(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
各連結具の前記触媒拘束手段は、前記触媒体の前記端部が着脱自在に挿入されるようにして前記取付基部に設けられた穴部と、前記端部を前記穴部内に拘束する端部拘束手段とを含んでいる請求項1〜3のいずれか一項に記載の触媒体ユニット。
各連結具の前記触媒拘束手段は、前記触媒体の前記端部が脱着不能に接合される端子部品と、前記端子部品が着脱自在に装着されるようにして前記取付基部に設けられた端子装着部と、前記端子部品を前記端子装着部に拘束する端子拘束手段とを含んでいる請求項1〜3のいずれか一項に記載の触媒体ユニット。
前記端子部品には、前記触媒体の前記端部と接合される接合部と、前記接合部から延ばされて前記端子拘束手段により前記端子装着部に拘束される固定部とが設けられている請求項5に記載の触媒体ユニット。
各連結具の前記触媒拘束手段は、前記触媒体ごとに設けられて各触媒体の前記端部が脱着不能に接合される端子部品と、各端子部品が着脱自在に装着されるようにして前記取付基部に設けられた端子装着部と、各端子部品を前記端子装着部に拘束する端子拘束手段とを含み、
前記端子部品には、前記触媒体の前記端部と接合される接合部と、前記接合部から平板状に延ばされて表面が前記端子装着部に接した状態で前記端子拘束手段により前記端子装着部に拘束される固定部とが設けられ、
前記端子装着部は、前記取付基部の同一方向に向けられた側面に設けられている請求項3に記載の触媒体ユニット。
各連結具の前記触媒拘束手段は、前記触媒体ごとに設けられて各触媒体の前記端部が脱着不能に接合される端子部品と、各端子部品が着脱自在に装着されるようにして前記取付基部に設けられた端子装着部と、各端子部品を前記端子装着部に拘束する端子拘束手段とを含み、
前記端子部品には、前記触媒体の前記端部と接合される接合部と、前記接合部から平板状に延ばされて表面が前記端子装着部に接した状態で前記端子拘束手段により前記端子装着部に拘束される固定部とが設けられ、
前記端子装着部は、前記取付基部の複数の側面のそれぞれに設けられ、かつ前記複数の側面はそれぞれの法線が互いに直交し、又は斜めに交差する方向に向けられている請求項3に記載の触媒体ユニット。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
触媒CVD法に用いられる触媒体は、成膜の繰り返しに伴って徐々に劣化する。そのため、触媒体を電極から取り外して新しい触媒体を装着する交換作業を定期的に行う必要がある。特許文献1のように触媒体を電極に直結するような構造では、触媒体を取り外す際にこれが折れて電極側に触媒体の一部が取り残され、その除去に手間取るといった不都合が生じるおそれがある。容器等の成膜工程では、多数の触媒体ユニットを用いて同時並行的に大量の被処理物を成膜するため、個々の触媒体ユニットの触媒体交換作業に手間がかかると、それによって失われる時間的又は経済的な損失が相当に拡大する。
【0005】
そこで、本発明は触媒体を電極に対して効率よく着脱することが可能な触媒体ユニット等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る触媒体ユニットは、触媒CVD法に用いる触媒体ユニット(3)であって、線状に形成された少なくとも1本の触媒体(11)と、前記触媒体に通電するための一対の電極(15A、15B)と、前記触媒体の端部(11a、11b)と前記一対の電極のそれぞれとの間に介在し、前記触媒体の前記端部と前記電極とが電気的に接続されるようにして前記触媒体を前記電極に対して着脱自在に連結する電極ごとの連結具(20;60;70)と、を備えたものである。
【0007】
上記態様の触媒体ユニットによれば、触媒体の端部と電極との間に連結具を介在させ、その連結具を介して触媒体を電極に着脱自在に連結しているので、触媒体と連結具との間、あるいは連結具と電極との間が容易に着脱できるように連結具を適宜に構成することにより、触媒体を電極に直結する構造と比較して、触媒体の着脱時の手間の軽減を図ることができる。しかも、触媒体が折れてその切片が連結具側に残るといった不都合が生じた場合には、連結具を電極から取り外せばよく、電極から切片を取り除くような面倒な作業を実施する必要がない。したがって、触媒体を電極に対して効率よく着脱することが可能な触媒体ユニットを実現することができる。
【0008】
上記態様の触媒体ユニットにおいて、前記連結具(20)は、各電極に取り付けられる導電性の取付基部(22;35;45;50)と、前記触媒体の前記端部と前記取付基部とが電気的に接続されるようにして前記端部を前記取付基部に拘束する触媒拘束手段(23、24;23、24、30;40、43、44)とを含んでもよい。これによれば、電極に取付基部を取り付ける一方で、その取付基部に触媒体の端部を拘束しているので、触媒体が容易に着脱できるように取付基部や触媒拘束手段を構成して触媒体の着脱に要する手間の軽減を図ることができる。
【0009】
さらに、前記少なくとも1本の触媒体として複数の触媒体が設けられ、前記複数の触媒体のそれぞれの一方の極の端部(11a)が一方の電極側の連結具(20)における共通の取付基部に前記触媒拘束手段を介して装着され、前記複数の触媒体のそれぞれの他方の極の端部(11b)が他方の電極側の連結具における共通の取付基部に前記触媒拘束手段を介して装着されてもよい。これによれば、複数の触媒体の一方の極の端部のそれぞれを共通の取付基部に拘束しているので、触媒体の端部ごとに取付基部を用意する場合と比較して部品点数を削減できる。また、取付基部の電極への取り付けに必要な電極周囲のスペースを削減することができる。そのため、例えば容器の口部内に、あるいはさらに奥の胴部内に取付基部を挿入して触媒体の全体をその容器の内部に挿入するといったように、取付基部を被処理物の口部、あるいはさらに奥の胴部等の内部領域に挿入する必要がある場合において、その被処理物の口部の内径の制限を緩和することができる。また、取付基部の熱容量を減らして、口部、あるいはさらに奥の被処理物の内部領域への熱の影響を抑えることもできる。
【0010】
上記態様において、各連結具(20)の前記触媒拘束手段は、前記触媒体の前記端部が着脱自在に挿入されるようにして前記取付基部に設けられた穴部(23)と、前記端部を前記穴部内に拘束する端部拘束手段(24)とを含んでもよい。これによれば、穴部に挿入された触媒体の端部を穴部内に拘束するという比較的簡単な構成で触媒体を電極に連結することができるので、触媒体の着脱に要する手間を確実に軽減することができる。
【0011】
上記態様において、各連結具(20)の前記触媒拘束手段は、前記触媒体の前記端部が脱着不能に接合される端子部品(30;40)と、前記端子部品が着脱自在に装着されるようにして前記取付基部に設けられた端子装着部(23;43)と、前記端子部品を前記端子装着部に拘束する端子拘束手段(24;44)とを含んでもよい。これによれば、触媒体の端部に端子部品を接合し、その端子部品を端子装着部に装着して端子拘束手段で拘束するという比較的簡単な構成で触媒体を電極に連結することができる。それにより、触媒体の着脱に要する手間を確実に軽減することができる。端子部品を拘束するようにしたので、その拘束力が触媒体の端部に直接的に作用するおそれがない。そのため、触媒体における内部応力の蓄積を抑え、内部応力の影響で触媒体の端部に曲げや折損が生じるおそれを低減することができる。触媒体の端部に曲げが生じると、被処理物の表面と触媒体との距離がばらついて成膜品質にもばらつきが生じるおそれがあるが、その曲げを抑えることにより成膜品質の向上を図ることもできる。触媒体が曲がって被処理物に接触するといった不都合の発生を抑えることもできる。
【0012】
また、前記端子部品には、前記触媒体の前記端部と接合される接合部(31;41)と、前記接合部から延ばされて前記端子拘束手段により前記端子装着部に拘束される固定部(32;42)とが設けられてもよい。これによれば、端子部品の固定部を端子拘束手段にて拘束するので、その拘束力が接合部側に及びにくく、触媒体の曲げを効果的に抑制することができる。
【0013】
さらに、前記固定部(32)が前記接合部に接合される前記端部の軸線方向に沿って軸状に延ばされてもよい。これによれば、軸状の固定部を端子拘束手段にて拘束することにより、触媒体を電極に連結することができる。固定部が軸状であれば、触媒体の端部を拘束する場合と同様の構成で触媒体を取付基部に拘束することが可能である。
【0014】
あるいは、前記固定部(42)が前記接合部から平板状に延ばされてもよい。これによれば、平板状の固定部を端子拘束手段にて拘束しているため、その拘束力を確実に作用させて触媒体を堅固に連結することができる。拘束力が接合部側により伝わり難くなるため、触媒体の曲げをより効果的に抑制することができる。固定部が平板状の場合には、その固定部を端子装着部に押し付けて拘束力を端子装着部で受け止めつつ固定部を定位置にて拘束することができる。そのため、必要以上に大きな拘束力を加えても端子部品の固定部が拘束力の方向に曲がるような変形は生じない。したがって、作業者の個人差等に起因して端子部品が過度の力で拘束されても、触媒体に曲げが生じるといった不具合が生じ難い。それにより、触媒体の交換作業の品質のばらつきを抑えることが可能である。
【0015】
上記態様において、各連結具(20)の前記触媒拘束手段は、前記触媒体ごとに設けられて各触媒体の前記端部が脱着不能に接合される端子部品(40)と、各端子部品が着脱自在に装着されるようにして前記取付基部(35)に設けられた端子装着部(43)と、各端子部品を前記端子装着部に拘束する端子拘束手段(44)とを含み、前記端子部品には、前記触媒体の前記端部と接合される接合部(41)と、前記接合部から平板状に延ばされて表面が前記端子装着部に接した状態で前記端子拘束手段により前記端子装着部に拘束される固定部(42)とが設けられ、前記端子装着部は、前記取付基部の同一方向に向けられた側面(35a)に設けられてもよい。これによれば、端子装着部を同一側面に配置することにより、取付基部の薄型化、つまりその側面と反対側の側面との間の厚さの削減を図ることができる。
【0016】
上記態様において、各連結具(20)の前記触媒拘束手段は、前記触媒体ごとに設けられて各触媒体の前記端部が脱着不能に接合される端子部品(40)と、各端子部品が着脱自在に装着されるようにして前記取付基部(45)に設けられた端子装着部(43)と、各端子部品を前記端子装着部に拘束する端子拘束手段(44)とを含み、前記端子部品には、前記触媒体の前記端部と接合される接合部(41)と、前記接合部から平板状に延ばされて表面が前記端子装着部に接した状態で前記端子拘束手段により前記端子装着部に拘束される固定部(42)とが設けられ、前記端子装着部は、前記取付基部の一側面(45a)と、前記一側面に対する反対側の側面(45b)とに設けられてもよい。これによれば、端子装着溝が設けられる一側面とその反対側の側面との間における取付基部の幅寸法の削減を図ることができる。
【0017】
上記態様において、各連結具(20)の前記触媒拘束手段は、前記触媒体ごとに設けられて各触媒体の前記端部が脱着不能に接合される端子部品(40)と、各端子部品が着脱自在に装着されるようにして前記取付基部(50)に設けられた端子装着部(43)と、各端子部品を前記端子装着部に拘束する端子拘束手段(44)とを含み、前記端子部品には、前記触媒体の前記端部と接合される接合部(41)と、前記接合部から平板状に延ばされて表面が前記端子装着部に接した状態で前記端子拘束手段により前記端子装着部に拘束される固定部(42)とが設けられ、前記端子装着部は、前記取付基部の複数の側面(50a、50b)のそれぞれに設けられ、かつ前記複数の側面はそれぞれの法線が互いに直交し、又は斜めに交差する方向に向けられてもよい。これによれば、取付基部の角部の突出を抑えることができる。
【0018】
上記態様において、前記連結具には、前記触媒体の前記端部と接合される接合部(61)と、前記接合部から延ばされた固定部(62)とを含んだ端子部品(60)が設けられ、前記端子部品の前記固定部が前記電極に着脱自在に装着されてもよい。これによれば、端子部品を介して触媒体の端部を電極と連結しているので、触媒体の端部に曲げ作用が生じるおそれを低減することができる。曲げが生じ難いので、触媒体を装着する作業を手際よく行うことができる。端子部品それ自体を連結具として利用して端子部品を電極に連結しているので、取付基部を用いる場合と比較して部品点数を削減することができる。また、電極と触媒体との連結部分をコンパクトに構成し、触媒体を挿入可能な被処理物の口部内径の制限をさらに緩和することができる。触媒体と電極の連結部分の熱容量を低減してその連結部分が被処理物の口部、あるいはさらに奥の被処理物の内部領域に与える熱の影響をより効果的に抑えることができる。
【0019】
また、前記少なくとも1本の触媒体として複数の触媒体が設けられ、前記複数の触媒体のそれぞれの一方の極の端部(11a)が一方の電極(15A)に前記端子部品(60)を介して装着され、前記複数の触媒体のそれぞれの他方の極の端部(11b)が他方の電極(15B)に前記端子部品(60)を介して装着されてもよい。これによれば、複数の触媒体の同一極側の端部のそれぞれを端部ごとの端子部品を介して共通の電極に連結することができる。
【0020】
さらに、前記一対の電極のそれぞれが棒状に形成され、前記端子部品(60)の前記固定部(62)は前記接合部(61)に接合される前記端部の軸線方向に対して略直交する方向に延ばされ、前記複数の触媒体の一方の端部(11a)のそれぞれと接合される端子部品の前記固定部が前記一方の電極の端面上に互いに重ね合わされるようにして装着され、前記複数の触媒体の他方の端部(11b)のそれぞれと接合される端子部品の前記固定部が前記他方の電極の端面上に互いに重ね合わされるようにして装着されてもよい。これによれば、端子部品の固定部を互いに重ね合わせて電極の端面上に配置することにより、少ないスペースで複数の端部を共通の電極に連結することができる。
【0021】
上記態様において、前記連結具(70)は、前記触媒体の前記端部を挟み込むようにして組み合わされる一対の保持部材(71、72)を含み、前記一対の保持部材の少なくともいずれか一方が前記電極に取り付けられてもよい。これによれば、一対の保持部材間で触媒体の端部を挟み込むようにしているので、触媒体の着脱時には保持部材同士を分離して触媒体の取り付け部分を開放することができる。これにより、触媒体を手際よく着脱することができる。触媒体の切片が保持部材間に残ったとしても、その除去も容易である。
【0022】
また、前記連結具には、前記一対の保持部材の分離を規制する分離規制手段(75、76)がさらに設けられてもよい。これによれば、保持部材の分離を規制することにより、触媒体を挟み込んでいる部分が開くような変位を抑えて触媒体の端部を連結具にて確実に保持することができる。
【0023】
本発明の一態様に係る成膜装置(1)は、成膜用のチャンバ(2)内に上述したいずれかの態様の触媒体ユニット(3)が配置されたものである。これによれば、触媒体を効率よく着脱できるという上述した触媒体ユニットの利点を活かして、触媒体交換作業に要する時間的又は経済的損失を抑え、成膜処理の効率を高めることができる。
【0024】
本発明の一態様に係る触媒体の接続方法は、触媒CVD法に用いられる少なくとも1本の線状の触媒体(11)を一対の電極(15A、15B)のそれぞれと接続するための触媒体の接続方法であって、前記触媒体と前記一対の電極のそれぞれとの間に電極ごとの連結具(20;60;70)を介在させ、前記触媒体の前記端部と前記電極とが電気的に接続されるようにして前記触媒体を前記電極に対して前記連結具を介して着脱自在に連結するものである。
【0025】
上記態様の接続方法によれば、上記態様の触媒体ユニットに関して説明したように、触媒体と連結具との間、あるいは連結具と電極との間が容易に着脱できるように連結具を適宜に構成することにより、触媒体の着脱時の手間の軽減を図ることができる。しかも、触媒体が折れてその切片が連結具側に残るといった不都合が生じた場合には、連結具を電極から取り外せばよく、電極から切片を取り除くような面倒な作業を実施する必要がない。したがって、触媒体を電極に対して効率よく着脱することが可能である。
【0026】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明を実施するための形態】
【0028】
まず、
図1を参照して、本発明の一形態に係る触媒体ユニットが用いられる成膜装置の概要を説明する。成膜装置1は、真空チャンバ2と、真空チャンバ2内に配置される触媒体ユニット3とを備えている。真空チャンバ2は、一例として、上下方向に並べて配置された成膜室4及び待機室5とがゲートバルブ6を介して接続された二室構造のチャンバである。ゲートバルブ6は、成膜室4及び待機室5との間を開通させる開放状態と両室4、5を気密に仕切る閉鎖状態との間で切り替え動作可能である。成膜室4及び待機室5のそれぞれは連結部4a、5aを介して不図示の真空ポンプに連結されている。真空ポンプは各室4、5に対して個別に設けられている。そのため、ゲートバルブ6を閉じることにより、成膜室4及び待機室5のそれぞれの圧力を互いに独立して調整することができる。
【0029】
成膜室4は成膜の原料ガスの供給装置(不図示)と接続される。原料ガスは、炭素と水素とを構成元素として含むガスであり、成膜の目的に応じて適宜に選択可能である。原料ガスは、例えば、四塩化ケイ素、ヘキサメチルジシラン、ビニルトリメチルシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ビニルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン若しくはメチルトリエトキシシランなどの有機シラン化合物、オクタメチルシクロテトラシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、テトラエトキシシラン若しくはヘキサメチルジシロキサンなどの有機シロキサン化合物、又は、ヘキサメチルシラザンなどの有機シラザン化合物が使用される。また、これらの材料以外にも、アミノシランなども用いられる。
【0030】
また、原料ガスは、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサンなどのアルカン系ガス類、エチレン、プロピレン、ブチンなどのアルケン系ガス類、ブタジエン、ペンタジエンなどのアルカジエン系ガス類、アセチレン、メチルアセチレンなどのアルキン系ガス類、ベンゼン、トルエン、キシレン、インデン、ナフタレン、フェナントレンなどの芳香族炭化水素ガス類、シクロプロパン、シクロヘキサンなどのシクロアルカン系ガス類、シクロベンテン、シクロヘキセンなどのシクロアルケン系ガス類、メタノール、エタノールなどのアルコール系ガス類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系ガス類、フォルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどのアルデヒド系ガス類であってもよい。
【0031】
これらの原料ガスは単独で又は組合せて使用する。例えば、水素含有SiNx薄膜、水素含有DLC薄膜、水素含有SiOx薄膜又は水素含有SiCxNy薄膜などのバリア性の付与向上等を目的とする成膜(以下、バリア成膜と呼ぶことがある。)では、これらの原料ガスのうち、酸素又は窒素を構成元素に含まない有機シラン化合物を用いることができる。有機シラン化合物のうち、構成元素において珪素より炭素の割合が高く、常温常圧で気体として扱えるという利用しやすさの観点では、ビニルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン又はテトラメチルシランを用いることができる。
【0032】
触媒体ユニット3は、原料ガス供給管10と、その原料ガス供給管10に沿って設けられた線状の触媒体11とを備えている。触媒体ユニット3の詳細は後述する。成膜室4は不図示の開閉機構により外部に対して開放可能である。成膜室4が開放された状態で、成膜室4に対して被処理物の一例としての樹脂製のボトルBTが上下方向に反転された状態で搬入され、又は搬出される。
【0033】
待機室5には昇降ユニット7が設けられている。昇降ユニット7は、触媒体ユニット3を、その原料ガス供給管10及び触媒体11が成膜室4に進出した状態と、待機室5内に後退した状態との間で昇降させる。ボトルBTの搬入搬出時にはゲートバルブ6が閉じられ、触媒体ユニット3は待機室5内に後退した位置に保持される。このとき、待機室5は所定の真空圧に維持されている。ボトルBTが成膜室4に搬入され、成膜室4が成膜に適した真空圧まで減圧されるとゲートバルブ6が開かれ、触媒体ユニット3が上昇してボトルBT内に挿入される。その後、触媒体ユニット3の触媒体11に対して電力が供給されて触媒体11が発熱し、成膜室4内に原料ガス供給管10を介して原料ガスが導入されてボトルBTに対する成膜が行われる。成膜完了後は触媒体ユニット3が待機室5に後退し、ゲートバルブ6が閉じられて成膜後のボトルBTが搬出され、成膜前の新たなボトルBTが成膜室4に搬入される。その間、待機室5は真空圧に維持される。
【0034】
次に、触媒体ユニットの各種の実施形態を説明する。なお、
図1に示した成膜装置1の構成は触媒体ユニット3が適用される成膜装置の一例である。触媒体ユニット3は、例えば触媒体11を成膜室4に固定的に配置し、待機室5に搬入されたボトルBT等の被処理物をその待機室5と成膜室4との間で往復移動させる成膜装置に適用されてもよい。真空チャンバ2は成膜室4と待機室5とを備えた二室構造に限定されず、単室構造であってもよい。その他、成膜装置の構成は、所定の成膜環境に調整されたチャンバ内に触媒体ユニットを配置し、その触媒体ユニットの触媒体を発熱させることによりチャンバ内の被処理物に成膜する触媒CVD法を用いるものである限り、適宜の変更が可能である。
【0035】
(第1の形態)
図2は第1の形態に係る触媒体ユニット3の全体構成を示している。触媒体ユニット3は、円盤状のベースプレート12を有している。ベースプレート12は、触媒体ユニット3をその支持構造に取り付けるための基礎となる部品である。支持構造は例えば
図1に示した昇降ユニット7であるが、これに限らず、触媒体ユニット3は適宜の支持構造体により支持されてよい。ベースプレート12の中心には、原料ガス供給管10がベースプレート12の中心線に沿って上方に真っ直ぐ延びるようにして装着される。原料ガス供給管10は、不図示の原料ガス供給装置と接続されることにより、成膜室4に原料ガスを供給する流路の一部として機能する。原料ガス供給管10の適宜の位置、例えば原料ガス供給管10の上端には原料ガスを流出させる開口部(不図示)が設けられる。開口部は、原料ガス供給管10の上端に加え、又は代えて、原料ガス供給管10の外周の適宜の位置に設けられてもよい。
【0036】
触媒体ユニット3には、ベースプレート12の上面側に絶縁体13を介して取り付けられる一対の導電性の中継台14A、14Bと、それらの中継台14A、14Bから上方に延ばされた一対の棒状の電極15A、15Bとがさらに設けられている。なお、以下では、中継台14A、14Bを中継台14と表記することがある。電極15A、15Bも同様に電極15と表記することがある。中継台14は、原料ガス供給管10を挟んで対称的に設けられている。各中継台14は、導電性の接続ピン16と電気的に接続される。触媒体ユニット3を支持構造体に装着したとき、それらの接続ピン16が不図示の電源装置の陽極及び陰極のそれぞれと接続されることにより、電極15A、15Bが電源装置の陽極及び陰極のそれぞれと電気的に接続される。
【0037】
原料ガス供給管10の周囲には2本の触媒体11が互いに平行に設けられている。各触媒体11は、ボトルBTの内部に挿入可能なU字状に形成されている。触媒体11は、成膜時に触媒活性反応を生じさせる材料にて形成されている。触媒体11の材料は、例えば、タンタル、タングステン、モリブデン、ニオブの群の中から選ばれる一又は二以上の金属元素を含んでもよい。金属元素を含む材料は、純金属、合金、添加剤を含有させた金属若しくは合金又は金属間化合物であってもよい。合金又は金属間化合物を形成する金属は、上述した金属の中から二つ以上を組合せるか、又は上述した金属とその他の金属との組合せであってもよい。その他の金属は、例えば、クロムである。合金又は金属間化合物は、例えば、タンタル、タングステン、モリブデン、ニオブの群の中から選ばれる一つ又は二つ以上の金属元素を合計で80原子%以上含有してもよい。添加剤は、例えば、ジルコニア、イットリア、カルシア又はシリカなどの酸化物である。添加剤の添加量は、例えば、1質量%以下であってもよい。バリア成膜では、触媒体11として、例えば、タンタル又は炭化タンタルを用いることができる。
【0038】
触媒体11は、その返し部分が上方となるように上下方向に反転された状態で触媒体ユニット3に装着されている。触媒体11は、原料ガス供給管10の外周の適宜の位置に設けられた絶縁体製のリング状のガイド17に通されつつ下方に延び、その両端部(図では下端部)11a、11bは電極15ごとの連結具20を介して電極15A、15Bに着脱自在に連結される。その装着状態で、触媒体11の上端部、つまり返し部分は原料ガス供給管10の上端よりも幾らか上方に突出する。ガイド17は、触媒体11の中間部分をその半径方向に関してほぼ定位置に保持するために設けられている。一方の電極15Aに取り付けられる連結具20には、2本の触媒体11の一方の端部11aが装着され、他方の電極15Bに取り付けられる連結具20には、2本の触媒体11の他方の端部11bが装着される。
【0039】
図3は、連結具20による触媒体11の連結部分の詳細を示している。各連結具20は、電極15の上端部にボルト21を介して着脱自在に取り付けられる取付基部の一例としてのブロック22を備えている。ブロック22は導電性であり、その材料には例えばアルミニウム、鉄(一例としてステンレス鋼)、銅といった導電性の金属材料、導電性セラミックスといった各種の導電材料が用いられる。
図4及び
図5にも示したように、ブロック22には、触媒体11の端部11a、11bが着脱自在に挿入される一対の穴部23が形成されている。なお、
図4及び
図5は2本の触媒体11の一方の極側の端部11aに対応する連結具20を示すが、他方の端部11bに対応する連結具20も同一構成である。
【0040】
穴部23内に挿入された触媒体11の端部11a(又は11b、以下同様である。)は、穴部23の軸線と直交する方向からブロック22にねじ込まれる止めねじ24にて穴部23内に拘束される。それにより、触媒体11の端部11aと電極15とがブロック22を介して電気的に接続された状態で触媒体11の端部11aがブロック22と着脱自在に連結される。したがって、各連結具20の穴部23と止めねじ24とは連結具20における触媒拘束手段の一例として機能し、その止めねじ24が端部拘束手段として機能する。
図5ではブロック22の一方の側から止めねじ24を装着する状態を示すが、反対側からも止めねじ24が装着される。触媒体11の端部11aは、それらの一対の止めねじ24間に挟まれるようにして穴部23内に拘束される。
【0041】
なお、ブロック22には、原料ガス供給管10との干渉を防ぐために円弧状に湾曲した凹部25が形成されている。また、凹部25の反対側には突出部26が形成され、その突出部26に跨がるようにしてボルト孔27が形成されている。ボルト21はそのボルト孔27に挿入されて電極15の端面にねじ込まれる。ボルト孔27の位置からみて、穴部23は原料ガス供給管10側、すなわち触媒体ユニット3の全体の中心線側に幾らか後退した位置に配置される。これにより、ブロック22が電極15に取り付けられたときのブロック22の半径方向外周側への突出量が削減される。成膜時における触媒体11の熱がボトルBTの口部に与える影響を低減するため、触媒体11はボトルBTの口部よりも奥まで挿入されることが好ましい。そのため、電極15の突出高さは、ブロック22がボトルBTの口部の内側の領域、あるいはさらに奥の胴部内に挿入されるように調整される。したがって、ブロック22の半径方向外周側への突出量を低減することにより、触媒体11を挿入可能なボトルBTの口部内径の制限を緩和することができる。また、ブロック22が小型化されることにより、その熱容量を低減してブロック22がボトルBTの口部、あるいは口部及び胴部の両者に与える熱の影響を抑えることができる。
【0042】
以上の触媒体ユニット3によれば、一対の電極15A、15Bのそれぞれに連結具20のブロック22を装着し、そのブロック22の穴部23に触媒体11の端部11a、11bを挿入して止めねじ24にて端部11a、11bを穴部23内に拘束することにより触媒体11を電極15に電気的に接続された状態で電極15に連結することができる。触媒体11の交換時には止めねじ24を緩めて古い触媒体11を穴部23から抜き取り、新たな触媒体11の端部11a、11bを穴部23に挿入して止めねじ24を締め付ければよい。したがって、触媒体11の交換作業に要する手間を軽減し、作業の効率化を図ることができる。なお、ブロック22は触媒体11の交換時でも電極15に取り付けたままでよいが、必要に応じて取り外してもよい。触媒体11が折れてその切片が穴部23に残った場合、あるいは止めねじ24が固着して脱着できないといった不具合が生じた場合には、連結具20を交換すればよい。中継台14や電極15を分解して触媒体11の切片を取り除くような手間が生じるおそれもない。複数本(図示例では2本)の触媒体11の端部11a(又は11b)を共通のブロック22に装着しているので、触媒体11ごとにブロック22を設ける場合と比較して部品点数を削減し、かつブロック22の装着に必要な電極15の周囲のスペースを削減することができる。ブロック22を共通化した場合にはブロック22の小型化や熱容量の低減にも有利である。
【0043】
(第2の形態)
次に、触媒体ユニットの第2の形態を説明する。なお、第2の形態以降の説明では、先に説明した形態と共通する構成要素に対して同一の参照符号を使用し、各形態における連結具の相違点、特徴点を中心に説明する。また、触媒体ユニットの連結具以外の部分は第1の形態と同様であるものとする。
【0044】
図6は第2の形態に係る連結具20を
図4と同一方向から見た状態を示している。
図6でも2本の触媒体11の一方の極側の端部11aに対応する連結具20を示すが、他方の端部11bに対応する連結具20も同一構成である。第2の形態の連結具20は、ブロック22を介して電極15と触媒体11とを連結する点で第1の形態と共通するが、触媒体11の端部11a、11bに装着される端子部品の一例としての棒状の圧着端子30が連結具20にさらに含まれている点で第1の形態の連結具20と相違する。
【0045】
圧着端子30は、触媒体11の端部11a(又は11b、以下同様である。)が接合される接合部31と、その接合部31に接合された端部11aの軸線方向に沿って軸状に延ばされた固定部32とを備えている。接合部31は、触媒体11の端部11aが挿入された状態でカシメ加工されることにより、端部11aに圧着される。それにより、触媒体11の端部11aが接合部31に対して脱着不能となるように端部11aが接合部31に接合される。ブロック22の穴部23は、固定部32が嵌まり合う内径に形成される。なお、凹部25、突出部26及びボルト孔27は
図4の形態と同様に形成される。
【0046】
本形態では、触媒体11の端部11a、11bに圧着端子30の接合部31を圧着し、圧着端子30の固定部32を穴部23に挿入して止めねじ24で穴部23内に拘束することにより、触媒体11の端部11a、11bと電極15とがブロック22を介して電気的に接続された状態で触媒体11がブロック22と着脱自在に連結される。したがって、各連結具20の穴部23、止めねじ24及び圧着端子30は連結具20における触媒拘束手段の一例として機能する。また、穴部23は端子装着部の一例として機能し、止めねじ24は端子拘束手段の一例として機能する。なお、触媒体11を取り外すには、止めねじ24を緩めて圧着端子30を穴部23から抜き取ればよい。圧着端子30は使い捨てであり、新たな触媒体11を装着する際には新規の圧着端子30が使用される。
【0047】
上記のように圧着端子30を介して触媒体11の端部11a、11bをブロック22と連結する場合も、触媒体11を効率よく着脱することができる。しかも、圧着端子30を止めねじ24にて拘束するので、止めねじ24の締付力で触媒体11の端部11a、11bが曲がるおそれがない。つまり、触媒体11の端部11a、11bを止めねじ24で押し込むと、その力が触媒体11に直接作用して触媒体11に内部応力が蓄積され、触媒体11に曲がりが生じるおそれがある。内部応力の蓄積は触媒体11が折損(断線)する要因ともなり得る。これに対して、本形態では、圧着端子30の固定部32を止めねじ24で押し込んでいるので、触媒体11に拘束力が直接作用せず、触媒体11における内部応力の蓄積を抑えることができる。触媒体11の端部11a、11bに曲がりが生じると、ガイド17にて触媒体11の中間部が保持されていても、それらのガイド17間で触媒体11が蛇行するように変形するおそれがある。触媒体11からボトルBTの内面までの距離は成膜品質に影響するパラメータの一つであるため、圧着端子30を利用して端部11a、11bの曲がりを防止すれば、触媒体11の変形を抑えて成膜品質の向上を図ることができる。触媒体11が曲がってボトルBTの内面に接触するといった不都合が生じるおそれも回避できる。また、止めねじ24を締め付けても端部11a、11bが曲がりにくいため、触媒体11を装着する作業をさらに手際よく行うことができる。
【0048】
(第3の形態)
図7及び
図8は第3の形態に係る連結具20を
図4及び
図5と同一方向から見た状態をそれぞれ示している。
図7及び
図8でも2本の触媒体11の一方の極側の端部11aに対応する連結具20を示すが、他方の端部11bに対応する連結具20も同一構成である。第3の形態の連結具20は、第1の形態のブロック22と概ね同一形状のブロック35を取付基部の一例として備えるとともに、端子部品の一例として、第2の形態の棒状の圧着端子30に代えて、丸型の圧着端子40を備えている。圧着端子40は、触媒体11の端部11a(又は11b、以下同様である。)が接合される接合部41と、その接合部41に接合された端部11aの軸線方向に沿って平板状に延ばされた固定部42とを備えている。接合部41は第2の形態の接合部31と同様に触媒体11の端部11aに圧着され、それにより接合部41には端部11aが脱着不能な状態で接合される。固定部42は概ね滴形状であり、その中心部には抜き孔42aが形成されている。
【0049】
ブロック35は、第1及び第2の形態における穴部23に代えて、圧着端子40の固定部42を受け入れる端子装着溝43が形成されている点でブロック22と相違する。端子装着溝43は、ブロック35の同一方向に向けられた側面35a上に形成されている。端子装着溝43の上端部は、圧着端子40の接合部41が上方に突出できるようにブロック35の上面35bに開口する。なお、ブロック35にも、
図4の形態と同様に凹部25、突出部26及びボルト孔27が形成される。
【0050】
本形態の連結具20によれば、触媒体11の端部11a、11bに圧着端子40の接合部41を圧着し、圧着端子40の固定部42を端子装着溝43にその表面が接するように装着し、その固定部42をボルト44にてブロック35に固定することにより、触媒体11の端部11a、11bと電極15とがブロック35を介して電気的に接続された状態で触媒体11がブロック35と着脱自在に連結される。この場合、各連結具20の圧着端子40、端子装着溝43、及びボルト44は連結具20における触媒拘束手段の一例として機能する。また、端子装着溝43は端子装着部の一例として機能し、ボルト44は端子拘束手段の一例として機能する。なお、触媒体11を取り外すには、ボルト44を取り外して圧着端子40を端子装着溝43から抜き取ればよい。圧着端子40は使い捨てであり、新たな触媒体11を装着する際には新規の圧着端子40が使用される。
【0051】
本形態の連結具20によっても、圧着端子40を介して触媒体11の端部11a、11bをブロック35と連結しているので、触媒体11を効率よく着脱することができる。ボルト44の締付力で触媒体11に内部応力が蓄積されてその端部11a、11b等が曲がるおそれもない。そのため、成膜品質の向上を図ることができ、触媒体11を装着する作業をさらに手際よく行うことができる。固定部42が平板状であって、その表面が端子装着溝43に接する状態でボルト44を締め付けて圧着端子40をブロック35に拘束しているので、触媒体11を曲げる作用が第2の形態に比してさらに生じ難い。ボルト44を締め過ぎても、その締付力は端子装着溝43側で受け止められて圧着端子40の固定部42は定位置に拘束される。つまり、ボルト44を締め過ぎてもそれにより触媒体11が締め付け方向に曲げられるといった変形が生じるおそれもない。したがって、ボルト44の締付作業に関する作業者の個人差に関わりなく、触媒体11を一定品質で交換することができる。端子装着溝43を同一方向に向けられた側面35a上に形成しているので、ブロック35の薄型化、すなわち
図8の上下方向におけるブロック35の厚さの削減に有利である。
【0052】
(第4の形態)
図9及び
図10は第4の形態に係る連結具20を
図7及び
図8と同一方向から見た状態をそれぞれ示している。
図9及び
図10においても2本の触媒体11の一方の極側の端部11aに対応する連結具20を示すが、他方の極側の端部11bに対応する連結具20も同一構成である。第4の形態の連結具20は、取付基部の一例としてのブロック45を有し、かつ丸型の圧着端子40とボルト44とを利用して触媒体11の端部11a、11bをブロック45と連結する点で第3の形態の連結具20と共通する。しかし、ブロック45に形成された端子装着溝43の位置が第3の形態のそれと異なる。ブロック45において、端子装着溝43は、ブロック45の一側面(図では左側面)45aと、その側面45aに対して反対側の側面45bとに設けられている。つまり、ブロック45のボルト孔27を挟んで左右方向に対向する一対の側面45a、45bに端子装着溝43が設けられ、一対の圧着端子40は、それらの固定部42が互いに向かい合うようにしてブロック45に取り付けられる。
【0053】
本形態によっても第3の形態と同様に丸型の圧着端子40を用いた利点が得られる。また、端子装着溝43の位置を上記の通りに変更しているため、例えば複数の固定部42を
図7のように左右方向に並べる場合と比較して、ブロック45の幅を削減することができる。つまり、本形態では、複数の触媒体11の同一極側の端部11a(又は11b)を共通のブロック45に取り付けつつ、それらの端部の並び方向(図の左右方向)におけるブロック45の幅の拡大を抑えることができる。したがって、ブロック45を挿入することが可能なボトルBTの口部内径についての制限を緩和することが可能である。なお、本形態でも、各連結具20の圧着端子40、端子装着溝43、及びボルト44が連結具20における触媒拘束手段の一例として機能し、端子装着溝43が端子装着部の一例として機能し、ボルト44が端子拘束手段の一例として機能する。
【0054】
(第5の形態)
図11及び
図12は第5の形態に係る連結具20を
図7及び
図8と同一方向から見た状態をそれぞれ示している。
図11及び
図12においても2本の触媒体11の一方の極側の端部11aに対応する連結具20を示すが、他方の極側の端部11bに対応する連結具20も同一構成である。第5の形態の連結具20は、取付基部の一例としてのブロック50を有し、かつ丸型の圧着端子40とボルト44とを利用して触媒体11の端部11a(又は11b、以下同様。)をブロック50と連結する点で第3及び第4の形態の連結具20と共通する。しかし、ブロック50に形成された端子装着溝43の位置が第3及び第4の形態のそれらと異なる。ブロック50において、端子装着溝43は、ブロック50の複数の側面50a、50bに設けられている。しかも、側面50a、50bは、それぞれの法線が互いに直交し、又は斜めに交差する方向に向けられている。言い換えれば、ブロック50をそのボルト孔27が左右方向の中心に位置するようにして見たとき、一対の側面50a、50bは斜め外側を向くように傾けて形成され、それらの側面50a、50bに端子装着溝43が設けられている。一対の圧着端子40は、それらの固定部42の表面が端子装着溝43に接するようにしてボルト44によりブロック50に取り付けられる。
【0055】
本形態によっても第3の形態と同様に丸型の圧着端子40を用いた利点が得られる。また、端子装着溝43を斜め外側に向けられた側面50a、50b上に設けているため、ブロック50の角部の突出を抑えることができる。それにより、ブロック50を挿入することが可能なボトルBTの口部内径に関する制限を緩和することが可能である。なお、本形態でも、各連結具20の圧着端子40、端子装着溝43、及びボルト44が連結具20における触媒拘束手段の一例として機能し、端子装着溝43が端子装着部の一例として機能し、ボルト44が端子拘束手段の一例として機能する。
【0056】
(第6の形態)
図13及び
図14は第6の形態に係る連結具を用いて3本の触媒体11を一方の電極15Aと連結した状態を示している。なお、他方の電極15Bにおける触媒体11の連結構造も
図13と同一である。本形態では、上述した取付基部の一例としてのブロック22、35、45、50が省略され、端子部品の一例としての丸型の圧着端子60それ自体が連結具として使用される。圧着端子60は、上述した丸型の圧着端子40と同様に、触媒体11の端部11a(又は11b、以下同様である。)が接合される接合部61と、その接合部61から平板状に延ばされた固定部62とを備えている。ただし、
図14から明らかなように、本形態の圧着端子60において、固定部62は接合部61に接合される触媒体11の端部11aの軸線方向に対して略直交する方向に延ばされている。固定部62の中心には抜き孔62aが形成されている。このような圧着端子60は、例えば上述した圧着端子40の固定部42を接合部41に対して略直角に曲げ加工して得ることができる。なお、
図13ではかしめ加工されて変形した接合部61を示し、
図14では接合部61がかしめ加工が施される前の接合部11を示している。
【0057】
本形態においても、接合部61は触媒体11の端部11aに圧着され、それにより端部11aは接合部61に対して脱着不能に接合される。その状態で、同一の電極15Aに連結されるべき3本の触媒体11のそれぞれの端部11aに装着された圧着端子60の固定部62が電極15Aの端面に互いに重ね合わされるようにして電極15A上に配置される。さらに、固定部62のボルト孔62aを貫くようにボルト64が電極15Aの上端のねじ穴15aにねじ込まれる。それにより、圧着端子60が電極15Aの上端に共締めされ、触媒体11が電極15Aに電気的に接続されるようにして電極15Aに着脱自在に連結される。なお、触媒体11を取り外すには、ボルト64を取り外して圧着端子60を電極15から除去すればよい。圧着端子60は使い捨てであり、新たな触媒体11を装着する際には新規の圧着端子60が使用される。
【0058】
本形態によれば、圧着端子60を介して触媒体11の端部11a、11bを電極15と連結しているので、ボルト64の締付力が触媒体11の端部11a、11bに直接作用して触媒体11に内部応力が蓄積されるおそれがない。したがって、触媒体11の端部11a、11bに曲げが生じるおそれもない。そのため、成膜品質の向上を図ることができ、また、触媒体11を装着する作業を手際よく行うことができる。圧着端子60を電極15に直接的に装着しているので、上述したブロック22、35、45、50を用いる場合と比較して部品点数を削減することができ、触媒体11を挿入可能なボトルBTの口部内径の制限をさらに緩和することができ、触媒体11と電極15の連結部分の熱容量を低減してその連結部分がボトルBTの口部、あるいは口部及び胴部の両者に与える熱の影響をより効果的に抑えることができる。ボルト64の締付力が電極15A、15Bにて受け止められる点は上述した第3〜第5の形態と同様であり、ボルト64の締め過ぎで触媒体11が締付力の方向に曲がるおそれがないため、ボルト64の締付作業に関する作業者の個人差に関わりなく、触媒体11を一定品質で交換することができる。電極15A、15B上に圧着端子60の固定部62を重ね合わせているので、触媒体11の本数の増減に容易に対応することが可能である。
【0059】
(第7の形態)
図15は第7の形態に係る連結具70を示している。連結具70は、一対の導電性の保持部材71、72を備えている。一方の保持部材71は、基部73と、その基部73から上方に延ばされた壁部74とを備えている。壁部74の一方の側面74aは基部73に受け面73aが生じるように反対側の側面74bに向かって後退する。その後退した側面74aには上下方向に互いに平行に延ばされた一対の溝部74cが形成されている。溝部74cの断面は概ね半円弧状である。基部73の受け面73aには下方に窪んだ嵌合溝73bが形成されている。側面74aには、その嵌合溝73bと位置を合わせるように上下方向の突条部74dが形成され、その突条部74dにはねじ穴74eが形成されている。
【0060】
他方の保持部材72は、一方の保持部材71の受け面73a及び側面74aに突き当てられるようにして保持部材71と着脱自在に組み合わされる概略平板状に形成されている。保持部材71、72を互いに組み合わせたとき、連結具70の外観は概ね直方体形状となる。保持部材72の下面側には嵌合溝73bに嵌まり合う突条部72aが形成されている。保持部材71の側面74aに接するべき保持部材72の側面72bには、上下方向に互いに平行に延ばされた一対の溝部72bが、保持部材71の溝部74aと位置を合わせて形成されている。溝部72bの断面も概ね半円弧状である。溝部72bの間には、保持部材71の突条部74dが嵌まり合う嵌合溝72dが形成されている。さらに、保持部材72には、嵌合溝72dに開口するようにしてボルト孔72eが形成されている。
【0061】
以上の連結具70においては、保持部材71、72が分離された状態で溝部74c、72cの間に2本の触媒体11の同一極側の端部11a(又は11b、以下同様である。)が配置され、その後に保持部材71、72同士が組み合わされて保持部材71、72間に触媒体11の端部11aが挟み込まれる。さらに、ボルト孔72eにボルト77が挿通されてねじ穴74eにねじ込まれることにより、保持部材71、72間にて触媒体11の端部11aが拘束される。連結具70は保持部材71の底面に設けられたねじ穴73cを利用して電極15に取り付けられる。それにより、触媒体11の端部11aが電極15と連結具70を介して電気的に接続されるようにして触媒体11が電極15に着脱自在に連結される。
【0062】
本形態によれば、保持部材71、72を組み合わせてボルト77を締め付けても、触媒体11を曲げる作用が生じないので、成膜品質の向上を図ることができ、また、触媒体11を装着する作業を手際よく行うことができる。触媒体11の端部11aを一対の保持部材71、72で挟み込むようにしたので、触媒体11の取り付け時、取り外し時のいずれにおいても、保持部材71、72を分離することにより、溝部74c、72cを開いて触媒体11を効率よく取り付け、あるいは取り外すことができる。取り外し時に触媒体11が折れた場合でもその切片を容易に取り除くことが可能である。なお、本形態においては、触媒体11の端部11a、11bに圧着端子30(
図6)を装着し、その固定部32を保持部材71、72にて挟み込むようにしてもよい。
【0063】
(第8の形態)
図16は第8の形態に係る連結具70を示している。本形態の連結具70は、上述した第7の形態の連結具70に対して、一方の保持部材71の上端面にフック部75が、そのフック部75と噛み合う突起部76が他方の保持部材72の上端面にそれぞれ設けられたものである。本形態によれば、保持部材71、72を相互に組み合わせる際に、突起部76をフック部75に引っ掛けることにより、保持部材71、72の分離を規制し、それにより溝部74c、72cが開くような変位を抑えて触媒体11の端部11a、11bを連結具70にて確実に保持することができる。この場合、フック部75及び突起部76が分離規制手段の一例として機能する。
【0064】
本発明は上述した各形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、触媒体の端部が連結されるべき電極は棒状に限らず、各種の形状に形成されてよい。触媒体ユニットは容器等の被処理物の内部に挿入されることを前提として構成される例に限らない。触媒CVD法に用いられる限り、触媒体ユニットは適宜に構成されてよい。触媒体拘束手段、端部拘束手段、あるいは端子拘束手段は、止めねじやボルトを利用する例に限らず、触媒体の端部、あるいは端子部品の固定部を定位置に拘束できる限りにおいて、適宜の変更が可能である。例えば、ナットその他のねじ締結手段、クサビ等を利用した締結構造等がそれらの拘束手段として利用されてもよい。端子部品は棒状の圧着端子、又は丸型の圧着端子に限らず、例えば固定部が二股状に分岐された端子部品、固定部が矩形平板状に形成された端子部品等が適宜に利用されてよい。端子装着部は溝状に形成される例に限らず、平面上あるいは突起上に端子部品の固定部が連結されてもよい。
成膜が施されるべき被処理物は樹脂製のボトルに限定されず、適宜の物品が成膜対象の被処理物として採用されてよい。