(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記外部電源装置監視用リレーの前記接点に並列に接続され、オン状態のときに、前記外部電源装置監視用リレーの前記接点を短絡させる、外部電源装置監視機能の有効・無効設定スイッチ
をさらに備えた、請求項3に記載のフェールセーフ回路。
前記パルス監視回路は、前記プログラマブルコントローラが出力する前記パルス信号が入力され、前記パルス信号が入力された時点から一定時間経過後に、応答パルス信号を出力する回路から構成され、
前記パルス正常検出リレーは、前記パルス監視回路が出力する前記応答パルス信号が前記一定時間経過後に入力されない場合に、オン状態からオフ状態に切り替わる、
請求項3から7までのいずれか1項に記載のフェールセーフ回路。
前記パルス正常検出リレーの前記接点に並列に接続され、オン状態のときに、前記パルス正常検出リレーの前記接点を短絡させる、パルス監視機能の有効・無効設定スイッチ
をさらに備えた、請求項1から3までのいずれか1項に記載のフェールセーフ回路。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1に係るフェールセーフ回路について、
図1及び
図2に基づいて説明する。
図1は、実施の形態1に係るフェールセーフ回路の構成を示すブロック図である。
【0011】
図1に示すように、フェールセーフ回路1は、プログラマブルコントローラ100に接続されている。フェールセーフ回路1は、プログラマブルコントローラ100に異常が発生した場合に、プログラマブルコントローラ100に接続されている外部負荷8への外部電源装置10Bからの電源供給を遮断するフェールセーフ動作を行うものである。
【0012】
プログラマブルコントローラ100は、
図1に示すように、CPU2と出力ユニット3A,3Bを有している。
【0013】
出力ユニット3Aには、Y00端子を介して、フェールセーフ回路1が接続されている。また、出力ユニット3Bには、Y10端子を介して、外部負荷8が接続されている。
【0014】
フェールセーフ回路1内には、パルス監視回路4と、パルス正常検出リレー5と、正常検出リレー6と、パルス正常検出リレー5の接点7と、正常検出リレー6の接点9とが設けられている。
【0015】
また、フェールセーフ回路1には外部電源装置10Aが接続され、フェールセーフ回路1は外部電源装置10Aからの電力で駆動される。外部負荷8には外部電源装置10Bが接続され、外部負荷8は外部電源装置10Bからの電力で駆動されている。
【0016】
図1に示すように、パルス監視回路4は、出力ユニット3AのY00端子に接続されている。パルス監視回路4は、半導体集積回路から構成されている。パルス監視回路4は、プログラマブルコントローラ100が出力するパルス信号が入力され、パルス信号が入力された時点から一定時間(t)経過後に、応答パルス信号を出力する。パルス監視回路4の後段には、パルス正常検出リレー5が直列に接続されている。パルス正常検出リレー5は、パルス監視回路4が出力する応答パルスが一定時間(t)を超過しても入力されない場合に、オン状態からオフ状態に切り替わる。
【0017】
また、パルス正常検出リレー5に対して、並列に、正常検出リレー6が接続されている。正常検出リレー6の前段には、パルス正常検出リレー5の接点7が直列に接続されている。パルス正常検出リレー5の接点7は、出力ユニット3Aの0Vに接続されている。
【0018】
また、外部負荷8は、出力ユニット3BのY10端子に接続されている。また、外部負荷8の後段には、正常検出リレー6の接点9が、直列に接続されている。
【0019】
次に、実施の形態1に係るフェールセーフ回路の動作について説明する。
【0020】
プログラマブルコントローラ100が正常に動作している時は、CPU2の制御により、出力ユニット3AのY00端子を介して、プログラマブルコントローラ100から一定周期でパルス信号が出力され、パルス監視回路4に入力される。一方、プログラマブルコントローラ100の異常時には、パルス信号が停止する。パルス信号の入力の状態をパルス監視回路4で監視することで、プログラマブルコントローラ100の正常・異常を判断する。
【0021】
これを
図2のタイムチャートで説明する。
【0022】
図2において、(1)はCPU2からのパルス信号の状態、(2)はパルス正常検出リレー5の動作、(3)は正常検出リレー6の動作、(4)は外部負荷8の状態を示す。
【0023】
図2において、CPU2の制御によりパルス信号が正常に出力されている時(
図2の(1)−a)は、パルス正常検出リレー5はオンとなる(
図2の(2)−a)。一方、プログラマブルコントローラ100に何らかの異常が発生して、パルス信号が停止すると(
図2の(1)−b)、最後に出力されたパルス信号の立ちあがりタイミングから一定時間(t)経過後に、パルス正常検出リレー5はオフとなる(
図2の(2)−b)。すなわち、パルス正常検出リレー5は、一定時間(t)が経過しても、次のパルス信号がパルス監視回路4から入力されない場合に、オフ状態となる。
【0024】
ここで、パルス監視回路4には、
図1に示すように、ワンショットIC(符号4a)が内蔵されている。ワンショットICは、1つのパルス信号を入力すると、予め設定した一定時間(t)経過後に、応答パルス信号として、1つの出力をするIC(Integrated Circuit(集積回路))から構成されている。従って、1つのパルス信号の入力から1つの応答パルス信号の出力までの一定時間(t)以内に、次のパルス信号を入力した場合、次のパルス信号を入力した時点からさらに一定時間(t)経過後に他の1つの応答パルス信号の出力を行うように動作する。このため、連続したパルス信号を入力すると、パルス信号が入力されている間は出力されず、パルス信号の入力が停止すると、その時点から一定時間(t)経過後に、連続した応答パルス信号が出力されることとなる。そのため、パルス監視回路4から、一定時間(t)が経過しても、応答パルス信号の出力が無い場合に、パルス正常検出リレー5がオフ状態に切り替わる構成とすることにより、パルス信号の入力の監視が可能となる。また、ワンショットICは、パルス信号の立ち上がり動作を見て、パルス入力有りと判断しているので、パルス信号がオンまたはオフのどちらの状態で停止しても、パルス信号の停止と認識し、一定時間(t)経過後にパルス正常検出リレー5をオフ状態に切り替える。
【0025】
また、パルス信号が停止してからパルス正常検出リレー5をオフするまでの一定時間(t)は、パルス監視回路4内の抵抗R(符号4b)とコンデンサC(符号4c)の時定数で決定される。そのため、予め回路の仕様にあった値に一定時間(t)を設定しておく。パルス正常検出リレー5がオフすると、パルス正常検出リレー5の接点7がオフとなり、正常検出リレー6がオフする(
図2の(3))。これを受け、外部負荷8に接続している正常検出リレー6の接点9が開状態となり、外部負荷8を強制的にオフとすることが出来る(
図2の(4))。
【0026】
以上のように、実施の形態1によれば、従来のフェールセーフ回路で使用していた機械式接点を備えた外形寸法の大きいオンディレイタイマ・オフディレイタイマと同等の機能を、機械式接点が無く、外形寸法が小さい半導体集積回路のワンショットICで実現することができる。これにより、従来の機械式接点で構成していた場合に比べ、振動および衝撃に強く、小型化が可能である。
【0027】
さらに、パルス正常検出リレー5及び正常検出リレー6を機械式リレーから半導体リレーに変更することで、構成部品を全て半導体にすることができ、完全に機械式接点の無い、フェールセーフ回路を実現することができるので、振動および衝撃により強く、さらなる小型化が可能な、フェールセーフ回路を得ることが可能となる。
【0028】
なお、パルス信号を監視するパルス監視回路4にワンショットICを使用することとして記載したが、その場合に限らず、例えばFPGA等、ワンショットICと同等機能を有する回路を使用してもよい。
【0029】
実施の形態2.
上記の実施の形態1では、パルス監視回路4にワンショットICを使用し、抵抗RとコンデンサCによる時定数によってパルス停止から異常検出までの一定時間(t)を設定したが、実施の形態2では、パルス監視回路4にカウンタICを使用する構成とする。以下、この発明の実施の形態2に係るフェールセーフ回路について、
図3及び
図4を用いて説明する。
【0030】
図3は、実施の形態2に係るフェールセーフ回路の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、実施の形態2においては、パルス監視回路4内に、カウンタIC(符号21)とクロック発振器22とが設けられている。また、パルス監視回路4には、カウンタ上限値設定用ディップスイッチ11が接続されている。他の構成については、上記の実施の形態1と同様であるため、ここでは、その説明は省略する。
【0031】
クロック発振器22は、常時、クロック信号を出力する。カウンタICは、クロック発振器22から出力されるクロック信号をカウントする。また、実施の形態1と同様に、CPU2は、出力ユニット3AのY00を介して一定周期でパルス信号を出力する。カウンタICは、クロック発振器22からのクロック信号をカウントしている途中で、CPU2からのパルス信号を受信した場合、当該パルス信号をカウント値のリセット信号として使用する。すなわち、プログラマブルコントローラ100が正常な状態で、一定周期でパルス信号が出力されている場合は、当該一定周期で、カウント値がリセットされて0になり、再び、クロック信号のカウントが再開される。
【0032】
このとき、CPU2に異常が発生してパルス信号が停止すると、カウンタICのカウント値はリセットされないため、増加し続ける。そうして、カウント値が、カウンタ上限値設定用ディップスイッチ11で設定したカウンタ上限値(閾値)に達した場合に、パルス監視回路4は、プログラマブルコントローラ100の異常であると判断して、パルス正常検出リレー5をオン状態からオフ状態に切り替える。
【0033】
このように、実施の形態2では、パルス監視回路4に内蔵されたカウンタICのカウント値がカウンタ上限値に達するか否かで、プログラマブルコントローラ100の正常・異常を判断する。
【0034】
これを
図4のタイムチャートで説明する。
【0035】
図4において、(1)はクロック発振器22からのクロック信号、(2)はカウンタIC21のカウント値、(3)はCPU2からのパルス信号の状態、(4)はパルス正常検出リレー5の動作、(5)は正常検出リレー6の動作、(6)は外部負荷8の状態を示す。
【0036】
図4において、(1)と(2)に示すように、カウンタIC21は、クロック発振器22のクロック信号をカウントしていくが、CPU2からのパルス信号の立ち上がり動作をカウンタIC21のリセット信号として使用しているので、パルス信号が正常に出力されている間(
図4の(3)−a)は、常に、カウンタIC21のカウント値は一定周期でリセットされることとなり、カウントの途中でカウント値は0にリセットされる(
図4の(2)−a)。このとき、パルス正常検出リレー5は常にオンとなっている(
図4の(4)−a)。次に、プログラマブルコントローラ100の異常でパルス信号が停止し、カウンタIC21にパルス信号の立ち上がりによるリセットがかからない状態になると(
図4の(3)−b)、カウンタIC21はカウントを続け、カウンタ上限値設定用ディップスイッチ11で設定したカウンタ上限値にカウント値が達したとき(
図4の(2)−b)、カウントアップとなり、パルス正常検出リレー5はオフとなる(
図4の(4)−b)。
【0037】
このとき、パルス信号の立ち上がり動作でカウンタIC21のカウント値のリセットがかかる構造としているため、パルス信号がオンまたはオフのどちらの状態で停止しても、カウンタICのカウント値へのリセットはかからないことになる。
【0038】
また、パルス信号の立ち上がり動作によるカウンタIC21のカウント値への最後のリセットからパルス正常検出リレー5がオフするまでの時間(t)は、カウンタ上限値設定用ディップスイッチ11で任意に設定が可能である。
【0039】
例えば、クロック発振器22のクロック信号を50ms周期(20Hz)とし、CPU2からのパルス信号を500ms周期(2Hz)とした場合、カウンタIC21のカウント値は10カウントでリセットがかかることになる。つまり、プログラマブルコントローラ100の正常時のカウント値は10カウントを超えることはない。ここで、カウンタ上限値設定用ディップスイッチ11を例えば「20」としておく。CPU2からのパルス信号が停止した時、つまり、プログラマブルコントローラ100に異常が発生した時は、カウンタIC21はリセットがかからずカウントを続けることになり、カウント値が20カウントに達したときに、プログラマブルコントローラ100の異常と判断する。
【0040】
このときの異常検出時間は、パルスの立ち上がり動作によるカウンタIC21への最後のリセットから1s(50ms×20カウント)となる。異常検出時間の変更は、カウンタ上限値設定用ディップスイッチ11の設定値を変更すればよく、20より大きくすると1sより長く、20より小さくすると1sより短くすることができる。
【0041】
パルス正常検出リレー5がオフすると、パルス正常検出リレー5の接点7がオフとなり、正常検出リレー6がオフする(
図4の(5))。これを受け、外部負荷8に接続している正常検出リレー6の接点9が開状態となり、外部負荷8を強制的にオフとすることが出来る(
図4の(6))。
【0042】
以上により、実施の形態2においても、上記の実施の形態1と同様の効果を得ることができる。さらに、実施の形態2においては、フェールセーフ回路を適用するプログラマブルコントローラ100に応じて、カウンタ上限値設定用ディップスイッチ11のカウント上限値を適宜設定することで、異常検出時間の変更が可能なフェールセーフ回路を構成することが可能となる。
【0043】
なお、上記の実施の形態2においては、パルスを監視するパルス監視回路4に、カウンタICを使用することとして説明したが、その場合に限らず、FPGA等、カウンタICと同等機能を有する回路を使用してもよい。また、カウンタ上限値を設定する装置の例として、カウンタ上限値設定用ディップスイッチ11を使用する場合を例に挙げて説明したが、カウンタ上限値を設定できるものであれば、これ以外の構成および方法でもよい。
【0044】
実施の形態3.
上記の実施の形態1,2では、構成部品を半導体で構成することにより、振動および衝撃に強く、小型化が可能で、さらにシステムに応じて異常検出時間の変更が可能なフェールセーフ回路を実現する方法について記載した。実施の形態3では、このフェールセーフ回路にプログラマブルコントローラの正常監視機能のみならず、外部電源装置等の周辺機器の正常監視機能も搭載し、より信頼性の高いシステムを構築することができるフェールセーフ回路について説明する。
【0045】
図5は、実施の形態3に係るフェールセーフ回路の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、実施の形態3においては、
図1に示す実施の形態1のフェールセーフ回路1の構成に対して、外部電源装置監視用リレー12、外部電源装置監視用リレー12の接点13、外部接点用リレー14、および、外部接点用リレー14の接点15が追加されている。また、
図5においては、フェールセーフ回路1に対して、外部電源装置10C、および、外部接点16が接続されている。他の構成については、
図1に示す実施の形態1と同じであるため、ここでは、その説明は省略する。
【0046】
外部電源装置監視用リレー12には、システムで使用している外部電源装置10Cを接続する。外部電源装置10Cの正常時に、外部電源装置監視用リレー12が動作することにより、外部電源装置監視用リレー12の接点13がオンする。一方、外部電源装置10Cの異常時には、外部電源装置監視用リレー12は動作しないため、外部電源装置監視用リレー12の接点13はオフとなる。
【0047】
また、センサー等の外部接続機器の正常・異常を示す無電圧の外部接点16による信号入力が可能なように、外部接点用リレー14を搭載している。外部接点用リレー14は、外部接点16に直列に接続されている。センサー等の外部接続機器が正常に動作している時には、外部接点16がオンすることで、外部接点用リレー14が動作し、外部接点用リレー14の接点15がオンする。一方、センサー等の外部接続機器の異常時には、外部接点16がオフすることで、外部接点用リレー14は動作しないため、外部接点用リレー14の接点15がオフとなる。
【0048】
図5に示すように、外部電源装置監視用リレー12の接点13、外部接点用リレー14の接点15、および、パルス正常検出リレー5の接点7は、正常検出リレー6に対して直列に接続されている。そのため、外部電源装置監視用リレー12の接点13、外部接点用リレー14の接点15、および、パルス正常検出リレー5の接点7は、AND条件で、正常検出リレー6を動作させているため、プログラマブルコントローラ100の異常によるパルス信号の停止または外部電源装置10Cの異常発生または外部接点16の入力オフのいずれかで、正常検出リレー6はオフとなり、外部負荷8に接続している正常検出リレー6の接点9はオフとなる。
【0049】
上記により、実施の形態3においても、実施の形態1,2と同様の効果を得ることができる。さらに、実施の形態3においては、外部電源装置10Cの異常発生を検出するための外部電源装置監視用リレー12及び外部電源装置監視用リレー12の接点13を設けるようにしたので、外部電源装置の異常発生時にもプロセスへの悪影響を最小限に抑えることができる。さらに、実施の形態3においては、外部接点16への入力の異常発生を検出するための外部接点用リレー14および外部接点用リレー14の接点15を設けるようにしたので、センサー等の外部接続機器の異常発生時にもプロセスへの悪影響を最小限に抑えることができる。
【0050】
特許文献1等に記載の従来のフェールセーフ回路の異常検出機能は、プログラマブルコントローラから出力されるパルス信号の監視のみであり、周辺機器の異常検出機能は搭載していないため、プログラマブルコントローラを使用したシステム全体の異常を検出するためには、それぞれに対応した検出回路を別途追加する必要があった。
【0051】
それに対し、実施の形態3に係るフェールセーフ回路によれば、プログラマブルコントローラ100の正常監視のみならず、外部電源装置及び外部接続機器等の周辺機器の正常監視も行うことができるので、より信頼性の高いシステムを構築することができる。
【0052】
なお、説明を簡略化するために、上記の説明においては、外部電源装置の接続および外部接点入力の接続は、それぞれ1回路のみの記載としたが、必要に応じて、複数回路としてもよい。また、
図5では、パルス監視回路4は、実施の形態1に記載したワンショットICの回路構成として記載しているが、実施の形態2に記載したカウンタICの回路構成でも可能であり、さらに、FPGA等これらICと同様の機能を有した回路であれば、これ以外でもよい。
【0053】
実施の形態4.
上記の実施の形態3では、実施の形態1,2の構成に加え、周辺機器の正常監視機能も搭載することを記載したが、実施の形態4では、それぞれの監視機能の有効・無効を設定する機能を搭載し、あらゆるシステムに対応することが可能なフェールセーフ回路について説明する。
【0054】
図6は、実施の形態4に係るフェールセーフ回路の構成を示すブロック図である。
図6に示すように、実施の形態4においては、
図5に示す実施の形態3のフェールセーフ回路1の構成に対して、パルス監視機能の有効・無効設定スイッチ17、外部電源装置監視機能の有効・無効設定スイッチ18、外部接点監視機能の有効・無効設定スイッチ19、および、全監視機能の有効・無効設定スイッチ20が追加されている。
【0055】
パルス監視機能の有効・無効設定スイッチ17は、パルス正常検出リレー5の接点7に対して、並列に接続されている。パルス監視機能の有効・無効設定スイッチ17がオンの場合に、パルス監視機能は無効となり、一方、パルス監視機能の有効・無効設定スイッチ17がオフの場合に、パルス監視機能は有効となる。その原理を説明すると、パルス監視機能の有効・無効設定スイッチ17がオンの場合には、パルス正常検出リレー5の接点7を強制的に短絡させるため、プログラマブルコントローラ100の正常・異常に関わらず、接点7は常にオン状態となり、パルス監視機能は無効となる。
【0056】
外部電源装置監視機能の有効・無効設定スイッチ18は、外部電源装置監視用リレー12の接点13に対して、並列に接続されている。外部電源装置監視機能の有効・無効設定スイッチ18がオンの場合に、外部電源装置10Cの監視機能が無効となり、一方、外部電源装置監視機能の有効・無効設定スイッチ18がオフの場合に、外部電源装置10Cの監視機能が有効となる。その原理は、上記の原理と同様であるため、説明は省略する。
【0057】
外部接点監視機能の有効・無効設定スイッチ19は、外部接点用リレー14の接点15に対して、並列に接続されている。外部接点監視機能の有効・無効設定スイッチ19がオンの場合に、外部接点16の監視機能が無効となり、一方、外部接点監視機能の有効・無効設定スイッチ19がオフの場合に、外部接点16の監視機能が有効となる。その原理は、上記の原理と同様であるため、説明は省略する。
【0058】
全監視機能の有効・無効設定スイッチ20は、パルス監視機能の有効・無効設定スイッチ17、外部電源装置監視機能の有効・無効設定スイッチ18、および、外部接点監視機能の有効・無効設定スイッチ19に対して、並列に接続されている。全監視機能の有効・無効設定スイッチ20がオンの場合には、パルス監視機能、外部電源装置10Cの監視機能、および、外部接点16の監視機能が、全て、無効となる。一方、全監視機能の有効・無効設定スイッチ20がオフの場合には、パルス監視機能、外部電源装置10Cの監視機能、および、外部接点16の監視機能が、全て、有効となる。その原理を説明すると、全監視機能の有効・無効設定スイッチ20がオン状態となることで、接点7,13,15を一括で短絡させるため、それぞれの監視結果に関わらず、正常検出リレー6は、常に、オン状態となり、フェールセーフ回路1の全監視機能を無効にする。
【0059】
以下、実施の形態4に係るフェールセーフ回路1の動作について説明する。
【0060】
上記の実施の形態3で記載した通り、正常検出リレー6は、パルス正常検出リレー5の接点7、外部電源装置監視用リレー12の接点13、および、外部接点用リレー14の接点15のAND条件をとっており、接点7,13,15の全てがオンのとき、つまり、全ての監視結果が正常状態のときのみ、正常検出リレー6が動作する。言い換えれば、接点7,13,15のうちのいずれか1つでもオフであるときには、つまり、いずれかひとつでも監視結果が異常状態のときには、正常検出リレー6は動作せず、外部負荷8に接続している接点9はオフとなり、プラントへの悪影響を最小限に抑える働きをする。しかしながら、システムによっては、例えば、外部電源装置10Cに異常が発生しても、接点9をオフにしたくない場合、あるいは、点検や交換等でセンサー等の外部機器を取り外した際に接点9をオフにしたくない場合がある。これらに対応するため、実施の形態4においては、各監視機能に有効・無効を設定するスイッチ17〜20を設置している。
【0061】
図6において、例えば、前述の外部電源装置10Cに異常が発生しても、正常検出リレー6の接点9をオフにしたくない場合について説明する。外部電源装置10Cに異常が発生した場合、通常の動作では、外部電源装置監視用リレー12は動作しなくなり、外部電源装置監視用リレー12の接点13はオフとなる。このとき、外部電源装置10Cの正常・異常に関わらず、外部電源装置監視用リレー12の接点13をオンの状態に保つようにしていれば、外部電源装置10Cに異常が発生しても、正常検出リレー6の接点9はオフすることはない。これを実現するために、外部電源装置監視用リレー12の接点13に対して、外部電源装置監視機能の有効・無効設定スイッチ18を並列に接続している。そうして、外部電源装置10Cの監視機能を有効にする場合は、外部電源装置監視機能の有効・無効設定スイッチ18をオフにし、監視機能を無効にする場合は、外部電源装置監視機能の有効・無効設定スイッチ18をオンとする。外部電源装置監視機能の有効・無効設定スイッチ18がオンの場合には、外部電源装置監視用リレー12の接点13を強制的に短絡させるため、外部電源装置10Cの正常・異常に関わらず、接点13は常にオン状態となり、外部電源装置監視機能は無効ということになる。
【0062】
パルス監視機能の有効・無効設定スイッチ17、外部接点監視機能の有効・無効設定スイッチ19についても同様の構成であり、これらのスイッチ17,19をオンすることで、接点7,15は強制的に短絡され、常に、オン状態となるため、各監視機能は無効となる。また、全監視機能の有効・無効設定スイッチ20がオン状態となることで、接点7,13,15を一括で短絡させるため、それぞれの監視結果に関わらず、正常検出リレー6は常にオン状態となり、本フェールセーフ回路の全監視機能を無効にできる。
【0063】
これら監視機能の有効・無効設定スイッチ17〜20は、フェールセーフ回路1の外部からユーザが操作可能な位置に設置することで、システム運転中にも設定変更が可能となる。
【0064】
上記により、実施の形態4においても、実施の形態1,2,3と同様の効果を得ることができる。さらに、実施の形態4においては、監視機能の有効・無効設定スイッチ17〜20を設けることで、各監視機能の有効・無効が設定できるため、適用範囲が広がり、また、点検および交換等、一時的な監視機能停止にも対応できるフェールセーフ回路を構成することが可能となる。
【0065】
なお、監視機能の有効・無効の設定は、上記の説明においては、例として、スイッチ操作で行うものとして記載したが、外部リレー接点またはコントローラ等の出力を使用する方法としてもよい。
【0066】
なお、
図6では、パルス監視回路4は、実施の形態1に記載したワンショットICの回路構成として記載しているが、実施の形態2に記載したカウンタICの回路構成でも可能であり、さらに、FPGA等これらICと同様の機能を有した回路であれば、これ以外でもよい。
【0067】
なお、符号10A、10B、10Cで示した外部電源装置A、外部電源装置B、外部電源装置Cは、それぞれ、フェールセーフ回路駆動用電源装置、外部負荷駆動用電源装置、システム内で使用する機器の駆動用電源装置を示している。これらは、個別の電源装置の使用が一般的であるため、図では個別の電源装置を使用するものとして記載している。ただし、適用するシステムの仕様によっては同一電源装置を使用することも考えられ、この場合でもフェールセーフ回路の動作上の問題はない。
また、フェールセーフ回路内部のリレーを直流・交流両用のものとしておけば、上記電源装置は直流電源装置および交流電源装置のどちらでも使用可能となり、フェールセーフ回路の適用範囲が広がる。