(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
空気の送風経路上にあるハウジングの内面に衝突した空気から分離された油分が、ハウジングの内面に付着する。しかし、従来のレンジフードでは、送風機構やフィルタを洗浄できても、ハウジングの内面を洗浄できるものではなかった。しかも、ハウジングの内面は、手の届きにくいレンジフードの奥側にあるため、洗浄し難い。
【0007】
そこで、ハウジングの内面を自動的に洗浄できるレンジフードを合理的に構成することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るレンジフードの特徴構成は、吸気口と排気口とを有するハウジングと、前記ハウジングの内部に配置され、空気を前記吸気口から前記排気口へと送る送風機構と、前記吸気口に設けられ、液体の排液口を有する整流板と、前記ハウジングの内部で前記整流板と前記送風機構との間に配置され、給液源に接続された給液管と、前記排液口に接続された排液管とを備え、前記給液管には、前記給液源から供給される液体を、前記送風機構に隣接する前記ハウジングの庫内空間に向かって吹き出す第一吹出口が設けられており、前記整流板は、前記第一吹出口から吹き出された液体を受け止める液受け部を有し
、
前記排液口は前記整流板の一端側に形成されており、
前記給液管は、前記整流板のうち前記排液口とは反対側である他端側から前記整流板の内面に向かって液体を吹き出す第二吹出口をさらに有している点にある。
【0009】
本構成では、給液源に接続された給液管の第一吹出口から、送風機構に隣接するハウジングの庫内空間に向かって液体を吹き出す。その結果、手の届きにくいハウジングの内面に付着した油分を自動的に洗浄することができる。
【0010】
整流板はハウジングの吸気口に位置しており、本構成のように、整流板に液受け部としての機能を持たせれば、例えば、ハウジングの下部に別途液受け空間を設ける必要が無く、装置をコンパクトにできる。また、整流板に排液口を設けているので、液受け部で受け止めた油分が混入した液体を都度排出することが可能となり、整流板を清潔な状態にすることができる。
【0011】
このように、ハウジングの内面を自動的に洗浄できるレンジフードを合理的に構成することができた。
また、本構成のように整流板の内面に向かって液体を吹き出す第二吹出口をさらに設ければ、ハウジングの内面だけでなく、整流板の内面も洗浄することができる。その結果、整流板を取り外して洗浄する手間が省けるので、利便性が高い。また、整流板の両端に夫々吹出口と排液口とを設ければ、整流板の内面の全領域に液体を行き渡らせることができる。その結果、整流板の内面の全領域を清潔な状態に維持できる。
【0012】
他の構成は、前記液受け部は、前記整流板の底部と当該底部と一体で形成された周壁部とで構成されている点にある。
【0013】
本構成のように、整流板自体を液受け部として活用すれば、別途液受け部材を設ける必要が無く、部品点数を節約することができる。
【0016】
他の構成は、前記整流板の前記内面は、液体が前記他端側から前記一端側に向かって流れるように傾斜している点にある。
【0017】
本構成では、整流板の内面に衝突した液体が傾斜面に沿って円滑に流れて排液口から排出されるので、液体が整流板の内面に残存することが無い。その結果、残存した液体が蒸発して、整流板の内面に油分が再付着するといった不都合が無く、整流板を清潔な状態に維持できる。
【0018】
他の構成は、前記送風機構の稼働指令および停止指令を入力可能な第一入力部と、前記第一吹出口からの液体の吹き出し指令を入力可能な第二入力部と、前記第一吹出口の作動を制御する制御部と、をさらに備え、前記制御部は、前記第一入力部に前記停止指令が入力され、且つ前記第二入力部に前記吹き出し指令が入力されたときに、前記第一吹出口から液体をミスト状にして噴出させる点にある。
【0019】
本構成では、ミストでハウジングの内面に付着した油分を柔らかくして浮かせた後、液受け部に油分が混入した液体が落下する。その結果、ハウジングの洗浄効率を高めることができる。また、送風機構を停止させてから整流板の洗浄を開始するので、ミストが送風機構によって強制的に排出されることが無い。しかも、吹き出し指令を入力するだけで洗浄が開始するので、使用者の手間を煩わせることも無い。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明に係るレンジフードの実施形態について、図面に基づいて説明する。ただし、以下の実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0022】
本実施形態のレンジフードXは、調理器(不図示)の上方に設けられており、調理で発生した油分を含んだ空気等を排出させるものである。
図1に示すように、レンジフードXは、ハウジング1と、送風機構2と、給水管3(給液管の一例)と、整流板4と、排水管5(排液管の一例)とを備えている。
【0023】
ハウジング1は、空気の吸入口となる吸気口1aと、空気の排出口となる排気口1bとを有している。ハウジング1と整流板4との間には、送風機構2と給水管3とが収容されている。また、ハウジング1は、排気口1bを有する本体部1Aと、本体部1Aから径方向外側に突出した突出部1Bと、突出部1Bから縮径された状態で下側に延出し、下側に開口した吸気口1aを有する延出部1Cとを有している。以降では、ハウジング1の内部空間10のうち、送風機構2に隣接した空間(本体部1Aの送風機構2を除く内部空間と突出部1Bおよび延出部1Cの内部空間)を庫内空間10aと称する。
【0024】
送風機構2は、ハウジング1の内部空間10に配置されている。送風機構2は、モータ等で駆動されるシロッコファンを有しており、このシロッコファンが回転駆動されることで吸気口1aから吸込んだ空気が排気口1bに向けて送られる。この送風機構2は、送風ケージング21に収容されており、送風ケージング21の底部には、小孔21aが形成されている。なお、送風機構2の前面(空気の上流側)にフィルタを設けても良いし、送風機構2をプロペラファンで構成しても良く、送風機構2は空気を送る構造であればどのようなものであっても良い。
【0025】
給水管3は、送風機構2と整流板4との間に配置されている。この給水管3は、給湯器等の給湯源30(給液源の一例)に接続されており、温水(液体の一例)をハウジング1の内部空間10に供給可能に構成されている。給水管3には、給湯源30から供給される温水を整流板4の内面40(整流板4のうち内部空間10に接している面)に向けて吹き出す第一ノズル31(第二吹出口の一例)が設けられている(
図3参照)。また、給水管3の経路上には、第一開閉弁3aが設けられている。第一開閉弁3aを開弁することにより、第一ノズル31から吹き出された温水で整流板4の内面40を洗浄する。なお、第一ノズル31を省略しても良い。
【0026】
第一ノズル31は、温水をミスト状にして噴出させるミスト吹出口31aと、温水を塊状にして吹き出す温水吹出口31bとを切替可能に構成されている。この切替構造は、ミスト吹出口31aと温水吹出口31bとを別々に設けて開閉弁(不図示)で開閉操作しても良いし、温水吹出口31bを中央に配置すると共に、ミスト吹出口31aを温水吹出口31bの周囲に配置された微小孔で構成し、切替弁(不図示)によってミスト吹出口31aと温水吹出口31bとを切替える構造としても良く、どのような形態であっても良い。なお、切替構造を設けずに、ミスト吹出口31aおよび温水吹出口31bの何れか一方で構成しても良い。
【0027】
給水管3には、給湯源30から供給される温水を、整流板4とは反対側のハウジング1の庫内空間10aに向けて吹き出す第二ノズル33a(第一吹出口の一例)および第三ノズル33b(第一吹出口の一例)が設けられている(
図3参照)。これら第二ノズル33aおよび第三ノズル33bは、第一開閉弁3aよりも下流側に設けられている。第二ノズル33aは、ハウジング1の本体部1Aの庫内空間10aに向かって温水をミスト状にして噴出させる。第三ノズル33bは、ハウジング1の突出部1Bおよび延出部1Cの庫内空間10aに向かって温水をミスト状にして噴出させる。洗浄後のミストはハウジング1の内面に付着した油分を浮かせた液体となって整流板4に落下し、後述する整流板4の排水口41から排出されるように構成されている。なお、第二ノズル33aおよび第三ノズル33bの何れか1つを省略しても良いし、3つ以上設けても良い。また、第一ノズル31,第二ノズル33a,および第三ノズル33b用の給水管3を各別に設けても良いし、これら何れか2つのノズル用給水管と残りのノズル用給水管とを2つ設けても良い。
【0028】
また、レンジフードXは、給水管3から分岐され、送風機構2に向けて温水を吹き出す第三吹出口32aを有する分岐管32を備えている。分岐管32の経路上には、第二開閉弁32bが設けられている。第二開閉弁32bを開弁することにより、第三吹出口32aから吹き出された温水で送風機構2の内部を洗浄する。洗浄後の温水は、送風ケージング21の底部に設けられた小孔21aから排出されて整流板4に落下し、後述する整流板4の排水口41から排出されるように構成されている。なお、送風機構2を洗浄する分岐管32を省略しても良いし、第三吹出口32aは、温水をミスト状にして噴出させる吹出口と温水を塊状にして吹き出す吹出口とを切替可能に構成しても良い。
【0029】
整流板4は、ハウジング1に固定された状態で吸気口1aに配置されている。
図2に示すように、本実施形態の整流板4は、平面視においてハウジング1の延出部1Cの開口面積よりも大きな表面積を有しており、ハウジング1の下部開口を覆う状態で配置されている。吸込まれた空気はハウジング1の突出部1Bおよび延出部1Cと整流板4との間の空間(吸気口1a)から排気口1bに向かって流動する。これによって空気の吸気口1aの開口面積が絞られ、調理で発生した油分を含んだ空気等の吸込速度が高まる。整流板4は底面視矩形状に形成されており、一端をハウジング1と密着させている。なお、整流板4の一端をハウジング1に密着させずに離間させても良く、特に限定されない。整流板4の一端をハウジング1に密着させずに離間させる場合、吸気口1aが多く設けられるので、空気等の吸込速度を確実に高めることができる。なお、整流板4の固定は、ハウジング1に固定する形態に限定されず、壁に固定したり別部材に固定したりする形態であっても良い。
【0030】
図3に示すように、整流板4は、底部4aと底部4aの4辺から上方に延出した側壁4bとを有している。整流板4のハウジング1と密着した一端側で且つ底部4a中央を貫通する排水口41(排液口の一例)が設けられており、この排水口41に排水管5が接続されている。また、整流板4は、板状部材(ステンレス板や鋼板等)をプレス加工して成形されており、ハウジング1の内部空間10の側に開口を有するボックス形状を呈している。ここで、整流板4の底部4aのうち、ハウジング1の内部空間10の側の面が内面40と定義される。
【0031】
図1〜
図3に示すように、整流板4はハウジング1の下部開口を覆う状態で配置されており、整流板4の側壁4bと底部4aとで、第二ノズル33aからハウジング1の庫内空間10aに向けて吹き出されたミストを受け止める液受け部4cが構成されている。具体的には、第二ノズル33aからハウジング1の庫内空間10aに向けて吹き出されたミストがハウジング1の内面に接触した後、ハウジング1の内面に付着した油分がミストによって浮き上がり、油分を含む塊状の液体となって液受け部4cに落下する。
【0032】
整流板4の内面40には撥油加工や、撥水加工又は親水性加工が施されており、これにより空気に含まれる油分のこびり付きが防止される。排水口41が設けられた整流板4の一端側とは反対側である整流板4の他端側の直上には、第一ノズル31が設けられている。また、整流板4の内面40は、整流板4の他端側から一端側に向かって内部空間10から離間するように傾斜している。これによって、第一ノズル31から吹き出された温水やミストは、傾斜した整流板4の内面40に沿って円滑に流下し、排水口41から排出される。また、第二ノズル33aおよび第三ノズル33bからハウジング1の庫内空間10aに向けて吹き出されたミストも、整流板4の液受け部4cに落下した後、整流板4の内面40に沿って円滑に流下し、排水口41から排出される。
【0033】
なお、整流板4の他端側から一端側に向かって傾斜面を設けずに、第一ノズル31の直下位置よりも排水口41が低くなるように傾斜面を有していれば良く、特に限定されない。例えば、整流板4の中間位置から排水口41までを内部空間10から離間するように傾斜させても良い。また、整流板4の内面40を傾斜させなくても良い。
【0034】
排水管5は、整流板4の一端に設けられた排水口41に接続されており、壁Wに埋設された状態で下水道管に合流している。
【0035】
図4は、レンジフードXに備えられている機能部を表す機能ブロック図である。本実施形態における各機能部は、各種処理を実行するプロセッサやメモリを中核としてハードウェア又はソフトウェア或いはその両方で構築されている。
【0036】
レンジフードXは、使用者がレンジフードXの操作を入力可能なリモートコントローラR(入力部の一例であり、入力部がレンジフードXに内蔵されていても良い。)と、リモートコントローラRからの出力信号を受けてレンジフードXの作動を制御する制御部Cとを備えている。なお、リモートコントローラRからの出力信号を制御部Cに伝達する手段は、無線通信であっても、有線通信であっても良い。
【0037】
リモートコントローラRは、送風機構2の稼働指令を入力可能な稼動ボタン51(第一入力部の一例)と、送風機構2の停止指令を入力可能な停止ボタン52(第一入力部の一例)と、レンジフードXの洗浄指令を入力可能な洗浄ボタン53(第二入力部の一例)と、を備えている。なお、リモートコントローラRは、電源ボタン等の他の機能ボタンも有しているが説明を省略する。
【0038】
洗浄ボタン53は、少なくともハウジング1の内面および整流板4の内面40の洗浄指令を入力可能に構成されている。上述したように、送風機構2の洗浄機能を有する場合は、洗浄ボタン53を押下することで、ハウジング1の内面および整流板4に加えて送風機構2も洗浄するように構成されている。なお、稼動ボタン51および停止ボタン52は、1つのボタンで入/切を変更できるように構成しても良いし、2つのボタンで構成しても良い。また、洗浄ボタン53は、ハウジング1の内面および整流板4を洗浄するためのボタンと送風機構2を洗浄するためのボタンとを2つ備えていても良いし、ハウジング1の内面を洗浄するためのボタンと整流板4を洗浄するためのボタンとを別々に設けても良いし、洗浄停止ボタンを別途設けても良い。
【0039】
制御部Cは、リモートコントローラRからの出力信号に基づいてレンジフードXの作動の要否を判定する判定部61と、判定部61の判定結果を受けて送風機構2の作動を制御する送風機構制御部62と、判定部61の判定結果を受けて少なくともハウジング1の内面および整流板4の内面40の洗浄処理を制御する洗浄制御部63と、判定部61の判定結果を受けて使用者にレンジフードXの状態を報知する報知部64と、を備えている。
【0040】
判定部61は、使用者が稼動ボタン51を押下すると、送風機構2の稼働信号を送風機構制御部62に伝達し、使用者が停止ボタン52を押下すると、送風機構2の停止信号を送風機構制御部62に伝達する。また、判定部61は、送風機構2の総運転時間が第一所定時間T1(例えば1時間)以上か否かを判定する。さらに、判定部61は、停止ボタン52および洗浄ボタン53が押下されたとき、少なくともハウジング1の内面および整流板4の内面40の洗浄指令を洗浄制御部63に伝達する。このとき、判定部61は、第二ノズル33aおよび第三ノズル33bからミストを噴出する時間が第二所定時間T2(例えば15分)となったか否かを判定する。また、ミスト吹出口31aからミストを噴出する時間が第三所定時間T3(例えば10分)となったか否かを判定すると共に、温水吹出口31bから温水を塊状にして吹き出す時間が第四所定時間T4(例えば5分)以上となったか否かを判定する。
【0041】
送風機構制御部62は、判定部61から稼動信号を受けたとき、送風機構2を駆動させて、調理で発生した油分を含んだ空気等を吸気口1aから吸引し、排気口1bから排出させる。また、送風機構制御部62は、判定部61から停止信号を受けたとき、送風機構2を停止させる。
【0042】
洗浄制御部63は、判定部61から洗浄指令を受けたとき、第一開閉弁3aを開弁して第二ノズル33aおよび第三ノズル33bからハウジング1の庫内空間10aに向けてミストを吹き出すと共に、第一ノズル31から整流板4の内面40に向けてミスト又は温水を吹き出す。このとき、第二開閉弁32bも開弁して、第三吹出口32aから送風機構2の内部に向けて温水を吹き出しても良い。なお、洗浄制御部63は、判定部61から洗浄指令を受けたときに第一開閉弁3aを必ず開弁し、第二開閉弁32bは、洗浄指令の複数回に1回ごとに開弁するように構成しても良い。また、第二ノズル33aおよび第三ノズル33b用の第一開閉弁3aと第一ノズル31用の第一開閉弁3aとを別々に設けても良いし、第一ノズル31,第二ノズル33aおよび第三ノズル33b用の第一開閉弁3aを各別に設けても良い。
【0043】
報知部64は、判定部61から送風機構2の総運転時間が第一所定時間T1以上であるとの判定結果を受けたとき、使用者に洗浄時期が来たことを報知する。報知形態としては、例えば、洗浄ボタン53を点滅させたり、音声で報知したり、別途設けた発光部(例えば、LEDライト)を点灯させたりする。これによって、使用者に洗浄ボタン53を押下するように促すことができる。また、報知部64は、送風機構2が駆動中である場合に稼動ボタン51を点灯させ、レンジフードXを洗浄中である場合に洗浄ボタン53を点灯させる。
【0044】
続いて、
図5を用いて、本実施形態に係る整流板4の洗浄方法の一例について説明する。
【0045】
電源がONとなり、使用者が稼動ボタン51を押下すると、送風機構2の運転が開始する(♯71)。次いで、判定部61は、使用者が停止ボタン52を押下して送風機構2の停止指令が入力されたか否かを判定する(♯72)。送風機構2の停止指令が入力されていない場合(♯72Nо判定)、送風機構2の運転を継続する。一方、送風機構2の停止指令が入力された場合(♯72Yes判定)、判定部61は、送風機構2の総運転時間が第一所定時間T1以上か否かを判定する(♯73)。送風機構2の総運転時間が第一所定時間T1以上の場合(♯73Yes判定)は、報知部64によって洗浄時期が来たことを使用者に報知する(♯74)。
【0046】
次いで、使用者が洗浄ボタン53を押下して洗浄指令があった場合(♯75Yes判定)、判定部61は、整流板4の洗浄指令を洗浄制御部63に伝達する。そして、洗浄指令を受けた洗浄制御部63は、第一開閉弁3aを開弁操作して、第二ノズル33aおよび第三ノズル33bからハウジング1の庫内空間10aに向けてミストを噴出させると共に、第一ノズル31のミスト吹出口31aから整流板4の内面40に向けてミストを噴出させる(♯76)。これによって、ハウジング1の内面や整流板4の内面40に付着した油分を柔らかくして浮かせる。
【0047】
そして、第二ノズル33aおよび第三ノズル33bからミストを噴出する時間が第二所定時間T2以上となった場合(♯77Yes判定)、洗浄を停止して(♯78)、洗浄処理を終了する。なお、洗浄指令があった場合(♯75Yes判定)、第一ノズル33のミスト吹出口31aからミストを噴出させた後、温水吹出口31bに切り替えて温水を塊状にして吹き出す処理も同時に行われるが、図示を省略する。
【0048】
洗浄処理が終了すると、報知部64は、洗浄ボタン53を消灯すると共に、音声や発光部の消灯等によって洗浄終了を使用者に報知する。このように、送風機構2を停止させてから、整流板4の洗浄を開始するので、ミストが送風機構2によって強制的に排出されるといった不都合を防止できる。
【0049】
本実施形態では、給湯源30に接続された給水管3の第二ノズル33aおよび第三ノズル33bから、送風機構2に隣接するハウジング1の庫内空間10aに向かってミストを吹き出す。その結果、手の届きにくいハウジング1の内面に付着した油分を自動的に洗浄することができる。
【0050】
また、整流板4はハウジング1の下部開口側に位置しており、整流板4に液受け部4cとしての機能を持たせれば、ハウジング1の下部に別途液受け空間を設ける必要が無く、装置をコンパクトにできる。
【0051】
本実施形態では、第一ノズル31が整流板4の内面40に向けて温水を吹き出すように構成されているので、整流板4の内面40に付着した油分を強制的に洗浄することができる。しかも、整流板4に排水口41を設けているので、油分が混入した温水を都度排出することが可能となり、整流板4を清潔な状態にすることができる。
【0052】
本実施形態では、整流板4が第一ノズル31の直下位置よりも排水口41が低くなるように傾斜面を設けているので、整流板4の内面40に衝突した温水が傾斜面に沿って円滑に流れて排水口41から排出される。その結果、油分を含んだ水が整流板4の内面40に残存することが無く、残存した水が蒸発して、整流板4の内面40に油分が再付着するといった不都合が無い。しかも、整流板4の一端側に排水口41を設け、整流板4の他端側の直上に第一ノズル31を設けているので、整流板4の内面40の全領域に温水を行き渡らせることができる。
【0053】
本実施形態では、第一ノズル31がミストと塊状の温水とを吹き出し可能に形成されているので、ミストで整流板4に付着した油分を柔らかくして浮かせた後、塊状の温水で強制的に油分を洗い流すことが可能となる。その結果、整流板4の洗浄効率を高めることができる。
【0054】
[その他の実施形態]
(1)
図6に示すように、整流板4の底部4aや側壁4bに液受け板42を固定して、この液受け板42にハウジング1の庫内空間10aに向けて吹き出されたミストを受け止める液受け部4cの機能を持たせても良い。この場合、別途液受け板42を用意する必要があるが、整流板4に特別な加工を施して液受け部4cを形成する必要が無く、汎用性を高めることができる。
【0055】
(2)
図7に示すように、第一ノズル31を整流板4の側壁4bに形成した貫通孔部43に挿入して、第一ノズル31の先端を整流板4の内部に露出させても良い。この場合でも、整流板4の内面40の傾斜に沿って、温水を円滑に流動させることができる。
【0056】
(3)第一ノズル31,第二ノズル33a,および第三ノズル33bから吹き出す液体は、温水に限定されず、冷水でも良いし、水に薬剤を混合させた洗浄液であっても良い。
【0057】
(4)第二ノズル33aおよび第三ノズル33bは、ハウジング1の庫内空間10aに向けてミストを噴出させるものであれば、数量や配置は特に限定されない。また、第二ノズル33aおよび第三ノズル33bから塊状の温水を吹き出すように構成しても良い。
【0058】
(5)排水口41は、整流板4の底部4a中央を貫通させて形成したが、整流板4の底部4aの側方を貫通形成しても良いし、整流板4の側壁4b下部を貫通形成しても良い。また、排水口41を複数設けても良いし、排水口41に接続される排水管5に開閉弁を設けて洗浄時のみ開弁するように構成しても良い。
【0059】
(6)第一ノズル31は、整流板4の中央の直上や側壁4bに1箇所設ける形態に限定されない。例えば、第一ノズル31を2つ設け、整流板4の両端の直上や整流板4の対向する側壁4bに夫々配置しても良いし、第一ノズル31を3つ以上設けて配置しても良い。また、第一ノズル31をミスト吹出口31aおよび温水吹出口31bの何れか一方のみで構成しても良い。
【0060】
(7)上述した実施形態では、給水管3を給湯器等の給湯源30と直接接続したが、給湯源30と第一開閉弁3aとの間に貯留タンクを設けて、この貯留タンクからポンプで洗浄液を供給できるような構成にしても良い。
【0061】
(8)第二ノズル33aおよび第三ノズル33bからミストを噴出する第二所定時間T2、第一ノズル31からミストを噴出する第三所定時間T3、および温水を塊状にして吹き出す第四所定時間T4は、洗浄処理が実行されていない送風機構2の総運転時間に応じて適宜変更しても良い。
【0062】
なお、上述した実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能である。また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。