【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 展示会名 第1回 FASE関西2016 主催者名 株式会社 日刊工業新聞社 開催日 平成28年10月18日から平成28年10月20日まで
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
カートンを用いて被包装物を包装する場合の手法の一つとして、被包装物に対してその上側からカートンを被せて包装する手法が知られている(特許文献1〜4参照)。
【0003】
特許文献1には、積層された記録用紙等の被包装体Pを箱体Bに収納して梱包する装置であって、偏平状に折り畳まれた箱体Bをロボットアーム64に設けられた開函部69で吸着保持して開函し、移送ラインに設けられた長片部材103,110上に載置された被包装体Pに上方から被せ、長片部材103,110の前後に設けられた折り畳み部材100,101によって、箱体B下面の後側の内フラップF1、次いで前側の内フラップF2を内方へ折り曲げて閉じた後、箱受け93上に移送して、箱体B下面の右側と左側の外フラップF3,F4をそれぞれ外フラップ折込バー102に当接させて移送とともに内方へ折り曲げて閉じるように構成した装置が記載されている。
【0004】
特許文献2には、飲食品の瓶、缶、PETボトル等の被包装物に、起函して4枚の底部フラップ2a〜2dを外方へ折り曲げたダンボールケースDを上方から被せ、このダンボールケースDと被包装物とを移送ライン上を移送させながら、移送ラインに設けられた第1折曲げ板5によって下面の前側の内フラップ2aを内方へ折り曲げて閉じ、次いで第2折曲げ板10によって後側の内フラップ2bを内方へ折り曲げて閉じた後、右側と左側の外フラップ2c,2dを、移送ラインに設けられた折畳みガイド27に当接させて移送とともに内方へ折り曲げて閉じるように構成した包装装置が記載されている。
【0005】
特許文献3には、2枚の旋回板6,6の天板部6c,6c上に載置した内容物(被包装物)12に、起函したダンボール1を上方から被せ、2枚の折り畳み板10a,10aによってダンボール1の下面の2枚の内フラップ1b,1bを内方へ折り曲げて閉じた後、旋回板6,6を90°以上旋回して天板部6c,6cを内フラップ1b,1bの外側に引き抜き、次いで、折り畳み板10a,10aと直交する方向に配置された2枚の折り畳み板10b,10bによってダンボール1の下面の2枚の外フラップ1c,1cを内方へ折り曲げて閉じ、その後、旋回板6を90°以上旋回して天板部6c,6cを外フラップ1c,1cの外側に引き抜くように構成したダンボールケーサーが記載されている。
【0006】
特許文献4には、偏平状に折り畳まれた箱体10をロボットハンド16で保持して起函し、載置位置S2に載置された物品(被包装体)Gに上方から被せ、箱体10下面の2枚の内フラップFa,Faを、ロボットハンド16に設けられた内フラップ折込手段22,22によって内方へ折り曲げて閉じた後、箱体10と物品Gとをロボットハンド16で保持して折込位置S3上に移送し、箱体10下面の2枚の外フラップFb,Fbを、折込位置S3に設けられた外フラップ折込手段50,50に当接させて内方へ折り曲げて閉じるように構成した箱詰装置が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、上掲の各特許文献に示される梱包装置等においては、それぞれ以下のような問題があった。
【0009】
特許文献1に記載の梱包装置
この梱包装置においては、箱体Bの内フラップF1,F2を閉じた後、外フラップF3,F4を開けたままの状態で棒状の箱受け93上を移送させるため、被包装体Pが底面積の小さな物品(例えば、飲食品の瓶、缶、PETボトル)である場合には、箱体B下面の閉じられた内フラップF1とF2との隙間から箱体B外に落下するおそれがある。
【0010】
また、内フラップF1,F2を閉じる位置(長片部材103,110上)と、外フラップF3,F4を閉じる位置(箱受け93上)が異なるため、箱体Bのサイズ変更(いわゆる「型替え」)時に、装置における位置調節や取り替えを要する部材が多くなり手間を要することになる。
【0011】
特許文献2に記載の包装装置
この梱包装置では、被包装物にダンボールケースDを被せる際に、4枚の下面フラップ2a〜2dを外方へ折り曲げるための構造を設ける必要があり、装置のコスト上昇の原因となる。
【0012】
また、前側の内フラップ2a、後側の内フラップ2b及び右側と左側の外フラップ2c,2dを閉じる位置が全て異なるため、ダンボールケースDのサイズ変更(型替え)時に、装置における位置調節や取り替えを要する部材が多くなり手間を要する。
【0013】
特許文献3に記載のダンボールケーサー
このダンボールケーサーでは、内容物12を載置する旋回板6の天板部6cの面積は、ダンボール下面の面積に比べて極めて小さいため、内容物12が底面積の小さな物品(例えば、飲食品の瓶、缶、PETボトル)である場合や、内容物12が柔軟で変形し易い物品である場合には、内容物が天板部6cから落下するおそれがある。
【0014】
特許文献4に記載の箱詰装置では、箱体10と物品Gを、箱体10下面の内フラップFa,Faを閉じた後に、外フラップFb,Fbを開けた状態のままロボットハンド16で保持して折込位置S3上に移送するため、物品Gが底面積の小さな物品(例えば、飲食品の瓶、缶、PETボトル)である場合には、閉じられた内フラップFa,Faの隙間から箱体B外に落下するおそれがある。
【0015】
また、内フラップFa,Faを閉じる位置(載置位置S2)と、外フラップFb,Fbを閉じる位置(折込位置S3)が異なるため、箱体10のサイズ変更(型替え)時に、装置における位置調節や取り替えを要する部材が多くなり手間を要する。
【0016】
そこで本願発明は、被包装物が底面積の小さな物品であるとか、柔軟で変形し易い物品であっても該被包装物を落下させることなく確実に包装することができ
る包装装置を提案することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本願発明では、かかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
【0018】
本願の第1の発明に係る包装装置は、被包装物を起函したカートン内に収容して封止する包装装置であって、上記カートンの下面内側と略相似の矩形であ
り該カートンの下面内側よりも面積がやや小さい平板体で構成され、
被包装物が載置されるステージテーブルと、被包装物を集積させてこれを上記ステージテーブル上に載置する被包装物載置手段と、扁平状に折り畳まれたカートンを起函しこれを保持して上記ステージテーブル上に載置された被包装物に上側から被せてその内部に収容するとともに、被包装物が収容された上記カートンを保持してこれを前後左右及び上下方向に移動させるロボットと、上記ステージテーブルの前後の何れか一方側に配置されて上記ロボットによる上記カートンの前後方向への移動に伴って該カートンの前後一対の内フラップの何れか一方を該カートンの内方へ折り曲げてこれを閉蓋するとともに該カートンの端部の上下方向への移動によって上記内フラップを上記ステージテーブルの上面側に進入させる第1の内フラップ閉蓋手段と、上記ステージテーブルの前後の何れか他方側に配置されて上記ロボットによる上記カートンの前後方向への移動に伴って該カートンの前後一対の内フラップの何れか他方を該カートンの内方へ折り曲げてこれを閉蓋するとともに該カートンの端部の上下方向への移動によって上記内フラップを上記ステージテーブルの上面側に進入させる第2の内フラップ閉蓋手段と、上記ステージテーブルの左右両側にそれぞれ配置され、上記ステージテーブル上において上記内フラップが閉蓋された上記カートンの左右の外フラップを該カートンの内方へ折り曲げてこれを閉蓋する第1及び第2の外フラップ閉蓋手段と、上記ロボットによって上記カートンを前後方向に移動させることで、既に閉蓋されている上記一V対の内フラップと上記一対の外フラップの間から上記ステージテーブルを引き抜くステージテーブル引抜手段と、上記カートン上面側の上記内フラップと外フラップをそれぞれ閉じて封止するとともに、既に閉蓋されている下面側の外フラップを封止する封止手段と、を備え、さらに、上記ステージテーブ
ルの下面略中央には
、平板状の支持板がその平板面を上記ステージテーブルの左右方向に向けた姿勢で垂設されるとともに、該支持板の下部には床面側に設置された固定材に着脱可能に取り付けられる支持脚が備えられていることを特徴としている。
【0019】
本願の第
2の発明では、上記第
1の発明に係る包装装置において、上記ステージテーブルとして、使用されるカートンの大きさに対応して平面寸法が異なる複数種類のステージテーブルを用意して選択的に使用するとともに、これら各ステージテーブルの設置状態においては該各ステージテーブル上に設定した基準点が平面上の同一位置に略合致するように構成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
本願発明では次のような効果が得られる。
【0021】
(
a)本願の第
1の発明
本願の第
1の発明に係る包装装置によれば、第1の内フラップ閉蓋手段と第2の内フラップ閉蓋手段、及び第1及び第2の外フラップ閉蓋手段が上記ステージテーブルの前後位置及び左右位置にそれぞれ配置され、該ステージテーブル上において各内フラップの閉蓋作業及び各外フラップの閉蓋作業が行われることから、内フラップあるいは外フラップが開いた状態でカートンがステージテーブルから他の場所へ移送されることがなく、該カートン内に収容される被包装物がその底面積の小さな物品(例えば、飲食品の瓶、缶、PETボトル)であるとか、被包装物が柔軟で変形し易い物品であっても、この被包装物が上記カートンの一対の内フラップ間の隙間とか、一対の外フラップ間の隙間から下方へ落下するということが防止され、包装作業が安全且つ的確に行われる。
【0022】
また、前後一対の内フラップは、それぞれ閉じられた後、上記ステージテーブルの上面側へ進入されるので、次工程の外フラップ閉蓋作業までの間は上記一対の内フラップ間の隙間空間は上記ステージテーブルで覆蓋された状態となることから、例え上記被包装物がその底面積の小さな物品であったとしても、該被包装物が内フラップ閉蓋作業から外フラップ閉蓋作業の間において該一対の内フラップ間の隙間空間から落下することはない。
【0023】
これら両者の相乗効果として、包装作業における被包装物の保護という面における信頼性が高く、より的確な包装作業が担保される。
【0024】
さらに、上記ステージテーブルの前後にそれぞれ設置された第1及び第2の内フラップ閉蓋手段と、該ステージテーブルの左右にそれぞれ設置された第1及び第2の外フラップ閉蓋手段により、該ステージテーブル上において内フラップと外フラップの閉蓋作業が順次実行されることから、例えば、内フラップ閉蓋作業と外フラップ閉蓋作業が別位置で行われる構成である場合に比して、包装装置がよりコンパクトになり、狭い場所での設置が可能であって、工場スペースの有効利用が促進されるとともに、外フラップ閉蓋作業を行うために上記カートンを内フラップ閉蓋作業位置から外フラップ閉蓋作業位置へ移送する必要が無い分だけ包装時間が短縮され、包装作業の高速化が促進され、延いては包装作業の自動化が容易となる。
【0025】
また、本願の第
1の発明に係る包装装置
は、上記ステージテーブルを、上記カートンの下面内側と略相似の矩形であって該カートンの下面内側よりも面積がやや小さい平板体で構成し、その下面略中央には平板状の支持板をその平板面を上記ステージテーブルの左右方向に向けた姿勢で垂設させるとともに、該支持板の下部には床面側に設置された固定材に着脱可能に取り付けられる支持脚を備えている。したがって、上記支持板は、上記一対の外フラップ間の隙間内に、該隙間の延出方向に沿って移動可能に存在し、上記一対の外フラップの閉蓋後、上記カートンを前後方向(即ち、上記外フラップ間の隙間の延出方向)に移動させることで、上記ステージテーブルを上記カートンから容易に引き抜くことができ、包装作業の的確性、信頼性が担保される。
【0026】
また、上記ステージテーブルは、これに備えられた上記支持脚を床面側に設置された固定材に着脱可能に取り付けるようになっているので、上記ステージテーブルを取り替える必要が生じた場合、その交換作業が容易であり、交換作業の効率化が図れるとともに、装置の自動化にも対応し得ることになる。
【0027】
(
b)本願の第
2の発明
本願の第
2の発明に係る包装装置によれば、上記(
a)に記載の効果に加えて以下のような特有の効果が得られる、即ち、この包装装置では、上記ステージテーブルとして、使用されるカートンの大きさに対応して平面寸法が異なる複数種類のステージテーブルを用意して選択的に使用するとともに、これら各ステージテーブルの設置状態においては該各ステージテーブル上に設定した基準点が平面上の同一位置に略合致するように構成したので、ステージテーブルを交換する型替え時には、少なくとも上記ロボットの動作位置の調整と、上記一対の内フラップ閉蓋手段の内の何れか一方と、上記一対の外フラップ閉蓋手段の内の何れか一方の位置調整をすれば足り、例えば、上記一対の内フラップ閉蓋手段の双方と上記一対の内フラップ閉蓋手段の双方のそれぞれについて位置調整を必要とする場合に比して、型替作業を容易且つ迅速に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1には、本願発明の実施形態に係る包装装置Zの全体システムを示している。ここでは、先ず、このシステム図を参照して包装装置Zの概略を説明し、しかる後、該包装装置Zの主要な構成部分を具体的に説明する。
「包装装置Zの概略説明」
図1において、符号1はアーム1aの先端にハンドリングユニット1bを備えたロボットであって、後述するようにカートンQを吸着保持し、これを所定方向に移動させて所要の包装動作を行わせるとともに、ステージテーブル21の交換作業をも行うものである。
【0030】
また、符号2は被包装物の供給ライン2、符号3は排出ライン3であって、これら供給ライン2と排出ライン3は、所定寸法だけ左右方向(供給ライン2及び排出ライン3の流れ方向に直交する方向)にオフセットされており、該供給ライン2の下流端と上記排出ライン3の上流端の間のスペースには、長矩形の平面形体をもつステージテーブル21を備えたテーブル支持部4が、該ステージテーブル21の長辺方向を上記排出ライン3の流れ方向に略合致させるとともに、短辺方向を上記供給ライン2の流れ方向に略直交させた状態で配置されている。
【0031】
なお、以下においては、説明の便宜上、上記ステージテーブル21の長辺方向を「前後方向」、短辺方向を「左右方向」という。そして、上記ステージテーブル21から上記排出ライン3に向かう方向を「前方」、該排出ライン3から遠ざかる方向を「後方」という。さらに、上記ステージテーブル21から上記排出ライン3に向かって左側(上記供給ライン2が位置する側)を「左方向」、該排出ライン3に向かって右側を「右方向」という。
【0032】
上記テーブル支持部4の後方には、上記カートンQの後側の内フラップを折り畳んで閉じるための第1内フラップ折曲部5(特許請求の範囲中の「第1の内フラップ閉蓋手段」に該当する)が配置されている。また、上記ステージテーブル21の前側には、上記カートンQの前方側の内フラップを折り畳んで閉じるための第2内フラップ折曲部6(特許請求の範囲中の「第2の内フラップ閉蓋手段」に該当する)が配置されている。
【0033】
上記ステージテーブル21の右側には、上記カートンQの右側の外フラップを折り畳んで閉じるための第1外フラップ折曲部7(特許請求の範囲中の「第1の外フラップ閉蓋手段」に該当する)が配置されている。
【0034】
また、平面上において、上記ステージテーブル21の左側で、且つ該ステージテーブル21及び上記供給ライン2を挟んで上記第1外フラップ折曲部7に対向する位置には、上記カートンQの左側の外フラップを折り畳んで閉じるための第2外フラップ折曲部8(特許請求の範囲中の「第2の外フラップ閉蓋手段」に該当する)と、上記供給ライン2によって送給される被包装物Rを該供給ライン2の下流端部分において所定個数ずつ集積させ、これを上記ステージテーブル21側に押し込んで該ステージテーブル21上に載置させるための押込み部9(特許請求の範囲中の「被包装物載置手段」に該当する)が、上下方向に重なった状態で配置されている(
図4参照)。
【0035】
上記供給ライン2の下流端には、該供給ライン2を通って順次送給される被包装物を所定位置で並べて集積させるための位置決め部10が配置されるとともに、該供給ライン2の上記押込み部9の設置位置よりも上流側位置には、上記供給ライン2によって順次送給される被包装物を該供給ライン2の下流端近くにおいて一時的に停止させ、必要に応じて所定数だけ順次切出すための切出し部11が配置されている。さらに、上記供給ライン2の上流側には、該供給ライン2を通って送給される被包装物を検査し、不良品をラインアウトする検査部13が配置されている。
【0036】
上記排出ライン3の下流側には、上記カートンQの上面側の内フラップと外フラップをそれぞれ閉じて封止するとともに、既に閉蓋されている下面側の外フラップを封止する封止部12(特許請求の範囲中の「封止手段」に該当する)が配置されている。
【0037】
上記ロボット1の右側方には、扁平状に折り畳まれたカートンQをストックするカートンマガジン15と、該カートンマガジン15から順次一枚ずつカートンQを切出して保持し、上記ロボット1によってこれを起函させるためのカートン切出・起函部14が配置されている。
【0038】
上記ロボット1の左側方には、複数種類のステージテーブル21を保管し、必要に応じて所定のステージテーブル21を上記ロボット1によって取り出させるためのテーブル保管部16が配置されている。
【0039】
以上が上記包装装置Zの全体構成の概略である。続いて、上記各構成部のうち主要な構成要素分を詳説し、しかる後、上記包装装置Zにおける作業の流れを説明する。
【0040】
「包装装置Zの主要構成要素の説明」
上記包装装置Zの主要な構成要素としては、
図2に示すように、上記テーブル支持部4を中心としてその周りに配置されており、上記第1内フラップ折曲部5と上記第2内フラップ折曲部6と上記第1外フラップ折曲部7と上記第2外フラップ折曲部8と上記押込み部9と上記位置決め部10及び上記切出し部11が該当する。以下、これら各要素のそれぞれについてより具体的に説明する。
【0041】
「テーブル支持部4」
上記テーブル支持部4は、
図2及び
図4、
図5に示すように、上記カートンQの下面内側と略相似の矩形で、且つ該カートンQの下面内側よりも面積がやや小さい平板体でなるステージテーブル21を備えている。このステージテーブル21は、その裏面中央部から下方に垂設された板状の支持板22と、該支持板22の下端に固定された左右一対の支持脚23と一体化され、一体的に取り扱われる。なお、上記支持板22は、その面方向が上記ステージテーブル21の長辺方向と略平行となるように、その取付方向が設定されている。なお、上記ステージテーブル21を支持する上記支持板22と上記カートンQを保持して移動させる上記ロボット1によって、特許請求の範囲中の「ステージテーブル引抜手段」が構成される。
【0042】
上記ステージテーブル21は、床面側に立設された支持フレーム26に対してガイドロッド32とブッシュ33によって上下方向に移動可能に取付けられたベース材31に、上下一対の固定材25を介して着脱可能に支持される。なお、この固定材25には上記一対の支持脚23が嵌挿可能な支持孔が備えられており、これら各支持孔にそれぞれ上記支持脚23を上方から嵌挿し、且つ該支持脚23に取り付けたセットカラー24を上記固定材25の上面に当接させることで、上記ステージテーブル21は、上記ベース材31側に着脱可能に取付けられる。また、上下一対の上記固定材25のうち、下側の固定材25にはストップボルト30が垂設されている。
【0043】
一方、上記ベース材31の下方側の載置台27には、ロードセル29が載置されている。また、このロードセル29の上面側に配置された可動材28には、上記ストップボルト30の下端が当接され、上記ステージテーブル21上に載置された被包装物の重量は上記ストップボルト30を介して上記ロードセル29に負荷され、その重量が計測されるようになっている。なお、この重量計測で合格とされた場合にのみ、次工程の包装作業に移行するようになっている。
【0044】
なお、上記ステージテーブル21の平面寸法は、使用されるカートンQの内側形状より僅かに小さい寸法(面積)とされ、これによってその上側からカートンQを被せることが可能となっている。しかし、使用されるカートンの種類(内側寸法)は一定ではなく、被包装物の形状、大きさを考慮して複数種類(この実施形態では3種)が用いられる。したがって、このカートンの種類に応じて上記ステージテーブル21も平面寸法が異なるものを複数種類用意する必要がある。
【0045】
このため、この実施形態では、
図5に示すように、三種類のステージテーブル21A,21B,21Cを用意している。そして、この場合、上記各ステージテーブル21A,21B,21Cの何れを設置しても、該各ステージテーブル21A,21B,21Cのそれぞれに設定した基準点P(この実施形態ではステージテーブル21の一つの角を基準点Pとしている)が、平面上の一点に略合致するように、上記各ステージテーブル21A,21B,21Cに対する上記支持板22A,22B,22Cの取り付け位置を設定している。係る構成とすることで、上記ステージテーブル21の交換時(型替え時)には、この基準点Pに基づいて上記ロボット1の動作範囲の調整とか、上記第1内フラップ折曲部5等の位置調整を行えばよく、型替え作業が容易となる。ここで、
図5においては、説明の便宜上、上記ステージテーブル21を、ステージテーブル21A,21B,21Cと表記し、また支持板22を、支持板22A,22B,22Cと表記している。
【0046】
なお、上記カートンQは、上記ロボット1によって上記ステージテーブル21に載置された被包装物の上方から被せられ且つ保持されるが、この被せ状態においては、該カートンQの本体部Q1の下端位置は上記ステージテーブル21の上面の高さ位置に略合致される。したがって、この場合、上記カートンQの前後一対の内フラップQ2及び左右一対の外フラップQ3は、上記ステージテーブル21から下方に延出した状態とされる。このステージテーブル21から下方へ延出した上記各内フラップQ2は後述の第1、第2内フラップ折曲部5、6によって、上記各外フラップQ3は後述の第1、第2外フラップ折曲部7、8によって、それぞれ上記カートンQの内方側へ折り畳まれて閉蓋される。
【0047】
「第1内フラップ折曲部5」
上記第1内フラップ折曲部5は、
図2及び
図3に示すように、上記ステージテーブル21の後方側において、該ステージテーブル21の短辺に略平行な方向に回転軸心をもつ折曲用ローラ40を備える。この折曲用ローラ40は、支持フレーム44を介して上下方向に伸縮するエアシリンダ43に取り付けられる。さらに、このエアシリンダ43は基台42を介して上記ステージテーブル21の前後方向に進退する電気シリンダ41に連結されている。したがって、上記折曲用ローラ40は、上記エアシリンダ43の伸縮動によって上下方向に移動可能であるとともに、上記電気シリンダ41の進退動に伴って前後方向に移動可能とされる。
【0048】
そして、上記折曲用ローラ40は、上記カートンQの後側の内フラップQ2の閉蓋動作時には、上記ステージテーブル21より所定寸法だけ降下した位置で固定される。この固定状態において、上記カートンQが上記ロボット1に吸着保持されて上記ステージテーブル21上をその後方側へ移動されるとき、該折曲用ローラ40が該カートンQの後側の内フラップQ2に当接し、これを該カートンQの内方へ折り畳んで閉蓋する。
【0049】
また、上記折曲用ローラ40は、
図3に示すように、上記ステージテーブル21の上面よりも上方へ延出し且つ前方へ移動できるが、この移動位置では、後述する押込み部9によって押し込まれて上記ステージテーブル21上に載置される被包装物Rを上記ステージテーブル21の後方側から支持してその整列状態を維持し、後工程での上記カートンQの被せ作業を容易とする。なお、この折曲用ローラ40は、上記被包装物Rに対する整列作用の終了後は、初期位置に復帰し、上記内フラップQ2の閉蓋作業に備える。さらに、上記ステージテーブル21上に載置される被包装物Rの前方側からの支持は、後述するように次述の第2内フラップ折曲部6の折曲用ローラ50によって行われる。即ち、上記ステージテーブル21上に載置される被包装物Rは、上記折曲用ローラ40と後述の折曲用ローラ50によって前後両側から支持されることになる。
【0050】
なお、上記上記電気シリンダ41による上記折曲用ローラ40の前後方向への移動は、上述のように上記ステージテーブル21上に載置される被包装物Rを上記ステージテーブル21の後方側から支持する場合と、上記カートンQの型替えに際して上記折曲用ローラ40の前後方向の位置調整を行う場合にのみ行われる。
【0051】
「第2内フラップ折曲部6」
上記第2内フラップ折曲部6は、
図2及び
図3に示すように、上記ステージテーブル21の前方側において、該ステージテーブル21の短辺に略平行な方向に回転軸をもち、且つ同一高さにおいて前後方向に所定間隔で平行配置された複数個(この実施形態では4個)の折曲用ローラ50を備える。これら各折曲用ローラ50は、略L型の支持フレーム54を介して略水平方向に配置された電気シリンダ53に取り付けられ、該電気シリンダ53の進退動によって前後方向(即ち、上記ステージテーブル21に接離する方向)に移動可能とされる。さらに、上記電気シリンダ53は、基台51に立設したエアシリンダ52に連結されており、該エアシリンダ52の進退動によって、上記折曲用ローラ50は上下方向に移動可能とされる。即ち、上記折曲用ローラ50は、上記電気シリンダ53の進退動によって前後方向に移動可能であるとともに、上記エアシリンダ52の進退動に伴って上下方向に移動可能とされる。
【0052】
そして、上記折曲用ローラ50は、上記カートンQの前側の内フラップQ2の閉蓋動作時には、上記ステージテーブル21より所定寸法だけ降下した位置で固定される。この固定状態において、上記カートンQが上記ロボット1に吸着保持されて上記ステージテーブル21上をその前方側へ移動されるとき、該折曲用ローラ50が該カートンQの前側の内フラップQ2に当接し、これを該カートンQの内方へ折り畳んで閉蓋する。
【0053】
また、上記折曲用ローラ50は、
図3に示すように、上記ステージテーブル21の上面よりも上方へ延出し且つ前方(上記ステージテーブル21側)へ移動できるが、この移動位置では、後述する押込み部9によって押し込まれて上記ステージテーブル21上に載置される被包装物Rを上記ステージテーブル21の前方側から支持してその整列状態を維持し、後工程での上記カートンQの被せ作業を容易とする。この折曲用ローラ50は、上記被包装物Rに対する整列作用の終了後は、初期位置に復帰し、上記内フラップQ2の閉蓋作業に備える。
【0054】
なお、上記電気シリンダ53による上記折曲用ローラ50の前後方向への移動は、上述のように上記ステージテーブル21上に載置される被包装物Rを上記ステージテーブル21の前方側から支持する場合と、上記カートンQの型替えに際して上記折曲用ローラ50の前後方向の位置調整を行う場合にのみ行われる。
【0055】
「第1外フラップ折曲部7」
上記第1外フラップ折曲部7は、
図2、
図3及び
図4に示すように、上記ステージテーブル21の右側方に配置され、該ステージテーブル21の前後方向に軸線をもつ折曲用バー61を備えている。この折曲用バー61は、上記ステージテーブル21の左右方向に進退するエアシリンダ62に取付けられている。また、このエアシリンダ62は、ブラケット66に対して、上下方向における回動角度(俯仰角)が調整可能に取付けられている。さらに、このブラケット66は、支持フレーム64に対して略鉛直方向に取り付けられたエアシリンダ63に連結されている。また、上記支持フレーム64は、上記ステージテーブル21の左右方向に進退する電気シリンダ65に固定されている。
【0056】
したがって、上記折曲用バー61は、上記エアシリンダ62の進退動によって所定の俯仰角をもって進退できるとともに、上記エアシリンダ63の上下動によって上記俯仰角を維持したまま上下方向に移動でき、さらに上記電気シリンダ65の進退動によって上記俯仰角及び高さを維持したまま上記ステージテーブル21に接離する方向に移動可能となっている。そして、上記折曲用バー61は、上記エアシリンダ63によりその高さが設定され、且つ上記電気シリンダ65によって上記ステージテーブル21からの距離が設定された状態で、上記エアシリンダ62が伸長動することで、上記カートンQの右側の外フラップQ3に当接してこれを該カートンQの内方側へ折り畳んで閉蓋する。
【0057】
「第2外フラップ折曲部8」
上記第2外フラップ折曲部8は、
図2及び
図4に示すように、上記ステージテーブル21の左側方で且つ上記供給ライン2の下側位置に配置されており、該ステージテーブル21の前後方向に軸線をもつ折曲用バー71を備える。この折曲用バー71は、エアシリンダ72のロッド先端に固定されるとともに、該エアシリンダ72は床面側に立設された支持フレーム26に固定されたブラケット73に対して、俯仰角が調整可能に取付けられている。
【0058】
したがって、上記折曲用バー71は、上記エアシリンダ72の進退動によって所定の俯仰角をもって進退することで、上記カートンQの左側の外フラップQ3に当接し、これを上記カートンQの内方側へ折り畳んで閉蓋する。
【0059】
「押込み部9」
上記押込み部9は、
図2及び
図4に示すように、平面上において、上記ステージテーブル21の左側で、且つ該ステージテーブル21及び上記供給ライン2を挟んで上記第1外フラップ折曲部7に対向する位置に配置されており、該ステージテーブル21の長辺側に略直交してこれに接離する方向に進退する電気シリンダ82を備えている。この電気シリンダ82のロッド先端には、上記ステージテーブル21の前後幅より若干大き目の長さをもつ矩形平板状の押圧板81が、その面方向を略鉛直面に沿うように起立させた状態で取付けられている。
【0060】
そして、上記電気シリンダ82は、
図4に示す後退位置から前方へ進出動することで、上記供給ライン2上に4個ずつ集積された被包装物Rを前方へ押し出してこれらを上記ステージテーブル21上に、その前後方向に4個1列状態で載置させるものであり、この実施形態では係る載置動作を3回繰り返して、合計12個の被包装物Rを上記ステージテーブル21に4個3列状態で載置するようになっている。
【0061】
この場合、上記押込み部9の押込み動作に連動して、上記第1外フラップ折曲部7の折曲用バー61が上昇及び前進して上記ステージテーブル21の縁部近傍で待機し(
図4の鎖線図示参照)、上記押込み部9によって上記ステージテーブル21側に押し出されて載置される被包装物Rを受け止めてこれを整列させるようになっている。
【0062】
なお、
図2及び
図4において、符号85は、上記供給ライン2上から上記ステージテーブル21側へ押し出される被包装物Rを橋渡しする渡り板85である。
【0063】
「位置決め部10」
上記位置決め部10は、
図2に示すように、上記供給ライン2上に4個ずつ集積される被包装物Rを、上記ステージテーブル21の前端位置に略合致するように位置決めするものであって、電気シリンダ92によって上記供給ライン2の流れ方向に進退される当板91を備えている。そして、この当板91は、被包装物Rの位置決め時には鎖線図示するように前進して上記押込み部9の押圧板81と一部重合するが、上記押込み部9の作動時(押込み動作時)には実線図示する初期位置まで後退して上記押圧板81との干渉を回避するようになっている。
【0064】
なお、
図2及び
図4に鎖線図示するように、上記供給ライン2の上記ステージテーブル21側の縁部近傍には、平板状の整列板86が、該縁部に沿って昇降可能に配置されている。そして、この整列板86は、上記位置決め部10の当板91による被包装物Rの位置決め動作時には、これに連動して上記供給ライン2の縁部近くまで降下し、上記当板91によって受け止められた4個の被包装物Rを、該供給ライン2の右側(上記ステージテーブル21側)から支持する。
【0065】
この結果、上記供給ライン2上にその流れ方向に沿って並んだ4個の被包装物Rは、上記整列板86による右側からの支持作用と、該供給ライン2の左側に位置している上記押込み部9の押圧板81による左側からの支持作用を受けて、その直線的な整列状態が維持され、延いては、次工程での上記押圧板81による上記被包装物Rの円滑な押込み作業が担保される。
【0066】
「切出し部11」
上記切出し部11は、
図2に示すように、上記供給ライン2をその幅方向に挟んで対向配置された一対のエアシリンダ95を備えて構成され、該供給ライン2上を流れてくる被包装物Rを順次4個ずつ切出すものであって、先に切出された4個の被包装物Rに対する上記押込み部9での押込み動作、即ち、上記ステージテーブル21への載置動作が終了するまで、上記供給ライン2側にある被包装物Rの移動を阻止する。
【0067】
「包装装置Zにおける包装作業」
続いて、上記包装装置Zにおける包装作業を、被包装物Rの集積作業からカートンQの被せ作業までの「前期作業」と、被包装物Rが収容されたカートンQに対する閉蓋作業から該カートンQの排出作業までの「後期作業」に分けてそれぞれ説明する。
【0068】
「前期作業」
被包装物Rの集積作業からカートンの被せ作業までの前期作業は、
図6に示す手順で行われる。
【0069】
先ず、同図(イ)に示すように、上記供給ライン2の下流端部分に載置単位個数として被包装物Rを1列に4個集積させる。この場合、先頭の被包装物Rが上記当板91に当接することで流れ方向の位置決めがなされるとともに、上記押込み部9の押圧板81と上記整列板86によって被包装物Rの整列状態が保持される。なお、上記当板86は、被包装物Rの整列後、上昇退避される。また、この際、上記供給ライン2の両側に位置する上記切出し部11の一対の当板96によって後続する被包装物Rの移送が阻止され、上記押圧板81による上記被包装物Rの押込み動作が許容される。
【0070】
次に、同図(ロ)に示すように、上記供給ライン2上において整列状態で集積された4個の被包装物Rを、上記押圧板81の前進動によって上記ステージテーブル21側に押し出し、該ステージテーブル21の奥部、即ち、上記ステージテーブル21の右側の端部寄り位置に載置する。この場合、上記第1外フラップ折曲部7の折曲用バー61の規制作用によって、上記被包装物Rは上記ステージテーブル21から大きく右側(即ち、押し出し方向前方側)へ迫り出すことなく、設定位置に整列状態で載置される。
【0071】
以上のような被包装物Rの押込み動作(上記ステージテーブル21への載置動作)がこの後2回繰り返されることで、同図(ハ)に示すように、上記ステージテーブル21上に12個の被包装物Rが、該ステージテーブル21の前後方向に4個3列状態で載置される。なお、この被包装物Rの載置完了後、上記折曲用バー61は初期位置(
図4に実線図示する位置)に復帰する。
【0072】
次に、同図(ニ)に示すように、扁平状に折り畳まれたカートンQが、同図(ホ)に示すように上記ロボット1によって起函され、同図(ヘ)に示すように上記ステージテーブル21上に載置された被包装物Rに対してその上方から被せられる。以上で、被包装物Rの集積作業からカートンQの被せ作業までの前期作業が完了する。
【0073】
「後期作業」
上述のようにして被包装物Rが収容されたカートンQに対する閉蓋作業から該カートンQの排出作業までの「後期作業」は
図7に示す手順で行われる。
【0074】
図7(イ)は、
図6(ヘ)と同様に、上記ステージテーブル21上に載置された被包装物Rに対してその上方からカートンQが被せられた状態を示している。この状態では、該カートンQは、上記ロボット1のハンドリングユニット1bに保持されて、その本体部Q1の下端が上記ステージテーブル21と略同一高さとなるようにその高さが設定されている。また、下面側の各内フラップQ2及び外フラップQ3は、ともに上記ステージテーブル21よりも下方へ延出している。
【0075】
この状態から、先ず、後側の内フラップQ2の閉蓋作業が行われる。即ち、
図7(ロ)に示すように、上記第1内フラップ折曲部5の上記折曲用ローラ40を上記ステージテーブル21より僅かに低位側に位置設定した状態で、上記ロボット1によって上記カートンQを後方側(上記折曲用ローラ40側)へ移動させ、上記後側の内フラップQ2を上記ステージテーブル21の後端部よりもさらに後方側へはみ出させる。この際、上記カートンQの移動に伴って、上記折曲用ローラ40は上記後側の内フラップQ2に当接し、これを次第にカートンQの内方側へ折り畳んでこれを閉蓋する。
【0076】
上記内フラップQ2が上記折曲用ローラ40によって閉蓋された時点で該カートンQの移動を停止させ、しかる後、同図(ハ)に示すように、上記カートンQの後端部を所定高さに持ち上げて、既に折り畳まれている後側の内フラップQ2の先端縁を上記ステージテーブル21の上面よりも上位側に位置させる。
【0077】
しかる後、停止状態にある上記カートンQを上記ステージテーブル21の前方側へ向けて移動させると、上記後側の内フラップQ2は上記ステージテーブル21の上面側に進入する。そして、上記カートンQが初期位置(同図(イ)に示す位置)まで復帰した時点で、その後端部を上記ステージテーブル21の上面側に降下させると、同図(ニ)に示すように、上記後側の内フラップQ2は上記カートンQの本体部Q1の下端面と上記ステージテーブル21の間に敷き込まれた状態となる。以上で後側の内フラップQ2の閉蓋作業が完了する。
【0078】
次に、上記カートンQの前側の内フラップQ2の閉蓋作業に移行する。即ち、同図(ホ)に示すように、上記第2内フラップ折曲部6側の上記折曲用ローラ50を上記ステージテーブル21よりも所定寸法だけ低位側に位置設定した状態で、上記カートンQを上記ステージテーブル21の前方側へ移動させ、上記前側の内フラップQ2を上記ステージテーブル21の前方端部よりもさらに前方側へはみ出させる。このとき、上記カートンQの移動に伴って、上記折曲用ローラ50は上記前側の内フラップQ2に当接し、これを次第にカートンQの内方側へ折り畳んでこれを閉蓋する。
【0079】
上記前側の内フラップQ2が上記折曲用ローラ50によって閉蓋された時点で該カートンQの移動を停止させ、しかる後、同図(ヘ)に示すように、上記カートンQの前端部を所定高さに持ち上げて、既に折り畳まれている前側の内フラップQ2の先端縁を上記ステージテーブル21の上面よりも上位側に位置させる。
【0080】
しかる後、停止状態にある上記カートンQを上記ステージテーブル21の後方側へ向けて移動させると、上記前側の内フラップQ2は上記ステージテーブル21の上面側に進入する。そして、上記カートンQが初期位置(同図(イ)に示す位置)まで復帰した時点で、その前端部を上記ステージテーブル21の上面側に降下させると、同図(ト)に示すように、上記前側の内フラップQ2は上記カートンQの本体部Q1の下端面と上記ステージテーブル21の間に敷き込まれた状態とされる。以上で前側の内フラップQ2の閉蓋作業が完了する。
【0081】
次に、左右の外フラップQ3の閉蓋作業に移行する。即ち、同図(チ)に示すように、上記第1外フラップ折曲部7の折曲用バー61と上記第2外フラップ折曲部8の折曲用バー71をそれぞれ前進させ、右側の外フラップQ3を上記折曲用バー61によって、左側の外フラップQ3を上記折曲用バー71によって、それぞれ上記カートンQの内方側へ折り畳んでこれを閉蓋する。
【0082】
これら各外フラップQ3の閉蓋完了時点では、上記ステージテーブル21は、上記各内フラップQ2と上記各外フラップQ3の間に挟まれた状態で存在している。このとき、上記ステージテーブル21の下面から垂設された上記支持板22は、その面方向を上記左右一対の外フラップQ3間の隙間の延出方向に略合致させた状態で該隙間から下方へ延出しているので、上記ロボット1によって上記カートンQを前方側、即ち、上記封止部12側へ移動させることで、該支持板22は上記隙間を通って上記カートンQの後方側へ抜き出され、これに伴って、上記ステージテーブル21は上記各内フラップQ2と各外フラップQ3の間からカートンQの後方側へ抜き出される。
【0083】
以上で、上記カートンQは、上記ステージテーブル21から離脱して自由状態とされ、上記排出ライン3を通って上記封止部12側に送給される。そして、この封止部12で上面側の各内フラップQ2及び各外フラップQ3の閉蓋作業及び粘着テープ等を用いた封止作業が行われ、併せて、既に閉蓋されている下面側の外フラップQ3を粘着テープ等を用いて封止し、上記カートンQに対する包装作業の全てが完了する。なお、上記封止部12における上記内フラップQ2の閉蓋機構及び上記外フラップQ3の閉蓋機構及び封止機構は従来周知の機構で構成されるので、ここでの説明は省略する。