特許第6846998号(P6846998)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6846998
(24)【登録日】2021年3月4日
(45)【発行日】2021年3月24日
(54)【発明の名称】作業車
(51)【国際特許分類】
   A01B 69/00 20060101AFI20210315BHJP
   A01C 11/02 20060101ALI20210315BHJP
   G05D 1/02 20200101ALI20210315BHJP
【FI】
   A01B69/00 303M
   A01B69/00 303V
   A01C11/02 331D
   G05D1/02 N
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-126488(P2017-126488)
(22)【出願日】2017年6月28日
(65)【公開番号】特開2019-4842(P2019-4842A)
(43)【公開日】2019年1月17日
【審査請求日】2019年6月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】宮本 惇平
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 竣也
(72)【発明者】
【氏名】久保田 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】石見 憲一
(72)【発明者】
【氏名】吉田 和正
【審査官】 小島 洋志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−187953(JP,A)
【文献】 特開2008−092818(JP,A)
【文献】 特開2016−155491(JP,A)
【文献】 特開2015−001906(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0278277(US,A1)
【文献】 特開平01−188908(JP,A)
【文献】 特開2016−021892(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0334798(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B69/00−69/08
A01C11/02
G05D 1/00− 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体の位置を検出する測位部と、
前記測位部の検出に基づいて得られる複数の圃場の各々に対応した走行経路を当該圃場と関連付けて不揮発性メモリに記憶する記憶部と、
機体が圃場に到着したときに、前記記憶部に前記走行経路が記憶されていなければ、そのことを表示し、前記記憶部に前記走行経路が記憶されていれば、前記走行経路を表示する表示装置と、が備えられている作業車。
【請求項2】
前記記憶部は、前記走行経路として基準走行経路を記憶し、
前記記憶部に記憶されている前記基準走行経路に沿って他の前記走行経路を設定する走行経路設定部が備えられている請求項1に記載の作業車。
【請求項3】
前記記憶部は、複数の圃場の各々に対応した前記基準走行経路を当該圃場と関連付けて記憶する請求項2に記載の作業車。
【請求項4】
前記記憶部は、作業者の操作に基づいて前記測位部により検出される機体の位置を第1所定位置として記憶し、作業者の操作に基づいて前記測位部により検出される機体の位置を第2所定位置として記憶して、前記第1所定位置及び前記第2所定位置を前記基準走行経路として記憶し、
前記記憶部に記憶されている前記第1所定位置と前記第2所定位置とを結んで、前記基準走行経路を設定する基準走行経路設定部が備えられている請求項2又は3に記載の作業車。
【請求項5】
前記測位部の検出に基づいて、機体を前記走行経路に沿って走行させる自動走行操作部が備えられている請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の作業車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場で作業を行う作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
圃場で作業を行う作業車の一例である乗用型田植機では、特許文献1に開示されているように、圃場において一方の畦から他方の畦に向って走行しながら、苗植付装置による苗の植え付けを行う。次に機体が他方の畦に達すると、他方の畦際での旋回を行い、他方の畦から一方の畦に向って次の走行を開始する。
【0003】
特許文献1では、苗植付装置による苗の植え付けを行いながら機体が走行する走行経路が、一方の畦と他方の畦とに亘って設定され、機体の位置を検出する測位部が機体に備えられており、機体の位置に基づいて、機体が走行経路に沿って自動的に走行するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−92818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、各々の圃場において作業を行うごとに、走行経路の設定を行う必要があるので、作業性の面で改善の余地がある。
本発明は、機体が走行する走行経路を設定する作業車において、走行経路の設定の作業性の向上を図ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の作業車は、
機体の位置を検出する測位部と、
前記測位部の検出に基づいて得られる複数の圃場の各々に対応した走行経路を当該圃場と関連付けて不揮発性メモリに記憶する記憶部と、
機体が圃場に到着したときに、前記記憶部に前記走行経路が記憶されていなければ、そのことを表示し、前記記憶部に前記走行経路が記憶されていれば、前記走行経路を表示する表示装置と、が備えられている。
【0007】
本発明によれば、例えば一つの圃場において、測位部の検出に基づいて走行経路が得られると、記憶部に走行経路が記憶されるのであり、記憶部に走行経路が記憶され続ける。
これにより、例えば一つの圃場において走行経路に沿って走行を行った後、数日後や翌年等に、同じ圃場において同じ走行経路に沿って走行を行う場合、記憶部に記憶されている走行経路を使用すればよいのであり、再び走行経路を設定する作業を行う必要がなくなって、作業性の良いものとなる。
【0008】
本発明において、
前記記憶部は、前記走行経路として基準走行経路を記憶し、
前記記憶部に記憶されている前記基準走行経路に沿って他の前記走行経路を設定する走行経路設定部が備えられていると好適である。
【0009】
本発明によると、一つの圃場において多数の走行経路が存在する場合、記憶部は全ての走行経路を記憶しておく必要はなく、一つ又は少数の基準走行経路を記憶しておくだけでよいのであり、作業を行う際に基準走行経路に基づいて走行経路を設定すればよいので、記憶部の負荷が小さくなる。
【0010】
本発明において、
前記記憶部は、複数の圃場の各々に対応した前記基準走行経路を当該圃場と関連付けて記憶すると好適である。
【0011】
多数の圃場が存在する場合、圃場の各々において基準走行経路の位置は異なる。
本発明によると、記憶部は複数の圃場の各々に対応した基準走行経路を、圃場と関連付けて記憶しているので、例えば一つの圃場において、この圃場に対応した基準走行経路を使用し、この基準走行経路に基づいて走行経路を設定することができる。次に別の圃場では、この別の圃場に対応した基準走行経路を使用し、この基準走行経路に基づいて走行経路を設定することができる。
以上のように、多数の圃場が存在しても、圃場の各々に対応して適切に走行経路を設定することができて、作業性の良いものとなる。
【0012】
本発明において、
前記記憶部は、作業者の操作に基づいて前記測位部により検出される機体の位置を第1所定位置として記憶し、作業者の操作に基づいて前記測位部により検出される機体の位置を第2所定位置として記憶して、前記第1所定位置及び前記第2所定位置を前記基準走行経路として記憶し、
前記記憶部に記憶されている前記第1所定位置と前記第2所定位置とを結んで、前記基準走行経路を設定する基準走行経路設定部が備えられていると好適である。
【0013】
本発明によると、記憶部において基準走行経路を連続した線のデータとして記憶する必要はなく、第1所定位置及び第2所定位置というように質点のデータとして記憶しておくだけでよいのであり、第1所定位置と第2所定位置とを結んで基準走行経路が設定されるので、記憶部の負荷が小さくなる。
【0014】
第1所定位置及び第2所定位置を記憶する場合、本発明によると、作業者の操作に基づいて測位部により検出される機体の位置が、第1所定位置及び第2所定位置として記憶されるので、第1所定位置及び第2所定位置を任意に設定することができて、汎用性の高いものとなる。
【0015】
本発明において、
前記測位部の検出に基づいて、機体を前記走行経路に沿って走行させる自動走行操作部が備えられていると好適である。
【0016】
本発明によると、測位部による機体の位置の検出に基づいて、機体を走行経路に沿って自動的に走行させることができるので、作業性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】乗用型田植機の全体側面図である。
図2】乗用型田植機の全体平面図である。
図3】制御装置と各部との連係状態を示す概略図である。
図4】圃場における機体の走行状態を示す平面図である。
図5】圃場における機体の走行状態を示す平面図である。
図6】圃場における機体の走行状態を示す平面図である。
図7】圃場における機体の走行状態を示す平面図である。
図8】圃場における機体の走行状態を示す平面図である。
図9】圃場における機体の走行状態を示す平面図である。
図10】圃場における機体の走行状態を示す平面図である。
図11】圃場における機体の走行状態を示す平面図である。
図12】圃場における機体の走行状態を示す平面図である。
図13】圃場における機体の走行状態を示す平面図である。
図14】圃場における機体の走行状態を示す平面図である。
図15】発明の実施の第3別形態において、圃場に設定された走行経路の状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態において、圃場(水田)で植付作業を行う作業車の一例である6条植え型式の乗用型田植機が示されている。
本発明の実施形態における前後方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、以下のように記載している。機体11の走行時における前進側の進行方向が「前」であり、後進側の進行方向が「後」である。前後方向での前向き姿勢を基準として右側に相当する方向が「右」であり、左側に相当する方向が「左」である。
【0019】
(乗用型田植機の全体構成)
図1及び図2に示すように、乗用型田植機は、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2を備えた機体11の後部に、リンク機構3及びリンク機構3を昇降駆動する油圧シリンダ4が備えられ、リンク機構3の後部に作業装置としての苗植付装置5が支持されている。
【0020】
苗植付装置5は、左右方向に所定間隔を置いて配置された植付伝動ケース6、植付伝動ケース6の後部の右部及び左部に回転自在に支持された回転ケース7、回転ケース7の両端に備えられた一対の植付アーム8、フロート9及び苗のせ台10等を備えている。
【0021】
図1及び図3に示すように、右及び左のマーカー19が苗植付装置5の右部及び左部に備えられており、右及び左のマーカー19は圃場に接地する作用姿勢(図1参照)、及び圃場から上方に離れた格納姿勢(図3参照)に変更自在である。
【0022】
右及び左のマーカー19は上下に揺動自在に苗植付装置5に支持されたアーム部19aと、アーム部19aの先端部に自由回転自在に支持された回転体19bとを備えており、右及び左のマーカー19を作用姿勢及び格納姿勢に操作する電動モータ21が備えられている。
【0023】
(前輪及び後輪への伝動系)
図1に示すように、機体11の前部に備えられたエンジン31の動力が、伝動ベルト32を介して、静油圧式の無段変速装置(図示せず)、及びミッションケース33の内部の副変速装置(図示せず)に伝達される。
【0024】
ミッションケース33の右部及び左部に、右及び左の前車軸ケース34が連結されて、右及び左の前輪1が、前車軸ケース34の右部及び左部に操向自在に支持されている。副変速装置の動力が、前輪デフ装置(図示せず)、前車軸ケース34の内部の伝動軸(図示せず)を介して、右及び左の前輪1に伝達される。
【0025】
機体11の後部の下部に左右方向に沿って後車軸ケース36が支持されており、後車軸ケース36の右部及び左部に右及び左の後輪2が支持されている。副変速装置の動力が、伝動軸35、後車軸ケース36の内部の伝動軸(図示せず)及びサイドクラッチ(図示せず)を介して、右及び左の後輪2に伝達される。
【0026】
図1,2,3に示すように、前輪1を操向操作する操縦ハンドル20及び運転座席13が、機体11に備えられている。操縦ハンドル20の左の横側部に変速レバー12が備えられており、変速レバー12によって、無段変速装置を中立位置Nから前進側F及び後進側Rに無段階に操作することができる。
【0027】
(苗植付装置への伝動系)
図1及び図3に示すように、ミッションケース33において、副変速装置の直前から分岐した動力が、植付クラッチ26及びPTO軸25を介して苗植付装置5に伝達されており、植付クラッチ26を伝動状態及び遮断状態に操作する電動モータ28が備えられている。
【0028】
図1及び図2に示すように、植付クラッチ26が伝動状態に操作されると、苗のせ台10が左右に往復横送り駆動されるのに伴って、回転ケース7が回転駆動され、苗のせ台10の下部から植付アーム8が交互に苗を取り出して圃場に植え付ける。植付クラッチ26が遮断状態に操作されると、苗のせ台10及び回転ケース7が停止する。
【0029】
(苗植付装置の自動昇降制御)
図3に示すように、苗植付装置5の横軸芯P1周りに、中央のフロート9の後部が上下に揺動自在に支持されて、苗植付装置5に対する中央のフロート9の高さを検出するポテンショメータ型式の高さセンサー22が備えられており、高さセンサー22の検出値が制御装置23に入力されている。機体11の進行に伴って中央のフロート9が圃場に接地追従するのであり、高さセンサー22の検出値により、圃場(中央のフロート9)から苗植付装置5までの高さを検出することができる。
【0030】
自動昇降制御部51がソフトウェアとして制御装置23に備えられて、油圧シリンダ4に作動油を給排操作する制御弁24が備えられており、自動昇降制御部51により制御弁24が操作される。
【0031】
制御弁24が上昇位置に操作されると、油圧シリンダ4に作動油が供給されて、油圧シリンダ4が収縮作動して、苗植付装置5が上昇する。制御弁24が下降位置に操作されると、油圧シリンダ4から作動油が排出されて、油圧シリンダ4が伸長作動して、苗植付装置5が下降する。
【0032】
自動昇降制御部51の作動状態において圃場から苗植付装置5までの高さに基づいて、苗植付装置5が圃場から設定高さに維持されるように、自動昇降制御部51により制御弁24が操作されて、油圧シリンダ4が伸縮作動し、苗植付装置5が自動的に昇降する。これにより、苗の植付深さが設定深さに維持される。
【0033】
(操作レバーによる苗植付装置の昇降操作)
図2及び図3に示すように、操縦ハンドル20の下側の右の横側部に操作レバー18が備えられて、操作レバー18が右の横外側に延出されている。
【0034】
操作レバー18は、中立位置Nから上側の第1上昇位置UU1、第2上昇位置UU2、下側の第1下降位置DD1、第2下降位置DD2、後側の右マーカー位置RA及び前側の左マーカー位置LAの十字方向に操作自在に構成されて、中立位置Nに付勢されており、操作レバー18の操作位置が制御装置23に入力されている。
【0035】
操作レバー18を第2上昇位置UU2に操作すると、電動モータ28により植付クラッチ26が遮断状態に操作され、自動昇降制御部51が停止状態となり、電動モータ21により右及び左のマーカー19が格納姿勢に操作されて、制御弁24が上昇位置に操作されて、苗植付装置5が上昇する。苗植付装置5が上限位置に達すると、制御弁24が中立位置に操作されて、油圧シリンダ4が自動的に停止する。
【0036】
操作レバー18を第2下降位置DD2に操作すると、電動モータ28により植付クラッチ26が遮断状態に操作され、自動昇降制御部51が停止状態となり、電動モータ21により右及び左のマーカー19が格納姿勢に操作された状態で、制御弁24が下降位置に操作されて、苗植付装置5が下降する。中央のフロート9が圃場に接地すると、自動昇降制御部51が作動状態となり、苗植付装置5が圃場に接地して停止した状態となる。
【0037】
操作レバー18を第2下降位置DD2に操作して中立位置Nに操作した後、操作レバー18を再び第2下降位置DD2に操作すると、自動昇降制御部51の作動状態で、電動モータ28により植付クラッチ26が伝動状態に操作される。
【0038】
操作レバー18を第1上昇位置UU1に操作すると、電動モータ28により植付クラッチ26が遮断状態に操作されて、自動昇降制御部51が停止状態となり、電動モータ21により右及び左のマーカー19が格納姿勢に操作され、制御弁24が上昇位置に操作されて、苗植付装置5が上昇するのであり、操作レバー18が第1上昇位置UU1に操作されている間だけ苗植付装置5が上昇する。操作レバー18を中立位置Nに操作すると、制御弁24が中立位置に操作されて、苗植付装置5の上昇が停止する。
【0039】
操作レバー18を第1下降位置DD1に操作すると、電動モータ28により植付クラッチ26が遮断状態に操作されて、自動昇降制御部51が停止状態となり、電動モータ21により右及び左のマーカー19が格納姿勢に操作され、制御弁24が下降位置に操作されて、苗植付装置5が下降するのであり、操作レバー18が第1下降位置DD1に操作されている間だけ苗植付装置5が下降する。操作レバー18を中立位置Nに操作すると、制御弁24が中立位置に操作されて、苗植付装置5の下降が停止する。
【0040】
以上のように操作レバー18を第1上昇位置UU1及び第1下降位置DD1に操作している間だけ、苗植付装置5を上昇及び下降させることができるのであり、苗植付装置5を任意の高さに上昇及び下降させて停止させることができる。
【0041】
操作レバー18を右マーカー位置RAに操作すると、電動モータ21により右のマーカー19が作用姿勢に操作される。操作レバー18を左マーカー位置LAに操作すると、電動モータ21により左のマーカー19が作用姿勢に操作される。
【0042】
(機体の位置及び機体の方位の検出の構成)
図1及び図2に示すように、機体11の前部の右部及び左部に、右及び左の支持フレーム16が備えられており、支持フレーム16に予備苗のせ台15が支持されている。右及び左の支持フレーム16の上部に亘って、支持フレーム17が連結されている。
【0043】
支持フレーム17において、平面視で機体11の左右中央CLに位置する部分に、計測装置29(測位部に相当)が取り付けられている。計測装置29には、衛星測位システムにより位置情報を取得する受信装置(図示せず)、機体11の傾き(ピッチ角、ロール角)を検出する慣性計測装置(図示せず)が備えられており、計測装置29は機体11の位置を示す測位データを出力する。
【0044】
後車軸ケース36において平面視で機体11の左右中央CLに位置する部分に、慣性情報を計測する慣性計測装置30が取り付けられている。慣性計測装置30及び計測装置29の慣性計測は、IMU(Inertial Measurement Unit)により構成されている。
【0045】
前述の衛星測位システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)には、代表的なものとしてGPS(Global Positioning System)が挙げられる。GPSは、地球の上空を周回する複数のGPS衛星や、GPS衛星の追跡と管制を行う管制局や、測位を行う対象(機体11)が備える受信装置を使用して、計測装置29の受信装置の位置を計測するものである。
【0046】
慣性計測装置30は、機体11のヨー角度(機体11の旋回角度)の角速度を検出可能なジャイロセンサー(図示せず)、及び、互いに直交する3軸方向の加速度を検出する加速度センサー(図示せず)を備えている。慣性計測装置30により計測される慣性情報には、ジャイロセンサーにより検出される方位変化情報と、加速度センサーにより検出される位置変化情報とが含まれている。
これにより、計測装置29及び慣性計測装置30によって、機体11の位置及び機体11の方位が検出される。
【0047】
(機体の自動走行に関する構成)
図1,2,3に示すように、機体11の前部において平面視で機体11の左右中央CLの位置に、センターマスコット14が備えられている。操縦ハンドル20を操作する操向モータ37が備えられている。
【0048】
図3に示すように、前項の(苗植付装置の自動昇降制御)に記載の自動昇降制御部51に加えて、記憶部52、基準走行経路設定部53、走行経路設定部54、自動走行操作部55が、ソフトウェアとして制御装置23に備えられている。
【0049】
記憶部52は、不揮発性メモリを備えており、複数の圃場の各々に対応した第1所定位置A1及び第2所定位置A2(後述の(新たな第1所定位置及び第2所定位置の記憶及び書き換え)参照)が、圃場の各々に関連付けられて記憶部52に記憶される。
【0050】
記憶部52において、第1所定位置A1及び第2所定位置A2の消去及び書き換え等の処理が行われない限り、記憶部52に第1所定位置A1及び第2所定位置A2が記憶され続けるのであり、一つの圃場で第1所定位置A1及び第2所定位置A2を使用した後、翌年のシーズンにおいて、同じ圃場で同じ第1所定位置A1及び第2所定位置A2を使用することができる。
【0051】
図2及び図3に示すように、自動走行操作部55を作動状態及び停止状態に人為的に操作する押しボタン型式の作動操作部38が、変速レバー12の握り部に備えられており、作動操作部38の操作信号が制御装置23に入力される。
【0052】
図3に示すように、操縦ハンドル20の左の横側に、押しボタン型式の第1操作部39が備えられ、操縦ハンドル20の右の横側に、押しボタン型式の第2操作部40が備えられており、第1操作部39及び第2操作部40の操作信号が制御装置23に入力される。操縦ハンドル20の前側に、液晶ディスプレイ等による表示装置27が備えられている。
【0053】
(新たな第1所定位置及び第2所定位置の記憶及び書き換え)
新しい圃場において、第1所定位置A1及び第2所定位置A2が記憶部52に記憶されていない場合や、既に第1所定位置A1及び第2所定位置A2が記憶部52に記憶されている圃場において、第1所定位置A1及び第2所定位置A2の書き換えを行う場合、作業者は以下のような操作を行って、第1所定位置A1及び第2所定位置A2を記憶部52に記憶する(書き換える)。
【0054】
作業者が機体11を運転して、圃場に到着すると、この圃場の位置情報を制御装置23に入力する。
この圃場に対応した第1所定位置A1及び第2所定位置A2が記憶部52に記憶されていないと、このことが表示装置27に表示される。
この圃場に対応した第1所定位置A1及び第2所定位置A2が既に記憶部52に記憶されていると、この圃場に対応した第1所定位置A1及び第2所定位置A2が、表示装置27に表示される。
【0055】
図4に示すように、作業者は、機体11を運転して例えば圃場の畦B1の近くの位置K1に位置させる。作業者は、操作レバー18を操作して、苗植付装置5を圃場に下降させて、左のマーカー19を作用姿勢に操作するのであり、機体11を運転して畦際B11に沿って走行させ、左のマーカー19により圃場に指標S1を形成する。この場合、苗の植え付けは行わない。
【0056】
図4及び図5に示すように、機体11が畦B2に達すると、作業者は、操作レバー18を操作して、苗植付装置5を上昇させ、機体11を旋回させ(旋回LL1)、機体11を指標S1に位置させて(位置K2)、第1操作部39を操作する。
第1操作部39の操作により、機体11の位置(K2)が計測装置29により検出されて、位置K2が第1所定位置A1として、記憶部52に記憶される(書き換えられる)。
【0057】
図5及び図6に示すように、作業者は、操作レバー18を操作して、苗植付装置5を圃場に下降させ、植付クラッチ26を伝動状態に操作し、右のマーカー19を作用姿勢に操作する。作業者は、センターマスコット14及び圃場の指標S1を目視しながら、機体11を指標S1に沿って走行させて、右のマーカー19により圃場に指標S2を形成しながら、苗の植え付けを行う。
【0058】
図6に示すように、機体11が畦B3(位置K3)に達すると、作業者は、操作レバー18を操作して、植付クラッチ26を遮断状態に操作し、苗植付装置5を上昇させ、苗の植え付けを終了して、第2操作部40を操作する。
【0059】
図6に示すように、第2操作部40の操作により、機体11の位置(K3)が計測装置29により検出されて、位置K3が第2所定位置A2として、記憶部52に記憶される(書き換えられる)。基準走行経路設定部53により、第1所定位置A1と第2所定位置A2とを結ぶ直線が、基準走行経路L1として設定される。
【0060】
(新たな第1所定位置及び第2所定位置の記憶及び書き換えが行われた後における苗の植え付け)
前項の(新たな第1所定位置及び第2所定位置の記憶及び書き換え)に記載のように、第1所定位置A1及び第2所定位置A2の記憶、基準走行経路L1の設定が行われて、図6に示すように、機体11が位置K3に位置していたとする。
【0061】
図7に示すように、作業者は機体11を旋回させ(旋回LL2)、機体11を指標S2に位置させて(位置K4)、作動操作部38を操作する。図8に示すように、作動操作部38の操作により、機体11の位置(K4)から前方に、基準走行経路L1と平行な走行経路L01が、走行経路設定部54により設定されて、機体11の位置及び走行経路L01が表示装置27に表示される。
【0062】
図8に示すように、作業者は、操作レバー18を操作して、苗植付装置5を圃場に下降させ、植付クラッチ26を伝動状態に操作し、左のマーカー19を作用姿勢に操作し、変速レバー12を操作して機体11を発進させる。
【0063】
図8及び図9に示すように、機体11の発進に伴い、計測装置29による機体11の位置及び慣性計測装置30による慣性情報に基づいて、自動走行操作部55により、操向モータ37が操作され操縦ハンドル20が自動的に操作されて、機体11が走行経路L01に沿って自動的に走行する。
【0064】
図9に示すように、左のマーカー19により圃場に指標S3が形成されながら、苗の植え付が行われるのであり、作業者は、センターマスコット14及び圃場の指標S3を目視したり、表示装置27に表示される機体11の位置及び走行経路L01を目視したりすることにより、機体11が走行経路L01に沿って走行していることを確認する。
【0065】
図9に示すように、機体11が畦B2(位置K5)に達すると、作業者は、操作レバー18を操作して、植付クラッチ26を遮断状態に操作し、苗植付装置5を上昇させて、苗の植え付けを終了する。
【0066】
図9及び図10に示すように、作業者は機体11を旋回させ(旋回LL3)、機体11を指標S3に位置させて(位置K6)、作動操作部38を操作する。作動操作部38の操作により、機体11の位置(K6)から前方に、基準走行経路L1と平行な走行経路L02が、走行経路設定部54により設定されて、機体11の位置及び走行経路L02が表示装置27に表示される。
【0067】
図10に示すように、作業者は、操作レバー18を操作して、苗植付装置5を圃場に下降させ、植付クラッチ26を伝動状態に操作し、右のマーカー19を作用姿勢に操作し、変速レバー12を操作して機体11を発進させる。
【0068】
図10に示すように、機体11の発進に伴い、計測装置29による機体11の位置及び慣性計測装置30による慣性情報に基づいて、自動走行操作部55により、操向モータ37が操作され操縦ハンドル20が自動的に操作されて、機体11が走行経路L02に沿って自動的に走行する。
【0069】
図10に示すように、右のマーカー19により圃場に指標が形成されながら、苗の植え付が行われるのであり、作業者は、センターマスコット14及び圃場の指標S3を目視したり、表示装置27に表示される機体11の位置及び走行経路L02を目視したりすることにより、機体11が走行経路L02に沿って走行していることを確認する。
【0070】
この後、作業者は、前述のような操作レバー18による苗植付装置5の昇降、右及び左のマーカー19の操作、機体11の旋回、作動操作部38の操作を繰り返していく。
最後に、作業者は、機体11を畦B1,B2,B3に沿って走行させて、苗の植え付け(回り植え)を行って、一つの圃場での苗の植え付けを終了する。
【0071】
(既に第1所定位置及び第2所定位置が記憶されている圃場における苗の植え付け)
既に第1所定位置A1及び第2所定位置A2が記憶部52に記憶されている圃場において、作業者がこの圃場の位置情報を制御装置23に入力すると、この圃場に対応した第1所定位置A1及び第2所定位置A2が、記憶部52から呼び出されて、表示装置27に表示される。基準走行経路設定部53により、第1所定位置A1と第2所定位置A2とを結ぶ直線が、基準走行経路L1として設定されて、表示装置27に表示される。
【0072】
作業者は、表示装置27の表示に基づいて、苗の植え付けを、第1所定位置A1から開始すべきか、第2所定位置A2から開始すべきかを判断する。
作業者が苗の植え付けを第1所定位置A1から開始すべきと判断した場合、図11に示すように、作業者は、機体11を運転して第1所定位置A1に位置させて、作動操作部38を操作する。
【0073】
図11に示すように、作業者は、操作レバー18を操作して、苗植付装置5を圃場に下降させ、植付クラッチ26を伝動状態に操作し、右のマーカー19を作用姿勢に操作し、変速レバー12を操作して、機体11を発進させる。
【0074】
図11及び図12に示すように、機体11の発進に伴い、計測装置29による機体11の位置及び慣性計測装置30による慣性情報に基づいて、自動走行操作部55により、操向モータ37が操作され操縦ハンドル20が自動的に操作されて、機体11が基準走行経路L1に沿って自動的に走行する。
【0075】
図12に示すように、右のマーカー19により圃場に指標S4が形成されながら、苗の植え付が行われるのであり、作業者は、表示装置27に表示される機体11の位置及び基準走行経路L1を目視することにより、機体11が基準走行経路L1に沿って走行していることを確認する。
【0076】
図12に示すように、機体11が畦B3(第2所定位置A2)に達すると、作業者は、操作レバー18を操作して、苗植付装置5を上昇させ、苗の植え付けを終了する。図13に示すように、作業者は機体11を旋回させ(旋回LL4)、機体11を指標S4に位置させて(位置K7)、作動操作部38を操作する。
【0077】
図14に示すように、作動操作部38の操作により、機体11の位置(K7)から前方に、基準走行経路L1と平行な走行経路L01が、走行経路設定部54により設定されて、機体11の位置及び走行経路L01が表示装置27に表示される。
【0078】
図14に示すように、作業者は、操作レバー18を操作して、苗植付装置5を圃場に下降させ、植付クラッチ26を伝動状態に操作し、左のマーカー19を作用姿勢に操作し、変速レバー12を操作して、機体11を発進させる。
【0079】
図14に示すように、機体11の発進に伴い、計測装置29による機体11の位置及び慣性計測装置30による慣性情報に基づいて、自動走行操作部55により、操向モータ37が操作され操縦ハンドル20が自動的に操作されて、機体11が走行経路L01に沿って自動的に走行する。
【0080】
この後、前項の(新たな第1所定位置及び第2所定位置の記憶及び書き換えが行われた後における苗の植え付け)に記載のように、作業者は、操作レバー18による苗植付装置5の昇降、右及び左のマーカー19の操作、機体11の旋回、作動操作部38の操作を繰り返していく。
最後に、作業者は、機体11を畦B1,B2,B3に沿って走行させて、苗の植え付け(回り植え)を行って、一つの圃場での苗の植え付けを終了する。
【0081】
(別の圃場の苗の植え付け)
前述のようにして、一つの圃場での苗の植え付けを終了すると、作業者は、機体11を運転して別の圃場に移動させる。別の圃場に到着すると、作業者は、この別の圃場の位置情報を制御装置23に入力する。
【0082】
この別の圃場に対応した第1所定位置A1及び第2所定位置A2が記憶部52に記憶されていないと、このことが表示装置27に表示される。
この別の圃場に対応した第1所定位置A1及び第2所定位置A2が既に記憶部52に記憶されていると、この別の圃場に対応した第1所定位置A1及び第2所定位置A2が、表示装置27に表示される。
この後、作業者は、前述と同様な操作を行っていく。
【0083】
(発明の実施の第1別形態)
作業者が機体11を運転して圃場に到着すると、作業者が圃場の位置情報を制御装置23に入力しなくても、計測装置29による機体11の位置の検出により、機体11がどの圃場に位置しているのか(到着したのか)が、自動的に判別されるように構成してもよい。
【0084】
前述のように、機体11がどの圃場に位置しているのか(到着したのか)が判別されると、この圃場に対応した第1所定位置A1及び第2所定位置A2が記憶部52に記憶されていないと、このことが表示装置27に表示される。
この圃場に対応した第1所定位置A1及び第2所定位置A2が既に記憶部52に記憶されていると、この圃場に対応した第1所定位置A1及び第2所定位置A2が、表示装置27に表示される。
【0085】
(発明の実施の第2別形態)
圃場に対応した第1所定位置A1及び第2所定位置A2ではなく、圃場に対応した基準走行経路L1を記憶部52に記憶するようにしてもよい。
圃場に対応した基準走行経路L1、第1所定位置A1及び第2所定位置A2を記憶部52に記憶するようにしてもよい。
【0086】
(発明の実施の第3別形態)
記憶部52が大きな容量を備えている場合には、圃場に対応した第1所定位置A1及び第2所定位置A2や、基準走行経路L1に加えて、図15に示すように、全ての走行経路L01〜L04を記憶部52に記憶するようにしてもよい。
【0087】
この構成によると、図5及び図6に示す操作が行われることにより、第1所定位置A1及び第2所定位置A2、基準走行経路L1が、記憶部52に記憶される(書き換えられる)。
【0088】
図7,8,9に示す操作が行われることにより、図15に示すように、走行経路L01及び走行経路L01の方向が、記憶部52に記憶される(書き換えられる)。
植付クラッチ26が伝動状態に操作された位置が、走行経路L01の開始位置C1として、記憶部52に記憶される(書き換えられる)。植付クラッチ26が遮断状態に操作された位置が、走行経路L01の終了位置D1として、記憶部52に記憶される(書き換えられる)。
【0089】
前述と同様にして、図10及び図15に示すように、走行経路L02〜L04が行われると、走行経路L02〜L04及び走行経路L02〜L04の方向、走行経路L02〜L04の開始位置C2〜C4、走行経路L02〜L04の終了位置D2〜D4が、記憶部52に記憶される(書き換えられる)。
【0090】
(発明の実施の第4別形態)
圃場に対応した第1所定位置A1及び第2所定位置A2や、基準走行経路L1を記憶部52に記憶した場合、図7に示すように、第2所定位置A2が記憶部52に記憶された後の最初の旋回LL2に沿った旋回経路を、記憶するようにしてもよい。
【0091】
この構成によると、図9及び図10に示すように、機体11が畦B2(位置K5)に達して、旋回LL3を行う場合、計測装置29による機体11の位置及び慣性計測装置30による慣性情報に基づいて、自動走行操作部55により、操向モータ37が操作され操縦ハンドル20が自動的に操作されて、機体11が旋回LL2を左右反転させた旋回経路(旋回LL3)に沿って自動的に走行(旋回)する。
【0092】
これ以後、機体11が畦B2,B3に達するごとに、自動走行操作部55により、旋回LL2に沿った旋回経路、及び旋回LL2を左右反転させた旋回経路に沿って、機体11が自動的に走行(旋回)する。
【0093】
(発明の実施の第5別形態)
圃場に対応した第1所定位置A1及び第2所定位置A2や、基準走行経路L1を記憶部52に記憶した場合、畦B1〜B3の位置データを制御装置23に入力すると、畦B1〜B3の位置データに基づいて、走行経路設定部54により、図15に示すように、走行経路L01〜L04が自動的に設定されて、走行経路L01〜L04が記憶部52に記憶される(書き換えられる)ようにしてもよい。
【0094】
(発明の実施の第6別形態)
基準走行経路設定部53及び走行経路設定部54を制御装置23に備えなくてもよい。 この構成によると、乗用型田植機とは別の外部のコンピュータ(図示せず)に、基準走行経路設定部53及び走行経路設定部54が、経路設定システム(図示せず)として備えられる。
【0095】
この構成によると、第1所定位置A1及び第2所定位置A2に基づいて、基準走行経路L1や、走行経路L01〜L04(開始位置C1〜C4及び終了位置D1〜D4)が、経路設定システム(基準走行経路設定部53及び走行経路設定部54)により設定され、設定された基準走行経路L1や、走行経路L01〜L04(開始位置C1〜C4及び終了位置D1〜D4)が、制御装置23に送信され、制御装置23の取得部(図示せず)に取得される。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、機体11の後部に作業装置としての苗植付装置5を昇降自在に備えた乗用型田植機ばかりではなく、機体11の後部に作業装置としての播種装置を昇降自在に備えた乗用型直播機、機体11の後部に作業装置としてのロータリ耕耘装置や、作業装置としての薬剤散布装置を昇降自在に備えたトラクタ、機体11の前部に作業装置としての刈取部を昇降自在に備えたコンバイン等のように、圃場に対して作業を行いながら走行する作業車にも適用できる。
【符号の説明】
【0097】
11 機体
27 表示装置
29 測位部
52 記憶部
53 基準走行経路設定部
54 走行経路設定部
55 自動走行操作部
A1 第1所定位置
A2 第2所定位置
L1 走行経路、基準走行経路
L01〜L04 走行経路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15