(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記着氷を評価するための性能評価試験の1つとして、着氷風洞試験がある。当該試験は、通常の風洞試験と同様に閉鎖された風路に水滴を噴射し、試験断面として設置された供試体に積雪する氷の大きさ、形状を評価する試験である。
【0005】
氷の形状を評価する場合、着氷の途中で通風を停止し、残った氷を切断して、型取する方法がある。この方法は、単純明快な方法であるが、用意された断面のみしか計測できない、氷が解け始める前に計測する必要がある、通風中の形状は計測できないなどの問題がある。また、近年では、通風停止後に残った氷を3次元計測器(例えば、3次元レーザトラッカなど)により実測する方法が通例である。この方法は、精度が高く、また、計測場所を限ることもないが、計測に非常に時間がかかる、氷が解け始める前に計測する必要がある、通風中の形状は計測できないなどの問題がある。このように、3次元計測器により実測する方法であっても、試験効率の低下や計測中の氷の熔解を伴う。
【0006】
なお、脱落が発生する前の氷の高さを計測し、脱落直前の高さを予測(線形に外挿)することで、評価すべき高さを推定するなどの方法が考えられるが、この手法では、脱落直前の瞬間を見誤ることにより、航空機の安全性能に影響がある氷を見逃す可能性がある。また、見逃しを恐れて、設計上、過度な高さを推定することにより、航空機性能を過小評価する可能性があるため、これも適切ではない。また、そもそも、通風停止時の温度上昇や風速変動程度で脱落してしまうような条件の氷の形状は、上述した方法では計測できない。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、特殊な環境下でも、計測対象を高精度で効率良く計測することができる3次元位置計測システム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する第1の発明に係る3次元位置計測システムは、
対象物を異なる方向から撮影する複数の撮影手段と、
前記複数の撮影手段で撮影した画像を取得し、前記画像の処理により、計測対象点の3次元位置を計測する処理手段とを有し、
前記処理手段は、
前記計測の前に、
目盛となる基準格子を表面に有する格子定規を、前記対象物の表面上の3次元座標が既知である複数の設置位置に設置しながら、前記設置位置の各々において、前記複数の撮影手段で
前記格子定規を各々撮影し、撮影した前記画像を
前記複数の撮影手段毎に複数の基準格子画像として取得する計測前画像取得部と、
前記計測時に、前記複数の撮影手段で前記計測対象点を各々撮影し、撮影した前記画像を
前記複数の撮影手段毎に複数の計測画像として取得する計測時画像取得部と、
1の前記撮影手段にて異なる前記設置位置で撮影された2つの前記基準格子画像と、それに対応する
該撮影手段で撮影された1の前記計測画像と、により、
該撮影手段から前記計測対象点への視線となる
直線を
前記複数の撮影手段毎に算出する
直線算出部と、
複数の前記直線に基づき前記計測対象点の3次元位置を算出する3次元位置算出部と
、
を有することを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決する第2の発明に係る3次元位置計測システムは、
対象物を互いに異なる方向から撮影する第1及び第2の撮影手段と、
前記第1及び第2の撮影手段で撮影した画像を取得し、前記画像の処理により、計測対象点の3次元位置を計測する処理手段とを有し、
前記処理手段は、
前記計測の前に、目盛となる基準格子を表面に有する格子定規を、
前記対象物の表面上の3次元座標が既知である複数の設置位置に設置しながら、一端側から他端側へ順に1〜n番目とする前記設置位置の各々において、前記第1及び第2の撮影手段で前記格子定規を各々撮影し、撮影した前記画像を各々第1及び第2の基準格子画像として取得する計測前画像取得部と、
前記計測時に、前記第1及び第2の撮影手段で前記計測対象点を各々撮影し、撮影した前記画像を各々第1及び第2の計測画像として取得する計測時画像取得部と、
i番目とj番目の前記第1の基準格子画像の各々に前記第1の計測画像を重ね合わせ、
i番目とj番目の前記
第1の基準格子画像中の前記基準格子に対する前記第1の計測画像中の前記計測対象点の位置に基づいて、
i番目とj番目の前記第1の基準格子画像中の前記基準格子上に前記計測対象点があると仮定した場合の前記計測対象点の3次元座標を各々i番目とj番目の第1の対象点座標として算出すると共に、i番目の前記第1の対象点座標とj番目の前記第1の対象点座標とを通る第1の直線を算出する第1直線算出部と、
i番目とj番目の前記第2の基準格子画像の各々に前記第2の計測画像を重ね合わせ、
i番目とj番目の前記
第2の基準格子画像中の前記基準格子に対する前記第2の計測画像中の前記計測対象点の位置に基づいて、
i番目とj番目の前記第2の基準格子画像中の前記基準格子上に前記計測対象点があると仮定した場合の前記計測対象点の3次元座標を各々i番目とj番目の第2の対象点座標として算出すると共に、i番目の前記第2の対象点座標とj番目の前記第2の対象点座標とを通る第2の直線を算出する第2直線算出部と、
前記第1の直線と前記第2の直線とを最短で結ぶ線分の距離又は前記線分の中点の3次元座標に基づいて、前記計測対象点の算出に最適な前記第1の直線
及び前記第2の直線を設定する直線設定部と、
前記計測対象点の算出に最適な前記第1の直線と
前記計測対象点の算出に最適な前記第2の直線とを最短で結ぶ線分を求め、当該線分の中点の3次元座標を算出し、当該3次元座標を前記計測対象点の3次元位置とする3次元位置算出部とを有する
ことを特徴とする。
但し、nは2以上の自然数、i=1〜nの自然数、j=1〜nの自然数、i≠jである。
【0010】
上記課題を解決する第3の発明に係る3次元位置計測システムは、
上記第2の発明に記載の3次元位置計測システムにおいて、
前記処理手段は、
前記第1の直線と前記第2の直線とを最短で結ぶ線分の距離を算出する距離算出部と、
複数の前記距離の中から最小値を算出する最小値算出部とを有し、
前記直線設定部は、
前記第1直線算出部と前記第2直線算出部とを用いて、1〜n−1の自然数であるkの全てにおいて、i=k及びj=k+1として、k番目の前記第1の直線とk番目の前記第2の直線とを各々算出し、
前記距離算出部を用いて、1〜n−1の自然数であるkの全てにおいて、k番目の前記第1の直線とk番目の前記第2の直線とを最短で結ぶ線分のk番目の前記距離を各々算出し、
前記最小値算出部を用いて、1〜n−1番目の前記距離の中から最小値となるm番目の前記距離を算出し、
前記計測対象点の算出に最適な前記第1の直線
及び前記計測対象点の算出に最適な前記第2の直線として、m番目の前記第1の直線とm番目の前記第2の直線を設定する
ことを特徴とする。
但し、m=1〜n−1の自然数である。
【0011】
上記課題を解決する第4の発明に係る3次元位置計測システムは、
上記第2の発明に記載の3次元位置計測システムにおいて、
前記処理手段は、
前記第1の直線と前記第2の直線とを最短で結ぶ線分を求め、当該線分の中点の3次元座標を算出する中点座標算出部を有し、
前記直線設定部は、
前記第1直線算出部と前記第2直線算出部とを用いて、i=1及びj=nとして、初期の前記第1の直線と初期の前記第2の直線とを各々算出し、
前記中点座標算出部を用いて、初期の前記第1の直線と初期の前記第2の直線とを最短で結ぶ初期の前記線分を求め、初期の前記線分の中点の3次元座標を算出し、
前記計測対象点の推定位置となる初期の前記線分の中点の3次元座標に基づいて、前記計測対象点を挟んで前記計測対象点に最も近い2つの前記設置位置で撮影したm番目とm+1番目の前記第1及び第2の基準格子画像を選択し、
前記第1直線算出部と前記第2直線算出部とを用いて、i=m及びj=m+1として、
前記計測対象点の算出に最適な前記第1の直線
及び前記計測対象点の算出に最適な前記第2の直
線を各々算出する
ことを特徴とする。
【0012】
上記課題を解決する第5の発明に係る3次元位置計測システムは、
上記第1〜第4のいずれか1つの発明に記載の3次元位置計測システムにおいて、
前記対象物に所定のパターン映像を投影する投影手段を有し、
前記処理手段は、前記パターン映像に基づいて、同一の前記計測対象点を前記第1の計測画像中と前記第2の計測画像中で特定する対象点特定部を有する
ことを特徴とする。
【0013】
上記課題を解決する第6の発明に係る3次元位置計測システムは、
上記第2〜第5のいずれか1つの発明に記載の3次元位置計測システムにおいて、
前記格子定規は、前記基準格子を表裏両方の表面に有し、
前記第1の撮影手段は前記格子定規の一方の表面を撮影する位置に設置され、前記第2の撮影手段は前記格子定規の他方の表面を撮影する位置に設置されている
ことを特徴とする。
【0014】
上記課題を解決する第7の発明に係る3次元位置計測システムは、
上記第1〜第6のいずれか1つの発明に記載の3次元位置計測システムにおいて、
前記対象物は、航空機の翼の風洞模型であり、
前記計測対象点は、前記風洞模型に対する着氷風洞試験において、前記風洞模型の表面に付着する氷の頂点である
ことを特徴とする。
【0015】
上記課題を解決する第8の発明に係る3次元位置計測方法は、
複数の撮影手段を用いて、対象物を異なる方向から撮影し、撮影した画像の処理によ
り、計測対象点の3次元位置を計測する3次元位置計測方法において、
前記計測の前に、
目盛となる基準格子を表面に有する格子定規を、前記対象物の表面上の3次元座標が既知である複数の設置位置に設置しながら、前記設置位置の各々において、前記複数の撮影手段で
前記格子定規を各々撮影し、撮影した前記画像を
前記複数の撮影手段毎に複数の基準格子画像として取得する計測前画像取得工程と、
前記計測時に、前記複数の撮影手段で前記計測対象点を各々撮影し、撮影した前記画像を
前記複数の撮影手段毎に複数の計測画像として取得する計測時画像取得工程と、
1の前記撮影手段にて異なる前記設置位置で撮影された2つの前記基準格子画像と、それに対応する
該撮影手段で撮影された1の前記計測画像
と、により、
該撮影手段から前記計測対象点への視線となる
直線を
前記複数の撮影手段毎に算出する
直線算出工程と、
複数の前記直線に基づき前記計測対象点の3次元位置を算出する3次元位置算出工程と
、
を有する
ことを特徴とする。
【0016】
上記課題を解決する第9の発明に係る3次元位置計測方法は、
第1及び第2の撮影手段を用いて、対象物を互いに異なる方向から撮影し、撮影した画像の処理により、計測対象点の3次元位置を計測する3次元位置計測方法において、
前記計測の前に、目盛となる基準格子を表面に有する格子定規を、
前記対象物の表面上の3次元座標が既知である複数の設置位置に設置しながら、一端側から他端側へ順に1〜n番目とする前記設置位置の各々において、前記第1及び第2の撮影手段で前記格子定規を各々撮影し、撮影した前記画像を各々第1及び第2の基準格子画像として取得する計測前画像取得工程と、
前記計測時に、前記第1及び第2の撮影手段で前記計測対象点を各々撮影し、撮影した前記画像を各々第1及び第2の計測画像として取得する計測時画像取得工程と、
i番目とj番目の前記第1の基準格子画像の各々に前記第1の計測画像を重ね合わせ、
i番目とj番目の前記
第1の基準格子画像中の前記基準格子に対する前記第1の計測画像中の前記計測対象点の位置に基づいて、
i番目とj番目の前記第1の基準格子画像中の前記基準格子上に前記計測対象点があると仮定した場合の前記計測対象点の3次元座標を各々i番目とj番目の第1の対象点座標として算出すると共に、i番目の前記第1の対象点座標とj番目の前記第1の対象点座標とを通る第1の直線を算出する第1直線算出工程と、
i番目とj番目の前記第2の基準格子画像の各々に前記第2の計測画像を重ね合わせ、
i番目とj番目の前記第1の基準格子画像中の前記
第2の基準格子画像中の前記基準格子に対する前記第2の計測画像中の前記計測対象点の位置に基づいて、
i番目とj番目の前記第2の基準格子画像中の前記基準格子上に前記計測対象点があると仮定した場合の前記計測対象点の3次元座標を各々i番目とj番目の第2の対象点座標として算出すると共に、i番目の前記第2の対象点座標とj番目の前記第2の対象点座標とを通る第2の直線を算出する第2直線算出工程と、
前記第1の直線と前記第2の直線とを最短で結ぶ線分の距離又は前記線分の中点の3次元座標に基づいて、前記計測対象点の算出に最適な前記第1の直線
及び前記第2の直線を設定する直線設定工程と、
前記計測対象点の算出に最適な前記第1の直線と
前記計測対象点の算出に最適な前記第2の直線とを最短で結ぶ線分を求め、当該線分の中点の3次元座標を算出し、当該3次元座標を前記計測対象点の3次元位置とする3次元位置算出工程とを有する
ことを特徴とする。
但し、nは2以上の自然数、i=1〜nの自然数、j=1〜nの自然数、i≠jである。
【0017】
上記課題を解決する第10の発明に係る3次元位置計測方法は、
上記第9の発明に記載の3次元位置計測方法において、
前記第1の直線と前記第2の直線とを最短で結ぶ線分の距離を算出する距離算出工程と、
複数の前記距離の中から最小値を算出する最小値算出工程とを有し、
前記直線設定工程は、
前記第1直線算出工程と前記第2直線算出工程とを用いて、1〜n−1の自然数であるkの全てにおいて、i=k及びj=k+1として、k番目の前記第1の直線とk番目の前記第2の直線とを各々算出し、
前記距離算出工程を用いて、1〜n−1の自然数であるkの全てにおいて、k番目の前記第1の直線とk番目の前記第2の直線とを最短で結ぶ線分のk番目の前記距離を各々算出し、
前記最小値算出工程を用いて、1〜n−1番目の前記距離の中から最小値となるm番目
の前記距離を算出し、
前記計測対象点の算出に最適な前記第1の直線
及び前記計測対象点の算出に最適な前記第2の直線として、m番目の前記第1の直線とm番目の前記第2の直線を設定する
ことを特徴とする。
但し、m=1〜n−1の自然数である。
【0018】
上記課題を解決する第11の発明に係る3次元位置計測方法は、
上記第9の発明に記載の3次元位置計測方法において、
前記第1の直線と前記第2の直線とを最短で結ぶ線分を求め、当該線分の中点の3次元座標を算出する中点座標算出工程を有し、
前記直線設定工程は、
前記第1直線算出工程と前記第2直線算出工程とを用い、i=1及びj=nとして、初期の前記第1の直線と初期の前記第2の直線とを各々算出し、
前記中点座標算出工程を用いて、初期の前記第1の直線と初期の前記第2の直線とを最短で結ぶ初期の前記線分を求め、初期の前記線分の中点の3次元座標を算出し、
前記計測対象点の推定位置となる初期の前記線分の中点の3次元座標に基づいて、前記計測対象点を挟んで前記計測対象点に最も近い2つの前記設置位置で撮影したm番目とm+1番目の前記第1及び第2の基準格子画像を選択し、
前記第1直線算出工程と前記第2直線算出工程とを用いて、i=m及びj=m+1として、
前記計測対象点の算出に最適な前記第1の直線
及び前記計測対象点の算出に最適な前記第2の直
線を各々算出する
ことを特徴とする。
【0019】
上記課題を解決する第12の発明に係る3次元位置計測方法は、
上記第8〜第11のいずれか1つの発明に記載の3次元位置計測方法において、
前記対象物に所定のパターン映像を投影する投影手段を用い、前記パターン映像に基づいて、同一の前記計測対象点を前記第1の計測画像中と前記第2の計測画像中で特定する対象点特定工程を有する
ことを特徴とする。
【0020】
上記課題を解決する第13の発明に係る3次元位置計測方法は、
上記第9〜第12のいずれか1つの発明に記載の3次元位置計測方法において、
前記格子定規は、前記基準格子を表裏両方の表面に有し、
前記第1の撮影手段は前記格子定規の一方の表面を撮影する位置に設置され、前記第2の撮影手段は前記格子定規の他方の表面を撮影する位置に設置されている
ことを特徴とする。
【0021】
上記課題を解決する第14の発明に係る3次元位置計測方法は、
上記第8〜第13のいずれか1つの発明に記載の3次元位置計測方法において、
前記対象物は、航空機の翼の風洞模型であり、
前記計測対象点は、前記風洞模型に対する着氷風洞試験において、前記風洞模型の表面に付着する氷の頂点である
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、特殊な環境下でも、計測対象を高精度で効率良く計測することができる。例えば、着氷風洞試験で計測を行う場合には、通風を停止することなく、着氷する氷の高さや形状をリアルタイムかつ高精度で計測することができ、また、任意の場所の氷を計測することができる。その結果、従来と比較して、計測効率が大幅に向上する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以降、本発明に係る3次元位置計測システム及び方法の実施形態について、
図1〜
図14を参照して、説明を行う。
【0025】
[実施例1]
まず、
図1を参照して、本実施例の3次元位置計測システムの構成を説明する。ここで、
図1(a)は、本実施例の3次元位置計測システムを示すブロック図であり、
図1(b)は、その画像取得部を示すブロック図であり、
図1(c)は、その画像解析部を示すブロック図である。
【0026】
本実施例の3次元位置計測システムは、第1カメラ11A(第1の撮影手段)、第2カメラ11B(第2の撮影手段)、パターン投影装置12(投影手段)、データ処理装置20(処理手段)、出力装置30を有している。
【0027】
第1カメラ11A及び第2カメラ11Bは、計測対象をステレオ視するカメラであり、例えば、後述の
図3(b)に示すように、計測対象を互いに異なる方向から撮影している。第1カメラ11A及び第2カメラ11Bで撮影した画像は、データ処理装置20に送信される。
【0028】
パターン投影装置12は、プロジェクタなどの装置であり、第1カメラ11A及び第2カメラ11Bによるステレオ視において、同一の計測対象点を特定するために、所定のパターンを計測対象に投影している。例えば、後述の
図6に示すように、格子状のグリッドパターンVを計測対象に投影している。グリッドパターンVを投影する場合には、隣り合う線同士の色を互いに変えれば、同一の計測対象点の特定がより容易になる。なお、投影するパターンは、同一の計測対象点の特定ができれば、必ずしも、グリッドパターンVである必要はなく、他のパターンや模様でも良い。
【0029】
データ処理装置20は、例えば、コンピュータなどの装置であり、装置構成としては、演算装置、記憶装置、入出力装置などからなり(図示省略)、機能構成としては、画像取得部21、画像解析部22A、記憶部23を有している。
【0030】
データ処理装置20において、画像取得部21は、計測前画像取得部211(計測前画像取得工程)、計測時画像取得部212(計測時画像取得工程)を有している。画像取得部21の各部については、後述の
図2及び
図5に示すフローチャートと共に説明するが、第1カメラ11A及び第2カメラ11Bで撮影した画像を取得することで、後述する基準格子画像や計測画像の取得を行っている。
【0031】
また、画像解析部22Aは、対象点特定部221(対象点特定工程)、第1直線算出部222(第1直線算出工程)、第2直線算出部223(第2直線算出工程)、直線設定部224(直線設定工程)、距離算出部225(距離算出工程)、最小値算出部226(最小値算出工程)、3次元位置算出部228(3次元位置算出工程)を有している。画像解析部22Aの各部についても、後述の
図5に示すフローチャートと共に説明するが、第1カメラ11A及び第2カメラ11Bから取得した基準格子画像や計測画像を処理することにより、計測対象点の3次元位置の計測を実施している。なお、特許請求の範囲の記載において、線算出部は、上記第1直線算出部222及び第2直線算出部223と対応し、線算出工程は、上記第1直線算出工程及び第2直線算出工程と対応している。
【0032】
また、記憶部23は、画像解析部22Aで実施する計測対象点の3次元位置の計測のための画像解析プログラムや後述する基準格子画像のデータを記憶している。
【0033】
出力装置30は、例えば、画像や情報を表示するディスプレイなどの装置であり、第1カメラ11A及び第2カメラ11Bで撮影した画像や画像解析により得られた計測対象点の3次元位置を表示している。更に、出力装置30として、画像や情報を印刷するプリンタなどの装置があっても良い。
【0034】
次に、第1カメラ11A、第2カメラ11B及びパターン投影装置12の配置について、後述する
図3及び
図6を参照して説明する。第1カメラ11A、第2カメラ11B及びパターン投影装置12の配置は、後述する基準格子画像の取得時も、計測対象点の3次元位置の計測時も同じである。
【0035】
風洞試験室(図示省略)の内側には、航空機の主翼の一部を試験断面として模型化した風洞模型Mが配置されている。第1カメラ11A、第2カメラ11B及びパターン投影装置12は、風洞試験室の外側に配置されており、風洞試験室の窓(窓ガラス)を介して、風洞模型Mの計測対象の領域を撮影したり、パターンを投影したりしている。
【0036】
上述したように、第1カメラ11A及び第2カメラ11Bは、互いに異なる方向から撮影しており、例えば、第1カメラ11Aは風洞試験室の側壁の窓から、第2カメラ11Bは風洞試験室の天井の窓から撮影している。パターン投影装置12は、計測対象の領域にパターンを投影できれば、第1カメラ11A又は第2カメラ11Bと同じ窓でも良いし、これらとは別の窓でも良い。このような配置により、後述する基準格子画像の取得や計測対象点の3次元位置の計測が行われている。
【0037】
[基準格子画像の取得]
計測対象点の3次元位置の計測の前に、基準格子画像の取得が行われる。
【0038】
本実施例の3次元位置計測システムにおける基準格子画像の取得方法について、
図1と共に、
図2〜
図4も参照して説明する。ここで、
図2は、
図1に示した3次元位置計測システムで実施する基準格子画像の取得方法を示すフローチャートである。また、
図3(a)は、
図2に示した基準格子画像の取得方法で使用する格子定規を示す正面図であり、
図3(b)は、
図2に示した基準格子画像の取得方法において、撮影される格子定規の設置手順を説明する斜視図である。また、
図4は、取得した複数の基準格子画像の基準格子から構成される3次元格子を示す斜視図である。
【0039】
基準格子画像の取得には、
図3(a)に示す格子定規41を使用する。格子定規41の表面には、目盛となる基準格子41aが形成されており、基準格子41aは、予め定めた一定間隔の縦線及び横線から構成されている。この基準格子41aは、格子定規41の一方の表面のみにあっても良いが、より広角での撮影のためには、表裏両方の表面にあった方が良い。この場合、第1カメラ11Aを格子定規41の一方の表面を撮影する位置に設置し、第2カメラ11Bを格子定規41の他方の表面を撮影する位置に設置すれば良い。
【0040】
格子定規41の表裏両方の表面に基準格子41aを形成する場合には、例えば、表側において、各縦線及び各横線を形成し、各縦線及び各横線の交点41bの位置に貫通孔を形成し、裏側において、形成した貫通孔を基準にして、各縦線及び各横線を形成することで、格子定規41の表裏で基準格子41aの各縦線及び各横線の位置を同じにしている。形成した貫通孔には、撮影時に交点41bが認識され易いように、例えば、石膏などの目立つ物を詰めるようにしても良い。
【0041】
また、風洞模型Mの表面には、設置位置を変える際に格子定規41を設置し易いように、各々の設置位置を示す設置位置線42が形成されている。ここでは、設置位置線42の一例として、格子状の線が形成されているが、格子定規41は、
図3(b)に示すように、一方向(例えば、図中に示す横方向)に順に移動させるので、設置位置線42は縦方向の線のみで形成されていても良い。
【0042】
そして、設置位置線42の各々の設置位置には、後述する
図10に示すように、一端側から他端側へ順に1〜n番目と順番が付されている。また、各々の設置位置は、風洞実験室の原点からの3次元座標が既知である。なお、nは2以上の自然数であり、計測対象の領域の大きさなどに応じて、予め規定されている。
【0043】
上述したように、格子定規41の基準格子41aは目盛の役割を果たし、設置位置線42の各々の設置位置は3次元座標が既知であるので、各々の設置位置における格子定規41の基準格子41aの各縦線、各横線及び各交点41bは、その3次元座標が既知又は容易に算出可能である。このことを利用して、後述する計測対象点の3次元位置の計測が行われている。
【0044】
また、風洞模型Mの表面には、格子定規41の上端及び下端を支えるガイド43が設けられている。このガイド43は、基準格子画像の取得時のみ取り付け、計測対象点の3次元位置の計測時には取り外す。
【0045】
図3(a)に示した格子定規41を用い、
図3(b)に示すように、風洞模型Mの表面において、格子定規41の設置位置を変えながら、各々の設置位置において、第1カメラ11A及び第2カメラ11Bで撮影を行い、基準格子画像の取得が行われる。基準格子画像の取得の具体的な手順について、以下、
図2に示すフローチャートを参照して説明する。なお、基準格子画像の取得の際には、通風前の通常の環境下で、つまり、通風も水滴の噴射も行われない環境下で行われる。
【0046】
(ステップS1)
格子定規41を設置位置線42の1番目の設置位置に設置する。例えば、格子定規41は、その表面が風洞実験室の3次元座標のYZ平面に平行になるように配置されている。この場合、設置位置線42の2〜n番目の設置位置に設置する場合には、格子定規41をX軸方向に平行に移動すれば良い。例えば、
図3(b)では、格子定規41が移動する横方向がX軸方向となる。
【0047】
(ステップS2)
第1カメラ11Aで、設置位置線42の1番目の設置位置の格子定規41を撮影する。そして、撮影した格子定規41の画像を1番目の第1の基準格子画像として計測前画像取得部211で取得し、記憶部23へ記憶する。この1番目の第1の基準格子画像には、設置位置線42の1番目の設置位置における格子定規41の基準格子41aが撮影されている。
【0048】
(ステップS3)
第1カメラ11Aと同様に、第2カメラ11Bで、設置位置線42の1番目の設置位置の格子定規41を撮影する。そして、撮影した格子定規41の画像を1番目の第2の基準格子画像として計測前画像取得部211で取得し、記憶部23へ記憶する。この1番目の第2の基準格子画像には、設置位置線42の1番目の設置位置における格子定規41の基準格子41aが撮影されている。
【0049】
なお、格子定規41の表裏両方の表面に基準格子41aが形成されており、第1カメラ11Aが格子定規41の一方の表面を撮影し、第2カメラ11Bが格子定規41の他方の表面を撮影する場合には、取得した第1の基準格子画像と第2の基準格子画像と間において、格子定規41の厚さ分の座標を補正するようにすれば、計測誤差を抑制することができる。
【0050】
(ステップS4)
上述したステップS1〜S3と同様に、格子定規41を設置位置線42の2〜n番目の設置位置に順に設置し、2〜n番目の設置位置の各々において、第1カメラ11A及び第2カメラ11Bで格子定規41を各々撮影し、撮影した格子定規41の画像を2〜n番目の第1及び第2の基準格子画像として計測前画像取得部211で各々取得し、記憶部23へ各々記憶する。
【0051】
上述した手順により、格子定規41を設置位置線42の1番目からn番目までの設置位置に順次設置しながら、各々の設置位置において、第1カメラ11A及び第2カメラ11Bで撮影し、撮影した画像を1〜n番目の第1及び第2の基準格子画像として取得し、記憶部23へ記憶することになる。
【0052】
この結果、取得した1〜n番目の第1及び第2の基準格子画像により、これらの画像中に撮影された基準格子41aを基準格子BG
1〜BG
nとすると、基準格子BG
1〜BG
nからなる3次元格子群Gを風洞模型Mの表面の空間上に擬似的に作成することになる(
図4及び
図10参照)。3次元格子群Gを構成する基準格子BG
1〜BG
nは、3次元座標を示す3次元の定規の役割を果たすことになり、2つの基準格子BG
i及びBG
jを用いて、計測対象点を内挿補間することにより、計測対象点の3次元位置を求めることができる。
【0053】
なお、ここでは、上述した構成の格子定規41を用いたが、3次元座標が既知であれば、他の格子状の物も使用可能であり、例えば、格子その物も使用可能である。
【0054】
[計測対象の3次元位置計測]
基準格子画像の取得後、着氷風洞試験が行われ、計測対象の3次元位置の計測が行われることになる。
【0055】
本実施例の3次元位置計測システムにおける3次元位置計測方法について、
図1と共に、
図5〜
図11も参照して説明する。ここで、
図5は、
図1に示した3次元位置計測システムで実施する3次元位置計測方法を示すフローチャートである。また、
図6は、
図5に示した3次元位置計測方法を説明する斜視図である。また、
図7(a)は、
図6に示した風洞模型の表面に着氷した氷の模式図であり、
図7(b)は、
図7(a)に示した氷にグリッドパターンを投影した場合の模式図である。
【0056】
また、
図8〜
図11は、
図5に示した3次元位置計測方法を説明する図であり、
図8は、計測対象点の撮影を説明する図、
図9は、2つの基準格子への計測対象点のトレースを説明する図、
図10は、各カメラから計測対象点への2つの直線と1〜n番目の基準格子との関係を説明する図、
図11は、2つの基準格子から求めた2つの直線の交点(線分の中点)を説明する図である。
【0057】
着氷風洞試験では、通風が開始され、その風路に水滴が噴射される。そのような環境下において、計測対象の3次元位置を計測する際には、
図6に示すように、2つの第1カメラ11A及び第2カメラ11Bで着氷の様子を捉える。この際、風洞模型Mの計測対象の領域にパターン投影装置12からグリッドパターンVを投影しており、第1カメラ11A及び第2カメラ11Bは、投影されたグリッドパターンVと共に、風洞模型Mの表面に付着する氷、即ち、ランバックアイスRを撮影する。なお、図中の黒く塗りつぶした部分がランバックアイスである。
【0058】
氷は半透明、無地であり、また、氷の表層は平坦であるので、そのままでは、氷上の計測対象点、例えば、着氷した氷の頂点を特定することは難しい。特に、ステレオ視の場合、同一の計測対象点を第1カメラ11A及び第2カメラ11Bで各々特定する必要があるが、上述した理由により、各々のカメラで同一の計測対象点を特定することが難しい。そこで、本実施例では、パターン投影装置12からグリッドパターンVを投影することで、いわゆる、プロジェクションマッピングを行うことで、氷上の計測対象点の特定を可能としている。
【0059】
例えば、
図7(a)に示すようなランバックアイスRが風洞模型Mの表面に付着したとする。氷は半透明、無地であり、その表層は平坦であるので、計測対象点Tを第1カメラ11A及び第2カメラ11Bで各々特定することは難しい。本実施例では、上述したように、パターン投影装置12からグリッドパターンVを投影しているので、
図7(b)に示すように、グリッドパターンVの縦線及び横線を目安にして、計測対象点Tを第1カメラ11A及び第2カメラ11Bで各々特定するが可能になる。
【0060】
このように、通風及び水滴の噴射が行われる着氷風洞試験では、
図6に示すように、風洞模型Mの計測対象の領域にグリッドパターンVを投影するパターン投影装置12も用いて、計測対象の3次元位置の計測が行われる。計測対象の3次元位置の計測の具体的な手順について、以下、
図5に示すフローチャートと共に、
図8〜
図11も参照して説明する。
【0061】
(ステップS11)
第1カメラ11Aで、風洞模型Mの計測対象点Tを含む領域を撮影し、撮影した画像を第1の計測画像として計測時画像取得部212で取得し、取得した第1の計測画像中の計測対象点Tを対象点特定部221で特定する。
【0062】
図8を参照して、ステップS11を説明する。第1カメラ11Aで撮影した画像は、第1の計測画像IAとして取得される。風洞模型Mの表面に付着したランバックアイスRの計測対象点Tは、投影されたグリッドパターンVにより、その位置が特定可能である。例えば、ランバックアイスRの高さを計測したい場合には、ランバックアイスRの頂点を計測対象点Tとすれば良い。そして、第1の計測画像IAにおいて、特定した計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,A,t、y
pix,A,t)が求まる。なお、第1の計測画像IAにおいて、原点O
A-pix、横軸X
A-pix、縦軸Y
A-pixである。
【0063】
(ステップS12)
1番目の第1の基準格子画像中に撮影された格子定規41の基準格子41aである基準格子BG
1上に、計測対象点Tが存在すると仮定する。その場合、ステップS11で求めた計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,A,t、y
pix,A,t)を1番目の第1の基準格子画像中にトレースすることで、当該画像中の基準格子BG
1に対する計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,A,t、y
pix,A,t)に基づいて、仮定された計測対象点Tの3次元座標を1番目の第1の対象点座標P
A1(X
A1,Y
A1,Z
A1)として算出することができる。
【0064】
図9を参照して、ステップS12を説明する。1番目の第1の基準格子画像とステップS11で撮影した第1の計測画像IAとを重ね合わせることにより、1番目の基準格子BG
1上に計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,A,t、y
pix,A,t)をトレースすることができる(トレース画像TA1参照)。上述したように、格子定規41の基準格子41aは目盛の役割を果たし、格子定規41の設置位置は3次元座標が既知であるので、1番目の基準格子BG
1の各線、各交点の3次元座標は既知又は容易に算出できる。この1番目の基準格子BG
1に基づいて、仮定された計測対象点Tの対象点座標P
A1(X
A1,Y
A1,Z
A1)を算出することができる。
【0065】
(ステップS13)
2番目の第1の基準格子画像中に撮影された格子定規41の基準格子41aである基準格子BG
2上に、計測対象点Tが存在すると仮定する。その場合も、ステップS11で求めた計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,A,t、y
pix,A,t)を2番目の第1の基準格子画像中にトレースすることで、当該画像中の基準格子BG
2に対する計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,A,t、y
pix,A,t)に基づいて、仮定された計測対象点Tの3次元座標を2番目の第1の対象点座標P
A2(X
A2,Y
A2,Z
A2)として算出することができる。
【0066】
再び、
図9を参照して、ステップS13を説明する。2番目の第1の基準格子画像とステップS11で撮影した第1の計測画像IAとを重ね合わせることにより、2番目の基準格子BG
2上に計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,A,t、y
pix,A,t)をトレースすることができる(トレース画像TA2参照)。上述したように、格子定規41の基準格子41aは目盛の役割を果たし、格子定規41の設置位置は3次元座標が既知であるので、2番目の基準格子BG
2の各線、各交点の3次元座標は既知又は容易に算出できる。この2番目の基準格子BG
2に基づいて、仮定された計測対象点Tの対象点座標P
A2(X
A2,Y
A2,Z
A2)を算出することができる。
【0067】
(ステップS14)
上述したステップS12及びS13により、3次元空間上の2点となる対象点座標P
A1と対象点座標P
A2が求められるので、これらを用いて、対象点座標P
A1と対象点座標P
A2を通る1番目の第1の直線L
A1,2を算出する(
図11参照)。この第1の直線L
A1,2は、第1カメラ11Aから計測対象点Tへの視線となる直線であり、言い換えれば、視線となる直線と1番目の基準格子BG
1の交点が対象点座標P
A1となり、視線となる直線と2番目の基準格子BG
2の交点が対象点座標P
A2となる(
図10参照)。このように、互いに隣接する位置となる1番目の基準格子BG
1と2番目の基準格子BG
2とを用いて、第1の直線L
A1,2を算出している。
【0068】
上述したステップS12〜S14が第1直線算出部222で実施される。この第1直線算出部222は、サブルーチンとして機能し、その場合、i番目とj番目の第1の基準格子画像と第1の計測画像IAとに基づいて、i番目とj番目の第1の対象点座標を算出し、i番目の第1の対象点座標とj番目の第1の対象点座標とを通る第1の直線を算出する。ここで、i=1〜nの自然数、j=1〜nの自然数、i≠jである。従って、上述したステップS12〜S14では、i=1、j=2として、第1の直線L
A1,2を算出している。
【0069】
(ステップS15)
第1カメラ11Aと同様に、第2カメラ11Bで、風洞模型Mの計測対象点Tを含む領域を撮影し、撮影した画像を第2の計測画像として計測時画像取得部212で取得し、取得した第2の計測画像中の計測対象点Tを対象点特定部221で特定する。
【0070】
再び、
図8を参照して、ステップS15を説明する。第2カメラ11Bで撮影した画像は、第2の計測画像IBとして取得される。風洞模型Mの表面に付着したランバックアイスRの計測対象点Tは、投影されたグリッドパターンVにより、その位置が特定可能である。つまり、第1カメラ11Aで特定した位置と同じ位置が、第2カメラ11Bで特定可能である。そして、第2の計測画像IBにおいて、特定した計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,B,t、y
pix,B,t)が求まる。なお、第2の計測画像IBにおいて、原点O
B-pix、横軸X
B-pix、縦軸Y
B-pixである。
【0071】
(ステップS16)
1番目の第2の基準格子画像中に撮影された格子定規41の基準格子41aである基準格子BG
1上に、計測対象点Tが存在すると仮定する。その場合、ステップS15で求めた計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,B,t、y
pix,B,t)を1番目の第2の基準格子画像中にトレースすることで、当該画像中の基準格子BG
1に対する計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,B,t、y
pix,B,t)に基づいて、仮定された計測対象点Tの3次元座標を1番目の第2の対象点座標P
B1(X
B1,Y
B1,Z
B1)として算出することができる。
【0072】
再び、
図9を参照して、ステップS16を説明する。1番目の第2の基準格子画像とステップS15で撮影した第2の計測画像IBとを重ね合わせることにより、1番目の基準格子BG
1上に計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,B,t、y
pix,B,t)をトレースすることができる(トレース画像TB1参照)。上述したように、1番目の基準格子BG
1の各線、各交点の3次元座標は既知又は容易に算出できるので、この1番目の基準格子BG
1に基づいて、仮定された計測対象点Tの対象点座標P
B1(X
B1,Y
B1,Z
B1)を算出することができる。
【0073】
(ステップS17)
2番目の第2の基準格子画像中に撮影された格子定規41の基準格子41aである基準格子BG
2上に、計測対象点Tが存在すると仮定する。その場合も、ステップS15で求めた計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,B,t、y
pix,B,t)を2番目の第2の基準格子画像中にトレースすることで、当該画像中の基準格子BG
2に対する計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,B,t、y
pix,B,t)に基づいて、仮定された計測対象点Tの3次元座標を2番目の第2の対象点座標P
B2(X
B2,Y
B2,Z
B2)として算出することができる。
【0074】
再び、
図9を参照して、ステップS17を説明する。2番目の第2の基準格子画像とステップS15で撮影した第2の計測画像IBとを重ね合わせることにより、2番目の基準格子BG
2上に計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,B,t、y
pix,B,t)をトレースすることができる(トレース画像TB2参照)。上述したように、2番目の基準格子BG
2の各線、各交点の3次元座標は既知又は容易に算出できるので、この2番目の基準格子BG
2に基づいて、仮定された計測対象点Tの対象点座標P
B2(X
B2,Y
B2,Z
B2)を算出することができる。
【0075】
(ステップS18)
上述したステップS16及びS17により、3次元空間上の2点となる対象点座標P
B1と対象点座標P
B2が求められるので、これらを用いて、対象点座標P
B1と対象点座標P
B2を通る1番目の第2の直線L
B1,2を算出する(
図11参照)。この第2の直線L
B1,2は、第2カメラ11Bから計測対象点Tへの視線となる直線であり、言い換えれば、視線となる直線と1番目の基準格子BG
1の交点が対象点座標P
B1となり、視線となる直線と2番目の基準格子BG
2の交点が対象点座標P
B2となる(
図10参照)。このように、互いに隣接する位置となる1番目の基準格子BG
1と2番目の基準格子BG
2とを用いて、第2の直線L
B1,2を算出している。
【0076】
上述したステップS16〜S18が第2直線算出部223で実施される。この第2直線算出部223も、サブルーチンとして機能し、その場合、i番目とj番目の第2の基準格子画像と第2の計測画像IBとに基づいて、i番目とj番目の第2の対象点座標を算出し、i番目の第2の対象点座標とj番目の第2の対象点座標とを通る第2の直線を算出する。ここでも、i=1〜nの自然数、j=1〜nの自然数、i≠jである。従って、上述したステップS16〜S18では、i=1、j=2として、第2の直線L
B1,2を算出している。
【0077】
そして、上述したステップS11〜S18により、1番目の基準格子BG
1と2番目の基準格子BG
2の間において、1番目の第1の直線L
A1,2と第2の直線L
B1,2が算出されることになる。
【0078】
(ステップS19)
1番目の基準格子BG
1と2番目の基準格子BG
2の間において、1番目の第1の直線L
A1,2と第2の直線L
B1,2とを結ぶ最短の線分の距離である最小距離h
1,2を距離算出部225で算出する。
【0079】
(ステップS20)
2〜n番目の第1及び第2の基準格子画像についても、上述したステップS11〜S19と同様の手順を行って、2〜n−1番目の第1の直線L
Ak,k+1と第2の直線L
Bk,k+1を各々算出する。そして、2番目の基準格子BG
2と3番目の基準格子BG
3の間、3番目の基準格子BG
3と4番目の基準格子BG
4の間、・・・、n−1番目の基準格子BG
n-1とn番目の基準格子BG
nの間においても、各々、2〜n−1番目の最小距離h
k,k+1を算出する。なお、ここでのkは、2〜n−1の自然数である。
【0080】
つまり、ステップS11〜S20では、1〜n−1の自然数kの全てにおいて、第1直線算出部222と第2直線算出部223とを用いて、i=k及びj=k+1として、k番目の第1の直線L
Ak,k+1とk番目の第2の直線L
Bk,k+1とを各々算出し、そして、距離算出部225を用いて、k番目の第1の直線L
Ak,k+1とk番目の第2の直線L
Bk,k+1とを最短で結ぶ線分のk番目の最小距離h
k,k+1を各々算出している。
【0081】
(ステップS21)
1〜n−1番目の最小距離h
1,2 〜h
n-1,nの中から、これらの最小値となるm番目の最小距離h
m,m+1を最小値算出部226で算出する。これは、計測対象点Tがm番目の基準格子BG
mとm+1番目の基準格子BG
m+1と間に存在することを意味する。ここで、m=1〜n−1の自然数である。
【0082】
上述したステップS11〜S21が直線設定部224で実施される。つまり、直線設定部224では、k=1〜n−1とすると、第1直線算出部222と第2直線算出部223とで算出した1〜n−1番目の第1の直線L
Ak,k+1と第2の直線L
Bk,k+1の中から、距離算出部225及び最小値算出部226を経て算出した最小値となる最小距離h
m,m+1に基づいて、計測対象点Tの算出に最適な第1の直線L
Am,m+1と第2の直線L
Bm,m+1とを設定している。
【0083】
(ステップS22)
計測対象点Tの算出に最適な第1の直線L
Am,m+1と第2の直線L
Bm,m+1に基づいて、第1の直線L
Am,m+1と第2の直線L
Bm,m+1を結ぶ最短の線分(最小距離h
m,m+1)の中点の3次元座標(X
T,Y
T,Z
T)を3次元位置算出部228で算出する。この3次元座標(X
T,Y
T,Z
T)が、求める計測対象点Tの3次元位置となる。
【0084】
なお、理想的には、最小距離h
m,m+1は「0」となり、その場合、第1の直線L
Am,m+1と第2の直線L
Bm,m+1は交差し、この交点が求める計測対象点Tとなる。しかしながら、誤差やレンズの歪みなどのカメラパラーメータの影響により、第1の直線L
Am,m+1と第2の直線L
Bm,m+1は、厳密には、直線ではなく、曲線となり、最小距離h
m,m+1が「0」となることは少ない。
【0085】
そのため、第1の直線L
Am,m+1と第2の直線L
Bm,m+1を結ぶ最短の線分の中点を、求める計測対象点Tとしている。この場合、最小となる最小距離h
m,m+1を有する第1の直線L
Am,m+1と第2の直線L
Bm,m+1を選択することは、計測対象点Tを挟んで計測対象点Tに最も近い2つの基準格子BG
mと基準格子BG
m+1を選択することになる。つまり、計測対象点Tは、計測対象点Tを挟んで計測対象点Tに最も近い2つの基準格子BG
mと基準格子BG
m+1とを用いて、内挿補間により求められた内挿点となる。そのため、最も精度よく位置を算出することができ、位置精度の向上を図ることができる。
【0086】
従来、風洞模型に対する着氷風洞試験では、風洞通風中の着氷形状を計測することはできなかった。着氷風洞試験で着氷形状を計測するためには、風洞通風中に風洞試験室の外からステレオ視を行えば良いのだが、風洞試験室の窓を介して、つまり、密度媒体の異なる窓ガラスを透過して行うため、一般的なステレオ視では、カメラパラメータ(レンズ歪曲など)の影響を見積もらなければならず、計測精度を担保することが困難であった。
【0087】
これに対して、本実施例の3次元位置計測システムは、一般的なステレオ視による方法ではなく、計測前に作成された複数の基準格子BG
1〜BG
nを用いて、計測対象点Tを内挿補間することにより求めている。従って、本実施例の3次元位置計測システムを用いることにより、特殊な環境下、例えば、風洞試験室での着氷風洞試験で着氷を計測する場合でも、着氷の高さ、形状を高精度で計測することが可能となる。また、閉鎖された風洞内に設置された風洞模型において、任意の場所かつ時々刻々と変化する氷の形状を高精度でリアルタイムに計測することが可能となる。また、従来のように、通風停止作業や形状取得のための計測時間がなくなり、試験効率が大幅に向上する。
【0088】
[実施例2]
図12(a)は、本実施例の3次元位置計測システムを示すブロック図であり、
図12(b)は、その画像取得部を示すブロック図であり、
図12(c)は、その画像解析部を示すブロック図である。また、
図13〜
図14は、
図12に示した3次元位置計測システムで実施する3次元位置計測方法を示すフローチャートであり、
図13は、その前半、
図14は、その後半である。
【0089】
本実施例の3次元位置計測システムは、画像解析部22Bを除き、
図1に示した実施例1の3次元位置計測システムと同等の構成で良い。従って、同等の構成には同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
【0090】
本実施例の3次元位置計測システムにおいて、画像解析部22Bは、対象点特定部221、第1直線算出部222、第2直線算出部223、直線設定部224、中点座標算出部227(中点座標算出工程)、3次元位置算出部228を有している。つまり、実施例1の3次元位置計測システムの画像解析部22Aにおける距離算出部225及び最小値算出部226に代えて、中点座標算出部227を備えている。この画像解析部22Bの各部については、後述の
図13及び
図14に示すフローチャートと共に説明する。
【0091】
また、本実施例の3次元位置計測方法で用いる基準格子画像の取得方法は、実施例1で説明した方法で良いので、基準格子画像の取得方法についても、その説明を省略する。
【0092】
[計測対象の3次元位置計測]
実施例1と同様に、基準格子画像の取得後、着氷風洞試験が行われ、計測対象の3次元位置の計測が行われる。
【0093】
本実施例の3次元位置計測システムにおける3次元位置計測方法について、
図12と共に、
図13及び
図14、そして、上述した
図8〜
図11も参照して説明を行う。なお、本実施例の3次元位置計測方法において、着氷風洞試験については、実施例1の
図6及び
図7で説明した通りであるので、着氷風洞試験についても、その説明を省略する。
【0094】
(ステップS31)
第1カメラ11Aで、風洞模型Mの計測対象点Tを含む領域を撮影し、撮影した画像を第1の計測画像として計測時画像取得部212で取得し、取得した第1の計測画像中の計測対象点Tを対象点特定部221で特定する。
【0095】
上述した
図8を参照して、ステップS31を説明する。第1カメラ11Aで撮影した画像は、第1の計測画像IAとして取得される。風洞模型Mの表面に付着したランバックアイスRの計測対象点Tは、投影されたグリッドパターンVにより、その位置が特定可能である。そして、第1の計測画像IAにおいて、特定した計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,A,t、y
pix,A,t)が求まる。
【0096】
(ステップS32)
1番目の第1の基準格子画像中に撮影された格子定規41の基準格子41aである基準格子BG
1上に、計測対象点Tが存在すると仮定する。その場合、ステップS31で求めた計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,A,t、y
pix,A,t)を1番目の第1の基準格子画像中にトレースすることで、当該画像中の基準格子BG
1に対する計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,A,t、y
pix,A,t)に基づいて、仮定された計測対象点Tの3次元座標を第1の対象点座標P
A1(X
A1,Y
A1,Z
A1)として算出することができる。
【0097】
上述した
図9を参照して、ステップS32を説明する。1番目の第1の基準格子画像とステップS31で撮影した第1の計測画像IAとを重ね合わせることにより、1番目の基準格子BG
1上に計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,A,t、y
pix,A,t)をトレースすることができる(トレース画像TA1参照)。上述したように、1番目の基準格子BG
1の各線、各交点の3次元座標は既知又は容易に算出できるので、この1番目の基準格子BG
1に基づいて、仮定された計測対象点Tの対象点座標P
A1(X
A1,Y
A1,Z
A1)を算出することができる。
【0098】
(ステップS33)
n番目の第1の基準格子画像中に撮影された格子定規41の基準格子41aである基準格子BG
n上に、計測対象点Tが存在すると仮定する。その場合も、ステップS31で求めた計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,A,t、y
pix,A,t)をn番目の第1の基準格子画像中にトレースすることで、当該画像中の基準格子BG
nに対する計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,A,t、y
pix,A,t)に基づいて、仮定された計測対象点Tの3次元座標を第1の対象点座標P
An(X
A2,Y
An,Z
An)として算出することができる。
【0099】
再び、
図9を参照して、ステップS33を説明する。但し、ここでは、
図9中の「2」を「n」に読み替える。n番目の第1の基準格子画像とステップS31で撮影した第1の計測画像IAとを重ね合わせることにより、n番目の基準格子BG
n上に計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,A,t、y
pix,A,t)をトレースすることができる。上述したように、格子定規41の基準格子41aは目盛の役割を果たし、格子定規41の設置位置は3次元座標が既知であるので、n番目の基準格子BG
nの各線、各交点の3次元座標は既知又は容易に算出できる。このn番目の基準格子BG
nに基づいて、仮定された計測対象点Tの対象点座標P
An(X
A2,Y
An,Z
An)を算出することができる。
【0100】
(ステップS34)
上述したステップS32及びS33により、3次元空間上の2点となる対象点座標P
A1と対象点座標P
Anが求められるので、これらを用いて、対象点座標P
A1と対象点座標P
Anを通る第1の直線L
A1,nを算出する(
図11参照)。但し、ここでは、
図11中の「2」を「n」に読み替える。第1の直線L
A1,nは、第1カメラ11Aから計測対象点Tへの視線となる直線であり、言い換えれば、視線となる直線と1番目の基準格子BG
1の交点が対象点座標P
A1となり、視線となる直線とn番目の基準格子BG
nの交点が対象点座標P
Anとなる(
図10参照)。このように、両端の位置となる1番目の基準格子BG
1とn番目の基準格子BG
nとを用いて、第1の直線L
A1,nを算出している。
【0101】
上述したステップS32〜S34が第1直線算出部222で実施される。サブルーチンとして機能する第1直線算出部222は、上述したステップS32〜S34では、i=1、j=nとして、第1の直線L
A1,nを算出している。
【0102】
(ステップS35)
第1カメラ11Aと同様に、第2カメラ11Bで、風洞模型Mの計測対象点Tを含む領域を撮影し、撮影した画像を第2の計測画像として計測時画像取得部212で取得し、取得した第2の計測画像中の計測対象点Tを対象点特定部221で特定する。
【0103】
再び、
図8を参照して、ステップS35を説明する。第2カメラ11Bで撮影した画像は、第2の計測画像IBとして取得される。風洞模型Mの表面に付着したランバックアイスRの計測対象点Tは、投影されたグリッドパターンVにより、その位置が特定可能である。つまり、第1カメラ11Aで特定した位置と同じ位置が、第2カメラ11Bで特定可能である。そして、第2の計測画像IBにおいて、特定した計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,B,t、y
pix,B,t)が求まる。
【0104】
(ステップS36)
1番目の第2の基準格子画像中に撮影された格子定規41の基準格子41aである基準格子BG
1上に、計測対象点Tが存在すると仮定する。その場合、ステップS35で求めた計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,B,t、y
pix,B,t)を1番目の第2の基準格子画像中にトレースすることで、当該画像中の基準格子BG
1に対する計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,B,t、y
pix,B,t)に基づいて、仮定された計測対象点Tの3次元座標を第2の対象点座標P
B1(X
B1,Y
B1,Z
B1)として算出することができる。
【0105】
再び、
図9を参照して、ステップS36を説明する。1番目の第2の基準格子画像とステップS35で撮影した第2の計測画像IBとを重ね合わせることにより、1番目の基準格子BG
1上に計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,B,t、y
pix,B,t)をトレースすることができる(トレース画像TB1参照)。上述したように、1番目の基準格子BG
1の各線、各交点の3次元座標は既知又は容易に算出できるので、この1番目の基準格子BG
1に基づいて、仮定された計測対象点Tの対象点座標P
B1(X
B1,Y
B1,Z
B1)を算出することができる。
【0106】
(ステップS37)
n番目の第2の基準格子画像中に撮影された格子定規41の基準格子41aである基準格子BG
n上に、計測対象点Tが存在すると仮定する。その場合も、ステップS35で求めた計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,B,t、y
pix,B,t)をn番目の第2の基準格子画像中にトレースすることで、当該画像中の基準格子BG
nに対する計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,B,t、y
pix,B,t)に基づいて、仮定された計測対象点Tの3次元座標を2番目の第2の対象点座標P
Bn(X
Bn,Y
Bn,Z
Bn)として算出することができる。
【0107】
再び、
図9を参照して、ステップS37を説明する。但し、ここでは、
図9中の「2」を「n」に読み替える。n番目の第2の基準格子画像とステップS35で撮影した第2の計測画像IBとを重ね合わせることにより、n番目の基準格子BG
n上に計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,B,t、y
pix,B,t)をトレースすることができる。上述したように、n番目の基準格子BG
nの各線、各交点の3次元座標は既知又は容易に算出できるので、このn番目の基準格子BG
nに基づいて、仮定された計測対象点Tの対象点座標P
Bn(X
Bn,Y
Bn,Z
Bn)を算出することができる。
【0108】
(ステップS38)
上述したステップS36及びS37により、3次元空間上の2点となる対象点座標P
B1と対象点座標P
Bnが求められるので、これらを用いて、対象点座標P
B1と対象点座標P
Bnを通る第2の直線L
B1,nを算出する(
図11参照)。但し、ここでは、
図11中の「2」を「n」に読み替える。第2の直線L
B1,nは、第2カメラ11Bから計測対象点Tへの視線となる直線であり、言い換えれば、視線となる直線と1番目の基準格子BG
1の交点が対象点座標P
B1となり、視線となる直線とn番目の基準格子BG
nの交点が対象点座標P
Bnとなる(
図10参照)。このように、両端の位置となる1番目の基準格子BG
1とn番目の基準格子BG
nとを用いて、第2の直線L
B1,nを算出している。
【0109】
上述したステップS36〜S38が第2直線算出部223で実施される。サブルーチンとして機能する第2直線算出部223は、上述したステップS36〜S38では、i=1、j=nとして、第2の直線L
B1,nを算出している。
【0110】
そして、上述したステップS31〜S38により、1番目の基準格子BG
1とn番目の基準格子BG
nの間において、第1の直線L
A1,nと第2の直線L
B1,nが算出されることになる。
【0111】
(ステップS39)
1番目の基準格子BG
1とn番目の基準格子BG
nの間において、第1の直線L
A1,nと第2の直線L
B1,nとを結ぶ最短の線分を求め、求めた線分の中点の3次元座標を中点座標算出部227で算出する。このようにして、1番目の基準格子BG
1とn番目の基準格子BG
nから、つまり、両端の2つの基準格子BG
1と基準格子BG
nから、初期の2つの直線となる第1の直線L
A1,n及び第2の直線L
B1,nを求め、第1の直線L
A1,nと第2の直線L
B1,nとを結ぶ最短の線分の中点の3次元座標を求めており、これが、計測対象点Tの初期の推定位置となる。
【0112】
(ステップS40)
ステップS39で求めた線分の中点の3次元座標に基づいて、この中点、即ち、初期の推定位置となる計測対象点Tを挟んで計測対象点Tに最も近い位置となる2つの設置位置で撮影した格子定規41の画像として、m番目とm+1番目の第1及び第2の基準格子画像を求めている。つまり、m番目の基準格子BG
mとm+1番目の基準格子BG
m+1を求めている。
【0113】
(ステップS41)
m番目の第1の基準格子画像中に撮影された格子定規41の基準格子41aである基準格子BG
m上に、計測対象点Tが存在すると仮定する。その場合、ステップS31で求めた計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,A,t、y
pix,A,t)をm番目の第1の基準格子画像中にトレースすることで、当該画像中の基準格子BG
mに対する計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,A,t、y
pix,A,t)に基づいて、仮定された計測対象点Tの3次元座標を第1の対象点座標P
Am(X
Am,Y
Am,Z
Am)として算出することができる。
【0114】
再び、
図9を参照して、ステップS41を説明する。但し、ここでは、
図9中の「1」を「m」に読み替える。m番目の第1の基準格子画像とステップS31で撮影した第1の計測画像IAとを重ね合わせることにより、m番目の基準格子BG
m上に計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,A,t、y
pix,A,t)をトレースすることができる。上述したように、格子定規41の基準格子41aは目盛の役割を果たし、格子定規41の設置位置は3次元座標が既知であるので、m番目の基準格子BG
mの各線、各交点の3次元座標は既知又は容易に算出できる。このm番目の基準格子BG
mに基づいて、仮定された計測対象点Tの対象点座標P
Am(X
Am,Y
Am,Z
Am)を算出することができる。
【0115】
(ステップS42)
m+1番目の第1の基準格子画像中に撮影された格子定規41の基準格子41aである基準格子BG
m+1上に、計測対象点Tが存在すると仮定する。その場合も、ステップS31で求めた計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,A,t、y
pix,A,t)をm+1番目の第1の基準格子画像中にトレースすることで、当該画像中の基準格子BG
m+1に対する計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,A,t、y
pix,A,t)に基づいて、仮定された計測対象点Tの3次元座標を第1の対象点座標P
Am+1(X
Am+1,Y
Am+1,Z
Am+1)として算出することができる。
【0116】
再び、
図9を参照して、ステップS42を説明する。但し、ここでは、
図9中の「2」を「m+1」に読み替える。m+1番目の第1の基準格子画像とステップS31で撮影した第1の計測画像IAとを重ね合わせることにより、m+1番目の基準格子BG
m+1上に計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,A,t、y
pix,A,t)をトレースすることができる。上述したように、格子定規41の基準格子41aは目盛の役割を果たし、格子定規41の設置位置は3次元座標が既知であるので、m+1番目の基準格子BG
m+1の各線、各交点の3次元座標は既知又は容易に算出できる。このm+1番目の基準格子BG
m+1に基づいて、仮定された計測対象点Tの対象点座標P
Am+1(X
Am+1,Y
Am+1,Z
Am+1)を算出することができる。
【0117】
(ステップS43)
上述したステップS41及びS42により、3次元空間上の2点となる対象点座標P
Amと対象点座標P
Am+1が求められるので、これらを用いて、対象点座標P
Amと対象点座標P
Am+1を通る第1の直線L
Am,m+1を算出する(
図11参照)。但し、ここでは、
図11中の「1」を「m」に、「2」を「m+1」に読み替える。第1の直線L
Am,m+1は、第1カメラ11Aから計測対象点Tへの視線となる直線であり、言い換えれば、視線となる直線とm番目の基準格子BG
mの交点が対象点座標P
Amとなり、視線となる直線とm+1番目の基準格子BG
m+1の交点が対象点座標P
Am+1となる(
図10参照)。このように、計測対象点Tを挟んで計測対象点Tに最も近いm番目の基準格子BG
mとm+1番目の基準格子BG
m+1とを用いて、計測対象点Tの算出に最適な第1の直線L
Am,m+1を算出している。
【0118】
上述したステップS41〜S43が第1直線算出部222で実施される。サブルーチンとして機能する第1直線算出部222は、上述したステップS41〜S43では、i=m、j=m+1として、第1の直線L
Am,m+1を算出している。
【0119】
(ステップS44)
m番目の第2の基準格子画像中に撮影された格子定規41の基準格子41aである基準格子BG
m上に、計測対象点Tが存在すると仮定する。その場合も、ステップS35で求めた計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,B,t、y
pix,B,t)をm番目の第2の基準格子画像中にトレースすることで、当該画像中の基準格子BG
mに対する計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,B,t、y
pix,B,t)に基づいて、仮定された計測対象点Tの3次元座標を第2の対象点座標P
Bm(X
Bm,Y
Bm,Z
Bm)として算出することができる。
【0120】
再び、
図9を参照して、ステップS44を説明する。但し、ここでは、
図9中の「1」を「m」に読み替える。m番目の第2の基準格子画像とステップS35で撮影した第2の計測画像IBとを重ね合わせることにより、m番目の基準格子BG
m上に計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,B,t、y
pix,B,t)をトレースすることができる。上述したように、m番目の基準格子BG
mの各線、各交点の3次元座標は既知又は容易に算出できるので、このm番目の基準格子BG
mに基づいて、仮定された計測対象点Tの対象点座標P
Bm(X
Bm,Y
Bm,Z
Bm)を算出することができる。
【0121】
(ステップS45)
m+1番目の第2の基準格子画像中に撮影された格子定規41の基準格子41aである基準格子BG
m+1上に、計測対象点Tが存在すると仮定する。その場合も、ステップS35で求めた計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,B,t、y
pix,B,t)をm+1番目の第2の基準格子画像中にトレースすることで、当該画像中の基準格子BG
m+1に対する計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,B,t、y
pix,B,t)に基づいて、仮定された計測対象点Tの3次元座標を第2の対象点座標P
Bm+1(X
Bm+1,Y
Bm+1,Z
Bm+1)として算出することができる。
【0122】
再び、
図9を参照して、ステップS45を説明する。但し、ここでは、
図9中の「2」を「m+1」に読み替える。m+1番目の第2の基準格子画像とステップS35で撮影した第2の計測画像IBとを重ね合わせることにより、m+1番目の基準格子BG
m+1上に計測対象点Tのピクセル座標(x
pix,B,t、y
pix,B,t)をトレースすることができる。上述したように、m+1番目の基準格子BG
m+1の各線、各交点の3次元座標は既知又は容易に算出できるので、このm+1番目の基準格子BG
m+1に基づいて、仮定された計測対象点Tの対象点座標P
Bm+1(X
Bm+1,Y
Bm+1,Z
Bm+1)を算出することができる。
【0123】
(ステップS46)
上述したステップS44及びS45により、3次元空間上の2点となる対象点座標P
Bmと対象点座標P
Bm+1が求められるので、これらを用いて、対象点座標P
Bmと対象点座標P
Bm+1を通る第2の直線L
Bm,m+1を算出する(
図11参照)。但し、ここでは、
図11中の「1」を「m」に、「2」を「m+1」に読み替える。第2の直線L
Bm,m+1は、第2カメラ11Bから計測対象点Tへの視線となる直線であり、言い換えれば、視線となる直線とm番目の基準格子BG
mの交点が対象点座標P
Bmとなり、視線となる直線とm+1番目の基準格子BG
m+1の交点が対象点座標P
Bm+1となる(
図10参照)。このように、計測対象点Tを挟んで計測対象点Tに最も近いm番目の基準格子BG
mとm+1番目の基準格子BG
m+1とを用いて、計測対象点Tの算出に最適な第2の直線L
Bm,m+1を算出している。
【0124】
上述したステップS44〜S46が第2直線算出部223で実施される。サブルーチンとして機能する第2直線算出部223は、上述したステップS44〜S46では、i=m、j=m+1として、第2の直線L
Bm,m+1を算出している。
【0125】
そして、上述したステップS31〜S46が直線設定部224で実施される。つまり、直線設定部224では、第1直線算出部222と第2直線算出部223とを用いて、i=1及びj=nとして、初期の第1の直線L
A1,nと初期の第2の直線L
B1,nとを各々算出し、中点座標算出部227を用いて、初期の第1の直線L
A1,nと初期の第2の直線L
B1,nとを最短で結ぶ初期の線分を求め、初期の線分の中点の3次元座標を算出している。そして、計測対象点Tの推定位置となる初期の線分の中点の3次元座標に基づいて、計測対象点をT挟んで計測対象点Tに最も近い2つの設置位置で撮影したm番目とm+1番目の第1及び第2の基準格子画像を選択し、再び、第1直線算出部222と第2直線算出部223とを用いて、i=m及びj=m+1として、計測対象点Tの算出に最適な第1の直線L
Am,m+1と第2の直線L
Bm,m+1とを各々算出している。
【0126】
(ステップS47)
ステップS43で算出した第1の直線L
Am,m+1とステップS46で算出した第2のL
Bm,m+1を結ぶ最短の線分の中点の3次元座標(X
T,Y
T,Z
T)を3次元位置算出部228で算出する。この3次元座標(X
T,Y
T,Z
T)が、求める計測対象点Tの3次元位置となる。
【0127】
本実施例でも、計測前に作成された複数の基準格子BG
1〜BG
nを用いており、計測対象点Tは、計測対象点Tを挟んで最近傍の位置となる2つの基準格子BG
mと基準格子BG
m+1とを用いて、内挿補間により求められた内挿点となる。そのため、最も精度よく位置を算出することができ、位置精度の向上を図ることができる。従って、本実施例の3次元位置計測システムを用いることにより、実施例1と同様に、特殊な環境下、例えば、風洞試験室での着氷風洞試験で着氷を計測する場合でも、計測対象を高精度で効率良くリアルタイムで計測することができる。
【0128】
なお、上記各実施例では、2つのカメラで撮影した画像により算出した2つの直線から計測対象点の3次元位置を算出する例を示したが、本発明は、これに限らず、3つ以上のカメラで撮影して計測対象点の3次元位置を算出しても良い。