特許第6847672号(P6847672)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6847672
(24)【登録日】2021年3月5日
(45)【発行日】2021年3月24日
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/02 20060101AFI20210315BHJP
【FI】
   F25D23/02 304D
   F25D23/02 A
   F25D23/02 304A
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-5551(P2017-5551)
(22)【出願日】2017年1月17日
(65)【公開番号】特開2018-115784(P2018-115784A)
(43)【公開日】2018年7月26日
【審査請求日】2019年12月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】塚本 健一
【審査官】 庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−031441(JP,A)
【文献】 特開平03−095380(JP,A)
【文献】 特開2004−316936(JP,A)
【文献】 特開2014−074558(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/049969(WO,A1)
【文献】 特開2014−040932(JP,A)
【文献】 特開2007−147196(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02975346(EP,A1)
【文献】 韓国公開特許第10−2008−0094434(KR,A)
【文献】 中国特許出願公開第105972917(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面開口部を有する冷蔵庫本体と、
面材と前記面材の内側に発泡断熱材を有し、前記前面開口部を開閉する扉と、を備え、
前記扉の端面には凹形状の取っ手部が設けられ、前記取っ手部の前側にリブ設けられ、前記取っ手部と前記リブにより前記面材が保持され、前記扉の背面には前記背面側からガスケットが取り付けられ、前記面材の背面側と前記取っ手部の前側部分との間に空間が設けられ、前記扉の前記端面から前記空間の入口部分までの高さが、前記扉の前記端面から前記ガスケットの中心位置までの高さよりも低くなっており、前記空間には前記発泡断熱材が充填されていることを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
前記取っ手部は、前記面材の外縁部の背面に当接されていることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記取っ手部は、前記扉の全幅方向に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫は、冷蔵庫本体の前面に扉を備えており、扉には取っ手が設けられている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4926230号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の冷蔵庫では、扉の前面板である面材の端部は、扉の端面に配置されているキャップに保持している。扉の面材のカラーバリエーションが増えて、特に高光沢や濃厚色を使用した面材が用いられている。
【0005】
扉の面材が例えば鋼板である場合には、扉の面材の内側に、発泡断熱材であるウレタン発泡材を発泡して充填させると、ウレタン発泡材が面材を内側から押すことから、面材の外観に歪みが発生する場合がある。特に、面材として高光沢や濃厚色の鋼板を使用している場合には、面材には外観上の歪みが顕著に表れて、冷蔵庫の外観が損なわれるおそれがある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、発泡断熱材を扉内に発泡させる際に、扉の前面材である面材に歪みが生じるのを抑えることができる冷蔵庫を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施の形態の冷蔵庫は、前面開口部を有する内箱と外箱の間に発泡断熱材が配置された冷蔵庫本体と、面材と前記面材の内側に発泡断熱材を有し、前記前面開口部を開閉する扉と、を備え、前記扉の端面には取っ手部が設けられ、前記取っ手部の前側にリブを設け、前記取っ手部と前記リブにより前記面材が保持されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態の冷蔵庫の全体を示す正面図である。
図2図1の冷蔵庫の内部構造例を示す模式図である。
図3図2に示す扉と扉の領域部分Rの構造例を拡大して示す断面図である。
図4】比較例を示す図である。
図5】本発明の第2実施形態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて、本発明の実施するための形態(以下、実施形態と称する)を説明する。
【0010】
<第1実施形態>
(冷蔵庫1の全体構成)
図1は、本発明の第1実施形態の冷蔵庫の全体を示す正面図である。図2は、図1の冷蔵庫の内部構造例を示す模式図である。
【0011】
図1に示す冷蔵庫1は、冷蔵庫本体2を有している。この冷蔵庫1の冷蔵庫本体2は、図2に示すように、外側側板からなる外箱3と、内側側板からなる内箱4を有する。外箱3と内箱4の間には、ウレタン発泡材のような発泡断熱材5が、発泡することにより充填されている。これにより、冷蔵庫本体2は、発泡断熱材5により断熱されている。
【0012】
冷蔵庫本体2の内箱4の内部には、複数の貯蔵室が形成されている。冷蔵庫本体2の上側には、冷凍温度帯に冷却可能な冷凍区画としての冷凍室6が配置され、冷凍室6の下側には、冷蔵温度帯に冷却可能な冷蔵区画としての冷蔵室7が配置されている。冷蔵室7は、野菜室等を含んでいる。
【0013】
図1図2に示すように、冷凍室6の前面には、前面開口部6Pを有している。冷凍室6は片開き式の扉8を有し、扉8は、この前面開口部6Pを開閉できるように、ヒンジを用いて冷蔵庫本体2に取り付けられている。扉8は、上下のキャップ10,11と、面材12を有する。面材12の上端部と下端部は、それぞれキャップ10,11により上下から挟み込まれることで、取り付けられている。
【0014】
同様にして、図1図2に示すように、冷蔵室7の前面には、前面開口部7Pを有している。冷凍室7は片開き式の扉9を有し、扉9は、この前面開口部7Pを開閉できるように、ヒンジを用いて冷蔵庫本体2に取り付けられている。扉9は、上下のキャップ13,14と、面材15を有する。面材15の上下端部は、それぞれキャップ13,14により上下から挟み込まれることで、取り付けられている。
【0015】
この面材12,15は、それぞれ扉8,9の前面を覆っている前面材であり、好ましくは鋼板である。この鋼板は、例えば冷蔵庫の前面側の美的外観を向上させるために、高光沢の鋼板や濃厚色の鋼板を使用している。
【0016】
図3は、図2に示す扉8と扉9の領域部分Rの構造例を拡大して示す断面図である。この領域部分Rは、扉8の下部と扉9の上部を含んでいる。図3では、扉8の下側のキャップ11と、扉8の面材12と、扉9の上側のキャップ13と、扉9の面材15等を示している。下側のキャップ11と上側のキャップ13は、ともに例えばプラスチック製であるが、金属製でも良い。
【0017】
図2に示すように、扉8の面材12と上下のキャップ10,11と内板16の間には、ウレタン発泡材のような発泡断熱材17が、発泡することにより充填されている。同様にして、扉9の面材15と、上下のキャップ13,14と内板18の間には、ウレタン発泡材のような発泡断熱材19が、発泡することにより充填されている。
【0018】
まず、図3を参照して、扉8の下側のキャップ11の構造例を説明する。
【0019】
扉8のキャップ11は、取っ手部20と、前側のリブ21と、ガスケット受け部22と、平坦部24を有している。キャップ13は、取っ手部30と、前側のリブ31と、ガスケット受け部32と、平坦部34を有している。
【0020】
図1に示す冷蔵庫1の例では、破線で示すように、取っ手部20,30は、冷蔵庫本体2の左右方向であるX方向に沿って、所定の長さ分、例えば使用者の手指が取っ手部20,30に挿入して掛けることができる十分な長さだけ、設けられている。
【0021】
図1に示すZ方向は、冷蔵庫1の上下方向であり、Y方向は冷蔵庫1の奥行方向である。X、Y、Z方向は直交している。取っ手部20,30は、使用者が手指を挿入して扉8,9をそれぞれ開閉操作するための部分であるが、ハンドルと呼ぶことができる。
【0022】
キャップ11の取っ手部20は、最も前側に位置されるリブ21と、リブ21の後側に位置される平坦部24との間の位置に形成されている。取っ手部20は、扉8の下面であってしかも扉8の面材12の内側において、Z1方向に沿って上向きに突出するようにして逆凹形状に形成されている。
【0023】
この取っ手部20は、使用者の手指が掛けやすいようにするために、ほぼ横に向けたC字型形状の断面を有している。取っ手部20は、使用者が手指を上に向けて入れることで、扉8を操作して前面開口部6Pを開閉する。
【0024】
リブ21は、取っ手部20の前側部分20Aに連続して形成されており、Z1方向に沿って上向きに形成されている。リブ21の内面21Aと取っ手部20の前側部分20Aの間には、面材取付溝23が形成されている。リブ21のZ1方向の高さは、取っ手部20の高さ寸法H1よりも小さい。これにより、リブ21が面材12の表面側においてできる限り目立たないようにすることができる。
【0025】
平坦部分24が、取っ手部20の後側部分20Bとガスケット受け部22の間に形成されている。ガスケット受け部22は、後側の部品のガスケット25を挿入することにより後側の部品を固定する。
【0026】
図3に示すように、面材12の下端部が、面材取付溝23にはめ込まれることで、キャップ11に対して保持または固定されている。リブ21の内面21Aと取っ手部20の前側部分20Aは、面材12の表面と背面にそれぞれ当接している。これにより、面材12の下端部は、キャップ11のリブ21の内面21Aと取っ手部20の前側部分20Aの間に挟まれるようにして、確実に保持または固定できる。
【0027】
このため、図2に示すように、扉8の面材12と上下のキャップ10,11と内板16の間に、発泡断熱材17が充填されても、発泡断熱材17が発泡したときに、面材12に外観歪みが発生するのを抑えることができる。従って、扉8の前面材として濃厚色や高光沢の鋼板のような面材12を用いても、面材12の外観歪みを抑えることができる。
【0028】
このような構成の扉8の内部に、発泡断熱材17が発泡することで充填されるときに、発泡断熱材17は、面材12の下端部の内面とキャップ11の上面側に形成されている扉8の空間の内部の隅々まで、隙間が生じることなく充填させることができる。このため、扉8の内部には隙間が生じにくいので、扉8の断熱性を上げることができる。
【0029】
なお、面材12の下端部は、この面材取付溝23にはめ込まれてはいるが、仮に、面材12の背面側と取っ手部20の前側部分20Aとの間に隙間が生じていたとしても、この隙間には、発泡断熱材17が充填されるので、面材12の下端部は確実に固定できる。
【0030】
次に、図3を参照して、扉9の上側のキャップ13の構造例を説明する。
【0031】
扉9のキャップ13の取っ手部30は、リブ31と平坦部34の間の位置に形成されており、取っ手部30は、扉9の内部において、Z2方向に沿って下向きに突出するようにして凹形状に形成されている。この取っ手部30は、ほぼJ字型形状の断面を有している。取っ手部20は、冷蔵庫の使用者が手指を下に向けて入れることで、扉9を操作して前面開口部7Pを開閉するために設けられている。
【0032】
リブ31は、取っ手部30の前側部分30Aに連続して形成されており、Z2方向に沿って下向きに形成されている。リブ31の内面31Aと取っ手部30の前側部分30Aの間には、面材取付溝33が形成されている。
【0033】
平坦部分34が、取っ手部30の後側部分30Bとガスケット受け部32の間に形成されている。ガスケット受け部32は、後側の部品のガスケット35を挿入することにより後側の部品を固定している。
【0034】
面材15の上端部は、この面材取付溝33にはめ込まれることで、キャップ13に対して保持または固定されている。リブ31の内面31Aと取っ手部30の前側部分30Aは、面材15の表面と背面にそれぞれ当接している。
【0035】
これにより、面材15の上端部は、キャップ13に対して、リブ31の内面31Aと取っ手部30の前側部分30Aの間に挟まれるようにして、確実に保持または固定できる。このため、扉9の面材15と上下のキャップ13,14と内板の間に発泡断熱材19が充填されて発泡したときに、面材15に外観歪みが発生するのを抑えることができる。従って、扉9の前面材として高光沢や濃厚色の鋼板のような面材15を用いても、面材15の外観歪みを抑えることができる。
【0036】
このような構成の扉9の内部に、発泡断熱材19が充填されるときに、発泡断熱材19は、面材15の内面とキャップ13の下面側の隅々まで隙間を生じることがなく、充填させることができる。このため、扉9の内部には隙間が生じにくいので、扉9の断熱性を上げることができる。
【0037】
面材15の上端部は、面材取付溝33にはめ込まれてはいるが、仮に面材15の内面側と取っ手部30の前側部分30Aとの間に隙間が生じていたとしても、この隙間には、発泡断熱材19が充填されるので、面材15の上端部は確実に固定できる。
【0038】
図3に示すように、扉8側の取っ手部20の上端部と下端部との間の寸法、すなわち取っ手部20の高さ寸法は、H1で表す。扉9側の取っ手部30の上端部と下端部との間の寸法、すなわち取っ手部30の高さ寸法は、H2で表す。また、取っ手部20の下端部と取っ手部30の前側部分30Aとの間に形成されている空間の寸法は、Aで表す。取っ手部30の前側部分30Aと後側部分30Bとの間の寸法は、Bで表す。好ましくは、取っ手部20の高さ寸法H1,H2は、空き寸法Aよりも小さく、寸法Bよりも小さく設定されている。これにより、空き寸法Aと寸法Bが大きく設定されているので、使用者は、手指を扉8側の取っ手部20であっても、扉9側の取っ手部30であっても、自由に選択して扉8あるいは扉9を開けることができる。
【0039】
また、図3に示すように、取っ手部20の凹部の深さの大きさを表す取っ手部20の高さ寸法H1の位置は、ガスケット25の中心位置Lよりも下にある。取っ手部20の高さ寸法H1の位置がガスケット25の中心位置Lよりも低いことから、取っ手部20の高さ寸法H1は、使用者の手指の第一関節の長さに相当する。これにより、使用者は、手指の第一関節当たりを取っ手部20内に入れて、扉8の開閉操作を容易に行うことができる。
【0040】
図1に示す第1実施形態では、扉8の取っ手部20と扉9の取っ手部30は、冷蔵庫本体2の左右方向であるX方向(扉8,9の全幅方向)に沿って、例えば使用者の手指が取っ手部20,30に挿入して掛けることができる十分な長さだけ、設けられている。
【0041】
扉8の取っ手部20と扉9の取っ手部30が設けられているので、扉8の中に発泡断熱材17を充填しても、扉8の前面側では、面材12の外観歪みが生じるのを抑制でき、扉9の中に発泡断熱材19を充填しても、扉9の前面側では、面材15の外観歪みが生じるのを抑制できる。
【0042】
(比較例の説明)
ここで、図4に示す本発明の範囲外である冷蔵庫の比較例を参照して、比較例の取っ手部を有するキャップ120等の形状を説明する。図4は、比較例の冷蔵庫における取っ手部123を有するキャップ120と、別のキャップ220を示している。
【0043】
図4に示す比較例では、上側の扉108の面材112の表面は、キャップ120のリブ121に当てて保持されている。このキャップ120では、リブ121の内側に、突起122と取っ手部123が、Z方向に立てて設けられている。このリブ121のZ方向の高さが大きく、突起122のZ方向の高さも大きい。突起122と取っ手部123の位置は、リブ121の位置からは離れている。
【0044】
このため、面材112の背面と突起122の隙間と、突起122と取っ手部123の隙間には、発泡断熱材130が入り込み難いので、発泡断熱材130の接着面積が少なくなり、面材112の下端部は、確実にキャップ120に対して固定できない。この突起122の存在は、発泡断熱材130の充填には邪魔になる。このことから、発泡断熱材130が発泡したときに、面材112に外観歪みが発生するのを抑えることができない。
【0045】
また、下側の扉109の面材115の表面は、キャップ220のリブ221に当てて保持されている。このキャップ220には、リブ221の内側に、突起222がZ方向に立てて設けられている。このリブ221のZ方向の高さが大きく、突起222のZ方向の高さも大きい。
【0046】
このため、面材115の背面と突起222の隙間には、発泡断熱材230が入り込み難いので、発泡断熱材230の接着面積が少なく、面材115の上端部は、確実にキャップ220に対して固定できない。この突起222の存在は、発泡断熱材230の充填には邪魔になる。このことから、発泡断熱材230が発泡したときに、面材115に外観歪みが発生するのを抑えることができない。
【0047】
(第2実施形)
次に、図5を参照して、本発明の冷蔵庫の第2実施形態を説明する。
【0048】
図5は、本発明の冷蔵庫の第2実施形態を示す正面図である。
【0049】
図5に示す冷蔵庫1Aが、図1に示す冷蔵庫1と実施的に同じ個所には同じ符号を期してその説明を省略する。図5に示す冷蔵庫1Aが図1に示す冷蔵庫1と異なるのは、取っ手部20,30のX方向に関する長さができるだけ大きく設定されていることである。
【0050】
図1に示す第1実施形態では、扉8の取っ手部20と扉9の取っ手部30は、冷蔵庫本体2の左右方向であるX方向(扉8,9の全幅方向)に沿って、例えば使用者の手指が取っ手部20,30に挿入して掛けることができる十分な長さだけ、設けられている。
【0051】
これに対して、図5に示す第2実施形態の冷蔵庫1Aでは、扉8の取っ手部20と扉9の取っ手部30は、冷蔵庫本体2の左右方向であるX方向(扉8,9の全幅方向)に沿って、全幅にわたりもしくは、ほぼ全幅にわたって長くなるように、できるだけ大きくなっている。
【0052】
これにより、扉8の前面側では、面材12が冷蔵庫本体2の左右方向であるX方向に沿って、全幅にわたり、もしくはほぼ全幅にわたって外観歪みが生じるのを抑制でき、扉9の前面側では、面材15が冷蔵庫本体2の左右方向であるX方向に沿って、全幅にわたり、もしくはほぼ全幅にわたって外観歪みが生じるのを抑制できる。
【0053】
しかも、扉8の取っ手部20と扉9の取っ手部30は、冷蔵庫本体2の左右方向であるX方向に沿って、全幅にわたり、もしくはほぼ全幅にわたって設けられているので、使用者は、手指を取っ手部20,30に挿入し易く、扉8,9を開閉操作するときの使い勝手が向上する。
【0054】
以上説明したように、本発明の実施形態の冷蔵庫1,1Aは、冷蔵庫本体2と、面材12,15と面材12,15の内側に発泡断熱材17,19を有し、前面開口部6P,7Pを開閉する扉8,9を備え、扉8,9の端面には取っ手部20,30が設けられ、取っ手部20,30の前側にリブ21,31を設け、取っ手部20,30とリブ21,31により面材12,15が保持されている。
【0055】
これにより、面材12,15は、リブ21,31と取っ手部20,30とにより、それぞれ確実に挟み込んで保持でき、発泡断熱材17,19は面材12,15の先端部まで充填することができる。このため、発泡断熱材17,19をそれぞれ扉8,9内に発泡させて充填させる際に、扉8,9の前面材である面材12,15の凹凸の発生を防いで、面材12,15の外観歪みを抑制して歪みが目立ちにくくなる。このように、扉8,9の前面材である面材12,15に歪が生じるのを抑えることができる。
【0056】
取っ手部20,30は、面材12,15の背面にそれぞれ当接されている。これにより、面材12,15は、リブ21,31と取っ手部20,30とにより、それぞれ挟み込んでより確実に固定でき、発泡断熱材17は面材12,15の先端部まで充填することができる。このため、扉8,9の前面材である面材12,15の凹凸を抑制でき、面材12,15の外観歪みを目立ちにくくする。
【0057】
取っ手部20は、凹形状に形成されており、取っ手部20の凹形状の最も深い部分の位置(H1)は、扉20の背面側から取り付けられるガスケット25の中心位置Lよりも、低くなっている。これにより、好ましくは取っ手部20の凹形状の深さは、使用者の手指の第一関節までを取っ手部に挿入して引っ掛ける高さに設定することができる。このため、使用者は手指の第一関節を取っ手部20に引っ掛けた状態で、扉8を容易に開閉操作することができる。しかも、取っ手部20の高さをガスケット25の中心位置Lよりも低くすることで、取っ手部20の高さをできる限り低くできるので、発泡断熱材17は面材12の先端部まで、確実に充填することができる。このため、面材12の凹凸を抑制でき、外観歪みを目立ちにくくする。
【0058】
取っ手部20,30は、扉8,9の全幅方向(X方向)に沿って、設けられている。これにより、扉8の前面側では、面材12,15が、冷蔵庫本体2の左右方向であるX方向に沿って外観歪みを生じる現象を抑制できるので、取っ手部20,30の前面側の歪みを軽減できる。しかも、取っ手部20,30は、扉8,9の全幅方向(X方向)に沿って、設けられているので、使用者が、手指を取っ手部20,30に挿入し易く、扉8,9を開閉操作するときに、開閉時の使い勝手が向上する。
【0059】
以上、本発明の実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な態様で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0060】
図示例の冷蔵庫1の構造は、一例であり、任意の構造を採用することができる。例えば、冷蔵庫1,1Aでは、片開き式の扉8が、冷蔵庫本体2の上側の冷凍室6の前面開口部6Pを開閉可能になっている。しかしこれに限らず、例えば冷蔵庫本体2の上側には冷蔵室を設けて、冷蔵室の前面開口部は、両開き式の左右の扉により開閉できるようにしても良い。
【符号の説明】
【0061】
1 冷蔵庫
1A 冷蔵庫
2 本体
3 外箱
4 内箱
6 冷凍室
6P 前面開口部
7 冷蔵室
7P 前面開口部
8,9 扉
11 キャップ
12 面材
13 キャップ
15 面材
17 発泡断熱材
19 発泡断熱材
20 取っ手部
21 リブ
30 取っ手部
31 リブ
図1
図2
図3
図4
図5