(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6847661
(24)【登録日】2021年3月5日
(45)【発行日】2021年3月24日
(54)【発明の名称】発光デバイス及びその形成方法
(51)【国際特許分類】
H01L 33/60 20100101AFI20210315BHJP
【FI】
H01L33/60
【請求項の数】13
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-544664(P2016-544664)
(86)(22)【出願日】2014年12月23日
(65)【公表番号】特表2017-502523(P2017-502523A)
(43)【公表日】2017年1月19日
(86)【国際出願番号】IB2014067266
(87)【国際公開番号】WO2015104619
(87)【国際公開日】20150716
【審査請求日】2017年12月22日
(31)【優先権主張番号】61/924,740
(32)【優先日】2014年1月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517152128
【氏名又は名称】ルミレッズ ホールディング ベーフェー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】バターワース,マーク メルヴィン
【審査官】
山本 元彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−324623(JP,A)
【文献】
特表2008−513983(JP,A)
【文献】
特開2010−062272(JP,A)
【文献】
特開2012−009633(JP,A)
【文献】
特開2012−222304(JP,A)
【文献】
特開2013−256622(JP,A)
【文献】
国際公開第2007/142018(WO,A1)
【文献】
特開2003−158301(JP,A)
【文献】
特開昭63−005580(JP,A)
【文献】
特開2006−173604(JP,A)
【文献】
特開2004−274027(JP,A)
【文献】
特開2005−109382(JP,A)
【文献】
国際公開第2005/109529(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0099263(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のリード及び第2のリードを含むメタルリードフレームであり、前記第1のリード及び前記第2のリードの各々が、それぞれの接合パッドを形成するようにメタルでめっきされている、メタルリードフレームと、
成形されたカップを形成するように前記第1のリード及び前記第2のリードの上に成形された第1の材料であり、前記成形されたカップは、前記メタルリードフレームに近接する前記成形されたカップの第1の領域から延在する壁を含み、当該第1の材料は、熱伝導率を高めるために金属粒子を含有したプラスチックを有する、第1の材料と、
前記成形されたカップの前記壁上に配置された反射材料と、
前記第1の材料と接触する前記メタルリードフレームの部分の上の誘電体コーティングと、
前記成形されたカップの前記第1の領域に配置された発光ダイオード(LED)ダイであり、当該LEDダイは一組の電極を含み、該電極の各々が、前記第1のリード及び前記第2のリードの上に形成されたそれぞれの接合パッドのうちの異なる1つに電気的に結合されている、LEDダイと、
前記成形されたカップを部分的に充たす封入材であり、前記成形されたカップの縁よりも下に位置して前記成形されたカップの前記壁と接する平坦な表面を形成する封入材と
を有する発光デバイス。
【請求項2】
前記第1のリード及び前記第2のリードは、当該発光デバイスの側面を超えて延在していない、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項3】
前記成形されたカップは、5mm以上の深さを有する、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項4】
前記第1の材料は導電性である、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項5】
前記成形されたカップは、前記成形されたカップの底領域よりも少なくとも3倍大きい頂部開口を有する複合放物面型集光器として整形されている、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項6】
前記反射材料は金属膜コーティングを有する、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項7】
前記封入材は蛍光体を含んでいる、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項8】
発光デバイスを形成する方法であって、
第1のリード及び第2のリードを含むメタルリードフレームを形成する工程であり、前記第1のリード及び前記第2のリードの各々が、それぞれの接合パッドを形成するようにメタルでめっきされる、工程と、
前記第1のリード及び前記第2のリードの上に、成形されたカップを形成するように、第1の材料を成形する工程であり、前記成形されたカップは、前記メタルリードフレームに近接する前記成形されたカップの第1の領域から延在する壁を含み、前記第1の材料は、熱伝導率を高めるために金属粒子を含有したプラスチックを有する、工程と、
前記成形されたカップの前記壁上に反射材料を堆積する工程と、
前記第1の材料と接触する前記メタルリードフレームの部分の上に誘電体コーティングを形成する工程と、
前記成形されたカップの前記第1の領域に発光ダイオード(LED)ダイをマウントし、且つ前記LEDダイの複数の電極の各々を、前記第1のリード及び前記第2のリードの上に形成されたそれぞれの接合パッドのうちの異なる1つに電気的に接続する工程と、
前記成形されたカップを封入材で部分的に充たす工程であり、前記封入材が、前記成形されたカップの縁よりも下に位置して前記成形されたカップの前記壁と接する平坦な表面を形成する、工程と、
を有する方法。
【請求項9】
前記リードは、前記発光デバイスの側面を超えて延在していない、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記成形されたカップは、5mm以上の深さを有する、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記成形されたカップは、前記成形されたカップの底領域よりも少なくとも3倍大きい頂部開口を有する複合放物面型集光器として整形される、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記成形されたカップが封入材で充たされる前に、前記LEDダイの上に波長変換材料の層を堆積する工程、を更に有する請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の材料は導電性である、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッケージングされた発光ダイオード(LED)に関し、特に、LEDダイ用の完成した小型パッケージとして使用されるリフレクタカップに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷回路基板(PCB)又はその他の基板上にLEDダイをマウントして、LEDの電極をPCB上の導電配線に電気接続するのが一般的である。その後、中央穴を有する成形されたリフレクタカップが、PCBに取り付けられてLEDダイを囲む。そして、LEDダイを封入するよう、カップが蛍光体ミクスチャ又は透明材料で充填されてキュアされる。カップは、LEDダイの側方光放射を制限し、それを概して前方向へと向け直す。故に、LEDダイパッケージは、PCBと、カップと、封入材との組み合わせである。
【0003】
一部のケースでは、光取り出しを改善するために、封入材を含んだ半球レンズがダイの上に取り付けられる。これは、レンズを収容するための大きい中央穴をカップ内に必要とする。
【0004】
得られるパッケージは、PCBが反射カップの外側まで延在しなければならないため、かなり大きい。また、このパッケージには、ハンドリングを必要とするとともにパッケージの信頼性を低下させる複数の部品が存在する。
【0005】
中央穴を有する成形されたリフレクタカップを使用することの別の1つの欠点は、LEDダイに面するカップの内縁が、角度の突いたナイフエッジではなく、短い垂直な壁を形成していることである。標準的な成形プロセスでは、ナイフエッジは達成可能でない。故に、内縁が、光を前方向に反射するというよりも、光の一部を遮ってしまう。
【0006】
さらに、従来の反射カップは、カップの目的が単に側方光を反射すること及び封入材を収容することであるので、比較的浅くて幅広ビームを作り出す。カップは、ビームを整形することには使用されていない。例えばビームをコリメートするためになど、ビームを整形するために、カップがPCBに取り付けられるのに先立って、LEDダイの上にレンズが配設される。故に、レンズと、追加されたハンドリングとが、更なるコストをパッケージに付加する。レンズはまた、光を減衰させてしまう。
【0007】
浅い反射カップの幾つかの例が特許文献1(US2013/0228810A)に示されており、そこでは、カップが完全に充填され、且つ一部のケースで、カップ及びLEDダイを覆ってレンズが成形されている。
【0008】
コリメートされたビームを要求する用途において、より小型で、あまり高価でなく、且つ信頼性あるLEDダイ用のパッケージが必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2013/0228810号明細書
【発明の概要】
【0010】
本発明の一例において、リードフレームの上にプラスチックカップが成形され、カップの中央が、LEDダイの電極への接続のためのメタルパッドを有する。カップの湾曲した壁が、例えば銀又はアルミニウムなどの高度に反射性の膜で被覆される。カップは、狭くてコリメートされたビームを作り出すために深い(例えば、少なくとも5mm)。リードフレームは、プラスチックカップの側面から外に延在してもよく、あるいはリードフレームは、カップの底部電極をもたらしてもよい。リードフレームは、良好な電気伝導及び熱伝導のために銅とすることができ、LED電極への接合及び基板(PCBを含む)上のパッドへの接合に適するように、メタルパッド/電極が、金でめっきされ、金バンプを有し、はんだで濡らされ、あるいはその他の方法で準備される。
【0011】
そして、LEDダイが、カップの底にマウントされ、且つリードフレームに電気的に接続される。リードフレーム及びカップ材料が、LEDダイからの熱を伝導する。非フリップチップダイにはワイヤボンディングも使用され得る。
【0012】
LEDダイがカップにマウントされた後、透明又は蛍光体ミクスチャとし得るものである封入材で、カップが部分的に充たされる。次いで、封入材が硬化される。
【0013】
このカップは、中央穴を有しないので、光を遮ったり光をダイ内に反射し返したりする垂直な壁部分がLEDダイの隣に存在しないように容易に成形されることができる。反射壁に入射する全ての光が前方向に反射される。
【0014】
従って、パッケージ全体が、反射カップのサイズの単一ユニットである。この深カップを用いることでビームが整形され、故に、レンズは必要とされない。このパッケージは、シングルピースであるので、高い信頼性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態に従った、深い反射カップへと成形されたリードフレーム上にマウントされた、フリップチップLEDダイの断面図である。
【
図2】本発明の他の一実施形態に従った、深い反射カップへと成形されたリードフレーム上にマウントされた、ワイヤボンドLEDダイの断面図である。
【
図3】本発明の他の一実施形態に従った、リードフレームがカップの底面パッドを形成した、深い反射カップへと成形されたリードフレーム上にマウントされた、フリップチップLEDダイの断面図である。
【
図4】本発明の他の一実施形態に従った、リードフレームがカップの底面パッドを形成した、深い反射カップへと成形されたリードフレーム上にマウントされた、ワイヤボンドLEDダイの断面図である。
【
図5】
図1−4の実施形態のうちの何れかのカップ部分の上面図であり、カップのボンディングパッドの位置及びカップ内のLEDダイの位置を示している。
【
図6】LEDダイを封入するようにカップ内に蛍光体ミクスチャ又は透明ミクスチャが堆積された後の、
図1のカップ及びLEDダイを例示している。
【
図7】LEDダイを封入するようにカップ内に蛍光体ミクスチャ又は透明ミクスチャが堆積された後の、
図3のカップ及びLEDダイを例示している。
【
図8】400−750nmの間の何らかのLEDダイ波長についての光強度−角度プロファイルであり、
図1−7の深いカップで得られる比較的狭いビームを例示している。 同じ又は同様である要素には同じ参照符号を付している。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に従った反射カップパッケージ10を例示している。銅のリードフレームが、1枚以上のシートから打ち抜かれて、パッケージ10のリード12及び14を形成している。パッケージの処理を単純化するために、アレイ状の複数のリードフレームが共に接続されているとすることができ、それらのリードフレームが、パッケージを形成した後に切断されて、個々のパッケージが取り出される。
【0018】
LEDダイ16の電極18及び20に接合されることになるリード12及び14の領域が、例えば金又は合金などの好適なメタルでめっきされて、接合パッド22及び24が形成され得る。ダイ電極18/20への接合を可能にすることには、必要に応じて、金ボール、はんだ濡れ、又はその他の技術も使用され得る。電気接続のために使用されるリードフレームの部分を、その接続が、はんだ、超音波溶接、ワイヤボンド、導電性エポキシ、等々の何れによるものであろうと、ここでは接合パッド又は電極として参照する。
【0019】
リードフレームの上にプラスチックカップ26が成形される。アレイ内の各リードフレームに対して同時に同じプラスチックカップが成形される。圧縮成形又は射出成形が使用され得る。好ましくは、このプラスチックは熱伝導性である。このプラスチックが、例えば(熱伝導率を高めるために)金属粒子を含有していることにより、導電性でもある場合、プラスチックに接触するリードフレームの部分が、成形工程に先立って、その上に誘電体コーティング(別個に図示していない)を形成される。
【0020】
カップ26は概して、LED16の頂部発光面の平面に対して平行な円形断面(例えば
図5に示すものなど)を有して、LED16の頂部発光面の平面に対して垂直な放物線を形成する。形状はまた、複合放物面型集光器(compound parabolic concentrator;CPC)とすることができる。一実施形態において、カップ26の放物線部分は約5mm深さであり、その頂部開口は直径で約6−7mmであり、その底面の、LEDダイ16用の平坦領域は、直径で約1−2mmである。カップ26は、その底面からその頂部端まで傾斜を強め、概して、全てのLEDダイ光を上方へと反射する。カップが深いほどビームが狭くなり、故に、ビーム形状は、何らかのレンズによってではなく、カップ形状によって決定される。この好適実施形態において、レンズは使用されていない。
【0021】
そして、カップ26の内表面が、スパッタリング、蒸着、スプレイ塗布、又はその他のプロセスによって、例えば銀又はアルミニウムの膜などの反射材料28でコーティングされる。反射は、非常に狭いビームに関して鏡面反射とすることができ、あるいは、広めのビームに関して拡散性(例えば、白色塗料を用いることによってなど)とすることができる。反射材料28によって接合パッド22/24が短絡あるいは被覆されないことを確保するために、マスキングプロセスが使用され得る。他の例では、反射材料を接合パッド22/24から除去し、その後に、金又はその他の好適材料でめっきしてもよい。
【0022】
他の一実施形態において、反射膜は、LEDダイ発光に合わせて調整(チューニング)されたダイクロイックコーティングである。マスキングプロセスを用いることで、電極が反射材料28又は代わりのダイクロイックコーティングで被覆されないことを確実にし得る。
【0023】
そして、リードフレーム12及び14の端部に形成された接合パッド22/24に、フリップチップLEDダイ16の底部電極18/20が接合される。この接合は、超音波溶接、はんだ、はんだペースト、導電性エポキシ、又はその他の手段によってとし得る。LEDダイは典型的に正方形であり、一辺0.5−1mm程度である。リード12及び14は、電源への接続のためのアノードリード及びカソードリードを形成する。
【0024】
用途に応じて、リード12及び14の外端部は、LEDダイ16に電力を供給するために印刷回路基板(PCB)又はその他の基板の上のメタルパッドにはんだ付けされ得る。LEDダイ16から放たれた光線30が、カップ26の壁で前方向に反射されることが示されている。LEDダイ16の側壁からのあらゆる光線が同様に、カップ26によって上向きに反射されることになる。
【0025】
LEDダイ16からの熱は、LEDダイ16を覆う空気と、リード12及び14と、パッケージ10との組み合わせによって取り除かれる。パッケージ10の底面は、熱伝導性のペーストを用いて、基板に熱的に結合され得る。基板及び/又はカップ26は、ヒートシンクとして機能するアルミニウムコア(図示せず)を有していてもよい。
【0026】
図5は、LEDダイ16(透明であるとして破線で示している)に対する接合パッド22及び24の位置を例示している。接合パッド22及び24は、LEDダイ16と同程度の幅又はそれより大きい幅であってもよい。
図1のリード12/14は、LEDダイからの熱をより良く引き沈める(シンクする)ために、LEDダイ16よりも遥かに幅広であってもよい。
【0027】
図2は、
図1のパッケージと同様のパッケージ36を例示しているが、LEDダイ38が、ワイヤ42を介して接合パッドにワイヤボンドされる頂部電極を有している。LEDダイ38は、底部電極を、良好な熱伝導性及び導電性のためにリード44の接合パッドに接合させている。カップ26は、その他の点では同じである。
【0028】
LEDダイは、2つの頂部電極を有するタイプであってもよく、双方の電極がリードの接合パッドにワイヤボンドされる。LEDダイの底部熱パッドが、熱伝導性のエポキシを用いて、カップ26のプラスチックベースに熱的に接合され得る。
【0029】
図1及び2において、リード12/14又は40/44の幅は、基板(例えば、PCB)への良好な熱経路を提供するために、例えば2mm幅以上など、少なくともLEDダイと同程度の幅とし得る。
【0030】
図3は、プラスチックカップ54がリードフレームの周りに成形された後の、リードフレームが底部接合パッド50及び52を形成するパッケージ48の電極パターンを例示している。LEDダイ16電極及び基板電極への接合を強化するために、リードの頂面及び底面が金又はその他のメタルでめっきされ得る。めっきの代わりに、金ボール、はんだ、又はその他の接合技術が使用されてもよい。
図3は、リードフレームの頂面上に形成された頂部接合パッド56及び57を示している。基板との熱接触を最大化するために、底部電極50及び52がパッケージ48の幅全体を延在し得る。パッケージ48は、
図1のパッケージ10よりも良好な、LEDダイ16と基板との間の熱伝導を提供する。
【0031】
図3にも、
図5に示した接合パッド構成を適用し得る。
【0032】
図4は、
図3のパッケージと同様のパッケージ58を例示しているが、LEDダイ38の頂部電極がワイヤ42によって頂部接合パッド60に接続されている。
【0033】
このLEDダイも、リードフレームの頂部接合パッドにワイヤボンドされる2つの頂部電極を有していてもよく、LEDダイの底部熱パッドが、熱伝導性のエポキシによって、パッケージ48又は58に熱的に結合される。
【0034】
図6及び7は、パッケージ10及び48の中のLEDダイ16が、カップ内にマウントされた後に封入されることを例示している。パッケージ36及び58でも、同じ封入材が使用され得る。この封入材は、LEDダイ16を保護するとともに、典型的にLEDダイ材料(例えば、GaN)と空気との間の屈折率を持つことによって、光取り出しを向上させる。波長変換のため、封入材64は、例えばYAG蛍光体又は赤色と緑色の蛍光体などの蛍光体粉末を注入されたシリコーンバインダとし得る。LEDダイ16が青色光を発する場合、その青色光の一部が漏れ抜けて蛍光体光と組み合わさって白色光を作り出すことになる。蛍光体の選択によって、あらゆる色が生成され得る。LEDダイの青色光線30と混ざり合って白色光を作り出す黄色光線68を蛍光体粒子66が放つことが示されている。
【0035】
封入材64は、代わりに、透明又は拡散性であってもよい。シリコーンが使用され得る。拡散材料は、シリコーン内のTiO
2(白色)粒子とし得る。
【0036】
蛍光体は、封入材64を堆積するのに先立ってLEDダイ16を覆った別個の層であってもよい。
【0037】
図6及び7とは対照的に、側方光を制限するために使用されるものである従来技術の浅いカップは典型的に、カップの非常に小さい容積に起因して、封入材で完全に充たされる。その後、典型的に、浅いカップの上にレンズがマウントされる。
【0038】
図6及び7はまた、リード12/14及び底部パッド50/52が、例えばPCBなどの基板76/78上のそれぞれのパッド又は配線70−73に接合(例えば、はんだ付け)されることを示している。基板76/78は、LEDダイ16から熱を導き除くためのメタルコア(図示せず)を有していてもよい。
【0039】
他の一実施形態において、リードは、パッケージの片側から延在して、ソケット又はその他のタイプのメスコネクタに対するオスコネクタを形成する。
【0040】
図8は、放物面の反射壁を有する5mm深さのカップの光強度−角度プロファイルである。y軸の値は、絶対値ではなく、相対的な光束を伝えている。ビームは、極めて明確に定められており、狭く、且つLEDダイの中心軸(90°にある)に対して対称である。ビームは、レンズではなくカップによって整形されることができる。より狭いビームのために、5mmよりも大きい深さを持つカップも想定される。深カップパッケージを用いることにより、低パワーLEDであっても、狭くて非常に明るいビームを生成するのに使用され得る。
【0041】
所望の光放射に合った特定の寸法をカップが有しなければならないことを考えると、得られるパッケージは基本的に、可能な最小サイズである。
【0042】
プラスチックカップが白色プラスチックで形成される場合、拡散反射が望まれるとすると、反射膜をカップ壁に堆積させる必要はない。
【0043】
成形用材料のこの例ではプラスチックが使用されているが、その他の好適な成形用材料がカップに使用されてもよい。
【0044】
本発明の特定の実施形態を図示して説明したが、当業者に明らかなように、より広い観点での本発明を逸脱することなく変形及び変更が為され得るのであり、故に、添付の請求項は、その範囲内に、本発明の真の精神及び範囲に入るそのような変形及び変更の全てを包含するものである。