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特許6846934土工機械用のオペレータ支援アルゴリズム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6846934
(24)【登録日】2021年3月4日
(45)【発行日】2021年3月24日
(54)【発明の名称】土工機械用のオペレータ支援アルゴリズム
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/85 20060101AFI20210315BHJP
【FI】
   E02F3/85 D
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-572707(P2016-572707)
(86)(22)【出願日】2015年5月14日
(65)【公表番号】特表2017-521580(P2017-521580A)
(43)【公表日】2017年8月3日
(86)【国際出願番号】US2015030760
(87)【国際公開番号】WO2015191224
(87)【国際公開日】20151217
【審査請求日】2018年4月6日
(31)【優先権主張番号】14/304,550
(32)【優先日】2014年6月13日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】391020193
【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・エル・フェーブル
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドリー・クローネ
【審査官】 荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−217137(JP,A)
【文献】 特許第5391345(JP,B1)
【文献】 国際公開第2013/047187(WO,A1)
【文献】 特開平09−209393(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0158234(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 3/42〜3/43
E02F 3/84〜3/85
E02F 9/20〜9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械の作業具を制御するに際して前記機械のオペレータを支援する方法であって、
前記機械の動作状態を判定することと、
前記作業具の動きを制御するための前記オペレータによる指令を検知することと、
検知された前記指令および判定された前記機械の動作状態に基づいて、前記オペレータによる手動制御が支配的な第1の作業具制御モードと、前記機械のコントローラによる自動制御が支配的な第2の作業具制御モードとの間の遷移を実行することと、を含み、
前記機械が前記第1の作業具制御モードで動作しているとき、予め設定された第1の指令が所定の第1時間より長い時間与えられ、かつ前記機械の動作状態が所定の第1状態基準を満たす場合に、前記機械の作業具制御モードが前記第2の作業具制御モードへと遷移し、
前記機械が前記第2の作業具制御モードで動作しているとき、前記機械の動作状態が所定の第2状態基準を満たすか、予め設定された第2の指令が所定の第2時間より長い時間与えられる場合に、前記機械の作業具制御モードが前記第1の作業具制御モードへと遷移し、
前記機械の動作状態として機械速度が検知される場合において、前記第1の指令は、前記作業具の下降指令であり、前記第1状態基準は、前記機械速度が所定の閾値機械速度未満であることであり、前記第1の作業具制御モードから前記第2の作業具制御モードへ遷移するとき、前記コントローラは、前記オペレータによる指令を減衰させる、方法。
【請求項2】
機械の作業具を制御するに際して前記機械のオペレータを支援する方法であって、
前記機械の動作状態を判定することと、
前記作業具の動きを制御するための前記オペレータによる指令を検知することと、
検知された前記指令および判定された前記機械の動作状態に基づいて、前記オペレータによる手動制御が支配的な第1の作業具制御モードと、前記機械のコントローラによる自動制御が支配的な第2の作業具制御モードとの間の遷移を実行することと、を含み、
前記機械が前記第1の作業具制御モードで動作しているとき、予め設定された第1の指令が所定の第1時間より長い時間与えられ、かつ前記機械の動作状態が所定の第1状態基準を満たす場合に、前記機械の作業具制御モードが前記第2の作業具制御モードへと遷移し、
前記機械が前記第2の作業具制御モードで動作しているとき、前記機械の動作状態が所定の第2状態基準を満たすか、予め設定された第2の指令が所定の第2時間より長い時間与えられる場合に、前記機械の作業具制御モードが前記第1の作業具制御モードへと遷移し、
前記機械が前記第1の作業具制御モードで動作しており、前記機械の動作状態として機械速度が検知される場合において、前記方法は、前記オペレータによる最後の指令を記憶することをさらに含み、前記第1状態基準は、前記最後の指令によって移動された前記作業具の位置より現在の前記作業具の位置が高く、かつ前記機械速度が所定の閾値機械速度より大きいことであり、前記第1の作業具制御モードから前記第2の作業具制御モードへ遷移するとき、前記コントローラは、前記作業具を下降させる方法。
【請求項3】
機械の作業具を制御するに際して前記機械のオペレータを支援する方法であって、
前記機械の動作状態を判定することと、
前記作業具の動きを制御するための前記オペレータによる指令を検知することと、
検知された前記指令および判定された前記機械の動作状態に基づいて、前記オペレータによる手動制御が支配的な第1の作業具制御モードと、前記機械のコントローラによる自動制御が支配的な第2の作業具制御モードとの間の遷移を実行することと、を含み、
前記機械が前記第1の作業具制御モードで動作しているとき、予め設定された第1の指令が所定の第1時間より長い時間与えられ、かつ前記機械の動作状態が所定の第1状態基準を満たす場合に、前記機械の作業具制御モードが前記第2の作業具制御モードへと遷移し、
前記機械が前記第2の作業具制御モードで動作しているとき、前記機械の動作状態が所定の第2状態基準を満たすか、予め設定された第2の指令が所定の第2時間より長い時間与えられる場合に、前記機械の作業具制御モードが前記第1の作業具制御モードへと遷移し、
前記機械が前記第1の作業具制御モードで動作しており、かつ前記機械の動作状態として機械速度が検知される場合において、前記方法は、前記機械速度が所定の閾値機械速度未満である場合に、前記作業具を上昇させること、を更に含む方法。
【請求項4】
前記機械が前記第2の作業具制御モードで動作しており、かつ前記作業具を手動で下降させる指令が前記オペレータによって与えられた場合に、手動による前記作業具の下降を抑止すること、を更に含む、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記作業具を手動制御するための指令を受信することと、
前記作業具を所定の閾値より大きく動かす手動制御のための指令が所定の閾値時間より長い時間継続的に与えられているか否かを判定することと、を更に含む、
請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記作業具を前記所定の閾値より大きく動かす手動制御のための前記指令が前記所定の閾値時間より長い時間継続的に与えられていると判定された場合、前記作業具の手動制御に対する抑制を自動解除すること、
を更に含む、
請求項に記載の方法。
【請求項7】
受信された指令が、前記作業具を前記所定の閾値より大きく動かす手動制御のための指令でないか、前記作業具を前記所定の閾値より大きく動かす手動制御のための前記指令が前記所定の閾値時間より長い時間継続的に与えられない場合、前記受信された指令とは無関係に前記機械の動作状態に基づいて前記作業具の位置を自動制御すること、を更に含む、
請求項に記載の方法。
【請求項8】
機械の作業具を制御するに際して前記機械のオペレータを支援する方法であって、
前記機械の動作状態を判定することと、
前記作業具の動きを制御するための前記オペレータによる指令を検知することと、
検知された前記指令および判定された前記機械の動作状態に基づいて、前記オペレータによる手動制御が支配的な第1の作業具制御モードと、前記機械のコントローラによる自動制御が支配的な第2の作業具制御モードとの間の遷移を実行することと、を含み、
前記機械が前記第1の作業具制御モードで動作しているとき、予め設定された第1の指令が所定の第1時間より長い時間与えられ、かつ前記機械の動作状態が所定の第1状態基準を満たす場合に、前記機械の作業具制御モードが前記第2の作業具制御モードへと遷移し、
前記機械が前記第2の作業具制御モードで動作しているとき、前記機械の動作状態が所定の第2状態基準を満たすか、予め設定された第2の指令が所定の第2時間より長い時間与えられる場合に、前記機械の作業具制御モードが前記第1の作業具制御モードへと遷移し、
前記方法は、前記第1の作業具制御モードおよび前記第2の作業具制御モードのうち片方に対する条件がもはや満たされないと判定されたとき、他方の作業具制御モードに切り換えること、を更に含み、
前記機械が前記第1の作業具制御モードで動作しており、かつ前記機械の動作状態として機械速度が検知される場合において、前記方法は、前記作業具を手動で下降させる指令が所定の閾値時間より長い時間継続的に与えられ、かつ、当該指令が前記作業具を所定の閾値より大きく下降させる指令である場合、または前記機械速度が所定の機械速度閾値未満である場合、前記第1の作業具制御モードに対する条件がもはや満たされないと判定することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、大型機械運転支援に関し、より詳しくは、トラック型トラクタードーザーなどであるがそれらに限定されない建設機械または土工機械のオペレータに対してブレードまたはバケット制御支援を提供することに関する。
【背景技術】
【0002】
大抵の土工機械が人間のオペレータの存在を必要とする一方、人間のオペレータは機械自身が経験できないプレッシャや障害の影響を受けやすくなり得る。例えば、人間のユーザーは長時間にわたる反復タスクまたは微細なモータ技能タスクによって疲労してくることがあり得る。このために、ある特定の機械機能を自動化する努力がなされてきた。
【0003】
排土のプロセスに関して、例えば、山本らに付与された米国特許第5,875,854号(ブルドーザー用のドージングシステム)は、自動ドージング運転を行うことができると言われるブルドーザーに使用するためのシステムについて記載している。該技術は、参考文献により具体的に記載されている様々な要因および入力に応じて掘起し、運土およびダンプの作業サイクルを自動化するといわれている。しかしながら、‘854技術は依然としてかなりのユーザー入力および注意を必要としているように思われる。例えば、システムティーチング制御は上記の自動化操作を中断することによって実行され、かつ機械の自動化モードへのエントリーはユーザー判定を必要とするように思われる。
【0004】
本明細書に開示されたシステム、方法および技術が、前述した若しくは他のシステムに固有の欠陥のあるものを解決または軽減できる一方、いかなる特定の問題の解決も、明示的に明記された範囲を除いて該開示の範囲または添付請求の範囲に対する制限ではないことが正しく評価されるべきである。更に、この「背景技術」の項は読者の便宜のために設けられているものであり、また発明者の見解および解釈を表している。掲げられている特許文献は公知の公開を表している一方、その特許文献に関する発明者の所見は先行技術ではないし、また先行技術の拘束力を有する解釈を表していない。特許文献に関する正確な情報が要求される場合には読者は特許文献それ自身に委ねられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の一態様によれば、機械の作業具を制御するに際して機械オペレータを支援するための方法が提供される。該方法は、自動工具制御が所望されることを判定することと、目標機械動作状態を判定することと、を含む。オペレータが指令したアクティブな作業具運動は、オペレータが最後に指令した作業具位置であるとして検知される。機械が第1の機械動作状態において作動しつつあり、かつオペレータが指令した工具運動および第1の機械動作状態に基づいて、第1の作業具制御モードと第2の作業具制御モードのうちから作業具制御モードが選択される。第1の作業具制御モードにおいて、作業具の手動制御が維持される。ただし、望ましくない機械状態が検知される場合には機械状態を調節するように作業具が自動的に移動されることを除く。第2の作業具制御モードにおいて、目標機械動作状態に向かって機械動作状態を制御するように作業具位置が調節される。
【0006】
開示された動作原理の別の態様において、機械のオペレータを支援するための自動ブレード制御モードを有する機械が提供される。該機械はシャーシに装着されたブレードと、ブレードコントローラによって制御されるブレードアクチュエータとを含む。該ブレードコントローラは、自動ブレード制御が望まれることを判定し、目標動作状態を判定し、オペレータがブレードを第1の位置へ指令したことおよび機械が第1の機械動作状態にあることを検知し、結果的に第1のブレード負荷に対応するブレード負荷がもたらし、かつ検知された第1の高さおよび第1の機械動作状態に基づいて、第1のブレード制御モードおよび第2のブレード制御モードの片方を選択するように構成される。第1のブレード制御モードにおいて、ブレードが負荷限度内に手動で制御される。ただし、望ましくない機械動作状態が検知された場合に機械動作状態を調節するようにブレードが自動的に移動されることを除く。第2のブレード制御モードにおいて、ブレード負荷が目標動作状態に向かって制御される。
【0007】
開示された動作原理のなお別の態様では、複数の要素を含む機械作業具制御システムが提供される。これらは作業具動作点を判定するために機械データに基づいて機械の目標動作状態を判定するように構成される動作点判定部と、オペレータ入力に基づいて修正済み作業具動作点を生成するために判定済み作業具動作点を修正するように構成される動作点調節部とを含む。コントローラモード判定部が含まれ、かつ機械データおよびオペレータ入力を分析するように構成され、かつ使用される対象が第1の作業具制御モードと第2の作業具制御モードのうちどちらか片方を指示するコントローラモードインジケータを設けるように構成される。作業具負荷コントローラは、修正済み作業具動作点、コントローラモードインジケータ、作業具最低値および機械データに基づいて作業具制御支援のための機械指令を生成するように構成される。
【0008】
開示された方法およびシステムの付加的および代替的特徴および態様は、添付された図面と併せて詳細明細書を読むことから明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】開示された動作原理の実施形態が実施されてもよい土工機械の一例の側面図である。
図2】開示された動作原理の一実施形態に係る機能モジュール、入力部および出力部を含むコントローラレイアウトを示すコントローラアーキテクチャ概略図である。
図3】開示された動作原理の様々な実施形態に係るモード選択プロセスを示す簡略化された状態図である。
図4】開示された動作原理の一実施形態に係る軽ドージングモード内のブレード制御の例示的プロセスを示すフローチャートである。
図5】開示された動作原理の一実施形態に係る重ドージングモード内の例示的プロセスを示すフローチャートである。
図6】開示された動作原理の一実施形態に係るブレード最低値を設定する例示的プロセスを示すフローチャートである。
図7】開示された動作原理の一実施形態に係るブレード制御支援プロセス概要を示すプロセス概要チャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
前述したように、開示された動作原理は、多種多様な土工機械、例えばドーザー、エクスカベータ、モーターグレーダーなどに適用可能である。与えられた説明図において、トラック型トラクタードーザーは一例として用いられることになる。前述したように、トラック型トラクターを用いたドージングが、排土(earth moving)および削土(shaping)タスクを行うための頻繁に使用される操作である。多数のトラック型トラクター用途が、軽ドージングまたは重ドージングのいずれかとして分類されることができる。軽ドージングとして分類されることができる用途例は整地(grading)、片付け(clean−up)作業および物質拡散(spreading)を含むが、それらに限定されない。重ドージングとして分類されることができる用途例はスロットドージング、貯留(stockpiling)またはバルク排土(bulk earth−moving)を含むが、それらに限定されない。一般に、重ドージングにおける目的は可能な限り多くの物質を可能な限り少ない時間で移動させることにある。軽ドージングでは目的は微細な削土(finer shaping)または清掃(cleaning)を行うこと、例えば所望の勾配を維持することまたは作業エリアを平らにすることにある。軽ドージングに関して、最大ブレード負荷を維持することは所望されていない。
【0011】
先に進む前に、本明細書で使用されるとき用語「ブレード負荷」または「工具負荷」について更に論述することが有益であると思われる。文脈が他の意味を示唆しない限り、これらの用語はブレードまたは他の工具の位置決めに起因して機械、それの地面係合要素、若しくはそれの駆動系構成要素に対して加えられる反作用の負荷を示すのに使用される。そこで、例えば、ブレード負荷は実際に現れることがあり、かつトラック型トラクターにおいて牽引力として計測される。牽引力とは、本明細書に使用されるときトラック型トラクターの軌道へ伝えられる力を指す。該力は基本的には軌道を移動させる、例えば負荷を押すことによって、および軌道スリップの形態で軌道の下の物質を移動させることによって費やされ得る。その他の力は摩擦損失を介して費やされ得る、また牽引力において説明され得る。同様に、用語「機械負荷」および「駆動系トルク」はまた、本明細書に使用されるときブレードまたは他の工具によって加えられる反作用負荷を指す。
【0012】
より大きなジョブの中では、サイクルの異なる部分において重および軽ドージングタスクの両方があってもよい。例えば、スロットドージングまたはバルク排土用途の中で、まず可能な限り大きな負荷を取得し、その取得した物質を別の場所まで移動させ、次いでその物質を区域全体にわたって拡散させることが所望されてよい。負荷取得モード中に、典型的には物質移動に関して最も効率的な動作点において機械を稼働することが所望されることになる。サイクルの運土および拡散部分の間には、典型的には平滑な地面を維持することが所望されることになる。
【0013】
記載されシステムおよび技術は、ブレード位置(例えばブレードリフト/下降)、機械ギア、エンジンスロットル設定、機械設定等などのようなオペレータ指令をモニターし、かつそのモニターされたデータを使用してオペレータが軽ドージングモード若しくは重ドージングモードにおいて運転することを意図するか否かを判定し、それに応じて運転モードを自動的に設定する。該システムは、次いで、格納されたデータまたはサイクル特性および物質特性から計算された、所望の動作点を使用して、オペレータを支援する。これによってオペレータはブレード位置を調節することによって機械を制御する。
【0014】
軽ドージングモードにある間、システムは負荷保護または負荷制限機能を発揮する。特に、該モードでは、オペレータがブレード運動を制御していなくてかつ負荷が非常に高くなってくる場合には、オペレータは機械を手動で制御するがシステムはブレードを自動的に上昇させる。オペレータがブレード運動を制御していない場合には、システムは負荷が減少するにつれてブレードを自動的に下降させる。しかしながら、システムはその前回の位置(「ブレード下限値」の下には行かずに)の下に下降させないようにすることになる。一実施形態では、オペレータは手動ブレード制御入力を介して自動ブレード制御をオーバライドさせてもよい。更なる実施形態では、ブレード負荷が増加して所望の動作点に近づくにつれて、いかなるオペレータ指令も、所望の動作点付近でより細かい制御を可能にしかつ定常状態目標動作点までより円滑な移行を可能にするように減衰される。
【0015】
この句が本明細書に使用されるとき、「ブレード下限値」とはオペレータがブレードに対して最後に手動で指令した位置を指す。該位置は自動装置がその点以下では第1のブレード制御モード(軽ドージングモード)において指令しない基準点として使用される。ブレード高さは幾つかある方法の1つで定義されることができる。例えば、ブレード高さは機械フレーム原点位置に対してブレード切刃の高さとして計測されてよい。あるいは、ブレード高さは調整された機械フレーム原点位置に対してブレード刃先の高さとして計測されてよい。該方法は機械シャーシピッチを説明する。言い換えれば、機械がある特定の傾斜からより急峻な傾斜へ移行しつつある場合には、ブレード下限値が一定のままであるがブレード高さ計算はより大きな値を指示する。これによって、リフトシリンダ伸張の変更がなされなかったとしてもコントローラがブレードを下降させることが可能になる。
【0016】
重ドージングモードにある間、システムは所望の動作点、例えば最大生産性をもたらす動作点を維持するに際してオペレータを支援する。該モードにおいて、オペレータは一般的にある特定の負荷を維持しかつ地形偏位または傾斜遷移を補償することが必要とされる場合にのみ軽微なブレード高さ調節を行うように手動指令を与えることを所望する。オペレータを支援するために、システムが所望される負荷を維持するためにブレードを自動的に上昇および下降させる。
【0017】
一実施形態では、機械が軽ドージングモードから重ドージングモードへ移行するにつれて、手動下降指令は自動システムによって抑制されかつオーバーライドされ得る。オペレータがシステムをオーバーライドすることを所望する場合には、指令レバーを中性または上昇位置に入れることによって、例えば若しくは極めて大きなブレード下降指令を与えることによって、該抑制を解除することができる。抑制を停止させた後、オペレータは手動指令で自動調節をオーバーライドできることになる。
【0018】
この概要からして、読者は開示された動作原理の詳細をより容易に理解できるであろう。開示された実施形態および動作原理に特有である詳細および特徴を論述する前に、背景を掴むために環境の一例を論述する。この点に関して、図1は開示された動作原理の実施形態が実施されてもよい土工機械の一例の側面図である。前述した通り、この記載され動作原理は他の機械形式に関しても同様に有益な用途を見出す。
【0019】
例示されたトラック型トラクター100は、電源104が搭載されるメインフレーム102を含む。電源104はディーゼル形式内燃機関、ガソリン形式内燃機関、天然ガスエンジン、ガスタービンエンジン、電動または油圧モータ等のいかなる好適な形式のエンジンであってよい。運転室106はメインフレーム102の上部にも設けられる。
【0020】
メインフレーム102の下にはトラクター100を推進するために車台108が位置付けられている。車台108は1つまたは2つ以上のトランスミッション、ギアアセンブリ、ディファレンシャルステアリングユニットなどのメカニカルリンク(見えない)によって電源104に作動可能に連結されてよい。車台108はドライブスプロケット112、一対の遊動輪114、および複数のミッドローラー116を含んでよい。地面係合無限軌道118はドライブスプロケット112、遊動輪114、およびミッドローラー116の周りに掛け渡されている。該地面係合軌道118はピン122によって相互にヒンジ結合された複数のシュー120を含んでよい。各シュー120はトラクター100の下に横たわる地表面の中へ直接係合するためのグローサー124含んでよい。
【0021】
図1に示された例示されたブルドーザー構成において、トラクター100はローラーフレーム130から延出しかつブレード132に連結される一対のプッシュアーム128を含む。ブレード132を上昇、傾斜、および下降させるために、1つまたは2つ以上の油圧シリンダー134がブレード132およびトラクター100に接続されてよい。該油圧シリンダー134は、以下により詳細に論述するように、ブレード位置制御電磁弁の制御の下でトラクター100の油圧システム126によって電力供給されてよい。該トラクター100の油圧システム136は電源104によって電力供給されるポンプとともに、加圧作動油の発生源を提供しかつ使用済みの作動油、例えばブレード下降時に油圧シリンダー134から流出する流体のためのシンクとして機能するのに好適なゲージ、タンクおよび弁を含んでよい。
【0022】
前述した通り、ブレード132を上昇および下降させる役割を果たす油圧シリンダー134は、高圧力作動油の通過を許可または不許可にするための電気制御弁である、1つまたは2つ以上の電磁弁を介して制御されてよい。これらの電磁弁自身は、一実施形態では、ブレードコントローラによって制御され、該ブレードコントローラは、一実施形態では、より一般的な目的を達成する別のコントローラ内での機能として実行される。あるいは、ブレードコントローラは専用特殊機能コントローラとして実行されてよい。
【0023】
ブレード制御システムの位置決めおよびモニタリング機能とともに、機械の他の普通の機能を促進するために、トラクター100は、ブレード高さセンサ、機械対地速度センサ、軌道速度センサ、チルトセンサ、トランスミッションセンサ、エンジン速度センサ等を含む複数のセンサを含んでよい。
【0024】
図2のコントローラのアーキテクチャ概略図は、一実施形態において機能モジュール、入力部および出力部を含むコントローラ・アーキテクチャ200の一例を示す。例示された実施例において、受信される入力としては機械対地速度201、軌道速度202、スプロケットトルク203、機械ピッチ204、エンジン速度205およびギア206が挙げられる。加えて、コントローラ・アーキテクチャ200はオペレータからブレード高さ207、オペレータブレードリフト指令208、および動作点調節209の指示を受信する。該例示されたコントローラ・アーキテクチャ200は、受信された入力(および/または微分値)を処理してブレード制御支援を提供するための機械指令210を生成する。
【0025】
初めに、動作点判定部211は機械対地速度201、軌道速度202、スプロケットトルク203、機械ピッチ204、エンジン速度205およびギア206を処理して、機械状態を判定しかつ最適動作点を導出する。用語「最適な」とは、本明細書で使用されるとき、特段の指定が無い限り、1つまたは2つ以上の望ましい値を実質的に最大化する若しくは増加させる状態を指すことが正当に評価されるであろう。必ずしもすべての望ましい値を最大化する若しくはすべての望ましくない値を最小化するのではない。該実施例において、動作点は機械対地速度、ブレード負荷、軌道スリップ、ギア等のようなある特定の機械動作パラメータまたは条件によって定義される点である。
【0026】
オペレータからのいかなる動作点調節209とともに、この判定された最適な動作点は動作点調節部212へ送られる。該動作点調節部212はこれらの入力に基づいて所望の動作点を生成する、そして所望の動作点が結果的に、ブレード制御支援をもたらすための機械指令210を生成する役割を果たしているブレード負荷コントローラ213へ入力として提供される。該ブレード負荷コントローラ213はまた、例示された実施例において機械指令210生成するために、複数の他の入力を受信する。ブレード負荷コントローラ213は、所望の機械動作点を維持するために、以下に続くより詳細な論述から正当に評価されるように、一実施形態において閉ループコントローラを使用する。該閉ループコントローラはコントローラの様々な段階を駆動する対地速度、駆動系トルク、軌道スリップおよびブレード高さを有するマルチループコントローラであってよい。
【0027】
そこで、振り返って入力を参照すると、機械対地速度201、軌道速度202、スプロケットトルク203、機械ピッチ204、エンジン速度205およびギア206とともに、ブレード高さ207およびオペレータブレードリフト指令208の指示がコントローラモード判定部214によって受信される。該コントローラモード判定部214は、コントローラモードインジケータおよびブレード下限値を出力する、それらの両方がブレード負荷コントローラ213へ提供される。
【0028】
最後に、該ブレード負荷コントローラ213はまた、未処理機械対地速度201、トラック速度202、スプロケットトルク203、機械ピッチ204、エンジン速度205およびギア206とともに、ブレード高さ207およびオペレータブレードリフト指令208の指示を受信する。前述した通り、ブレード負荷コントローラ213の出力は、複数の制御モードのうちの1つにおいて機械ブレードを制御する1組の機械指令210である。
【0029】
機能モジュールについてより具体的に論述すると、動作点判定部211は機械対地速度201、軌道速度202、スプロケットトルク203、機械ピッチ204、エンジン速度205およびギア206を監視しかつ物質特性(例えば、トラクション係数および剪断弾性率)並びにサイクル特性(例えば、傾斜およびサイクル距離)を推定する。これらの情報を利用して、システムは機械性能値(例えば、生産性、サイクル時間、燃料効率、その他)を実質的に最大化するであろう動作点を予測する。動作点判定部211によって出力される最適な動作点は、例えば、ある特定のスロットル設定において目標ブレード負荷と相互に関係がある目標機械対地速度のように簡単であってよい。
【0030】
ある状況下で、オペレータは動作点判定部211によって判定された推奨動作点において機械を稼働させないように選んでもよい。このような状況に対処するために、所望の動作点を調節する能力がGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)などのユーザーインターフェースを介してオペレータへ提供される。例えば、最適な動作点が目標対地速度である場合には、オペレータは所望の対地速度偏差(または対地速度偏差と相互に関係がある正規化されたパラメータなどの別の要因)を設定してもよい。該偏差によって、必要に応じて、依然システムが物質および傾斜の変動に対して調節することを可能にしつつオペレータがより重い若しくはより軽い負荷を維持するようにシステムに強制することが可能になるであろう。
【0031】
コントローラモード判定部214を参照すると、このモジュールはオペレータが軽モードまたは重モードのどれで運転しているかを判定する。これらのモードについては本明細書に更に詳細に後述される。コントローラモード判定部214はまた、ブレード下限値パラメータを判定し、これについては以下により詳細に論述する。
【0032】
コントローラモード判定部214によって使用されるモード判定プロセスの一例が、図3に示されるプロセス300によって要約される。この例示されたプロセス300は、状態プロセスフローであり、安定した状態(軽ドージングモード301および重ドージングモード302)間の遷移は、機械状態およびオペレータ入力に結び付けられた一連の判定によって駆動される。
【0033】
特に、軽ドージングモード301から、コントローラは判定303においてオペレータが所定下降閾値BLTより大きいブレード下降指令を所定時間TBLより長く与えてきたか否かを判定する。オペレータがBLTより大きいブレード下降指令をTBLより長く与えてこなかった場合、コントローラは軽ドージングモード301のままとする。オペレータがBLTより大きいブレード下降指令をTBLより長く与えてきた場合、プロセスは判定304まで続き、コントローラは定められた機械状態基準が満たされているか否かを、例えば一実施形態では、機械対地速度Sが所定速度閾値ST1未満であるか否か判定する。基準が満たされている場合、コントローラは重ドージングモード302へ移行する。基準が満たされていない場合、コントローラは軽ドージングモード301のままとする。
【0034】
重ドージングモード302にあるとき、コントローラはオペレータ入力および機械状態に基づいて様々な判定を介して、軽ドージングモード301へ移行するか若しくは重ドージングモード302のままとするか否かを判定する。特に、判定305において、コントローラは判定304におけると同様に、定められた機械状態基準が満たされているか否か、例えば一実施形態では、機械対地速度Sが所定速度閾値ST2以上であるか否かを判定する。該速度閾値ST2は判定304で適用された速度閾値ST1と同じでもそれとは異なっていてもよい。基準が満たされる場合、コントローラは軽ドージングモード301へ移行する。基準が満たされない場合、コントローラは判定306へ移行する。
【0035】
判定306において、コントローラはオペレータが所定上昇閾値BRTより大きいブレード上昇指令を所定時間TBRより長く与えてきたか否かを判定する。BRTより大きいブレード上昇指令をTBRより長く与えてきた場合、コントローラは軽ドージングモード301へ移行する。BRTより大きいブレード上昇指令をTBRより長く与えてこなかった場合、コントローラは重ドージングモード302のままとするか若しくは複数の上昇指令閾値が適用される一実施形態においてオプションにより判定307まで続くかのいずれかである。この実施形態では、コントローラはオペレータが第2の所定上昇閾値BRT2より大きいブレード上昇指令を第2の所定時間TBR2より長く与えてきたか否かを判定307において判定する。BRT2より大きいブレード上昇指令をTBR2より長く与えてきた場合、コントローラは軽ドージングモード301へ移行する。BRT2より大きいブレード上昇指令をTBR2より長く与えてこなかった場合、コントローラは重ドージングモード302のままとする。
【0036】
図4に示される通り、コントローラが軽ドージングモード301にあるとき、コントローラの挙動は機械負荷を制限するように基本的に構成される。言い換えれば、軽ドージングモードの1つの結果は負荷保護若しくは負荷限度特徴として機能することである。該モードにおいてオペレータはほとんどの時間機械を手動で制御しかつコントローラは負荷が非常に高くなった場合ブレード132を上昇させる。オペレータがブレード運動を制御していない場合には、負荷が減少するにつれてシステムはブレードを自動的に下降させるが、前回オペレータが指令した位置を過ぎてブレードを下降させない。オペレータは手動指令で自動制御をオーバーライドさせてもよい。また、負荷が増加して所望の動作点に近づくと、所望の動作点付近でのより細かい制御を可能にし、かつ定常状態目標動作点へのより円滑な遷移を可能にするためにオペレータの指令はコントローラによって減衰される。
【0037】
ブレード下限値は、オペレータが例えばジョイスティック指令を介して、最後に手動でブレード132を指令した位置であると定義される。該位置はそれより下にはコントローラが指令しないブレード高さ207を設定するための基準点として用いられる。ブレード高さ207を定義する方法は重要ではなく、例えば機械フレーム原点位置に対するブレード刃先の高さ若しくはピッチ機械フレーム原点位置に対するブレード刃先の高さなど、どんな好適なプロトコルでも使用されてよい。
【0038】
後者のプロトコルは機械シャーシピッチを説明する。言い換えれば、機械がある一定の傾斜からより急峻な傾斜へ移行しつつある場合には、ブレード下限値は一定のままであるがブレード高さ計算はより大きな値を指示する。これによって、リフトシリンダ伸張の変化がなされなかったとしても、コントローラはブレード132を下降させることが可能になる。そこで、いずれかのプロトコルが使用可能であるが、前者を超える後者の1つの利点は、機械が地形標高の変動を果敢にはねのけることが可能になり、結果的により平滑なプロファイルにつながる。
【0039】
プロセス400のステージ401において軽ドージングモード301が起動されると、図3に関して前述したモード判定には左右されないで、コントローラは一連の制御判定を推移する。特に、プロセス400のステージ402において、コントローラはオペレータがブレード上昇または下降指令を与えつつあるか否かを判定する。オペレータがブレード上昇もブレード下降指令も与えていないと判定される場合、プロセス400はステージ403へ移行して、コントローラは現在のブレード高さBがブレード下限値Bより小さいか等しいか否かを判定する。
【0040】
現在のブレード高さがブレード下限値より小さいか等しい場合、コントローラは、ある一定の機械状態基準が満たされる限り、例えば機械対地速度Sが所望の機械対地速度Sより小さい限り、ステージ404においてブレード負荷コントローラがブレードを上昇させることを可能にする。現在のブレード高さBがブレード下限値Bより大きいか等しい場合、コントローラは機械状態基準満たされる限りステージ405においてブレード負荷コントローラがブレードを上昇または下降させることを可能にする。
【0041】
ステージ402において、コントローラはオペレータがブレード上昇または下降指令を与えつつあると判定する場合、プロセス400はステージ406へ移行し、コントローラは指令がブレード下降指令でありかつ機械状態基準が満たされているか否かを判定する。ブレード下降指令でありかつ機械状態基準が満たされている場合、ステージ407において、コントローラはブレード状態、例えばブレード負荷と所望のブレード負荷(または対地速度と所望の対地速度)との間の差異が減少するにつれての減少応答性に基づいてオペレータのブレード下降指令を減衰させる。
【0042】
図3を参照して以上から分かるように、コントローラは軽ドージングモードまたは重ドージングモードのいずれかにおいてブレード制御支援をもたらすことができる。図4は、軽ドージングモードにある状態でのコントローラ挙動について説明してきた一方、重ドージングモードにある状態でのコントローラの挙動は図5に示されている。
【0043】
コントローラは1つまたは2つ以上の関心パラメータに基づいて最大生産性を許容する動作点などの所望の動作点を維持するに際しては、オペレータを支援するように重ドージングモードにおいて構成されている。一実施形態では、この構成はある一定の負荷を維持する目標を有している。この場合、コントローラが所望される負荷を維持するためにブレードを上昇および下降させている間にオペレータが地形偏位または傾斜遷移を補償するために小さなブレード高さ調節を行うだけのためにおそらく手動指令を発する。
【0044】
コントローラが軽ドージングモードから重ドージングモードへ移行するにつれて、いかなるアクティブな手動下降指令がコントローラによって抑制されかつオーバーライドされることになる。オペレータがコントローラをオーバーライドさせることを望む場合は、中性または上昇位置に指令レバーを置くことによって、若しくは非常に大きなブレード下降指令を与えることによって抑制が一実施形態において解除される。該実施形態では、いったんオペレータ抑制が停止されると、オペレータは手動指令でコントローラをオーバーライドさせてもよい。
【0045】
いったん重ドージングモードが、例示されたプロセス500のステージ501におけるように起動されると、コントローラはステージ502においてアクティブなオペレータ・ブレード下降指令があるか否かを判定する。このような指令がある場合、その指令はステージ503において抑制されかつプロセス500がステージ504まで続く。コントローラはステージ504においてブレード下降指令抑制がアクティブであるか否かを判定する。ブレード下降指令抑制がアクティブである場合、ステージ505においてコントローラはオペレータがオペレータ制御抑制のオーバライディングを保証するであろう入力を提供しつつあるか否かを判定する。例えば、オペレータはブレード上昇指令または大きな(ある特定の上昇閾値より大きな)下降指令を入力してもよい。
【0046】
オペレータがオペレータ制御抑制のオーバライディングを保証する入力を与えた場合、ステージ506においてオペレータ・ブレード下降指令の抑制を停止してコントローラはステージ507においてオペレータ・ブレード制御を可能にする。オペレータがオペレータ制御抑制のオーバライディングを保証する入力を与えなかった場合、抑制はアクティブなままでありかつコントローラはステージ508において機械状態に基づいてすべてのブレード上昇および下降判定を行う。例えば、コントローラは機械対地速度が所望の対地速度より小さい場合にはブレードを上昇させてもよい、また機械対地速度が所望の対地速度より大きい場合にはブレードを下降させてもよい。
【0047】
前述した通り、コントローラはある一定の自動操作中にブレード高さを制御するに際して使用するための基準としてブレード下限値Bを確立する。当該技術分野における当業者は次の例に基づいてブレード下限値Bを設定する他の方法を正しく評価するであろうが、一方でこの例は少なくとも1つの好適な方法について読者を案内するために提供される。
【0048】
自動化ブレード制御がいつもアクティブである場合で機械が始動するときに、あるいは別の方法としてステージ601におけるように、特徴が起動されるときに、ブレード下限値設定プロセス600が開始してもよい。ステージ602において、コントローラはブレード下限値Bを現在の計測ブレード高さBに設定する。前述した通り、ブレード高さBをいかなる好適な方法でも計測することができる、例えばBは機械フレーム原点位置に対してブレード刃先の高さとして若しくはピッチ機械フレーム原点位置に対してブレード刃先の高さとして計測されてもよい。
【0049】
プロセス600のステージ603において、コントローラはオペレータが手動でブレード上昇または下降を指令しているか否かを判定する。オペレータがブレード上昇または下降を指令しつつある場合、コントローラはプロセス600のステージ602へ戻り、ブレード下限値Bが現在の計測ブレード高さBに設定されている。オペレータがブレード上昇または下降を指令していな場合、コントローラはステージ604においてシステムが今しがたモードを、すなわち、軽ドージングモードから重ドージングモードへ若しくは重ドージングモードから軽ドージングモードへ移行させたか否かを判定する。
【0050】
移行が今しがた、例えばプロセス600の実行時間内に起きた場合は、コントローラがステージ602を再実行する。移行が今しがた起こらなかった場合は、コントローラはステージ603へ戻りオペレータ垂直ブレード運動を指令しつつあるか否かを確認する。このようにして、ブレード下限値が例えば、軽ドージングブレード制御プロセス中に後での使用のために基準として確立されてよい。
【産業上の利用可能性】
【0051】
大まかに言えば、前述のことから正しく評価されるように、本開示はブレード制御支援のモードを自動的に判定しかつ判定されたモードに入るためのシステムおよび方法を説明する。この開示された実施例および動作原理によってユーザーは別のサイクル若しくは同じサイクルの別の部分の間に生産性指向タスクを効率的に行いつつも細かいタスクを正確に行うことが可能になる。
【0052】
一実施形態では、ユーザーは自動モード選択および切換特徴をオンまたはオフにすることができるのに対して、代替実施形態では特徴をオンのままにする。更なる実施形態では、特徴は停止されない限りデフォルトで起動される。
【0053】
本明細書の主要部分で特記された通り、トラック型トラクタードーザーは使い易い例を本明細書に提供するが、開示された動作原理はその環境の外部でも同様に適用可能である。名の知れた代替例としてはモーターグレーダーおよびエクスガベータにおける用途を含む。前者に関しては、モーターグレーダーは軌道駆動され得る土工機械であるが、より典型的には車輪駆動による。該モーターグレーダーはフレーム屈折式および操向可能車輪式の両方であってよい、また機械走行方向に対して略直交に構成される吊り下げ式ブレードまたはスクレーパを含む。用語「略」(approximately)は、ブレードが直交から45度以上旋回されてよいが、機械の前進運動を介して切り込むので柔軟に理解されるべきである。
【0054】
モーターグレーダーのブレードは、異なる切込み深さを作り出して、トラック型トラクタードーザーに関してブレード高さが機械負荷に影響を及ぼすのとおおよそ同じようにさまざまな機械負荷を引き起こすために上昇および下降されてもよい。そこで、この背景において、開示された動作原理の適用はトラック型トラクタードーザーとおおよそ同じようになされてよい。予想される相違は、ブレード高さだけに依拠するのではなく機械負荷に影響を及ぼすブレードのピボットまたはチルトの使用を含む。これらの付加的な対策は、切刃位置、切込幅などのような他の所望のパラメータを維持する安全措置とともに実施されてよい。
【0055】
エクスカベータの背景において開示された動作原理の適用に関して、更なる検討が対処されてもよく、一実施形態において機械速度が無視される。正しく評価されるように、エクスカベータは稼働中には全体としてほとんど固定している、すなわち、稼働中に走行しない、またしたがって対地速度を持たない土工機械である。むしろ、エクスカベータは作業具、この場合ではバケットの到達範囲内にある所望の現場に隣接して据え付けされ、かつ土または他の物質を現場から除去または置換するためにバケットが並進および操作される間機械は全体として所定位置のままとする。
【0056】
この背景において、記載された動作原理はバケットが与える負荷を制限するように働き、よって失速(ストール)を防止する。例えばエクスカベータのオペレータは、例えばジョイスティックを介して、粗い物質除去時にバケットで大きなバイトを指令することがある。しかしながら、物質が予想したより密である場合、あるいはある深度で岩盤のような固定基層に遭遇した場合、付加的な負荷がエクスカベータを失速させる原因になり得る。
【0057】
この場合に、システムは負荷を所定の閾値以下に低減させるためにすくい込み(scooping)中にまたはすくい込み前にバケットを自動的に上昇させる。自動負荷低減のオペレータ・オーバーライドは、一実施形態において、例えばオペレータが大きな手動打消し指令を作用させることによって許容されてよい。失速を防止するためというよりむしろ機械効率を高めるために負荷限度が設定された場合、これによってオペレータは継続することが可能になる。しかしながら、失速を回避するために負荷限度が設定された場合、オペレータは自動負荷限度をオーバーライドすることによって失速を引き起こす虞がある。
【0058】
これらの付加的な実施例からして、前述した実施例および次のプロセスフローはすべての起こり得る実施を鑑みて考慮されるべきであり、かつ単にプロセス実施例に関して特有の背景をもたらすトラック型トラクタードーザーだけではない。
【0059】
便利な実施例としてトラック型トラクタードーザーに戻ると、稼働中に、自動モード選択および切換プロセスは、ブレード位置および機械状態値を分析して何のドージングモードにおいて機械が制御されるべきかを判定して、次いで、モードと整合性の取れたブレード制御を行う。例えば、軽ドージングモードにおいて、排土生産性は重要ではないが、ある一定の値以下にブレードを下降させないようにすることが望まれる。重ドージングモードにおいて、可能な限り多くの土を移動させる、すなわち、効率的に物質を除去および移動させることが望ましい。正確な切込深さは該モードでは重要でないが、効率的な性能は重要である。
【0060】
プロセスの全体像は図7のプロセスフローに示されている。該プロセスはユーザーがブレード高さを設定し、かつある一定の機械速度およびある一定のスプロケットトルクである一定の物質を通過することを開始し、ある一定の結果のブレード負荷をもたらすことからスタートする。この瞬間はプロセス700においてステージ701として示される。
【0061】
ステージ702において、モード選択および切換プロセスは、ブレード高さおよび機械状態を分析しかつブレードが軽ドージングモードまたは重ドージングモードにおいて有利に自動的に制御できるか否かを判定する。例えば、前述の通り、機械速度が1.5mphといったある一定の速度閾値以下である場合、およびオペレータが十分なブレード下降指令、例えば20%を与えつつある場合、モード選択および切換プロセスはステージ703において重ドージングモードに入り得る。
【0062】
同様に、機械速度が高い(該実施例において例えば1.8mphより高い、速度が該範囲を持続する場合にモードハンチングを防止するために1.5mphと1.8mphとの間の差はヒステリシス幅をもたらす)場合若しくはオペレータが十分なブレード上昇指令を十分な持続時間(該実施例では、例えば50%上昇で、少なくとも0.2秒)与える場合、モード選択および切換プロセスはステージ704において軽ドージングモードに入り得る。一実施形態では、ステージ705によって示される通り、いずれのモードも適切でないことが起こり得る。
【0063】
いずれかの制御モード内から、コントローラはオーバーライド指令に関してユーザー入力を評価し、かついずれかのモードからおよびいずれの制御モードも選択されなかったとしても、コントローラは機械状態を定期的に再評価して現在の制御モードの使用が依然として適切であるか否かを判定して、必要に応じてモードを切り換える。
【0064】
本開示がドージングタスク中にブレード制御を実行するに際してユーザーを支援するためのシステムおよび方法を提供することは正しく評価されるだろう。記載されシステムおよび方法は軽ドージングタスク中に一般的に微細な制御を向上させるばかりでなく、重ドージングタスク中にユーザー制御および機械効率をも向上させる。記載されシステムおよび方法のある特定の実施例だけが明記されてきた一方で、代替および修正は以上の記載からして当該技術分野における当業者にとって明らかであろう。これらの代替および他の代替は均等物でありかつ該開示および添付請求項の精神および範囲内であると考えられる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7