(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
コンロバーナを備える本体部が、カウンタトップに形成した矩形状の開口に挿入される状態で、且つ、その上端に備える鍔部が前記カウンタトップ側に係止支持される状態で、前記カウンタトップに組み付けられ、
前記カウンタトップに組み付けられた前記本体部を覆い且つ周縁部が前記カウンタトップの上面に接当する状態に装着される天板が設けられ、
頭付の雄ネジ部材が、前記天板の下面部に設けた板状装着部の上方に頭部を位置させかつ雄ネジが形成された棒状部を板状装着部の下方に貫通させる形態で設けられ、
前記板状装着部を貫通した前記棒状部の先端側部分が貫通する板状の受止部が、前記本体部側に設けられ、
前記受止部を貫通した前記棒状部の先端側部分に螺合する雌ネジ部材が、前記受止部に接当する形態で設けられたビルトイン式ガスコンロであって、
設定回動力以上での前記雄ネジ部材の回動を許容する状態で前記雄ネジ部材の回動を阻止する回動阻止部が設けられているビルトイン式ガスコンロ。
前記天板が、ガラスプレートと、当該ガラスプレートの下面側を載置支持する金属製の載置プレートと、前記ガラスプレートの周縁部に位置する周縁枠と、前記載置プレートを載置支持する固定具とを備える形態に構成され、
前記周縁枠が、前記ガラスプレートと前記カウンタトップとの間に上下方向に沿う姿勢で位置する主体部分と、当該主体部分の上端部から前記カウンタトップの存在側に延出して前記カウンタトップの上面に接当するカウンタトップ接当部分と、前記主体部分の上端部から前記ガラスプレートの存在側に延出して前記ガラスプレートの上面に接当するガラスプレート接当部分とを備える形態に構成され、
前記固定具が、前記周縁枠の前記主体部分に対して下側への移動を規制された係合状態で設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載のビルトイン式ガスコンロ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のビルトイン式ガスコンロにおいては、雄ネジ部材が板状装着部を単に貫通する状態で設けられるものであるから、雌ネジ部材を回動操作して締め付けるときに、雄ネジ部材も回動することがあるため、雌ネジ部材を回動操作するときには、例えば、回動を阻止するように雄ネジ部材を手指にて把持した状態で、雌ネジ部材を回動操作する必要があり、雌ネジ部材の回動操作が行い難い不都合があった。
【0006】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、雌ネジ部材の回動操作の容易化を図り、しかも、締め過ぎによる天板の損傷を回避できるビルトイン式ガスコンロを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のビルトイン式ガスコンロは、コンロバーナを備える本体部が、カウンタトップに形成した矩形状の開口に挿入される状態で、且つ、その上端に備える鍔部が前記カウンタトップ側に係止支持される状態で、前記カウンタトップに組み付けられ、
前記カウンタトップに組み付けられた前記本体部を覆い且つ周縁部が前記カウンタトップの上面に接当する状態に装着される天板が設けられ、
頭付の雄ネジ部材が、前記天板の下面部に設けた板状装着部の上方に頭部を位置させかつ雄ネジが形成された棒状部を板状装着部の下方に貫通させる形態で設けられ、
前記板状装着部を貫通した前記棒状部の先端側部分が貫通する板状の受止部が、前記本体部側に設けられ、
前記受止部を貫通した前記棒状部の先端側部分に螺合する雌ネジ部材が、前記受止部に接当する形態で設けられたものであって、その特徴構成は、
設定回動力以上での前記雄ネジ部材の回動を許容する状態で前記雄ネジ部材の回動を阻止する回動阻止部が設けられている点にある。
【0008】
すなわち、雌ネジ部材を回動操作するときに、回動阻止部にて雄ネジ部材の回動が阻止されているから、手指等により雄ネジ部材の回動を阻止する必要がないため、雌ネジ部材の回動操作を容易に行うことができる。
【0009】
しかも、回動阻止部は、設定回動力以上での雄ネジ部材の回動を許容する状態で雄ネジ部材の回動を阻止するものであるから、雌ネジ部材を回動操作する際に、雄ネジ部材に作用する回動力が設定回動力以上になると、雄ネジ部材が回動するものとなるため、必要以上に締付過ぎることにより、天板が下方側に必要以上に引っ張られて、天板が損傷する等の不都合を回避することができる。
【0010】
要するに、本発明のビルトイン式ガスコンロの特徴構成によれば、雌ネジ部材の回動操作の容易化を図り、しかも、締め過ぎによる天板の損傷を回避できる。
【0011】
本発明のビルトイン式ガスコンロの更なる特徴構成は、前記頭部が、角部を偶数個備える多角形状であり、
前記回動阻止部が、前記頭部の前記角部に対して回転を阻止する形態で係合する一対の係合片を、前記角部のうちの対向する一対の角部に係合させる状態で、かつ、前記頭部の回動を許容すべく弾性後退自在に支持した状態で設ける形態に構成されている点にある。
【0012】
すなわち、雄ネジ部材の頭部は、一般に、4角形や6角形等、角部を偶数個備える多角形状に形成されることになり、回動阻止部が、角部に対して回転を阻止する形態で係合しかつ頭部の回動を許容すべく弾性後退自在に支持した状態で設ける一対の係合片を、角部のうちの対向する一対の角部に係合させるものであるから、一対の係合片にて頭部を挟む状態となる。
【0013】
このように、一対の係合片にて頭部を挟む状態にて雄ネジ部材の回動を阻止するものであるから、一対の係合片の夫々の角部に対する係合状態が安定するため、設定回動力以上での雄ネジ部材の回動を許容する状態で雄ネジ部材の回動を阻止することを適切に行わせることができる。
【0014】
つまり、例えば、角部に係合する一つの係合片にて、設定回動力以上での雄ネジ部材の回動を許容する状態で雄ネジ部材の回動を阻止することが考えられるが、この場合、雄ネジ部材が板状装着部に対して径方向の融通を持って貫通する等により、板状装着部に対する雄ネジ部材の位置が径方向に変位し易いことに起因して、係合片の角部に対する係合状態が不安定となり、回動を許容する設定回動力を適切に設定し難い虞がある。
【0015】
これに対して、一対の係合片にて頭部を挟む状態にて雄ネジ部材の回動を阻止することにより、一対の係合片夫々の角部に対する係合状態が安定して、回動を許容する設定回動力を適切に設定し易いものとなる。
【0016】
要するに、本発明のビルトイン式ガスコンロの更なる特徴構成によれば、回動を許容する設定回動力を適切に設定しながら、雄ネジ部材の回動を阻止することができる。
【0017】
本発明のビルトイン式ガスコンロの更なる特徴構成によれば、前記板状装着部が、前記天板の下面部に接続される板状体であり、
一対の前記係合片が、前記板状装着部に設けられている点にある。
【0018】
すなわち、天板の下面部に接続される板状体として形成されている板状装着部に、一対の係合片が設けられているから、板状体として形成されている板状装着部を天板の下面部に接続することにより、回動阻止部を設置することができるものとなる。
【0019】
このように、板状装着部を天板の下面部に接続するだけで、回動阻止部を設置することができるものとなるから、回動阻止部の設置作業の簡略化を図ることができる。
【0020】
要するに、本発明のビルトイン式ガスコンロの更なる特徴構成によれば、回動阻止部の設置作業の簡略化を図ることができる。
【0021】
本発明のビルトイン式ガスコンロの更なる特徴構成は、一対の前記係合片が、前記板状装着部から前記頭部の存在側に折曲げる形態で、前記板状装着部と一体形成されている点にある。
【0022】
すなわち、一対の係合片が、板状装着部から頭部の存在側に折曲げる形態で、板状装着部と一体形成されているから、回動阻止部の製作コストの低減化を図ることができる。
【0023】
つまり、板状装着部と一対の係合片とが平面状に並ぶ形態に、板材をプレス加工し、その後、一対の係合片を頭部存在側に折り曲げるようにする形態で、一対の係合片を備える板状装着部を製作することができるものであるから、例えば、板状装着部と一対の係合片とを各別に形成して、それらを溶接等により接続する場合に較べて、回動阻止部の製作コストの低減化を図ることができる。
【0024】
要するに、本発明のビルトイン式ガスコンロの更なる特徴構成によれば、回動阻止部の製作コストの低減化を図ることができる。
【0025】
本発明のビルトイン式ガスコンロの更なる特徴構成は、前記天板が、ガラスプレートと、当該ガラスプレートの下面側を載置支持する金属製の載置プレートと、前記ガラスプレートの周縁部に位置する周縁枠と、前記載置プレートを載置支持する固定具とを備える形態に構成され、
前記周縁枠が、前記ガラスプレートと前記カウンタトップとの間に上下方向に沿う姿勢で位置する主体部分と、当該主体部分の上端部から前記カウンタトップの存在側に延出して前記カウンタトップの上面に接当するカウンタトップ接当部分と、前記主体部分の上端部から前記ガラスプレートの存在側に延出して前記ガラスプレートの上面に接当するガラスプレート接当部分とを備える形態に構成され、
前記固定具が、前記周縁枠の前記主体部分に対して下側への移動を規制された係合状態で設けられている点にある。
【0026】
すなわち、天板がガラスプレートを備える形態に構成されているから、天板の清掃性の向上を図るようにして、天板を美麗な状態に維持できるものとなる。
【0027】
このような天板は、載置プレートが下方側に引っ張られることにより、固定具と周縁枠との係合箇所に対して下向きの大きな力が作用して、係合が外れる虞があるが、雌ネジ部材を回動操作する際に、雄ネジ部材に作用する回動力が設定回動力以上になると、雄ネジ部材が回動するものとなるため、固定具と周縁枠との係合が外れることを回避できることになる。
【0028】
つまり、設定回動力を、固定具と周縁枠との係合が外れない程度の大きさに設定することにより、固定具と周縁枠との係合が外れることを適切に回避しながら、雌ネジ部材の回動操作の容易化を図ることができる。
【0029】
要するに、本発明のビルトイン式ガスコンロの更なる特徴構成によれば、固定具と周縁枠との係合が外れることを適切に回避しながら、雌ネジ部材の回動操作の容易化を図ることができる。
【0030】
本発明のビルトイン式ガスコンロの更なる特徴構成は、前記鍔部を含めた前記本体部の前後幅又は横幅の少なくとも一方が、前記開口の前後幅又は横幅よりも小さく形成され、
前記鍔部を載置支持する載置枠が、前記開口の縁部に係止支持される状態で設けられ、
前記鍔部が、前記開口の縁部にて係止支持された前記載置枠に載置されることより、前記カウンタトップ側に係止支持されるように構成され、
前記受止部が、前記載置枠にて構成されている点にある。
【0031】
すなわち、上端に鍔部を備える本体部は、鍔部を含めた前後幅又は横幅の少なくとも一方が、開口の前後幅又は横幅よりも小さくなるように形成されているため、本体部の上端に備えさせた鍔部が、開口の縁部に係止支持される状態で設けられる載置枠に載置されることにより、カウンタトップ側に係止されることになる。
そして、本体部を覆う状態に天板を装着したときに、雄ネジ部材が、受止部としての載置枠を貫通して下方に突出することになる。
【0032】
また、鍔部を含めた前後幅又は横幅の少なくとも一方が、開口の前後幅又は横幅よりも小さくなるように形成されている本体部のうちの、開口の前後幅又は横幅よりも小さくなる側の前後又は横側の側面が、カウンタトップの開口の内側面から離れて位置することになるため、本体部の側面とカウンタトップの開口の内側面との間に、雌ネジ部材を操作するための空間を確保することができるものとなり、この空間を利用して雌ネジ部材を操作することができるため、雌ネジ部材に対する操作が行い易いものとなる。
【0033】
さらに、本体部の鍔部を含めた前後幅又は横幅の少なくとも一方が開口の前後幅又は横幅よりも小さいため、配送のために本体部や天板を梱包するにあたり、本体部の鍔部を含めた前後幅及び横幅が開口前後幅及び横幅よりも大きい場合に較べて、その梱包の大きさを小さくすることができ、配送のための搬送面において有利となるのである。
【0034】
要するに、本発明のビルトイン式ガスコンロの更なる特徴構成によれば、雌ネジ部材の操作性の向上を図ることができ、かつ、配送のための搬送面において有利となる。
【0035】
本発明のビルトイン式ガスコンロの更なる特徴構成は、前記鍔部が、前記カウンタトップに係止されるように構成され、
前記受止部が、前記鍔部にて構成されている点にある。
【0036】
すなわち、本体部の鍔部が、カウンタトップに係止され、雄ネジ部材が、受止部としての鍔部を貫通して下方に突出することになり、その下方に突出する部分に、雌ネジ部材を螺合させることになる。
【0037】
このように、本体部が本来的に備える鍔部を、受止部として有効利用しながら、天板を下方側に引っ張り操作して固定するものであるから、本来構成を有効利用した簡素な構成にて、天板を固定することができる。
【0038】
要するに、本発明のビルトイン式ガスコンロの更なる特徴構成によれば、本来構成を有効利用した簡素な構成にて、天板を固定することができる。
【発明を実施するための形態】
【0040】
〔実施形態〕
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(全体構成)
図1及び
図2に示すように、コンロバーナ1を横幅方向に並べた状態で備えるビルトイン式ガスコンロとしてのガスコンロGが、キッチンカウンターKのカウンタトップKaに形成した矩形状の開口2(
図3参照)に挿入される状態で装着されて加熱調理設備が構成されている。
本実施形態においては、コンロバーナ1として、3つのコンロバーナ1L、1M、1Rが横方向に並べて備えられている。
【0041】
図2及び
図3に示すように、ガスコンロGは、コンロバーナ1を備える本体部G1、天板G2、及び、操作部G3(
図1参照)を主要部として構成されている。
本体部G1が、カウンタトップKaの開口2に挿入される状態で、且つ、その上端に備える鍔部3(
図4参照)がカウンタトップ側に係止支持される状態で、カウンタトップKaに組み付けられている。
天板G2が、カウンタトップKaに組み付けられた本体部G1を覆い且つ周縁部をカウンタトップKaの上面に接当させる状態に装着され、また、天板G2の上部には、
図1に示すように、五徳Dが装備されている。
【0042】
本体部G1は、底壁及び側壁を備えた金属製の有底筒状のケーシング4の内部に、コンロバーナ1等の機器類を収納して構成され、そのケーシング4の上端に、そのケーシング4と一体形成される状態で鍔部3(
図4参照)が設けられている。
【0043】
ケーシング4は、
図2に示すように、上方側部分4Uが下方側部分4Dよりも、平面視形状が大きくなるように形成されており、上方側部分4Uが、下方側部分4Dよりも前方側に大きく張り出す張り出し部4Uhを前方側に備えるように構成されている。
そして、上方側部分4Uの張り出し部4Uhの下面を利用して、後述の如く、ケーシング4がキッチンカウンターKに固定されている。
【0044】
本実施形態においては、本体部G1が、カウンタトップKaの前縁よりも後方側に大きく引退した位置に装着され、天板G2が、本体部G1の装着箇所を覆う状態で装着されており、カウンタトップKaにおける天板G2よりも前側部分が、調理作業面を形成するように構成されている。
【0045】
操作部G3は、
図1に示すように、横長の帯板状に形成されて、その上面部に、3つのコンロバーナ1L〜1Rの点火及び消火、並びに、火力調整等の操作を行う操作スイッチ類を備えている。
そして、上述の如く、本体部G1や天板G2がカウンタトップKaの前縁よりも後方側に引退した位置に装着されるのに対して、操作部G3は、キッチンカウンターKの前縁側部分に装着されている。
【0046】
具体的には、操作部G3が、カウンタトップKaの下方側に収納される収納位置とカウンタトップKaの前方側に突出する突出位置とに位置変更自在に支持されて、突出位置に位置された状態において、3つのコンロバーナ1L〜1Rの点火及び消火、並びに、火力調整等の操作を行えるようになっている。
尚、例示はしないが、収納位置に位置する操作部G3を後方側に少し押し込み操作することにより、操作部G3を突出位置に自動的に位置変更操作し、突出位置に位置する操作部G3を収納位置に押し込み操作することにより、収納位置に自動的に保持する操作部保持機構が設けられている。
【0047】
また、
図1に示すように、キッチンカウンターKの前面における操作部G3の横側箇所には、消火ボタンBが装備されており、操作部G3を収納位置に収納してコンロバーナ1を燃焼させている状態において、コンロバーナ1を消火するときに、この消火ボタンBを押し操作することにより、コンロバーナ1を消火させることができるようになっている。
ちなみに、消火ボタンBが押し操作されると、3つのコンロバーナ1L、1M、1Rのうちの点火しているものが全て消火されることになる。
【0048】
(ガスコンロの係止構成)
本体部G1の鍔部3は、
図4に示すように、本体部G1の前側に延びる前側の鍔部分3F(
図5参照)、本体部G1の後側に延びる後側の鍔部分3B、本体部G1の左側に延びる左側の鍔部分3L、及び、本体部G1の右側に延びる右側の鍔部分3Rからなる。
これら鍔部分3F〜3Rは、本体部G1の同じ高さに形成されている。
【0049】
本体部G1の鍔部3を含めた前後幅及び横幅が、開口2の前後幅及び横幅よりも小さく形成され、鍔部3を載置支持する載置枠5が、開口2の縁部に係止支持される状態で設けられている。
そして、鍔部3が、開口2の縁部にて係止支持された載置枠5に載置されることにより、カウンタトップ側に係止支持されるように構成されている。
【0050】
開口2の周縁部が、カウンタトップKaの上面よりも下方側に位置する縁部を備える階段状に形成されており、載置枠5が、周縁部の縁部に載置されるようになっている。
本実施形態においては、縁部として、
図3〜
図5に示すように、開口2の前縁に沿って形成される前方側の縁部EF、開口2の後縁に沿って形成される後方側の縁部EB、開口2の左縁に沿って形成される左方側の縁部EL、及び、開口2の右縁に沿って形成される右方側の縁部ERが設けられている。ちなみに、これら縁部EF〜ERの上面の高さは同じ高さである。
【0051】
載置枠5が、
図4に示す如く、左右一対の縦枠部分5A、及び、横枠部分5Bを備えるように構成されている。
左右一対の縦枠部分5Aは、カウンタトップKaの前後幅方向に伸びる長尺状に形成されて、その前後両端が開口2の前方側の縁部EF及び後方側の縁部EBに載置されるように構成されている。
横枠部分5Bは、開口2の前方側の縁部EFに隣接する箇所に、カウンタトップKaの横幅方向に伸びる長尺状に形成されて、その左右端部が左右一対の縦枠部分5Aに載置されるように構成されている。
【0052】
そして、鍔部3における本体部G1の左右に位置する鍔部分3L、3Rが、左右一対の縦枠部分5Aに載置され、鍔部3における本体部G1の前後に位置する前後鍔部分3F、3Bのうちの、横枠部分5Bが存在する側の前方側の鍔部分3Fが、横枠部分5Bに載置され、横枠部分5Bが存在しない側の後方側の鍔部分3Bが、後方側の縁部EBに載置されるように構成されている。
【0053】
左右の縦枠部分5Aは、
図3に示すように、断面形状逆U字状の主体部分を備え、その前後の両端に、
図4に示すように、前後の縁部EF、EBに載置される板状の端部分を備える形態に構成されている。
横枠部分5Bは、
図5に示すように、断面形状逆U字状の主体部分を備え、その前後の両端に、
図4に示すように、左右の縦枠部分5Aに載置される板状の端部分を備える形態に構成されている。
【0054】
上述の如く、開口2の周縁部が、前方側の縁部EF、後方側の縁部EB、左方側の縁部EL、及び、右方側の縁部ERをカウンタトップKaの上面よりも下方側に位置させた階段状に形成されているため、天板G2が、開口2に嵌合される形態で装着される状態において、
図2に示すように、天板G2の上面がカウンタトップKaの上面と同じ高さになるように構成されている。
【0055】
(天板の構成)
天板G2は、
図6〜
図9に示すように、ガラスプレート10、そのガラスプレート10の下面側を載置支持する金属製の載置プレート11、ガラスプレート10の周縁部に位置する4角形の額縁状の周縁枠12、及び、載置プレート11を載置支持する固定具14を備える形態に構成されている。
【0056】
周縁枠12は、
図5及び
図9に示すように、断面形状がT字状であり、ガラスプレート10とカウンタトップKaとの間に上下方向に沿う姿勢で位置する主体部分12hと、主体部分12hの上端部からカウンタトップKaの存在側に延出してカウンタトップKaの上面に接当するカウンタトップ接当部分12aと、主体部分12hの上端部からガラスプレート10の存在側に延出してガラスプレート10の上面に接当するガラスプレート接当部分12bとを備える形態に構成されている。
尚、本実施形態においては、カウンタトップ接当部分12aが、パッキン13を介在させた状態で、カウンタトップKaの上面に接当するように構成されている。
【0057】
固定具14は、
図7に示すように、周縁枠12の前方側部分及び後方側部分の長手方向(左右方向)の複数箇所に設けられている。
そして、固定具14は、
図10に示すように、周縁枠12の長手方向に沿って伸びる長尺状でかつ緩やかに弓形状に湾曲する縦板部分14a、及び、この縦板部分14aの両端部から水平方向に突出する支持板部分14bを主要部として構成され、縦板部分14aには、周縁枠12の主体部分12hの内面側部に形成した係合凹部12c(
図9参照)に下側への移動を規制された状態に係合する係合凸部14cが、打ち出し形成されている。
つまり、固定具14は、周縁枠12の主体部分12hに対して下側への移動が規制された係合状態で設けられている。
【0058】
したがって、固定具14が、縦板部分14aの係合凸部14cを周縁枠12の係合凹部12cに係合させた状態で、周縁枠12の内面側部に装着されることにより、ガラスプレート10及び載置プレート11が、固定具14の支持板部分14bと周縁枠12のガラスプレート接当部分12bとの間に挟まれる状態で、周縁枠12に支持されるように構成されている。
尚、
図9においては記載を省略するが、周縁枠12、固定具14、ガラスプレート10の端面部分、及び、載置プレート11の端面部分にて囲まれる空間部分には、シリコンが充填されるようになっている。
【0059】
また、天板G2には、
図6及び
図7に示すように、コンロバーナ1を挿通する開口部が形成され、その開口部には、バーナリング15が装着されている。
このバーナリング15は、その下面側においてはコンロバーナ1と係合し、かつ、その上面側においては五徳Dを位置決め保持するように構成されている。
【0060】
(キッチンカウンターの構成)
キッチンカウンターKは、
図1及び
図2に示すように、下方枠部分D1と上方枠部分D2とが段積みされた状態に構成され、上方枠部分D2の上部に、カウンタトップKaが装着されている。
上方枠部分D2は、
図2及び
図3に示すように、左右の側板16A、背板16B、底板16C、及び、底板16Cから立設された仕切り板16Dを備え、また、前面部には、左右の開閉扉16E、16F、及び、それら開閉扉16E、16Fの上方に位置する前側板16Gを備えている。
【0061】
仕切り板16Dは、上方枠部分D2の内部空間を左右に仕切るものであって、本実施形態においては、内部空間を左右が不均一となる状態で仕切るように配置されている。そして、左右の開閉扉16E、16Fが、仕切り板16Dの仕切り位置に合わせた大きさに形成されている。
【0062】
上方枠部分D2の内部の上方側箇所で、且つ、本体部G1のケーシング4における上方側部分4Uの張り出し部4Uhの下方に相当する箇所に、キッチンカウンターKの横幅方向に伸びる木製の連結板17が設けられている。
この連結板17は、左右の端部側部分が左右の側板16Aに接続され、かつ、左右の端部側部分の上面が、カウンタトップKaの底面に接続されて、上方枠部分D2の強度部材として、機能するように構成されている。
尚、連結板17とケーシング4の上方側部分4Uの張り出し部4Uhの底面との間には、シール材18が配設されている(
図2参照)。
【0063】
連結板17と前側板16Gとの間に、左右の側板16Aに亘る大きさの薄板状の前遮蔽板19が配設され、その前遮蔽板19よりも上方の空間が、上述した操作部G3や、その操作部G3と本体部G1とを接続する電線類等を配設する収納空間として機能するように構成されている。
この前遮蔽板19は、後端側が連結板17の前面の凹溝に嵌合し、且つ、前端側が前側板16Gの裏面側に設けられた枠体に着脱自在にビス等により連結された状態で設けられて、着脱できるように構成されており、後述の如く、ガスコンロGの本体部G1や天板G2を装着する作業を行うときには、取り外されることになる。
【0064】
連結板17の下方部と背板16Bとの間には、本体部G1の下方側箇所を覆う後遮蔽板20が設けられている。
この後遮蔽板20は、左右の側板16Aに亘る大きさに形成されて、両端部が左右の側板16Aに着脱自在に接続されており、後述の如く、ガスコンロGの本体部G1や天板G2を装着する作業を行うときには、取り外されることになる。
【0065】
(ガスコンロの固定構成)
本実施形態においては、本体部止着部Pによって、ガスコンロGの本体部G1を開口2の縁部EL、ER、EF、EBからの浮き上がりを阻止するように止着するように構成されている。
そして、天板止着部Qによって、本体部G1に対して天板G2を下方側に引き操作することにより、天板G2の周縁枠12におけるカウンタトップ接当部分12aをカウンタトップKaに押圧する状態に止着するように構成されている。
【0066】
つまり、本実施形態においては、本体部止着部Pと天板止着部Qとによって、ガスコンロGの本体部G1と天板G2とを止着する形態で、ガスコンロGを固定するように構成されており、以下、本体部止着部P、及び、天板止着部Qについて説明する。
【0067】
(本体部止着部の構成)
図2及び
図3に示すように、キッチンカウンターKの内部に配置される連結板17と本体部G1のケーシング4における上方側部分4Uの張り出し部4Uhの底面とを接続するL字状の固定金具21が、キッチンカウンターKの横幅方向の3箇所に設けられている。
【0068】
固定金具21は、その下方部を連結板17の前面に当て付けた状態で、ビス22にて連結板17に締め付け固定し、かつ、その上方部を張り出し部4Uhの底面に当て付けた状態で、ビス23にて張り出し部4Uhの底壁に締め付け固定する形態で装着されている。
【0069】
また、
図2及び
図4に示すように、カウンタトップKaの開口2における後方側の縁部EBの下面に当て付ける固定用係止部材25が、キッチンカウンターKの横幅方向の2箇所に設けられている。本実施形態においては、固定用係止部材25の詳細な説明を省略する。
【0070】
従って、本実施形態の本体部止着部Pは、本体部G1の前側部分をL字状の固定金具21にて止着し、且つ、本体部G1の後側部分を固定用係止部材25にて止着する形態に構成されている。
ちなみに、L字状の固定金具21を装着する作業は、カウンタトップKaの下方で行うことになるものの、その固定金具21を装着する箇所が、キッチンカウンターKの内部空間のうちの前方側部分であるため、見やすく、手が届き易い箇所であり、固定金具21を装着する作業を良好に行える。
【0071】
(天板止着部の構成)
図5及び
図7に示すように、板状体をU字状に折曲げ加工した板状装着部30が、両端の接続部30aを載置プレート11の下面に溶接により接続する状態で設けられている。
そして、頭付きの雄ネジ部材32が、頭部32aを板状装着部30の上方側に位置させ且つ雄ネジが形成された棒状部32bを板状装着部30の下方に突出させた状態で設けられている。
尚、本実施形態においては、
図11及び
図12に示すように、頭部32aが、角部を偶数個備える多角形状として、6角状に形成され、また、頭部32aと板状装着部30との間には、歯付座金31が介在されている。
【0072】
この雄ネジ部材32は、天板G2が開口2に嵌合された状態において、載置枠5における横枠部分5Bの両端部や中間部に対応する位置、及び、縦枠部分5AにおけるカウンタトップKaの奥側に相当する端部に対応する位置に位置させた状態で、天板G2の周縁部に沿って5つ設けられ(
図7参照)、そして、
図4に示すように、載置枠5の横枠部分5Bや縦枠部分5Aの雄ネジ部材32に対応する位置には、雄ネジ部材32を挿通させる挿通孔33が形成されている。
【0073】
つまり、板状装着部30を貫通した雄ネジ部材32の棒状部32bの先端側部分が、受止部として機能する載置枠5を貫通するように構成されている。
ちなみに、載置枠5における挿通孔33が形成された部分は、棒状部32bの先端側部分が貫通しかつ本体部側に設けられた板状の受止部Uとして機能することになる。
【0074】
また、
図2、
図3及び
図9に示すように、載置枠5を貫通する雄ネジ部材32の棒状部32bの先端側部分に螺合する蝶ナット式の雌ネジ部材34が、載置枠5(受止部U)の下面に接当する形態で設けられている。
したがって、天板G2を装着する際に、雄ネジ部材32が載置枠5の挿通孔33を挿通することになり、その状態において、雌ネジ部材34を締め付けることにより、雄ネジ部材32を引っ張ることにより、天板G2を下方側に引っ張り操作した状態に装着できるように構成されている。
【0075】
図2に示すように、天板G2の後端側で且つ横幅方向の中央側から下方に向けて突出する状態で天板G2から連設した被係止片35(
図8参照)を係止して、天板G2を下方側に引っ張り移動する回動式の係止体36(
図4参照)が設けられている。
本実施形態においては、係止体36の具体構成や係止体36を回動操作する構成の詳細を省略する。
【0076】
したがって、本実施形態の天板止着部Qは、天板G2の前側部分及び横側部分については天板G2の下方から突出する状態で設けた雄ネジ部材32を用いて止着し、且つ、天板G2の後側部分については係止体36を用いて止着するように構成されている。
ちなみに、雄ネジ部材32に雌ネジ部材34を装着する作業は、カウンタトップKaの下方で行うことになるものの、本体部G1の前方や横側方であるため、見やすく、手が届き易い箇所であり、雌ネジ部材34を装着する作業を良好に行える。
【0077】
(雄ネジ部材の回動阻止構成)
図5、
図11及び
図12に示すように、設定回動力以上での雄ネジ部材32の回動を許容する状態で雄ネジ部材32の回動を阻止する回動阻止部Rが設けられている。
具体的には、回動阻止部Rが、頭部32aの角部に対して回転を阻止する形態で係合する屈曲状の一対の係合片30Kを、角部のうちの対向する一対の角部に係合させる状態で、かつ、頭部32aの回動を許容すべく弾性後退自在に支持した状態で設ける形態に構成されている。
【0078】
したがって、雌ネジ部材34を締め付ける際に、雄ネジ部材32の回動が回動阻止部Rにて阻止され、且つ、雄ネジ部材32に作用する回動力が設定回動力以上になると、一対の係合片30Kの弾性後退により、雄ネジ部材32の回動が許容されるように構成されている。
【0079】
本実施形態においては、一対の係合片30Kが、板状装着部30に設けられている。
具体的には、一対の係合片30Kが、板状装着部30から頭部32aの存在側に折曲げる形態で、板状装着部30と一体形成されている。
ちなみに、一対の係合片30Kを備える板状装着部30を製作する手順としては、板状体のプレス加工により、
図11に仮想線で示す如く、板状装着部30と一対の係合片30Kとが平面状に並ぶ状態となるように加工し、その後、板状装着部30を折曲げ加工し又一対の係合片30Kを板状装着部30から折り曲げ加工する手順を用いることができる。
尚、一対の係合片30Kを屈曲状に折り曲げる加工は、上述のプレス加工のとき、又は、プレス加工後に行うことができる。
【0080】
〔別実施形態〕
次に別実施形態について説明するが、上記実施形態と同じ構成については説明を省略して、異なる構成を説明する。
上記の実施形態においては、本体部G1が載置枠5を用いてカウンタトップKaに装着される場合を例示したが、この別実施形態においては、
図13〜
図15に示すように、鍔部3を含めた本体部G1の前後幅や横幅が、カウンタトップKaの開口2の前後幅や横幅より大きく形成されて、本体部G1の鍔部3が、開口2の前後や左右の縁部EF〜ERに係止されている。
【0081】
そして、上記実施形態おいては、天板G2から下方に突出する状態で設けた雄ネジ部材32を挿通させる挿通孔33を載置枠5に形成するのに対して、この別実施形態においては、挿通孔33が、本体部G1の鍔部3に形成されている(
図15参照)。
つまり、挿通孔33が、鍔部3における前方側の鍔部分3F、及び、左右両横側の鍔部分3L、3Rに形成されて、鍔部3における挿通孔33が形成された部分が、棒状部32bの先端側部分が貫通しかつ本体部側に設けられた板状の受止部Uとして機能することになる。
【0082】
また、上記実施形態においては、天板G2が開口2に嵌合された状態において挿通孔33より突出する雄ネジ部材32の先端部に螺合される雌ネジ部材34が、載置枠5の下面に当て付けられる場合を例示したが、この別実施形態においては、この雌ネジ部材34が鍔部3の下面に当て付けられことになる。
【0083】
ちなみに、この別実施形態においても、本体部止着部Pが装備されて、本体部G1の浮き上がりが阻止されており、雌ネジ部材34の締め付けにより、本体部G1が浮き上がることが規制されている。
【0084】
〔その他の実施形態〕
次にその他の実施形態を列記する。
(イ)上記実施形態においては、3つのコンロバーナを横幅方向に並べた状態で備えさせる場合を例示したが、4つ以上のコンロバーナを横幅方向に並べた状態で備えさせる形態や、一対のコンロバーナを横幅方向に並べた状態で備えさせる形態で実施してもよい。
【0085】
(ロ)上記実施形態では、ガスコンロ装備専用のキッチンカウンターKに本体部G1や天板G2を装備する場合を例示したが、シンクを装備する形態のキッチンカウンター等、種々のキッチンカウンターに装備する形態で実施してもよい。
【0086】
(ハ)上記実施形態では、鍔部3を含めた本体部G1の前後幅及び横幅が、開口2の前後幅及び横幅よりも小さく形成される場合を例示したが、鍔部3を含めた本体部G1の横幅を、開口2の横幅よりも小さく形成して、鍔部3を含めた本体部G1の前後幅を、開口2の前後幅よりも大きく形成して、鍔部3における本体部G1の前後に位置する前後鍔部分3F、3Bを、開口2の前方側の縁部EF及び後方側の縁部EBに、直接的に載置する形態で実施してもよい。
【0087】
(二)上記実施形態においては、開口2の縁部を階段状に形成して、その階段状の縁部に、載置枠5や鍔部3を載置する場合を例示したが、開口2の縁部として、カウンタトップKaの上面を用いる形態で実施してもよい。
【0088】
(ホ)上記実施形態及び別実施形態では、回動阻止部Rを、一対の係合片30Kを備える形態に構成する場合を例示したが、回動阻止部Rの具体構成は、各種変更できる。
【0089】
(へ)上記実施形態及び別実施形態では、雄ネジ部材32の頭部32aと板状装着部30との間に歯付座金31を配置するようにしたが、歯付座金31を省略する形態で実施してもよい。
【0090】
(ト)上記実施形態及び別実施形態では、板状装着部30を、天板G2の載置プレート11とは別体に構成する場合を例示したが、載置プレート11の一部を、板状装着部30として兼用する形態で実施してもよい。
【0091】
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。