(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コントローラに結合され、前記派生力を表す信号、及び派生力の変化が発生している速度である、派生力の変化率を出力するように構成された力検出器を更に備え、前記コントローラは前記力検出器からの前記信号を受信し、前記オペレータが前記適用する力を除去したことを前記派生力が表した際に前記モーションアクチュエータの速度を前記初期速度に変更するように更に構成されている、請求項1に記載のツール。
前記モーションアクチュエータはブレーキを含み、前記コントローラは前記力検出器が前記第2の所定量だけ力の減少を示す場合、必要に応じて前記ブレーキを適用するように構成されており、前記コントローラは、制動にさらに応答する第2の追加の感度プロファイルを含む、請求項4記載のツール。
前記コントローラは、初期速度及び最大速度の少なくともいずれかがオペレーターにより調整された時、前記初期速度及び前記最大速度の範囲内で前記感度プロファイルを調整するように構成されている、請求項5記載のツール。
前記コントローラは、複数の時間間隔に渡って個別のステップで前記モーションアクチュエータへのパワーを制御して前記回転する作業面の前記作動速度を設定し、派生力の変化が、設計された閾値に一旦合致すると、前記感度プロファイルからの前記時間的なオフセットを含む十分な時間内にモーションアクチュエータの速度を適合させる、請求項1に記載のツール。
第1の力を導出する工程及び第2の力を導出する工程は、派生力の変化が設計された閾値に合致しない限り、前記回転する作業面の作動速度の変化に対して不必要な変化を妨げる、ヒステリシスの状態を用いて複数の時間間隔に渡って個別の工程で発生する、請求項11記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図は縮尺が忠実ではないことに注意が必要である。更に、要素の様々な部品は縮尺通りに描かれていない。特定の寸法は、本記載の実施例のより明確な例示及び理解を提供するために他の寸法に対して誇張されている。
【0006】
また、本明細書に示された実施例は、高さと幅を有する様々な領域が2次元の図に示されているが、これらの領域は、実際には3次元構造であるデバイスの一部のみの例示であることが明確に理解されるべきである。従ってこれらの領域は、実際のデバイスに組み込まれた時に高さ、幅、及び深さを含む3次元を有する。
【0007】
本明細書に記載される新しい電動ツールのコンセプトは、人又は機械のオペレータがより高い技巧で電動ツールを制御及び操作でき、ワーク上においてより扱いやすく及び正確に制御された作業速度を提供し、手動ツールの使用と同等で、しかも最新の電動ツールの効率と生産性で実行され得るように作られた。用語「作業速度」とは、本明細書において、材料除去速度、又はバフ研磨のような表面変質、若しくは熱及び圧力による、若しくはそれらの組み合わせによる表面仕上げの速度、のいずれかを指す。作業速度は、電動ツール上の作業面での機能的速度及び作動速度、及びオペレータ又はプロキシによってツールに加えられる圧力のレベルに関係する。本明細書で使用される「機能速度」又は「作動速度」は、時間に対する作業面の回転又は線形の機械的変位速度(その位置の変化率)又はそれらの組み合わせを指す。機能速度や作動速度の単位は、例えばドリル、回転式サンダーなどの回転数及び回転速度の度数の尺度として毎分回転数(RPM)を含むことができる。RPMは固定軸の周りを1分間で回りきった回転数を表す。機能的速度や作動速度の単位は、このような糸鋸及び振動サンダーなどで作業面を往復する往復毎分振動(OPM)を含んでもよい。単純な線速度単位(例えばフィート毎分のような速度)は、帯鋸及びベルトサンダなどのツールの機能的速度や作動速度のために使用することができる。
【0008】
これらの新しい電動ツールは、オペレータがワークと作業面との間に及ぼす力の量を調整することにより、より細かく電動ツールの所望の作業速度及び作動速度を決定することを可能にする。新しいツールで最大作動速度での作業の速度は実質的に従来のツールの固定速度と同じであるが、実際には、これら新しいツールは低ワーク力で典型的な実施形態に比べて約半分及び一般的にはもっと作業速度を低下させることを可能にした。新しい電動ツールのオペレータによるこのような改善された制御は、特にツールとの最初のワーク接触で、電動ツールに対するワークの配置を手動で微調整することもできる。又は電気駆動ツールの作業面の回転形、線形又は往復の運動をオペレータ制御することの増加が可能になることにより、ツールとワークとの間のツールの速度及び力の関数(圧力又は負荷とも呼ばれる)としての作業速度は、現在のツールを使用するよりもオペレータによる制御によりはるかに正確になり、ワークのより効率的及び正確な微細な作業を可能にする。また、ワーク力が減少又は除去されると、新しい電動ツールは初期速度に戻すようにすることによってエネルギーを浪費しないようにできる。
【0009】
例えば、既存の電動ツールでワークが素早く移動する作業面と最初に接触すると、多くの場合ワークは、えぐられる、ぐっと押される、又はさもなければツールの作業面との係合を解く。この問題は電動ツール10の実施例の技術を組み込んだツールで解消又は大幅に減少される。現在利用可能なモーター速度制御のモードとは対照的に、この新しい技術により、改良されたモーションアクチュエータが全作動範囲に渡ってワーク負荷応答性である作動速度の制御を可能にする。本明細書中に記載の技術は、少し例を挙げると研磨、研削、穴あけ、砥ぎ、バフ研磨、及び鋸切断などワーク材料を変更又は取り除く様々なタイプの作業面を、電動ツールの作業のすべてのタイプに適用可能である。これにより、作業面は、仕上げ面、切削面、機械加工面、研磨面、バフ研磨面、又は他の材料を変更している表面を含むが、これらに限定されない。作業面は、ドリルビットのような単一のアイテムであってもよく、又は研磨部品などを備えた複数の部品の組立体であってもよく、又はそれは追加の慣性を含むこともできる。電動ツールは、歯科医、皮膚科医、又は他のオペレータの生産性や技能を高めるように専門の医療電動ツールを含むことがでる。更に、ワークは歯及び皮膚のような生物学的表面を含むことができ、作業面は、歯のドリル、歯の研磨、皮膚のバッファ、又はいくつかの実施例のような皮膚除去パッドであっても良い。
【0010】
速度制御のワーク力の態様は、力検出器を有するワークを介してオペレータによりツールに課されている力(例えば、トルク力やレバレッジ力として)又は力のモーメントの検出から判断することができる。この新たな技術の一つの利点は、オペレータによる固定ワークに適用される電動ツールの改善された手動制御である。別の利点は、モーション作動作業面を有する固定電動ツールにオペレータによって手動で供給されたワークの取扱いの改善された手動制御である。このような改良された制御により、二次研磨、ホーニング加工、やすり仕上げ、又は他の作業を減少又は排除させ、現在は効率的ではない仕上げツールを用いて又は複数の機械操作によって一般的に手で仕上げられている技巧を凝らして作り上げた精密ワークを見事に作製することが可能となる。さらに別の利点は、電動ツールの操作の安全性を向上させることである。
【0011】
既存のツールの例として、例えば固定速度研磨機のように、研磨ディスクは一般的に高速で回転するので、制御されていない接触圧力及び位置合わせのため偶発的にワークをえぐる、損傷する、切りすぎる、又は作り損なうことを避けるように、オペレータは慎重に又は軽くワークを研磨ホイールに保持する必要がある。これは、2つの問題を提起する。まず、十分なワーク係合力がない場合、意図しないで材料を除去することなしに回転ホイールに対してワークを係合しながら、容易にワークの位置及び位置合わせを維持するために、オペレータは彼/彼女の優れた運動技能に依存しなければならないので手動制御が減少する。次に、いったん係合された場合、研磨ホイールに対しての位置合わせ又はワークの角度の一定の変化を維持することは、例えばワークの曲面部を微細に形成する際のように、同じ理由で困難である。増加した圧力が速やかに移動している定速度研磨ホイールに適用される場合、ワークはオペレータの手から飛ぶこともある。選択可能な定速電動ツールは低速で操作されてより大きいオペレータ制御を提供するが、効率は大幅に低い。 オペレータ制御された可変速ツールが存在するが、速度を制御するのにオペレータの手、足、又は膝の使用を必要とし、そして微細な作業を実行するのに必要な技能、器用さ、及び訓練の増加が必要である。
【0012】
概念と共に本明細書に記載されるいくつかの実施例では、ワーク力応答は、既存の電動ツールで可能であるよりも、より制御可能な作業速度を必要とする電動研磨ディスクを用いて手動でワークを技巧するように、繊細な電動ツールの操作に合わせることができる。一実施例では、オペレータは使用される圧力に応じて研磨ディスクの速度を上げる又は下げるように研磨ディスクの作業面にワークを押すことができ、そしてそれにより作業速度への即時の需要に応じて摩耗の速度を管理可能に制御する。作動速度の制御を担当するオペレータのこの能力は、所定の連続応答プロファイル(又は「感度プロファイル」又は簡潔のために本明細書で使用される「感度プロファイル応答」)を使用して行われ、そしてそれは単一値又は値の範囲内であっても良い。この感度プロファイルは、作業面上で検出された圧力の量、負荷、力、又は力のモーメントと作業面の作動速度又はツールの出力パワーのようなツールの応答との間の関係を説明している。感度プロファイル又は感度プロファイル応答は、一方で、ワークと作業面との間の派生力とオペレータによって観察された作業速度との関係は、「派生力」対「モーションアクチュエータ」のパワー関数、即ちモーションアクチュエータへのパワーが較正される又は他の点ではワークを係合するための作業面の推定作動速度を達成するために特徴付けられるパワー関数、として実行されることができる、
【0013】
複数又は「2つ以上」の感度プロファイル応答は、オペレータが新しい電動ツール用の感度プロファイル応答から選択するために利用することができる。例えば、オペレータは比較的平坦な低速遷移領域を選択することができ、領域はモーターの最大速度で漸増領域に切り替わり、更に徐々に平坦化領域に先細りする。所望の感度プロファイルを選択した様々な感度プロファイルの設定は、最小値又は初期速度から始まり、最終速度にまで及ぶ。
初期速度設定は、固定又はオペレータによって事前に設定され、ゼロ速度を含むことができる。最大速度の設定は、固定、オペレータによる事前設定、又はモーションアクチュエータの最大トルクによって管理することもできる。
【0014】
より一般的には、ワーク上で作動する電動ツールは、人又は機械のオペレータによって取り扱われる。ツールのモーションアクチュエータは、機械的にワークに係合するように構成された作業面に結合されている。コントローラはモーションアクチュエータに結合され、作業面の速度又は作業面にモーションアクチュエータによって供給されるパワーの量のいずれかを制御する。力検出器は、コントローラに接続され、オペレータによって作業面上にワークとの間に適用される力又は力のモーメントを表す力の派生量を表すように構成されている。所定の連続応答プロファイル(感度プロファイル又は感度プロファイル応答)で構成されたコントローラは、ワーク上の作業速度及びワークと作業面との間に適用される力の量又は力のモーメントを備えたモーションアクチュエータの速度の両方を、同時にオペレータが管理可能なように巧妙な処理で制御するのを可能にする。コントローラは、ワークが作業面に及ぼす力の量に関する感度プロファイルに基づいてモーションアクチュエータの作動速度を制御し、ワーク上の作業の特定の速度を達成するのに必要な力の量を増大させることができる(最大速度で作動する定速ツールに比較して)。従ってコントローラは、ゼロよりも大きく新しい電動ツールの最大速度における力の派生量よりも少ない力の実質的に全ての派生量で(最大速度で作動している定速ツールと比較して)低い作業速度を可能にする。
【0015】
力検出器が、ワークと作業面との間に適用される力の量、又は力のモーメント、又は圧力を表す信号を決定し出力する。この力は、ワークに係合する、及びワーク上に適用される圧力の少なくとも一部を転送するツールに圧力を加えるなどによって、直接的又は間接的のいずれであってもよい。ワークに適用される力を検出する、及び「派生力」を生み出すためのこのような検出力の評価又は表現を導出するいくつかの技術がある。1つの方法は、モーションアクチュエータの負荷(例えば力のモーメントなど)の変化を感知することであり、これはワーク上の「ワークロードの力」を表し、オペレータによって発揮される実際の力の関数である。別の方法は、モーターの種類に応じて、例えば、電流、位相遅れ、若しくは周波数のずれなどの電気モーターのパラメータに関連すること、又は他のパラメータを感知することである。もう1つの方法は、ツールの作業面上のワークの実際の力を感知することである。例えば、1つは(作業面の回転又は往復平面に対して垂直な)モーションアクチュエータの軸方向の力、又はモーションアクチュエータの半径方向の力のいずれかを測定するツールに歪みゲージを有することができる。また、それはワークに埋め込まれた(又はそれに接続され)力センサーを有し、コントローラに実際の力の量を中継することができる。「ワーク上の派生力」は、感度プロファイルの出力(
図3、5A及び5Bのy軸を参照)として、速度感度プロファイル又はパワー感度プロファイルを実装し、及びに(オペレータが観察することができる)ツールの予想作動速度を有するコントローラへの入力(
図3、5A及び5Bのx軸を参照)である。
【0016】
「派生力」とは、ツールに直接的又は間接的にワークによって及ぼされることを感知される又は測定される力の表現である。これを測定する方法に応じて、作業面上のワーク力、又はワーク力に起因するツール上の力のモーメント、又はこれらの力の組み合わせのいずれかを表すことができる。いくつかのツールでは、ツール上の力のモーメントは(他の要因にも依存しながら)軸力の関数であり、これらの場合オペレータによるゼロ軸力はツール上の力のモーメントはゼロの結果になる。力検出器は、必要に応じて、所定の連続応答感度プロファイルの設計に基づいてツール又はツールのセンサーの任意の非線形性を除去する、又は望ましい場合はそれらを維持するように、較正されることができる。さらに、検出され得るが、その「派生力」はオペレータによって及ぼされた実際の力の少なくとも部分的な関数となる複数のベクター又は力のモーメントが存在し、それは選択された感度プロファイルによって示されるそれに近い速度又はパワーレベルを制御するために使用される。いくつかの例では、オペレータは軸方向力又は径方向力を適用することができ、それはツールで瞬間に生じ、モーター電流又はフレームフレックスのような種々の手段によって測定することができる。同じコントローラは「派生力」が特定のツールに実際に感知される方法とは無関係に複数のツールと共に使用されることができるので、力検出器は、1つ以上のセンサー信号又は他の技術を使用して、オペレータがワークに適用した力を評価する、及びにアルゴリズム的に基準信号に対して操作することができるであろう。従って力検出器の出力は標準化され、オペレータがワークに適用する力の量が派生される方法とは無関係に所定の力の出力関数を表わすことができる。最小「派生力」とは、特定のツールの実装に基づいて、ゼロ又は任意の非ゼロ値であってもよい。
【0017】
感度プロファイル50が単調に増加しているならば、力検出器が派生力の増加を表す場合、コントローラは作業面へのパワーを増加する又は減少させないように(一般的に、それによって速度を上げ、いわゆる加速、又は速度を下げない)構成される。それはまた検出器が力の減少を表す場合、作業面へのパワーを減少させる(一般的に、それによって速度を下げ、いわゆる減速、又は速度を上げない)及び/又はモーターアクチュエータ14に制動を適用する。感度プロファイル50が単調に減少しているならば、力検出器が派生力の増加を表す場合、コントローラは作業面へのパワーを増加、減少、若しくは維持、及び/又はモーターアクチュエータ14に制動を適用するように構成されている。それによって一般的に速度が減少し(いわゆる減速)、力検出器が派生力の減少を示す場合、コントローラは作業面へのパワーを増加、減少、又は維持する(一般的に速度を上げる、いわゆる加速)ように構成されている。コントローラは、初期速度及び/又は最大速度の選択を可能にすることができる。作業面上のワークにオペレータによって適用される力の量に対する、所定の連続応答プロファイル又は感度プロファイルは初期速度と最大速度との間の範囲にのみ応答するように構成することができる。このツールは、オペレータによって選択された特定の所定の連続応答プロファイルを表す「2つ以上」の感度プロファイルの1つを適用するように構成された感度セレクタを含んでいてもよい。又は、ツールは連続的に可変の電位差計、若しくは感度プロファイルを変化させるユーザー入力として切り替えられた値を有するかもしれない。
【0018】
オペレータによって観察された実際の速度は、感度ファイルへの反映が正確ではないかもしれない。例えば、処理、慣性などによる、ノイズ、サンプリングの問題、部品の分散、及び時間遅延を除去するために、いつモーションアクチュエータへのパワーを変更するかを決定する場合に、コントローラ内に履歴現象があるかもしれない。他のエラーが部品の分散及び摩擦損失によって発生する可能性がある。また、コントローラは感度プロファイルを実装する過程において、一般的に測定及び反応する時間を要する。また、作業面及び作業面に取り付けるアセンブリは、新しい速度値までへの収束の速度を落とす非ゼロ慣性を有する。従って、所望の感度プロファイルから時間的なオフセットになる可能性がある。さらに、電動ツール10が例示する1つの利点は、オペレータが必要に応じてワークの圧力を調整して管理可能な所望の速度及び作業速度を得るので、オペレータによって観察された実際の速度を所定の連続応答プロファイルに完全には一致させる必要がないことである。従って、コントローラは、モーションアクチュエータの速度を十分な時間内で適合させるように構成されることができ、実質的にオペレータが、加速及び減速の両方の下で、オペレータがワーク上で作業面に及ぼす適用される力に基づいて、ワーク上の作業速度を管理可能なように巧みに制御できるようにする。
【0019】
従って、本明細書に記載される概念は、職人の天性の細工をする能力を機械で作られた作品にまで拡張することができる電動ツールが、芸術作品の創作又は正確な実利品の作成に必要な労力、時間、及び構想を削減しながら趣のある作品の量、種類、及びに概念を拡大することを可能にする。実際には、1つ以上の所定の連続応答プロファイル又は感性プロファイルは、モーションアクチュエータ、コントローラ、及び力検出器の任意の電気的、機械的、又はその他の公差が職人オペレータの巧みな制御によって補償されることを可能にする。オペレータがモーションアクチュエータ制御システム内のフィードバックに寄与することを可能にすることによって、職人のオペレータの能力と生産性が増加しただけでなく、不要な公差、摩耗因子、又は他の機械の不正確さをオペレータの巧みな入力によって補償することもでき、それによりツールの継続的なメンテナンスを少なくすることができる。追加ボーナスは、より低い平均作動速度によってエネルギーの節約もされ、それにより更に運用コストが削減されることである。
【0020】
図1は、本明細書に記載の概念を実装する作業面16を有するツール10の実施例を示すブロック図である。作業面は、研磨面、ドリルビット、鋸刃、ナイフの刃、研磨面又は他の材料の仕上げ面であることができる。ツール10は、オペレータ12に作業面16に力を伝達するワーク28上にオペレータ力30を適用させること、又はオペレータ12にツール10上にオペレータ−ツール力21を適用させることのいずれかにより、ワーク28上で作動する作業面16を作動させ、そして、そのツールは間接的にワーク28上の力を間接的ツール力23Aを介して作業面16へ、及び23Bを介して作業面16からワーク28にその力を加える。ツール10は作業面16を含むことができ、それはツールワーク28を係合するように構成されているが、ツール10は交互に必要に応じて交換することができる作業面16と結合するように構成することができる。モーションアクチュエータ14は、作業面16に結合される37。モーションアクチュエータ14は、少し例を挙げるとブラシレスDC、ブラシ付きDC、単相若しくは多相交流AC、空気圧モーター、又は油圧モーターのような回転モーターであることができる。またモーションアクチュエータ14は、少し例を挙げると電気ソレノイド、往復動式モーター、空気圧リニアアクチュエータ又は油圧リニアアクチュエータなどのリニアアクチュエータであることができる。
【0021】
コントローラ20などのコントローラはモーションアクチュエータ14に結合され36、作業面16にモーションアクチュエータ14によって供給されるパワー又は速度の量を制御する。力検出器18はコントローラ20に結合され、作業面16上の力、負荷、圧力を表す力の値34を受けるように設定されている。そしてオペレータ12は、ワーク28から作業面16上に適用し、派生力35を表す信号を出力する。加速及び減速の両方の下で、コントローラ20は力の派生量と作業面の作動速度との関係を表す固有の又は明示的な感度プロファイル50を含むことができる。またコントローラ20は、オペレータ12が同時に作業面16でワーク28上のオペレータ12によって適用される力の量に所定連続応答感度プロファイル50(
図3、
図5A及び5Bを参照)に基づいてワークからの作業速度及びモーションアクチュエータ14の速度の両方を巧妙に制御するのを可能にする感度ファイル50を実装する感度コントローラ19も有することができる。
【0022】
コントローラ20は、コントローラ20及び力検出部18が第1の所定量以上の力の増加を決定した場合には、モーションアクチュエータ14を介して作業面16の速度又は作業面16へのパワーを増大させるように、及びにコントローラ20と力検出器18が第2の所定量以上の力の減少を決定した場合には、作業面16へのパワーを減少させるように、構成されることができる。
【0023】
力検出器18は、オペレータ12がワーク28に適用する直接的な力30(又は間接的な力21及び23A及び23B)の量が導出される方法とは無関係に所定の力− 出力関数を表す標準化された力検出器でよい。例えば、ワークに適用される直接的な力30(又は間接的な力21及び23A及び23B)の量を検出するいくつかの方法がある。例えば、モーションアクチュエータ14上に回転トルクセンサーがあってもよい。代わりに歪みゲージを作業面に適用される線形又は回転の力を感知するために使用することができる。ワーク内の又はワークに取り付けられた歪みセンサーは有線又は無線信号を力検出器18へ送信することができる。空気圧又は他の流体ベースのシステムが油圧装置のように使用される場合は、空気圧又は油圧を検知し力検出器に送信することがでる。加えて、電気モーションアクチュエータが使用される場合、電圧センサー、電流センサー、パワーセンサー、周波数センサー、位相センサー、又は他の電気的特性のセンサーを使用することができる。従って、オペレータがワークに適用した力を感知するか、又はそうでなければ導出する多くの異なる可能な方法があるので、コントローラ20のプログラミングは必ずしも異なる種類の実装のために更新する必要がないように、力検出器は受信した信号を標準的なフォーマットに変換してもよい。
【0024】
ツール10のモーションアクチュエータ14、作業面16、又は作業面16に取り付けた回転アタッチメントが高い慣性運動量を有する場合は、ツールのモーションアクチュエータ14はブレーキを含んでいてもよい(
図4中の17、19)。コントローラ20は、コントローラ20が速度を低減する必要性を判断した場合に、少なくとも部分的にブレーキ(17、19)を適用するように構成することができる。また、減速の必要性が判断された場合、ツール10のコントローラ20は、交互にブレーキ(17、19)及びモーションアクチュエータ14へのパワーの量を適用するように構成することができる。ブレーキ又は他の減速機構は、ツールオペレータがワーク上の作業速度及び作業面の作動速度の両方を同時に管理可能に変更するのを可能にするのに十分な時間でモーションアクチュエータ14の速度をコントローラ10が調整するのを、ツールの可動部品が高慣性運動量を持っている場合でも可能にする。
【0025】
コントローラ20を構成する他の可能性が考えられる。コントローラ20は、初期速度入力39を介して初期速度セレクタ24を使用する最小速度として、及びに最大速度入力32を介して最大速度セレクタ26を使用する最大速度として、初期速度の選択を可能にすることができる。作業面でワーク上に力の量が適用される感度プロファイル50(
図3参照)は、選択された初期速度と選択された最大速度との間の範囲でのみ変化するように構成されることができる。しかし、オペレータの好み及びワーク上で実行される作業の種類に応じて、オペレータがそこから選択できる複数の感度プロファイル50(
図5A、5B、及び5C参照)が存在しうる。この選択は、感度入力38を介して感度セレクタ22を用いて行われることができる。感度セレクタ22は、所望の所定の連続応答50を表す2つ以上の感度プロファイル(
図5A及び5Bの例を参照)の1つを選択して適用するように構成することができる。感度プロファイル50は、ワーク28上の派生力と測定された速度又はモーションアクチュエータ14に適用されるパワー(プロキシとして)との間の関係を表すことができる一方で、ツール10のコントローラ20は、モーションアクチュエータ14へのパワーをデジタル計算、基準ルックアップ、又は表で感度プロファイル50を近似する複数の時間間隔に渡る個別のステップで制御することができ、作業面の作動速度を設定する。コントローラ20が感度プロファイル50を使用することにより、モーションアクチュエータ14の任意の公差及び他の変動性、コントローラ20及び力検出器18を、オペレータ12の巧みな制御によって、彼/彼女はその職人技又は熟練した能力をワーク28又はツール10に適用するので、補償することができる。
【0026】
モーションアクチュエータ14へのパワー源が、電気式、又は電気式、空気圧式、油圧式、若しくはそれらの組み合わせのハイブリッドであるよりもむしろ空気圧又は油圧式である実施例では、コントローラ20は、対応する電子制御の類似物である空気圧、油圧、又はハイブリッドロジックのコントローラであってもよい。例えば、システム内の力検出器18としての油圧又は空気圧トランスデューサは、トルクや軸力を感知することができる。そしてこの力検出器18は、いくつかの非電子コントローラ20の例を挙げると、油圧又は空気圧増幅器、直接制御のための比例弁、及び流量調節器又は圧力調整器など、様々な空気圧又は油圧コントローラを制御することができる。これらのコントローラ20のいくつかの中で、感度プロファイル50はシステムの設計が固有であり、並びに加速及び減速の両方の下で派生された力の量と作業面の作動速度との間の関係を表わすことができる。他のコントローラ20の中では、感度コントローラ19は明確に感度プロファイル50を実装することができ、オペレータの好みや作業の要件のために感度プロファイル50の較正又は選択を可能にする。
【0027】
図2は、作業面16に結合された、モーター14’(モーションアクチュエータ14)を制御するコントローラ20を有するツール10’の別の実施例である。本実施例では、コントローラ20は最大速度セレクタ、最大速度セレクト26、及び最小速度セレクタ、初期速度セレクト24からの入力を受け入れるモーターコントローラ40を有する。コントローラ20は1つ以上の感度プロファイルに備える感度セレクト22から入力を受け入れる感度コントローラ19も含む。モーターコントローラ40は、パワーをモーター14’に供給するために使用されるモーター駆動ユニット42に結合されている。コントローラは、モーターの速度を落とすためにモーター14’に結合するブレーキ駆動44ユニットも有する。いくつかの実施例では、ブレーキ駆動44は必要とされないかもしれない。モーター駆動42及びブレーキ駆動44の両方のいずれかは追加の感度プロファイルを含むことができ、制動及び加速に適切に反応するのに役立つ。
【0028】
モーター14’は、力検出器18に結合されている。力検出器18は、派生力35を生成するモーター負荷のプロキシ力値34’としてモーター電流を測定して、オペレータ力30がオペレータ12によってワーク28に適用されるものを決定する。力検出器18又は力検出器18を用いるコントローラ20は、オペレータ力30又はその推定の変化率(1次微分)を決定し、及び/又はオペレータ適用力又はその推定値の変化率(2次微分)の比率も決定することができる。オペレータが適用した力の変化率及び変化率の比率の両方は、正又は負であり得る。いくつかの例では、力検出器18への入力が1つ以上の異なったセンサーから入り、又は他の検出メカニズムが互換性のある標準的な出力をコントローラ20へ提供することもできるように、この力検出器18は派生力35の標準化された出力を有してもよい。オペレータ12は、ワーク28からの作業面16の速度43若しくは仕事31(この実施例では材料除去)の速度のいずれか又はその両方を観察することができる。所望の作業速度を得るために、いくつかの構成では、ツール10の速度を変えるためにオペレータが作業面上のワーク28の位置、及び/又はワーク上でアサートされた力を調整することができ、ツール10の速度を変える。
【0029】
感度セレククト22、最大セレクト26及び初期セレクト24はスイッチ、ポテンショメータ又は他のデバイスを含み、複数の又は変数の選択を可能にする。必要又は所望であれば、アナログからデジタル(A/D)又はデジタルからアナログ(D/A)変換回路は最大セレクト26、初期セレクト24、感度セレクト22及とコントローラ20との間で実行されることができる。コントローラ20への及びコントローラ20からの他のインターフェースは信号フィルター、D/A、又はA/D回路を含む。
【0030】
図3はオペレター12によってワークに適用された派生力35に基づいてオペレータ12によって作業面16の観測された速度を詳述する実施例の図である。コントローラ20は、派生力35に基づいて、制御範囲54内でモーター14’を制御するように構成されることができる。制御範囲54はゼロ(無)派生力と最大派生力59との間に制限されている。
図3の実施例は、初期速度55に対応する開始派生力が無又はゼロ、及び最大速度56に対応する最大派生力を示し、開始派生力はゼロより大きく、最大派生力はツールの最大可能な派生力より小さいことができる。制御領域は、検出された最小派生力がない又は最小派生力35が検出された時の初速55と検出された最大派生力35が検出された時の最大速度56との間に制限される。ツール10のいくつかの実施例では、これらの範囲は所定範囲であるかもしれない。他の実施例では最大速度及び初期速度の1つ又は両方はオペレータ又は他の人又はデバイスによって設定されることができる。初期速度55においてモーターの非効率性を表すゼロではない最小派生力、他の摩擦効果、又はノイズフロアが存在し得るが、ツール10にパワーが供給され、ワーク28が作業面16と接触していない場合には、派生力は通常無し、又はゼロ(0)であると判定される。これは、コントローラが初期速度55でツール10を作動させるモーター14’(又は他のモーションアクチュエータ14)へパワーを出力するという結果になる。最大速度56に達する場合、ワーク28上でオペレータ12によって及ぼされるオペレータ力30がサンプリングされる又は他の方法で導出されるので、モーター14’の速度は、感度プロファイル50に従ってコントローラ20によって、モーター14’に供給されるパワー量を変えることによりゼロ派生力と最大派生力59との間に調整される。本実施例では、最大速度56に達すると、コントローラ20の応答は未定義57であり、様々な実行に応じて変化することができ、最大速度を維持する、減少する、又は最大モーターリミット58に増加することができるかもしれない。他の実施例では、課せられる最大速度56がないかもしれない。そして最大モーター限界58における最大派生力59に到達するまで、コントローラは感度プロファイル50に従うであろう。いくつかの実施例では、モーションアクチュエータ、コントローラ、力検出器、又は設計による分散によって感度プロファイル50は感度プロファイル範囲51であることができる。即ち、実装された感度プロファイルは分散又は意図的に単一値応答をいつでも持っているとは限らない。例えば、いくつかの実施例では、電磁干渉(EMI)を低減する又は制御システムの安定性に役立つために、感度プロファイルの範囲は感度プロファイル応答に対してランダム成分を有するように設計されてもよい。
【0031】
図4は、1つ以上の制動機構を有するモーター14’として構成されたモーションアクチュエータ14の例示的な図である。制動機構の1つのタイプは、カップリング13を介して作業面16に結合されたモーター軸11を遅くする摩擦力を介して作動する機械式ブレーキ17であってよい。代替的に又は機械式ブレーキ17に加えて、1つ以上の電気式ブレーキ19は、ロータ15に逆起パワーを適用するのに使用されることができる。機械式ブレーキ17は空気圧式及び油圧式部品を用いても実行されることができ、また、電気式、機械式、空気圧式、又は油圧部品のいくつかのハイブリッドであっても良い。作業面が本体又は高運動量若しくは慣性力を有するアセンブリに接続されている場合は、ツールの種類に応じて、単にモーターへのパワーを低減しても、ツールがオペレータのワーク28上の負荷の変更に適切に応答するのに十分ではないかもしれない。異なる又は同一の時間間隔で間欠的なパワー制御とともに制動を使用することにより、コントローラ20は素早く応答し、ワーク上の派生力を利用して
図3のような感度プロファイル50にモーターの速度を一致させることができる。コントローラ20を感度プロファイル50に基づいてモーターの回転速度にすぐに一致させることにより、オペレータは、単一な力をワークからツール10の作業面16上に適用することにより、ワーク上の作業速度及び作業面の作動速度の両方を同時に管理可能に変更することができる。
【0032】
図5Aは、異なるツールの作動特性を提供する種々の可能な感度の選択プロファイル50の実施例のグラフ(例えば、61、62、63、64、65、66、67、68、及び69)である。他の感度選択プロファイルは、これらの実施例以外でも可能である。更に、付加的な感度プロファイル又は制動及び加速を制御するために使用されるルックアップテーブルがあってもよい。いくつかのツールの実施例では、オペレータが派生力範囲33に沿った派生力35、及び初期速度24と最大速度26、両者は調整可能であるが、との間でそれぞれのモーションアクチュエータ速度の組合わせを選択することができるようにする2つ以上の感度プロファイル50があってもよい。従って、制御システム20は、オペレータが選択可能である複数の所定の及び予め設定された速度−力の曲線のうちの1つに従うことができる。感度プロファイル50は正の傾きの実質的に単調に増加する曲線群(しかしいくつかの例では、ある負の勾配、単調に減少する領域も有することができる)であってもよく、予め決定された単一値(各々のX軸の値に対して1つだけのY軸値)連続応答であり、その連続応答において曲線の制限が初期速度24と初期速度24より大きい最大速度26との間で決定されることができる。いくつかの実施例において最大速度26はモーター又は他のモーションアクチュエータ14の最大の許容されるトルクに対応する。最大速度26及び初期速度24の調整は感度プロファイル曲線をクリップするのではなく、下限速度及び上限速度の境界をちょうど設定すると、コントローラ20は感度プロファイル従って初期及び最大速度境界内で適宜に感度プロファイルを調整する。
【0033】
一実施例として、感度プロファイル50が曲線の最初の部分が、下側のテーパーの付いたプロファイル64のように、負荷に対して比較的平坦であることにより選択されるなら、例えば木製だぼの端のようなワーク28は、作業面とワークとの位置合わせのために適切な圧力と遅い有限初期速度で回転する研磨機に最初に押し付けられる。この速度−圧力又は速度−負荷の関係によりオペレータ12は、従来の研磨機や研削盤のように急速に移動する研磨面との摩擦の原因によりワーク28が位置合わせからぐっと動いたり又は外れることなく(又はオペレータ12のグリップから)ディスクの作業面16に対して確実にワーク28を保持し、位置合わせすることができる。もしも研磨ディスクがワークと最初に接触している時に急速に回転した場合のように、この下側のテーパーの付いたプロファイル64はまた、えぐり又はさもなければ誤ってワーク28から不要な物質除去を引き起こすことを防ぐのに役立つ。従って、オペレータ12は、自信を持ってワーク28を握り、指と手首に十分な筋肉の力を加えながら制御を維持し、及びワーク28から任意の重要な材料の除去31の前に初期位置合わせを正確に行うことができるように十分な圧力で研磨ホイールに対してワーク28を押す。この下側のテーパーの付いたプロファイル64は、所望の作業速度を達成するために低速で及ぼされた力の範囲の拡大を可能にする。言い換えると、下側のテーパーの付いたプロファイル64は、新しい電動ツール10の初期係合速度以上の速度で一定の速度を有する従来の固定速度のツールに対して同じ力がワークに作用する場合より、ワーク上の特定の及ぼされた力の作業の初期速度を減少させる。
【0034】
従来のツールの実施例では、標準的なドリルビットを有する手持ち電気ドリルを扱うオペレータは、下穴又はセンターポンチのくぼみを利用することなしにドリルの先端を滑らかな表面を有する静止ワークに接触させることができる。通常ドリルモーターが係合された場合、ドリルビットの作業面は接触の初期点からそれる。この実施例では、ドリルはゼロの初期速度を有する。しかし、オペレータが表面上にドリルビットを係合しトリガモーター速度制御を押すと、モーターの速度は一定の最大速度に急速に増加し、表面に埋め込み穴を開始する代わりにビットが表面に沿って引っ張られるので、ビットが持ち上げられるか横方向にふらつく。多少これを制御するためにドリルが可変速度トリガコントロールを有する場合、オペレータはビットがふらつかないように部分的にトリガ速度制御を押してビットの回転を遅くする。しかし、オペレータが同時にドリルビットに圧力を適用する必要があり、それによりトルクは低速度で小さいためモーターを停止させることができる。
【0035】
本発明の電動ツール10の実施例はドリルの回転速度が、オペレータによるドリルトリガモーター速度制御を必要とするよりもドリルビットに適用される圧力によってモーターの負荷に対応できる。電動ツール10の実施例を使用する本実施例では、感度プロファイル50は低い値の第1の傾き、及び実質的に第1の傾きより高い値の少なくとも第2の傾き、例えば低いテーパーの付いたプロファイル64又は範囲の拡大した低いテーパーの付いたプロファイル63を有するように選択される。このプロファイル63は、派生力の増加に対応して非常にゆっくりと速度を増加させ、その後、派生力の狭い範囲上で急速に速度を増加させる。最初の係合の際に、オペレータはまず正確にゼロ初期速度でドリルビットを中心に置いた後、ワークに力を転送するドリルへの圧力を増加し始める。そしてコントローラ20は派生力の初期範囲上で回転速度を徐々に上昇する。負荷の増加と共にドリル速度を徐々に増加することにより、ビットがより高速でふらつかないようにしながら浅いくぼみを形成することができ、更にコントローラ20はビットが低速でワークに押し付けられた時、摩擦に打ち勝つのに十分に高いパワーレベルを維持する。オペレータ12がワーク28に適用する力の量を更に増加させるにつれて、ドリル速度は選択された感度プロファイル50に従って急速に最高速度へ増加する。このように、予め作られるガイド穴ができない場所のような表面に正確に穴があけられる。
【0036】
一実施例ではアーチ形プロファイル67は研磨又はバフ研磨において有利である。示すように、アーチ形プロファイル67は適用される派生力35と共に弧を描いて可能な最大派生力35よりは少ない最大速度に達する曲線を有する。アーチ形プロファイル67はその後より高い派生力35で少し低下して弧を描いく。最大派生力35で又はその近傍でワークを完全にバフ研磨する時及び作業する時、ワークが過熱する傾向がある。しかし、1つは研磨媒体の効率的な作動を可能にするために継続的な高圧が必要になる場合がある。アーチ形プロファイル67では、人が高圧及び適度な速度で研磨することができ、その後、圧力を減少することによって、より低い派生力35を有し、高速度及び低圧力の利点を持ち研磨剤を除去する、又は高速かつ低摩擦の結果としてより良い光沢を与える。従って、アーチ形プロファイル67は、作動速度がオペレータにより管理されワーク上の作業速度と作業面の作動速度とを同時に制御する第1の領域(第1領域)、及びオペレータがワーク上の作業速度と作業面の作動速度とを同時に制御することもできるが、低速及び高摩擦、より低い材料除去速度、又は限界のワーク温度で作業を行うためにオペレータが適用する力が増加するにつれて作動速度が減少する第2の領域(第2領域)を有することができる。アーチ形プロファイル67の第1の領域は単調に増加し、第2の領域は単調に減少する。従って、感度プロファイル50は、単調に減少する領域を有する少なくとも1つの領域を有し、及び派生力35と観測された速度出力との間の所望の応答に応じるより多くの領域を有する。アーチ形の高い点はいくつかの実施例においてオペレータによって設定され、他の実施例では、高い点は製造時に設定される又はコントローラ20に結合された追加のセンサー(図示せず)からの温度測定値に基づいてツールによって設定されてもよい。
【0037】
別の実施例では、第1のS字形プロファイル68は携帯式糸鋸のような往復動するモーションアクチュエータ14で有利であり得る。糸鋸の場合、刃の動きは往復運動し、従って、その往復運動の頻度はその速度としてオペレータによって観察される。オペレータ12はワーク上に糸鋸の刃を配置する場合、鋸モーターが係合される時、カットの開始時にふらつくかジャンプする。しかし、電動ツール10の実施例では、S字形プロファイル68のようなプロファイルを使用する携帯式糸鋸は力とともにゆっくり増加する速度の第1のセグメント(第1セグメント)、その後に力と共により速く増加する速度の第2のセグメント(第2セグメント)、そして力と共によりゆっくり増加する速度のセグメントの第3のセグメント(第3セグメント)が続く。このプロファイルにより、オペレータ12は、糸鋸のブレードを正確に係合させる、ワークとブレードを係合させるに必要などのような力でも適用する、そして往復運動するブレードがその速度を非常に増加させることなしに第2セグメントに到達するまで付加的な力を適用するがワークの厚さ又は硬さに応じて好ましい作業速度を保持することができる。オペレータが生産性と共により精度が必要とされるワーク材料内の領域に遭遇する場合、オペレータ12は、適用される力の量を増加させ、高速の材料除去の期間中の第2セグメントよりもさらに多くのオペレータ制御を可能にする第3セグメントを入ることができる。
【0038】
材料除去速度は、代替的に、当業者によって理解されるようにワーク送り速度のようないくつかのシナリオで参照される。使いやすさの範囲内で、モーター速度及び作業面16のような電動ツールの作業界面に対してワーク28へ適用される力の増加に伴って材料除去速度は増加する。非対称S字形プロファイル68の実施例の場合、速度−負荷の傾きの遷移値の選択によりオペレータ力30をワーク28にどの位適用できるかを決定することができ、材料除去速度及び従ってワーク28の成形に及ぶ微調整度を得ることができる。微調整度はオペレータ12の経験及び技術に関連する。特に、オペレータ12は、大きすぎず小さすぎない材料除去速度を達成するために手の器用さ及び経験に頼り最適な力をワーク28に適用する。この材料除去速度は、モーター速度の関数、例えばディスク研磨機の回転速度、及びワーク圧力であり、オペレータ12はモーター速度をワーク28に適用するオペレータ力30の量を介して制御することができる。有利には、オペレータ12がモーター14’に彼又は彼女にワーク28の最適な操作又は技巧を達成させる速度を与えるように指示することができる時に、オペレータ12のワーク28形成制御は強化される。電動ツール10の様々な異なった作業要求に最適な性能を可能にするために、実施例
図2の電動ツール10は、コントローラ20がパワー又はツールモーター速度を自動的に調整するように適合される1つ以上の感度プロファイル50を与える。
【0039】
いくつかの実施例では、特にデジタル又はディスクリートコントローラでは、感度プロファイル50は、計数又は定量値の連続プロファイルの1つに近似する階段状のプロファイルを有し、速度が階段状のプロファイル65のような力の1つの範囲では一定であるさまざまな範囲を可能にする。感度プロファイル50もまた、デジタルコントローラで実施される場合、デジタル化アーティファクトによって階段状プロファイルも有することができる。
【0040】
別の実施例では、第2のS字形プロファイル69は、第1のセグメント(第1セグメント)において力の小さい範囲で速度調整のより広い範囲を可能にした後に、力の変化により速度の変化がより少ない第2のセグメント(第2セグメント)が続く。これはオペレータ12が低速度でワークに係合することができるようにし、更に力を加えればすぐにほぼ一定又は僅かに速度が増加する広い力の範囲に渡るより高い速度範囲に落ち着く。実質的により大きい材料の除去が望まれる場合、オペレータ12は力を増大し、力の比に対して急速に増加する速度を有する第3のセグメント(第3セグメント)で操作することができ、オペレータ12は連続する速度制御が可能になるだけでなく、より高い生産性をも可能になる。いくつかの実施例では、スピード−力プロファイルは、派生力の範囲全体を通して直線プロファイル62又はデジタル近似65のように完全に直線であり得る。他の実施例では、プロファイルのおそらくちょうど上部は、テーパーの付いたプロファイル66の上部のように徐々に減少し、ツールの負荷限界に近づいているので、オペレータがより多く制御することが可能である。
【0041】
オペレータ12による選択のためのツール10に負荷された感度プロファイル50のセットを有することに加えて、ツール10の他の実施例はオペレータ12が調整する及び従って特定のジョブのために所望の連続的な応答の形状を予め決定することを可能にする。
この例では、オペレータ12が自由に感度曲線の形状を操作することができる。オペレータ12は、LCDディスプレイ等のディスプレイ上に一般的な速度−負荷、又は速度−応力感度プロファイル曲線を提示される。傾斜遷移点を移動するカーソルを使用して、オペレータが傾斜遷移負荷値を自由に選択でき、感度プロファイルの急速に増加する部分を拡大又は圧縮することができる。更に、オペレータは最大及び最小のモーター速度も選択することができ、速度−負荷又は速度−力感度プロファイルの垂直方向の範囲を変更できる。このように、電動ツール10の実施例は有利には、電動ツールモーションアクチュエータ14の速度を直ちに及び容易に調整して特定のワークの成形操作に合わせる技術を提供する。
【0042】
更に他の実施例において、多様な形状を有する感度選択プロファイル60’は、多項式を用いて、
図5Bに示すような1つ以上の変数を変化させることも可能である。このように、デジタルマイクロプロセッサは、何千ものルックアップ値を格納するためのメモリ要素の費用又は非有用性に頼ることなく、感度を算出することができる。Y=X
a+初期速度に基づくモーター制御感度プロファイル50を表す複数の数値曲線は、
図5Bに表示されている。これらの数値曲線はX
1、X
2等と表示され、使用される提起された多項式を示すが、実際の式はY=C
*X
a+bのようなスカラー及びオフセット値を含み、式中「a」は提起された多項式の値、「b」はオフセット値、「c」はスカラー値である。この例では、これらのプロファイル161−169はY=X
a+初期速度タイプの単純に提起された曲線群であり、指数「a」は一般的に0.01~100、及びより具体的には0.25〜8の任意の正の有理数である。従来の一定速度ツールは式Y=c
*X
0(X
0=1に注意)を有し、式中「c」は速度調整である。この実施例において、モーションアクチュエータ14の最大荷重及びコントローラの信号変換要件のような設計パラメータに基づいて、Xは無(0)からある所定の最大派生力までの派生力範囲33を有する派生力35軸を表す。値Yは、オペレータ12によって観測された作業面16の作動速度を表す。曲線群は2つの単純な多項式曲線によって囲まれた空間を定義し、1つは指数a=0.01及び第2はa=100を有し、ここで「a」は0.01と100との間の全ての可能な値をとり、囲まれた空間内でフィッティングする無限の数の曲線群を生成する。更に、Y=X
0.01及びY=X
100、式中X=0〜X
max=最大派生力、及びY=0〜Y
max=最大の観測された速度、によって定義された囲まれた空間は、囲まれた空間を有する任意の曲率の任意の曲線(
図5Aのような)を含むが、単純な多項式曲線だけを含むわけではない。従来の一定速度ツールのプロファイルY=c
*X
0は必ずしも含まれないのに対して、
図5Aの実施例のように、示された第1及び第2のS字形のプロファイル68、69は、Y=X
0.01及びY=X
100によって区切られた空間内に含まれるであろう。
【0043】
したがって、いくつかの実施例では、オペレータ12が選択可能となった感度プロファイルの数は2つ以上のプロファイルの有限数に制限される。これらの感度プロファイルを物理的な(有形の)非一時的記憶素子で保持されるデータ構造を介してデジタル形式で表すことができ、データ要素は複数の一次元のサブアレイを含む多次元配列を含み、各々のサブアレイは、一連のマイクロプロセッサ可読データ要素含み、データ要素の各々は、マイクロプロセッサユニットによってデジタル−アナログ変換部へ搬送されるバイナリ又は他の符号化された値を表し、アナログ電圧又は電源信号としてコントローラ20に出力する。各サブアレイ内のバイナリデータ要素の集合は、感度プロファイル50として選択されて使用するための事前に計算された感度プロファイルを表す。代わりに、感度プロファイルは、コンピュータ読み取り可能なコードの方程式又はアルゴリズム、又はアナログ電子的、空気圧式、油圧式、又は他の機械的手段によって表すことができ、及び作動中に実行されることができる。
【0044】
図6A及び
図6Bは、感度プロファイル50のためのコントローラ20を備えた電動ツール10の例を実現するための2つの例示的な方法の「アルベルティアルゴリズム」のフローチャート70及び70’である。コントローラ20は、オペレータ12によってワーク28上に及ぼされた力の量の導出を助ける1つ以上のセンサー又は他の検出技術に結合することができ、力検出部18をエミュレート又は仮想化する。例えば、力検出器18はツールにかかるモータートルク及び軸方向又は半径方向の荷重のような機械的負荷を感知するセンサーからの入力を受信することができる。他の実施例では、力検出器18は、モーター電流、モーター回転数(速度)、油圧、空気圧、音響波形、又は光信号の検出を可能にする電気信号を受信してもよい。コントローラ20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、アナログ処理、ラダーコントローラ、アルゴリズム制御ユニット、ハードコードされた論理回路、フィールドプログラマブルアレイ、ステートマシン、又はそれらの組み合わせを含むことができる。一実施例では、コントローラ20は、一定の時間間隔で、又は代替的にセンサー入力で検出された変化に基づいてイベント駆動信号で信号を生成するクロック回路を有している。クロック信号が使用される場合、センサーは任意の選択された時間間隔tでサンプリングされる。例えば1/10秒ごと又は100ミリ秒ごと、1ナノ秒から複数秒までの任意の値が可能であるが、特に1/100秒若しくは10ミリ秒ごと、又はセンサーが間隔tごとに複数回サンプリングしてから現在又は過去の値セットと平均化又は処理し、使用される値に到達することができる。
【0045】
各時間間隔tにおいて、コントローラ20は開始ブロック71からルーチンを開始し、モーションアクチュエータ14及び作業面16の速度を調整することができる。最初に、力検出器18は力を導出するブロック72内のワーク28に及ぶ力の量を測定し、派生力35を作り出す。コントローラ20は、有形非一時的なコンピュータ可読媒体を有し、その中に以前の、現在の、及び将来の派生力を格納することができ、そこで変化率が発生している速度である、派生力の変化率を決定することができる。また、フィルタリングを適用して不要なノイズ又は発生する可能性のある他のエラーを取り除くことができる。派生力が力を導出するブロック72で測定された場合、それは、1つ以上の前測定値(デルタ−Δ)と比較して、第1の所定の閾値まで判定ブロック73に派生力が増加しているかどうかを決定することができる。派生力が第1の所定の閾値以上に増加している場合、現在の選択された感度プロファイル50(感性プロファイル50領域を増加又は減少させる応答に基づいて増加又は減少)又は感度プロファイル50を制定する機能に基づいてコントローラ20は、
図6A中のブロック76で速度を増加又は減少させて調整することができ、又は代わりに
図6B中のブロック76’でモーションアクチュエータ14へパワーを増加又は減少させて調整する。どちらの実施例でも、非効率性又は慣性の補正も行うことができる。非効率性や慣性の補正は、特定のシステムの特性に応じて正又は負、又はそれらの組み合せでもよい。感度プロファイル50は、コントローラ20によってアクセス可能なコンピュータ可読メモリに格納されてもよく、又はそれは、アナログ回路によって生成されA/D変換回路を介して又は比較器の使用によってコントローラ20によって読み出され、計算された値と比較して作られるかもしれない。一度モーターアクチュエータ14へのパワーが増加されると、フローは開始ブロック71に戻り次のtサイクルを待つ。
【0046】
派生力は決定ブロック73で第1の所定の閾値より増加されていないと判断された場合には、1つ以上の前測定値を使用して派生力が決定ブロック74で第2の所定の閾値より減少されているかどうかを判定される。派生力が少なくとも第2の所定の閾値まで減少している場合、コントローラは、現在の選択された感度プロファイル50(減少している、増加している、又は平坦な感性プロファイル50領域に基づいてそれぞれ減少、増加、維持)基づいて
図6A中のブロック77で速度を減少又は増加させて調整することができ、あるいは、
図6B中のブロック77’でモーションアクチュエータ14へパワーを減少又は増加させて調整する。再度、どちらの実施例でも、非効率性又は慣性の補正を行うことができる。第1の所定の閾値は、第2の所定の閾値との同じでも異なっていてもよく、両者はヒステリシスの形態として作動してツールの安定化を助ける。
【0047】
実装に応じて、パワーを減少させることによって適切に補償することができるよりも、モーションアクチュエータ14と作業面との慣性運動量がより存在してもよい。このような状況では、コントローラ20は、必要に応じて機械的又は電気的のいずれかの制動を提供することもできる。いくつかの実施例では、特にモーションアクチュエータが駆動及び制動の両方に共通の電動モーターのコイルを使用する場合、及びとりわけ派生力信号も電気モーターコイルに依存する場合は、交互に独立してパワー及びブレーキを減少させるのが必要とされ得る。交互にパワー低減及び制動は、単一の時間間隔t内で行うことができるか、又は選択されたt時間間隔期間に応じて別の時間間隔t内に、及びに検出された力の推移とモーションアクチュエータの定常状態への回帰との間でどのくらい遅延時間が発生するかの設計基準に応じて交互に行うことができる。パワー低減又はブレーキ機能が
図6Aのブロック77又は
図6Bのブロック77’で完了した後、フローは開始ブロック71に戻り次のTサイクルを待つ。
【0048】
力が第1の所定の閾値まで増加していない、又は第2の所定の閾値まで減少していない、又は変化率のみが所定のヒステリシス閾値の範囲内にあるとブロック75で決定された場合(ノイズ又は他の変動に起因する急激な変化を防ぐために)、
図6Aのブロック78内でモーションアクチュエータの速度、又は
図6Bのブロック78’内でモーションアクチュエータへのパワーが設定され、現在選択されている感度プロファイル50に基づいて維持され、フローがブロック71に戻って次のtサイクルを待つ。何らかの理由で、システムが電流が減少していない、増加していない、又は実質的に一定ではなく及びにアクションが現在とられてはならないと判断した場合は、フローはブロック71に戻り次のtサイクルを待つ。この閾値の設定は、制御システム内のヒステリシスの状態の安定性を高め、派生力35の変更が設計された閾値を満たしていない限り、不要な変更を加えずにオペレータが適用した力のわずかな変化を可能にする。
【0049】
パワー制御の実施例では、派生力35に到達する1つの方法としてモーターのトルクを測定し、パワー制御アルゴリズムを使用してモーターの速度(RPM)を変更することができる。パワー制御の説明を簡単にするために、そのシステムは、以下の実施例で非常に高い効率及び非常に低い回転慣性を有すると想定している。非効率性のために必要な高パワー出力(例えば、摩擦、モーターの非効率性など)などの様々な補償、又は慣性を補償する一時的なエネルギー補正(例えば、RPMの増加のための追加の駆パワー又はRPM減少のための追加された制動の追加など)は追加のアルゴリズムを使って行われるが、特にこれらの例のために考慮されるのではなく、当業者の者に知られているであろう。
【0050】
以下のパワーアルゴリズム及び任意の前述の補償は、有形非一時的なコンピュータ可読媒体から読み出された指示に従って、プロセッサにより実現してもよい。あるいは、パワーアルゴリズム及び補償は、予め計算され又は特定のシステムのために特徴付けられ及び有形非一時的コンピュータ可読メモリ内にルックアップテーブル、データベース、又はリストとして格納されることができる。さらに他の実施例のシステムでは、パワーアルゴリズムはアナログ形式で実装されてもよく、又は、所望の制御曲線に近似できる油圧、空気圧又は機械的な制御を含む固有のシステム・アーキテクチャの一部として設計されても良い。
【0051】
定義
T=測定されたトルク
Tmax=最大トルク
R=おおよその(未測定)RPM
Rmax=最大(未測定)RPM
P=出力パワー
初期速度=ゼロワークトルク(設定された、プログラムされた、又は物理的に組み込まれた定数)でのRPM
M=設計によって、あるいはユーザーの選択による正倍率
【0052】
実施例1:
ゼロトルク及び初期速度の点から最大トルク及び最大速度までの、所定の傾きM=(Rmax−初期速度)/Tmaxを有する直線を規定するパワー制御の例は:
【0053】
モーションアクチュエータへのパワー制御は、速度の関係を近似する:R=M
*T+初期速度
一般的なパワー方程式:
P=T
*R
望ましいRPM/トルクの関係:
R=M
*T+初期速度
【0054】
上記の式は、パワー制御式を取得するために組み合わせることができる。
P=T
*(M
*T+初期速度)
【0055】
トルクは派生力35を生み出すために使用され、及びRPMは観測された速度、パワーはこの2つを一緒に掛け合わせたものであることを考慮して、このパワー制御例は
図5Bの164に類似する直線になることに注意が必要である。トルクはXに、又は派生力35に類似していることを考慮すると、パワーに関しては、制御のこの形はまた
図6CのX
*Xライン170に類似している。
【0056】
実施例2
パワー制御の実施例は、ゼロトルクの点からのトルクと初期速度との、スケーリングされた2乗されたRPMの関係、望ましいスケーリング係数M、M=(Rmax−初期速度)/Tmax
2を有する、を規定する。最後の式においてTの代わりに、(K
*T+J)、式中KとJが最適な定数、で置換して使用することによりトルク値はスケーリングされることもできる。
【0057】
一般のパワー方程式は、
P=T
*R
望ましいRPM/トルクの関係は、
R=M
*T
2+初期速度
方程式を結合して得たパワー制御式は、
P=T
*(M
*T
2+初期速度)
【0058】
トルクは派生力35を生み出すために使用され、RPMは観測された速度であり、パワーは2つを掛け合わせたものであることを考慮すると、このパワー制御の実施例は、
図5Bの165に類似する線を実行することに注意する。パワーの点から、トルクはXに、又は派生力35に類似していることを考慮すると、制御のこの形はまた
図6CのX
*X
2ライン171に類似している。
【0059】
図7は、力検出器18、又は力検出器18を内蔵するコントローラ20は、センサー又は他のセンサーの信号を読み込みように使用され、標準化された派生力信号に変換する、実施例のフローチャート80である。ブロック81において、複数のセンサー及びインジケータの1つのセンサーネットワークからのパラメータは力検出器18によって読み取られる。ブロック86において、パラメータは、アナログ又はデジタル処理のいずれかにより予めフィルタリングされてノイズを除去し、異常又は非直線性を訂正し、スケールを変更し、又は望ましくない成分又は統計的誤差を除去する。ブロック82では、リードパラメータ、又はそのフィルタリングされたバージョンは、力検出器18によって操作されることができる符号化されたデジタル信号に変換される。そしてブロック83では、変換されたデジタル信号はアナログ又若しくはディジタルフィルタリング又はそれらの組み合わせを用いてフィルタリングされ、任意の不要なノイズ、部品、非直線性、又は統計的異常を除去する。ブロック84では、フィルタリングされた信号は、式、ルックアップテーブル、データベース、又は他の方法などによって数学的に標準的なフォーマットに変換される。そしてブロック85では、派生力はコントローラ20に送信される。
【0060】
図8は、一連の時間「t」の間隔91ためのコントローラ20のアクションの実施例であり、モーター電流がモーターのトルクに比例するシステムにおいてパワー低減及び制動の両方が発生する場合を説明する。また、イベント92、RPM93(モーター速度、未測定及びシステムに知られていないが理解するために含まれる)、モーター負荷94(未測定及びシステムに知られていないが理解するために含まれる)、測定された電流95、モーターコントローラモード及びPWM(パルス幅変調負荷サイクル)96、コントローラ情報97、及びRPMノート98は列に示されている。この単純化された制動実施例において、モーションアクチュエータ14は、定格2000RPM(毎分の回転数)及び2A(アンペア)のモーターである。この単純化された実施例において、コントローラは400mAと1100mAとの間で、例えば、製造時の特徴付けられたRPMがmAの電流と同じ値を持つように(図示されるように、負荷の変化のない期間の設定が可能になるまで、コントローラRPM応答は所望のRPMに遅れる)電流が線形である感度曲線を使用する。測定された電流の値95は派生力35としてこのシステムで利用される。オペレータ12はモーターの観測された速度に基づいてワーク28に及ぼす力を変えることができ、従って所望の作業速度に基づいてモーターの速度を変化させるので、速度もRPMの情報も本実施例のコントローラ20のアルゴリズムで使用されず、参照のためにだけ示される。この実施例ではモーターの電流は制動の間測定されることができないが、いくつかの実施例ではモーターの電流は制動の間測定されることができる。また、モーター上の負荷94は直接測定されない、及び参照のために示されアルゴリズムを説明するためにだけ役立つ。本実施例の負荷94はN
*cm(ニュートン−センチメータ)で表される力、又はトルクのモーメントである。
【0061】
本実施例において、最初にt=0で、オペレータ12はワーク28を作業面16に押し付け、モーターに100N
*CM(ニュートン−センチメートル)のトルクを発生させる。
ツール10は、1000RPM及び1A(1,000mA)で定常状態にある。そして次の0.5秒かけて、オペレータ12はワーク力33を50のN
*cm又は前のトルク負荷の1/2に減少させる。本実施例では、コントローラ20によって実行される制御ループは100ミリ秒間隔であるが、より一般的には10ms間隔であってもよい。しかし、発生する変化をより良く例示し、説明のために時間間隔の数を合理的に維持するために、より長い間隔が選択されている。本実施例における物理的システムは、サンプリングされた又は個別のステップで応答するように示されており、発生する変化を説明するのに役立つ非常に低い慣性を仮定している。本実施例では、いくつかの物理的効果は単純化され、数学は丸められた。モーター負担94(モーター負荷)はコントローラによって測定されず、むしろオペレータ制御に由来する条件として与えられる。モーター負荷94はN
*cmで表され、時間(t)91は100ms間隔であり、モーターへの測定された電流95はmA(1/1000A)で、モーターに適用されるパワーは完全(100%)の百分率として示された負荷サイクルにおけるパルス幅変調(PWM)96で表わされる。イベント92は、時間(t)91に関連したワーク28の作用を説明する。コントローラの注釈97はペレータ力の変化によりコントローラ20が実行したアクションの結果を示している。その他の注釈98は、コントローラのアクションに基づいて速度の期待RPM93を示している。
【0062】
時間t=0でツールは初期定常状態にあり、モーターのRPMは1000、負荷は100N
*cmである。モーターは測定した時1A又は1000mAを引き出し、コントローラ20はフルパワーの50%のPWM負荷サイクルでモーターを駆動している。この初期定常状態駆動PWM%の50%のPWM負荷サイクルは、格納された感度プロファイル50から導出される。
【0063】
イベント92で指摘したように、時間t=1において、オペレータ12は、モーター上で90N
*cmの負荷を生じるツールに対してワーク力を低下した。しかし、この低減された負荷はモーターの電流を900mAに低下させ、モーターの負荷は低減されているのでその速度は要求されるものとは反対の方向にある1100RPMに増加した。
【0064】
例えば、オペレータ12は、最初にツールに対するワーク力を減少させる時に、モーターは同駆動レベルを有しているが、より少ない負荷を経験し、おそらく速度を上げることができ、コントローラ20は、一般的にモーター速度を低減して感度プロファイル50にとどまるように反応する必要がある。摩擦、空気の流れ等による様々なツールの非効率性及び抗力は、作業面上で実際のワーク負荷と同様に望ましくないモーター速度アップに対抗するのに役立つが、この簡易化された実施例においてそれらは説明されない。更に、高い慣性モーメントを有するシステムの場合、スピードアップは減衰されるであろう。しかし、モーターへの望ましい低速の変更を強く要求する大きなワーク負荷を減少するために制動が必要とされ得る。例えば重い研磨ディスクを装着した場合、高い慣性モーメントを有するツールは、制動の恩恵を特に受ける回転運動エネルギー(RKE)に大きな変化が必要になる。それらのRPMを減少させるこのようなツールの場合、RKEの対応するロスがあるはずである。高いRPMの損失を実現するためには、RKEのより大きな損失によるより多くのエネルギー散逸を必要とする。オペレータが(モーター上の対応する負荷を減少する)派生ワーク力を低下させる場合に、高い相対RKE量を迅速に吸収する必要があるかも知れないいくつかの要因は:
1.オペレータがすぐに負荷を下げる、
2.大きな慣性モーメントツール、
3.高いツール速度、
4.ワーク派生力の損失は、選択された感度プロファイルの急勾配を横断して発生する、
5.RKE損失(即ち回転の低い摩擦係数、これはほとんどのシステムでも同様である、しかし、非効率により速度が自然に遅くなり、多くの場合、考慮される必要がないため、RKEの損失に比べて低効率を持つシステムはより少ない制動を必要とする)に対する高いシステム効率、及びに
6.オペレータが、負荷の大幅な減少を実行する、
である。
【0065】
いくつかの感度プロファイルはワーク力の削減のためのツール速度(又はRPM)の低減を必要とするので、上記の様々な要因の組み合わせは、制動によく適するエネルギー散逸を必要とするかもしれない。しかし、小さなRKEは、小型モーター負荷の変化により減少する、又は低速で発生する、又はゆっくりと起こり、又は選択した感度プロファイルの勾配が「浅い」(即ち、急な勾配ではなく、ゼロに近い勾配)場合に発生し、ワーク負荷、空気摩擦又はシステムの非効率性のような他の鈍化の要因のためには制動を必要としなくてもよい。このように制動指令は、発生する前の(本実施例における、現在の)派生負荷変化の最小の量を必要とするかもしれない。制動の実際のレベルは、上記の要因の任意の又は全てに左右されることがある。
【0066】
多くのツールの活性部分のRKE(例えば、サンドペーパーディスク、ディスクマウント、モーター軸などの作業面に接続されているすべてのツールの回転部品)は次のように記載される:
RKE=1/2
*I
*w
2
式中、
RKEは回転運動エネルギー
Iはツールの固定部分に対する慣性モーメント
wはラジアン毎秒における作業面回転速度
RPMはモーターの1分当たりの回転数で、そして1回転当たり2πラジアン及び毎分60秒である。
w=(2
*π)/60)
*RPM=(π/30)
*RPM
RKE=1/2
*I
*w
2=1/2
*I
*((π/30)
*RPM)
2=(I
*π
2/1800)
*RPM
2
【0067】
下位のRKEに移行するエネルギー量、例えばRPM1を有するRKE1からRPM2を有するRKE2、ここでRKE1>RKF2、は次のように説明することができる。
ΔRKE=(I
*π
2/1800)
*(RPM1
2−RPM2
2)
【0068】
このΔRKEは、RPMの変更のために散逸されなければならないエネルギーであり、従ってこのエネルギーは2つの回転速度の二乗の差に比例する。この「アルベルティアルゴリズム」はツール速度を測定する及びに反応するためのコントローラを必要としないので(いくつかの実装でそれができるかもしれないが)、多くのシステムのためのΔRKEを正確に知ることができない。しかし、近似はより高い制動PWMが必要とされる時を示す上記の要因に基づいて利用することができ、実行時(因子1,3,4,6)、又は製品の設計段階(因子2,5)で見いだされ、及びそれに応じて補償される。
【0069】
時間t=2において、コントローラ20は時間間隔の10%の制動時間を適用することによって補償し、900RPMへモーター速度を遅くする又は200RPM低減する。制動割合(PWM負荷サイクル)は、十分に感度曲線に収束するために、上記のリストから速度変化の速度、慣性、時間及びその他の考慮された要因を与えられるシステム用に予めカスタマイズされた。オペレータ12がワーク28に加えられた力を軽減し続けている一方、モーターの負荷が80N
*cmに低下する。他のシステムは電流を監視するように所定の位置に回路を持っているかもしれないが、しかしブレーキが適用されている時、このシステムは電流を監視しない。
【0070】
時間t=3において、コントローラは、制動がアクティブであるため格納された感度プロファイル50に基づいて目標パワーレベルの割合である25%のパワー負荷サイクルで再びモーターを駆動し始める。この時間中に、モーターを駆動することによりにモーター電流を測定することができ、700mAと決定される。
【0071】
コントローラ20はt=3で電流が減少し、このため派生負荷が減少していることを観測したため、時間t=4において、コントローラはほんの15%の負荷サイクルで再び制動を適用し、モーターの速度を700RPMまで減速し続ける。再び制動が発生しているために、モーター電流を読み取ることができない。しかし、オペレータがワーク力を減少し続け、この時点でモーターの負荷は60N
*cmである。
【0072】
時間t=5において、コントローラ20は、時間t=3における以前の駆動レベルの半分であるほんの12.5%の減少した負荷サイクルで、再びモーターを駆動し始める。この駆動は、500mAで測定される電流測定を可能にする。この測定された電流は、50N
*cmのワーク派生負荷の結果である。参考のためにモーター速度はまだ700RPMである。
【0073】
前回のサイクルt=5における電流が以前の測定サイクルt=3から減少することが決定されたように、時間t=6において、コントローラ20は15%の負荷サイクルで再び制動を適用する。この制動はモーターの速度を400RPMのレベルに達成させない。再び、これの制動サイクルにより、モーター電流は不確定である。しかし、オペレータ12は、50N
*cmのモーター負荷に関連付けるワーク28へ力を及ぼし続ける。
【0074】
時間t=7で、モーター速度が350RPMに減少し続け、コントローラ20はフルパワーの12.5%の負荷サイクルでモーターを駆動し続ける。電流測定はモーターから取得され、それは、500mAで50N
*cmのワーク派生負荷が測定される。負荷が今一定であるので、これはt=5の時間で測定された値と同じ値である。
【0075】
時間t=8では、電流95は実質的に一定であるので、コントローラは駆動負荷サイクルを感度プロファイル50及び電流95によって決定された値に設定する。そしてこの増加した駆動レベルは、500RPMの期待される安定状態レベルに追いつき始めるようにモーターを450RPMまでに速度を増加させる。
【0076】
時間t=9では、オペレータが50N
*cmのワーク荷重を加え続け、コントローラは以前の時間t=8における実質的に同じ500mAのモーター電流を測定し、コントローラはモーターを感度プロファイル50及び電流のレベルによって決定される25%の負荷サイクルで駆動し続ける。RPMは現在500RPMであることが示されており、オペレータがワーク28に多かれ少なかれ力を適用するまで、その速度で保持続ける。
【0077】
図9は、固定された速度で作動する研磨ツール及び異なった感度プロファイル50を有する力応答速度で作動するツールのいくつかの実施例の正規化されたおおよその材料除去速度対派生力の図である。本実施例では、固定された速度100はツールの最高速度にセットされ、「1」に正規化されている。作業面で検出される派生力は「X軸値」である。派生力で表されるように、材料除去速度(本実施例では、作業速度)は、おおよそ物理的な作業面軸におけるトルクの、作業表面のおおよそRPM倍である。従って、作動範囲内の任意の派生力の場合、最大の材料除去速度(mrr)はmrrプロファイル100、又は最大固定速度で作動するツールの場合、関数:X
*1である。ワークに最大限に係合している時にmrrプロファイル100の最大材料除去速度が得られる。ワークが係合していない時、mrrプロファイル100の最小の材料除去速度は0
*1又はゼロである。任意の力応答速度で作動するツールの場合、おおよその材料除去速度は係合の一貫した点における派生力「X」の感度ラインからの作業面のRPMを掛けたものである。したがって、mrrプロファイル102の場合、おおよその材料除去速度はX
*X
0.25として標識され、式中X
0.25は、関連する感度のRPMである。mrrプロファイル104の場合、おおよその材料除去速度は、X
*のX
0.5として標識される。同様に近似のmrrプロファイル106、108、110では、これらはそれぞれ、X
*X、X
*X
2、及びX
*X
4として標識される。
【0078】
ある所望の材料除去速度M1の場合、一定の最大速度でツールを作動する時、派生力F1が測定されることに留意する。全てのmrrプロファイル102、104、106、108、及び110の場合、それらの感度プロファイルは、ツールが、同じ所望の材料除去速度M1を達成するのに必要な(実際の力を表す)派生力の測定量を増加することができる。即ち、mrrプロファイル102の派生力F2はF1よりも大きい。同様に、F3はF1及びF2よりも大きい、F4は、F1−F3よりも大きく、F5はF1−F4よりも大きく、及びF6はF1−F5よりも大きい。mrrプロファイル102−110の各々は、所望のmrrM1を達成するためにツールの速度及び所望の材料の除去速度の両方を調整するように使用されることができる力の範囲を拡張し、オペレータが突然にあまりにも多くの材料を除去したり、又はワークを飛ばしたり、又はそうでなければツールの作業面に望まれるように正確に係合しないということなく、巧みに上手にワークを念入りに作りあげるのを可能にする。別の言い方をすれば、出発ゼロ力及び最大派生力エンドポイント以外の実質的に全ての派生力範囲の場合、材料除去速度は一定の最大速度で作動するツールのそれぞれの材料の除去速度よりも小さい。
【0079】
図10は、一定の最大速度で作動するツールと、電動ツール10が派生力に応じた速度を有することを可能にする2つの力応答感度プロファイルで作動するツールとの間の異なる材料除去速度比を例示する別の図である。X軸は利用可能な最大力が「1」に設定された正規化された派生力35’であり、最小力はちょうど「0」の上にあり、又はグラフに示すように「>0」である。比は0/0でゼロをゼロで割ることはこの場合には定義されていないため、ゼロはX軸上に示されていない。これらの力のエンドポイントは、力応答ツールの最大速度及び初期速度に対応し、特にこの実施例では、初期速度は最高速度の5%である。Y軸は一定の最大速度で作動するツールと感度プロファイルを使用して力応答力(FR)方法で作動するツールとの材料除去速度(作業速度)の比である。ここでツールが一定の最大速度で作動している時、材料除去速度は、
図9のmrrプロファイル100に従う。ツールが
図9のmrrプロファイル106のような力応答の方法で作動している場合、それは異なった材料除去速度対派生力を有する。
図10のプロット120は(mrrプロファイル100)/(mrrプロファイル106)の(X
*1)/(X
*X)の比を示す。正規化された派生力35’がゼロ力に近づくにつれて、mrrプロファイル106は、20倍より少ない材料を除去する。正規化された派生力35’が「1」に近づくと、各場合に同じ最大速度でツールが作動するためmrrプロファイル106はmrrプロファイル100と同じ量の材料を除去する。正規化された派生力35’の範囲の約45%で、mrrプロファイル100で作動するツールに比較してmrrプロファイルはまだ材料の1/2を除去することができる。力の分散(全作業負荷力の0から45%まで)の相当な量はオペレータによって技巧、並びに作業速度及び作業面の機能的速度を非常に制御するのに使用され、まだ、正規化された派生力範囲の半分より多く(45%〜100%)を有し、速い材料除去が更に可能なところでツールを作動する。即ち、作業負荷力の正規化された派生力の少なくとも10%は、等価な作業負荷力におけるツールの最大速度59における作業速度(mrr)に対して作業速度(mrr)を少なくとも1/2削減することが可能である。生産性は増加し、ワークは、高い作業速度(mrr)及び作業の精密仕上げをそれぞれ達成するために第1の電動ツールと仕上げツールとの間で転送される必要はもはやないであろう。
【0080】
図10のプロット122は正規化された力の範囲がワークをうまく処理するために更に拡大される別の実施例を示す。この実施例において、
図9からmrrプロファイル100及びmrrプロファイル108を使用する場合、比は(X
*1)/(X
*X
2)である。再び正規化された派生力35’がゼロに近づくにつれて、mrrプロファイル108を有するツールはmrrプロファイル100(一定の最大速度)の場合と同様に、材料の1/20の量を削除している。しかし、mrrプロファイル108を有するツールの場合、mrrプロファイル100のようにオペレータはツールに材料の1/2量を除去させる前に、0〜70%の範囲の力を適用することができる。mrrプロファイル108はオペレータがプロファイル100と同じ速度で大量の材料を除去する能力を可能にするだけでなく、ワークを見事に仕上げるための又は基準を厳格に運用するための制御の範囲を拡張する。例えば、ワーク28上で作動する電動ツール10はワーク28と係合する作業面16に結合されたモーションアクチュエータ14を含む。モーションアクチュエータ14に結合されたコントローラ20は作業負荷力を表す信号35を受信し、ワーク28は作業面16上で実行する。コントローラ20は、a)第1の力における初期速度55と第2の力におけるツールの最大速度59との間で作業面16の機能的速度を設定するだけでなくまた、b)第1の力よりも大きく及び第2の力よりも小さいすべての作業負荷力において、同等の作業負荷力でツールの最大速度59における作業速度に比べて機能的速度で作業速度を低下させる。更に、第1の力と第2の力との間の力の範囲の少なくとも10%(パーセント)が変化する場合、機能的速度での作業速度は、少なくとも2倍低下する。
【0081】
図11は、作業面16を使用して本明細書に記載の概念を実現することができる既存のツール110の制御システム120の例示的なブロック図である。アングルグラインダーなどの多くの既存のツール110は、ラインパワー入力112から直接運転するか、又は既存のツール110の速度がツールに入力ライン電圧のレベルに従うように設定することができる。
【0082】
ツールのこれらのタイプは、モーションアクチュエータ14として一般的にユニバーサルモーター又はブラシ付きDCモーターを使用して作られている。ユニバーサルモーターのトルクは電流の2乗に応じて変化する。ブラシ付きDCモーターのトルクと電流は直接的な関係を持っている。しかし、既存のツール110のモーションアクチュエータ14の各場合において、オペレータ12によってワーク28上に加えられる力の量は、パワー制御出力114において既存のツール110に適用された電流のような1つ以上の電気的特性を監視することによって検出し、導出されることができる。異なるツールが異なる電流レベルを引き出し、異なるトルク−電流関係を有するように、コントローラ20は様々な既存のツール用にカスタマイズされ及び/又は較正されることができる。
【0083】
既存のツール110のモーションアクチュエータ14は、オペレータ12に作業面16に力を伝達するワーク28上でオペレータ力30を適用させることにより又は、オペレータ12に既存のツール110上にオペレータ−ツール力21を適用させる及び既存のツール110が間接的にその力をワーク28上に適用することにより、間接的なツール力23Aを介して作業面16へ及び23Bを介して作業面16からワーク28へいずれかによってワーク28上で作動する作業面16を作動させる。既存のツール110はワーク28と係合されるように構成された作業面16を含むことができる。既存のツール110は、必要に応じて交換することができる作業面16に結合するように構成されてもよい。既存のツール110は、作業面16に結合される37にモーションアクチュエータ14を含む。
【0084】
このようなコントローラ20のような制御装置は、パワー制御116回路に結合され36、パワー制御出力114によって既存のツール110及び作業面16に供給されるパワーの量を制御する。このパワー制御は一般的に電圧出力を制御することにより行われるが、電流及び相、又はそれらの組み合わせを制御することも可能である。力検出器18は、力値34を介してパワー制御116回路に結合され、力検出器18は、既存のツール110に供給される電流、電圧、パワー、又は相の1つ以上を検出するために使用される。力値34は、オペレータ12が作業面16上のワーク28に適用する作業面16上の力、負荷、又は圧力を表わす。力検出器18は力値34を受信し、派生力35を表わす信号を出力するように構成されている。制御装置20は、中央処理装置(CPU)122又はマイクロコントローラ及びCPU122上で実行するための命令を有する有形非一時的なコンピュータ可読メモリ124を含むことができ、コントローラ20が力検出器18を介して力値34に基づいて、パワー制御116からパワー制御出力114を調整できるようにする。コントローラはデジタルロジック回路、アナログ回路又はそれらの組み合わせで実装されることもできる。コントローラ20は感度コントローラ19を含むことができ、作業面16においてワーク28にオペレータ12によって適用される量に対する感度プロファイル50(
図3及びに
図5A及び5B)内の所定の連続応答に基づいて、ワークからの作業速度及び既存のツール110のモーションアクチュエータの速度の両方をオペレータ12が同時に巧みに制御できるようにする。
【0085】
コントローラ20は、コントローラ20及び/又は力検出器18が第1の所定量以上の力の増加を決定する場合には、パワー制御116を介して作業面16へのパワーを増加させるように、そしてコントローラ20及び力検出器18が第2の所定量以上の力の減少を決定する場合には、作業面16へのパワーを減少させるように構成されることができる。コントローラ20は、力検出器18が力の実質的な変化を決定していない場合には作業面16へのパワーを維持するように構成されてもよい。
【0086】
オペレータ12がワーク28に適用する直接的な力30(又は間接力21及び23A及び23B)の量が導出される方法とは無関係に、力検出器18は所定の力−出力関数を表す標準化された力検出器であってもよい。力検出器18は電圧センサー、電流センサー、パワーセンサー、周波数センサー、位相センサー、又は他の電気特性センサー又はそれらの組み合わせを用いて、力値34としてワーク28に適用されるオペレータ力を決定することができる。従って、オペレータがワークに適用する力を感知するか、そうでなければその力を導出するための多くの異なる可能な方法が存在するので、コントローラ20のプログラミングは、ツールが異なる種類の実行を行うために必ずしも更新する必要がないように、力検出器18は、受信された信号を標準的なフォーマットに変換することができ、それはまさに力検出器18である。
【0087】
コントローラ20を構成する他の可能性が考えられる。コントローラ20は、初期速度入力39を介して初期速度セレクタ24を使用して最小速度として及び最大速度入力32を介して最大速度セレクタ26を使用して最大速度として初期速度の選択を可能にすることができる。作業面におけるワーク上の派生力の量に適用した感度プロファイル50(
図3を参照)は、選択された初期速度と選択された最大速度との間の範囲においてだけで変化するように構成されることができる。しかし、オペレータが、オペレータの好み及びワーク上で実行される作業の種類に応じてそこから選択できる利用可能な複数の感度プロファイル50(
図5A、5B及び6Cを参照)がある。この選択は、感度入力38を介して感度セレクタ22で行われることができる。感度セレクタ22は、所望の所定の連続応答50を表す2つ以上の感度プロファイル(
図5A、5B、及び6Cを参照)から1つを選択して適用するように構成することができる。感度プロファイル50は、ワーク28上の派生力と観測された速度又は既存のツール110のモーションアクチュエータに適用された(プロキシとしての)パワーとの間の関係を表すことができる一方、制御システム120のコントローラ20は、デジタル計算、参照ルックアップ又はルックアップテーブルとして感度プロファイル50を使用して、近似する複数の時間間隔に渡って個別のステップで既存のツール110のモーションアクチュエータ14へのパワー制御出力114を制御して、作業面の作動速度を設定することができる。コントローラの20が感度プロファイル50を使用することにより、既存のツール110のモーションアクチュエータ14、コントローラ20、及び力検出器18の任意の公差及び他の変動性が、オペレータ12の巧妙な制御によって彼/彼女が職人技や熟練した能力をワーク28又は既存のツール110に適用するので、補償することができる。
【0088】
要約すると、多くの例が上述されている。既存のツール110についた電動ツール10及び制御システム120の実施例は、多くの利点と従来の電動ツール超えた高い利用価値を有している。例えば、派生力−速度応答は、熟練した職人によってワークを巧みに扱うような繊細なツールの作動に適合されることができ、現在可能であるよりも更に制御される材料除去速度を達成できる。更に、電動ツール10及び制御システム120の実施例はワークのより正確な初期の係合を可能にする。この利点により、従来のツール、例えば電動のこぎり及びカッターの刃、ドリル、パワーサンダー及びパワーグラインダーの研磨面、並びにその他電動ツールに対するワークの開始位置合わせの改善されたオペレータ制御が可能になる。
【0089】
他の利点は、下穴又はセンターホールの穴開けは困難又は不可能に近くドリルビットを中心に合わせることはできない表面上におけるドリルビットのふらつきの減少を含む。例えば、金属のような非常に硬くて滑らかな表面上のように、電動ツール10及び制御システム120の実施例はドリルがツールに加えられる力又は圧力の広い範囲に渡って低速で作動できることを可能にし、ドリルビットがワーク表面で所望の位置に浅いくぼみを形成することを可能にし、ドリルビットの横方向への移動を抑制する。
【0090】
同様に、手持ちツール又はワークの滑り及びジャーキングの減少は、電動ツール10及び制御システム120の実施例で現在可能となっている。初期速度が低負荷でゼロからゆっくりと有限の速度になることにより、ツールに係合するワークの初期速度は、不安定なワークの係合、又はワークの損傷を発生させるほど十分速くない。この利点は、ワークの突然の予想外の動きなしにツールの作業面にワークを係合する場合、オペレータがワークを掴むことを可能にし、ワークに十分な力又は圧力を適用することを可能にする。オペレータは今、十分な筋力と最大の器用さでワークの位置合わせを行うことができ、ツールに対するワークの位置合わせ、及びワークに対して手や他の圧力で作業速度を制御できる。
【0091】
本発明は、特に前述の実施例を参照して示され及び説明されたが、当業者は、以下の特許請求の範囲で定義されるような多くの変形が本発明の精神及び範囲から逸脱することなくその中でなされ得ることを理解するであろう。この説明は、本明細書に記載された要素のすべての新規かつ非自明な組み合わせを含むと理解されるべきであり、特許請求の範囲はこの出願又はこれらの要素の任意の新規及び非自明の組み合わせに対する後の出願において提示されることができる。上記の実施例は例示であり、いかなる単一の特徴又は要素は、これ以降の出願に記載されることができる全ての可能な組み合わせに必ずしも必須ではない。特許請求の範囲は、「1つ」又は「第1の」が付随した構成要素のその等価物を記述する場合、そのような特許請求の範囲は1つ以上のこのような構成要素の組込みを含み、2つ以上のそのような構成要素を必要とするとは限らない及びに排除するとも限らないと理解されるべきである。