(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ハンドオーバデバイスが、前記変化傾向と前記現在のアクセスポイントの前記隣接アクセスポイントとの間の前記対応関係に基づいて、前記端末が前記ターゲットアクセスポイントにハンドオーバされることを失敗したと決定した場合、前記方法は、
前記ハンドオーバデバイスが、前記ターゲットアクセスポイントによって送信されたハンドオーバ要求を受信した場合、前記ハンドオーバデバイスによって、前記端末と前記ターゲットアクセスポイントとの間の、前記ターゲットアクセスポイントによって送信された受信信号強度インジケータ(RSSI)が第3の閾値に達するかどうかを判定するステップであって、前記ハンドオーバ要求は、前記端末と前記現在のアクセスポイントとの間の接続を前記ターゲットアクセスポイントに切り替えることを要求するために使用される、ステップと、
判定が肯定である場合に、前記ハンドオーバデバイスによって、前記現在のアクセスポイントから前記ターゲットアクセスポイントに、前記端末をハンドオーバするステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記ハンドオーバデバイスが、前記現在のアクセスポイントから前記ターゲットアクセスポイントに、前記端末をハンドオーバした後、前記端末が、前記現在のアクセスポイントから前記ターゲットアクセスポイントにハンドオーバされることを失敗した場合、前記方法は、
前記ハンドオーバデバイスが、前記ターゲットアクセスポイントによって送信されたハンドオーバ要求を受信した場合、前記ハンドオーバデバイスによって、前記端末と前記ターゲットアクセスポイントとの間の、前記ターゲットアクセスポイントによって送信された受信信号強度インジケータRSSIが第3の閾値に達するかどうかを判定するステップであって、前記ハンドオーバ要求は、前記端末と前記現在のアクセスポイントとの間の接続を前記ターゲットアクセスポイントに切り替えることを要求するために使用される、ステップと、
判定が肯定である場合に、前記ハンドオーバデバイスによって、前記現在のアクセスポイントから前記ターゲットアクセスポイントに、前記端末をハンドオーバするステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記ハンドオーバデバイスが、前記端末が前記現在のアクセスポイントにアクセスしていると決定した後、前記ハンドオーバデバイスによって、第1の頻度において、前記端末と前記現在のアクセスポイントとの間のRTTを不連続的に取得し、前記RTTに基づいて、前記端末と前記現在のアクセスポイントとの間の前記距離を取得するステップと、
前記端末と前記現在のアクセスポイントとの間の前記距離が第1のプレハンドオーバ距離閾値以上であるか、または、前記端末と前記現在のアクセスポイントとの間の前記距離が第2のプレハンドオーバ距離閾値以下である場合、前記ハンドオーバデバイスによって、前記第1の頻度よりも高い第2の頻度において、前記端末と前記現在のアクセスポイントとの間のRTTを取得し、前記RTTに基づいて、前記端末と前記現在のアクセスポイントとの間の前記距離を取得するステップ、または、
前記端末と前記現在のアクセスポイントとの間の前記距離が第1のハンドオーバ距離閾値以上であるか、または、前記端末と前記現在のアクセスポイントとの間の前記距離が第2のハンドオーバ距離閾値以下である場合、前記ハンドオーバデバイスによって、前記端末と前記現在のアクセスポイントとの間のRTTの取得を停止するステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記ハンドオーバデバイスが、前記現在のアクセスポイントから前記ターゲットアクセスポイントに、前記端末をハンドオーバした後、前記端末が、前記現在のアクセスポイントから前記ターゲットアクセスポイントにハンドオーバされることを失敗した場合、前記ハンドオーバデバイスによって、前記第1の頻度以上かつ前記第2の頻度以下である第3の頻度において、前記端末と前記現在のアクセスポイントとの間のRTTを取得し、前記RTTに基づいて、前記端末と前記現在のアクセスポイントとの間の前記距離を取得するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
前記ハンドオーバデバイスが、前記変化傾向と前記現在のアクセスポイントの前記隣接アクセスポイントとの間の前記対応関係に基づいて、前記端末が前記ターゲットアクセスポイントにハンドオーバされることを失敗したと決定した場合、前記ハンドオーバユニットは、
前記ターゲットアクセスポイントによって送信されたハンドオーバ要求が受信された場合、前記端末と前記ターゲットアクセスポイントとの間の、前記ターゲットアクセスポイントによって送信された受信信号強度インジケータ(RSSI)が第3の閾値に達するかどうかを判定するようにさらに構成され、前記ハンドオーバ要求は、前記端末と前記現在のアクセスポイントとの間の接続を前記ターゲットアクセスポイントに切り替えることを要求するために使用され、
前記ハンドオーバユニットは、
判定が肯定である場合に、前記現在のアクセスポイントから前記ターゲットアクセスポイントに、前記端末をハンドオーバするようにさらに構成される、請求項11に記載のハンドオーバデバイス。
前記ハンドオーバデバイスが、前記現在のアクセスポイントから前記ターゲットアクセスポイントに、前記端末をハンドオーバした後、前記端末が、前記現在のアクセスポイントから前記ターゲットアクセスポイントにハンドオーバされることを失敗した場合、前記ハンドオーバユニットは、
前記ターゲットアクセスポイントによって送信されたハンドオーバ要求が受信された場合、前記端末と前記ターゲットアクセスポイントとの間の、前記ターゲットアクセスポイントによって送信された受信信号強度インジケータRSSIが第3の閾値に達するかどうかを判定するようにさらに構成され、前記ハンドオーバ要求は、前記端末と前記現在のアクセスポイントとの間の接続を前記ターゲットアクセスポイントに切り替えることを要求するために使用され、
前記ハンドオーバユニットは、
判定が肯定である場合に、前記ハンドオーバデバイスによって、前記現在のアクセスポイントから前記ターゲットアクセスポイントに、前記端末をハンドオーバするようにさらに構成される、請求項11に記載のハンドオーバデバイス。
前記ハンドオーバデバイスが、前記コンテキスト情報を前記アクティブ状態に設定するように前記ターゲットアクセスポイントに指示する場合、前記ハンドオーバデバイスは、受信ユニットと送信ユニットとをさらに含み、前記受信ユニットは、前記現在のアクセスポイントによって送信された前記コンテキスト情報を受信するように構成され、前記送信ユニットは、前記コンテキスト情報を前記隣接アクセスポイントに送信するように構成される、請求項15に記載のハンドオーバデバイス。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願は、ネットワーク間の端末のハンドオーバ中のサービスパケット損失の課題を解決する、無線ネットワークハンドオーバ方法および装置を提供する。
【0007】
1つの態様によると、無線ネットワークハンドオーバ方法が提供され、方法は、ハンドオーバデバイスによって、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離を取得して、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離の変化傾向を決定するステップと、ハンドオーバデバイスが、変化傾向と現在のアクセスポイントの隣接アクセスポイントとの間の対応関係に基づいて、端末がハンドオーバされるべきターゲットアクセスポイントを決定する場合、ハンドオーバデバイスによって、現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントに、端末をハンドオーバするステップとを含む。ハンドオーバデバイスは、AC、スイッチ、ルータ、スタンドアロンパーソナルコンピュータ(personal computer, PC)サーバまたはAPであってよい。APは現在のアクセスポイントおよびターゲットアクセスポイントを含む。このようにして、ハンドオーバデバイスは、端末がハンドオーバされるべきターゲットアクセスポイントを決定してよく、ハンドオーバデバイスは、ハンドオーバプロセスを開始してよい。端末は、ハンドオーバプロセス全体を認識しなくてよい。従って、端末は、ハンドオーバプロセスにおいてアクセスポイントへの接続を切断せず、対応して、アクセスポイントへの接続の切断によるパケット損失は発生しない。従って、ネットワーク間の端末のハンドオーバ中のサービスパケット損失の課題は解決される。
【0008】
可能な設計では、隣接アクセスポイントの属性はフェイス・ツー・フェイスおよび/またはバック・ツー・バックを含み、ここで、フェイス・ツー・フェイスは、現在のアクセスポイントと隣接アクセスポイントとの間の距離が第1の閾値以上であることを示すために使用され、バック・ツー・バックは、現在のアクセスポイントと隣接アクセスポイントとの間の距離が第2の閾値以下であることを示すために使用され、第1の閾値は第2の閾値よりも大きく、ハンドオーバデバイスが、変化傾向と現在のアクセスポイントの隣接アクセスポイントとの間の対応関係に基づいて、端末がハンドオーバされるべきターゲットアクセスポイントを決定することは、変化傾向が下降傾向である場合、ハンドオーバデバイスによって、属性がバック・ツー・バックである隣接アクセスポイントがターゲットアクセスポイントであると決定すること、または、変化傾向が上昇傾向である場合、ハンドオーバデバイスによって、属性がフェイス・ツー・フェイスである隣接アクセスポイントがターゲットアクセスポイントであると決定することを含む。このようにして、ハンドオーバデバイスが、端末から現在のアクセスポイントまでの距離が上昇する傾向があると決定した場合、ハンドオーバデバイスは、端末がハンドオーバされるべきターゲットアクセスポイントがフェイス・ツー・フェイスの隣接アクセスポイントであると決定してよく、または、ハンドオーバデバイスが、端末から現在のアクセスポイントまでの距離が下降する傾向があると決定した場合、ハンドオーバデバイスは、端末がハンドオーバされるべきターゲットアクセスポイントがバック・ツー・バックの隣接アクセスポイントであると決定してよい。例えば、
図3に示されるように、2つのAPは各ポールに配置されてよい。AP 0は、AP 1のバック・ツー・バックの隣接アクセスポイントであり、A P2は、AP 1のフェイス・ツー・フェイスの隣接アクセスポイントである。端末の現在のアクセスポイントがAP 1である場合、端末からAP 1への距離が上昇する傾向がある場合、ハンドオーバデバイスは、端末がハンドオーバされるべきターゲットアクセスポイントが、フェイス・ツー・フェイスの隣接アクセスポイント、すなわち、AP 2であると決定してよく、または、端末からAP 1への距離が下降する傾向がある場合、ハンドオーバデバイスは、端末がハンドオーバされるべきターゲットアクセスポイントが、バック・ツー・バックの隣接アクセスポイント、すなわち、AP 0であると決定してよい。
【0009】
可能な設計では、ハンドオーバデバイスによって、現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントに、端末をハンドオーバするステップは、ターゲットアクセスポイントがフェイス・ツー・フェイスの隣接アクセスポイントであり、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離が第1のハンドオーバ距離閾値以上である場合、ハンドオーバデバイスによって、現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントに、端末をハンドオーバするステップ、または、ターゲットアクセスポイントがバック・ツー・バックの隣接アクセスポイントであり、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離が第2のハンドオーバ距離閾値以下である場合、ハンドオーバデバイスによって、現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントに、端末をハンドオーバするステップを含む。
【0010】
可能な設計では、ハンドオーバデバイスが、変化傾向と現在のアクセスポイントの隣接アクセスポイントとの間の対応関係に基づいて、端末がターゲットアクセスポイントにハンドオーバされることを失敗したと決定した場合、方法は、ハンドオーバデバイスが、ターゲットアクセスポイントによって送信されたハンドオーバ要求を受信した場合、ハンドオーバデバイスによって、端末とターゲットアクセスポイントとの間の、ターゲットアクセスポイントによって送信された受信信号強度インジケータ(RSSI)が第3の閾値に達するかどうかを判定するステップであって、ここで、ハンドオーバ要求は、端末と現在のアクセスポイントとの間の接続をターゲットアクセスポイントに切り替えることを要求するために使用される、ステップと、判定が肯定である場合に、ハンドオーバデバイスによって、現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントに、端末をハンドオーバするステップとをさらに含む。
【0011】
可能な設計では、ハンドオーバデバイスが、現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントに、端末をハンドオーバした後、端末が、現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントにハンドオーバされることを失敗した場合、方法は、ハンドオーバデバイスが、ターゲットアクセスポイントによって送信されたハンドオーバ要求を受信した場合、ハンドオーバデバイスによって、端末とターゲットアクセスポイントとの間の、ターゲットアクセスポイントによって送信された受信信号強度インジケータRSSIが第3の閾値に達するかどうかを判定するステップであって、ここで、ハンドオーバ要求は、端末と現在のアクセスポイントとの間の接続をターゲットアクセスポイントに切り替えることを要求するために使用される、ステップと、判定が肯定である場合に、ハンドオーバデバイスによって、現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントに、端末をハンドオーバするステップとをさらに含む。このようにして、ハンドオーバデバイスが、貧弱なネットワーク信号により、変化傾向と現在のアクセスポイントの隣接アクセスポイントとの間の対応関係の取得に失敗し、または、他の理由により、端末をターゲットアクセスポイントに時間内にハンドオーバせず、端末はすでにターゲットアクセスポイントのカバレッジエリアに移動している場合、ハンドオーバデバイスは、ターゲットアクセスポイントによって送信されたRSSIを決定してよく、RSSIが第3の閾値に達する場合、ハンドオーバデバイスは、ハンドオーバプロセスを開始してよく、従って、端末をターゲットアクセスポイントにハンドオーバしてよい。
【0012】
可能な設計では、ハンドオーバデバイスによって、現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントに、端末をハンドオーバするステップは、ハンドオーバデバイスによって、端末および現在のアクセスポイントのコンテキスト情報をターゲットアクセスポイントに送信するように現在のアクセスポイントに指示するか、または、ハンドオーバデバイスによって、現在のアクセスポイントから取得したコンテキスト情報をターゲットアクセスポイントに送信するか、または、ハンドオーバデバイスによって、コンテキスト情報をアクティブ状態に設定するようにターゲットアクセスポイントに指示するステップを含む。このようにして、ハンドオーバデバイスは、端末および現在のアクセスポイントのコンテキスト情報をターゲットアクセスポイントに送信するように現在のアクセスポイントに指示してよく、または、ハンドオーバデバイスは、現在のアクセスポイントから取得したコンテキスト情報をターゲットアクセスポイントに送信し、または、ハンドオーバデバイスは、コンテキスト情報をアクティブ状態に設定するようにターゲットアクセスポイントに指示し、またはハンドオーバを実行するために他の方法を使用し、その結果、端末は、ターゲットアクセスポイントにハンドオーバされる。端末とターゲットアクセスポイントとの間で認証プロセスを実行する必要はなく、従って、端末は、ハンドオーバを認識することなく、ネットワーク間でハンドオーバされる。
【0013】
可能な設計では、ハンドオーバデバイスが、コンテキスト情報をアクティブ状態に設定するようにターゲットアクセスポイントに指示する場合、方法は、ハンドオーバデバイスによって、現在のアクセスポイントによって送信されたコンテキスト情報を受信して、コンテキスト情報を隣接アクセスポイントに送信するステップをさらに含む。ハンドオーバデバイスが、現在のアクセスポイントによって送信されたコンテキスト情報を受信し、コンテキスト情報を隣接アクセスポイントに送信した後、ターゲットアクセスポイントがコンテキスト情報を受信した場合、ターゲットアクセスポイントによって受信したコンテキスト情報は保留状態に設定されてよいことは理解され得る。その後、ハンドオーバデバイスがハンドオーバを開始したとき、ハンドオーバデバイスは、コンテキスト情報をアクティブ状態に設定するようにターゲットアクセスポイントに指示するだけでよい。
【0014】
可能な設計では、ハンドオーバデバイスによって、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離を取得するステップは、ハンドオーバデバイスによって、端末と現在のアクセスポイントとの間のラウンドトリップ時間(RTT)を取得するステップと、ハンドオーバデバイスによって、RTTに基づいて、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離を取得するステップとを含む。換言すると、ハンドオーバデバイスは、収集されたRTTに基づいて、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離を計算することができる。
【0015】
可能な設計では、方法は、ハンドオーバデバイスが、端末が現在のアクセスポイントにアクセスしていると決定した後、ハンドオーバデバイスによって、第1の頻度において、端末と現在のアクセスポイントとの間のRTTを不連続的に取得し、RTTに基づいて、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離を取得するステップと、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離が第1のプレハンドオーバ距離閾値以上であるか、または、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離が第2のプレハンドオーバ距離閾値以下である場合、ハンドオーバデバイスによって、第1の頻度よりも高い第2の頻度において、端末と現在のアクセスポイントとの間のRTTを取得し、RTTに基づいて、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離を取得するステップ、または、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離が第1のハンドオーバ距離閾値以上であるか、または、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離が第2のハンドオーバ距離閾値以下である場合、ハンドオーバデバイスによって、端末と現在のアクセスポイントとの間のRTTの取得を停止するステップとを含む。このようにして、ハンドオーバデバイスがハンドオーバを実行するときのみ、ハンドオーバデバイスは、第2の頻度において、RTTを収集するが、ハンドオーバ前に第2の頻度よりも低い第1の頻度において不連続的にRTTを収集し、ハンドオーバ中にRTTの収集を停止する。これは、RTTの収集のオーバヘッドを効果的に低減することができる。
【0016】
可能な設計では、ハンドオーバデバイスが、現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントに、端末をハンドオーバした後、端末が、現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントにハンドオーバされることを失敗した場合、ハンドオーバデバイスによって、第1の頻度以上かつ第2の頻度以下である第3の頻度において、端末と現在のアクセスポイントとの間のRTTを取得し、RTTに基づいて、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離を取得するステップをさらに含む。
【0017】
別の態様によると、ハンドオーバデバイスが提供され、ハンドオーバデバイスは、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離を取得して、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離の変化傾向を決定するように構成される取得ユニットと、変化傾向と現在のアクセスポイントの隣接アクセスポイントとの間の対応関係に基づいて、端末がハンドオーバされるべきターゲットアクセスポイントを決定する場合、現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントに、端末をハンドオーバするように構成されるハンドオーバユニットとを含む。
【0018】
可能な設計では、隣接アクセスポイントの属性はフェイス・ツー・フェイスおよび/またはバック・ツー・バックを含み、ここで、フェイス・ツー・フェイスは、現在のアクセスポイントと隣接アクセスポイントとの間の距離が第1の閾値以上であることを示すために使用され、バック・ツー・バックは、現在のアクセスポイントと隣接アクセスポイントとの間の距離が第2の閾値以下であることを示すために使用され、第1の閾値は第2の閾値よりも大きく、ハンドオーバユニットは、変化傾向が下降傾向である場合、隣接アクセスポイントの属性がバック・ツー・バックであると決定し、対応関係に基づいて、属性がバック・ツー・バックである隣接アクセスポイントがターゲットアクセスポイントであると決定し、または、変化傾向が上昇傾向である場合、隣接アクセスポイントの属性がフェイス・ツー・フェイスであると決定し、対応関係に基づいて、属性がフェイス・ツー・フェイスである隣接アクセスポイントがターゲットアクセスポイントであると決定するように構成される。
【0019】
可能な設計では、ハンドオーバユニットは、ターゲットアクセスポイントがフェイス・ツー・フェイスの隣接アクセスポイントであり、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離が第1のハンドオーバ距離閾値以上である場合、現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントに、端末をハンドオーバするように構成され、または、ターゲットアクセスポイントがバック・ツー・バックの隣接アクセスポイントであり、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離が第2のハンドオーバ距離閾値以下である場合、現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントに、端末をハンドオーバするように構成される。
【0020】
可能な設計では、ハンドオーバデバイスが、変化傾向と現在のアクセスポイントの隣接アクセスポイントとの間の対応関係に基づいて、端末がターゲットアクセスポイントにハンドオーバされることを失敗したと決定した場合、ハンドオーバユニットは、ターゲットアクセスポイントによって送信されたハンドオーバ要求が受信された場合、端末とターゲットアクセスポイントとの間の、ターゲットアクセスポイントによって送信された受信信号強度インジケータRSSIが第3の閾値に達するかどうかを判定するようにさらに構成され、ここで、ハンドオーバ要求は、端末と現在のアクセスポイントとの間の接続をターゲットアクセスポイントに切り替えることを要求するために使用され、判定が肯定である場合に、現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントに、端末をハンドオーバするようにさらに構成される。
【0021】
可能な設計では、ハンドオーバデバイスが、現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントに、端末をハンドオーバした後、端末が、現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントにハンドオーバされることを失敗した場合、ハンドオーバユニットは、ターゲットアクセスポイントによって送信されたハンドオーバ要求が受信された場合、端末とターゲットアクセスポイントとの間の、ターゲットアクセスポイントによって送信された受信信号強度インジケータRSSIが第3の閾値に達するかどうかを判定するようにさらに構成され、ここで、ハンドオーバ要求は、端末と現在のアクセスポイントとの間の接続をターゲットアクセスポイントに切り替えることを要求するために使用され、判定が肯定である場合に、ハンドオーバデバイスによって、現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントに、端末をハンドオーバするようにさらに構成される。
【0022】
可能な設計では、ハンドオーバユニットは、端末および現在のアクセスポイントのコンテキスト情報をターゲットアクセスポイントに送信するように現在のアクセスポイントに指示するか、または、現在のアクセスポイントから取得したコンテキスト情報をターゲットアクセスポイントに送信するか、または、コンテキスト情報をアクティブ状態に設定するようにターゲットアクセスポイントに指示するように構成される。
【0023】
可能な設計では、ハンドオーバデバイスが、コンテキスト情報をアクティブ状態に設定するようにターゲットアクセスポイントに指示する場合、ハンドオーバデバイスは、受信ユニットと送信ユニットとをさらに含み、ここで、受信ユニットは、現在のアクセスポイントによって送信されたコンテキスト情報を受信するように構成され、送信ユニットは、コンテキスト情報を隣接アクセスポイントに送信するように構成される。
【0024】
可能な設計では、取得ユニットは、端末と現在のアクセスポイントとの間のラウンドトリップ時間RTTを取得し、RTTに基づいて、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離を取得するように構成される。
【0025】
可能な設計では、取得ユニットは、端末が現在のアクセスポイントにアクセスしていると決定された後、第1の頻度において、端末と現在のアクセスポイントとの間のRTTを不連続的に取得し、RTTに基づいて、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離を取得するようにさらに構成され、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離が第1のプレハンドオーバ距離閾値以上であるか、または、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離が第2のプレハンドオーバ距離閾値以下である場合、第1の頻度よりも高い第2の頻度において、端末と現在のアクセスポイントとの間のRTTを取得し、RTTに基づいて、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離を取得するようにさらに構成され、または、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離が第1のハンドオーバ距離閾値以上であるか、または、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離が第2のハンドオーバ距離閾値以下である場合、端末と現在のアクセスポイントとの間のRTTの取得を停止するようにさらに構成される。
【0026】
可能な設計では、取得ユニットは、ハンドオーバデバイスが、現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントに、端末をハンドオーバした後、端末が、現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントにハンドオーバされることを失敗した場合、第1の頻度以上かつ第2の頻度以下である第3の頻度において、端末と現在のアクセスポイントとの間のRTTを取得し、RTTに基づいて、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離を取得するようにさらに構成される。
【0027】
さらに別の態様によると、ハンドオーバデバイスが提供され、ハンドオーバデバイスは、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離を取得して、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離の変化傾向を決定するように構成される受信機と、変化傾向と現在のアクセスポイントの隣接アクセスポイントとの間の対応関係に基づいて、端末がハンドオーバされるべきターゲットアクセスポイントを決定する場合、端末と現在のアクセスポイントとの間の接続を、端末とターゲットアクセスポイントとの間の接続に切り替えるように構成されるプロセッサとを含む。
【0028】
可能な設計では、隣接アクセスポイントの属性はフェイス・ツー・フェイスおよび/またはバック・ツー・バックを含み、ここで、フェイス・ツー・フェイスは、現在のアクセスポイントと隣接アクセスポイントとの間の距離が第1の閾値以上であることを示すために使用され、バック・ツー・バックは、現在のアクセスポイントと隣接アクセスポイントとの間の距離が第2の閾値以下であることを示すために使用され、第1の閾値は第2の閾値よりも大きく、プロセッサは、変化傾向が下降傾向である場合、対応関係に基づいて、属性がバック・ツー・バックである隣接アクセスポイントがターゲットアクセスポイントであると決定し、または、変化傾向が上昇傾向である場合、対応関係に基づいて、属性がフェイス・ツー・フェイスである隣接アクセスポイントがターゲットアクセスポイントであると決定するように構成される。
【0029】
可能な設計では、プロセッサは、ターゲットアクセスポイントがフェイス・ツー・フェイスの隣接アクセスポイントであり、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離が第1のハンドオーバ距離閾値以上である場合、現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントに、端末をハンドオーバするように構成され、または、ターゲットアクセスポイントがバック・ツー・バックの隣接アクセスポイントであり、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離が第2のハンドオーバ距離閾値以下である場合、現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントに、端末をハンドオーバするように構成される。
【0030】
可能な設計では、ハンドオーバデバイスが、変化傾向と現在のアクセスポイントの隣接アクセスポイントとの間の対応関係に基づいて、端末がターゲットアクセスポイントにハンドオーバされることを失敗したと決定した場合、プロセッサは、ターゲットアクセスポイントによって送信されたハンドオーバ要求が受信された場合、端末とターゲットアクセスポイントとの間の、ターゲットアクセスポイントによって送信された受信信号強度インジケータRSSIが第3の閾値に達するかどうかを判定するようにさらに構成され、ここで、ハンドオーバ要求は、端末と現在のアクセスポイントとの間の接続をターゲットアクセスポイントに切り替えることを要求するために使用され、判定が肯定である場合に、現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントに、端末をハンドオーバするようにさらに構成される。
【0031】
可能な設計では、ハンドオーバデバイスが、現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントに、端末をハンドオーバした後、端末が、現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントにハンドオーバされることを失敗した場合、プロセッサは、ターゲットアクセスポイントによって送信されたハンドオーバ要求が受信された場合、端末とターゲットアクセスポイントとの間の、ターゲットアクセスポイントによって送信された受信信号強度インジケータRSSIが第3の閾値に達するかどうかを判定するようにさらに構成され、ここで、ハンドオーバ要求は、端末と現在のアクセスポイントとの間の接続をターゲットアクセスポイントに切り替えることを要求するために使用され、判定が肯定である場合に、ハンドオーバデバイスによって、現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントに、端末をハンドオーバするようにさらに構成される。
【0032】
可能な設計では、プロセッサは、端末および現在のアクセスポイントのコンテキスト情報をターゲットアクセスポイントに送信するように現在のアクセスポイントに指示するか、または、現在のアクセスポイントから取得したコンテキスト情報をターゲットアクセスポイントに送信するか、または、コンテキスト情報をアクティブ状態に設定するようにターゲットアクセスポイントに指示するようにさらに構成される。
【0033】
さらに別の態様によると、本願は、コンピュータ記憶媒体を提供し、コンピュータ記憶媒体は、前述のハンドオーバデバイスによって使用されるコンピュータソフトウェア命令を記憶するように構成される。コンピュータ記憶媒体は、前述の態様を実行するように設計されたプログラムを含む。
【0034】
端末によって開始されるハンドオーバプロセスと比較すると、本願は、ハンドオーバデバイスによって端末ハンドオーバを開始するための方法を提供している。ハンドオーバデバイスは、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離の変化傾向と、現在のアクセスポイントの隣接アクセスポイントとの間の対応関係に基づいて、端末がハンドオーバされるべきターゲットアクセスポイントを決定してよい。次いで、ハンドオーバデバイスは、端末と現在のアクセスポイントとの間の接続を、端末とターゲットアクセスポイントとの間の接続に切り替える。このようにして、端末はハンドオーバプロセスを認識しなくてよい。従って、ネットワーク間の端末のハンドオーバ中のサービスパケット損失の課題が解決される。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本願の実施形態は、高速道路上のWi-Fiネットワーク間で、端末がハンドオーバされ、ローミングするシナリオに適用されてよく、または、他のシナリオに適用されてよい。これは本願では限定されない。
【0037】
本願の実施形態におけるシステムアーキテクチャは、ハンドオーバデバイス、アクセスポイントおよび端末を含んでよい。アクセスポイントは、WLANにおける無線アクセスポイントまたは無線ルータであってよく、基本アクセスサービスを提供するように構成されてよく、インターネットにアクセスするように構成されてよい。アクセスポイントは、現在のアクセスポイント、隣接アクセスポイントおよびターゲットアクセスポイントを含んでよい。現在のアクセスポイントは、それぞれフェイス・ツー・フェイスの隣接アクセスポイントとバック・ツー・バックの隣接アクセスポイントであり得る、2つの隣接アクセスポイントを有してよい。ターゲットアクセスポイントは、フェイス・ツー・フェイスの隣接アクセスポイントまたはバック・ツー・バックの隣接アクセスポイントであり得る。ハンドオーバデバイスは、AP、AC、スイッチ、ルータまたはスタンドアロンのパーソナルコンピュータサーバであってよい。APは、現在のアクセスポイントまたはターゲットアクセスポイントを含んでよい。本願では、ハンドオーバデバイスの方法は、論理エンティティによって実行されてよい。論理エンティティは、端末と現在のアクセスポイントとの間の接続を、端末とターゲットアクセスポイントとの間の接続に切り替えるように構成されるハンドオーバエンジンとして理解され得る。端末は、パーソナルコンピュータPC、モバイル電話、タブレットコンピュータ(pad)、インテリジェント学習マシン、インテリジェントゲーム機、スマートTV、スマートグラスまたはスマートウォッチ等のデバイスまたは装置であってよい。
【0038】
前述の説明からわかるように、高速道路上のWi-Fiネットワーク内のAPは、線形に配置されてよい。現在のAPは、バック・ツー・バックの隣接APおよびフェイス・ツー・フェイスの隣接APと呼ばれ得る、2つの隣接APを有してよい。各APは1方向をカバーすることができる。バック・ツー・バックの隣接APは、現在のAPに非常に近いAPであってよく、例えば、同じポール上に配置されている別のAPであってよい。フェイス・ツー・フェイスの隣接APは、現在のAPから比較的遠く離れているAPであってよく、例えば、隣接するポール上に配置されているフェイス・ツー・フェイスAPであってよい。例えば、
図3に示されるように、AP 1の隣接APは、AP 0およびAP 2に設定されてよく、ここで、AP 1のバック・ツー・バックの隣接APはAP 0であり、AP 1のフェイス・ツー・フェイスの隣接APはAP 2であり、AP 2の隣接APは、AP 3およびAP 1に設定されてよく、ここで、AP 2のバック・ツー・バックの隣接APはAP 3であり、AP 2のフェイス・ツー・フェイスの隣接APはAP 1である。ネットワーク計画において、ハンドオーバデバイスは、現在のアクセスポイントの隣接アクセスポイントの属性および対応する識別子を記憶するように指定されてよい。例えば、現在のアクセスポイントがAP 1であり、AP 1の隣接アクセスポイントがAP 0およびAP 2であり、隣接アクセスポイントの属性は、フェイス・ツー・フェイスおよびバック・ツー・バックを含むと仮定すると、現在のアクセスポイントの隣接アクセスポイントの属性および対応する識別子は、フェイス・ツー・フェイス属性を持つ隣接アクセスポイントの対応する識別子はAP 0であり、バック・ツー・バック属性を持つ隣接アクセスポイントの対応する識別子はAP 2であることであってよい。
【0039】
異なるネットワーク配置に適応するために、本願は、ネットワーク全体における全てのAPのために同じチャネルが設定されるか、または、ネットワーク全体における全てのAPのために異なるチャネルが設定される周波数間の配置に適用可能である。
【0040】
図4は、本願の実施形態に係る、ハンドオーバデバイスの概略構成図である。本願では、ハンドオーバデバイスは、処理モジュール401、通信モジュール402および記憶モジュール403を含んでよい。処理モジュール401は、ハンドオーバデバイスの様々なハードウェア装置、アプリケーションソフトウェア等を制御するように構成される。通信モジュール402は、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution, LTE)およびWi-Fi等の通信モードにおいて、他のデバイスによって送信された命令を受け入れるように構成され、また、ハンドオーバデバイスのデータを他のデバイスに送信してもよい。記憶モジュール403は、ハンドオーバデバイスのソフトウェアプログラムを記憶し、データを記憶し、ソフトウェアを実行する等を行うように構成される。
【0041】
本願のプロセスは、概ね、ハンドオーバデバイスが、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離の変化傾向を取得することである。高速道路上の線形配置により、端末の変化傾向は期間内で明確であり、変化傾向はより大きくなってもより小さくなってもよい。変化傾向と、現在のアクセスポイントの隣接アクセスポイントとの間の対応関係を取得した後、ハンドオーバデバイスは、端末がハンドオーバされるべきターゲットアクセスポイントを決定する。その後、ハンドオーバデバイスは、端末と現在のアクセスポイントとの間の接続を、端末とターゲットアクセスポイントとの間の接続に切り替える。端末がターゲットアクセスポイントにハンドオーバされるまで端末が現在のアクセスポイントにアクセスするプロセスにおいては、ハンドオーバデバイスは、端末と現在のアクセスポイントとの間のラウンドトリップ時間(RTT)を収集する異なる状態を有し得ることは特に留意されるべきである。加えて、ハンドオーバデバイスがRTTを収集する度に、ハンドオーバデバイスは、RTTに基づいて、端末から現在のアクセスポイントへの距離を計算する。
【0042】
本願の実施形態は、無線ネットワークハンドオーバ方法を提供する。
図5に示されるように、方法は、以下のステップを含む。
【0043】
501. ハンドオーバデバイスが、端末が現在のアクセスポイントにアクセスしていると決定した後、ハンドオーバデバイスは、第1の頻度において、端末と現在のアクセスポイントとの間のRTTを不連続的に取得する。
【0044】
RTTは、APによって要求パケットを端末に送信する時刻と、APによって応答パケットを端末から受信する時刻との間の差である。
【0045】
ネットワーク内には多数の端末があるため、ハンドオーバデバイスが、各端末に対して比較的高い頻度においてRTTを周期的に検出し収集する場合、比較的高いオーバヘッドが引き起こされる。従って、ハンドオーバデバイスが、端末が現在のアクセスポイントにアクセスしていると決定した後、ハンドオーバデバイスは、第1の頻度において、端末と現在のアクセスポイントとの間のRTTを不連続的に取得してよい。
【0046】
例えば、ハンドオーバデバイスは、毎秒連続して4秒間RTTを収集し、2秒間収集を停止し、その後、3秒間RTTを連続的に収集し、1秒間収集を停止する方式で、端末と現在のアクセスポイントとの間のRTTを収集してよい。ここで、ハンドオーバデバイスが、第1の頻度において、端末と現在のアクセスポイントとの間のRTTを不連続的に収集する状態は、安定状態と呼ばれる。
【0047】
ハンドオーバデバイスは、現在のAPにRTTを収集するように指示してよく、さらに、現在のAPから、現在のアクセスポイントと端末との間のRTTを取得してよい。具体的には、ハンドオーバデバイスは、要求パケットを端末に送信するように現在のAPに指示してよく、要求パケットを受信した後、端末は、応答パケットを現在のAPに送信し、現在のAPは、送信時刻と受信時刻との間の差を計算して、RTTを取得し、その後、取得されたRTTをハンドオーバデバイスに送信する。
【0048】
加えて、ハンドオーバデバイスが、端末によって現在のアクセスポイントにアクセスするプロセスが端末によって開始されたことを決定した場合、ハンドオーバデバイスは、第3の頻度において、端末と現在のAPとの間のRTTを取得してよく、例えば、毎秒3回の頻度で周期的にRTTを収集してよい。ここで、ハンドオーバデバイスによって、端末と現在のアクセスポイントとの間のRTTを周期的に取得する状態は、初期状態と呼ばれる。
【0049】
502. ハンドオーバデバイスは、RTTに基づいて、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離を取得して、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離の変化傾向を決定する。
【0050】
RTTは、光速での伝播時間である。端末とAPとの間のラウンドトリップ距離は、RTTに光速を乗じることによって取得されてよく、端末とAPとの間の距離は、ラウンドトリップ距離を2で割ることによって取得されてよい。
【0051】
端末から現在のAPまでの距離の変化傾向は、端末から現在のAPまでの前回の検出時間に検出された距離を、端末から現在のAPまでの次の検出時間において検出された距離と比較することによって決定されてよく、端末から現在のAPまでの前回の検出時間において検出された距離が、端末から現在のAPまでの次の検出時間において検出された距離よりも短い場合、端末から現在のAPまでの距離の変化傾向は下降傾向であり、または、端末から現在のAPまでの前回の検出時間において検出された距離が、端末から現在のAPまでの次の検出時間において検出された距離よりも長い場合、端末から現在のAPまでの距離の変化傾向は上昇傾向である。
【0052】
503. 変化傾向が上昇傾向である場合、ハンドオーバデバイスは、変化傾向と現在のアクセスポイントの隣接アクセスポイントとの間の対応関係に基づいて、属性がフェイス・ツー・フェイスである隣接アクセスポイントがターゲットアクセスポイントであると決定する。
【0053】
フェイス・ツー・フェイス属性は、現在のアクセスポイントと隣接アクセスポイントとの間の距離が第1の閾値以上であることを示すために使用され、ここで、第1の閾値は、ネットワーク計画に従って設定され得る。例えば、第1の閾値は600メートルに指定されてよい。具体的には、現在のアクセスポイントからの距離が600メートル以上である隣接アクセスポイントはフェイス・ツー・フェイスのアクセスポイントである。
【0054】
換言すると、端末から現在のアクセスポイントまでの距離の変化傾向が上昇傾向である場合、すなわち、端末から現在のアクセスポイントまでの距離がより長くなる場合、ユーザが現在のアクセスポイントから離れて運転していることを示す。この場合、ハンドオーバデバイスは、端末がハンドオーバされるべき隣接アクセスポイントの属性がフェイス・ツー・フェイスであり、すなわち、端末がハンドオーバされるべきターゲットAPがフェイス・ツー・フェイスの隣接APであると決定してよい。例えば、現在のアクセスポイントがAP 1であり、現在のアクセスポイントが2つの隣接アクセスポイントAP 2およびAP 0を有し、ここで、AP 2の属性がフェイス・ツー・フェイスである場合、端末からAP 1までの距離の変化傾向が上昇傾向である場合、ハンドオーバデバイスは、端末がハンドオーバされるべき隣接アクセスポイントの属性がフェイス・ツー・フェイスであり、フェイス・ツー・フェイスの隣接アクセスポイントはターゲットアクセスポイントであり、すなわち、AP 2はターゲットアクセスポイントであると決定してよい。
【0055】
加えて、変化傾向が上昇傾向であり、ハンドオーバデバイスが、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離が第1のプレハンドオーバ距離閾値以上であると決定した場合、ハンドオーバデバイスは、第2の頻度において、端末と現在のアクセスポイントとの間のRTTを取得し、ここで、第2の頻度は第1の頻度よりも高い。第1のプレハンドオーバ距離閾値は、端末がネットワークハンドオーバを実行するためのハンドオーバ距離に達しようとしていることを示すために使用される。第1のプレハンドオーバ距離閾値は、ネットワーク計画において設定されてよく、例えば、500メートルに設定されてよい。端末がハンドオーバ距離に達しようとしているとき、RTTを収集する頻度は増加されてよく、その結果、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離は、ハンドオーバの準備のために正確に決定されることができる。従って、第2の頻度は、第1の頻度よりも高い。ここで、第2の頻度において、端末と現在のアクセスポイントとの間のRTTをハンドオーバデバイスによって取得する状態は、プレハンドオーバ状態と呼ばれてよい。
【0056】
ハンドオーバデバイスが、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離が、端末によってネットワークハンドオーバを実行するための閾値である、第1のハンドオーバ距離閾値以上であると決定した場合、ハンドオーバデバイスは、端末と現在のアクセスポイントとの間のRTTの取得を停止する。RTTは距離を決定するために一時的に収集される必要はないため、RTTの収集は、オーバヘッドを低減するために、ハンドオーバ中停止されてよい。ここで、端末と現在のアクセスポイントとの間のRTTをハンドオーバデバイスによって取得することを停止する状態は、ハンドオーバ状態と呼ばれてよい。
【0057】
504. ターゲットアクセスポイントがフェイス・ツー・フェイスの隣接アクセスポイントであり、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離が第1のハンドオーバ距離閾値以上である場合、ハンドオーバデバイスは、現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントに、端末をハンドオーバする。
【0058】
ハンドオーバデバイスは、端末および現在のアクセスポイントのコンテキスト情報をターゲットアクセスポイントに送信するように現在のアクセスポイントに指示することによって、または、現在のアクセスポイントから取得したコンテキスト情報をターゲットアクセスポイントに送信することによって、または、コンテキスト情報をアクティブ状態に設定するようにターゲットアクセスポイントに指示することによって、端末と現在のアクセスポイントとの間の接続を、端末とターゲットアクセスポイントとの間の接続に切り替えてよい。
【0059】
端末および現在のアクセスポイントのコンテキスト情報は、現在のAPのインターネットプロトコル(Internet Protocol, IP)アドレス、現在のAPのメディアアクセス制御(Media Access Control, MAC)アドレス、端末のMACアドレスおよび端末が属するBSSIDを含んでよい。端末および現在のアクセスポイントのコンテキスト情報は、現在のAPの基本サービスセット識別子(basic service set identifier, BSSID)、現在のAPの識別子、端末のチャネル、端末のエアインタフェース能力情報、すなわち、伝送速度、Wi-Fiマルチメディア(Wi-Fi Multimedia, WMM)能力、高スループット(high throughput, HT)能力、アグリゲーション能力等をさらに含んでよい。ユーザがネットワークの変化を認識しないようにするために、端末および現在のアクセスポイントのコンテキスト情報におけるAPのネットワーク識別子(BSSID)は変更されないままであってよい。各端末は、一意のBSSIDに対応してよく、または、全ての端末は同じBSSIDに対応してよい。このようにして、BSSIDが変更されないため、端末は、端末が常に同じAPに接続されていると見なしてよく、従って、ハンドオーバプロセスを認識しない。
【0060】
ターゲットアクセスポイントがフェイス・ツー・フェイスの隣接アクセスポイントであり、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離が、第1のハンドオーバ距離閾値以上である場合、ハンドオーバデバイスは、端末および現在のアクセスポイントのコンテキスト情報をターゲットアクセスポイントに送信するように現在のアクセスポイントに指示し、または、ハンドオーバデバイスは、現在のアクセスポイントから取得したコンテキスト情報をターゲットアクセスポイントに送信する。このプロセスは、フェイス・ツー・フェイスハンドオーバと呼ばれてよい。
【0061】
第1のハンドオーバ距離閾値は、静的設定と動的設定の2つの方式で事前設定されてよい。静的設定では、ネットワーク計画中に、現在のアクセスポイントから、現在のアクセスポイントとフェイス・ツー・フェイスの隣接アクセスポイントとの間の重複カバレッジエリアまでの中央値が、第1のハンドオーバ距離閾値、例えば、600メートルまたは、600メートルに対応するRTT値として直接設定されてよい。動的設定では、ハンドオーバデバイスは、現在のアクセスポイントおよびフェイス・ツー・フェイスの隣接アクセスポイントに、現在のアクセスポイントとフェイス・ツー・フェイスの隣接アクセスポイントとの間の距離を相互に測定するように要求し、次いで、現在のアクセスポイントとフェイス・ツー・フェイスの隣接アクセスポイントとの間の距離の中央値を計算し、その中央値を第1のハンドオーバ距離閾値として決定する。現在のアクセスポイントおよびフェイス・ツー・フェイスの隣接アクセスポイントが、現在のアクセスポイントとフェイス・ツー・フェイスの隣接アクセスポイントとの間の距離を相互に測定するプロセスは、現在のアクセスポイントが、RTTプローブ要求をフェイス・ツー・フェイスの隣接アクセスポイントに送信し、フェイス・ツー・フェイスの隣接アクセスポイントは応答を返し、現在のアクセスポイントは、要求と応答の間の時間差に基づいてRTTを取得し、その後、フェイス・ツー・フェイスの隣接アクセスポイントは、現在のアクセスポイントをプローブしてRTTを取得し、現在のアクセスポイントおよび/またはフェイス・ツー・フェイスの隣接アクセスポイントは、RTTをハンドオーバデバイスのエンジンに報告し、ハンドオーバデバイスは、現在のアクセスポイントまたはフェイス・ツー・フェイスのアクセスポイントによって報告されたRTTに基づいて、現在のアクセスポイントとフェイス・ツー・フェイスの隣接アクセスポイントとの間の距離を取得し、または、ハンドオーバデバイスは、現在のアクセスポイントおよびフェイス・ツー・フェイスのアクセスポイントによって報告されたRTTの平均値に基づいて、現在のアクセスポイントとフェイス・ツー・フェイスの隣接アクセスポイントとの間の距離を取得することであってよい。RTTに基づいて距離を取得する方法については、ステップ502を参照されたい。
【0062】
代替的な方式では、ハンドオーバデバイスが現在のアクセスポイントによって送信されたコンテキスト情報を受信し、コンテキスト情報を隣接アクセスポイントに送信する場合、ハンドオーバデバイスが、ターゲットアクセスポイントがフェイス・ツー・フェイスの隣接アクセスポイントであり、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離が第1のハンドオーバ距離閾値以上であると決定したとき、ハンドオーバデバイスは、コンテキスト情報を有効状態またはアクティブ状態に設定するようにターゲットアクセスポイントに指示して、端末をターゲットアクセスポイントにハンドオーバしてよい。換言すると、コンテキスト情報は、ハンドオーバデバイスが、端末と現在のアクセスポイントとの間の接続を、端末とターゲットアクセスポイントとの間の接続に切り替えるとき、ターゲットアクセスポイントに送信されてよく、または、ハンドオーバデバイスが、端末と現在のアクセスポイントとの間の接続を、端末とターゲットアクセスポイントとの間の接続に切り替える前に、現在のアクセスポイントの隣接アクセスポイントに送信されてよい。ハンドオーバデバイスが、端末と現在のアクセスポイントとの間の接続を、端末とターゲットアクセスポイントとの間の接続に切り替える前に、コンテキスト情報が現在のアクセスポイントの隣接アクセスポイントに送信される場合、隣接アクセスポイントは、コンテキスト情報を無効または保留状態に設定するように指示されてよい。
【0063】
ハンドオーバデバイスが、端末と現在のアクセスポイントとの間の接続を、端末とターゲットアクセスポイントとの間の接続に切り替える前に、コンテキスト情報が現在のアクセスポイントの隣接アクセスポイントに送信される場合、端末が現在のアクセスポイントへのアクセスを開始した後に、現在のアクセスポイントは、関連するユーザのコンテキスト情報をハンドオーバデバイスに送信し、その後、ハンドオーバデバイスは、ハンドオーバデバイスによって記憶される、現在のアクセスポイントの隣接アクセスポイントの属性および対応する識別子に基づいて、現在のアクセスポイントの隣接アクセスポイントを決定し、関連するユーザのコンテキスト情報を、隣接アクセスポイントにさらに送信する。例えば、
図3に示されるように、AP 1が現在のアクセスポイントであり、ハンドオーバデバイスによって記憶される、現在のアクセスポイントの隣接アクセスポイントの属性および対応する識別子がAP 1のフェイス・ツー・フェイスの隣接APおよびバック・ツー・バックの隣接APがそれぞれAP 2およびAP 1であることであると仮定すると、AP 1は、端末がAP 1にアクセスした後に、ユーザの関連付け情報をハンドオーバデバイスに送信し、その後、ハンドオーバデバイスは、AP 1から取得されるユーザの関連付け情報を、AP 1の隣接アクセスポイントAP 0およびAP 2に送信する。
【0064】
505. ハンドオーバデバイスが、現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントに、端末をハンドオーバした後、端末が、現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントにハンドオーバされることを失敗した場合、ハンドオーバデバイスは、第1の頻度以上かつ第2の頻度以下である第3の頻度において、端末と現在のアクセスポイントとの間のRTTを取得する。
【0065】
ハンドオーバデバイスが、端末と現在のアクセスポイントとの間の接続をフェイス・ツー・フェイスの隣接アクセスポイントに切り替えることに失敗した場合、ハンドオーバデバイスは、第3の頻度において、端末と現在のアクセスポイントとの間のRTTを取得し、すなわち、初期状態において、端末と現在のアクセスポイントとの間のRTTを取得する。ハンドオーバが失敗した後、ハンドオーバデバイスは、端末の位置を正確に決定することがどうしてもできないため、ハンドオーバデバイスが、次のハンドオーバに備えるために端末の位置を迅速に決定するために、RTTは、比較的高い頻度に収集される必要がある。第3の頻度は、第1の頻度以上であり、かつ、第2の頻度以下である。例えば、第3の頻度が毎秒RTTを収集することであると仮定すると、第1の頻度は、2秒毎にRTTを収集することであってよく、第2の頻度は、0.5秒毎にRTTを収集することであってよい。
【0066】
506. ハンドオーバデバイスが、ターゲットアクセスポイントによって送信されたハンドオーバ要求を受信した場合、ハンドオーバデバイスは、端末とターゲットアクセスポイントとの間の、ターゲットアクセスポイントによって送信された受信信号強度インジケータ(received signal strength indication, RSSI)が第3の閾値に達するかどうかを判定し、ここで、ハンドオーバ要求は、端末と現在のアクセスポイントとの間の接続をターゲットアクセスポイントに切り替えることを要求するために使用され、判定が肯定である場合に、ステップ507を実行する。
【0067】
1つのケースでは、ハンドオーバデバイスが、ハンドオーバが失敗したと決定したとき、端末が現在のアクセスポイントのカバレッジエリアの外に移動した場合、すなわち、ターゲットアクセスポイントのカバレッジエリアの中に移動した場合、端末はアップリンクパケットを送信し、ここで、アップリンクパケットはWLAN管理制御フレーム、プローブ要求(Probe Request)、データフレーム等を含む。ターゲットアクセスポイントが、端末のアップリンクパケットを検出した場合、ターゲットアクセスポイントは、ハンドオーバ要求をハンドオーバデバイスに送信し、パケットのRSSIをハンドオーバデバイスに送信し、ハンドオーバデバイスは、端末とターゲットアクセスポイントとの間の、ターゲットアクセスポイントによって送信された受信信号強度インジケータRSSIが第3の閾値に達したかどうかを判定する。第3の閾値は、同一チャネルブラインドハンドオーバRSSI閾値またはチャネル間ブラインドハンドオーバRSSI閾値であってよく、ここで、同一チャネルブラインドハンドオーバRSSI閾値は、現在のアクセスポイントおよびターゲットアクセスポイントが同じチャネル上にある場合に、端末が現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントにハンドオーバされたかどうかを判定するための閾値であってよい。チャネル間ブラインドハンドオーバRSSI閾値は、ターゲットアクセスポイントおよび現在のアクセスポイントが異なるチャネル上にある場合に、端末が現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントにハンドオーバされたかどうかを判定するための閾値であってよい。
【0068】
別のケースでは、ハンドオーバデバイスが、貧弱な信号または他の理由により、ステップ501からステップ505を実行しない場合、すなわち、端末が、現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントにハンドオーバされることを失敗した場合、モバイル端末が、ターゲットアクセスポイントのカバレッジエリアの中に既に移動した場合、すなわち、ターゲットアクセスポイントが、モバイル端末によって送信されたアップリンクパケットを受信した場合、ハンドオーバデバイスは、端末とターゲットアクセスポイントとの間の、ターゲットアクセスポイントによって送信されたRSSIを受信し、端末とターゲットアクセスポイントとの間の、ターゲットアクセスポイントによって送信されたRSSIが第3の閾値に達したかどうかを判定する。
【0069】
加えて、ハンドオーバデバイスが、ターゲットアクセスポイントによって送信されたハンドオーバ要求を受信した後に実行されるハンドオーバプロセスは、ブラインドハンドオーバと呼ばれてよい。
図5Aに示されるように、AP 1が端末の現在のアクセスポイントであり、AP 2が端末のターゲットアクセスポイント、すなわち、フェイス・ツー・フェイスの隣接アクセスポイントであると仮定すると、フェイス・ツー・フェイスハンドオーバは、端末が第1のハンドオーバ距離閾値に達したときにハンドオーバデバイスによって開始されるハンドオーバプロセスであり、ブラインドハンドオーバは、フェイス・ツー・フェイスハンドオーバが失敗した後にハンドオーバデバイスによって開始されるハンドオーバプロセスである。
【0070】
507. ハンドオーバデバイスは、端末および現在のアクセスポイントのコンテキスト情報をターゲットアクセスポイントに送信するように現在のアクセスポイントに指示するか、または、ハンドオーバデバイスは、現在のアクセスポイントから取得したコンテキスト情報をターゲットアクセスポイントに送信するか、または、ハンドオーバデバイスは、コンテキスト情報をアクティブ状態に設定するようにターゲットアクセスポイントに指示する。
【0071】
加えて、コンテキスト情報を受信した後、ターゲットアクセスポイントは、プローブ応答を端末に送信してよく、ここで、送信元アドレスフィールドは、現在のアクセスポイントによって端末に割り当てられたBSSIDを搬送する。現在のアクセスポイントおよびターゲットアクセスポイントが異なるチャネル上にある場合、ターゲットアクセスポイントは、ユニキャストビーコン(Beacon)を端末に直ちに送信する必要があり、ここで、送信元アドレスは、現在のアクセスポイントによって端末に割り当てられたBSSIDを搬送し、また、チャネル切替え通知(Channel Switch Announcement, CSA)パラメータを搬送する。CSAパラメータに含まれる、ターゲットアクセスポイントの動作チャネルは、端末が動作チャネルを変更することを示すために使用される。その後、ターゲットアクセスポイントは、端末にサービスを提供してよい。例えば、ターゲットアクセスポイントは、端末にサービスを配信する。
【0072】
ハンドオーバデバイスが、現在のアクセスポイントによって送信されたコンテキスト情報を受信し、コンテキスト情報を隣接アクセスポイントに送信した場合、ハンドオーバデバイスが、ターゲットアクセスポイントによって送信されたハンドオーバ要求を受信し、ハンドオーバデバイスが、端末とターゲットアクセスポイントとの間の、ターゲットアクセスポイントによって送信された受信信号強度インジケータRSSIが第3の閾値に達すると決定したとき、ハンドオーバデバイスは、コンテキスト情報をアクティブ状態に設定するようにターゲットアクセスポイントに指示して、端末をターゲットアクセスポイントにハンドオーバしてよい。
【0073】
ハンドオーバデバイスが、現在のアクセスポイントによって送信されたコンテキスト情報を受信し、コンテキスト情報を隣接アクセスポイントに送信する具体的なプロセスについては、ステップ504を参照されたい。
【0074】
例えば、
図5Bに示されるように、現在のアクセスポイントがAP 5であり、AP 5の隣接アクセスポイントがAP 4およびAP 3であると仮定すると、端末がAP 5と関連付けられた後、AP5は、関連するユーザのコンテキスト情報をハンドオーバデバイスに送信し、その後、ハンドオーバデバイスは、AP 4およびAP 3に、関連するユーザの、AP 5によって送信されたコンテキスト情報を送信する。端末が、AP 5のカバレッジエリアからAP 4のカバレッジエリアに移動し、アップリンクパケットをAP 4に送信する、すなわち、AP 4が現在のアクセスポイントのターゲットアクセスポイントであると仮定すると、AP 4は、ハンドオーバ要求をハンドオーバデバイスに送信する。加えて、ハンドオーバデバイスが、端末とターゲットアクセスポイントとの間の、ターゲットアクセスポイントによって送信された受信信号強度インジケータRSSIが第3の閾値に達すると決定したとき、ハンドオーバデバイスは、コンテキスト情報をアクティブ状態に設定するようにAP 4に指示する。AP 4およびAP 5が異なるチャネル上に配置されていると仮定すると、AP 4は、プローブ応答およびユニキャストビーコンをその後端末に送信してよく、それによって、端末にサービスを配信する。
【0075】
前述の説明からわかるように、ハンドオーバデバイスによって、端末が現在のアクセスポイントにアクセスしていると決定することから、現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントまで、ハンドオーバデバイスによって、端末のハンドオーバを開始することまで、
図5Cに示されるように、ハンドオーバデバイスによって、端末と現在のアクセスポイントとの間のRTTを取得する状態について、状態遷移のシーケンスは、安定状態、プレハンドオーバ状態およびハンドオーバ状態であってよい。具体的には、前述の状態遷移および各状態における機能が
図5Dに示される。現在のアクセスポイントがAP 1であり、端末がAP 1にアクセスする前に関連付けられたアクセスポイントがAP 0であり、端末がハンドオーバされるべきターゲットアクセスポイントがAP 2であり、AP 2のバック・ツー・バックの隣接APがAP 3であると仮定される。図中の小さな黒いブロックはタイムポイントであり、各タイムポイントは、ハンドオーバデバイスがRTTを収集することを示してよい。端末がAP 1にアクセスする前、ハンドオーバデバイスは、初期状態で端末とAP 0との間のRTTを収集してよく、例えば、100ミリ秒毎に、端末と、以前端末に関連付けられたAPとの間のRTTを収集してよい。端末がAP 1にアクセスしていると決定した後、ハンドオーバデバイスは、最初に、安定状態で、端末と現在のアクセスポイントとの間のRTTを収集し、例えば、3秒間プローブし、4秒間クローズし、その後2秒間プローブし、2秒間クローズし・・・という方式で、端末と現在のアクセスポイントとの間のRTTを取得する。収集されたRTTに基づく計算を介して取得された結果が、端末とAP 1との間の距離がプレハンドオーバ距離閾値以上であることを示す場合、ハンドオーバデバイスは、プレハンドオーバ状態で、端末とAP 1との間のRTTを収集してよく、例えば、100ミリ秒毎にプローブする頻度で、端末と、以前端末に関連付けられたAPとの間のRTTを取得してよい。収集されたRTTに基づく計算を介して取得された結果が、端末とAP 1との間の距離がハンドオーバ距離閾値以上であることを示す場合、ハンドオーバデバイスは、ハンドオーバ状態で、端末とAP 1との間のRTTを収集し、すなわち、端末とAP 1との間のRTTの収集を停止する。端末が、ハンドオーバプロセスを完了し、AP 2にアクセスした場合、ハンドオーバデバイスは、安定状態、プレハンドオーバ状態およびハンドオーバ状態のシーケンスで、端末とAP 2との間のRTTの収集を継続してよい。ハンドオーバデバイスが、端末と現在のアクセスポイントとの間の接続を、端末とターゲットアクセスポイントとの間の接続に切り替えることを失敗した場合、ハンドオーバデバイスは、初期状態で、端末とAP 2との間のRTTを収集してよい。
【0076】
このようにして、ハンドオーバデバイスが、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離の変化傾向がより大きくなると決定した場合、ハンドオーバデバイスは、端末のハンドオーバ中のターゲットアクセスポイントがフェイス・ツー・フェイスの隣接アクセスポイントであると決定してよい。端末と現在のアクセスポイントとの間の距離が第1のハンドオーバ距離に達する場合、ハンドオーバデバイスは、端末および現在のアクセスポイントのコンテキスト情報をターゲットアクセスポイントに送信するように現在のアクセスポイントに指示することによって、または、現在のアクセスポイントから取得したコンテキスト情報をターゲットアクセスポイントに送信することによって、または、コンテキスト情報をアクティブ状態に設定するようにターゲットアクセスポイントに指示することによって、現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントに端末をハンドオーバしてよい。再関連付けによって、端末によってターゲットAPに開始される従来のローミングハンドオーバプロセスにおいて、端末は、無線ネットワークから一時的に切断され、従って、再関連付けによるローミングハンドオーバプロセスにおいてサービスパケット損失が引き起こされる。従来のプロセスと比較すると、本願では、ハンドオーバプロセスは、ハンドオーバデバイスによって開始される。従って、端末は、ハンドオーバプロセス全体を認識しなくてよく、端末のハンドオーバ中のサービスパケット損失の課題が解決される。
【0077】
本願の実施形態は、無線ネットワークハンドオーバ方法を提供する。
図6に示されるように、方法は以下のステップを含む。
【0078】
601. ハンドオーバデバイスが、端末が現在のアクセスポイントにアクセスしていると決定した後、ハンドオーバデバイスは、第1の頻度において、端末と現在のアクセスポイントとの間のRTTを不連続的に取得する。
【0079】
602. ハンドオーバデバイスは、RTTに基づいて、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離を取得して、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離の変化傾向を決定する。
【0080】
具体的なプロセスについては、ステップ502を参照されたい。
【0081】
603. 変化傾向が下降傾向である場合、ハンドオーバデバイスが、変化傾向と現在のアクセスポイントの隣接アクセスポイントとの間の対応関係に基づいて、属性がバック・ツー・バックである隣接アクセスポイントがターゲットアクセスポイントであると決定する。
【0082】
バック・ツー・バック属性は、現在のアクセスポイントと隣接アクセスポイントとの間の距離が第2の閾値以下であることを示すために使用され、ここで、第2の閾値は、ネットワーク計画に従って設定され得る。例えば、現在のアクセスポイントからの距離が50メートルである隣接アクセスポイントはバック・ツー・バックのアクセスポイントとして指定されてよい。
【0083】
端末から現在のアクセスポイントまでの距離の変化傾向が下降傾向である場合、すなわち、端末から現在のアクセスポイントまでの距離がより短くなる場合、ユーザが現在のアクセスポイントに向かって運転していることを示す。この場合、ハンドオーバデバイスは、端末がハンドオーバされるべき隣接アクセスポイントの属性がバック・ツー・バックであり、すなわち、ハンドオーバターゲットがバック・ツー・バックの隣接APであると決定してよい。ハンドオーバデバイスは、バック・ツー・バックの隣接APの対応する識別子に基づいて、ターゲットアクセスポイントを決定してよい。例えば、現在のアクセスポイントがAP 1であり、現在のアクセスポイントは2つの隣接アクセスポイントAP 2およびAP 0を有し、ここで、AP 0の属性はバック・ツー・バックである場合、端末からAP 1までの距離の変化傾向が下降傾向である場合、ハンドオーバデバイスは、端末がハンドオーバされるべき隣接アクセスポイントの属性がバック・ツー・バックであり、バック・ツー・バックの隣接アクセスポイントはターゲットアクセスポイントであり、すなわち、AP 0はターゲットアクセスポイントであると決定してよい。
【0084】
加えて、変化傾向が下降傾向であり、ハンドオーバデバイスが、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離が、端末がハンドオーバ距離に達しようとしていることを示すために使用される、第2のプレハンドオーバ距離閾値以下であると決定した場合、ハンドオーバデバイスは、第2の頻度で、端末と現在のアクセスポイントとの間のRTTを取得し、ここで、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離が第2のプレハンドオーバ距離閾値以下である場合、端末はハンドオーバされるため、第2の頻度は、第1の頻度よりも高い。従って、RTTは、より高い頻度で収集される必要があり、その結果、ハンドオーバデバイスは、端末の位置をより正確に知る。バック・ツー・バックのアクセスポイントであるターゲットアクセスポイントについては、第2のプレハンドオーバ距離閾値は、ネットワーク計画において設定されてよく、例えば、60メートルに設定されてよい。
【0085】
ハンドオーバデバイスが、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離が、端末がネットワークハンドオーバを実行するためのハンドオーバ距離に達したことを示すために使用される、第2のハンドオーバ距離閾値以下であると決定した場合、ハンドオーバデバイスは、端末と現在のアクセスポイントとの間のRTTの取得を停止する。端末が現在のアクセスポイントのカバレッジエリアの外に移動してローミングし、ターゲットAPにハンドオーバされた後、ハンドオーバデバイスは、最初に、安定状態で、端末と次のアクセスポイントとの間のRTTを一時的に取得してよい。
【0086】
604. ターゲットアクセスポイントがバック・ツー・バックの隣接アクセスポイントであり、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離が第2のハンドオーバ距離閾値以下である場合、ハンドオーバデバイスは、現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントに、端末をハンドオーバする。
【0087】
具体的には、ターゲットアクセスポイントがバック・ツー・バックの隣接アクセスポイントであり、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離が第2のハンドオーバ距離閾値以下である場合、ハンドオーバデバイスは、端末および現在のアクセスポイントのコンテキスト情報をターゲットアクセスポイントに送信するように現在のアクセスポイントに指示し、または、ハンドオーバデバイスは、現在のアクセスポイントから取得したコンテキスト情報をターゲットアクセスポイントに送信する。このプロセスは、バック・ツー・バックハンドオーバと呼ばれてよい。
【0088】
第2のハンドオーバ距離閾値は、静的設定と動的設定の2つの方式で事前設定されてよい。静的設定では、ネットワーク計画中、2つのAP間の重複カバレッジにおける中央値が、第2のハンドオーバ距離閾値として直接設定されてよく、例えば、60メートル、または60メートルに対応するRTT時間値に直接設定されてよい。動的設定では、ハンドオーバデバイスが、2つのAP間の距離を相互に測定するように2つのAPに要求し、その後、2つのAP間の距離の中央値を計算し、その中央値を第2のハンドオーバ距離閾値として決定する。
【0089】
代替的な方式では、ハンドオーバデバイスが現在のアクセスポイントによって送信されたコンテキスト情報を受信し、コンテキスト情報を隣接アクセスポイントに送信する場合、ハンドオーバデバイスが、ターゲットアクセスポイントがバック・ツー・バックの隣接アクセスポイントであり、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離が第2のハンドオーバ距離閾値以下であると決定したとき、ハンドオーバデバイスは、コンテキスト情報をアクティブ状態に設定するようにターゲットアクセスポイントに指示して、端末をターゲットアクセスポイントにハンドオーバしてよい。
【0090】
ステップ603およびステップ604で使用される配置モードは、2つのAPが同じポール上に配置され、2つのAPがそれぞれ1つの方向をカバーすることである。別の代替的な配置ソリューションでは、
図6Aに示されるように、1つのAPは、1つのポール上に配置されるが、APはそれぞれ異なる方向をカバーする2つのアンテナに接続される。ステップ603からステップ604の代替的な方式は、端末が現在のAPの右アンテナを使用することによって現在のアクセスポイントと通信し、変化傾向が下降傾向である場合、ハンドオーバデバイスは、無線端末と通信するために左アンテナを選択するように現在のAPに指示することを決定することである。
【0091】
605. ハンドオーバデバイスが、現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントに、端末をハンドオーバした後、端末が、現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントにハンドオーバされることを失敗した場合、ハンドオーバデバイスは、第1の頻度以上かつ第2の頻度以下である第3の頻度において、端末と現在のアクセスポイントとの間のRTTを取得する。
【0092】
換言すると、ハンドオーバデバイスが、端末と現在のアクセスポイントとの間の接続をバック・ツー・バックの隣接アクセスポイントに切り替えることを失敗した場合、ハンドオーバデバイスは、第3の頻度において、端末と現在のアクセスポイントとの間のRTTを取得してよく、すなわち、初期状態において、端末と現在のアクセスポイントとの間のRTTを取得する。
【0093】
606. ハンドオーバデバイスが、ターゲットアクセスポイントによって送信されたハンドオーバ要求を受信した場合、ハンドオーバデバイスは、端末とターゲットアクセスポイントとの間の、ターゲットアクセスポイントによって送信された受信信号強度インジケータRSSIが第3の閾値に達するかどうかを判定し、ここで、ハンドオーバ要求は、端末と現在のアクセスポイントとの間の接続をターゲットアクセスポイントに切り替えることを要求するために使用され、判定が肯定である場合に、ステップ607を実行する。
【0094】
具体的なプロセスについては、ステップ506を参照されたい。
【0095】
加えて、ハンドオーバデバイスが、ターゲットアクセスポイントによって送信されたハンドオーバ要求を受信した後に実行されるハンドオーバプロセスは、ブラインドハンドオーバと呼ばれてよい。
図6Bに示されるように、AP 1が端末の現在のアクセスポイントであり、AP 0が端末のターゲットアクセスポイント、すなわち、バック・ツー・バックの隣接アクセスポイントであると仮定すると、図中のバック・ツー・バックハンドオーバは、端末が現在のアクセスポイントのカバレッジエリア内にあるときにハンドオーバデバイスによって開始されるハンドオーバプロセスであり、図中のブラインドハンドオーバは、バック・ツー・バックハンドオーバが失敗した後にハンドオーバデバイスによって開始されるハンドオーバプロセスである。
【0096】
607. ハンドオーバデバイスは、端末および現在のアクセスポイントのコンテキスト情報をターゲットアクセスポイントに送信するように現在のアクセスポイントに指示するか、または、ハンドオーバデバイスは、現在のアクセスポイントから取得したコンテキスト情報をターゲットアクセスポイントに送信するか、または、ハンドオーバデバイスは、コンテキスト情報をアクティブ状態に設定するようにターゲットアクセスポイントに指示する。
【0097】
具体的なプロセスについては、ステップ507を参照されたい。
【0098】
このようにして、ハンドオーバデバイスが、端末と現在のアクセスポイントとの間の距離の変化傾向がより小さくなると決定した場合、ハンドオーバデバイスは、端末のハンドオーバ中のターゲットアクセスポイントがバック・ツー・バックの隣接アクセスポイントであると決定してよい。端末と現在のアクセスポイントとの間の距離が第2のハンドオーバ距離閾値に達する場合、ハンドオーバデバイスは、端末および現在のアクセスポイントのコンテキスト情報をターゲットアクセスポイントに送信するように現在のアクセスポイントに指示することによって、または、現在のアクセスポイントから取得したコンテキスト情報をターゲットアクセスポイントに送信することによって、または、コンテキスト情報をアクティブ状態に設定するようにターゲットアクセスポイントに指示することによって、現在のアクセスポイントからターゲットアクセスポイントに端末をハンドオーバしてよい。再関連付けによって、端末によってターゲットAPに開始される従来のローミングハンドオーバプロセスにおいて、端末は、無線ネットワークから一時的に切断され、従って、再関連付けによるローミングハンドオーバプロセスにおいてサービスパケット損失が引き起こされる。従来のプロセスと比較すると、本願では、ハンドオーバプロセスは、ハンドオーバデバイスによって開始される。従って、端末は、ハンドオーバプロセス全体を認識しなくてよく、端末のハンドオーバ中のサービスパケット損失の課題が解決される。
【0099】
本願の実施形態によって提供されるソリューションは、ハンドオーバデバイスの観点から上述されている。前述の機能を実施するために、ハンドオーバデバイスは、機能を実行するための対応するハードウェア構造および/またはソフトウェアモジュールを含むことは理解され得る。当業者は、本明細書で開示される実施形態を参照して説明されるアルゴリズムステップが、本願におけるハードウェアまたはハードウェアとコンピュータソフトウェアの組合せによって実施されることができることを容易に認識すべきである。機能がハードウェアによって実行されるか、コンピュータソフトウェアによって駆動されるハードウェアによって実行されるかは、技術的解決手段の特定の用途および設計の制約に依存する。当業者は、各特定の用途のために説明された機能を実施するために異なる方法を使用してよいが、その実施は本願の範囲を超えると考えられるべきではない。
【0100】
本願の実施形態では、ハンドオーバデバイス内の機能モジュールは、前述の方法の例に基づいて定義され得る。例えば、各機能モジュールは、各機能に対応して定義されてよく、または、2以上の機能が1つの処理モジュールに統合されてもよい。統合モジュールは、ハードウェアの形態で実施されてよく、または、ソフトウェア機能モジュールの形態で実施されてもよい。本願の実施形態におけるモジュールの分割は単なる例であり、論理機能の分割でしかないことは留意されるべきである。他の分割方式は実際の実施において利用可能であり得る。
【0101】
各機能モジュールが、各機能に対応して定義される場合、
図7は、前述の実施形態で使用されるハンドオーバデバイス7の可能な概略構成図を示す。ハンドオーバデバイスは、取得ユニット701およびハンドオーバユニット702を含む。取得ユニット701は、
図5におけるプロセス501、504および505、および
図6におけるプロセス601、604および605を実行することにおいてハンドオーバデバイスをサポートするように構成される。ハンドオーバユニット702は、
図5におけるプロセス502、503、506および507、および
図6におけるプロセス602、603、606および607を実行することにおいてハンドオーバデバイスをサポートするように構成される。前述の方法の実施形態におけるステップの全ての関連する内容は、対応する機能モジュールの機能説明において引用されてよい。詳細はここでは再び説明されない。
【0102】
統合ユニットが使用される場合、
図4は、前述の実施形態において使用されるハンドオーバデバイスの可能な概略構成図を示す。ハンドオーバデバイスは、処理モジュール401および通信モジュール402を含む。処理モジュール401は、ハンドオーバデバイスの動作を制御および管理するように構成される。例えば、処理モジュール401は、
図5におけるプロセス503から506、および
図6におけるプロセス603から606を実行することにおいてハンドオーバデバイスをサポートするように構成される。通信モジュール402は、他のネットワークエンティティを通信すること、例えば、サーバと通信すること、およびサーバからアプリケーションのインストールパッケージをダウンロードおよび取得すること等において、ハンドオーバデバイスをサポートするように構成される。ハンドオーバデバイスは、ハンドオーバデバイスのプログラムコードおよびデータを記憶するように構成される、例えば、本願の実施形態における第1の閾値、第2の閾値等を記憶するように構成される記憶モジュール403をさらに含んでよい。
【0103】
処理モジュール401は、プロセッサまたはコントローラであってよく、例えば、中央処置装置(CPU)、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または別のプログラマブル論理デバイス、トランジスタ論理デバイス、ハードウェアコンポーネントまたはこれらの任意の組合せであってよい。コントローラ/プロセッサは、本願で開示される内容を参照して説明される、様々な例示的な論理ブロック、モジュールおよび回路を実施または実行してよい。あるいは、プロセッサは、コンピューティング機能を実施するプロセッサの組合せであってよく、例えば、1つまたは複数のマイクロプロセッサの組合せ、またはDSPとマイクロプロセッサの組合せであってよい。通信モジュール402は、トランシーバ、トランシーバ回路または通信インタフェースであってよい。記憶モジュール403は、メモリであってよい。
【0104】
処理モジュール401がプロセッサであり、通信モジュール402がトランシーバであり、記憶モジュール403がメモリである場合、本願の本実施形態で使用されるハンドオーバデバイスは、
図8に示されるハンドオーバデバイスであってよい。
【0105】
図8を参照すると、ハンドオーバデバイス8は、プロセッサ801、トランシーバ802、メモリ803およびバス804を含む。トランシーバ802、プロセッサ801およびメモリ803は、バス804によって相互接続されている。バス804は、周辺コンポーネント相互接続規格(PCI)バスまたは拡張業界標準アーキテクチャ(EISA)バス等であってよい。バスは、アドレスバス、データバス、コントロールバス等に分類されてよい。表現を容易にするために、
図8におけるバスを表すために1つの太線のみが使用されるが、これは、1つのバスのみ、または1つのタイプのバスのみが存在することを意味するものではない。
【0106】
本願で開示される内容と組み合わせて説明される方法またはアルゴリズムステップは、ハードウェアによって実施されてよく、または、ソフトウェア命令を実行することによってプロセッサによって実施されてよい。ソフトウェア命令は、対応するソフトウェアモジュールによって形成されてよい。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルハードディスク、コンパクトディスク読出し専用メモリ(CD-ROM)または当技術分野において知られている任意の他の形態の記憶媒体に配置されてよい。例えば、記憶媒体は、プロセッサに結合され、その結果、プロセッサは、記憶媒体から情報を読出し、記憶媒体に情報を書き込むことができる。確かに、記憶媒体は、プロセッサのコンポーネントであってよい。プロセッサおよび記憶媒体は、ASICに配置されてよい。加えて、ASICは、コアネットワークインタフェースデバイスに配置されてよい。確かに、プロセッサおよび記憶媒体は、離散コンポーネントとしてコアネットワークインタフェースデバイス内に存在してよい。
【0107】
当業者は、前述の1つまたは複数の例において、本願において説明される機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはこれらの任意の組合せによって実施され得ることを認識すべきである。本発明がソフトウェアによって実施される場合、前述の機能は、コンピュータ可読媒体に記憶されてよく、または、コンピュータ可読媒体における1つまたは複数の命令またはコードとして送信されてよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体および通信媒体を含み、ここで、通信媒体は、コンピュータプログラムが、1つの場所から別の場所に伝送されることを可能にする任意の媒体を含む。記憶媒体は、汎用または専用コンピュータにアクセス可能な任意の利用可能な媒体であってよい。
【0108】
本願の目的、技術的解決手段および利点は、前述の具体的な実施形態においてさらに詳細に説明されている。前述の説明は、本願の単なる具体的な実施形態であるが、本願の保護範囲を限定するようには意図されないことは理解されるべきである。本願の解決手段内で行われるいかなる修正、均等置換または改良も、本願の保護範囲に包含されるべきである。