(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
シリカ系材料が充填されたポリオレフィン被覆膜であって、1500〜3000平方m/gの表面積を有する工学炭素材料を含む被覆膜を含む鉛蓄電池セパレータであって、
前記セパレータは鉛蓄電池の正極に対向する面と前記鉛蓄電池の負極に対向する面の2つの面を有し、前記被覆膜は前記鉛蓄電池の前記負極に対向する面上に配置される、鉛蓄電池セパレータ。
前記工学炭素が、黒鉛、活性炭素、カーボンブラック、グラフェン、デンドリティックカーボン、ナノカーボン、カーボンフラーレン、カーボンゾルゲル、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の鉛蓄電池セパレータ。
前記被覆膜は0.5重量%〜10重量%の界面活性剤と、前記界面活性剤の水溶液中に分散された細かく粉砕された前記カーボンブラックとを有する水溶性被覆溶液由来のものである請求項4に記載の鉛蓄電池セパレータ。
ポリオレフィンシートの表面に組成物を塗布することを含む電池セパレータの製造方法であって、前記組成物は工学炭素と溶媒を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の鉛蓄電池セパレータの製造方法。
前記組成物が、グラビアローラー、逆グラビア、スロット−ダイ法、圧縮空気スプレイ法、ディップ・コーティング法、ペイントブラシ、またはスポンジ塗布により塗布される、請求項11に記載の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
少なくとも選択された実施態様によれば、本発明は、電池セパレータ(例えば、コーティング、表面処理または層など、および/または陰極プレートに隣接するセパレータ材料に設けられている)に適用される工学炭素材料(例えば、カーボンブラック、黒鉛、活性炭など)を用いて硫酸塩結晶の形成を変性し、陰極自体への過剰なガス発生の有害な結果に対処する。
【0015】
カーボンブラック、黒鉛および活性炭などの工学炭素は、従来、鉛蓄電池に使用されている負極(またはアノード)自体の負極活物質(NAM)の成分として商業的に使用されてきた。そのような応用では、工学炭素材料が、負極またはアノードを形成するために使用されるペーストまたは材料に添加される。これらの炭素添加剤は、PSoC条件下での硫酸化効果(アノード上での硫酸塩結晶成長)を遅らせ得ることが見出された。例えば、アノード上での硫酸塩結晶の成長は、プレート内の利用可能な表面積(核形成部位)によって直接影響され得ることが見出された。 アノードに適用された工学炭素材料によって提供される表面積の増加は、最終的に負極の多孔性に与える影響がより小さい、より小さく、安定性の低い硫酸塩結晶の確立の原動力を提供し得る。言い換えれば、従来技術のシナリオでは、電池製造者は、負極またはアノードの細孔の閉塞を少なくし、結果として多孔度を向上させ、およびしたがって負極またはアノードの効率を向上させるために、高表面積の工学炭素材料を負極に添加することを試みた。
【0016】
しかし、炭素材料を負極に添加することには問題がある。 例えば、炭素材料を負極に添加することは、しばしばコストがかかるので、高価になり得る。さらに、電池製造業者は、負極の活物質量が全体的に減少するため、特定の鉛蓄電池の寿命が短くなることを見出し得る(硫酸塩の結晶成長を防ぐために設計された炭素材料は「不活物質」を構成し、 したがって、負極全体を構成する「活性」材料の量を取り除くから)
【0017】
さらに、典型的な条件および/または充電状態(PSoC)の低下または部分的状態の下で、負極は水素の過剰電位に達するので、ガスを生成し、ガスの発生は、ガスを制御するための数多くの商用電池設計によって証明されるように、十分に理解され得る。しかし、高表面積の炭素が負極またはアノードのNAMに直接導入されるので、ガス発生の加速が起こり得る。理論に縛られることを望まずに、負極における高表面積の工学炭素材料の存在は、鉛蓄電池の充電中にガスが核形成するための追加の場所を創出すると推測される。この場合、典型的なガス発生が劇的に増加し、ガスが負極の多孔質プレート構造内で遊離し得る。したがって、硫酸化の(または硫酸塩結晶の成長を減少させる)修正をする試みにおいて、ガスが電極の格子間領域に導入され、電解質の浸透が不十分になり、格子の腐食が増加し、電解液からの水の消費が増加し (ガスが絶縁体であるため)、鉛蓄電池などの性能の低下、またはこれらの組み合わせの結果となる。この場合、捕捉されたガスのブロッキング効果の故に充電の受入れが制限され得、 1つの問題のある状況(アノード上の硫酸塩結晶の成長)が別のもの(アノード内またはアノードへの過剰なガスの発生)に代替される。
【0018】
電池製造者の中には、負極に添加する炭素材料の表面積を変化させたり、負極に添加する炭素材料の量を減らしたりすることのよって、上記の課題を解決しようと試みるものがあった。 しかしながら、これらの解決法は、関連する鉛蓄電池の寿命サイクル性能を改善するためには完全に有効であるとは証明されていない。
【0019】
アノードの負極活物質に工学炭素材料を加える上記の問題のために、本発明者らは、工学炭素材料などの炭素材料を、セパレータ が鉛蓄電池に使用される電池セパレータに添加することが有利であり得ることを発見した。 いくつかの実施態様において、炭素材料は、負極またはアノードと接触するセパレータの表面を意味する、電池セパレータの負極活物質(NAM)表面に添加される。
【0020】
本明細書に記載の本発明にしたがって、電池セパレータに1つ以上の炭素材料を添加することは、炭素材料が単なる例として、モノリシックの負極それ自体に添加されず、むしろ電池セパレータに添加されることを意味する。 炭素材料は、これに限定されるものではないが、もはや電極自体の負極活物質(NAM)のためにより良く確保され得る空間を占有せず、 および/または負極におけるガス発生効果が劇的に低減される。
【0021】
本明細書に記載の様々な実施態様にしたがって、炭素材料として、例えば、鉛蓄電池で使用するための電池セパレータに工学炭素材料を添加すると、当業者であれば、同じ種類のガス生成がセパレータ内で発生することを懸念し得る。 しかしながら、本発明者らは、セパレータの気孔率が負極の気孔率よりも大きくなる傾向にあるため、本発明の実施態様によるセパレータの気孔は、ガス生成にもかかわらず、イオンを適切に運搬するために未だ十分な空間を有している 。
【0022】
本開示の様々な実施態様では、工学炭素材料などの炭素材料が、電池セパレータの負極活物質(NAM)表面に添加される。 これは、陰極が硫酸塩の結晶成長およびガス発生が典型的に生じる場所であるためである。 本発明による電池セパレータは、負極自体の一部としての炭素材料の使用によって電池の電力が犠牲にされないので、鉛蓄電池の全体的な性能を向上させる結果となることが見出された。 このような電池の改良は、例えば、本明細書に記載の炭素材料を添加しない従来のセパレータを使用した電池と比較して、改良されたレベルのコールド・クランキング・アンペア数(CCA)において明らかにされ得る。
【0023】
本発明のいくつかの実施態様において、電池セパレータは、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、それらの組み合わせなどで作られてもよい。本発明の様々な実施態様において、電池セパレータは、例えば、ガラス層、ポリマー層(ポリエステルなどの)、不織布層などを含む別の層に積層し得る。このような実施態様において、例えば、ポリオレフィン電池セパレータと、不織層のような別の層とを含む積層は、負極と密接に結合され、ガス発生が鉛蓄電池で行われると、ガスは、より多くの不織層の細孔に入り込み、したがって主に負極またはポリオレフィン電池セパレータの細孔のいずれにも存在しない。これは、このような積層または複合セパレータが組み込まれた鉛蓄電池の全体的な性能を改善する結果となり得る。全体的に、鉛蓄電池で使用するための電池セパレータの負極活物質表面への本明細書に記載の炭素添加剤および/または鉱物添加剤の添加は、電池システム内の硫酸塩結晶成長または形成の変性、システムにおける過剰のガス発生の減少、鉛蓄電池の充電受入れ能力の増大、および/または鉛蓄電池のサイクル寿命および/または性能の改善をもたらす。
【0024】
本発明による電池セパレータの使用のために適する炭素材料は、限定はされないが、
黒鉛
活性炭素
カーボンブラック
グラフェンおよび関連する構造類似物
炭素の樹木状形態
様々な製造方法から誘導されたナノ炭素材料
高度に構造化した炭素質材料(フラーレン バッキーボールら)
カーボン・モノリシックおよびカーボン多成分ゾル−ゲル材料、および
上記の組合せ
を含み得る。
【0025】
本明細書で議論する実施態様と合わせて使用し得る炭素形態の所望の表面積(BET法)は、10m
2/g超、 および/または500m
2/g超、 および/または1500m
2/g超、および/または3000m
2/g超、および/または5000m
2/g超を含む。例えば、いくつかの実施態様において、炭素の表面積(BET法)は、10〜5000m
2/g、および/または500〜3000m
2/g、および/または1500〜3000m
2/g等であり得る。
【0026】
様々な実施態様において、炭素添加剤などの添加剤材料は、コーティング溶液、ペーストまたはスラリー中で電池セパレータに適用される。 例えば、水性スラリー(またはペーストまたは分散液)中の所望の濃度のカーボンブラック(微細粉末)は、限定されるものではないが、
1〜80%w/w、および/または
2〜60%w/w、および/または
全溶液中の炭素の2〜30%w/w(しばしば、残りは水および/または水と1種以上の界面活性剤および/または添加剤とのある混合物であり得る)。
【0027】
スラリーまたはコーティング溶液は水性であってもよく、界面活性剤、例えばイオン性または非イオン性界面活性剤を含んでもよい。このような界面活性剤は、例えば、電解質が所与のセパレータの孔をより容易に濡らすことを可能にし得る。これは、所与の電池に対してより高いCCA格付けを導き得、これは様々な応用において望ましくあり得る。界面活性剤の一例としては、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウムが挙げられる。 しかし、本明細書に記載の実施態様にしたがって、任意の数の界面活性剤を使用し得る。 界面活性剤は、所与のコーティング溶液/スラリー/ペーストの約0.5〜約10重量%を構成し得る。
【0028】
セパレータの多孔性により、セパレータの細孔構造内へのカーボン粒子の無視できる浸透で、表面上の炭素分散体の迅速な吸着が可能になる。 セパレータは、グラビアロール、逆グラビア、スロットダイ法、空気スプレイ法、ディップ・コーティング法、ペイントブラシ、スポンジ塗布などを含む多くの方法でコーティングし得る。
【0029】
炭素コーティングまたは層の厚さは、電池内の電極プレート間隔の設計パラメータを満たすように調整し得る。一般に、コーティングの厚さはサブミクロンから数百ミクロンに調整し得る。
【0030】
被覆されたセパレータを乾燥させる方法は、過剰の水を追い出すための多くの形態のエネルギーを含み得る。例えば、マイクロ波、強制空気オーブン、対流オーブン、赤外線エネルギー、溶媒蒸発乾燥、共沸乾燥などが挙げられる。セパレータを乾燥させるのに必要な接触時間は、方法、コーティングの厚さ、構成およびセパレータ表面パターン および熱特性によって変化し得る。
本開示として本明細書に記載される要素を利用することによって達成される利益には、限定されないが、
【0031】
これらの添加剤が電極の活物質内の封じ込めを除いて、隣接する周辺に配置されることが実現可能であるとき、添加剤を活物質と置換することは有益である。本開示は、代替基材からの添加剤を展開することによってこのシナリオを提案する。この開示は、そのような添加剤が負極の一部であることに反するように、例えばポリエチレン(PE)セパレータ基材などの電池セパレータに、例えば炭素添加剤を添加することを介してそのような展開を実施する好ましい手段について議論している。この利点は、活物質内で以前に必要とされていた容量を追加の活物質と交換することによって達成され得る。本質的に、電池は、以前に含有された添加剤の除去によって活物質の密度の単純な増加を介して、より堅固とされ得る。セパレータ、ウィッキング保持マット、スペーサマットなどの、合成繊維またはセルロース系繊維からなる織布および/または不織布材料などの隣接または周辺の基材上への前記添加剤の組み込みは、これらおよび他の利点を達成することができ、本明細書において検討される。
【0032】
例として、明らかにそれに限定されずに、炭素添加剤プラットフォームとしてのセパレータの負極の表面を利用するために、NAMから炭素添加剤を徐々に除去することは、以下の利点をもたらし得る。
1. NAMから炭素を除去することは、追加の活物質を得ること、製造の複雑さおよびコストを削減することを可能にし得る。
2.特にPSoC操作において、負極プレートの多孔率の対応する損失なしに、硫酸塩結晶の核形成のための表面積を提供し得る。 セパレータ機能は変化させられ得ない。
3.プレートでのガス発生は、プレートの細孔内で過度の核形成なしに正常に進行し得る。 浸水L−Aシステムの場合、ガスが、浮力によってガスを電解質の表面に運び得るセパレータコーティング上に核形成し得る。
【0033】
恐らく最適な結果のために、セパレータは、負極プレートと直接接触する側(例えば、セパレータのNAM面)に炭素で被覆され得る。いくつかの場合、プレート〜コーティング〜セパレータ間の接触を維持するために、プレートとセパレータとの間に十分な圧力が存在する。炭素添加剤は、セパレータの負極表面上に存在する任意のプロファイルまたはトポロジー性(例えば、リブ、ミニリブ、クロスリブ、後の包囲などのためのランド領域等)上で使用し得る。単なる例として、本明細書に記載の使用に適した様々なセパレータは、プレート間の距離または間隔を保持し、プレートを離して保持し、および/またはセパレータバックウェブとプレートとの間に距離または間隔を保ち得る、リブを備えている。例えば、
図1(b)において、リブがポケットまたは封筒型のセパレータの内側に配置されている。いくつかの例において、セパレータはクロスリブを包含し、そのようなクロスリブは、アノードまたは負極またはプレートと接触するセパレータの表面上に配置され得る。
【0034】
いくつかの実施態様において、バインダーは、炭素を含むコーティング、スラリー、ペースト、または溶液の一部であり得、セパレータに添加されてセパレータを改善する。 バインダーの組成は、機能的であっても不活性であってもよい。 ラテックス、液状ゴム、デンプン溶液、アクリロニトリル、アクリレート、それらの誘導体、ポリオレフィンなどはバインダーの例である。 いくつかの実施態様において、バインダーは、独立してセパレータに添加され、炭素を含むコーティング、スラリー、ペースト、または溶液の一部ではない。
【0035】
代わりに、セパレータは、適切な炭素選択肢のリストから選択された炭素の層を含み得る。 この層は、好ましくは負極のプレート表面に面するように意図された側の別個の層としてセパレータに加えられてもよく、あるいは、炭素は、共押出、または押出/カレンダリング/冷却操作中に機械的に表面上の炭素を埋め込むことを含む、任意の数の手段によってセパレータの負極面に埋め込まれてもよい。 好ましいセパレータではないが、これらの適用方法は、ゴムまたはPVCのような広範な使用ではない技術を介して生産された微多孔質セパレータの強化にも役立つかもしれない。
【0036】
炭素の適用は、セパレータの種類に限定されないが、負極プレート活物質の表面と密接に接触し得る限り、任意の数の手段によってデリバリのためになし得、そうして一般的に正極と負極のプレートの間に直接伝導経路を形成することを回避し得る。 例えば、多層または複合体セパレータは、負極プレートに隣接する炭素含有導電層と、正極プレートに隣接する第2の非導電層とを有し得る。
【0037】
炭素は、所望する場合は、セパレータの体積を介して分散されてもよく、場合によっては、正極プレートに対する炭素負荷濃度および密度に応じて、望ましくない自己放電を防ぐために、炭素含有セパレータと正極との間に不織布マットが所望される。
【0038】
いくつかのタイプの鉛蓄電池または特定の適用において、不織マットを単独で、またはポリエチレンセパレータなどの慣用のセパレータと共に使用することが有用であることが分かり得る。 炭素は、不織布の成分に、または不織布の成分として適用し得る。
【0039】
本明細書に記載の炭素添加剤は、プレート製造または組立てのいずれかの間に、例えば、電池プレートの表面に直接適用されるペースト紙またはマットを用いて、様々な方法で適用し得る。 炭素は、ペースト接着剤ユニットとしても機能することを意図したペースト紙、ラミネートまたは他の構造物の構成要素またはコーティングとして、ペースト紙と共に適用され得る。 この材料は、鉛プレートの製造中にペースト紙として使用され得、セパレータに積層され、セパレータに加えて層として組み立てられ、または鉛蓄電池設計に応じて完全なセパレータとして使用されることさえもできる。
【0040】
活性炭特性を鉛蓄電池に組み込む単純な方法として、セパレータの共通の封筒状物が個々のプレートを包むために使用されるときに、バルク材料形態のパウチの内部に炭素を単に添加し得る。 パウチを負極プレートの周りに加え、パウチ内に炭素を組み込むことによって、炭素は含有され、負極プレートの表面に含まれる活物質と密接に接触する。一例として、負極プレートは、炭素および油または他のバインダーとの混合物中で酸化防止として、および例えば炭素を負極活物質の表面に直接適用する方法でコーティングし得る。
【0041】
このような電池設計に使用することが意図されたプレートは、所望の結果を提供する炭素および同類の添加剤の懸濁液またはコロイド状混合物への曝露によって直接に、あるいは代替的に、炭素を噴霧または 製造プロセスの不可欠な部分としてのプレート状の静電粉体塗装方法によって接触させることができる。
【0042】
本明細書に提示された開示は、炭素が利益をもたらすために負極活物質の構成成分である必要はないという結果を提供し得る。 実際に、そのような炭素を、ペーストの外面に近接して、埋め込まれて、または直接に、添加された層の一部または全部として適用することは、負極活物質の炭素組成物の増加に関連する負の影響を低減する一方で、充電受入れ性およびサイクル寿命の改善の利益を提供し得ることが見出された。 これは、負極活物質の表面またはその近くで硫酸鉛放電生成物の単離を防止する、追加の伝導度の恩恵をもたらし得る。
【0043】
本明細書の様々な実施態様は、関連する炭素材料を含有する溶液またはコーティングまたはペーストで被覆されたセパレータが、関連する炭素材料の溶液/コーティング/ペーストの被覆なしの非被覆セパレータと比較して、改善された特性を発揮し得る。さらに、本明細書の様々な実施態様において、関連する炭素材料は、自立する多孔質の炭素シートに作製され、鉛蓄電池と共に使用するためにセパレータに挿入されるか、またはセパレータの隣に挿入され得ることが見出された。 様々な例において、このような炭素シートは、50%を超える炭素材料、および/または70%を超える炭素材料、および/または80%を超える炭素材料、および/または85%を超える炭素材料を含み得る。 特定の一実施態様において、約87%の炭素を含有する炭素シートを、本明細書に記載のセパレータと共に使用し得る。
【0044】
言い換えれば、本明細書に記載の様々な実施態様において、電池のアノードの負極活物質に炭素材料を投入するのではなく、炭素材料を電池システムの他の場所に配置して、例えば予期しない利益を生み出す。 このような炭素材料は、本明細書の様々な実施態様に従って、セパレータ上に、セパレータの隣に、 セパレータのポケットまたは封筒状物の内側に、コーティングとして、シートとして、セパレータの封筒状物のポケットの内側の炭素充填として(緩い炭素がその中のプレートの周りのポケットまたは封筒状物の内側にあり得ることを意味する)など配置され得る。
【0045】
[実施例]
実施例1 炭素のポリエチレン鉛蓄電池セパレータへの適用
コーティング溶液、スラリーまたはペーストを調製し、続いて以下に詳述するようにセパレータの負極の面に塗布した。
図1(b)は、鉛蓄電池、例えばポリエチレンセパレータに使用するための電池セパレータを示す。
図1(b)に示されるこの特定の実施態様において、セパレータはクロスリブ形状(主要リブおよびクロスリブを有することを意味する)を有し、電池プレートの挿入のために開いている左側にカットエッジを有し、右側の折り曲げられた端部、並びにクリンピング(crimping)またはシーリング等によって閉じられた頂部および底部の端部を有する。 リブは、電池セパレータのために距離または分離を提供し得る。 しかし乍ら、本明細書の実施態様においては、多くの形状のセパレータを使用し得る。
図1(b)においては、ポリエチレンセパレータは被覆されていない。
【0046】
図1(a)は、本明細書に記載された実施態様にしたがうカーボンブラックのコーティングで被覆された鉛蓄電池に使用する類似のポリエチレンセパレータを示す。具体的には、界面活性剤、ここではジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム(ニュージャージー州ウッドランドパークのCytec Industries Inc.から商品名エアロゾルMA−80で市販)2〜3重量%を組み入れることにより調製される。カーボンブラックは、微粉砕粉体形態として Cabot Carbon CorporationからPBX51カーボンブラック(約1850平方メートル/gの表面積を有する)の商品名で市販され、前記界面活性剤水溶液に分散された。
【0047】
図2は、サイクルと試験を行う鉛蓄電池に使用するのに適した様々なセパレータを含む3つの独立したセルを示している。
図2(a)と表示された
図2の部分のセルにおいて、セパレータは
図1(a)に描かれた炭素被覆セパレータである。 2(b)と表示された
図2の部分のセルでは、セパレータは、Duralife SeparatorとしてDaramic社から市販されているポリエチレンセパレータである。2(c)と表示された
図2の部分のセルにおいては、セパレータは本明細書で行われる様々な実験のための「対照」セパレータであり、炭素のコーティングを含まない(しかし乍らMA-80 界面活性剤を含む)ポリエチレンセパレータである。
図2に示すように、複数の封筒スタイルまたはポケットスタイルのセパレータがさまざまなセルに含まれている。
【0048】
セパレータ(特に、
図2(a)に示す炭素被覆セパレータ対
図2(c)に示す対照セパレータ)を含む電池の性能を測定するために、セルが数週間サイクルされ、その後種々の試験を行った。
図3および
図6に含まれるデータは、数週間のサイクル後の予備容量(「RC」)放電後の単一セル充電受入れを示す。
図6は、実験用セルおよびセパレータ(カーボンA-D)、並びに対照セルおよびセパレータ(対照A−D)の4つの反復試験セットからのデータを含み、それに対して
図3は、単に炭素Cおよび対照Cのデータセットの1つを説明する。
図3および
図6、amp *時間のy軸単位は、より多くの累積フォーマットでデータを見ることができる。また、カーボンA-Dの結果を得るためにセルに使用されたカーボン被覆セパレータは、コーティングされていない対照A-Dセパレータと比較して、単一セルの充電受け入れに関して良好に成し遂げた(
図3および
図6参照)。
【0049】
図4および
図5に含まれるデータは、数週間のサイクル後のRC放電後の単一セルの充電受入れ性を示す。
図5は、実験用セルおよびセパレータ(Carbon A-D)および対照セルおよびセパレータ(対照 A-D)の4つの反復試験セットからのデータを含み、一方で
図4は、炭素Cおよび対照Cのデータセットの1つを単に説明する。
図4と
図5、ampのy軸単位は、データをより多くの瞬間的なフォーマットで見ることを可能にする。 また、カーボンA-Dの結果を得るためにセルに使用されるカーボン被覆セパレータは、コーティングされていないコントロールA-Dセパレータと比較して、単一セルの充電受入れに関して良好に成し遂げた(
図4および
図5参照)。
【0050】
より多くのテストデータが
図7に反映され、これは、炭素被覆されたバッテリーセパレータが、様々なサイクル期間後にセルの予備容量を改善したことを示している。こうして、炭素被覆されたセパレータが、セルに充電受入れ性を与え、予備容量を増加させ、サイクルを通してこれらの特性を保持することが重要であり得る。
【0051】
同様に、
図8は、上記の実験セルおよび対照セルの種々の試験の結果を表し、実験的な炭素被覆セパレータおよび対照の未被覆セパレータで作製されたセルの種々のサイクル期間後の充電受入れ性を示す 。
図8において、電池のエネルギーの半分以上が除去されていても(50%DODまたは放電深度の表記から分かるように)、セルの充電受入れ性は、時間の経過とともに改善され、継続される連続したサイクル期間後でさえも改善される。 充電受入れ特性が適切に改善され、炭素被覆セパレータを用いたセルは、より良好に充電を受け入れることができた。
【0052】
少なくとも選択された実施態様、側面または目的によれば、本開示または発明は、新規または改良された電池セパレータ、構成成分、電池、システム、電極および/または関連する製造方法および/または使用を、鉛蓄電池に使用するための炭素および鉱物添加剤有する電池セパレータを、炭素または鉱物添加剤を、およびこのようなセパレータまたは炭素および/または鉱物添加剤を含む電池を対象とする。少なくとも特定の実施態様において、本開示は、新規または改善された鉛蓄電池セパレータ、電池、システム、および/またはその製造方法および/またはその使用に関する。少なくとも特定の選択する実施態様において、本開示は、少なくとも1つの表面または層上に炭素または鉱物添加剤を含む新規または改善された鉛蓄電池セパレータ、および/または予備容量、充電受入れ性、サイクル寿命等を改善するために、そのような炭素および/または鉱物添加剤を有する鉛蓄電池セパレータおよび電池を構築する方法に向かっている。
【0053】
少なくとも別の選択された実施態様においては、改善された電池セパレータおよび/または電池は、必要な鉛含有量を低減し、セパレータの電気抵抗(ER)を低減し、サイクル寿命を延ばし、導電性材料を添加し、冷間クランキング・アンペア数(cold cranking amperage,CCA)効率を増加させ、 開路電圧(OCV)を増加し、捕捉ガスを最小化し、予備容量を増加させ、キャパシタンス特性を改善し、活物質の利用を改善し、エネルギー消費を低減し、陰極プレート拡散を減少させる等々がある。
【0054】
少なくとも他の選択された実施態様において、鉛蓄電池の蓄電性能を向上させた鉛蓄電池用の少なくとも1つの電池セパレータを提供する。
本明細書に示され、記載される鉛蓄電池用の電池セパレータ。
上記鉛蓄電池用の電池セパレータは、
鉛蓄電池の鉛蓄電性能を向上させるために、電池セパレータに適用される添加剤を含む。
添加剤が、セパレータに適用された炭素または鉱物添加剤である上記の電池セパレータ。
添加剤が、電池セパレータに適用され、硫酸塩結晶形成を変性する工学炭素材料を含み、一方で、負極への過剰なガス発生の有害な結果を減少させる、上記電池セパレータ。
【0055】
前記工学炭素材料が、カーボンブラック、黒鉛、活性炭、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、上述の電池セパレータ。
電池セパレータの負極活物質(NAM)表面に前記添加剤を適用した上述の電池セパレータ。
前記添加剤が部分充電状態(PSoC)条件下で、硫酸化効果を遅らせる上述の電池セパレータであって、ここで、
硫酸塩結晶の成長は、電池のプレート内の利用可能な表面積(核形成部位)によって直接影響を受け、
増大した表面積は、負の電極の多孔性に与える影響がより小さく、より安定でない小さな結晶の確立のための駆動力を提供し、
典型的なPSoC条件下で、電極は水素の過剰電位に達すると、ガスを生成し、
高表面積炭素が直接NAMに導入されると、ガスと硫酸塩の核形成の両方の促進が起こり、典型的なガス発生が劇的に増加し、ガスが多孔質プレート構造内で遊離し、
ガスが電極の間隙領域に導入され、電解質の浸透が不十分になり、グリッドの腐食が増大し、電解質からの水の消費が増加し、イオン抵抗が増大するなど、およびそれらの組合せ、
充電の受入れは、捕捉されたガスのブロッキング効果によって制限され得、前記またはそれらの組み合わせが起こる。
【0056】
工学炭素材料が、黒鉛、活性炭、カーボンブラック、グラフェンおよび関連する構造類似体、炭素の樹枝状形態、様々な製造方法に由来するナノカーボン材料、高度に構造化された炭素質材料(フラーレン・バッキーボール等)、カーボン・モノリシックおよびカーボン多重成分ゾルゲル材料、同様のもの、およびそれらの組み合わせを含む上記の電池セパレータ。
【0057】
添加剤が、10〜5000平方メートル/g、500〜1500平方メートル/g、1500〜3000平方メートル/gからなる群から選択される表面積を有する上記電池セパレータ。
添加剤がセパレータの負極面に塗布されている上記電池セパレータ。
添加剤が、0.5重量%〜10重量%の界面活性剤と界面活性剤水溶液中に分散された細かく粉砕された粉体形態のカーボンブラックとを含む、上記電池セパレータ。
界面活性剤が、イオン性界面活性剤である前記電池セパレータ。
イオン性界面活性剤が、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウムであり、濃度が2〜3重量%である上記電池セパレータ。
カーボンブラックが、1〜80
質量百分率(wt/wt%)、2〜60%
質量百分率(wt/wt%)、および2〜30
質量百分率(wt/wt%)からなる群から選択される濃度を有する上記電池セパレータ。
【0058】
セパレータの多孔質性が、セパレータの細孔構造へのカーボン粒子の無視できる浸透を伴う表面上の炭素分散体の迅速な吸着を可能にする上記電池セパレータ。
セパレータが、グラビアローラー、逆グラビア、スロットダイ法、空気噴霧法、ディップ・コーティング法、ペイントブラシ、スポンジ塗布、同様の方法およびそれらの組み合わせからなる群から選択される方法によって被覆され得る、上記電池セパレータ。
炭素コーティングの厚さが、電池内の電極プレート間隔の設計パラメータに適合するように調整され得、それによってコーティングの厚さがサブミクロンから数百ミクロンに調整され得る、上記電池セパレータ。
【0059】
被覆されたセパレータを乾燥させる方法が、過剰の水を追い出すための任意の乾燥方法を含み得る、上記電池セパレータ。
乾燥方法が、マイクロ波、強制空気オーブン、対流オーブン、赤外線エネルギー、 溶媒蒸発乾燥(共沸乾燥)、同様の方法、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、前記電池セパレータ。
【0060】
炭素添加剤のプラットフォームとして、セパレータの負極の表面を利用することを選択して、NAMからの炭素添加剤を徐々に除去する上記の電池セパレータは、以下の利点をもたらす。
NAMから炭素を除去することにより、追加の活物質を得ることができ、または製造の複雑さおよびコストを低減することができる、
セパレータ機能が変化していない、特にpSOC操作において、負極のプレートの多孔度の対応する損失なしに硫酸塩結晶核形成のための表面積を提供する、
プレートのガス発生は、プレート孔内で過度の核形成なしに通常進行し、ここで、ガスはセパレータコーティング上で核形成し、浸水鉛−酸系の場合には浮力によってガスが電解質の表面に運ばれる、または
それらの組み合わせ。
【0061】
セパレータが負極プレート(NAM)と直接接触する側に炭素で被覆されている、上記電池セパレータ。
プレート 〜コーティング 〜セパレータ間の接触を維持するために、プレートとセパレータとの間に十分な圧力が存在する、上記電池セパレータ。
炭素添加剤が、セパレータの負極の表面(例えば、リブ、ミニリブ、クロスリブ、後の包み込みのためのランド領域等)上に存在する任意のプロファイルまたはトポロジー特性に使用され得る、上記電池セパレータ。
前記添加剤が、バインダーでセパレータに塗布される上記の電池セパレータ。
バインダーの組成物が機能的であるか不活性であり得る、上記電池セパレータ。
バインダーが、ラテックス、液状ゴム、デンプン溶液、アクリロニトリル、アクリル酸エステルおよびその誘導体など、またはそれらの組み合わせである、上記電池セパレータ。
前記添加剤が、セパレータに別の層として添加された層である、前記電池セパレータ。
添加剤層が、負極プレート表面に対向するように意図された側に添加される、上記電池セパレータ。
前記添加剤がセパレータに埋め込まれる、上記電池セパレータ。
添加剤が、セパレータの負極の対向面に埋め込まれる、上記の電池セパレータ。
添加剤がセパレータ全体に埋め込まれている、上記電池セパレータ。
添加剤が、押し出し/カレンダリング/冷却操作中に機械的に表面上に炭素を共押出または埋め込みする、埋め込みプロセスによってセパレータに埋め込まれた、上記電池セパレータ。
上記電池セパレータは、望ましくない自己放電を防止するために、炭素含有セパレータと正極との間に不織マットをさらに含む。
【0062】
上記電池セパレータまたは改善された電池または電極であって、添加剤が、プレートの製造または組立中に電池プレートの表面に直接貼付される貼付け紙またはマットを用いて貼付され、 添加剤が、成分、または貼付け紙のコーティング、ラミネート、またはペースト接着部として機能することをも意図される他の構造体として貼付け紙によって適用され、それによって、この材料は、鉛プレートの製造中に貼付け紙として使用することができ、セパレータに積層され、セパレータに加えて層として組み立てることができ、または鉛蓄電池設計に応じて完全なセパレータとして使用されることさえできる。
【0063】
セパレータの共通の封筒状物が個々のプレートを包むために使用されるとき、バルク材料の形態でパウチの内側に添加剤が添加される上記電池セパレータであって、負極プレートの周りにパウチを加え、パウチ内に炭素を入れ込むことによって、 炭素が含有され、負極プレートの表面に含まれる活物質に密接に接触する。
【0064】
このような電池設計における使用を意図されたプレートが、所望の結果をもたらすであろう本明細書の炭素および同様の添加剤の懸濁液またはコロイド混合物への曝露によって直接接触される、上記電池セパレータまたは改善された電池または電極で、 代替的に、炭素が、噴霧法または静電粉体塗装法によって、プレート状に製造プロセスの不可欠な部分として局所的に適用し得る。
【0065】
上記の電池セパレータは、鉱物充填材を含浸させた合成不織布と組み合わせた微多孔膜をさらに含む。
前記膜がポリマー充填膜である、上記電池セパレータ。
前記ポリマーがポリオレフィンである、上記電池セパレータ。
前記充填材がシリカ系材料である、上記電池セパレータ。
前記膜がリブを有する上記電池セパレータ。
前記リブが、機械方向および/または横断機械方向に走行するリブである、上記電池セパレータ。
電池において、上記電池セパレータおよび/または電極を含む改良。
【0066】
ISS、HEVまたはEFB電池などの鉛蓄電池用複合電池セパレータに使用のための添加剤であって、鉛酸蓄電性能を高めるために電池セパレータに適用される添加剤を含む。
鉛蓄電池の鉛酸蓄電性能を向上させる方法。
本明細書に示され、記載されるように、鉛蓄電池の鉛酸蓄電性能を向上させる方法。
鉛蓄電池の鉛酸蓄電性能を向上させる方法であって、前記蓄電池に適用した添加剤を電池セパレータに供給するステップを含む前記方法。
上記の方法は、電池セパレータの負極活物質表面に炭素を供給することを含み、ここで、炭素は、充電性能を最も効率的に向上することができ、鉛蓄電池の寿命サイクル性能を改善する。
本明細書で示されまたは記載されたような鉛含有量の低減された電池。
本明細書に示されまたは記載されたように、鉛含有量が低減された電池用の新規のまたは改良された電池セパレータ。
【0067】
他の実施態様にしたがって、例えば、以下のうちの少なくとも1つによって、浸水SLI電池を製造するために現在必要とされる鉛の量を低減することができる。
既存のベンチマークされた性能属性を保持または向上させながら、SLI電池の鉛含有量を削減する。
セパレータの電気抵抗を25%低減
セパレータは、エネルギー貯蔵装置内の抵抗を制限するように働く。
セパレータ抵抗の実質的な削減(例えば、20−30%)は、コールド・クランキング・アンペア数(CCA)効率を向上させる手段である。
鉛酸SLI電池システムにおいて、特に極端な温度でのエンジン始動能力にとってCCA格付けは、重要である。
CCA格付けは、顧客の受け入れとアフターマーケットの選択とOEMバッテリのキーとなり得るよく確立された業界基準である。
CCAに対する業界の期待が存在し、低抵抗のセパレータがCCAを向上する役割を果たすため、バッテリメーカーに3つのオプションが利用可能になる。
CCA格付けは、電極プレートから活物質を除去したり、および/または電池設計から電極プレートを取り除いたりして、一定に保つことができる。
活物質および/またはプレートを介しての鉛の除去は、性能が維持され、一方で製造コストが大幅に削減されるので、特に魅力的である。
厳しい条件で動作する特定のバッテリシステムでは、CCA格付けを上げ得る。
CCAの格付けは、より高い消費者受入れを求める手段として増加し得る。
【0068】
代替の電流分布
米国特許出願(2008 / 0076028A1)には、鉛蓄電池セパレータのリブに耐酸化性の導電性金属を適用することが記載されている。導電性リブは、電極プレートに付着した活物質と直接接触して、活物質の利用を高め、電極プレート自体を含む鉛構造体の酸化腐食を低減する。
前述の応用においては、達成された成果は、電池のサイクル寿命の20〜30%の向上であった。
新しいアプローチは、導電性炭素質化合物および代替導電性材料のセパレータリブへの堆積、および代替的に、電極上の活物質のプラットフォームとして当業界で知られているセルロース材料への堆積による電流分布の引用されたコンセプトを利用する。
この場合、電流は、サイクル寿命と正極のグリッド腐食機構の抑制のためになって分布される。
多くの場合、電極に適用される活物質の30%程度が実際に利用される。これらの場合、導電性ペースト紙または導電性リブ表面を通る電流分布を改善することにより、実質的な量の正極および負極活物質を電極プレートから除去する選択肢を提供し、製造コストを節約し、一方で未変性SLI電池に対して性能を維持または改善する。
加えて、電極を含む鉛グリッドは、セパレータまたは代替の導電体基礎(ペースト紙)の電流分布機能のためにもはや必要とされない鉛を除去するために再設計され得る。
【0069】
負極プレート拡散への取組み
負極は、コールド・クランキング・アンペア数(CCA)に関して、SLI電池内の制限的成分である。放電中、正極は酸電解質を消費するから、負極は硫酸電解質を産出する。充電サイクル中、これらの役割は逆転される。
セパレータの細孔構造を改質して電解質の負極への拡散流を増大することで、CCA効率を上げる手段を提供し、これは、前述の「高多孔度/低電気抵抗」セクションにおいて注記したように、消費者および製造者に順々に同様のセットの利益を提供する。
CCA格付けは一定に保つことができ、一方で電極プレートから活物質を除去したり、電池設計から電極プレートを取り除いたりする。
活物質および/またはプレートを通しての鉛の除去は、性能が維持され、一方で製造コストが大幅に削減されるので、特に好ましい。
厳しい条件で動作する特定の電池システムのために、CCA格付けを上げ得る。
CCAの格付けは、より高い消費者の受入れを求める手段として上げ得る。
【0070】
高OCVおよび浅い放電のセパレータ
改良されたセパレータは、浅い放電プロファイルの開回路電圧(OCV)が高くなるように設計されている。この属性は、電池の電圧低下をより長時間にわたって低減する。このような電池に関連するCCAは、従来のセパレータを有する電池のCCAに対して本質的に強化されている。
CCAの強化は、消費者(性能を通じて)と製造業者(コスト削減を通じて)の両方に利益をもたらす。これらの利益は以前に説明されており、具体的には次のとおりである。
CCA格付けは、電極プレートから活物質を除去したり、電池設計から電極プレートを取り除いたりしながら、一定に保つことができる。
活物質および/またはプレートを通しての鉛の除去は、性能が維持され、製造コストが大幅に削減されるので特に望ましい。
厳しい条件で動作する特定の電池システムでは、CCA格付けを上げ得る。
CCAの格付けは、より高い消費者受け入れを求める手段として増加し得る。
【0071】
捕捉ガスの最小化
バッテリ内の捕捉ガスは、高抵抗、CCAの減少、予備容量の減少に導く。
リブの設計によって決まるセパレータの表面形状は、電極とセパレータの間の領域に捕捉されたガスを低減する重要な方法の1つである。
バッテリ全体に機能する別のコンセプトは、バルク電解質そのものへのアクセスを可能にするために、電池区画内に高いランダム表面積(異方性の)を有する材料を戦略的に配置することである。バルク流体としての電解質は、性質上溶解したガスを含む。溶解ガスの濃度は、溶解特性によって電解質の温度に伴ない自然に変化する。溶解したまたは捕捉されたガスを減らすときは、電池の全体を考慮に入れることが重要である。ガス溶解が増加するにつれて電解質抵抗が変化し、したがって、すべての操作条件下において一定または低レベルの溶解または捕捉ガスを維持することが有利である。
溶解/捕捉ガスの影響の大きさは、CCAや予備容量などの重要な特性で知られているので、この領域は還元を通じて活物質の最適化につながることが明らかになる。この場合、活物質を還元させる手段は、電池システム内の抵抗の除去である。
【0072】
キャパシタンス特性を有するセパレータ
超コンデンサまたはスーパーコンデンサが知られており、最も単純な意味では、これらの設計は電荷の保存と保存された電荷の迅速な放出を可能にする。これらのデバイスは、外部充電源なしに長時間の動作につながる、化学反応を実際に持続することができないため、電池ではない。しかし、コンデンサ−バッテリ ハイブリッドの概念は、性能および製造上の利点を提供し得る。
陰極と接触するセパレータ側のキャパシタンス・グレード(高表面積)の炭素質の層を形成することは、いくつかの堆積手段によって達成し得る。CCAの大きさを示すのがこの電極であるため、接触面として陰極が選択される。電池は、公称条件下で動作するので、キャパシタンス・グレードの炭素質材料は、表面常駐の電荷密度を作り上げる。エンジンの点火中などの重い放電の際に、この電荷は負の電極に移され、反応動力学に対して「電圧上昇(boost)」を提供する。
前述の応用においては、活物質の電池からの除去を容易にする、より効率的な方法で活物質が利用され、こうしてコスト削減を通じてメーカにとっての顕著な利益をもたらす。
【0073】
より可能な利益は以下の通りである。
形成時間の短縮
固定資産の高い利用性
低エネルギー消費
代替電流コレクタ
予備容量の向上
捕捉ガスの最小化
予備容量の向上
充電受入れの改善
陰極プレート拡散に対処する
充電受入れの改善
【0074】
少なくとも選択された実施態様、側面または目的にしたがって、改良された電池セパレータ、電池、システム、電極、および/または製造方法、および/または使用が提供される。 少なくとも特定の実施態様、側面または目的にしたがって、本開示または発明は、鉛蓄電池(浸水された、強化浸水された(EFB)、ゲル、VRLA、および/または同類のもの)および/または かかるセパレータを含む改良された電池に向く。
【0075】
少なくとも特定の実施態様、側面または目的にしたがって、セパレータに適用される炭素または鉱物添加剤を含む鉛蓄電池用の新規または改良された電池セパレータが提供される。可能な好ましい実施態様においては、電池セパレータは、硫酸塩結晶形成を変性し、一方で負極自体への過剰なガス発生の有害な結果を減少させるために、電池セパレータに適用される工学炭素材料を含み得る。一実施態様においては、鉛蓄電池の鉛酸蓄電性能を向上させる方法は、電池セパレータの負極活物質表面に炭素を送達することを含み得、ここで炭素は充電受入を効果的に強化し、 鉛蓄電池の寿命サイクルを改善し得る。
【0076】
本発明は、その精神および本質的な特性から逸脱することなく他の形態で実施することができ、したがって、本発明の範囲を示すものとして、前述の明細書ではなく、添付の特許請求の範囲を参照すべきである。 加えて、本明細書に例示的に開示された本発明は、本明細書に具体的に開示されていない要素が存在しない場合にも、適切に実施され得る。 本明細書の教示に照らして、本分野の当業者には、本発明の多くの他の改変および変形が可能である。 したがって、本発明は、特許請求の範囲内で、本明細書に具体的に記載されたもの以外のものも実施し得ることが理解される。