特許第6846912号(P6846912)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社栗本鐵工所の特許一覧

<>
  • 特許6846912-仕切弁 図000002
  • 特許6846912-仕切弁 図000003
  • 特許6846912-仕切弁 図000004
  • 特許6846912-仕切弁 図000005
  • 特許6846912-仕切弁 図000006
  • 特許6846912-仕切弁 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6846912
(24)【登録日】2021年3月4日
(45)【発行日】2021年3月24日
(54)【発明の名称】仕切弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 3/02 20060101AFI20210315BHJP
   F16K 27/04 20060101ALI20210315BHJP
【FI】
   F16K3/02 F
   F16K27/04
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-219769(P2016-219769)
(22)【出願日】2016年11月10日
(65)【公開番号】特開2018-76928(P2018-76928A)
(43)【公開日】2018年5月17日
【審査請求日】2019年9月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000142595
【氏名又は名称】株式会社栗本鐵工所
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100112575
【弁理士】
【氏名又は名称】田川 孝由
(74)【代理人】
【識別番号】100167380
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 隆
(72)【発明者】
【氏名】田浦 久仁
(72)【発明者】
【氏名】中岡 英
(72)【発明者】
【氏名】宮脇 克哉
【審査官】 冨永 達朗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−202516(JP,A)
【文献】 実公昭44−007985(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 3/02
F16K 27/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部の流体通路(4)と垂直方向に開口する開口部(5)と金属製弁箱弁座(14)を有する弁箱(1)と、前記開口部(5)から弁箱(1)内に挿入されて昇降する弁棒(3)と、その弁棒(3)に取り付けられて金属製弁体弁座(13)を有して前記弁箱()内の前記流体通路(4)を開閉する弁体(2)と、前記弁箱(1)の開口部(5)に固定されてその開口部(5)を閉塞し前記弁棒(3)が挿通した蓋(6)とからなり、前記弁体(2)を流体通路(4)と垂直方向に移動させ、前記弁体弁座(13)と前記弁箱弁座(14)の当接により流体通路(4)を遮断する仕切弁(V)において、
上記弁箱(1)の開口部(5)と上記蓋(6)の何れか一方または双方に、上記弁体(2)の厚み方向(t)の弁箱弁座(14)の撓みや歪みを外部から矯正する矯正手段(20)が設けられ、その矯正手段(20)が、前記弁箱(1)の開口部(5)と前記蓋(6)の何れか一方の上記流体通路(4)と直交の幅方向中央部に固定されて前記弁箱(1)の開口部(5)と前記蓋(6)の他方に至る片持ち梁状の当て板(21)と、その他方に至った前記片持ち梁の自由端である当て板(21)部分にねじ込んでその先端が前記弁箱(1)の開口部(5)と前記蓋(6)の他方の前記幅方向中央部表面に当接する調整ボルト(22)とからなり、その調整ボルト(22)の当て板(21)に対するねじ込み又はねじ戻しによって、当て板(21)に対する前記調整ボルト(22)を介した弁箱(1)の開口部(5)又は蓋(6)の前記幅方向中央部表面への押圧力によって弁箱弁座(14)の弁体(2)の厚み方向の撓みや歪みを調整することを特徴とする仕切弁。
【請求項2】
内部の流体通路(4)と垂直方向に開口する開口部(5)と金属製弁箱弁座(14)を有する弁箱(1)と、前記開口部(5)から弁箱(1)内に挿入されて昇降する弁棒(3)と、その弁棒(3)に取り付けられて金属製弁体弁座(13)を有して前記弁箱()内の前記流体通路(4)を開閉する弁体(2)と、前記弁箱(1)の開口部(5)に固定されてその開口部(5)を閉塞し前記弁棒(3)が挿通した蓋(6)とからなり、前記弁体(2)を流体通路(4)と垂直方向に移動させ、前記弁体弁座(13)と前記弁箱弁座(14)の当接により流体通路(4)を遮断する仕切弁(V)において、
上記弁箱(1)の開口部(5)と上記蓋(6)の何れか一方または双方に、上記弁体(2)の厚み方向(t)の弁箱弁座(14)の撓みや歪みを外部から矯正する矯正手段(30)が設けられ、その矯正手段(30)が、前記弁箱(1)の開口部(5)と前記蓋(6)の何れか一方にその一方の上記流体通路(4)と直交の幅方向に沿うその両端で固定された両端固定梁状の当て板(31)と、その当て板(31)の前記幅方向の中央部にねじ込まれてその先端が前記弁箱(1)の開口部(5)と前記蓋(6)の一方の表面に当接する調整ボルト(32)とからなり、その調整ボルト(32)の当て板(31)に対するねじ込み又はねじ戻しによって、当て板(1)に対する前記調整ボルト(32)を介した弁箱(1)の開口部(5)又は蓋(6)の前記幅方向中央部表面への押圧力によって弁箱弁座(14)の弁体(2)の厚み方向の撓みや歪みを調整することを特徴とする仕切弁。
【請求項3】
上記調整ボルト(22、32)に隣接して上記当て板(21、31)に、上記弁箱(1)の開口部(5)と前記蓋(6)の他方又は一方に固定された固定ボルト(23、33)をその軸方向移動自在に貫通させ、その固定ボルト(23、33)の当て板(21、31)からの突出端に固定ナット(24、34)をねじ込んで当て板(21、31)に当接し、その固定ナット(24、34)のねじ込みによって当て板(21、31)に対して開口部(5)又は蓋(6)を引き寄せてその引き寄せ力で開口部(5)又は蓋(6)を凸状方向に反らせて弁箱弁座(14)の弁体(2)厚み方向の間隙幅(t)を広げてその幅調整を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の仕切弁。
【請求項4】
記調整ボルト(22、32)をその軸心全長に亘って貫通孔(33a)を有するものとし、その貫通孔(33a)に上記固定ボルト(23、33)を貫通させたことを特徴とする請求項3に記載の仕切弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、弁箱内の流体通路に対して垂直方向に弁体を直線的に移動させ、弁箱弁座と弁体弁座で前記流体通路を開放・遮断(開閉)する仕切弁に関する。
【背景技術】
【0002】
気体や液体等の流体が内部を流れる流体通路に用いられる仕切弁として、この発明の実施形態を示す図1図2を参照して説明すると、内部の流体通路4から垂直方向に突出して開口する筒状となった開口部5と弁箱弁座14を有する弁箱1と、前記開口部5から流体通路4の垂直方向に挿入された弁棒(弁軸)3に取り付けた弁体弁座13を有して流体通路4を開閉する弁体2と、弁箱1の開口部5を閉塞し弁棒3を挿通させた蓋(ボンネット)6とからなるものがある。前記弁体弁座13は挿入される方向(図中矢印c)でその弁体2の厚み方向の幅が序々に小さくなる楔状となり、弁箱弁座14は弁体2の全閉位置で楔状の弁体弁座13と流体通路4の全周で接触する逆ハの字状となっており、弁棒3により弁体2を流体通路4と垂直方向に移動させ、弁体弁座13と弁箱弁座14の当接により流体通路4を遮断する。
【0003】
この仕切弁Vは流体通路4を通過する流体の温度や性状等により、ゴム等の弾性素材の弁座を使用できない際に使われる事が多く、金属製の弁体弁座13と同弁箱弁座14で良好な遮断性を発揮するには、弁体弁座13と弁箱弁座14を高い精度で加工する必要がある。
【0004】
この仕切弁Vにおいて、使用現場での据え付けた後に、前後の配管Pから押されたり引っ張られたりして、弁箱1が撓んだり歪んだりしてしまうことがある。このとき、開口部5と蓋6の内側には弁体収容部としての空間Sがあるため、弁箱弁座14の開口部5側はその影響を受けやすく、弁箱1の弁体2の厚み方向が変化し、例えば、図2で示す、弁箱弁座14の間隙幅tが弁体弁座13の幅より大きくなって両者間に間隙が生じ、製造現場で良好な遮断性を発揮するように調整されていても、使用現場では良好な遮断性を発揮できなくなる場合がある。
【0005】
また、使用現場の配管P内流体の圧力や温度等のその他の使用条件が変更されたときにも、同じく弁箱1に撓みや歪みが生じ、同様に、弁箱弁座14の開口部5側の弁体2の厚み方向の間隔幅tがその影響を受けて変化し、良好な遮断性を発揮できないことがある。
【0006】
従来、開口部5と蓋6の外面には剛性を高めるためにリブ11を設けているが、上記弁箱1の撓みや歪みに対してその効果は十分ではなく、良好な遮断性を発揮するには、弁箱弁座14の再設計や、使用条件の変更を行う必要がある。
このため、出願人は、弁箱開口部5と蓋6の何れか一方または双方に、弁体2の厚み方向の撓みや歪みを外部から矯正する矯正手段を設けた技術を提案し、その矯正手段により、弁箱弁座14の開口部5側の撓みや歪みを矯正し良好な遮断性を実現することができた(特許文献1、要約、図1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2012−202516号公報
【特許文献2】実開平4−134981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記矯正手段は、上記弁箱開口部5を前記弁体2の厚み方向両側から挟み込む一対の挟込部材と、その挟込部材の両端であって前記弁箱開口部の外側に突出させた挟込部材の突出部で一対の挟込部材を連結する連結部材を有する構成である(特許文献1段落0021〜同0022、図1図5参照)。
この構成の矯正手段は、一対の長い大きな挟込部材を介してその挟込部材全長による挟圧で弁箱を膨縮させるため、その弁箱弁座の精度の高い間隔調整(上記間隔幅t調整)が困難である。また、挟込部材の両端において、連結部材のねじ込み量等の調整を均一にする必要があり、その操作が煩雑であるとともに、通常、二人の作業員を必要とする。
【0009】
この発明は、以上の実状の下、操作が簡単な、弁箱1の弁体厚み方向の撓み・歪み矯正手段とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、この発明は、上記弁箱の開口部と上記蓋の何れか一方または双方の流体流路方向の直交幅方向の中央部を押さえることによって弁箱を膨縮させて、弁体の厚み方向の撓みや歪みを矯正するようにしたのである。
通常、弁箱の開口部は、平面視、円形、矩形、楕円形等であって、少なからず弾性を有する材料からできており、その径方向の中央部を押圧すれば、その円形、矩形又は楕円形等は全体的に変形する。すなわち、弁箱の中央に一点集中荷重を付与すれば、小さな荷重で弁箱に変形を与えることができ、弁箱の左右の張り・縮み(弁箱弁座を狭めたり、広げたり)をほぼ均等に行うことができる。このとき、その押圧(荷重)度合いの調整によって弁箱の変形度合いは調整することができる。このため、弁箱の弁体厚み方向の撓みや歪みを適正に矯正し得る。
【0011】
この発明の具体的な一構成としては、内部の流体通路と垂直方向に開口する開口部と金属製弁箱弁座を有する弁箱と、前記開口部から弁箱内に挿入されて昇降する弁棒と、その弁棒に取り付けられて金属製弁体弁座を有して弁箱内の流体通路を開閉する弁体と、弁箱の開口部に固定されてその開口部を閉塞し弁棒が挿通した蓋とからなり、弁体を流体通路と垂直方向に移動させ、弁体弁座と弁箱弁座の当接により流体通路を遮断する仕切弁において、弁箱の開口部と蓋の何れか一方または双方に、弁体の厚み方向の弁箱弁座の撓みや歪みを外部から矯正する矯正手段が設けられ、その矯正手段が、弁箱の開口部と蓋の何れか一方の流体通路と直交の幅方向中央部に固定されて弁箱の開口部と蓋の他方に至る当て板と、その他方に至った当て板部分にねじ込んでその先端が弁箱の開口部と蓋の他方の表面に当接する調整ボルトとからなり、その調整ボルトの当て板に対するねじ込み又はねじ戻しによって、当て板に対する調整ボルトを介した弁箱の開口部又は蓋への押圧力によって弁箱弁座の弁体の厚み方向の撓みを調整する構成を採用することができる。
【0012】
また、具体的な他の構成としては、同様に、内部の流体通路と垂直方向に開口する開口部と金属製弁箱弁座を有する弁箱と、開口部から弁箱内に挿入されて昇降する弁棒と、その弁棒に取り付けられて金属製弁体弁座を有して弁箱内の流体通路を開閉する弁体と、弁箱の開口部に固定されてその開口部を閉塞し弁棒が挿通した蓋とからなり、弁体を流体通路と垂直方向に移動させ、弁体弁座と弁箱弁座の当接により流体通路を遮断する仕切弁において、弁箱の開口部と蓋の何れか一方または双方に、弁体の厚み方向の弁箱弁座の撓みや歪みを外部から矯正する矯正手段が設けられ、その矯正手段が、弁箱の開口部と蓋の何れか一方にその一方の流体通路と直交の幅方向に沿うその両端で固定された当て板と、その当て板の前記幅方向の中央部にねじ込まれてその先端が他方の表面に当接する厚み調整ボルトとからなり、その調整ボルトの当て板に対するねじ込み又はねじ戻しによって、当て板に対する調整ボルトを介した弁箱の開口部又は蓋への押圧力によって弁箱弁座の弁体の厚み方向の撓みを調整する構成を採用することができる。
【0013】
以上の各構成において、上記調整ボルトに隣接して当て板に、弁箱の開口部と蓋の他方に固定された固定ボルトをその軸方向移動自在に貫通させ、その固定ボルトの当て板からの突出端に固定ナットをねじ込んで当て板に当接する構成を採用することができる。
この構成において、弁箱弁座を狭める(弁箱弁座の弁体厚み方向の間隙幅tを縮める)場合、上記と同様に、調整ボルトをねじ込み、その先端で弁箱の開口部又は蓋を押圧し、その押圧力で開口部又は蓋を凹状方向に反らせて弁箱弁座の弁体厚み方向の間隙幅を狭めてその幅調整を行って、弁箱弁座の弁体厚み方向の撓みや歪みを適正に矯正する。
一方、弁箱弁座を広げる(弁箱弁座の弁体厚み方向の間隙幅tを広げる)場合、調整ボルトを緩めて当て板と開口部又は蓋部との間隙を十分に開けた後(調整可能間隙を形成した後)、固定ボルトに固定ナットをねじ込み、そのねじ込みによって当て板に対して開口部又は蓋部を引き寄せてその引き寄せ力で開口部又は蓋を凸状方向に反らせて弁箱弁座の弁体厚み方向の間隙幅を広げてその幅調整を行って、弁箱弁座の弁体厚み方向の撓みや歪みを適正に矯正する。
【0014】
上記調整ボルトと固定ボルト及び固定ナットを有する構成の場合、その調整ボルトをその軸心全長に亘って貫通孔を有するものとし、その貫通孔に固定ボルトを貫通させた構成とすることができる。この構成はコンパクトなものとなる。
【発明の効果】
【0015】
この発明は以上のように構成して弁箱中央部を押さえることによって弁箱を膨縮させて、弁体の厚み方向の撓みや歪みを矯正するようにしたので、小さな荷重でもって、弁箱の左右の張り・縮み(弁箱弁座の狭め・広げ)をほぼ均等に行うことができて、弁箱の弁体厚み方向の撓みや歪みを適正に矯正し得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】この発明に係る仕切弁の一実施形態の一部切欠き正面図
図2】同実施形態の一部切欠き側面図
図3】同実施形態の矯正手段部分を示し、(a)は一部拡大正面図、(b)は(a)の断面図
図4】この発明に係る仕切弁の他の実施形態の一部切欠き正面図
図5】同実施形態の切断平面図
図6】同実施形態の要部を示し、(a)は矯正手段部分の切断図、(b)は当て板の固定部分の切断図
【発明を実施するための形態】
【0017】
この発明に係る仕切弁の一実施形態を図1図3に示し、この実施形態の仕切弁Vは、製缶品、鋳造品等の金属製円筒状弁箱1と、鋳造品等の金属製弁体2と、その弁棒(弁軸)3とからなる仕切弁Vであって、ガス等の管路Pに介設されるものである。
【0018】
弁箱1はその円筒状内部が流体(ガス)流路4となって、その流体流路4と垂直方向上部に開口部5を有している。その開口部5の上部にボンネット(蓋)6が設けられており、上記弁棒3が弁体2から上方に延びてボンネット6内を貫通して昇降(上下動)機構7に至っている。この昇降機構7は、弁棒3の上部をラックとし、そのラックに噛み合うピニオンをハンドル8によって回転させることによって弁棒3を昇降させて弁体2を昇降し、弁箱1内に挿入するとともに、ボンネット6内に収納ずる。
【0019】
昇降機構7は、弁体2を弁棒3で上下動させる機構に限らず、弁棒3と弁体2を相対回転可能とし、弁棒3を回転させてボンネット6に固定された回転不能な雌ねじナットを利用して上下動させるものや、直接シリンダや電動モータで弁棒3を昇降させる等、種々の機構を採用することができる。
【0020】
弁体2は、リブ11aによって補強された逆台形状の断面を有する円盤状であって、その両側のガイド12a及び弁箱1内面のガイド12bを介して弁箱1内で開閉方向(昇降方向)以外には位置決めされて開閉方向(上下方向)のみに移動可能となっている。
弁体2にはその両側外周全長に亘って弁体弁座13がそれぞれ形成されており、弁体2が逆台形状の断面を有する円盤であることから、両弁体弁座13は弁箱1内に挿入される方向(昇降方向)で弁体2の厚み方向の幅が徐々に小さくなる楔状となっている。弁箱1にはその弁体弁座13に対応する対の弁箱弁座14が設けられており、この対の弁箱弁座14は、前記弁体2が全閉位置にあるとき前記楔状の弁体弁座13と流体通路4の全周で接触する逆ハの字状となっており、両弁座13、14が接触して重なり合うことによって良好な遮断性を持って閉弁する。通常、両弁座13、14の重なり面積は50〜100%である。
【0021】
弁箱1の開口部5は流体通路4と垂直方向に突出して開口する筒状とされて平面視矩形状とされている。ボンネット(蓋)6も同様に平面断面視矩形状とされている。弁箱開口部5とボンネット6はフランジ5a、6aを介してボルトによって締結されて強固に一体となり、その内部に全開時に弁体2を収容する。弁箱開口部5とボンネット6はその周囲に剛性を高めるためにリブ11b、11cが設けられている。
【0022】
なお、この仕切弁Vは封止式であって(特許文献2参照)、弁箱1下部の流入口16から水a等の流体を弁座13、14周りに充満させるとともに、ボンネット6内にも充満させ、その上部の流出口17から流出させる。
【0023】
以上の構成は従来と同様であって、この実施形態は、弁箱1の両側面(図2の左右側面)において、弁箱開口部5とボンネット6の間に、弁箱1の弁体厚み方向の撓みや歪みを外部から矯正する手段20をそれぞれ設けたことが特徴である。
【0024】
その矯正手段20は、ボンネット6の上記流体通路4と直交方向の幅(図1において左右方向)の中央部に固定されて開口部5に至る片持ち梁状の当て板21と、その開口部5に至った片持ち梁の自由端である当て板21の端部にねじ込んでその先端が前記開口部5の表面に当接する調整ボルト22と、その調整ボルト22に隣接して当て板21を貫通して開口部5にねじ込まれた固定ボルト23とからなる。すなわち、固定ボルト23は開口部5に固定されて当て板21に移動自在に貫通して、その突出部に固定ナット24がねじ込まれている。固定ボルト23はねじ込みではなく、開口部5(ブロック25)に溶接などの他の手段によって立設することができる。
【0025】
当て板21は、ブロック25を介してボルト26によってボンネット6に強固に固定されている。ブロック25は当て板21の座となり、ボルト止めや溶接等によってボンネット6に固定する。そのボルト及び前記ボルト26の本数はブロック25を強固に締結固定できる限りにおいて任意である。このとき、ブロック25に隣接するリブ11bは適宜に省略(削除)できる。固定ボルト26に代えて、当て板21の一端をボンネット6(ブロック25)に溶接などの他の手段によって固定することができる。
当て板21の当接するボンネット6のリブ11cは他のリブ11c、11bに比べて厚くして剛性を高めることが好ましい。
【0026】
この実施形態の矯正手段20は以上の構成であり、弁箱弁座14を狭める(弁箱弁座14の弁体厚み方向の間隙幅tを狭める)場合、調整ボルト22をねじ込み、その先端で弁箱開口部5を押圧し、その押圧力で開口部5を凹状方向に反らせて弁箱弁座14の弁体厚み方向の間隙幅tを狭めてその幅調整を行って、弁箱弁座14の弁体厚み方向の撓みや歪みを適正に矯正する。
一方、弁箱弁座14を広げる(弁箱弁座14の弁体厚み方向の間隙幅tを広げる)場合、調整ボルト22を緩めて当て板21と開口部5との間隙を十分(調整可能間隙)に開けた後、固定ボルト23に固定ナット24をねじ込み、そのねじ込みによって当て板21に対して開口部5を引き寄せてその引き寄せ力で開口部5を凸状方向に反らせて弁箱弁座14の弁体厚み方向の間隙幅tを広げてその幅調整を行って、弁箱弁座14の弁体厚み方向の撓みや歪みを適正に矯正する。
【0027】
以上の作用によって弁箱1の弁体厚み方向の撓みや歪みを外部から矯正して、弁体弁座13と弁箱弁座14のその全周が接触して完全な流路4の遮断が行われるようにする。
この作用において、ボンネット6の剛性を弁箱1の開口部5に比べて高くすればするほど、ボンネット6に比べて開口部5が撓みやすくなるため、矯正手段20による弁箱弁座14の弁体厚み方向の撓みや歪み調整が円滑になる。このとき、当て板21は、梁となるためボンネット6と同等又はそれ以上の剛性を有するものとするのが好ましい。
【0028】
他の実施形態を図4図6に示し、この実施形態の仕切弁V’も同様に封止式であって、上記仕切弁Vとはボンネット6内部を水密又は気密に上下に仕切るピストン(閉塞蓋)40を有する点が大きく異なる。このピストン40を有することによって封止用の水やガス(例えば窒素ガス等)の量の削減を図ることができて経済的であると共に、弁箱1等の受圧面積も少なくなるため、シール性が低下する恐れも少なくなる。この実施形態は、この仕切弁V’において、上記矯正手段20とは異なる構成の矯正手段30を設けたものである。
【0029】
その矯正手段30は、弁箱1の開口部5のほぼ全長に亘る当て板31と、その当て板31の長さ方向中央にねじ込まれて貫通する調整ボルト32と、その調整ボルト32の軸心を貫通した固定ボルト33と、その調整ボルト32及び固定ボルト33にそれぞれねじ込まれた位置固定ナット35、34からなる。固定ボルト33は調整ボルト32の軸心上の貫通孔33aを移動自在に貫通している。
【0030】
当て板31はその両端を開口部5のブロック状座37にボルト止めすることによって両端固定梁状に固定されている。そのボルト36の本数は強固に締結固定できる限りにおいて任意である。固定ボルト36に代えて、当て板31の両端を開口部5に溶接などの他の手段によって固定することができる。その両端の座37、37の間隔は、その間の中央を押圧することによって弁箱1が内外に撓んで膨縮するように実験などによって適宜に設定する。また、両座37、37間の中央には同様のブロック状座38が設けられており、この座38に固定ボルト33がねじ込まれるとともに、調整ボルト32の先端が当接している。ブロック状座38に隣接するリブ11b、11cは適宜に省略(削除)できる。
【0031】
この実施形態の矯正手段30は以上の構成であり、弁箱弁座14を狭める場合、調整ボルト32をねじ込み、その先端で弁箱開口部5を押圧し、その押圧力で開口部5を凹状方向に反らせて弁箱弁座14の弁体厚み方向の間隙幅tを狭めてその幅調整を行って、弁箱弁座14の弁体厚み方向の撓みや歪みを適正に矯正する。その矯正が終われば、固定ナット34、35をそれぞれ締め付けてその矯正状態を固定する。
【0032】
一方、弁箱弁座14を広げる場合、調整ボルト32を緩めて当て板31と開口部5との間隙を十分に開けた後(例えば、調整ボルト32の先端を当て板31の下面(貫通孔33aの開口)と面一又は当て板31内(貫通孔33a内)に没した後、固定ナット35を締め付けて調整ボルト32を当て板31に一体とする。この状態で、固定ボルト33に固定ナット34をねじ込み、そのねじ込みによって当て板31に対して開口部5を引き寄せてその引き寄せ力で開口部5を凸状方向に反らせて弁箱弁座14の弁体厚み方向の間隙幅tを広げてその幅調整を行って、弁箱弁座14の弁体厚み方向の撓みや歪みを適正に矯正する。
以上の作用によって弁箱1の弁体厚み方向の撓みや歪みを外部から矯正して、弁体弁座13と弁箱弁座14のその全周が接触して完全な流路4の遮断が行われるようにする。
【0033】
この図4の実施形態において、調整ボルト32及び固定ボルト33は図1に示す調整ボルト22及び固定ボルト23と同様に隣接する2本のボルト構造とすることもできる。一方、図1の実施形態において、両調整ボルト22、23を調整ボルト32に固定ボルト33が貫通する図6の構成とすることもできる。
また、図1の実施形態において、調整ボルト22の頭側を図示より長くしてその長くした部分にナットをねじ合わせてダブルナット構造とし得る。
【0034】
上記実施形態は弁体弁座13の一次側二次側両方を流体通路4と垂直な面に対して傾斜させたが、例えば、流体圧が非常に高く弁体2を開閉移動する際の駆動力を低減させたい場合等には、二次側の弁体弁座13は流体通路4と垂直な面と平行に設け、一次側の弁体弁座13は各実施形態と同じく傾斜して設けた楔状としてもよい。その際、弁箱弁座14もその形状に応じて二次側は流体通路4と垂直な逆ハの字状となる。
【0035】
また、上記各実施形態は弁箱開口部5側を押すようにしているが、ボンネット(蓋)6を押す方が容易な場合等にはボンネット6に矯正手段20、30を設けることもできる。この場合、ボンネット6側を押圧することとなるが、ボンネット6の剛性が弁箱1の開口部5に比べて高くなっておれば、前記押圧による当て板21を介した反力が開口部5側に及んで、同様に、弁箱1を膨縮させて弁箱1の弁体厚み方向の撓みや歪みを調整し得る。
【0036】
さらに、弁箱開口部5とボンネット6のそれぞれに矯正手段20、30を設けてもよく、この場合、双方に跨って同時に矯正可能なように設けることもでき、その両矯正手段20、30の場合、同一表面(例えば、図1における表面)に2つの矯正手段20、30が併設されたり、一方の表面に弁箱開口部側の矯正手段20、30、他方の表面(裏面)にボンネット6側の強制手段20、30が位置するようにしたりすることができる。
また、固定ボルト23、33を省略して、調整ボルト22、32のみとすることもできる。この場合、調整ボルト22、32の先端は、常時、開口部5又はボンネット6の表面に当接(押圧)させておき、調整ボルト22、32の当て板21、31へのねじ込み量によってその押圧力を調整して、開口部5又はボンネット6の自身の弾性による膨縮を調整して弁箱1の弁体厚み方向の撓みや歪みを調整する。
【0037】
なお、上記各実施形態は封止式であってが、特許文献1に記載の封止式でない仕切弁であっても、開口部5と金属製弁箱弁座14を有する弁箱1と、昇降する弁棒3に取り付けられて金属製弁体弁座13を有する弁体2と、蓋(ボンネット)6とからなり、弁体2を流体通路4と垂直方向に移動させ、弁体弁座13と弁箱弁座14の当接により流体通路4を遮断する各種の仕切弁において、この発明を採用し得ることは勿論である。
このように、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0038】
V 仕切弁
1 弁箱
2 弁体
3 弁棒
4 流体流路
5 弁箱開口部
6 ボンネット(蓋)
11a、11b、11c リブ
12a、12b 弁体ガイド
13 弁体弁座
14 弁箱弁座
20、30 矯正手段
21、31 当て板
22、32 調整ボルト
23、33、36 固定ボルト
24、34、35 固定ナット
33a 貫通孔
37、38 座
40 ピストン
t 弁箱弁座の間隙幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6