【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、オルト‐ホルミルのフェノール部分の反応性をマスクする好都合な合成中間体として、サリチルアルデヒドとその誘導体のアンヒドロ二量体が作用することができるという認識を包含する。ある実施態様において、本発明には、故意にこれらの二量体を形成し、二量化したサリチルアルデヒド誘導体のアリール環または置換基において化学作用させ、次いで、二量体を加水分解して、変換されたサリチルアルデヒド誘導体の2つの分子を遊離させる方法が含まれる。
【0009】
本発明は、特に、次に示す工程を含む、サリチルアルデヒド誘導体を合成する方法を提供する:a)サリチルアルデヒドまたはその誘導体を提供する工程、b)得られたサリチルアルデヒド化合物のアンヒドロ二量体を形成する工程、c)アンヒドロ二量体において1以上の化学変換を行う工程、およびd)アンヒドロ二量体を加水分解して、工程(a)で得られたものと異なるサリチルアルデヒド誘導体を提供する工程。また、本発明は、かかるサリチルアルデヒドアンヒドロ二量体を製造する方法も包含する。
【0010】
本発明は、新規のサリチルアルデヒド二量体を含む、合成物を提供する。ある実施態様において、かかるサリチルアルデヒド二量体は、触媒、特にサレン型触媒の合成に、特に有用性がある。一部の実施態様において、かかるサリチルアルデヒド二量体は、生物学的に活性のある分子の合成に、特に有用性がある。
【0011】
定義
具体的な官能基および化学用語の定義を、以下により詳細に説明する。本発明の目的で、化学元素は、元素周期表、CAS形式、「化学および物理学ハンドブック(Handbook of Chemistry and Physics)」(第75版、内表紙)に従って識別され、また、これら
に説明されるように、具体的な官能基が一般に定義される。さらに、有機化学の一般的な原理、ならびに具体的な機能的部分および反応性は、Thomas Sorrellの文献:「有機化
学(Organic Chemistry), University Science Books, Sausalito, 1999;SmithとMarchの文献:「上級有機化学(Advanced Organic Chemistry)」,第5版, John Wiley
& Sons, Inc., New York, 2001;Larockの文献:「包括的な有機変換(Comprehensive Organic Transformations)」, VCH Publishers, Inc., New York, 1989;Carruthersの文献:「有機合成の近代的方法(Some Modern Methods of Organic Synthesis)」,第3版, Cambridge University Press, Cambridge, 1987に記載されており、これらの各々の全内容は、引用により本明細書中に組み込まれる。
【0012】
本発明のある化合物は、1以上の不斉中心を含み、このため、種々の立体異性体の形態(例えば、エナンチオマー、および/またはジアステレオマー)で存在することができる。したがって、本発明の化合物とその組成物は、個々のエナンチオマー、ジアステレオマー、もしくは幾何異性体の形態であってもよいし、または、立体異性体の混合物の形態であってもよい。ある実施態様において、本発明の化合物は、エナンチオピュアな化合物(enantiopure compound)である。ある実施態様において、エナンチオマーまたはジアステ
レオマーの混合物を提供する。
【0013】
また、本明細書に説明するある化合物は、特に断りのない限り、ZまたはE異性体のいずれかとして存在することができる、1以上の二重結合を有する。さらに、本発明は、他の異性体を実質的に含まない個々の異性体としてか、または、種々の異性体の混合物(例えば、エナンチオマーのラセミ混合物)として、化合物を包含する。
【0014】
本明細書に使用する「異性体」という用語には、すべての幾何異性体および立体異性体が含まれる。例えば、「異性体」には、本発明の範囲内にある、シス異性体およびトランス異性体、E異性体およびZ異性体、RエナンチオマーおよびSエナンチオマー、ジアステレオマー、(D)異性体、(L)異性体、これらのラセミ混合物、ならびにこれらの他の混合物が含まれる。例えば、一部の実施態様において、立体異性体は、1以上の対応する立体異性体を実質的に含まないものであってもよく、また、「立体化学的に濃縮した(stereochemically enriched)」ことも意味し得る。
【0015】
特定のエナンチオマーが好ましい場合、一部の実施態様において、エナンチオマーは、相対するエナンチオマーを実質的に含まないものであってもよく、また、「光学的に濃縮した(optically enriched)」ことも意味し得る。本明細書に使用する「光学的に濃縮し
た」とは、化合物が、顕著に大きな割合の1つのエナンチオマーから構成されることを意味する。ある実施態様において、化合物は、少なくとも約90重量%の好ましいエナンチオマーから構成される。別の実施態様において、化合物は、少なくとも約95重量%、98重量%または99重量%の好ましいエナンチオマーから構成される。好ましいエナンチオマーは、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、ならびにキラル塩の形成および結晶化を含む、当業者に公知の方法によって、ラセミ混合物から単離されるか、または不斉合成によって調製されてもよい。例えば、Jacquesらの文献:「エナンチオマー、
ラセミ化合物、および解像能(Enantiomers, Racemates and Resolutions)」(Wiley Interscience, New York, 1981);Wilen, S.H.らの文献:Tetrahedron 33:2725 (1977);Eliel, E.L. の文献:「炭素化合物の立体化学(Stereochemistry of Carbon Compounds)」(McGraw-Hill, NY, 1962);Wilen, S.H.の文献:「分解剤のおよび光学解像度の表(Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions)」p. 268 (E.L. Eliel, Ed., Univ. of Notre Dame Press, Notre Dame, IN 1972)を参照
されたい。
【0016】
本明細書に使用する、「ハロ」および「ハロゲン」という用語は、フッ素(フルオロ、‐F)、塩素(クロロ‐Cl)、臭素(ブロモ、‐Br)、およびヨウ素(ヨード、‐I)から選択される原子を指す。
【0017】
本明細書に使用する、「脂肪族」または「脂肪族基」という用語は、直鎖(すなわち、分岐していない)であるか、分岐しているか、または環状(縮合、架橋、およびスピロ縮合を含む)であり、また、完全に飽和されているか、または、1単位以上の不飽和を含むが、芳香族ではない、炭化水素部分を意味する。別段の定めがない限り、脂肪族基は、1個から30個の炭素原子を含む。ある実施態様において、脂肪族基は、1個から12個の炭素原子を含む。ある実施態様において、脂肪族基は、1個から8個の炭素原子を含む。ある実施態様において、脂肪族基は、1個から6個の炭素原子を含む。一部の実施態様において、脂肪族基は、1個から5個の炭素原子を含む。一部の実施態様において、脂肪族
基は、1個から4個の炭素原子を含む。一部の実施態様において、脂肪族基は、1個から3個の炭素原子を含む。一部の実施態様において、脂肪族基は、1個から2個の炭素原子を含む。適切な脂肪族基には、直鎖のまたは分岐した、アルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基、ならびに、これらのハイブリッド((シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキル、または(シクロアルキル)アルケニル等)が含まれるが、これらに限定されない。
【0018】
本明細書に使用する「不飽和」という用語は、部分が、1以上の二重結合または三重結合を有することを意味する。
【0019】
単独で、または大きな部分の一部として使用する、「脂環」、「炭素環(carbocycle)」、または「炭素環(carbocyclic)」という用語は、本明細書に説明するように、3員から
12員を有する、飽和しているか、または部分的に不飽和の環状脂肪族の単環もしくは二環の環系であって、上に定義し、本明細書に説明するように、脂肪族環系が場合により置換される、環系を意味する。脂環基には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、シクロオクチル、シクロオクテニル、およびシクロオクタジエニルが含まれるが、これらに限定されない。一部の実施態様において、シクロアルキルは、3個から6個の炭素を有する。また、「脂環」、「炭素環」、または「炭素環式」という用語には、1以上の芳香環または非芳香環(デカヒドロナフチルもしくはテトラヒドロナフチル等)と縮合された脂肪族環も含まれ、結合の基または箇所が脂肪族環上にある。ある実施態様において、「3員から8員炭素環」という用語は、3員から8員の飽和、または部分的に不飽和の単環式炭素環を指す。ある実施態様において、「3員から14員炭素環」、および「C
3‐14炭素環」という用語は、3員から8員の飽和、もしくは部分的に不飽和の単環式炭素環、または、7員から14員の飽和、もしくは部分的に不飽和の多環式炭素環を指す。ある実施態様において、「C
3‐20炭素環」という用語は、3員から8員の飽和、もしくは部分的に不飽和の単環式炭素環、または、7員から20員の飽和、もしくは部分的に不飽和の多環式炭素環を指す。
【0020】
本明細書に使用する「アルキル」という用語は、単一の水素原子の除去によって1個から6個の炭素原子を含む脂肪族部分から誘導される、飽和された、直鎖のまたは分岐した炭化水素基を指す。別段の定めがない限り、アルキル基は、1個から12個の炭素原子を含む。ある実施態様において、アルキル基は、1個から8個の炭素原子を含む。ある実施態様において、アルキル基は、1個から6個の炭素原子を含む。一部の実施態様において、アルキル基は、1個から5個の炭素原子を含む。一部の実施態様において、アルキル基は、1個から4個の炭素原子を含む。ある実施態様において、アルキル基は、1個から3個の炭素原子を含む。一部の実施態様において、アルキル基は、1個から2個の炭素原子を含む。アルキル基の例には、メチル、エチル、n‐プロピル、イソプロピル、n‐ブチル、イソブチル、sec‐ブチル、sec‐ペンチル、イソペンチル、tert‐ブチル、n‐ペンチル、ネオペンチル、n‐ヘキシル、sec‐ヘキシル、n‐ヘプチル、n‐オクチル、n‐デシル、n‐ウンデシル、ドデシル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0021】
本明細書に使用する「アルケニル」という用語は、単一の水素原子の除去によって少なくとも1つの炭素‐炭素二重結合を有する、直鎖のまたは分岐した脂肪族部分から誘導される、1価の基を意味する。別段の定めがない限り、アルケニル基は、2個から12個の炭素原子を含む。ある実施態様において、アルケニル基は、2個から8個の炭素原子を含む。ある実施態様において、アルケニル基は、2個から6個の炭素原子を含む。一部の実施態様において、アルケニル基は、2個から5個の炭素原子を含む。一部の実施態様において、アルケニル基は、2個から4個の炭素原子を含む。一部の実施態様において、アル
ケニル基は、2個から3個の炭素原子を含む。一部の実施態様において、アルケニル基は、2個の炭素原子を含む。アルケニル基には、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、1‐メチル‐2‐ブテン‐1‐イル等が含まれる。
【0022】
本明細書に使用する「アルキニル」という用語は、単一の水素原子の除去によって少なくとも1つの炭素‐炭素三重結合を有する、直鎖のまたは分岐した脂肪族部分から誘導される、1価の基を意味する。別段の定めがない限り、アルキニル基は、2個から12個の炭素原子を含む。ある実施態様において、アルキニル基は、2個から8個の炭素原子を含む。ある実施態様において、アルキニル基は、2個から6個の炭素原子を含む。一部の実施態様において、アルキニル基は、2個から5個の炭素原子を含む。一部の実施態様において、アルキニル基は、2個から4個の炭素原子を含む。一部の実施態様において、アルキニル基は、2個から3個の炭素原子を含む。一部の実施態様において、アルキニル基は、2個の炭素原子を含む。代表的なアルキニル基には、エチニル、2‐プロピニル(プロパルギル)、1‐プロピニル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0023】
単独で、または「アラルキル」、「アラルコキシ」、または「アリールオキシアルキル」の大きな部分の一部として使用する、「アリール」という用語は、併せて5員環から20員環を有する、単環および多環の環系であって、該系の少なくとも1つが芳香族であり、かつ該系のそれぞれの環が、3員環から12員環を含む、環系を指す。「アリール」という用語は、「アリール環」という用語と区別なく使用されてもよい。本発明のある実施態様において、「アリール」とは、フェニル、ビフェニル、ナフチル、アントラシル等を含むが、これらに限定されない、芳香環系であって、1以上の置換基を有し得る、芳香環系をいう。また、本明細書に使用する場合、「アリール」という用語の範囲内に含まれるものは、芳香環が、ベンゾフラニル、インダニル、フタルイミジル、ナフトイミジル(naphthimidyl)、フェナントリイジニル(phenantriidinyl)、またはテトラヒドロナフチル等
のうちの1以上の付加的な環と縮合された基である。ある実施態様において、「8員から14員アリール」という用語は、8員から14員の多環式アリール環を指す。
【0024】
単独で、または大きな部分(例えば、「ヘテロアラルキル」、または「ヘテロアラルコキシ」)の一部として使用する、「ヘテロアリール」、および「heteroar-」という用語
は、5個から14個の環原子(好ましくは、5個、6個もしくは9個の環原子)を有する基;環状アレイ(cyclic array)に6個、10個または14個のπ電子を共有する基;お
よび、炭素原子に加えて、1個から5個のヘテロ原子を有する基を指す。「ヘテロ原子」という用語は、窒素、酸素、または硫黄を指し、これには、窒素または硫黄の酸化形態、および塩基性窒素の四級化形態が含まれる。ヘテロアリール基には、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、プリニル、ナフチリジニル、ベンゾフラニル、およびプテリジニルが含まれるが、これらに限定されない。また、本明細書に使用する、「ヘテロアリール」、および「heteroar-」という用語に
は、複素芳香環が、アリール、脂環、またはヘテロシクリル環のうちの1以上と縮合され、結合の基または箇所が複素芳香環上にある基も含まれる。非限定例には、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンズチアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、4H‐キノリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、およびピリド[2,3‐b]‐1,4‐オキサジン‐3
(4H)‐オンが含まれる。ヘテロアリール基は、単環または二環であってもよい。「ヘテロアリール」という用語は、「ヘテロアリール環」、「ヘテロアリール基」、または「複素芳香族」という用語と区別なく使用されてもよく、これらの用語のいずれには、場合
により置換される環が含まれる。「ヘテロアラルキル」という用語は、ヘテロアリールによって置換されたアルキル基であって、場合により、アルキルおよびヘテロアリール部分が独立して置換される、アルキル基を指す。ある実施態様において、「5員から10員ヘテロアリール」という用語は、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択された1個から3個のヘテロ原子を有する、5員から6員ヘテロアリール環、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択された1個から4個のヘテロ原子を有する、8員から10員二環式ヘテロアリール環を指す。ある実施態様において、「5員から12員ヘテロアリール」という用語は、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択された1個から3個のヘテロ原子を有する、5員から6員ヘテロアリール環、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択された1個から4個のヘテロ原子を有する、8員から12員二環式ヘテロアリール環を指す。
【0025】
本明細書に使用する、「複素環(heterocycle)」、「ヘテロシクリル」、「複素環基」
、および「複素環(heterocyclic ring)」という用語は、区別なく使用され、飽和されているか、または部分的に不飽和であり、また、炭素原子に加えて、上に定義する、1個以上の(好ましくは1個から4個の)ヘテロ原子を有する、安定した5員から7員単環式、または7員から14員二環式複素環部分を指す。複素環の環原子に関して使用される場合、「窒素」という用語には、置換された窒素が含まれる。例として、酸素、硫黄、もしくは窒素から選択される0個から3個のヘテロ原子を有する、飽和しているか、または部分的に不飽和の環において、窒素は、N(3,4‐ジヒドロ‐2H‐ピロリル中の)、NH(ピロリジニル中の)、または
+NR(N‐置換ピロリジニル中の)であってもよい。一部の実施態様において、「3員から7員複素環」という用語は、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択された1個から2個のヘテロ原子を有する、3員から7員の、飽和しているか、または、部分的に不飽和の単環式複素環を指す。一部の実施態様において、「3員から8員複素環」という用語は、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択された1個から2個のヘテロ原子を有する、3員から8員の、飽和しているか、または、部分的に不飽和の単環式複素環を指す。
【0026】
複素環は、安定した構造が生じるヘテロ原子または炭素原子の懸垂基に結合することができ、また、環原子のうちのいずれかは、場合により置換することができる。かかる飽和しているか、または部分的に不飽和の複素環基の例には、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、ピロリドニル、ピペリジニル、ピロリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジアゼピニル、オキサアゼピニル(oxazepinyl)、チアゼピニル(thiazepinyl)、モルホリニル、およびキヌクリジニルが含まれ
るが、これらに限定されない。「複素環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクリル環」、「複素環基(heterocyclic group)」、「複素環部分」、そして「複素環基(heterocyclic radical)」という用語は、区別なく本明細書に使用され、また、ヘテロシクリル環が、アリール、ヘテロアリール、または脂環(インドリニル、3H‐インドリル、クロマニル、フェナントリジニル、もしくはテトラヒドロキノリニル等)のうちの1以上と縮合され、結合の基または箇所がヘテロシクリル環上にある基も含まれる。ヘテロシクリル基は、単環または二環であってもよい。「ヘテロシクリルアルキル」という用語は、ヘテロシクリルによって置換されたアルキル基であって、場合により、アルキルおよびヘテロシクリル部分が独立して置換される、アルキル基を指す。
【0027】
本明細書に使用する「部分的に不飽和」という用語は、少なくとも1つの二重結合または三重結合を含む、環部分を指す。「部分的に不飽和」という用語は、不飽和の複数の部位がある環を包含することを意図するが、本明細書に定義するように、アリールまたはヘテロアリール部分を含むことを意図しない。
【0028】
当業者は、本明細書に説明する合成法が、種々の保護基を利用できることを認識する。本明細書に使用する「保護基」という用語は、特定の機能的部分(例えば、O、S、もしくはN)が、マスクされるか、またはブロックされることを意味し、必要に応じて、反応が、多官能化合物において、他の反応部位で選択的に行われることを可能にする。一部の実施態様において、保護基は、良好な収率で選択的に反応して、計画された反応に対して安定した、保護基質を生ずる。保護基は、容易に入手可能で、他の官能基を攻撃しない、無毒性であることが好ましい試薬によって、選択的に除去可能であることが好ましい。保護基は、分離可能な誘導体(より好ましくは、新規の立体中心の発生のない)を形成する。また、保護基は、好ましくは、反応の更なる部位を無効にする最小限の付加的機能性を有する。非限定例として、ヒドロキシル保護基には、メチル、メトキシルメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、t‐ブチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル(SMOM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、p‐メトキシベンジルオキシメチル(PMBM)、(4‐メトキシフェノキシ)メチル(p‐AOM)、グアイアコルメチル(guaiacolmethyl)(GUM)、t‐ブトキシメチル、4‐ペンテニルオキシメチル(POM)、シロキシメチル、2‐メトキシエトキシメチル(MEM)、2,2,2‐トリクロロエトキシメチル、ビス(2‐クロロエトキシ)メチル、2‐(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEMOR)、テトラヒドロピラニル(THP)、3‐ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1‐メトキシシクロヘキシル、4‐メトキシテトラヒドロピラニル(MTHP)、4‐メトキシテトラヒドロチオピラニル、4‐メトキシテトラヒドロチオピラニルS,S‐ジオキシド、1‐[(2‐クロロ‐4‐メチル)フェニル]‐4‐メトキシピペリジン‐4‐イル(CTMP)、1,4‐ジオキサン‐2‐イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a‐オクタヒドロ‐7,8,8‐トリメチル‐4,7‐メタノベンゾフラン‐2‐イル、1‐エトキシエチル、1‐(2‐クロロエトキシ)エチル、1‐メチル‐1‐メトキシエチル、1‐メチル‐1‐ベンジルオキシエチル、1‐メチル‐1‐ベンジルオキシ‐2‐フルオロエチル、2,2,2‐トリクロロエチル、2‐トリメチルシリルエチル、2‐(フェニルセレニル)エチル、t‐ブチル、アリル、p‐クロロフェニル、p‐メトキシフェニル、2,4‐ジニトロフェニル、ベンジル、p‐メトキシベンジル、3,4‐ジメトキシベンジル、o‐ニトロベンジル、p‐ニトロベンジル、p‐ハロベンジル、2,6‐ジクロロベンジル、p‐シアノベンジル、p‐フェニルベンジル、2‐ピコリル、4‐ピコリル、3‐メチル‐2‐ピコリルN‐オキシド、ジフェニルメチル、p,p’‐ジニトロベンズヒドリル、5‐ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、α‐ナフチルジフェニルメチル、p‐メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p‐メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p‐メトキシフェニル)メチル、4‐(4'‐ブロモ
フェナシルオキシフェニル)ジフェニルメチル(4-(4'-bromophenacyloxyphenyl)diphenylmethyl)、4,4’,4”‐トリス(4,5‐ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、
4,4’,4”‐トリス(レブリノイルオキシフェニル)メチル(4,4',4''-tris(levulinoyloxyphenyl)methyl)、4,4’,4”‐トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、
3‐(イミダゾール‐1‐イル)ビス(4',4''‐ジメトキシフェニル)メチル、1,1‐ビス(4-メトキシフェニル)‐1'‐ピレニルメチル、9‐アントリル、9‐(9‐フェニル)キサンテニル、9‐(9‐フェニル‐10‐オキソ)アントリル、1,3‐ベンゾジチオラン‐2‐イル、ベンズイソチアゾリルS,S‐ジオキシド、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルテキシルシリル、t‐ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t‐ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリベンジルシリル、トリ‐p‐キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル(DPMS)、t‐ブチルメトキシフェニルシリル(TBMPS)、蟻酸塩、ベンゾイルホルマート、酢酸塩、クロロアセタート、ジクロロアセタート、トリクロロアセタート、トリフルオロアセタート、メトキシアセタート、トリフェニルメトキシアセタート、フェノキシアセタート、p‐クロロフェノキシアセター
ト、3‐フェニルプロピオナート、4‐オキソペンタノアート(レブリナート)、4,4‐(エチレンジチオ)ペンタノアート(レブリノイルジチオアセタール(levulinoyldithioacetal))、ピバロアート(pivaloate)、アダマントアート(adamantoate)、クロトナート、4‐メトキシクロトナート、安息香酸塩、p‐フェニルベンゾアート、2,4,6‐トリメチルベンゾアート(メシトエート)、アルキルメチルカルボナート、9‐フルオレニルメチルカルボナート(Fmoc)、アルキルエチルカルボナート、アルキル2,2,2‐トリクロロエチルカルボナート(Troc)、2‐(トリメチルシリル)エチルカルボナート(TMSEC)、2‐(フェニルスルホニル)エチルカルボナート(Psec)、2‐(トリフェニルホスホニオ)エチルカルボナート(Peoc)、アルキルイソブチルカルボナート、アルキルビニルカルボナート、アルキルアリルカルボナート、アルキルp‐ニトロフェニルカルボナート、アルキルベンジルカルボナート、アルキルp‐メトキシベンジルカルボナート、アルキル3,4‐ジメトキシベンジルカルボナート、アルキルo‐ニトロベンジルカルボナート、アルキルp‐ニトロベンジルカルボナート、アルキルS‐ベンジルチオカルボナート、4‐エトキシ‐1‐ナフチルカルボナート(4-ethoxy-1-napththyl carbonate)、メチルジチオカルボナート、2‐ヨードベンゾアート、4‐アジ
ドブチラート、4‐ニトロ‐4‐メチルペンタノアート、o‐(ジブロモメチル)ベンゾアート、2‐ホルミルベンゼンスルホナート、2‐(メチルチオメトキシ)エチル、4‐(メチルチオメトキシ)ブチラート、2‐(メチルチオメトキシメチル)ベンゾアート、2,6‐ジクロロ‐4‐メチルフェノキシアセタート、2,6‐ジクロロ‐4‐(1,1,3,3‐テトラメチルブチル)フェノキシアセタート、2,4‐ビス(1,1‐ジメチルプロピル)フェノキシアセタート、クロロジフェニルアセタート、イソブチラート、モノスクシナート(monosuccinoate)、(E)‐2‐メチル‐2‐ブテノアート、o‐(メトキシカルボニル)ベンゾアート、α‐ナフトアート、硝酸塩、アルキルN,N,N’,N’‐テトラメチルホスホロジアミダート、アルキルN‐フェニルカルバマート、ホウ酸塩、ジメチルホスフィノチオイル、アルキル2,4‐ジニトロフェニルスルフェナート、硫酸塩、メタンスルホナート(メシラート)、ベンジルスルホナート、およびトシラート(Ts)が含まれる。例示的な保護基、本明細書に詳述されるが、本開示が、これらの保護基に限定されることを意図しないことが認識される。むしろ、種々の付加的な同等の保護基を、上述の基準を使用し、容易に特定することができ、また、本開示の方法に利用することができる。さらに、種々の保護基は、GreeneとWutsに文献(下記)に記載されている。
【0029】
本明細書に説明するように、本発明の化合物は、「場合により置換される」部分を含んでいてもよい。一般に、「置換される」という用語は、「場合により」という用語が先行するか、または先行しないにかかわらず、明示する部分の1以上の水素が、適切な置換基と置換されることを意味する。特に断りのない限り、「場合により置換される」基は、該基のそれぞれの置換可能な位置で、適切な置換基を有し、所定の構造における1つを超える位置が、明示する基から選択された1つを超える置換基と置換することができる場合、置換基は、すべての位置で同じか、または異なる。本発明で想定される置換基の組合せは、安定しているか、または化学的に実現可能な化合物の形成で得られるものが好ましい。本明細書に使用する「安定した」という用語は、化合物の生成、検出、およびある実施態様において、これらの回収、精製を可能にする条件、ならびに、本明細書に開示する目的のうちの1以上に使用する条件に供する場合、実質的に変化しない化合物を指す。
【0030】
「場合により置換される」基の置換可能な炭素原子における適切な1価の置換基は、独立して、ハロゲン;‐(CH
2)
0‐4R°;‐(CH
2)
0‐4OR°;‐O‐(CH
2)
0‐4C(O)OR°;‐(CH
2)
0‐4CH(OR°)
2;‐(CH
2)
0‐4SR°;R°と置換されてもよい、‐(CH
2)
0‐4Ph;R°と置換されてもよい、‐(CH
2)
0‐4O(CH
2)
0‐1Ph;R°と置換されてもよい、‐CH=CHPh;‐NO
2;‐CN;‐N
3;‐(CH
2)
0‐4N(R°)
2;‐(CH
2)
0‐4
N(R°)C(O)R°;‐N(R°)C(S)R°;‐(CH
2)
0‐4N(R°)C(O)NR°
2;‐N(R°)C(S)NR°
2;‐(CH
2)
0‐4N(R°)C(O)OR°;‐N(R°)N(R°)C(O)R°;‐N(R°)N(R°)C(O)NR°
2;‐N(R°)N(R°)C(O)OR°;‐(CH
2)
0‐4C(O)R°;‐C(S)R°;‐(CH
2)
0‐4C(O)OR°;‐(CH
2)
0‐4C(O)N(R°)
2;‐(CH
2)
0‐4C(O)SR°;‐(CH
2)
0‐4C(O)OSiR°
3;‐(CH
2)
0‐4OC(O)R°;‐OC(O)(CH
2)
0‐4SR‐、SC(S)SR°;‐(CH
2)
0‐4SC(O)R°;‐(CH
2)
0‐4C(O)NR°
2;‐C(S)NR°
2;‐C(S)SR°;‐SC(S)SR°、‐(CH
2)
0‐4OC(O)NR°
2;‐C(O)N(OR°)R°;‐C(O)C(O)R°;‐C(O)CH
2C(O)R°;‐C(NOR°)R°;‐(CH
2)
0‐4SSR°;‐(CH
2)
0‐4S(O)
2R°;‐(CH
2)
0‐4S(O)
2OR°;‐(CH
2)
0‐4OS(O)
2R°;‐S(O)
2NR°
2;‐(CH
2)
0‐4S(O)R°;‐N(R°)S(O)
2NR°
2;‐N(R°)S(O)
2R°;‐N(OR°)R°;‐C(NH)NR°
2;‐P(O)
2R°;‐P(O)R°
2;‐OP(O)R°
2;‐OP(O)(OR°)
2;SiR°
3;‐(C
1‐4直鎖または分岐アルキレン)O‐N(R°)
2;ま
たは、‐(C
1‐4直鎖または分岐アルキレン)C(O)O‐N(R°)
2(式中、R°は、下に定義するように置換されてもよく、かつ、独立して、水素、C
1‐8脂肪族、‐CH
2Ph、O(CH
2)
0‐1Ph、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択された0個から4個のヘテロ原子を有する、飽和されているか、もしくは部分的に不飽和の5員環から6員環、またはアリール環であるか、または、上の定義にもかかわらず、2つの独立したR°の発生は、これらの介在する原子と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択された0個から4個のヘテロ原子を有する、飽和されているか、もしくは部分的に不飽和の3員環から12員環、またはアリール単環、もしくはアリール多環を形成し、下に定義するように置換されてもよい。)である。
【0031】
R°における適切な1価の置換基(または、これらの介在する原子と一緒になって、2つの独立したR°が発生することによって形成された環)は、独立して、ハロゲン;‐(CH
2)
0‐2R
●、‐(ハロR
●)、‐(CH
2)
0‐2OH、‐(CH
2)
0‐2OR
●、‐(CH
2)
0‐2CH(OR
●)
2;‐O(ハロR
●)、‐CN、‐N
3、‐(CH
2)
0‐2C(O)R
●、‐(CH
2)
0‐2C(O)OH、‐(CH
2)
0-2C
(O)OR
●、‐(CH
2)
0-4C(O)N(R°)
2;‐(CH
2)
0‐2SR
●、
‐(CH
2)
0‐2SH、‐(CH
2)
0‐2NH
2、‐(CH
2)
0‐2NHR
●、‐(CH
2)
0‐2NR
●2、‐NO
2、‐SiR
●3、‐OSiR
●3、‐C(O)SR
●、‐(C
1‐4直鎖または分岐アルキレン)C(O)OR
●、または‐SSR
●(式中、R
●はそれぞれ、置換されていないか、もしくは、「ハロ」が先行する箇所で、1以上のハロゲンのみと置換され、かつ、独立して、C
1‐4脂肪族、‐CH
2Ph、‐O(CH
2)
0‐1Ph、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択された0個から4個のヘテロ原子を有する、飽和されているか、もしくは部分的に不飽和の5員環から6員環、またはアリール環である。)である。R°の飽和炭素原子における適切な2価の置換基には、=Oおよび=Sが含まれる。
【0032】
「場合により置換される」基の飽和炭素原子における適切な2価の置換基には、次に示すものが含まれる:=O、=S、=NNR
*2、=NNHC(O)R
*、=NNHC(O)OR
*、=NNHS(O)
2R
*、=NR
*、=NOR
*、‐O(C(R
*2))
2‐3O‐、または‐S(C(R
*2))
2‐3S‐(式中、R
*の独立した発生はそれぞれ、水素、下に定義するように、置換されてもよいC
1‐6脂肪族、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択された0個から4個のヘテロ原子を有する、飽和されているか、部分的に不飽和の5員環から6員環、またはアリール環から選択される。)。「場合により置換される」基の隣接する置換可能な炭素に結合される、2価の置換基には、次
に示すものが含まれる:‐O(CR
*2)
2‐3O‐(式中、R
*の独立した発生はそれぞれ、水素、下に定義するように、置換されてもよいC
1‐6脂肪族、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択された0個から4個のヘテロ原子を有する、飽和されているか、部分的に不飽和の非置換5員環から6員環、またはアリール環から選択される。)。
【0033】
R
*の脂肪族基における適切な置換基には、ハロゲン、‐R
●、‐(ハロR
●)、‐OH、‐OR
●、‐O(ハロR
●)、‐CN、‐C(O)OH、‐C(O)OR
●、‐NH
2、‐NHR
●、‐NR
●2、または‐NO
2(式中、R
●はそれぞれ、置換されていないか、もしくは、「ハロ」が先行する箇所で、1以上のハロゲンのみと置換され、かつ、独立して、C
1‐4脂肪族、‐CH
2Ph、‐O(CH
2)
0‐1Ph、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択された0個から4個のヘテロ原子を有する、飽和されているか、もしくは部分的に不飽和の5員環から6員環、またはアリール環である。)が含まれる。
【0034】
「場合により置換される」基の置換可能な窒素における適切な置換基には、‐R
†、‐NR
†2、‐C(O)R
†、‐C(O)OR
†、‐C(O)C(O)R
†、‐C(O)CH
2C(O)R
†、‐S(O)
2R
†、‐S(O)
2NR
†2、‐C(S)NR
†2、‐C(NH)NR
†2、または‐N(R
†)S(O)
2R
†(式中、R
†はそれぞれ、独立して、水素、下に定義するように、置換されてもよいC
1‐6脂肪族、非置換の‐OPh、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択された0個から4個のヘテロ原子を有する、飽和されているか、部分的に不飽和の非置換5員環から6員環、もしくはアリール環、または、上の定義にもかかわらず、2つの独立したR
†の発生は、これらの介在する原子と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択された0個から4個のヘテロ原子を有する、飽和されているか、もしくは部分的に不飽和の非置換3員環から12員環、またはアリール単環、もしくはアリール二環を形成する。)が含まれる。
【0035】
R
†の脂肪族基における適切な置換基は、独立して、ハロゲン、‐R
●、‐(ハロR
●)、‐OH、‐OR
●、‐O(ハロR
●)、‐CN、‐C(O)OH、‐C(O)OR
●、‐NH
2、‐NHR
●、‐NR
●2、または‐NO
2(式中、R
●はそれぞれ、置換されていないか、もしくは、「ハロ」が先行する箇所で、1以上のハロゲンのみと置換され、かつ、独立して、C
1‐4脂肪族、‐CH
2Ph、‐O(CH
2)
0‐1Ph、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択された0個から4個のヘテロ原子を有する、飽和されているか、もしくは部分的に不飽和の5員環から6員環、またはアリール環である。)である。
【0036】
本明細書の一部の化学構造において、置換基は、表された分子の他の結合と交差する結合に結合することが示される。これは、有効な位置(通常、親構造の水素原子の代わりの)で、分子に1以上の置換基が結合できることを意味する。置換された分子の原子が、2つの置換可能な位置を有する場合、2つの基が同じ原子に存在し得る。1つを超える置換基が存在する場合、それぞれは、他のものと独立して定義され、それぞれは、種々の構造を有し得る。分子の結合と交差して示される置換基が‐Rである場合、これは、先行する段落に説明するように、環が「場合により置換される」と表現するかの如く、同じ意味を有する。
【0037】
本明細書に使用する「サリチルアルデヒド」という用語は、置換された、または非置換の2‐ヒドロキシベンズアルデヒドを意味する。
【0038】
本明細書に使用する「アンヒドロ二量体」という用語は、水の喪失によるオルトホルミルフェノールの2つの分子の反応から形成された、分子を指す。この二量体が、具体的に
定義された構造を有することを本明細書に示すが、本明細書に開示する方法は、この正確な構造に限定されず、このため、形成され得る他の二量体または偽二量体の化合物を包含する。
【0039】
本明細書に使用する「化学変換」という用語は、アンヒドロ二量体で行うことができる化学反応を指す。一部の実施態様において、かかる化学変換は、アンヒドロ二量体の二環式アセタール部分における相当な程度の望ましくない反応を生じない。このため、導入された官能基は、二量体の加水分解に使用される化学物質と実質的に相溶性があり、サリチルアルデヒド生成物を回収する。一部の実施態様において、アンヒドロ二量体において行われる化学変換には、アルキル化、アリール化、およびアシル化等の炭素‐炭素結合形成反応;ハロゲン化、ニトロ化、酸化、シリル化、メタル化等を含むが、これらに限定されない炭素‐ヘテロ原子結合形成反応、ならびに、酸化、還元、付加、保護、脱保護、付加環化、アミノ化、脱カルボキシル化、クリック反応、遷移金属触媒カップリング、メタセシス、アルキル化、エステル化、水素化処理、カップリング反応等を含むが、これらに限定されない、アリール環に存在する官能基の変換が含まれる。
【0040】
本明細書に使用するTBDとは、1,5,7‐トリアザビシクロ[4.4.0]デカ‐5‐エンをいう。