視で監視すべき施設等の監視を行なうことができる。
また、遠隔監視部60の制御部63は、送受信部61で受信した監視データ24fに含まれる異常発生信号24a〜24eに基づいて、各異常発生信号24a〜24eが示す熱異常,臭気異常,音異常の種類を表示部64の表示画面上に表示すると共に、例えばスピーカ等の警告手段(図示しない)から異常発生の旨を表す警告音等を発する。
【0055】
さらに、遠隔監視部60は、入力部65により、走行移動体20のための走行経路データ23aまたは飛行移動体30のための飛行経路データ33aを入力し、記憶部62に記憶させる。これにより、遠隔監視部60の制御部63は、これらの走行経路データ23aまたは飛行経路データ33aを前もって設定することができると共に、走行経路データ23aまたは飛行経路データ33aを記憶部62から読み出して、送受信部61から無線通信により走行移動体20の送受信部25に伝送する。
このようにして、走行移動体20の送受信部25は、これらの走行経路データ23aまたは飛行経路データ33aを受信して、走行移動体20の記憶部26に記憶させ、または配線部50のデータライン52を介して、飛行移動体30の飛行制御部33に送出する。
これを受けて、走行移動体20の走行制御部23は、この走行経路データ23aを記憶部26から読み出して、走行部22を駆動制御する。これにより、走行移動体20は、前もって設定された走行経路に沿って走行することになる。
また、飛行移動体30の飛行制御部33は、この飛行経路データ33aに基づいて、前もって設定された飛行経路に沿って飛行することになる。
【0056】
本実施形態の監視装置10は以上のように構成されており、以下のように動作する。
監視装置10は、以下の三つの動作モード、即ち走行移動体20が前もって設定された走行経路を移動し、飛行移動体30が走行移動体20の走行経路を追従する第一のモード、飛行移動体30が前もって設定された飛行経路を移動し、走行移動体20が飛行移動体30の飛行経路を追従する第二のモード、そして走行移動体20及び飛行移動体30が共に前もって設定された走行経路または飛行経路を移動すると共に、走行移動体20と飛行移動体30が相互に位置情報(GPSによる測地データ)を交換して相互位置を検出し、相互の距離を所定距離以下に保持する第三のモード、で動作する。
【0057】
まず、第一のモードについて説明する。
走行移動体20では、遠隔監視部60から前もって走行経路データ23aを受信して記憶部26に登録してあり、監視作業の開始に先立って、走行制御部23は、記憶部26から走行経路データ23aを読み出し、この走行経路データ23aに基づいて走行部22を駆動制御する。これにより、走行移動体20は、その走行部22により前もって設定された走行経路を走行する。
【0058】
これに対して、飛行移動体30では、その追尾装置36で撮像した動画データ36aが処理部39に送出され、処理部39は、この動画データ36aを画像解析して、走行移動体20の標識21bを検出し、この標識21bが画面中心に位置するように、追尾用飛行経路データ33bを生成して、飛行制御部33に送出する。
これにより、飛行制御部33は、この追尾用飛行経路データ33bに基づいて、走行移動体20の標識21bが追尾装置36の画面中心に位置するように、各駆動部32を制御する。従って、飛行移動体30は、走行移動体20に対してその直上に位置するように飛行する。こうして、走行移動体20が前もって設定された走行経路に沿って移動する際に、飛行移動体30が上述した追尾動作を行なうことにより、飛行移動体30は、走行移動体20の走行に追従して飛行する。
【0059】
このようにして、走行移動体20及び飛行移動体30が移動する間、飛行移動体30では、撮像部35により撮像された撮像データ35aが処理部39で画像圧縮されて、位置検出部37からの測地データ37a及びセンサ部38からの検出信号S4,S5と共に、飛行監視データ39aとして、配線部50のデータライン52を介して、走行移動体20の処理部39に送出される。
そして、走行移動体20では、処理部24が、この飛行監視データ39aのうち、検出信号S4及びS5を、センサ部28からの検出信号S1,S2及びS3と共に処理して、異常発生時には、異常発生信号25a〜24eを生成し、撮像データ35aと一括して監視データ24fとして送受信部25から遠隔監視部60に対して無線通信により伝送する。
これにより、遠隔監視部60では、その制御部63が、監視データ24fに含まれる撮像データ35aを表示部64の表示画面上に表示し、監視員が撮像データ35aの画面表示を見ながら、撮像データ35aによる高解像度の静止画像を目視して、監視すべき施設等の監視を行なうことができる。
また、異常発生時には、制御部63が、各異常発生信号25a〜25eが示す熱異常,臭気異常,音異常の種類を表示部64の表示画面上に表示すると共に、例えばスピーカ等の警告手段(図示しない)から異常発生を表す警告音等を発する。これにより、異常発生がより確実に監視員により把握される。
【0060】
ここで、飛行移動体30が走行移動体20に対して水平方向に大きくずれると、追尾装置36が走行移動体20の標識21bを画面内に捕らえることができなくなる。このような場合には、処理部39は追尾不能信号39bを生成して、配線部50のデータライン52を介して走行移動体20の制御部24に送出する。
これを受けて、走行移動体20の制御部24は、配線部巻取り制御装置29に対して巻取り指令24gを送出し、配線部巻取り制御装置29は、電動リール29aを回転駆動して配線部50を所定長さまで巻き取る。
配線部50が所定長さまで巻き取られると、飛行移動体30が走行移動体20に対して水平方向に関して接近することになり、飛行移動体30の追尾装置36の画面内に、走行移動体20の標識21bが捕らえられることになり、追尾装置36による走行移動体20の標識21bの画像認識による追尾が可能となる。
【0061】
次に、第二のモードについて説明する。
この第二のモードにおいては、走行移動体20は、さらに飛行移動体30における位置検出部37と同様の位置検出部41を備えている。この位置検出部41は、例えばGPSセンサによる経度,緯度から成る第二の測地データ41aを検出し、処理部24に送出する。
【0062】
飛行移動体30では、遠隔監視部60から前もって飛行経路データ33aが走行移動体20の送受信部25,処理部24を介して、そして配線部50のデータライン52を通って受信しており、この飛行経路データ33aに基づいて駆動部32を制御する。これにより飛行移動体30は、その飛行手段31により前もって設定された飛行経路を飛行する。このとき、飛行移動体30は、その位置検出部37で検出した第一の測地データ37aが配線部50のデータライン52を介して走行移動体20の処理部24に送出される。
【0063】
これに対して、走行移動体20では、処理部24が、飛行移動体30から配線部50を介して入力される第一の測地データ37aと、位置検出部41からの第二の測地データ41aとを比較して、第二の測地データ41aによる経度及び緯度を、第一の測地データ37aによる経度及び緯度に近づけるように、追尾用走行経路データ24hを生成して、走行制御部23に送出する。これにより、走行制御部23は、追尾用走行経路データ24hに基づいて走行部22を駆動制御し、走行移動体20は、飛行移動体30に対してその直下に位置するように走行する。
【0064】
従って、飛行移動体30が前もって設定された飛行経路に沿って移動する際に、走行移動体20が上述した追尾動作を行なうことにより、走行移動体20は、飛行移動体30の飛行に追従して飛行することになる。この場合も、第一のモードの場合と同様にして、監視データ24fが走行移動体20から遠隔監視部60に送信されることにより、監視すべき施設等の監視が行なわれる。また、この場合も、飛行移動体30が走行移動体20に対して水平方向に大きくずれた場合には、配線部巻取り制御装置29が配線部50を所定長さまで巻き取ることにより、追尾回復が行なわれる。
【0065】
次に、第三のモードについて説明する。
この第三のモードにおいては、上述した第二のモードの場合と同様に、走行移動体20は、さらに飛行移動体30における位置検出部37と同様の位置検出部41を備えている。この位置検出部41は、例えばGPSセンサによる経度,緯度から成る第二の測地データ41aを検出し、処理部24に送出する。これにより、処理部24は、所定時間毎に第二の測地データ41aを配線部50のデータライン52を介して、あるいは図示しない無線送信によって、飛行移動体30の処理部39に送出する。
これに対して、飛行移動体30の処理部39は、所定時間毎に位置検出部37からの測地データ(第一の測地データ)37aを、配線部50のデータライン52を介してあるいは図示しない無線送信によって、走行移動体20の処理部24に送出する。
走行移動体20では、遠隔監視部60から前もって走行経路データ23aを受信して記憶部26に登録してあり、監視作業の開始に先立って、走行制御部23は、記憶部26から走行経路データ23aを読み出して、この走行経路データ23aに基づいて走行部22を駆動制御する。これにより走行移動体20は、その走行部22により前もって設定された走行経路を走行する。
【0066】
また、飛行移動体30では、遠隔監視部60から前もって飛行経路データ33aが走行移動体20の送受信部25,処理部24を介してそして配線部50のデータライン52を通って受信しており、この飛行経路データ33aに基づいて駆動部32を制御する。これにより、飛行移動体30は、その飛行手段31により前もって設定された飛行経路を飛行する。
【0067】
さらに、走行移動体20の処理部24は、位置検出部41で検出した第二の測地データ41aを、飛行移動体30から所定時間毎に送られてくる第一の測地データ37aと比較して、飛行移動体30に対する走行移動体20の相対位置を検出して、
図6に示すように、位置1から位置2までの間の走行経路P1上における走行移動体20の位置P1aに対して、飛行経路P2上における飛行移動体30の位置P2aを走行経路P1上に射影(P2a’)することによって、走行移動体20と飛行移動体30との相互距離D1を算出する。
また、飛行移動体30の処理部39は、同様にして位置検出部37で検出した第一の測地データ37aを、走行移動体20から所定時間毎に送られてくる第二の測地データ41aと比較して、走行移動体20に対する飛行移動体30の相対位置を検出して、
図6に示すように、飛行経路P2上における飛行移動体30の位置P2aに対して、走行経路P1上における走行移動体20の位置P1aを飛行経路P2上に射影することによって、飛行移動体30と走行移動体20との相互距離D2を算出する。
この相互距離D1,D2は、それぞれ進行方向に関して正方向とし、負の場合には、当該走行移動体20または飛行移動体30が相手方より先行していることを意味し、正の場合には、相手方が先行していることを意味する(
図6の場合、相互距離D1は負値、D2は正値である。)
そして、先行して相互距離D1またはD2が負の所定距離を越えたとき、即ちD1またはD2が負の所定値より小さくなったとき、先行する走行移動体20または飛行移動体30が、その走行経路P1または飛行経路P2に沿った移動を停止するように、処理部24が走行制御部23を制御し、または処理部39が飛行制御部33を制御する。
【0068】
従って、走行移動体20が前もって設定された走行経路を移動すると共に、飛行移動体30が前もって設定された飛行経路に沿って移動する際に、走行移動体20及び飛行移動体30が相互に所定距離の範囲内に留まるように移動することになる。この場合も、第一及び第二のモードの場合と同様にして、監視データ24fが走行移動体20から遠隔監視部60に送信されることにより、監視すべき施設等の監視が行なわれ得る。
この第三のモードにおいても、飛行移動体30が走行移動体20に対して水平方向に大きくずれた場合には、配線部巻取り制御装置29が配線部50を所定長さまで巻き取ることにより、追尾回復が行なわれる。
【0069】
なお、上述した第一〜第三の何れのモードにおいても、追従動作の不具合、飛行移動体30の飛行制御の不調等により、飛行移動体30が走行移動体20から大きく離反しようとすると、飛行移動体30が配線部50を介して機械的に走行移動体20に接続されていることから、飛行移動体30の飛行範囲は、走行移動体20を中心として配線部50の長さの範囲内に限定されるので、飛行移動体30が不用意にどこかに飛んで行ってしまって監視すべき施設等の一部を衝突,墜落等により破損,破壊してしまうようなことはない。
また、上述した第一〜第三のモードにおいて、追尾回復によっても、飛行移動体30の追尾装置36が走行移動体20の標識21bを捕らえられない場合、即ち、最初に飛行移動体30の処理部39が追尾不能信号39bを送信してから所定時間が経過しても、撮像データ35aにより走行移動体20の標識21bが捕らえられない場合には、飛行移動体30の処理部39は、飛行制御部33に対して緊急着陸信号39cを送信し、飛行移動体30を着陸させる。その際、飛行移動体30は、位置検出部37で検出した測地データ37aに基づいて離陸した場所に戻って、着陸するようにしてもよい。
【0070】
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができる。
例えば、上述した実施形態においては、走行移動体20は、四つの車輪により地上を走行し、左右の転回の際には、左右の車輪の回転数をそれぞれ別個に制御することにより走行させるようになっているが、これに限らず、所謂ステアリング機能を備えて、前側または後側の車輪を左右に操舵するようにしてもよいことは明らかである。
【0071】
上述した実施形態では、走行移動体20は、車輪により地上を走行するように構成されているが、例えば無限軌道等の車輪以外の走行手段を備えるようにしてもよく、またホバークラフトのように、地上から浮上して移動するようにしてもよい。
【0072】
上述した実施形態では、飛行移動体20の撮像部35は、高解像度の静止画像を撮像するように構成されているが、これに限らず、動画像を撮像するようにしてもよい。
【0073】
上述した実施形態においては、走行移動体20は、遠隔監視部60から受信した走行経路データ23aにより走行するようになっているが、これに限らず、走行移動体20に入力部を備え、この入力部により走行経路データ23aを入力するようにしてもよい。
上述した実施形態においては、走行移動体20は、前もって設定された走行経路データ23aにより走行するようになっているが、これに限らず、走行移動体20に操作部を備えることにより、運転者が操作部を操作することにより、走行移動体20を走行させるようにしてもよい。この場合、前もって走行経路データ23aを生成する必要がなく、また運転者が目視により監視すべき施設等の監視を行なうこともできる。
【0074】
上述した実施形態においては、飛行移動体30の処理部39で作成された飛行監視データ39aが配線部50のデータライン52を介して走行移動体20に伝送されるようになっているが、これに限らず、飛行監視データ39aは、飛行移動体30に設けられた記憶部に登録され、飛行移動体20の飛行終了後に回収されてもよく、またリアルタイムにあるいは所定時間毎に、無線伝送により走行移動体20あるいは遠隔監視部60に伝送されてもよい。