(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の電気車用電力変換装置を、図面を参照して説明する。
【0008】
図1は、実施形態の電気車用電力変換装置1を搭載した電気車システムの構成図である。電気車用電力変換装置1が搭載された電気車両は、直流電力の供給源である架線Pに集電器2が接触することにより、架線Pから電力の供給を受けて線路R上を走行する。同図では、電気車両の車輪Wを駆動するのに必要な電力を生成する電力変換装置については図示しておらず、空調装置等のより低電圧な装置に電力を供給するための電気車用電力変換装置1を示している。
【0009】
電気車用電力変換装置1は、変換した直流電力の電流が直流負荷50によって消費されなかった場合、変換した直流電力の電流の一部を架線Pおよび線路Rに帰還させる。
ここで、電気車用電力変換装置1が帰還させる帰還電流に、電気車用電力変換装置1のスイッチング制御に起因する比較的周波数の高い電流と、空調装置等の装置の実効電力の変動に起因する比較的周波数の低い電流とが、妨害電流として含まれる場合がある。ここでいう妨害電流とは、架線Pや線路Rに流れることによって、本来、線路R流れている信号に重畳することで信号の伝達を妨害し得る電流のことである。
例えば、線路Rには、地上信号を制御するための交流電流が流れている。このため、電気車用電力変換装置1から線路Rへの帰還電流に含まれる比較的周波数の低い妨害電流が、地上信号を制御するための交流電流と同じ周波数成分を持つ場合、帰還電流は、地上信号を誤動作させる原因となり得る。このため、電気車用電力変換装置1は、妨害電流となる周波数成分を持つ電流を線路Rへ流さないようにする工夫が必要である。
【0010】
図1に示すように、電気車用電力変換装置1は、主要な構成要素として、例えば、電流検出部3と、昇圧部10と、電力変換部20と、電圧検出部30と、制御部40と、を有する。
電気車用電力変換装置1は、入力側に集電器2を介して架線Pと接続される。また、電気車用電力変換装置1は、出力側において直流負荷50と接続され、直流負荷50へ変換した直流電力を供給する。
【0011】
電流検出部3は、集電器2と昇圧部10との間にとり付けられる。電流検出部3は、直流電流を検出する直流電流検出部3−1と交流電流を検出する交流電流検出部3−2とを有する。
直流電流検出部3−1と交流電流検出部3−2とは、共に、集電器2と昇圧リアクトル12との間に設置される。
【0012】
直流電流検出部3−1と交流電流検出部3−2とのそれぞれは、例えば、円環状の鉄心と、鉄心に巻かれた巻線と、巻線の両端に接続される負荷抵抗を有する電流計である。この場合、電流計は、正極線LPを流れる被測定電流線が鉄心の中心部を貫通するように配置される。
被測定電流線に電流が流れると、その周囲に磁束が発生し、鉄心は、発生した磁束を集磁する。巻線は、鉄心内に発生した磁束の変化を検出する。被測定電流線に流れる交流電流により磁束が時間変化すると、それに伴い巻線に誘導電流が生ずる。そこで、外部測定器を用いて巻線の両端に接続される負担抵抗による電圧降下を計測することにより、被測定電流線に流れる電流の振幅、周波数および位相を測定することができる。このような電流計は変流器として動作可能である。
【0013】
ここで、直流電流検出部3−1が検出する入力電流検出値は、例えば100〜300[A]程度の比較的大きな電流(大電流)を検出する。これに対し、交流電流検出部3−2が検出する入力電流検出値は、直流電流検出部3−1が検出する入力電流検出値の1%以下、例えば0.5[A]程度の比較的小さな電流(小電流)の変化を選択的に検出する。
交流電流検出部3−2は、小電流を精度よく検出するために、例えば、巻線の巻き数を大きくする。こうすることで、誘導電流を抑え、微少な交流電流を検出することができる。
【0014】
交流電流検出部3−2の巻線の巻き数を大きくした場合、鉄心が磁束飽和しないように設計する必要がある。
以下の式(1)に示すように、鉄心内に発生した磁束の密度(磁束密度)は、巻線を流れる電流および巻線の巻き数に比例し、鉄心の断面積に反比例する。ここで、Bは磁束密度、Iは巻線を流れる電流、Nは巻線の巻き数、Sは鉄心の断面積、を示す。
【0015】
B ∝ (I×N)/S ・・・(1)
【0016】
式(1)に示すように、計測する電流が大きいほど、鉄心に発生する磁束密度が大きくなる。また、巻線の巻き数が大きいほど、鉄心に発生する磁束密度が大きくなる。鉄心に発生した磁束密度が飽和領域に入ると磁束飽和する。磁束飽和すると電流値を正確に測定することができなくなる。
このため、交流電流検出部3−2においては、飽和磁束密度が高い鉄心を使用したり、鉄心の断面積を大きくしたりすることで、大電流が流れても磁束飽和しないように設計されることが好ましい。
【0017】
電圧検出部30は、直流負荷50の入力電圧(電力変換部20の出力側の電圧)を検出する。電圧検出部30は、検出した電圧値を制御部40へ通知する。
【0018】
昇圧部10は、架線Pから集電器2を介して入力される直流電力を昇圧させる。昇圧部10は、昇圧リアクトル12と、昇圧チョッパ14と、フィルタコンデンサ16とを有する。昇圧チョッパ14は、制御部40からの制御信号に基づき昇圧リアクトル12に流れる電流を制御し、昇圧リアクトル12に蓄えられた電磁エネルギーを安定的に出力電圧として出力させる。フィルタコンデンサ16は、高周波インバータ22の入力電圧を平滑化する。
【0019】
電力変換部20は、昇圧部10より入力された直流電力を、直流負荷用の電力に変換する。電力変換部20は、例えば、高周波インバータ22と、変圧器24、25と、整流器26と、フィルタコンデンサ28と、を有する。
【0020】
高周波インバータ22は、昇圧部10から入力された直流電力を、交流電力に変換する。変圧器24および25は、高周波インバータ22から入力された交流電力を変圧する。変圧器24は一次側の変圧器であり、変圧器25は二次側の変圧器である。整流器26は、二次側の変圧器25より入力された交流電力を整流し直流電力に変換する。フィルタコンデンサ28は、直流負荷50の入力電圧を平滑化するために設けられている。
【0021】
高周波インバータ22は、スイッチング素子を含み、スイッチング素子を導通状態と遮断状態との間で切り替えることで、直流電力を交流電力に変換する。
高周波インバータ22は、直流負荷用の電力である商用電力の周波数(50[Hz]または60[Hz])に対して十分に高い周波数(例えば数[KHz]以上の周波数)の交流電力に変換するものが好ましい。高周波インバータ22が変換した交流電力の周波数を高くすることで、変圧器24および25を小型化することができる。
例えば、高周波インバータ22は、スイッチング素子の印加電圧または導通電流がゼロとなった状態でスイッチングを行なうソフトスイッチング方式の共振型インバータである。ソフトスイッチング方式とすることで、スイッチング損失、電磁干渉ノイズを低減させることができる。また、共振型インバータとは、共振回路に周期的な電圧を与え,共振回路の電圧ないしは電流を振動させるインバータである。
【0022】
なお、高周波インバータ22を共振型とした場合、原理上、インバータの通流率が固定され、出力電圧を調整することができない。このため、本実施形態では、昇圧部10を高周波インバータ22の入力側に設けて高周波インバータ22に入力する電力を昇圧し、結果的に高周波インバータ22の出力電圧を調整している。
【0023】
ところで、前述したように、高周波インバータ22がスイッチング制御されることで、線路Rへ帰還される帰還電流および直流負荷50へ供給される直流電流に、比較的周波数の高い妨害電流が生じる場合がある。
この比較的周波数の高い妨害電流は、フィルタコンデンサ16およびフィルタコンデンサ28で除去することができる場合がある。また、フィルタコンデンサ16等で除去しきれない場合であっても、図示しないフィルタ回路を設けることで妨害電流を除去することができる。高周波数帯域を除去するためのローパスフィルタは、回路規模が小さい。このため、妨害電流除去用のLPFを設けることは、実施形態における電気車用電力変換装置1、および電気車用電力変換装置1を含む電気車システムを小型化する上での問題とはなりにくい。
また、高周波インバータ22が交流電力に変換する際の変換周波数をさらに高めることで、妨害波除去用のLPFをさらに小型化することもできる。従って、高周波インバータ22のスイッチング制御に起因する妨害電流は大きな問題とならないことが多い。
【0024】
一方、直流負荷50の実効電力が変動することによって、比較的周波数の低い(例えば、20[Hz])妨害電流が生じる場合がある。この比較的周波数の低い妨害電流が、線路Rへ帰還される帰還電流に含まれると、線路Rを流れる地上信号を誤動作させる原因となり得る。
この比較的周波数の低い妨害電流は、フィルタコンデンサ16およびフィルタコンデンサ28で除去することが困難である。また、低周波数帯域を除去するためのハイパスフィルタは、前述したローパスフィルタに比して回路規模が大きくなる。このため、ハイパスフィルタを設けることは、装置の小型化の妨げとなる場合がある。これに対し、本実施形態では、以下に説明する制御部40の制御によって、比較的周波数の低い妨害電流が外部(線路Rなど)に流出することを抑制している。
【0025】
制御部40は、昇圧部10と、電力変換部20とを制御する。
制御部40は、昇圧部10の昇圧チョッパ14を制御する昇圧制御部41を含む。
昇圧制御部41は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを搭載したマイクロコントローラーであり、プログラムメモリに格納されたプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらのプログラムで実行される機能の一部または全部は、アナログ制御回路、またはLSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Scale Integration)等のハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働により実現されてもよい。
また、昇圧制御部41は、昇圧チョッパ14の一部に含まれていてもよい。
【0026】
昇圧制御部41は、電流検出部3、および電圧検出部30からの検出される電流値および電圧値を用いて、昇圧チョッパ14が出力する直流電力の電圧および電流を制御する。
昇圧制御部41は、昇圧チョッパ14が出力する直流電力の電圧および電流が一定となるように制御する。
【0027】
ここで、実施形態における昇圧部10および昇圧制御部41について説明する。
図2は、昇圧部10および昇圧制御部41の機能ブロック図である。
図2に示すように、昇圧部10の昇圧チョッパ14は、スイッチ部142と、整流器144と、を有する。
整流器144は、昇圧リアクトル12と昇圧部10の出力端との間に接続される。スイッチ部142は、昇圧リアクトル12と整流器144の間において、正極線LPと負極線LNとの間に接続される。フィルタコンデンサ16は、昇圧チョッパ14と昇圧部10の出力端との間において、正極線LPと負極線LNとの間に接続される。
【0028】
スイッチ部142は、例えば逆並列に接続されたダイオードを内蔵したIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)である。なお、スイッチ部142は、他の種類のスイッチング素子で構成されてよい。整流器144は、例えば電流を一方向にだけ流す逆流防止ダイオードである。
スイッチ部142は、昇圧制御部41からのゲート信号に基づいて、制御される。例えば、スイッチ部142は、昇圧制御部41からのゲート制御信号がオン(例えば1)の場合、昇圧リアクトル12の出力を線路R側(負極線LN側)に接続する。また、スイッチ部142は、ゲート制御信号がオフ(例えば0)の場合、昇圧リアクトル12の出力を直流負荷50側に接続する。
【0029】
昇圧制御部41からのゲート制御信号がオンの場合、昇圧リアクトル12の出力側が接地される。このため、昇圧リアクトル12へ流れ込む電流は増加し、昇圧リアクトル12に流れる電流によって磁場が形成される。そして、昇圧リアクトル12に磁場に基づくエネルギーが蓄えられる。
昇圧制御部41からのゲート制御信号がオフとなると、昇圧リアクトル12に流れていた電流は、整流器144側へ流れる。その際、昇圧リアクトル12に蓄えられた電磁エネルギーに相当する電圧が整流器144に加わるため、昇圧チョッパ14の出力側の直流電力が昇圧される。
【0030】
昇圧部10が昇圧する出力電圧は、昇圧制御部41からのゲート制御信号のオンとオフの比率(デューティ比)で決まる。ゲート制御信号のオンの比率が大きい場合、昇圧リアクトル12に蓄えられるエネルギーが大きくなるため、昇圧部10が昇圧する出力電圧は大きくなる。換言すると、昇圧制御部41は、ゲート制御信号のオンの比率を変化させることで昇圧部10が昇圧する出力電圧を制御できる。
この機能を利用することで、昇圧制御部41は、架線Pから供給される直流電力等の電圧の変動に対し、直流負荷50へ供給する直流電力の電圧を一定に保つことができる。
【0031】
一方、
図2に示すように、昇圧制御部41は、減算部410と、PI(Proportional-Integral、比例積分)制御部411と、電流波形制御部42と、PWM(Pulse Width Modulation)変調部417とを含む。
【0032】
減算部410と、PI演算部411とは、電圧フィードバック補償部として機能する。電圧フィードバック補償部は、主に、直流負荷50による出力電圧検出値V_outの変動を抑制する。
【0033】
減算部410は、基準電圧値(出力電圧指令値)V_refから電圧検出部30より検出される出力電圧検出値V_outを減算し、その演算結果を偏差V_errとして、PI演算部411へ出力する。
基準電圧値V_refは、例えば、昇圧チョッパ14および高周波インバータ22で用いられるスイッチング素子の耐圧、および直流負荷50の定格電圧に基づいて決定される。基準電圧値V_refには、スイッチング素子における絶縁区分が高圧にならないように、電気車用電力変換装置1を流れる直流電力の電圧値を制限するための値が設定される。
【0034】
PI演算部411は、偏差V_errを入力として比例積分演算を行なう。PI演算部411が行う比例積分演算は、予め定めた比例定数Kpvおよび積分定数Kivを用いて以下の式(11)および式(12)に基づいて行われる。ここで、Pcは比例制御項、Piは積分制御項、V_errは偏差、tは時刻を示す。
【0035】
Pc=Kpv×V_err(t) ・・・(11)
Ic=Kiv×∫V_err(t)dt ・・・(12)
【0036】
PI演算部411は、式(11)および式(12)に示す比例制御項Pcと積分制御項Icを加算し、その演算結果を昇圧制御信号SAとして減算部423へ出力する。
【0037】
電流波形制御部42は、電流フィードバック補償部として機能する。電流フィードバック補償部は、主に、架線Pから供給される直流電力の電圧変動による出力電圧検出値V_outの変動を抑制する。換言すれば、電流波形制御部42は、電圧変動に依らず一定の電流が昇圧リアクトル12に流れるように制御する。
実施形態においては、入力電流の検出値として、直流電流値と交流電流値の和を用いる。こうすることで、架線Pから供給される直流電力の電圧変動のみならず、電気車用電力変換装置1を構成する各構成要素の実効電力の脈動(変動)による電流の変動を抑制することができる。
【0038】
電流波形制御部42は、加算部422と、減算部423と、PI演算部424と、HPF部425と、減算部426とを含む。
加算部422は、直流電流検出部3−1より検出される入力直流電流検出値I_DCと、交流電流検出部3−2より検出される入力交流電流検出値I_ACとを加算し、その入力電流検出値I_inを減算部423へ出力する。加算部422は、入力直流電流検出値I_DCについて、瞬時値を用いてもよいし、平均値あるいは実効電流等を用いてもよい
減算部423は、昇圧制御信号SAから入力電流検出値I_inを減算し、その偏差I_errをPI演算部424へ出力する。
【0039】
PI演算部424は、偏差I_errを入力として比例積分演算を行なう。PI演算部424が行う比例積分演算は、予め定めた比例定数Kpiおよび積分定数Kiiを用いて以下の式(13)および式(14)に基づいて行われる。ここで、Pcは比例制御項、Piは積分制御項、I_errは偏差、tは時刻を示す。
【0040】
Pc=Kpi×I_err(t) ・・・(13)
Ic=Kii×∫I_err(t)dt ・・・(14)
【0041】
PI演算部424は、式(13)および式(14)に示す比例制御項Pcと積分制御項Icを加算し、その演算結果を昇圧制御信号SBとして減算部426およびHPF部425へ出力する。
【0042】
HPF部425は、PI演算部424から入力される昇圧制御信号SBにフィルタ処理を行い、昇圧制御信号SBを構成する周波数から周波数の高い信号成分を抽出した昇圧制御信号SC出力する。HPF部425が用いるフィルタは、アナログフィルタであってもデジタルフィルタであってもよい。デジタルフィルタを用いる場合、フィルタ処理による遅延が生じるため、PI演算部424と減算部426との間に遅延素子を設ける。
減算部426は、昇圧制御信号SBからHPF部425の出力信号を減算した信号を出力する。こうすることで、昇圧制御信号SBを構成する周波数のうち周波数の低い信号成分が昇圧制御信号SDとして出力される。
PWM変調部417は、昇圧制御信号SDに応じたデューティ比のゲート制御信号Gを生成する。ゲート制御信号Gは、昇圧チョッパ14のゲートに供給される。
【0043】
ここで、実施形態における昇圧制御部41が行う昇圧部10の制御について説明する。
図3は、昇圧制御部41が行う昇圧部10の制御を示すフローチャートである。
【0044】
図3に示す通り、昇圧制御部41は、基準電圧値V_refを取得する(ステップS10)。昇圧制御部41は、出力電圧検出値V_outを取得する(ステップS11)。そして昇圧制御部41は、基準電圧値V_refと出力電圧検出値V_outとの偏差(V_ref−V_out)に基づいて、PI制御に基づく昇圧制御信号SAを算出する(ステップS12)。
昇圧制御部41は、入力直流電流検出値I_DCを取得する(ステップS13)。また、昇圧制御部41は、入力交流電流検出値I_ACを取得する(ステップS14)。昇圧制御部41は、入力直流電流検出値I_DCと入力交流電流検出値I_ACとを加算した入力電流検出値I_inを取得する(ステップS15)。昇圧制御部41は、昇圧制御信号SAと入力電流検出値I_inとの偏差(SA−I_in)に基づいて、PI制御に基づく昇圧制御信号SBを算出する(ステップS16)。
昇圧制御部41は、昇圧制御信号SBに対してフィルタ処理を行い、昇圧制御信号SBを構成する周波数成分から高い周波数を取り除く(ステップS17)。昇圧制御部41は、フィルタ処理をした後の昇圧制御信号SDに応じたデューティ比のゲート制御信号Gを生成する(ステップS18)。
【0045】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、架線Pから供給される直流電力を昇圧する昇圧部10と、昇圧部10により昇圧された直流電力を、電気車両に搭載された直流負荷50を駆動させるための直流電力に変換する電力変換部20と、昇圧部10の入力側の直流電流値と交流電流値とをそれぞれ検出する電流検出部3と、電力変換部20の出力側の電圧を検出する電圧検出部30と、電流検出部3により検出された電流値と、電圧検出部30により検出された電圧値とに基づいて昇圧部10を制御する昇圧制御部41と、を持つことにより、妨害電流が外部に流出することを抑制することができる。
【0046】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。