特許第6846930号(P6846930)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6846930頭蓋部の低体温療法のための携帯型熱電冷却装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6846930
(24)【登録日】2021年3月4日
(45)【発行日】2021年3月24日
(54)【発明の名称】頭蓋部の低体温療法のための携帯型熱電冷却装置
(51)【国際特許分類】
   A61F 7/10 20060101AFI20210315BHJP
   A61F 7/00 20060101ALI20210315BHJP
【FI】
   A61F7/10 332
   A61F7/00 300
【請求項の数】10
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-517424(P2016-517424)
(86)(22)【出願日】2014年9月24日
(65)【公表番号】特表2016-531616(P2016-531616A)
(43)【公表日】2016年10月13日
(86)【国際出願番号】US2014057276
(87)【国際公開番号】WO2015048170
(87)【国際公開日】20150402
【審査請求日】2017年9月8日
【審判番号】不服2019-4764(P2019-4764/J1)
【審判請求日】2019年4月10日
(31)【優先権主張番号】61/884,932
(32)【優先日】2013年9月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506115514
【氏名又は名称】ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア
【氏名又は名称原語表記】The Regents of the University of California
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルガラ,ジュリオ エル.
(72)【発明者】
【氏名】セラーノ カルモナ,ラウル
(72)【発明者】
【氏名】レストレポ,ルーカス
【合議体】
【審判長】 内藤 真徳
【審判官】 倉橋 紀夫
【審判官】 莊司 英史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−230761号公報(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0097560号明細書(US,A1)
【文献】 実開平4−77915号公報(JP,U)
【文献】 特開2003−323219号公報(JP,A)
【文献】 特表2010−515481号公報(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 7/10
A61F 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
低体温療法のための機器であって、
人体の1つまたは複数の部分に取り付けられるように構成された治療用ユニット内で熱伝導性のコレクタとしての熱伝導性の骨格構造体に分散され、バンクごとにn個の装置を有するm個のバンクに相互接続される複数の熱電冷却装置と、
前記複数の熱電冷却装置の各々に隣接して配置された少なくとも1つの流体通路と、
前記少なくとも1つの流体通路を通じて冷媒を圧送するように構成された流体循環機および熱交換器と、
前記熱電冷却装置と前記人体の部分との間の熱伝導に対して人体の1つまたは複数の部分に適合するように構成された熱伝導層と、
前記熱伝導層の内面近傍に連結された複数の温度センサであって、アナログマルチプレクサを介してアナログ−デジタル変換器に連結され、その組み合わせが前記人体の1つまたは複数の部分における温度を感知するよう構成される温度センサと、
所望の温度プロファイルに従うように熱電冷却装置を制御するために、前記複数の温度センサの各温度センサによって測定され、前記アナログマルチプレクサを介して受け取られ、前記アナログ−デジタル変換器から読み出される温度と、冷却および加熱サイクルのプログラム可能なパターンに基づく温度設定値との間の温度差に応じて、前記熱電冷却装置を制御するように構成されるプロセッサ回路を含む電子回路と、
を備え、
前記電子回路は、パルス幅変調(PWM)を用いる双方向の電流制御のためのフルブリッジ・コントローラと、n個の熱電冷却装置の各バンクを制御するためのフィードバックループ内の比例積分微分(PID)コントローラとを含み、
複数の前記バンクが、1つより多いグループにグループ化され、
前記グループのそれぞれが、前記温度センサによって測定された温度と冷却および加熱サイクルのプログラムされたパターンに基づく温度設定値との間の温度差に応じて、前記熱電冷却装置を制御するように前記電子回路によって別々に制御される、機器。
【請求項2】
前記治療用ユニットが、前記人体の1つまたは複数の部分に取り付けられるように構成され、頭、首、脚、腕、胸、および腹から成る人体部位のグループから選択された人体部位に取り付けられるように構成されている、請求項1に記載の機器。
【請求項3】
前記治療用ユニットが、前記人体部位に人間工学的に適合するように構成されている、請求項2に記載の機器。
【請求項4】
前記機器が、携帯型であり、利用可能なACまたはDC電源で動作するように構成されている、請求項1に記載の機器。
【請求項5】
頭蓋部の低体温療法のための機器であって、
頭に対して熱伝導を伝えるためのヘルメット構造として構成された治療用ユニットにおいて、熱伝導性のコレクタとしての熱伝導性の骨格構造体に分散され、バンクごとにn個の装置を有するm個のバンクに相互接続された複数の熱電冷却装置と、
前記複数の熱電冷却装置の各々に隣接して配置された少なくとも1つの流体通路と、
前記少なくとも1つの流体通路を通じて流体を圧送するように構成された流体循環機および熱交換器と、
前記熱電冷却装置と前記頭との間の熱伝導に対して人体の頭に人間工学的に適合するように構成された熱伝導層と、
前記熱伝導層の内面近傍に連結された複数の温度センサであって、アナログマルチプレクサを介してアナログ−デジタル変換器に連結され、その組み合わせが前記人体の前記頭の温度を感知するように構成された温度センサと、
前記温度センサによって測定され、前記アナログマルチプレクサを介して受け取られ、前記アナログ−デジタル変換器から読み出される温度と、温度設定値との間の温度差に応じ、冷却および加熱サイクルのプログラムされたパターンに応答して、前記熱電冷却装置を制御するように構成されるプロセッサ回路を含む電子回路と、
を備え、
前記電子回路は、パルス幅変調(PWM)を用いる双方向の電流制御のためのフルブリッジ・コントローラと、n個の熱電冷却装置の各バンクを制御するためのフィードバックループ内の比例積分微分(PID)コントローラとを含み、
複数の前記バンクが、1つより多いグループにグループ化され、
前記グループのそれぞれが、前記温度センサによって測定された温度と冷却および加熱サイクルのプログラムされたパターンに基づく温度設定値との間の温度差に応じて、前記熱電冷却装置を制御するように前記電子回路によって別々に制御される、機器。
【請求項6】
ネックカラーに分散された複数の熱電冷却装置をさらに含む前記機器であって、前記電子回路が、前記ヘルメット構造と前記カラー構造の前記熱電冷却装置を制御する、請求項に記載の機器。
【請求項7】
前記治療用ユニットが、前記冷却および加熱サイクルの熱伝達を増大させるために、人体の前記頭に人間工学的に適合するように構成されている、請求項に記載の機器。
【請求項8】
前記複数の熱電冷却装置が分散された前記ヘルメット内に熱伝導性構造をさらに含む、請求項に記載の機器。
【請求項9】
前記熱伝導層は、前記ヘルメットの内部に設けられた熱伝導性エラストマーコーティングを備える、請求項に記載の機器。
【請求項10】
前記機器が、携帯型であり、利用可能なACまたはDC電源で動作するように構成されている、請求項に記載の機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2013年9月30日に出願された米国仮特許出願第61/884932号の優先権および利益を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に援用される。
連邦政府支援の研究または開発に関する記述
【0002】
本発明は、国立衛生研究所によって授与された、AR047664およびAR054816の下で政府の支援により行われたものである。政府は、本発明において特定の権利を有する。
コンピュータプログラム付録の文献の援用
【0003】
該当なし
著作権保護の対象となる事項
【0004】
本特許文書に記載されている項目の一部は、米国およびその他の国の著作権法の下で、著作権保護の対象となる。
著作権の所有者は、米国特許商標庁が公的に利用可能とするファイルまたは記録に現れるような、特許文書または特許開示を誰でもファクシミリ複製できることに異議はないが、すべての著作権一切を保有している。著作権所有者は、本特許文献を秘密保持するために、本明細書によるその権利のいずれかを放棄するのではなく、米国特許法施行規則37CFR、1.14条に従ってその権利を制限することもない。
【背景技術】
【0005】
低体温療法は、心停止、新生児仮死、脳卒中、頭部外傷、および発作を含む、神経傷害の患者の転帰を改善するための有望な神経保護療法である。残念なことに、ほとんどの利用可能な冷却装置は、緊急時における脳低温療法の実施のためには、非効率的または非実用的である。一般に、既存の冷却装置は、手間のかかる、非携帯型の、特に脳をターゲットとしていない全身用ユニットである。冷却は、多くの場合、約2時間遅れで得られ、多くの装置が、気道サポートなどの他の治療の実行に支障をきたす。したがって、主に脳低温療法をターゲットとする携帯型かつ効果的な冷却装置が、緊急に必要である。
【0006】
いくつかの非侵襲性(外的)および侵襲性(内的)の冷却方法が、低体温を誘発するために使用されてきた。侵襲性の冷却方法は、出血、血栓症、および感染症(局所および/または全身)などの合併症のリスクを本質的にもたらす、経皮的な静脈へのアクセスを必要とし、一般に、これらの装置は、病院施設外で容易に利用することができない。外的冷却技術は、経皮的手順および/またはその実施のための医療従事者の大規模な訓練を必要としないという重要な利点を有している。これらの技術には、アイスパック、冷却テント、流体パッド、毛布、冷水循環ヘルメット、および鼻腔内の液体冷媒噴霧が含まれる。既存の外的冷却装置の重要な制限は、ほとんどの装置が、特に脳をターゲットとする代わりに、全身への冷却を誘導する大規模なユニットであるということである。これは、患者が、治療に対する耐性を保証するために(病院環境で)鎮静を通常必要とすることを意味する。いくつかの器官がマルチシステム障害のケースで影響を受ける場合に、このタイプの低体温法は有効であり得るが、脳卒中およびてんかん重積状態のような脳特有の疾患に、不必要で、さらに有害である場合がある。対照的に、局所的に送達される低体温法は、一般に安全な処置と考えられるが、中核体温に有意な低下を引き起こさない。
【0007】
非常に重要な問題は、神経学的な緊急事態への最初の対応者であることを考慮して、現場の救急医療隊員が適用することができる小型(携帯型)の冷却装置の実装である。多くの既存の装置は、救急車で搬送されるにはあまりにも扱いにくく、および/または現場で使用できない電気供給を必要とする。一般に利用可能な冷却療法には、鼻咽頭の噴霧冷却などで、頭部に直接適用され、適度に携帯可能なものもあるが、それらは重大な欠点を有し、例えば、マスクや気管内チューブを通る酸素のアクティブな送達が日常的に必要とされる、急性の神経学的な損傷を有する患者を扱う際に、このタイプの冷却が呼吸を妨げることが基本的に懸念される。また、鼻咽頭の噴霧冷却は、30分未満の短い治療時間のために設計されている。別の頭蓋用装置(HVM Medical社によるSovika)は、重要な全身性高血圧と徐脈を伴う、交感神経を介した血管収縮作用を誘発し、これは、脳出血などの特定のタイプの急性の神経損傷に対して懸念される原因となり得る。
【0008】
このように、携帯型および非侵襲性でありながら、頭蓋部および頸部を特に対象とすることができる頭蓋部の低体温療法のための冷却装置が必要とされている。本明細書に記載の技術は、従来の装置の欠点を克服しながら、これらの必要性を満たす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本開示の技術は、脳低温療法の導入のための携帯型装置である。本技術は、一般に、(1)冷却/加熱ヘッドギア(ヘルメット)、および(2)冷却/加熱ネックカラーの、2つの電子的に制御された熱伝達構成要素装置を含む。ヘルメットとカラーの両方の主要な能動的な構成要素は、その動作が電子制御モジュール(ECM)によって制御されている熱電冷却器ユニット(TEC)である。TECによる放熱は、TEC動作を効率的に維持する閉ループ構成での装置によって、水または他の冷媒などの冷媒を循環させることによって得られる。冷媒流と放熱は、水循環機/熱交換器ユニットを使用することによって最終的に達成される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示に記載の頭蓋部の低体温療法のための携帯型熱電冷却装置は、皮膚損傷(凍傷)を予防しながら、頭皮と首(頸動脈)から熱を効果的に抽出することにより、個人に局所的な脳低温療法を急速に(すなわち、15分未満で)達成するための、緊急対応ツールとして特によく適している。高い熱交換能力、低電圧動作、および、例えば医療グレードのセンサを用いた、患者の頭皮と首の皮膚の温度の連続的な監視により、効率性と安全性が確保される。
【0011】
技術のさらなる態様は、本明細書の以下の部分で明らかとされ、その詳細な説明は、制限することなく技術の好ましい実施形態を完全に開示することを目的としている。
【0012】
本明細書に記載の技術は、例示のみを目的とした以下の図面を参照することによって、より完全に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本明細書に記載の技術の一実施形態に係る、頭蓋部の低体温療法のための携帯型熱電冷却装置のブロック図である。
図2】本明細書に記載の技術の一実施形態に係るヘルメットの断面図であり、熱伝導性メッシュ、水循環チャネル、およびエラストマーコーティングの相互接続を示している。
図3】本明細書に記載の技術の一実施形態に係る熱電冷却器の配列の概略図であり、直列に配置された分岐を示している。
図4】本明細書に記載の技術の一実施形態に係る、低体温療法のための制御エレクトロニクスのブロック図である。
図5】本明細書に記載の技術の一実施形態に係る、可撓性のTECモジュールを利用した低体温療法装置のブロック図である。
図6】本明細書に記載の技術の一実施形態に係る、可撓性のTECモジュールの相互接続のブロック図である。
図7A】本明細書に記載の技術の一実施形態に係る、可撓性のTECモジュールの斜視図であり、内部冷媒通路層とTEC層を示している。
図7B】本明細書に記載の技術の一実施形態に係る、可撓性のTECモジュールの別の斜視図であり、内部冷媒通路層とTEC層を示している。
図7C】本明細書に記載の技術の一実施形態に係る、可撓性のTECモジュールのさらに別の斜視図であり、内部冷媒通路層とTEC層を示している。
図8A】本明細書に記載の技術の一実施形態に係る温度グラフであり、低体温療法用ヘルメットを作動させた後、4秒後のヘルメットの温度を示している。
図8B】本明細書に記載の技術の一実施形態に係る温度グラフであり、低体温療法用ヘルメットを作動させた後、155秒後のヘルメットの温度を示している。
図9A】本明細書に記載の技術の一実施形態に係る温度グラフであり、低体温療法用カラーを作動させた後、4秒後のカラーの温度を示している。
図9B】本明細書に記載の技術の一実施形態に係る温度グラフであり、低体温療法用カラーを作動させた後、155秒後のカラーの温度を示している。
図10A】本明細書に記載の技術の一実施形態により分かる模擬的な脳温の温度グラフであり、本発明のヘルメットとカラーの組み合わせでの使用に応じた4秒後の脳温を示している。
図10B】本明細書に記載の技術の一実施形態により分かる模擬的な脳温の温度グラフであり、本発明のヘルメットとカラーの組み合わせでの使用に応じた15分後の脳温を示している。
図11A】本明細書に記載の技術の一実施形態に係る低体温療法装置において、TEC装置を制御するための電子制御回路の概略図である。
図11B】本明細書に記載の技術の一実施形態に係る低体温療法装置において、TEC装置を制御するための電子制御回路の概略図である。
図11C】本明細書に記載の技術の一実施形態に係る低体温療法装置において、TEC装置を制御するための電子制御回路の概略図である。
図11D】本明細書に記載の技術の一実施形態に係る低体温療法装置において、TEC装置を制御するための電子制御回路の概略図である。
図11E】本明細書に記載の技術の一実施形態に係る低体温療法装置において、TEC装置を制御するための電子制御回路の概略図である。
図11F】本明細書に記載の技術の一実施形態に係る低体温療法装置において、TEC装置を制御するための電子制御回路の概略図である。
図11G】本明細書に記載の技術の一実施形態に係る低体温療法装置において、TEC装置を制御するための電子制御回路の概略図である。
図11H】本明細書に記載の技術の一実施形態に係る低体温療法装置において、TEC装置を制御するための電子制御回路の概略図である。
図11I】本明細書に記載の技術の一実施形態に係る低体温療法装置において、TEC装置を制御するための電子制御回路の概略図である。
図11J】本明細書に記載の技術の一実施形態に係る低体温療法装置において、TEC装置を制御するための電子制御回路の概略図である。
図11K】本明細書に記載の技術の一実施形態に係る低体温療法装置において、TEC装置を制御するための電子制御回路の概略図である。
図11L】本明細書に記載の技術の一実施形態に係る低体温療法装置において、TEC装置を制御するための電子制御回路の概略図である。
図11M】本明細書に記載の技術の一実施形態に係る低体温療法装置において、TEC装置を制御するための電子制御回路の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
治療用の携帯型熱電冷却装置は、急性の神経学的な緊急事態の患者の、頭頸部の特定の治療のために設計されている。また、慢性片頭痛およびてんかん重積状態を有する個人のための在宅治療での使用に、および病院施設内の一般的(洗練度の劣る)外的低体温療法装置にとって代わるものとして、特に適している。
【0015】
図1は、本発明の携帯型熱電冷却装置の例示的な実施形態10を示している。本実施形態では、冷却および/または加熱ヘッドギア(ヘルメット)12は、冷却および/または加熱ネックカラー(カラー)14を伴って示されている。ヘルメットとカラーの両方が解剖学的に準拠した構造として構成されていることを理解すべきである。ヘルメット12およびカラー14は、電子制御モジュール(ECM)16と、電源18と、冷媒循環機および熱交換器20の組み合わせに接続されて示されている。好ましい実施形態では、電源18は、装置を携帯型に作製するために構成され、このため、救急車で使用可能なAC/DC電源と好適に適合し、および/または12Vバッテリで駆動される独立した装置として作動する。冷却と加熱は、好ましくは、流体チャネル(例えば、チューブ)26を介して流体循環機および熱交換器20に接続された熱伝導性のコレクタ24(例えば、銅構造)によって収集された抽出熱により、複数の熱電冷却装置(TEC)22を使用してヘルメットとカラー上で実行される。また、一連の温度センサ28(例えば、医療用サーミスタ(YSI400シリーズと互換性のある))が、患者の皮膚に最も近い温度を感知するために、ヘルメットとカラーの内面付近で接続されていることが分かる。
【0016】
温度センサを、取り外し可能なサーマルライナ材に組み込んでもよく、あるいは、温度センサは、患者の頭皮/皮膚に直接接続されている個々の使い捨てセンサを含んでもよいことが理解されるべきである。熱伝導性内部層40は、例えば熱伝導性エラストマーを含んで、装置の内側表面上にあることが分かる。その位置で患者の皮膚の温度を感知するために各TECと整列して、またはTEC間の皮膚の温度を感知するためにTECの中間に、またはTEC間の中間センサと近位のTECの組み合わせで、これらの温度センサを配置できることが理解されよう。
【0017】
電子制御モジュール16は、ここでは、例えば直列インタフェースを使用して、ヘルメットとカラーの温度センサ28の各々に接続されて示されている温度測定装置30を含んでいることが分かる。ユーザインタフェース32(すなわち、ヒューマンマシンインタフェース(HMI))は、好ましくは、例えば、単一の温度、またはヘルメットとカラー内の異なる位置でわずかに異なる温度を有する温度プロファイルなどの、温度を設定するために設けられている。少なくとも一実施形態では、このユーザインタフェースは、タッチスクリーンディスプレイ(例えば、TFT−LCDタッチスクリーン)と一緒に、処理装置およびメモリ(例えば、マイクロコントローラ)を含む。少なくとも一実施形態では、装置のプログラミングは、温度センサによって測定された温度と温度設定値との間の温度差に基づいて、TECユニットを駆動するように、ならびに冷却および加熱サイクルの所望の(プログラムされた)パターンを実行するように構成されている。
プログラミングは、種々のプローブの温度測定値を表示するだけでなく、視覚と聴覚のアラームを配備するように、および、それを正当化する条件が検出された場合に、例えば自動停止を作動させて、装置の安全性を管理するように構成されている。
【0018】
温度選択部32は、温度測定30と組み合わせて減算器として作動するコンバイナ34を介して動作し、このため、温度設定値と実際の温度との間の差分信号の振幅が、TEC応答の振幅を駆動する。
温度制御は、1つまたは複数の熱電冷却器(TEC)ドライバ38に接続された、比例積分微分(PID)のような、コントローラ36を介して実行される。本明細書に記載の技術により、TECが並列に駆動すること、または1つのTECドライバがTECの各グループのために利用されるTECの別個の列として駆動することが可能になる。熱伝導層40は、患者の頭皮/皮膚と接触するように配置されている。少なくとも一実施形態では、この熱伝導層40は、ヘルメット、カラー、または人体の他の部分への共形のインタフェースにかかわらず、治療用ユニットのための取り外し可能なライナ層を含むことができる。
【0019】
電子制御モジュール(ECM)16は、代わりに、少なくとも1つのコンピュータ42を組み込むことができることが理解されるべきであり、このコンピュータ42は、例えば、中央処理装置(CPU)44とメモリ46、またはマイクロコントローラもしくは測定された温度に応答して、TECを制御し、他の所望のシステム機能を実行するためのプログラミングを実行する他の手段を含む。コンピュータは、温度設定値制御部32内に組み込まれるか、あるいはECM16の本体に一体化されてもよい。
【0020】
図2は、TECヘルメット12の一実施形態の断面図であり、流体通路26(例えば、水循環パイプ)の断面と、複数の熱電冷却器22の各々に接続された少なくとも1つのこの通路を示しており、この熱電冷却器22は、患者(不図示)から離れた熱伝導性コーティング40(例えば、熱伝導性エラストマーコーティング)を介して受け取った熱を伝導する熱伝導性の骨格構造体48(例えば、銅メッシュ)に接続されている。
【0021】
図3は、バンクごとにn個の装置を有するm個のバンクで編成されたヘルメット内に相互接続されている冷却/加熱TEC、24a1,24a2,24an,…24b1,24b2,24bn,および…24m1,24m2,24mnの例示的な実施形態を示している。ヘルメットの外面(例えば、本実施形態ではTECの放熱側が面している面)が、水循環機および熱交換器に接続された冷媒流体通路と接触するように、図1および図2示されている。実装を簡単にするために、コンピュータのCPUを冷却するために利用される、水循環機(ポンプ)と熱交換器(例えば、ヘルメットとカラーの外部の)を、利用することができる(例えば、Colace社のEX2−755)。このタイプの単純な熱交換器を使用する際に、冷媒は、おおよそ室温に戻され、TECに隣接する通路まで戻って循環される。TECヘルメットおよびカラーは、例えば可撓性のプラスチックチューブを使用して、熱交換器に接続されている。このように、患者を冷却する際に、各TECユニットは、患者の頭皮/皮膚に隣接する導電性内部層に向かって、その内側を冷却する。各TECの反対側の廃熱は、冷却流体に結合され、この熱を抽出する外的熱交換器に運ばれ(すなわち、圧送され)、追加の熱を吸収するために冷媒に戻る。
【0022】
図4は、マイクロコントローラに基づく制御エレクトロニクスの例示的な実施形態50を示している。患者52は、ヘルメット12とカラー14に接続されているのが分かり、それぞれが、水循環する熱交換器20に熱的に接続された集積TECユニットを有する。追加のセンサが、例えば、体温(サーミスタ)、心拍数、血圧などのバイタルサインを監視するために患者に接続される。これらのセンサを、有線または無線接続を介して本発明のシステムによって監視することができる。
センサからの出力は、アナログ−デジタル(AD)変換器およびマイクロコントローラを有するプロセッサ回路56に接続されたアナログマルチプレクサ54を介して接続されているものとして本明細書に例示されている、システムによって登録される(読み出される)。いくつかのマイクロコントローラが、1つまたは複数のADおよび/またはデジタル−アナログ(DA)変換器を組み込むことが理解されよう。マイクロコントローラが、中央処理装置(CPU)、メモリおよびさまざまな入出力(I0)の機能を含み、動作方法のステップを実行するためのプログラミングを実行することが可能であることが、さらに理解されよう。代わりに、プロセッサの他の形態が、本明細書に記載された技術の教示から逸脱することなく利用されてもよい。
【0023】
視覚と聴覚のアラームだけでなく、緊急停止制御を提供するアラームインタフェース58が、プロセッサ回路56に接続されている。ユーザインタフェース60は、動作に必要なすべての要素を制御するため、ならびに患者およびシステムの動作に関する情報を表示するために、プロセッサに接続されている。少なくとも一実施形態では、このユーザインタフェースは、薄膜トランジスタ液晶ディスプレイTFT−LCDのような、タッチベースのインタフェースを含む。
【0024】
また、プロセッサ回路56は、ヘルメットまたはカラー装置でTECによって提供される冷却または加熱の量を制御する。図4では、比例積分微分(PID)回路62は、パルス幅変調(PWM)コントローラ64に接続されているのが分かり、このPWMコントローラ64は、本明細書で、ヘルメットとカラーのTEC素子に接続されたMOSFETのHブリッジとして例示されている、パワースイッチング回路66にPWM信号を出力する。Hブリッジ回路は、所望の正または負の電圧/電流を出力可能にし、これにより、患者の頭蓋部および頸部に、冷却、あるいは加熱を提供するように、TECを動作させることができることを理解すべきである。これは、より一般的な適用であるが、このように、本明細書に記載の技術は、冷却に限定されないことが認識されよう。回路電源が、少なくとも1つの電力源68によって提供されている。緊急用モジュール58は、電力がプロセッサ回路56により検出された状態に応答して非活性化され得るように、スイッチ(例えば、リレー)70に接続されている。また、手動緊急停止スイッチ72が、冷却装置を停止するために手動での介入を可能にするように示されている。
【0025】
複数の異なる回路構成が、本発明のヘルメットとカラーの治療用冷却装置の動作を制御するために利用されてもよいことが理解されよう。TEC装置は、図1から図4に示すように、それぞれ、Hブリッジから同じ電力を受けて、並列に制御され得る。代わりに、TEC素子がヘルメットとカラーの異なる領域に構成されてもよく、それぞれの領域は、別個のPID制御、PWMコントローラ、およびHブリッジによって駆動される。さらに、1つまたは複数のTECを有するモジュールを、それぞれがTECを駆動するための制御回路を含むように作製することができる。一例では、このような各モジュールを、アドレス、デジタルインタフェース、および電源制御部で構成することができ、このため、プロセッサ56は、各領域が任意の所望の温度プロファイル内の所望のレベルまで冷却されることを確実にするために、各TECの冷却および加熱を個々に制御することができる。
【0026】
以下のセクションでは、熱交換する可撓性のTECモジュールを利用する一実施形態が説明される。
【0027】
図5は、本発明の可撓性の熱交換器用モジュール(FHEM)96aを利用したヘルメット92およびカラー94の例示的な実施形態90を示しており、このモジュール96aを、ヘルメットおよびカラーを構築するために、例えば可撓性のチューブ(例えば、パーフルオロアルコキシ(PFA)熱伝導性チューブなどの、プラスチックチューブ)によって、組み立て、相互接続することができる。図1に記載したのと同じECM16、電源18、および熱交換器20を利用できることが理解されよう。ここでも、ECMは、その温度測定モジュール30と、温度設定値を設定するための手段32と、PID36を制御するために温度設定値と測定温度との差を利用するための手段34であって、その出力が各FHEM内のTEC装置に接続されたTECドライバ38を介して導かれる手段34と、を有して示されている。各FHEMは、サーミスタ、熱伝達通路、および熱伝導性の内部と一緒に、1つまたは複数のTECを有するように構成されている。
【0028】
図6は、複数のモジュール96a、96b、および96nの相互接続を示しており、それぞれが、流体通路100によって相互接続された複数のTECユニット98a、98b、98c、98dを有し、その吸気口と排気口の端部は、図5に示されるような熱交換器に接続されている。
【0029】
図7Aから図7Cは、FHEMの多層構造の例示的な実施形態110を示しており、図7Aに、少なくとも1つの流体チャネルを有する上位層を示し、図7Bに、複数のTECユニットを有する下位層を示し、図7Cに、この層の間の関係のより分かりやすく示している。
【0030】
一般に、層は、好ましくは、導電箔層114(例えば、銅箔)で患者の皮膚を結合させる柔らかい熱伝導性エラストマーを含む、エラストマー底層112を含む。TEC装置の層116は、図7Cの断面に示される1つのTEC117bを伴って示されている。図7Bでは、4つのTEC117a、117b、117c、および117dの輪郭を、TEC装置の層116に見ることができる。電気的接続のペア132a、132b、132c、および132dは、この4つのTECの各々を接続するために図に示されている。
【0031】
別の熱伝導層118はTEC層116上に見られ、これが、層122と協働して流体の流れの層120を密封する。可撓性の上位層124は、好ましくは、ナイロン−ポリジメチルシロキサン(PDMS)または他の強化シリコンシートのような強化エラストマーを含んで、強度を提供する。流体の流れの層120の囲まれた周囲部126aは、突出構造126bを有して、図7Aに見られ、流体の流れを冷却するための流路長を延長するための通路128を作成している。流体は、第1の流体接続部130aで流体層120に受け入れされ、好ましくは、流体層120の周囲部126aと突出部126bとの間の蛇行チャンバを通過し、第2の流体接続部130bから出る。
【0032】
本明細書に記載された技術のこのフレックスモジュールの態様は、アクティブな熱伝達装置の柔軟性、伸縮性、および曲げ加工性を有効に向上させることができ、これにより、頭(ヘルメット)と首(カラー)の輪郭に密接に従うことが確実になり、効率的な熱交換を最適に確保するために頭皮と首の皮膚にしっかりとフィットする。
【0033】
典型的な熱交換ユニット(例えば、コンピュータのCPUを冷却するための)は、剛性があり、迅速な冷媒の流れを可能にするために穿孔された固体金属ブロックで構成されていることが理解されよう。代わりに、本実施形態では、各FHEMは、柔らかく、屈曲可能であり、人体の輪郭により適合させることが可能である。これらの特徴により、本発明の装置は、頭と首だけでなく、本発明の装置が適合される他の人体部分(例えば、脚、腕、胸、腹、またはその他の部分)をその位置で加熱および冷却する目的のために特に構築されることが可能になる。カラーに示される円筒形設計を、これらの他の身体部分、特に、脚、腕、胸、背中、腹などに適合するように、寸法合わせし、成形できることが、理解されるべきである。
【0034】
ワーキングヘルメットプロトタイプ#0。
【0035】
プロトタイプは、上述した実施形態に従って、本発明の治療用の携帯型熱電冷却装置で構成されている。第1のプロトタイプでは、熱伝導性エラストマー(例えば、Dow Corning(登録商標)によるSE4430)が、ヘルメットの内側のライニング(図2)を形成する人間の頭部の形状を有する銅メッシュ骨格を被覆するために使用されている。それぞれ約15mm×15mmの大きさを有する50個のTEC(例えば、Custom Thermoelectric(登録商標)の01711−5L31−06CF)をヘルメットに利用し、これらは、この骨格の外面上に対称に配置されている。TECは、図3に示されるように、直列に10ユニットの5個のバンクに電気的に接続されている。TECの加熱側面は、水を循環させる小型の銅管のネットワークに熱的に接続されている。市販の水循環機と熱交換器の組み合わせが利用されている(例えば、Koolance(登録商標)EX2−755;熱交換電源500〜600ワット)。電子制御モジュール(ECM)は、パルス幅変調(PWM)と、フィードバックループでの比例積分微分(PID)コントローラを使用した双方向の電流制御のために、フルブリッジ・コントローラ(例えば、Linear Technologies(登録商標)によるLTC1923)で実装されている。各Hブリッジは4つのMOSFET(例えば、Vishay Electronics(登録商標)によるSi4564DY)を使用して実装されている。600ワット12VのDC電源が、本実施形態で使用されている(例えば、Mean Well(登録商標)によるPS−600)。
【0036】
ワーキングヘルメットプロトタイプ#1。
【0037】
図5および図6に示されるように、このプロトタイプは、可撓性の熱交換モジュール(FHEM)利用しており、これらは、熱処理される領域(例えば、頭、首、など)の形状に相互接続されている。これらの組み立てられたFHEMそれぞれが、4つのTECユニットを収容し、そこから熱を放散する。冷媒(水)循環機が、入口管と出口管との間にチャネルを作成するために、熱伝導性エラストマー(例えば、SE4430またはSE4430、Dow Corning社)およびカスタム設計されたプラスチック金型を用いて、(約80℃で)成形されている。循環機の頂部は、Dow Corning(登録商標)によるSylgard184または182や、ナイロンメッシュで補強されたMomentive Inc.(登録商標)によるRTV−615のような、ポリジメチルシロキサン(PDMS)で作製されており、このキャップは、熱伝導性接着剤(例えば、3−1818、Dow corning社)で金型上に密封されている。循環機の底部は、図7Aから図7Cに示されるような熱伝導性エラストマーのパーティション上に接着された(例えば、3−1818接着剤などで直接粘着された)銅箔(厚さ約0.004〜0.015インチ)から構成されている。
【0038】
水循環機の底部を構成する銅箔は、対象に配置されたTEC(例えば、CustomThermoelectric社の01711−5L31−06CF、15mm×15mm)の頂部(加熱側面)に直接接着(例えば、粘着)されている。TECの底部(冷却)側面は、TECの本体によって上部箔(水チャンバの底)から分離された別の銅箔上に直接結合(粘着)され、例えば、ネオプレン、発泡スチロール、または絶縁発泡体などの断熱材で充填されている(図7Aから図7Cには図示されていない)。モジュールに柔軟性と弾力性を確保しながら、この配置は、上下の銅箔間の有効な熱絶縁を提供している。底部の銅箔は、SE4445 CV Gel(Dow Corning社)やSSP−1850C(Specialty Silicone Products Inc.(登録商標))などの柔らかい熱伝導性エラストマーの薄い層(例えば、0.03インチより薄い)で被覆されている。この層は、皮膚と直接接触する柔らかい熱伝達クッションを構成している。プロトタイプ#1のFHEMは、十分な熱を放散するために必要な水の循環を可能にすると同時に、頭蓋表面への適応のための十分な構造的柔軟性を有することが分かった。
【0039】
冷却性能のシミュレーション。
【0040】
ヘルメットとネックカラーの組み合わせ装置の冷却性能を理論的に分析するために、現実的な数学的な3Dモデルが、それぞれの解剖学的器官のための、代謝発熱、熱伝導率、血流などについての公開パラメータを使用して、幾何学形状および成人の典型的な寸法を有する仮想的な頭頸部に関して開発された。
【0041】
図8Aおよび図8Bは、動作中の熱電冷却ヘルメット(例えば、この例では、直径約24cm)と、ヘルメットの領域にわたって分散したTEC素子を示している。脳を冷却する導電半球上に配置された25個のTEC素子の配列をシミュレートしながら、ヘルメットのための適切な熱拡散反応の方程式が解析された。25個のTECのための全体のヒートポンプ能力は、約125ワットであり、各TEC(0.25インチ四方)は、最大6ワットのヒートポンプ能力を有する。モデルは、有限要素数解析機(例えば、Comsol Mutiphysics(登録商標))を使用して解析された。図8Aは、ヘルメットが、オンにされてから4秒後は大体室温のまま(約20℃)であるが、動作の155秒(約2.5分)後には、およそ5度まで冷却されたことを示している。
【0042】
図9Aおよび図9Bは、本発明のネックカラーを使用した熱電冷却を示している。この3D解析は、図9Aに4秒後の冷却効果、図9Bにカラー動作の15分後の冷却効果を示している。皮膚が5℃に維持されている場合、頸動脈を流れる血液の温度(入力/出力)で計算された降下は、およそ2℃である(37℃から35℃)。ヘルメットとネックカラーの組み合わせによる脳温への冷却効果は、モデルを用いて計算されている。
【0043】
図10Aおよび図10Bは、本発明のカラーを使用した頸動脈における血液、および本発明のヘルメットを使用した脳の同時冷却が、頭皮がヘルメットで5℃に維持されているときに、最初の15分以内に約32℃に脳皮質の温度の急激な低下をもたらすことを示している。
【0044】
ECM回路図の例。
【0045】
図11Aから図11Mは、図1図4、および図5に前述したようなECMの例示的な実施形態を示している。図11Aでは、デジタル側に、データイン(Din)、クロック(CLK)、チップセレクト/ロード(CS/LD)、およびデータアウト(Dout)を有し、アナログ側で電圧を出力する(Vout)、デジタル−アナログ変換器(DAC)(例えば、LTC1658単一電源、レールツーレール電圧出力、14ビットのデジタル−アナログ変換器)が示されている。DACは、バイパスコンデンサC52を有するVDDに、およびアース(Gnd)に接続されて、示されている。DAC基準は、基準信号(VSET)に接続され、この基準信号(VSET)はまた、コンデンサ(C61)によってアースにバイパスされて、示されている。DACへの入力接続はJ_DACによるものであり、その出力が、ポテンショメータ(SPot)によって分けられた基準電圧VSETからの電圧の一部と共に図11Bに示すヘッダJ1に接続され、抵抗R23およびコンデンサC23と組み合わされている。DACからの電圧は、図11Cに示す増幅回路(Amp1)(例えば、LTC2053,計器用増幅器)を、抵抗R20、R21と、コンデンサC20、C21、およびC22との組み合わせで、駆動する。
【0046】
図11Dでは、ヘッダ(MUX)は、熱電冷却装置の温度センサからの入力を選択するために構成されたアナログマルチプレクサ(MUX1)(例えば、ADG706,16input,CMOSアナログマルチプレクサ)を用いて示されている。
【0047】
図11Eでは、図11Cの増幅器のヘッダ(Header3)への接続と、信号Vthrmを受信し、信号CNTRLを出力する際の他の要素が示されている。
【0048】
図11Fでは、図11Eに示されるような増幅器Amp1からの信号CNTRLを受信する、熱電冷却器(U1)を制御するための回路(例えば、熱電冷却器の制御に適したLTC1923パルス幅変調器)が示されている。ブリッジの回路は、抵抗Ra、Rpll、RT、およびコンデンサCT、C9、C11、C12、C13、Cfbを含み、ヘッダH1に接続されている。
【0049】
図11Gでは、図11FのTECコントローラ(ブリッジコントローラ)からの出力が、受信され、NチャネルのMOSFETドライバ(U2およびU3)、(例えば、LTC1693デュアルNチャネルMOSFETドライバ)と、コンデンサC5、C6、C7、およびC8に向けられている。
【0050】
図11Hでは、ジャックPWR_Jを介した自動車のバッテリなどのDC電源から電力を受け取る単純なVDD電源回路が示されており、この回路は、ダイオードD1を通過して、ストレージコンデンサ(Ci)に、およびVDD源として別のストレージコンデンサ(Co)に出力する電圧レギュレータPWRにつながっている。2つの異なるアース接続が、ヘッダJ_GNDから利用されているのが分かる。
【0051】
図11Iでは、図11DのMUX1への接続オフシートのために構成され、図11Jのヘッダ(Thermistors)に接続されている、複数のサーミスタ(Thermistor.SchDoc)が示されている。図11Kに示されているのは、図11Cからの接続RS、VP、およびVNと、図11GからのMOSFET駆動信号Q1G1、Q1G2、Q2G1、Q2G2である。
【0052】
図11Lでは、双方向のMOSFET熱電冷却器駆動回路の一例が示されており、信号Q1G1、Q1G2、Q2G1、Q2G2を受信しているのが分かる。説明の簡略化のため、単一のMOSFET回路のみが示されているが、図3に示すようなTECのグループを駆動するために、複数が組み込まれてもよい。図中では、4つのMOSFETのHブリッジQ1A、Q1B、Q2A、Q2B(例えば、Si4564DY,MOSFET)が示され、回路内で、インダクタL1、L2、抵抗RT1、RT2、RT3、RT4、RS、およびコンデンサC1、C2、C3、C4が利用されている。Hブリッジからの出力は、ヘッダ(TEC)を介してTECに出力するように構成されている。
【0053】
図11Mでは、アース(GND)へのヘッダの接続と、抵抗Rを介してVSETにプルアップされる信号(VT)が示されている。
【0054】
上述の例示的なECM回路が、本明細書に記載の技術の教示から逸脱することなく多くの代替法で実装され得ることは理解されよう。
【0055】
結論。
【0056】
前述の説明から理解され得るように、一般に利用可能な外的冷却装置は、容易に実装されず、例えば救急医療隊員によって、現場で使用されるのに十分な携帯性を欠き、さらに追加の欠点を有している。さらに、一般に実装される冷却方法は、かなりの制限があり、誘発される低体温が遅すぎるため、有意な脳冷却に到達するための実質的な時間ギャップが生じる結果となる。体温低下による神経保護作用が、治療開始のタイミングに強く影響されるので、これは、関連する問題である。治療を開始してから約3℃から5℃の脳の体温低下(例えば、32℃や34℃に)を達成するまでのギャップは、一般的な方法論を用いると、30分より長くかかり、一部のケースでは2時間ほどかかる。血液循環と脳の本質的な熱発生による熱を圧倒するのが困難であることだけでなく、(重要なことに)一般的な装置が熱抽出器として特に設計されていないという事実によって、これらの遅延を、部分的に説明することができる。これらの遅延は、適時の神経保護と局所的な脳冷却を提供するための失われた機会を表しているので、本明細書に記載の技術は、熱電冷却(TEC)技術と電子温度制御サーボ機構に基づく頭蓋部の低体温法用装置を用いてこれらの遅延を最小限に抑える。一般に、冷却療法は、温度が温度計で、手動で監視される開ループ構成を使用して実装されており、看護職員は、ゆっくりと反応する冷却装置の設定を変更する。このアプローチは、非効率的で面倒であり、人的エラーの可能性を高める。
【0057】
したがって、本明細書に記載の技術は、電子制御された冷却(または加熱)治療用ユニットを備えた脳冷却のための携帯可能な解決策を提供する。これらの治療用ユニットは、好ましくは、少なくともヘルメットを含み、より好ましくは、ネックカラーと組み合わせたヘルメットを含む。ヘルメット装置は、低体温法による局所的な皮膚損傷または全身の不快感や全身合併症を引き起こすことなく、15分未満で脳から熱を抽出するように設計されている。ネックカラー装置は、少なくとも1℃だけ頸動脈における血液の温度を下げることによってバリウムを含む冷却プロセスを補助するために、頸部を能動的に冷却する。記載された実施形態の実現可能性は、二重のアプローチの利点を説明する広範な数学的モデリングによって支えられているが、実際の装置の実装は、最先端の熱伝導性材料を用いて説明される。
【0058】
本明細書に記載の医療用の熱電冷却装置は、いくつかの特有の特徴を有している。まず、熱電冷却効果を利用して、脳および首の局所低体温を誘発するように設計されている。ヘルメット内を循環する流体を冷却するために動作するAC電源を必要とする一般に利用可能な大量の冷却ユニットとは異なり、本明細書に記載の技術は、携帯型装置として主に考えられ、アクティブな熱電モジュールと、補助的な電子回路と、低電圧での流体循環機および熱交換器とに基づいており、この組み合わせは、標準的な12VのDC電源で容易に動作される。さらに、TECの加熱側面を周囲温度に近い温度(約20℃から25℃)に確保しながら、(凍傷を避けるために)5℃程度の低い値に患者の頭皮の温度を固定(すなわちクランプ)する洗練されたフィードバック回路を使用する方法が、一般的な技術で実現可能であることが示されている。また、本発明の機器により、以下のプログラムされたパターンなどの、高速かつ安全な方法で温から冷とその逆の遷移が可能になる。ヘルメットやカラーなどの冷却ユニットの温度を自動的に調節する電子制御ユニットの重要な安全機能により、医療関係者による患者の脳の冷却と再加熱の柔軟かつ正確な制御が可能になる。
【0059】
最終的に、ヘルメットおよびネックカラー装置が、人間工学的に最適に設計され、異なる臨床環境で見られる急性の神経学的な緊急事態の患者に脳低温療法を提供することができる一方で、これらは、救急車の救急医療隊員、またはさまざまな非病院環境で携帯型の熱交換装置を必要とするユーザ(例えば、競技場のサイドラインで負傷した選手、家や療養施設などで局所低体温および/または低体温の人)によって現場で使用されるのに、特に非常に適している。
【0060】
本技術の実施形態は、技術の実施形態に係る方法およびシステムのフローチャート、および/またはアルゴリズム、公式、もしくは、コンピュータプログラム製品として実施することができる他の計算的な記述を参照して説明され得る。この点に関して、各ブロックまたはフローチャートのステップや、フローチャート、アルゴリズム、公式、または計算的な記述のブロック(および/またはステップ)の組み合わせを、コンピュータ可読プログラムコードロジックで実現される1つまたは複数のコンピュータプログラム命令を含む、ハードウェア、ファームウェア、および/またはソフトウェアのような、さまざまな手段によって実現することができる。理解され得るように、任意のこのようなコンピュータプログラム命令は、非限定的に、マシンを生成するために汎用コンピュータもしくは専用コンピュータ、または他のプログラム可能な処理装置を含む、コンピュータにロードされ得るため、コンピュータまたは他のプログラム可能な処理装置上で実行されるコンピュータプログラム命令は、フローチャート(複数可)のブロック(複数可)で指定された機能を実施するための手段を生成する。
【0061】
したがって、フローチャートのブロック、アルゴリズム、公式、または計算的な記述は、指定された機能を実行するための手段の組み合わせ、指定された機能を実行するためのステップの組み合わせ、および、コンピュータ可読プログラムコードロジック手段で実現されるような、指定された機能を実行するためのコンピュータプログラム命令をサポートする。また、本明細書に記載のフローチャートの各ブロック、アルゴリズム、公式、または計算的な記述、およびその組み合わせを、指定の機能またはステップを実行する専用のハードウェアベースのコンピュータシステム、または専用ハードウェアおよびコンピュータ可読プログラムコードロジック手段の組み合わせによって実現できることが理解されよう。
【0062】
さらに、コンピュータ可読プログラムコードロジックで実現されるような、これらのコンピュータプログラム命令を、コンピュータ可読メモリに格納することができ、これにより、特定の方法で機能するようにコンピュータまたは他のプログラム可能な処理装置を指示することができ、このコンピュータ可読メモリに格納された命令は、フローチャート(複数可)のブロック(複数可)で指定された機能を実施する命令手段を含む製品を生成する。また、コンピュータまたは他のプログラム可能な処理装置上で実行する命令が、フローチャート(複数可)のブロック(複数可)、アルゴリズム(複数可)、公式(複数可)、または計算的な記述(複数可)で指定された機能を実現するためのステップを提供するように、コンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能な処理装置上にロードされ、一連の動作ステップがコンピュータまたは他のプログラム可能な処理装置上で実行されて、コンピュータ実装プロセスを生成してもよい。
【0063】
本明細書に使用される用語「プログラミング(programming)」または「プログラム実行可能な(program executable)」は、本明細書に記載されるような機能を実行するためにプロセッサが実行することができる1つまたは複数の命令を意味することが、さらに理解されよう。命令を、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアの組み合わせで実現することができる。命令を、非一時的媒体内の装置にローカルに格納することができ、サーバなどでリモートに格納することができ、または、すべてのもしくは一部の命令を、ローカルにおよびリモートに格納することができる。リモートに格納された命令を、ユーザ開始動作によって、または1つもしくは複数の因子に基づいて自動で、装置にダウンロード(プッシュ)することができる。本明細書で使用される場合、プロセッサ、コンピュータプロセッサ、中央処理装置(CPU)、コンピュータの用語は、命令を実行し、入力/出力インタフェースおよび/または周辺機器と通信可能な装置を意味するために同義的に使用されることが、さらに理解されよう。
【0064】
本明細書の記載から、本開示は、以下を含む複数の実施形態を包含することが理解され得るが、以下に限定されるものではない。
【0065】
1.人体の1つまたは複数の部分に取り付けられるように構成された治療用ユニットに分散された複数の熱電冷却装置と、
前記人体の1つまたは複数の部分で皮膚の温度を感知するように構成された複数の温度センサと、
前記複数の熱電冷却装置の各々に隣接して配置された1つまたは複数の冷媒通路と、
前記冷媒通路を通じて冷媒を圧送するように構成された水循環機および熱交換器と、
前記温度センサによって測定された温度と冷却および加熱サイクルのプログラム可能なパターンに基づく温度設定値との間の温度差に応じて、前記熱電冷却装置を駆動するように構成された電子回路と、
を含む、低体温療法のための機器。
【0066】
2.前記治療用ユニットが、前記人体の1つまたは複数の部分に取り付けられるように構成され、頭、首、脚、腕、胸、および腹から成る人体部位のグループから選択された人体部位に取り付けられるように構成されている、前述したあらゆる形態の機器。
【0067】
3.前記治療用ユニットが、前記人体部位に人間工学的に適合するように構成されている、前述したあらゆる形態の機器。
【0068】
4.前記治療用ユニットが、冷却および加熱用の熱伝達を最適化するために人体部分に人間工学的に適合するように構成されたモジュール内に複数の可撓性の熱交換モジュールを含み、前記各熱交換モジュールが1つまたは複数の熱電冷却装置および冷媒通路を含む、前述したあらゆる形態の機器。
【0069】
5.前記機器が、携帯型であり、利用可能なACまたはDC電源で動作するように構成されている、前述したあらゆる形態の機器。
【0070】
6.ヘルメット構造として構成された治療用ユニットに分散された複数の熱電冷却装置と、
前記装置を着用する人物の皮膚の温度を感知するように構成された複数の温度センサと、
前記複数の熱電冷却装置の各々に隣接して配置された1つまたは複数の冷媒通路と、
前記冷媒通路を通じて冷媒を圧送するように構成された水循環機および熱交換器と、
前記温度センサによって測定された温度と温度設定値との間の温度差に応じて、前記熱電冷却装置を駆動するように構成され、冷却および加熱サイクルのプログラムされたパターンに応答する電子回路と、
を含む、頭蓋部の低体温療法のための機器。
【0071】
7.カラー構造に分散された複数の熱電冷却装置をさらに含む前記機器であって、前記電子回路が、前記ヘルメットと前記カラーの前記熱電冷却装置を駆動する、前述したあらゆる形態の機器。
【0072】
8.1つまたは複数の前記治療用ユニットが、前記人物の1つまたは複数の部分に取り付けられ、頭、首、脚、腕、胸、および腹から成る人体部位のグループから選択された人体部位に共形に取り付けられるように構成されている、前述したあらゆる形態の機器。
【0073】
9.前記治療用ユニットが、前記冷却および加熱サイクルの熱伝達を増大させるために、前記人体部位に人間工学的に適合するように構成されている、前述したあらゆる形態の機器。
【0074】
10.可撓性の熱交換モジュールに装着された熱電冷却装置と前記冷媒との間の温度を交換するための前記ヘルメット内に、複数の前記可撓性の熱交換モジュールをさらに備えた前記機器であって、
前記可撓性の熱交換モジュールのそれぞれが、外部冷媒通路を通じて他の可撓性の熱交換モジュールと、前記水循環機および熱交換器とに接続するように構成された入口と出口との間に、内部冷媒通路を有する、
前述したあらゆる形態の機器。
【0075】
11.前記可撓性の熱交換モジュールが、異なる層に、前記熱電冷却装置と前記内部冷媒通路の少なくとも2つの層を有して構成されている、前述したあらゆる形態の機器。
【0076】
12.前記複数の熱電冷却装置が分散された前記ヘルメット内に熱伝導性構造をさらに含む、前述したあらゆる形態の機器。
【0077】
13.前記ヘルメットの内部に熱伝導性エラストマーコーティングをさらに含む、前述したあらゆる形態の機器。
【0078】
14.前記複数の熱電冷却装置が、1つより多いグループにグループ化され、
前記グループのそれぞれが、前記温度センサによって測定された温度と冷却および加熱サイクルのプログラムされたパターンに基づく温度設定値との間の温度差に応じて、前記熱電冷却装置を駆動するように構成された前記電子回路によって別々に駆動される、
前述したあらゆる形態の機器。
【0079】
15.前記機器が、携帯型であり、利用可能なACまたはDC電源で動作するように構成されている、前述したあらゆる形態の機器。
【0080】
16.ヘルメットおよびカラー構造を備えた治療用ユニットに分散された複数の熱電冷却装置と、
前記ヘルメットおよびカラーを着用する人物の頭皮および皮膚の温度を感知するように構成された複数の温度センサと、
前記複数の熱電冷却装置の各々に隣接して配置された1つまたは複数の冷媒通路と、
前記冷媒通路を通じて冷媒を圧送するように構成された水循環機および熱交換器と、
前記温度センサによって測定された温度と温度設定値との間の差分に応じて、前記熱電冷却装置を駆動するように構成された電子回路と、
を含む、頭蓋部の低体温療法のための機器。
【0081】
17.前記治療用ユニットが、前記人物の1つまたは複数の部分に取り付けられるように構成され、頭、首、脚、腕、胸、および腹から成る人体部位のグループから選択された人体部位に取り付けられるように構成されている、前述したあらゆる形態の機器。
【0082】
18.前記治療用ユニットが、前記人体部位に人間工学的に適合するように構成されている、前述したあらゆる形態の機器。
【0083】
19.前記治療用ユニットが、冷却および加熱用の熱伝達を最適化するために人体部分に人間工学的に適合するように構成されたモジュール内に複数の可撓性の熱交換モジュールを含み、前記各熱交換モジュールが1つまたは複数の熱電冷却装置および冷媒通路を含む、前述したあらゆる形態の機器器。
【0084】
20.前記機器が、携帯型であり、利用可能なACまたはDC電源で動作するように構成されている、前述したあらゆる形態の機器。
【0085】
本明細書の説明は多くの詳細を含むが、これらは、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、単に現行の好ましい実施形態のいくつかの例示を提供するものである。したがって、本開示の範囲は、当業者に明らかになり得る他の実施形態を完全に包含することが理解されよう。
【0086】
特許請求の範囲において、単数形の要素への言及は、明示しない限りは、「たった一つのもの」を意味することを意図されておらず、むしろ「1つまたは複数」を意味する。当業者に知られている開示された実施形態の要素に対するすべての構造的、化学的、および機能的等価物は、参照により本明細書に明確に組み込まれ、本発明の特許請求の範囲によって包含されることが意図されている。さらに、本開示におけるいかなる要素、構成要素、または方法のステップも、その要素、構成要素、または方法のステップが明示的に特許請求の範囲に記載されているか否かにかかわらず、公的に専用されることを意図されていない。要素がフレーズ「〜ための手段(means for)」を使用して明確に記載されていない限り、本明細書の特許請求する要素は、「ミーンズ・プラス・ファンクション(means plus function)」要素として解釈されるべきではない。要素がフレーズ「〜ためのステップ(step for)」を使用して明確に記載されていない限り、本明細書の特許請求する要素は、「ステップ・プラス・ファンクション(step plus function)」要素として解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図11F
図11G
図11H
図11I
図11J
図11K
図11L
図11M