特許第6847051号(P6847051)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6847051一体化された火炎イオン化センサを備えたガスタービン燃料ノズルおよびガスタービンエンジン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6847051
(24)【登録日】2021年3月4日
(45)【発行日】2021年3月24日
(54)【発明の名称】一体化された火炎イオン化センサを備えたガスタービン燃料ノズルおよびガスタービンエンジン
(51)【国際特許分類】
   F23R 3/28 20060101AFI20210315BHJP
   F23R 3/00 20060101ALI20210315BHJP
   F23N 5/12 20060101ALN20210315BHJP
【FI】
   F23R3/28 B
   F23R3/00 E
   !F23N5/12 Z
【請求項の数】8
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-559301(P2017-559301)
(86)(22)【出願日】2016年5月23日
(65)【公表番号】特表2018-523079(P2018-523079A)
(43)【公表日】2018年8月16日
(86)【国際出願番号】EP2016061576
(87)【国際公開番号】WO2016188954
(87)【国際公開日】20161201
【審査請求日】2019年3月11日
(31)【優先権主張番号】102015000017588
(32)【優先日】2015年5月25日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】517029381
【氏名又は名称】ヌオーヴォ・ピニォーネ・テクノロジー・ソチエタ・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】Nuovo Pignone Tecnologie S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】特許業務法人サカモト・アンド・パートナーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】シオンコリーニ,ステファノ
(72)【発明者】
【氏名】デルコレ,ミケーレ
(72)【発明者】
【氏名】アスティ,アントニオ
【審査官】 高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−216098(JP,A)
【文献】 特開2006−227001(JP,A)
【文献】 特開2007−056868(JP,A)
【文献】 特開2001−116257(JP,A)
【文献】 特開2011−231629(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0123653(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0076698(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02C 9/00
F23N 5/12
F23R 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予混合燃料ガス流のための内部ダクト(3)を有するスリーブ(2)と、
前記内部ダクト(3)の外側の前記スリーブ(2)上に配置された火炎イオン化センサ(4)と、を含み、
前記火炎イオン化センサ(4)は、電極である環状部(41)と、前記環状部を前記スリーブ(2)から電気的に絶縁する絶縁環状部(42)とを含み、
前記環状部(41)の少なくとも一部が前記スリーブ(2)の外方に露出されている、ガスタービン燃料ノズル(1)。
【請求項2】
前記火炎イオン化センサ(4)は、前記予混合燃料ガス流が放出される前記スリーブ(2)の端部領域に配置される、請求項1に記載のガスタービン燃料ノズル(1)。
【請求項3】
前記火炎イオン化センサ(4)は、前記スリーブ(2)の外部側面または前面に配置される、請求項1または2に記載のガスタービン燃料ノズル(1)。
【請求項4】
前記火炎イオン化センサ(4)は、シールドされた鉱物絶縁ケーブル(43)に電気的に接続される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のガスタービン燃料ノズル(1)。
【請求項5】
前記スリーブ(2)は、前記スリーブ(2)の壁の内側にクラウン状に配置され、かつ前記スリーブ(2)の前面で終わる燃料ガス流のための複数のダクト(21)を含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のガスタービン燃料ノズル(1)。
【請求項6】
前記スリーブ(2)の前面に、かつ前記内部ダクト(3)の外側に配置されたさらなる火炎イオン化センサ(5)を含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のガスタービン燃料ノズル(1)。
【請求項7】
前記スリーブ(2)に固定された、または一体化された支持体(6)を含み、前記支持体(6)は、前記火炎イオン化センサ(4)用の少なくとも1つの電気ケーブル(43)を収容する、請求項1乃至のいずれか一項に記載のガスタービン燃料ノズル(1)。
【請求項8】
単一の環状チャンバ(102)を有する燃焼器(101)を含み、1つまたは複数の一体化された火炎イオン化センサ(4,5)を有する請求項1乃至のいずれか一項に記載の複数のガスタービン燃料ノズル(1)をさらに含むガスタービンエンジン(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する主題の実施形態は、一体化された火炎イオン化センサを備えたガスタービン燃料ノズルおよびガスタービンエンジンに対応する。
【背景技術】
【0002】
火炎中のイオンの生成および移動は、火炎および燃焼を監視するため、ならびにそのためのセンサを使用するための非常に有用なパラメータであることが知られている。
【0003】
原理的には、単一の火炎イオン化センサは、対応する火炎および/または燃焼インジケータの対応するセット専用のセンサのセット全体を置き換えることができる。
【0004】
とにかく、ガスタービンエンジンの燃焼器に火炎イオン化センサを組み込むことは全く簡単ではない。実際、そのような用途では、燃焼室に面する任意の部品は、ガスの流れおよび燃焼室に存在する敵対的環境(高温、高圧、攻撃的なガスなど)によって損傷を受ける危険性のために、形状の観点から重要である。そのようなセンサの別の要件は、容易に置き換えることができるように配置することである。
【0005】
さらに、「石油およびガス」の分野では、一般的な機械、ひいてはセンサを含むそれらの部品に非常に高い信頼性が要求される。
【0006】
したがって、「石油およびガス」の分野では、火炎イオン化センサは、ガスタービンエンジンではほとんど使用されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1686373号明細書
【発明の概要】
【0008】
単一の環状チャンバと複数の燃料ノズルとを備える燃焼器を有するガスタービンエンジンでは、タービン全体の診断および制御を行うために1つまたは少数(例えば、2つまたは3つまたは4つ以上)の火炎イオン化センサで十分であり得るが、とにかく、そのようなセンサはそのような用途には全く使用されていない。
【0009】
したがって、一体化された火炎イオン化センサを有するガスタービン燃料ノズルおよび対応するガスタービンエンジンが一般的に必要とされている。この必要性は、単一の環状チャンバを有する燃焼器を含むガスタービンエンジンにおいて特に感じられる。
【0010】
本明細書に開示する主題の第1の実施形態は、ガスタービン燃料ノズルに関する。
【0011】
このようなノズルによれば、予混合燃料ガス流のための内部ダクトを有するスリーブが存在し、それは、ダクトの外側のスリーブ上に配置された火炎イオン化センサをさらに含む。
【0012】
本明細書に開示する主題の第2の実施形態は、ガスタービンエンジンに関する。
【0013】
このようなガスタービンエンジンによれば、単一の環状チャンバを有する燃焼器が存在し、それは、1つまたは複数の一体化された火炎イオン化センサを有する複数の燃料ノズルをさらに含む。
【0014】
本明細書に組み込まれ本明細書の不可欠な部分を構成する添付の図面は、本発明の例示的な実施形態を示し、発明を実施するための形態と共に、これらの実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】ガスタービンエンジンの燃焼器の一実施形態の部分断面図である。
図2】燃料ノズルの一実施形態の断面図である。
図3】ガスタービンエンジンの燃焼器の一実施形態の概略正面図である。
図4】燃料ノズルの一実施形態の概略正面図である。
図5】1つの一体化された火炎イオン化センサを有する燃料ノズルの第1の実施形態の部分断面図である。
図6】1つの一体化された火炎イオン化センサを有する燃料ノズルの第2の実施形態の部分断面図である。
図7】1つの一体化された火炎イオン化センサを有する燃料ノズルの第3の実施形態の部分断面図である。
図8】1つの一体化された火炎イオン化センサを有する燃料ノズルの第4の実施形態の部分断面図である。
図9】2つの一体化された火炎イオン化センサを有する燃料ノズルの第5の実施形態の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の例示的な実施形態の説明は、添付の図面を参照する。
【0017】
以下の説明は、本発明を限定するものではない。代わりに、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0018】
「一実施形態」または「実施形態」に対する明細書全体での参照は、実施形態に関連して記載されている特定の特徴、構造、または特性が、開示されている主題の少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味する。したがって、明細書全体の様々な場所における句「一実施形態では」または「実施形態では」の出現は、必ずしも同一の実施形態を参照していない。さらに、特定の特徴、構造または特性は、1つまたは複数の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせられてもよい。
【0019】
図1は、ガスタービンエンジン100の燃焼器101の一実施形態の部分断面図を示す。単一の環状チャンバ102がケース103の内部に配置されている。
【0020】
図3は、図1の燃焼室102の概略正面図を示す。
【0021】
燃焼器101は、複数の燃料ノズル1(図1および図3の両方に示す)を含む。
【0022】
燃料ノズル1は、1つまたは複数の一体化された火炎イオン化センサを有する。これは図2に概略的に示されており、センサには符号4を付している。
【0023】
燃料ノズル1の一実施形態が、図2(断面図)と図4(概略正面図)の両方に示されている。
【0024】
ガスタービン燃料ノズル1は、予混合燃料ガス流のための内部円形(断面)ダクト3を有する円筒形金属スリーブ2を含む。スリーブ2の周囲壁の内側には、燃料ガス流のための複数のダクト21がクラウン状に配置され、スリーブ2の前面で終わっている。ダクト3の内側には、スリーブ2と同軸に、本体22がある。ダクト21は、空気ガス流のための導管23と流体連通している。導管24は、予混合燃料ガス流を供給するようにスリーブ2の裏側で終わっている。導管25は、空気ガス流を本体22に供給して、スリーブ2の端部近くのダクト3内の空気を排出する。スリーブ2と一体化された支持アーム6がある。支持アーム6は、導管23および導管24を収容し、一般に、ノズル支持体は、ノズルのための少なくとも1つのガス流導管を部分的にまたは完全に収容することができる。
【0025】
図面、特に図2に示すノズルのようなノズルは、本出願人に譲渡された米国特許第6,363,725号に詳細に記載され、参照により本明細書に組み込まれる。
【0026】
例えば図2に概略的に示すように、ノズル1は、ダクト3の外側のスリーブ2上に配置された火炎イオン化センサ4をさらに含む。
【0027】
火炎イオン化センサは、予混合燃料ガス流が放出されるスリーブの端部領域に配置するのが有利である(例えば図2を参照)。
【0028】
特に、火炎イオン化センサは、スリーブの外部側面または前面に配置することができる。図2の実施形態では、センサ4は外部側面に配置されている。図5図9の実施形態では、センサ4は、スリーブの前面に配置されている。特に、センサ4は、スリーブ2の外側で、スリーブ2の前面に配置されている。
【0029】
図5図9の実施形態の火炎イオン化センサ4は、センサの電極である金属(完全なまたは部分的な)環状部41を含む。環状部41は、例えば下地の絶縁(完全なまたは部分的な)環状部42によって、スリーブ2から電気的に絶縁されていてもよい。環状部42の材料は、例えばセラミックまたは酸化セラミックであってもよい。このようなセンサ4の設計は、図9のセンサ5にも使用することができる。
【0030】
火炎イオン化センサは、生成された信号を監視および/または制御電子ユニットに供給するための電気ケーブルに電気的に接続される。
【0031】
好ましくは、電気ケーブルは、堅いシールドされた鉱物絶縁ケーブル(図5図7に要素43として概略的に示す)である。ケーブルをシールドすることは、ガスタービンエンジンの「騒がしい」環境のために非常に有利である。シールドは、例えばAISI316またはINCONEL600製の金属被覆により行うことができる。
【0032】
電気ケーブルは、支持アーム6に固定されてもよい。一般に、ノズル支持体は、センサのための少なくとも1つの(シールドされた)電気ケーブルを部分的にまたは完全に収容することができる。
【0033】
図9の実施形態では、スリーブ2の前面であってダクト3の外側に、好ましくは内側スリーブ2に配置された別の火炎イオン化センサ5がある。
【0034】
図9の実施形態のセンサ5は、センサの電極である金属(完全なまたは部分的な)環状部51を含む。環状部51は、例えば下地の絶縁(完全なまたは部分的な)環状部52によって、スリーブ2から電気的に絶縁されていてもよい。環状部52の材料は、例えばセラミックまたは酸化セラミックであってもよい。
【0035】
図9の実施形態では、センサ4は、好ましくは一次火炎イオン化センサとして使用され、センサ5は、フラッシュバック火炎イオン化センサとして使用されることが好ましい。
【0036】
図5図9には、スリーブ2(ダクト3を囲む)内のダクト21の端部が示され、パイロット火炎のための円錐形出口(「T」度の幅)で終わっている。
【0037】
図5の実施形態では、火炎イオン化センサ4の金属部品41は、スリーブ2の外側側面の一部、スリーブ2の前面の一部(すなわち、円錐形出口の一部)、およびダクト21の表面の一部を形成する。
【0038】
図6の実施形態では、火炎イオン化センサ4の金属部品41は、スリーブ2の外側側面の一部、スリーブ2の前面の一部(すなわち、円錐形出口の一部)を含み、例えば絶縁部品42を介してダクト21の表面から離間している。
【0039】
図7の実施形態では、火炎イオン化センサ4の金属部品41は、スリーブ2の外側側面の一部を形成し、例えば絶縁部品42のみを介してスリーブ2の前面(すなわち、円錐形出口の一部)から離間し、かつ、例えば絶縁部品42を介してダクト21の表面から離間している。
【0040】
図8の実施形態では、火炎イオン化センサ4の金属部品41は、スリーブ2の前面の一部(すなわち、円錐形出口の一部)のみを形成し、絶縁部品42によって取り囲まれている。
【0041】
図9の実施形態では、第1の火炎イオン化センサ4の金属部品41は、スリーブ2の外側側面の一部、スリーブ2の前面の一部(すなわち、円錐形出口の一部)、およびダクト21の表面の一部を形成し、第2の火炎イオン化センサ5の金属部品51は、スリーブ2の内側側面の一部、スリーブ2の前面の一部(すなわち、円錐形出口の一部)、およびダクト21の表面の一部を形成する。
【0042】
本明細書に開示するガスタービン燃料ノズルの実施形態は、ガスタービンエンジンにおける燃焼、特にフラッシュバック燃焼を監視するために使用することができる。
【符号の説明】
【0043】
1 ガスタービン燃料ノズル
2 円筒形金属スリーブ
4 火炎イオン化センサ
5 第2の火炎イオン化センサ
6 支持アーム
21 ダクト
22 本体
23 導管
24 導管
25 導管
41 金属環状部
42 絶縁環状部
43 シールドされた鉱物絶縁ケーブル
51 金属環状部
52 絶縁環状部
101 燃焼器
102 単一の環状チャンバ
103 ケース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9