特許第6846700号(P6846700)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6846700-ヒアルロン酸合成酵素遺伝子発現促進剤 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6846700
(24)【登録日】2021年3月4日
(45)【発行日】2021年3月24日
(54)【発明の名称】ヒアルロン酸合成酵素遺伝子発現促進剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/39 20060101AFI20210315BHJP
   A61P 17/16 20060101ALI20210315BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20210315BHJP
   A61K 8/64 20060101ALI20210315BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20210315BHJP
   C07K 14/78 20060101ALN20210315BHJP
【FI】
   A61K38/39ZNA
   A61P17/16
   A61P43/00 105
   A61K8/64
   A61Q19/00
   !C07K14/78
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-5305(P2017-5305)
(22)【出願日】2017年1月16日
(65)【公開番号】特開2018-115118(P2018-115118A)
(43)【公開日】2018年7月26日
【審査請求日】2019年12月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000166959
【氏名又は名称】御木本製薬株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】598041566
【氏名又は名称】学校法人北里研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】304026696
【氏名又は名称】国立大学法人三重大学
(72)【発明者】
【氏名】渡部 終五
(72)【発明者】
【氏名】神保 充
(72)【発明者】
【氏名】岡本 暉公彦
(72)【発明者】
【氏名】前山 薫
(72)【発明者】
【氏名】服部 文弘
(72)【発明者】
【氏名】永井 清仁
(72)【発明者】
【氏名】加納 哲
(72)【発明者】
【氏名】舩原 大輔
【審査官】 大島 彰公
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−210766(JP,A)
【文献】 特開2017−137269(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K、A61P、A61Q、C07K
CAplus/REGISTRY(STN)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列表に記載の配列番号1からなるペプチドを有効成分とするヒアルロン酸合成酵素遺伝子発現促進剤
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚の弾力性の低下、シワ形成を抑制し、且つ関節炎の予防や改善の製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚の弾力性の低下、シワ形成等の老化現象には真皮内のヒアルロン酸量の減少が関わっていることが知られている。
ヒアルロン酸はヒアルロン酸合成酵素(以下、HASと略す)により合成される。生体内のヒアルロン酸合成に関与している酵素は、HAS1mRNA、HAS2mRNA、HAS3mRNAが知られているが、線維芽細胞では主にHAS2mRNAの発現を介してヒアルロン酸合成が制御されていることが明らかとなっている。
ヒアルロン酸は、皮膚の弾力性の低下、シワ形成のみならず、関節炎もの有効なことが知られている。
退行性関節炎が起こると、関節内で潤滑作用をするヒアルロン酸の生成が減少し、蛋白酵素による破壊が増加し、関節内でヒアルロン酸が減少するとの報告がある。すなわち、関節内でヒアルロン酸が減少するにしたがって、関節で外部衝撃を吸収したり分散することができず、関節の損傷が激しくなることがある。これより、ヒアルロン酸を関節に注入して関節炎を緩和させる方法があるが、究極的には身体内のヒアルロン酸の合成を増加させる方法がさらに有効であると考えられる。
皮内のヒアルロン酸を増加させる物質はいくつか知られている。(特許文献1〜2)
コラーゲンは化粧料をはじめとする皮膚外用剤に広く利用されており、さらに、貝類のコラーゲンおよびその加水分解物も化粧品に利用されている。(特許文献3及び4)
【0003】
【特許文献1】特開2009−191039号公報
【特許文献2】特開2011−195493号公報
【特許文献3】特開2003−095854号公報
【特許文献4】特開2014−210766号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は皮膚の弾力性の低下、シワ形成を抑制し、且つ関節炎の予防や改善の製剤に関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らが鋭意検討した結果、コラーゲンのペプチドが本目的に最適なことを見出し、さらに分画したところ、配列番号1のペプチドにヒアルロン酸合成酵素遺伝子の発現を非常に促進することがわかった。
コラーゲンは上記のように皮膚にとって非常に有用であることはすでにわかっているが、哺乳動物を由来とするコラーゲンは、一部の人にとっては利用したくないものであり、様々なニーズにも答えるべく、鋭意検討した結果、貝類肉より得られるコラーゲンが本発明の主旨にもっとも合致することがわかった。なお且つ、カキ、アワビ、アサリ等は貝肉は食料として利用されているがアコヤ貝の場合は真珠養殖が終了した時点で廃棄物として投棄されているのが現状であり、アコヤ貝を本発明の原料として用いるのが最も効果的である。
アコヤ貝は真珠養殖が終わって、真珠を取り出すときに、貝柱を除いたあとの貝肉を集める。食用できる貝柱を除くと外套膜にコラーゲン多く含まれるので、必要によっては、貝肉より外套膜を選別する。
コラーゲンの抽出の方法は、公知の方法で行えばよい。すなわち例えば、水を加えたあと、攪拌したのち、遠心分離機で分離する方法や静置して上澄みを捨てる方法など選択すればよい。この不溶物よりさらに不純物を除くために、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム等の塩溶液や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア水等の塩基性溶液或いは、エチレンジアミン四酢酸塩等のキレート剤を加えて攪拌して不溶物を集める。これにさらにエタノール等の水溶性有機溶媒で不純物を除いたのち、酢酸、クエン酸、乳酸、塩酸、リン酸などを用いて酸抽出することによりコラーゲンが得られる。濃度は酸の種類や各種の条件によって異なるが0.01〜2モルの濃度で行う。この液を加えて2〜48時間攪拌すると抽出される。なお、温度は30℃以下、好ましくは2〜10℃である。このほか、酵素を用いたのち、酸で抽出する方法等公知の方法で抽出すればよい。また、用途によってはさらに精製した方がよい場合があり、親水性有機溶媒や塩析法などを用いて精製する。
以上のようにして得られたコラーゲンを加水分解する。加水分解の方法はコラーゲナーゼ、パパイン、ペプシン等の蛋白分解酵素、塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸、酢酸、乳酸、コハク酸などの有機酸、これらを単独或いは2種以上用いて分解し、必要に応じて不要な酵素や酸を除去する。また、酵素や酸以外のアルカリ等の分解方法を用いてもなんら問題はない。これらの加水分解方法を1つ又は組み合わせて必要な分子量とすればよいが、限外濾過、ゲル濾過、その他のクロマト等を用いて必要な分画を得たらよい。
これらより得られたペプチドを分析した結果を分析した結果、配列番号1のペプチドがヒアルロン酸合成酵素遺伝子発現促進剤として非常に有効なことがわかった。
【0006】
配列番号1のペプチド或いは配列番号1のペプチドを含むペプチドの他に、医薬品、食品、化粧品に利用できる原料とともに、製剤を作成するか、既存の医薬品、食品、化粧品にこれらを加えて利用することもできる。
利用できる原料を例示すれば、
アボガド油、アーモンド油、ウイキョウ油、エゴマ油、オリーブ油、オレンジ油、オレンジラファー油、ゴマ油、カカオ脂、カミツレ油、カロット油、キューカンバー油、牛脂脂肪酸、ククイナッツ油、サフラワー油、シア脂、液状シア脂、大豆油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、パーシック油、ヒマシ油、綿実油、落花生油、タートル油、ミンク油、卵黄油、パーム油、パーム核油、モクロウ、ヤシ油、牛脂、豚脂、スクワレン、スクワラン、プリスタン又はこれら油脂類の水素添加物(硬化油等)等の各種油脂類。
ミツロウ、カルナバロウ、鯨ロウ、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、カンデリラロウ、モンタンロウ、セラックロウ、ライスワックス等のロウ類。
流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、オゾケライド、セレシン、マイクロクリスタンワックス等の鉱物油。
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、トール油、ラノリン脂肪酸等の脂肪酸類。
エタノール、イソピロパノール、ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、フェノキシエタノール、2-ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノール等のアルコール類。
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリトリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、ガラクチトール、ソルビトール、ラクチトール、マルチトール等の多価アルコール類。
【0007】
ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、酢酸ラノリン、モノステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール等のエステル類。
ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛等の金属セッケン類。
アラビアゴム、グアヤク脂、カラヤゴム、トラガントゴム、クインシード、寒天、カゼイン、乳糖、果糖、ショ糖又はそのエステル、トレハロース又はその誘導体、デキストリン、ゼラチン、ペクチン、デンプン、カラギーナン、カルボキシメチルキチン又はキトサン、エチレンオキサイド等のアルキレン(C2〜C4)オキサイドが付加されたヒドロキシアルキル(C2〜C4)キチン又はキトサン、低分子キチン又はキトサン、キトサン塩、硫酸化キチン又はキトサン、リン酸化キチン又はキトサン、アルギン酸又はその塩、ヒアルロン酸又はその塩、コンドロイチン硫酸又はその塩、ヘパリン、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシエチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、結晶セルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメタアクリレート、ポリアクリル酸塩、ポリエチレンオキサイドやポリプロピレンオキサイド等のポリアルキレンオキサイド又はその架橋重合物、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンイミン等のガム質、糖類又は水溶性高分子化合物。
【0008】
アルキルカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、アルキルアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩、カルボン酸型両性界面活性剤、硫酸エステル型両性界面活性剤、スルホン酸型両性界面活性剤、リン酸エステル型両性界面活性剤、エーテル型非イオン界面活性剤、エーテルエステル型非イオン界面活性剤、エステル型非イオン界面活性剤、ブロックポリマー型非イオン界面活性剤、含窒素型非イオン界面活性剤等のアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤。
【0009】
レチノール、レチナール、デヒドロレチナール、カロチン、リコピン、チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩、リボフラビン、ピリドキシン、シアノコバラミン、葉酸類、ニコチン酸類、パントテン酸類、ビオチン類、コリン、イノシトール類、ビタミンC又はその誘導体、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、ジヒドロタキステロール、ビタミンE又はその誘導体、ユビキノン類等の各種ビタミン類又はその誘導体。
バリン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、システイン、シスチン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒドロキシリジン、オルニチン、ヒスチジン等や、それらの硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、クエン酸塩、或いはピロリドンカルボン酸のごときアミノ酸誘導体等の各種アミノ酸類。
【0010】
赤芽柏、地黄、木通、地胆頭、一薬草、イチョウ、ウーロン茶、ウイキョウ、ウコン、夏枯草、陳皮、エゾウコギ、決明子、オウレン、白朮、オオバナサルスベリ、オクラ、オタネニンジン又はトチバニンジン (人参)、オリーブ、オレガノ、オレンジ、カミツレ又はローマカミツレ、カムカム、ガラナ、厚朴、ギョリュウ、グースベリー、クララ、クランベリー、グレープフルーツ、クローブ、コブシ、モクレン、威霊仙、サクラ、升麻、サンシチニンジン、山茱萸、山椒、サンズコン、シクンシ、シソ紫蘇、紫蘇、シャクヤク、スイカズラ、セイヨウトチノキ、セロリ、センキュウ、センブリ、ダイオウ、タチジャコウソウ、チクセツニンジン、テングサ、甜茶、テンダイウヤク、トクサ、ドクダミ、トチュウ、トネリコ、ナツメ、桂皮、五倍子、ノイバラ、ノバラ、ハトムギ、バラ、菱実、ビワ、ブラックベリー、プルーン、ホウノキ、ボウフウ(防風)、ホオノキ、ボダイジュ、ボタン、ホップ、ホホバ、マオウ、マカ、マカデミアナッツ、桑白皮、苦参、マンネンタケ、枳実、ミロバラン、ムクロジ、ムラサキ、益母草、メマツヨイグサ、メリッサ、メリロート、モッコウ、ヤーコン、 ユーカリ、ユキノシタ、ユッカ、ユズ、ユリ、ヨロイグサ、ヨモギ、ラベンダー、レモン、レモングラス、ローズマリー、地楡、クロレラ、クロレラ、コンブ、ワカメ、ジャイアントケルプ、ヒジキ、ヒバマタ、キリンサイ、アサクサノリ、スサビノリ、スピルリナ、イシゲ、イロロ、フクロノリ等の植物、海藻、藻類の各種抽出物。
【0011】
馬又は豚の胎盤抽出物、シルク蛋白及びその分解物又はそれらの誘導体、牛乳、カゼイン及びその分解物又はそれらの誘導体、脱脂粉乳及びその分解物又はそれらの誘導体、ラクトフェリン又はその分解物、鶏卵成分、魚肉分解物、核酸関連物質(リボ核酸、デオキシリボ核酸)等の動物系原料由来物質。
海洋成分深層水、海水塩、海水乾燥物、死海又は大西洋又は太平洋の海より得た無機塩、海泥等の海洋産物。
酵母菌抽出エキス、細菌代謝物、細菌抽出エキス、カビ又は放線菌代謝物、カビ又は放線菌抽出エキス、納豆菌代謝物、納豆抽出エキス、米発酵エキス、米糠(赤糠、白糠)発酵エキス、生乳又は脱脂粉乳の乳酸発酵物、マメ科植物の乳酸菌発酵物、ココヤシ属植物の乳酸菌発酵物等の菌類由来物質。
グリコール酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸等のα-ヒドロキシ酸類。
無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、カオリン、ベントナイト、マイカ、雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、黄酸化鉄、ベンガラ、黒酸化鉄、グンジョウ、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、カラミン等の無機顔料。
ベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸誘導体、メトキシ桂皮酸誘導体、サリチル酸誘導体、ウロカニン酸誘導等の紫外線吸収または遮断剤。
【0012】
パラアミノ安息香酸誘導体、サルチル酸誘導体、アントラニル酸誘導体、クマリン誘導体、アミノ酸系化合物、ベンゾトリアゾール誘導体、ハイドロキノン又はその誘導体、ニコチン酸誘導体、コウジ酸又はその誘導体、オキシベンゾン、ベンゾフェノン、アルブチン、グアイアズレン、シコニン、バイカリン、バイカレイン、ベルベリン、胎盤エキス、エラグ酸、ルシノール等の美白剤。
イクタモール、インドメタシン、カオリン、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸メチル、アセチルサリチル酸、塩酸ジフェンヒドラミン、d-カンフル、dl-カンフル、ヒドロコルチゾン、グアイアズレン、カマズレン、マレイン酸クロルフェニラミン、グリチルリチン酸又はその塩、グリチルレチン酸又はその塩の抗炎症剤。
アクリノール、イオウ、グルコン酸カルシウム、グルコン酸クロルヘキシジン、トリクロサン等の抗菌・殺菌・消毒薬。
ジャコウ、シベット、カストリウム、アンバーグリス、イランイラン精油、イリス精油、ウイキョウ精油、オレンジ精油、カルダモン精油、シンナモン精油、ゲラニウム精油、コパイババルサム精油、シダーウッド精油、ジャスミン精油、バラ精油、ベルガモット精油、ラベンダー精油、レモングラス精油、レモン精油、ローズマリー精油等の動植物性香料、その他合成香料等。
感光素101号、感光素201号、感光素401号、感光素301号、ヒノキチオール、パントテン酸又はその誘導体、アラントイン、ペンタデカン酸グリセリド、尿素、グアニジン等の各種薬剤。
その他ホルモン類、金属イオン封鎖剤、pH調整剤等が挙げられる。
【0013】
これらより、種々選択し、任意の形態にして利用に供する。形態の例としては、カプセル、粉末、顆粒、固形、液体、ゲル、気泡、乳液、クリーム、軟膏、シート等が挙げられる。
【実施例】
【0014】
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
【0015】
実施例
1.アテロコラーゲンの抽出
生のアコヤガイから外套膜を採取し、冷凍保存したものを適時冷水などで解凍して以下に用いた。
この外套膜に1M NaCl水溶液を加えてホモジナイズした。これを遠心分離して沈殿を得た。次にこの沈殿を水中で分散したのち、遠心分離して沈殿を得た。これを繰り返すことにより、塩などの水溶性成分を除去した。
この沈殿を希クエン酸水溶液中で1時間程度撹拌したのち、必要であればクエン酸でpH2.5付近に調整した。外套膜重量に対して重量比1.0%程度のペプシンを加えて10℃以下条件下、15時間以上酵素分解してコラーゲンをアテロ化した。
これを遠心分離して上清を回収した。得られた上清に濃NaOH水溶液を加えてpH10に調整し、10℃以下条件下で一晩撹拌してペプシンを不活化した。
次にこの溶液にクエン酸を加えて再びpH2.5に調整したのち、NaClを徐々に添加して塩析させた。これを遠心分離することでアテロコラーゲンを含む沈殿を得た。
この沈殿を再度希クエン酸水溶液で溶解したのち、遠心分離等にて不溶な沈殿を除去した。これに上記と同様の操作により塩析して沈殿を得た。
この沈殿を含水エタノールに分散した後、遠心分離にてアテロコラーゲンからなる沈殿を回収した。
【0016】
2.アテロコラーゲンのペプチド化
上記で得られたコラーゲン1mg に、100μlの0.1%ドデシル硫酸ナトリウム、1mMトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン、100mM炭酸水素ナトリウムを加えた後、100℃で10分間加熱した。この溶液10 μl に2μlの100mM ヨードアセトアミドを加えて37℃で1時間放置した後、6μlの30%アクリルアミド、1μlの10%過硫酸アンモニウム、1μlのテトラメチルエチレンジアミンを加え、室温で20分間放置してゲル化させて細かく刻んだ。このゲルを、10%酢酸:メタノール(=1:1)を加え、10分間混合したのち上清を捨てて洗浄した。この洗浄操作を3回繰り返した後、100mM炭酸水素アンモニウムを加え10分間混合した。上清を除去した後、ゲルにアセトニトリルを加えて脱水し、アセトニトリルを除いて乾燥させた。ここに、1μlの0.5mg/mlトリプシンプロテオミクスグレード(Sigma-Aldrich)を加え、5分間ゲルに吸収させた後、40μlの100mM炭酸水素アンモニウムを加えて37℃で一晩反応させた。上清を回収した後、50μl の50%アセトニトリル、0.1%トリフロロ酢酸で再度ペプチドを抽出し、先に回収した上清と合わせ、ペプチド断片とした。
【0017】
3.ペプチドのアミノ酸配列の決定
上記で得られたアテロコラーゲン・ペプチド断片は液体クロマトグラフィ-質量分析計を用いて分析した。分析には逆相カラム Cadenza CD-C18(Intakt,φ2mmx15cm)を用い、流速 0.2 ml/min で分析した。0.1%ギ酸、5%アセトニトリルで平衡化したのち、アセトニトリルの濃度勾配により、ペプチドを溶出させた。同時に各ペプチドをタンデム質量分析計(MS/MS)に供してアミノ酸配列を解析し、得られた配列をアコヤガイゲノム ver. 2.0 の遺伝子モデルをデータベースとしてX!Tandem 分析を行って各ペプチドのアミノ酸配列を最終決定した。
得られたいくつかアミノ酸配列のペプチドを合成し、確認試験を行った結果、配列番号1のペプチドが低濃度でHAS2遺伝子の発現を非常に増大させたことがわかった。
なお、配列番号1の決定したアミノ酸配列は、Gln−Pro−Gln−Gly−Gln−Gln−Gly−Glu−Leu−Gly−Asp−Pro−Gly−Met−Hyp−Gly−Ala−Hyp−Gly−Pro−Gln−Gly−Ala−Argであるが、HypをProに置き換え、Gln−Pro−Gln−Gly−Gln−Gln−Gly−Glu−Leu−Gly−Asp−Pro−Gly−Met−Pro−Gly−Ala−Pro−Gly−Pro−Gln−Gly−Ala−Argを用いて以下の確認試験を行った。
【0018】
確認試験
試験は,ヒト線維芽細胞を用い、セミコンフルエントまで培養後、試験品を含む培地へ交換し、3日間培養した。RNAを抽出した後、逆転写してcDNAを得て、リアルタイムPCRシステム(Applied Biosystems社)を用いて、HAS2遺伝子の発現量を測定した。内在性コントロールとしてはGAPDHを用いた。
この結果を図1に示す。
【0019】
配列番号1のペプチドをそのまま外用剤としても利用できるが、これに他の原料を配合して外用剤を作成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】配列番号1のHAS2遺伝子発現試験の結果を示す。なお、配列番号1を配合しないコントロールを1として、遺伝子発現量を示した。
図1
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]