特許第6847549号(P6847549)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6847549
(24)【登録日】2021年3月5日
(45)【発行日】2021年3月24日
(54)【発明の名称】簡易着付け式着物
(51)【国際特許分類】
   A41D 1/00 20180101AFI20210315BHJP
【FI】
   A41D1/00 101C
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-11752(P2019-11752)
(22)【出願日】2019年1月26日
(62)【分割の表示】特願2017-81122(P2017-81122)の分割
【原出願日】2017年4月17日
(65)【公開番号】特開2019-77982(P2019-77982A)
(43)【公開日】2019年5月23日
【審査請求日】2019年1月30日
(31)【優先権主張番号】特願2016-100016(P2016-100016)
(32)【優先日】2016年5月18日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514247023
【氏名又は名称】淺倉 早苗
(74)【代理人】
【識別番号】100133282
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 春喜
(74)【代理人】
【識別番号】100116780
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 雅子
(72)【発明者】
【氏名】淺倉 早苗
【審査官】 金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−218396(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3194134(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上身頃と上身頃の上部に縫着された衿とが、背中側で分離・連結自在に左右に分割されるとともに、衿の背中側の左右の分割端部を着脱自在に連結する衿連結手段と、上身頃の背中側の左右の分割端部を着脱自在に連結する上身頃連結手段と、衿の背中側で、衿の左右の分割端部の連結個所を覆うための衿カバーとを備える簡易着付け式着物であって、
左衿の分割端部は、左上身頃の分割端部の上端より右方へ延設されており、右衿の分割端部は、右上身頃の分割端部の上端より左方へ延設されていることを特徴とする簡易着付け式着物
【請求項2】
上記衿カバーは、左右の分割端部のうち、一方の分割端部近くの衿下端又は上身頃上端に取り付けられて、衿の頂部で山折りするように二つ折りして衿の左右の分割端部の連結個所を覆うことを特徴とする、請求項1に記載の簡易着付け式着物。
【請求項3】
上記衿カバーを、衿の外側と内側で、衿又は上身頃上端部に着脱自在に止着する衿カバー止着手段をさらに備えることを特徴とする、請求項2に記載の簡易着付け式着物。
【請求項4】
背中側で左右に分割された衿の内側に、背中側で左右に分割された左半衿と右半衿が縫着されており、衿の背中側の内側で、左右の分割端部の内、一方の分割端部近くの衿下端又は上身頃上端に取り付けられて、半衿の内側から半衿の外側に向けて半衿の左右の分割個所を覆うための半衿カバーと、半衿の左右の分割個所を、半衿の頂部で山折りするように二つ折りして覆う半衿カバーとを備えることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の簡易着付け式着物。
【請求項5】
上記半衿カバーを、半衿の外側と内側で、衿又は半衿に着脱自在に止着する半衿カバー止着手段をさらに備えることを特徴とする、請求項4に記載の簡易着付け式着物。
【請求項6】
左右に分割された半衿内にはそれぞれ左衿芯及び右衿芯が挿脱自在に挿入されており、左衿芯及び右衿芯はそれぞれ左右の半衿の分割端部から突出した部分に衿芯連結手段が設けられていることを特徴とする、請求項4又は請求項5に記載の簡易着付け式着物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は簡易着付け式着物に係り、特に背中側を分離・連結自在にした簡易着付け式着物に関する。
【背景技術】
【0002】
洋装が主流の現在、女性の着物姿は伝統美を醸し出し、本人及び周囲が和やかな雰囲気を楽しむことができる。但し、着物の着付けは難しいため、従来から簡易着付け式の着物が提案されている。(例えば、特許文献1参照)
ところが、従来の簡易着付け式着物は、上体衣と下体衣を分離し、ファスナーで連結可能としたものであり、上衣体と下衣体が前開きとなっている。このため、施設等で横に寝たままの姿勢で着ることができなかったり、車椅子等に着座したままの姿勢で着ることはできなかった。
【0003】
この問題を解決するため、本出願人は先に、左右の前身頃を予め縫着する一方、背面側の後見頃を左右に分割し、面ファスナー、線ファスナー、ベルト等で分離・連結自在に構成した簡易着付け式着物を提案した。(特許文献2参照)
図6は、従来の簡易着付け式着物を立ったまま着装したときの正面図である。また図7の(1)図、(2)図は、簡易着付け式着物を立ったまま着装したときのそれぞれ異なった背面図である。図7の(1)図に示す簡易着付け式着物には、背面側に開口が設けられている。
なお、図6図7では簡易着付け式着物として、上体衣と下体衣とが一体となったものを例示したが、上体衣と下体衣とが分離した上下2部式とすることもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平07−9917号公報
【特許文献2】特開2016−84568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
着物は衿部の美感が重要であるが、従来の簡易着付け式着物のように衿部を、背面側で単純に分割すると、図7の(1)図、(2)図からも分かるように、衿の左右の分割端部の連結個所が露呈して衿部の本来の美感を損ねてしまう欠点がある。
本発明は上記した従来の簡易着付け式着物の問題点に鑑みなされたもので、背中側が分離・連結自在に分割された着物の衿部の美感を向上できる簡易着付け式着物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題を解決するための手段は、次のとおりである。
(1)上身頃と上身頃の上部に縫着された衿とが、背中側で分離・連結自在に左右に分割されるとともに、衿の背中側の左右の分割端部を着脱自在に連結する衿連結手段と、上身頃の背中側の左右の分割端部を着脱自在に連結する上身頃連結手段と、衿の背中側で、衿の左右の分割端部の連結個所を覆うための衿カバーとを備える簡易着付け式着物であって
左衿の分割端部は、左上身頃の分割端部の上端より右方へ延設されており、右衿の分割端部は、右上身頃の分割端部の上端より左方へ延設されていることを特徴とする簡易着付け式着物
(2)上記衿カバーは、左右の分割端部のうち、一方の分割端部近くの衿下端又は上身頃上端に取り付けられて、衿の頂部で山折りするように二つ折りして衿の左右の分割端部の連結個所を覆うことを特徴とする、上記(1)に記載の簡易着付け式着物。
(3)上記衿カバーを、衿の外側と内側で、衿又は上身頃上端部に着脱自在に止着する衿カバー止着手段をさらに備えることを特徴とする、上記(2)に記載の簡易着付け式着物。
(4)背中側で左右に分割された衿の内側に、背中側で左右に分割された左半衿と右半衿が縫着されており、衿の背中側の内側で、左右の分割端部の内、一方の分割端部近くの衿下端又は上身頃上端に取り付けられて、半衿の内側から半衿の外側に向けて半衿の左右の分割個所を覆うための半衿カバーと、半衿の左右の分割個所を、半衿の頂部で山折りするように二つ折りして覆う半衿カバーとを備えることを特徴とする、上記(1)ないし上記(3)のいずれかに記載の簡易着付け式着物。
(5)上記半衿カバーを、半衿の外側と内側で、衿又は半衿に着脱自在に止着する半衿カバー止着手段をさらに備えることを特徴とする、上記(4)に記載の簡易着付け式着物。(6)左右に分割された半衿内にはそれぞれ左衿芯及び右衿芯が挿脱自在に挿入されており、左衿芯及び右衿芯はそれぞれ左右の半衿の分割端部から突出した部分に衿芯連結手段が設けられていることを特徴とする、上記(4)又は上記(5)に記載の簡易着付け式着物。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1の実施例に係る、簡易着付け式着物の上体衣を示す詳細説明図である。
図2図1に係る、上体衣1の衿部分の着付け方法を示す詳細説明図である。
図3図1に係る、上体衣1の衿部分の着付け方法を示す簡略説明図である。
図4】本発明の第2の実施例に係る、簡易着付け式着物の上体衣を示す簡略説明図である。
図5図4に係る、上体衣1の衿部分の着付け方法を示す簡略説明図である。
図6】従来の簡易着付け式着物を立ったまま着装したときの正面図である。
図7】従来の簡易着付け式着物を立ったまま着装したときの異なる背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態を実施例に基づき説明する。
(第1の実施例)
図1を参照して本発明に係る簡易着付け式着物について、第1の実施例を説明する。
図1の(1)図は、簡易着付け式着物の背中側の上部を示す一部省略した詳細説明図である。また、図1の(2)図は、衿を下方へ折り曲げて半衿を露出させた詳細説明図である。
図1において、は、上体衣と下体衣に分かれた上下2部式の簡易着付け着物の上体衣の背面の主要部であり、上身頃2の上部に衿3が縫着されている。
また、上身頃2を構成する左上身頃2aと右上身頃2bには、図示しない左袖部と右袖部が縫着されている。
【0009】
上身頃2は、左上身頃2aと右上身頃2bが着物の前側で通常の着付け時のように重ねて縫着されている。
一方、上身頃2と衿3の背面側は、背中線に沿った中央付近で左右に分離・連結自在に分割されている。
即ち、左上身頃2aと右上身頃2bは、背中側で分離している。左上身頃2aの背中側の分割端部20aの裏側と右上身頃2bの背中側の分割端部20bの外側には各々、上身頃連結手段の一例としての面ファスナー21a、21bが取り付けられており、分割端部20a、20bを重ね合わせた後に、面ファスナー21a、21bで着脱自在に止着することにより、分離・連結自在に形成されている。
【0010】
衿3の背面側は、背中線に沿った中央付近で左右に分割されており、分割された左衿3aが左上身頃2aの上端に縫着されており、右衿3bが右上身頃2bの上端に縫着されている。
左衿3aの分割端部30aは、左上身頃2aの分割端部20aの上端より右方へ延設されており、右衿3bの分割端部30bは、右上身頃2bの分割端部20bの上端より左方へ延設されている。左衿3aの分割端部30aの裏側と右衿3bの外側には各々、衿連結手段の一例としての面ファスナー31a、31bが取り付けられており、分割端部30a、30bを重ね合わせたのち、面ファスナー31a、31bで着脱自在に止着することにより、分離・連結自在に形成されている。
面ファスナー31a、31bに代えて、線ファスナー、ボタン、ホックなどで着脱自在とすることもできる。
【0011】
衿3の背面側の内側には、半衿4が縫着されている。
半衿4は背中線に沿った中央で左右に分割されており、分割された左半衿4aの下部が左衿3bの内側の下部に縫着されており、右半衿4bの下部が右衿3bの内側の下部に縫着されている。
左半衿4aの分割端部40aの部分は、左衿3aとは縫着されておらず、右衿3bの分割端部30bを左衿3aの分割端部30aと左半衿4aの分割端部の間に容易に挿入可能としたり、後述する左衿芯5aと右衿芯5bを容易に連結・分離したりできるようになっている。
右半衿4bの分割端部40bの部分は、右衿3bと縫着されている。
【0012】
左半衿4aと右半衿4bは、各々内部に隙間の空いた袋状に形成されており、分割端縁の口41a、41bから内部に、左衿芯5aと右衿芯5bが挿脱自在に挿入されている。
左衿芯5aと右衿芯5bは、一つの衿芯を背中側の中央で左右に分割して形成されており、左衿芯5aの分割端部50aの裏側と右衿芯5bの分割端部50bの外側には各々、衿芯連結手段の一例としての面ファスナー51a、51bが取り付けられており、分割端部50a、50bを重ね合わせたのち、面ファスナー51a、51bで着脱自在に止着することにより、分離・連結自在に形成されている。
面ファスナー51a、51bに代えて、ボタン、ホックなどで着脱自在とすることもできる。
【0013】
上体衣1の衿3の近傍には、左衿3aと右衿3bの連結箇所を外部から隠すための衿カバー6が付設されている。すなわち、衿3の背中側中央付近の外側で、分割端部30aの下端又は左上身頃2aの上端に、長方形状の衿カバー6の下端縁の左端から中央より少し右側部分までが縫着されている。
衿カバー6の右端部は、左衿3aの分割端部30aより右方へ延設されている。衿カバー6の当該一端縁の右隅にオス側スナップボタン60a、衿カバー6の上端縁近くの左右両側に面ファスナー61a、62aが取り付けられている。
【0014】
右衿3bの分割端部30bの下部には、オス側スナップボタン60aに対応するメス側スナップボタン60bが取り付けられており、左衿3a、右衿3bの分割端部30a、30bの内側には、面ファスナー61a、62aに対応する面ファスナー61b、62bが取り付けられている。
衿カバー6は、衿3と同じ着物生地を用いて製作されている。
【0015】
また上体衣1の半衿4の近傍には、左半衿4aと右半衿4bの分割箇所を外部から隠すための半衿カバー7が付設されている。
すなわち、衿3の背中側中央付近の内側で、右半衿4bの下側に相当する右衿3bの分割端部30bの下端又は右上身頃2bの上端に、長方形状の半衿カバー7の下端縁の右端から中央部分までが縫着されている。
【0016】
半衿カバー7の左端部は、右半衿4bの口40bより左方へ延設されている。半衿カバー7の当該一端縁の左隅に、オス側スナップボタン70a、半衿カバー7の上端縁近くの左右両側に面ファスナー71a、72aが取り付けられている。
左衿3aの分割端部30bの内、左半衿4aの下側には、オス側スナップボタン70aに対応するメス側スナップボタン70bが取り付けられており、左半衿4a、右半衿3bの分割端部40a、40bの外側には、面ファスナー71a、72aに対応する面ファスナー71b、72bが取り付けられている。
半衿カバー7は、半衿7と同じ着物生地を用いて製作されている。
【0017】
図2及び図3を参照して、上記した上体衣1の衿部分の着付け方法を説明する。
左上身頃2aと右上身頃2b、左衿3aと右衿3b、左衿芯5aと右衿芯5bが全て分離されている状態で、利用者が上体衣1を前側から着用し、両手を図示しない両袖部に通す。背中側で、左上身頃2aの分割端部20aを右上身頃2bの分割端部20bに重ね、面ファスナー21aと21bにより着脱自在に止着する。
【0018】
次に、左衿芯5aの分割端部50a、50bを重ね合わせ、面ファスナー51a、51bで着脱自在に止着し、半衿4の分割個所である左半衿4aの口41aと右半衿4bの口41bを接近させた状態で、半衿カバー7のオス側スナップボタン70aをメス側スナップボタン70bに着脱自在に嵌着する。
【0019】
続いて、半衿カバー7を左半衿4aと右半衿4bの分割端部40a、40bの上端で山折りするようにして、左半衿4aと右半衿4bの内側から外側へ180度折り曲げて分割箇所を覆い、左半衿4aと右半衿4bの外側の面ファスナー71b、72bに半衿カバー7の面ファスナー71a、72aを着脱自在に装着する。
これにより、左半衿3cと右半衿3dの分割箇所が半衿カバー7により隠されて、本物の着物のような外観を呈することができる。(図2の(1)図参照)
【0020】
次に、右衿3bの分割端部30bを左衿3aの分割端部30aと左半衿4aの分割端部40aの間に挿入して分割端部30aと30bを重ね合わせ、面ファスナー31b、31bと31a、31aにより着脱自在に止着する。(図2の(2)図参照)
また、左衿3aと右衿3bを連結後、衿カバー6のオス側スナップボタン60aをメス側スナップボタン60bに着脱自在に嵌着する。
【0021】
続いて、衿カバー6を左衿3aと右衿3bの分割端部30a、30bの上端で山折りするようにして、左衿3aと右衿3bの外側から内側へ180度折り曲げて連結箇所を覆い、左衿3aと右衿3bの内側の面ファスナー61b、62bに衿カバー6の面ファスナー61a、62aを着脱自在に装着する。
これにより、左衿3aと右衿3bの分割箇所が衿カバー6により隠されて本物の着物のような外観を呈することができる。(図3参照)
【0022】
なお、図示しない下体衣は、背中側が開いたエプロン形として、下体衣の上端の左右両端から周方向へ延長した2本のベルトを着脱自在に連結するようにしたり、上体衣の下端部の内側と下体衣の上端部の外側に設けた面ファスナー、線ファスナー、ボタン等により上下連結するようにすればよい。
また、左衿3aと右衿3bを先に連結して衿カバー6で覆い、後から左半衿4aと右半衿4bを連結し、半衿カバー7で覆うようにしてもよい。
【0023】
第1の実施例によれば、背開き式の上体衣1における衿3の背中側の連結個所を衿カバー6で覆うことにより、衿3の連結個所を目立たなくすることができ、本来の着物の衿に近い美感を発揮することができる。
また、衿3の内側に半衿4を縫着した場合でも、半衿4の背中側の分割個所を半衿カバー7で覆うことにより、半衿4の分割個所を目立たなくすることができ、本来の着物の半衿に近い美感を発揮することができる。
【0024】
(第2の実施例)
図4を参照して本発明に係る簡易着付け式着物について、第2の実施例を説明する。
第1の実施例では、左上身頃2aと、右上身頃2bの分割端部20a、20bを面ファスナー21a、21bで連結し、左衿3aと、右衿3bの分割端部30a、30bを面ファスナー31a、32aと31b、32bで連結する場合を例に挙げて説明したが、本発明は何らこれに限定されず、図4の(1)図に示すように、左上身頃2a’と右上身頃2b’の分割端部20a’、20b’と、左衿3a’と右衿3b’の分割端部30a’、30b’を止着手段としての共通の一本の線ファスナー80a、80bで着脱自在に連結するようにしてもよい。
【0025】
線ファスナー80a、80bを用いる場合、まず線ファスナー80a、80bを締めて左上身頃2a’と右上身頃2b’の分割端部20a’、20b’と、左衿3a’と右衿3b’の分割端部30a’、30b’を連結する。(図4の(2)図参照)
そして、第1実施例と同様に構成された衿カバー6’のオス側スナップボタン60aをメス側スナップボタン60bに着脱自在に嵌着する。
【0026】
続いて、衿カバー6’を左衿3a’と右衿3b’の分割端部30a’、30b’の上端で山折りするようにして、左衿3a’と右衿3b’の外側から内側へ180度折り曲げて連結箇所を覆い、左衿3a’と右衿3b’の内側の面ファスナー61b、62bに衿カバー6’の面ファスナー61a、62a を着脱自在に装着する。
これにより、左衿3a’と右衿3b’の分割箇所が衿カバー6’により隠されて本物の着物のような外観を呈することができる。(図5参照)
【0027】
図4の(1)図の線ファスナー80a、80bを、衿と上身頃で別々に設けてもよい。
また、衿カバー、半衿カバーを衿、半衿、上身頃に止着するスナップボタンを面ファスナーに置き換えたり、面ファスナーをスナップボタンに置き換えたりしてもよい。
【0028】
(本発明の技術的範囲)
本明細書に開示した各実施例は、本発明に係る、簡易着付け式着物の理解を容易にするために例示したものであって、本発明はこれに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、特許請求の範囲を逸脱しない限り、簡易着付け式着物の設計に当たって、適宜の設計変更が可能であることは言うまでもないことである。
【符号の説明】
【0029】
1 上体衣
2 上身頃
2a 左上身頃
2b 右上身頃
3 衿
3a 左衿
3b 右衿
4 半衿
4a 左半衿
4b 右半衿
5a 左衿芯
5b 右衿芯
6 衿カバー
7 半衿カバー
80 衿延長部
80a 線ファスナー
80b 線ファスナー

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7