特許第6847825号(P6847825)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6847825
(24)【登録日】2021年3月5日
(45)【発行日】2021年3月24日
(54)【発明の名称】遠心除去分離器
(51)【国際特許分類】
   B04B 15/00 20060101AFI20210315BHJP
【FI】
   B04B15/00
【請求項の数】13
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-503895(P2017-503895)
(86)(22)【出願日】2015年7月20日
(65)【公表番号】特表2017-521250(P2017-521250A)
(43)【公表日】2017年8月3日
(86)【国際出願番号】GB2015052092
(87)【国際公開番号】WO2016012771
(87)【国際公開日】20160128
【審査請求日】2018年7月18日
(31)【優先権主張番号】1412878.9
(32)【優先日】2014年7月21日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】507261364
【氏名又は名称】エドワーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】シーリー アンドリュー ジェイムズ
【審査官】 田中 雅之
(56)【参考文献】
【文献】 独国特許発明第00247047(DE,C2)
【文献】 独国特許出願公開第102006039275(DE,A1)
【文献】 国際公開第1998/058729(WO,A1)
【文献】 米国特許第05185016(US,A)
【文献】 特表2007−520339(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B04B 1/00−15/12
B03B 1/00−13/06
B01D 19/00−19/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分離装置であって、
水、流体及び粒子を含む廃物流れを受け入れるように作動可能な入口と、
前記流体から前記粒子の少なくとも一部を分離するように作動可能なラジアルファン及び遠心粒子分離器を含む遠心分離器と、を含み、
前記遠心粒子分離器は、底板とリムによって結合された対向する板とによって定められた円筒形チャンバを含み、前記遠心粒子分離器は、回転可能であり、かつ前記リムの近くに軸線方向に延びて前記廃物流れを受け入れる複数の導管を含み、前記導管の壁が、該導管の回転中にそれを通して前記廃物流れが搬送される時に前記粒子及び前記水を同伴して前記流体から該粒子及び該水を分離するように構成され、各導管が、前記廃物流れを受け入れるための導管入口と、前記流体を放出するための出口としての導管出口とを含み、前記壁によって同伴された前記粒子及び前記水は前記導管入口を通して排出され、
前記分離装置は、さらに、前記流体を供給するための流体出口を含み、
前記ラジアルファンは、回転可能であり、かつ前記リムに向けて前記入口から延びる複数のベーンを含み、
前記分離装置は、さらに、前記流体から分離された前記粒子を供給するための粒子出口を含むことを特徴とする分離装置。
【請求項2】
前記入口は、前記対向する板内の中心に位置付けられることを特徴とする請求項1に記載の分離装置。
【請求項3】
前記粒子出口は、前記底板に位置付けられ、かつ前記粒子及び前記水を汚水槽の中に排出するように作動可能であることを特徴とする請求項1又は請求項に記載の分離装置。
【請求項4】
前記流体出口は、前記対向する板に位置付けられ、かつ前記流体を放出するように作動可能であることを特徴とする請求項1、請求項、又は請求項に記載の分離装置。
【請求項5】
前記ベーンは、前記リムに向けて先細であることを特徴とする請求項1に記載の分離装置。
【請求項6】
前記ベーンは、前記リムの前で終端して螺旋を形成し、該螺旋の内部に該ベーンによって加速された前記廃物流れが受け入れられることを特徴とする請求項1又は請求項に記載の分離装置。
【請求項7】
前記螺旋の壁が、前記粒子及び前記水を同伴して前記流体から該粒子及び該水を分離するように構成されることを特徴とする請求項に記載の分離装置。
【請求項8】
前記粒子出口は、前記リムと前記ベーンの端部とのうちの少なくとも一方の近くに設けられることを特徴とする請求項1、請求項から請求項のいずれか1項に記載の分離装置。
【請求項9】
前記流体出口が、前記リムと前記ベーンの端部とのうちの少なくとも一方の近くに設けられることを特徴とする請求項1、請求項から請求項のいずれか1項に記載の分離装置。
【請求項10】
前記導管は、前記リムに沿って延びる環状体内に形成されることを特徴とする請求項1に記載の分離装置。
【請求項11】
前記ラジアルファンの前記螺旋の壁によって同伴された前記粒子及び前記水から分離された流体が、前記遠心粒子分離器の導管まで搬送されることを特徴とする請求項又は請求項に記載の分離装置。
【請求項12】
前記入口と前記遠心分離器の間の公差が、水によって充填されて回転シールを与えるように寸法決めされることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の分離装置。
【請求項13】
廃物流れを処理する方法であって、
入口で水、流体及び粒子を含む廃物流れを受け入れる段階と、
ラジアルファン及び遠心粒子分離器を用いて前記流体から前記粒子の少なくとも一部を遠心分離する段階と、を含み、
前記遠心粒子分離器は、底板とリムによって結合された対向する板とによって定められた円筒形チャンバを含み、前記遠心粒子分離器は、回転可能であり、かつ前記リムの近くに軸線方向に延びて前記廃物流れを受け入れる複数の導管を含み、前記導管の壁が、該導管の回転中にそれを通して前記廃物流れが搬送される時に前記粒子及び前記水を同伴して前記流体から該粒子及び該水を分離するように構成され、各導管が、前記廃物流れを受け入れるための導管入口と、前記流体を放出するための出口としての導管出口とを含み、前記壁によって同伴された前記粒子及び前記水は前記導管入口を通して排出され、
前記方法は、さらに、流体出口で前記流体を供給する段階を含み、
前記ラジアルファンは、回転可能であり、かつ前記リムに向けて前記入口から延びる複数のベーンを含み、
前記方法は、さらに、前記処理された流体から分離された前記粒子を粒子出口で供給する段階を含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分離装置及び方法に関する。実施形態は、廃物流れの流体及び粒子を分離するための分離装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
分離装置は公知である。そのような装置は、流体中に粒子を含有する廃物流れの処理のために使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そのような装置は、廃物流れの処理を提供するが、それらは、いくつかの欠点を有する。従って、改良された分離装置を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の態様により、流体及び粒子を含む廃物流れを受け入れるように作動可能な入口と、流体から粒子の少なくとも一部を分離するように作動可能なラジアルファン及び遠心粒子分離器を含む遠心分離器と、流体を供給するための流体出口と、流体から分離された粒子を供給するための粒子出口とを含む分離装置を提供する。
【0005】
第1の態様は、廃物流れ内の粒子及び流体を分離する時に分離装置の効率が不十分であることを認識している。同じく、粒子を捕捉して除去するのに電気集塵装置のような粒子分離器を使用することができるが、これらは、有効であるためにはそれらが大きくて高電圧(典型的には25kV)で作動する必要があるので不便である。従って、分離装置を提供する。装置は、廃物流れを受け入れる入口を含むことができる。廃物流れは、流体(ガスなど)及び粒子の両方を含む場合がある。装置はまた、遠心分離器を含むことができる。遠心分離器は、ラジアルファン及び遠心粒子分離器の両方を含むことができる。ラジアルファン及び遠心粒子分離器は、両方とも流体から粒子の少なくとも一部を分離して処理流体を供給することができる。装置はまた、処理流体(分離された粒子が不在)を供給する流体出口を含むことができる。装置はまた、流体から分離された粒子を供給する粒子出口を含むことができる。このようにして、不便な電気集塵装置又は他の大きい粒子分離器を必要とすることなく、廃物流れ内の流体から効果的に粒子を除去することができる。代わりに、装置は、より小さいフットプリント内の改良された粒子捕捉及び除去を提供する。これは、より効率的かつ小型のデバイスを提供する。
【0006】
一実施形態において、廃物流れは、水を含む。従って、廃物流れはまた、水を含有する場合がある。一実施形態において、装置は、水を廃物流れの中に導入するように作動可能な水入口を含む。これに代えて又はこれに加えて、水は、廃物流れの中に追加することができる。いずれの事例でも、水の存在は、遠心分離器による流体内の粒子の分離及び捕捉を容易にすることができる。
【0007】
一実施形態において、遠心分離器は、底板とリムによって結合された対向する板とによって定められた円筒形チャンバを含む。相対する板の間の距離は、それらの相対する板の直径よりも有意に小さい場合があり、これは特に小型の配置を提供することは認められるであろう。
【0008】
一実施形態において、入口は、対向する板内の中心に位置する。入口を板内の中心に設けることは、遠心分離を最大にするのを補助し、かつ複雑なフィードを回避する。
【0009】
一実施形態において、粒子出口は、底板に位置付けられ、かつ粒子及び水を汚水槽の中に排出するように作動可能である。従って、流体及び水は、重力の下で除去することができる。
【0010】
一実施形態において、流体出口は、対向する板に位置付けられ、かつ流体を放出するように作動可能である。従って、処理流体は、圧力の下で遠心分離器から放出又は排出することができる。
【0011】
一実施形態において、粒子出口及び流体出口は、入口から半径方向に離れて位置付けられる。
【0012】
一実施形態において、ラジアルファンは、回転可能であり、かつリムに向けて入口から延びる複数のベーンを含む。
【0013】
一実施形態において、ベーンは、リムに向けて先細である。リムに向けた先細を提供することは、リムの近くの乱流を低減する。
【0014】
一実施形態において、ベーンは、リムの前で終端して螺旋を定め、その内部にベーンによって加速された廃物流れが受け入れられる。従って、廃物流れは、ベーン及びリムの端部間に定められた螺旋内に受け入れることができる。
【0015】
一実施形態において、螺旋の壁は、粒子及び水を同伴して流体から粒子及び水を分離するように構成される。従って、粒子及び水は、それらを処理流体から分離するために、壁によって受け入れられて保持することができる。
【0016】
一実施形態において、粒子出口は、リムとベーンの端部とのうちの少なくとも一方の近くに設けられる。従って、粒子出口は、粒子が集まる位置の近くに設けられる。
【0017】
一実施形態において、流体出口は、リムとベーンの端部とのうちの少なくとも一方の近くに設けられる。
【0018】
一実施形態において、遠心粒子分離器は、回転可能であり、かつリムの近くに軸線方向に延びて廃物流れを受け入れる複数の導管を含む。従って、遠心粒子分離器は、遠心粒子分離器の回転軸に沿ってそのリムの近くに延び、かつ廃物流れを受け入れる導管によって形成することができる。従って、導管は、遠心粒子分離器の回転軸に位置合わせすることができる。
【0019】
一実施形態において、導管の壁は、導管の回転中にそれを通じて廃物流れが搬送される時に粒子及び水を同伴して流体から粒子及び水を分離するように構成される。従って、導管の壁は、廃物流れがそれらの導管を通過する時に粒子及び水を受け入れて保持する。
【0020】
一実施形態において、各導管は、廃物流れを受け入れるための導管入口と、壁によって同伴されて入口を通って排出して戻される流体、燃焼粒子、及び水を放出するための出口としての導管出口とを含む。従って、分離された粒子及び水は、各導管からその入口を通って排出して戻される。
【0021】
一実施形態において、導管は、リムに沿って延びる環状体内に形成される。従って、導管は、リムから延びるリング内に形成される。
【0022】
一実施形態において、ラジアルファンの螺旋の壁によって同伴された粒子及び水から分離された流体は、遠心粒子分離器の導管まで搬送される。従って、ラジアルファンは、初期分離を行うことができ、遠心粒子分離器は、その後の分離を行うことができる。
【0023】
一実施形態において、ベーン及び導管は、螺旋内の流体速度を導管内の流体速度に合わせるように寸法決めされる。これは、乱流を低減するのを補助する。
【0024】
一実施形態において、装置は、遠心分離器を回転させるように作動可能なドライブを含む。
【0025】
一実施形態において、入口と遠心分離器の間の公差は、水によって充填されて回転シールを与えるように寸法決めされる。従って、水は、回転シールを与えるためにも利用することができる。
【0026】
一実施形態において、対向する板は、その面上に受け入れられた水を排出するように作動可能な排出孔を含む。従って、出口又は出口と結合した空隙から排出される水は、次に、その除去及びあらゆる同伴粒子の除去のために遠心分離器の中に流入して戻る。
【0027】
一実施形態において、装置は、入口から出口まで圧力の下で廃物流れを搬送するように作動可能である。
【0028】
一実施形態において、装置は、粒子出口から受け入れられた水を水入口及び遠心分離器を支持する軸受のうちの少なくとも一方までポンピングするように作動可能なポンプを含む。従って、同じドライブ及び水は、多目的のために使用することができる。
【0029】
第2の態様により、入口で流体及び粒子を含む廃物流れを受け入れる段階と、ラジアルファン及び遠心粒子分離器を用いて流体から粒子の少なくとも一部を遠心分離する段階と、流体出口で流体を供給する段階と、粒子出口で処理流体から分離された粒子を供給する段階とを含む廃物流れを処理する方法を提供する。
【0030】
一実施形態において、廃物流れは、水を含む。
【0031】
一実施形態において、本方法は、水を廃物流れの中に導入する段階を含む。
【0032】
一実施形態において、遠心分離器は、底板とリムによって結合された対向する板とによって定められた円筒形チャンバを含む。
【0033】
一実施形態において、入口は、対向する板内の中心に位置付けられる。
【0034】
一実施形態において、本方法は、粒子及び水を底板に位置付けられた粒子出口を通じて汚水槽の中に排出する段階を含む。
【0035】
一実施形態において、本方法は、対向する板に位置付けられた流体出口を通じて流体を放出する段階を含む。
【0036】
一実施形態において、粒子出口及び処理流体出口は、入口から半径方向に離れて位置付けられる。
【0037】
一実施形態において、本方法は、リムに向けて入口から延びる複数のベーンを含むラジアルファンを回転させる段階を含む。
【0038】
一実施形態において、ベーンは、リムに向けて先細である。
【0039】
一実施形態において、ベーンは、リムの前で終端して螺旋を定め、その内部にベーンによって加速された廃物流れが受け入れられる。
【0040】
一実施形態において、本方法は、螺旋の壁上に粒子及び水を同伴して流体から粒子及び水を分離する段階を含む。
【0041】
一実施形態において、粒子出口は、リムとベーンの端部とのうちの少なくとも一方の近くに設けられる。
【0042】
一実施形態において、処理流体出口は、リムとベーンの端部とのうちの少なくとも一方の近くに設けられる。
【0043】
一実施形態において、本方法は、リムの近くに軸線方向に延びて廃物流れを受け入れる複数の導管を含む遠心粒子分離器を回転させる段階を含む。
【0044】
一実施形態において、本方法は、導管の回転中に廃物流れがそれを通って搬送される時に導管の壁上に粒子及び水を同伴して流体から粒子及び水を分離する段階を含む。
【0045】
一実施形態において、本方法は、各導管の導管入口で廃物流れを受け入れる段階と、各導管の導管出口で流体を放出する段階と、壁によって同伴された燃焼粒子及び水を入口を通じて排出して戻す段階とを含む。
【0046】
一実施形態において、導管は、リムに沿って延びる環状体内に形成される。
【0047】
一実施形態において、本方法は、ラジアルファンの螺旋の壁によって同伴された粒子及び水から分離された流体を遠心粒子分離器の導管まで搬送する段階を含む。
【0048】
一実施形態において、ベーン及び導管は、螺旋内の流体速度を導管内の流体速度に合わせるように寸法決めされる。
【0049】
一実施形態において、本方法は、ドライブを用いて遠心分離器を回転させる段階を含む。
【0050】
一実施形態において、本方法は、入口と遠心分離器の間の公差を水によって充填されて回転シールを与えるように寸法決めする段階を含む。
【0051】
一実施形態において、本方法は、対向する板の面上に受け入れられた水をそこに設けられた排出孔を通じて排出する段階を含む。
【0052】
一実施形態において、本方法は、入口から出口まで圧力の下で廃物流れを搬送する段階を含む。
【0053】
一実施形態において、本方法は、粒子出口から受け入れられた水を水入口及び遠心分離器を支持する軸受のうちの少なくとも一方までポンピングする段階を含む。
【0054】
更に別の特定のかつ好ましい態様は、添付の独立及び従属クレームに説明されている。従属クレームの特徴は、適切な場合にかつクレームに明確に説明されたもの以外の組合せで独立クレームの特徴と組み合わせることができる。
【0055】
装置特徴が機能を提供するように作動可能であると説明される場合に、これは、その機能を提供するか又はその機能を提供するように適応又は構成された装置特徴を含むことは認められるであろう。
【0056】
本発明の実施形態を添付の図面を参照してここで以下に更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図1A】一実施形態による分離装置を示す図である。
図1B】一実施形態による分離装置を示す図である。
図2A】より詳細に図1Aの分離装置の遠心分離器を示す図である。
図2B】より詳細に図1Bの分離装置の遠心分離器を示す図である。
図2C】より詳細に図1Aの分離装置の遠心分離器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
実施形態の説明
実施形態を議論する前に、最初に概観を提供する。実施形態は、廃物流れを処理するための遠心分離器を有する分離器を提供する。遠心分離器は、ラジアルファン及び遠心粒子分離器の両方を利用し、それらは、廃物流れに存在する粒子状物質又は他の物質の抽出を助ける。
【0059】
分離器は、ラジアルファン及び遠心粒子分離器の組合せにより遠心力で作動する。ラジアルファン及び遠心粒子分離器の両方の存在は、小型の配置内で効率的で有効な粒子分離を提供する。特に、ラジアルファンは、初期分離を行って少なくとも一部の粒子を廃物流れ(ガスなど)から除去する。除去された少なくとも一部の粒子を有する廃物流れは、少なくとも一部の更に別の粒子を除去する遠心粒子分離器に提供される。典型的には、水又は他の液体は、廃物流れに存在し(又は廃物流れの中に導入され)、遠心分離器内の粒子の同伴を容易にすることができる。遠心分離器は、粒子及び水の両方を除去し、処理流体として除去粒子及び水なしの流体を放出する。従って、処理流体は、大部分の粒子及びあらゆる水が除去されていると考えられる。次に、これは、その後の更に別の処理のために放出又は供給することができる。
【0060】
分離装置
図1Aは、一実施形態による全体が符号10Aの分離装置を示している。分離装置10Aは、廃物ガス流れを処理する。廃物流れは、チャンバ30Aに給送する入口208で受け入れられる。廃物流れは、粒子状物質及び液体、この例では水と共に、流体流れを含むが、他の液体を利用することができるは認められるであろう。
【0061】
遠心分離器
廃物流れは、図2A〜2Cにより詳細に示されている遠心分離器40によって受け入れられる。特に、入口45が設けられ、それを通してあらゆる水及び流体流れ及び水内に既に同伴されたあらゆる燃焼粒子を含む廃物流れが遠心分離器40によって受け入れられる。
【0062】
遠心分離器40は、共通ハウジング200A内の分離装置10Aの他の部分に対して回転するように作動可能である。遠心分離器40の寸法は、共通ハウジング200Aにおいて妥当な適合性を提供し、排出孔を通じて遠心分離器40をバイパスする流体を抑制するように選択される。チャンバ30Aの端部と対向する板140の上部の間のクリアランスは、そうでなければ遠心分離器40により発生する吸引力を台なしにする再循環を最小にするほど十分に小さくするような寸法にされる。水は、典型的には、このクリアランスを充填し、更に漏出を低減する。
【0063】
遠心分離器40は、モータカプリング50Aに結合されたドライブ(図示せず)によって回転し、1対の対向する板120、140を有し、その間に対向する板140から直立した遠心粒子分離器に給送するラジアルファン構成要素がある。概観において、入口45で受け入れられた流れは、2相分離工程を受けて、粒子及び水が、流体流れから除去されて流体流れを離れる。廃物流れに存在する水は、粒子状物質の除去を助ける。従って、遠心分離器40を出る流体流れは、ほとんどの水及び粒子が除去されていることになる。
【0064】
特に、第1の相として、廃物流れは、リム100に向けて入口45からラジアルファン構成要素のベーン125によって加速される。この初期アクションは、次に、多くの粒子及び多くの水が遠心分離器40の底板120に設けられた排出孔110を通じてリム100の内面によって同伴され、汚水槽60の中に排出される時に初期分離を行う。廃物流れが、既に水を存在させていない場合に、それは、チャンバ30A又は遠心分離器40のいずれかの内部に分離装置10Aによって追加され、遠心分離器40において粒子捕捉を助けることができることは認められるであろう。
【0065】
遠心分離器40は、底板120と、底板120から離間して、廃物流れが流れる板120、140の間にチャンバ、空隙、又は空間を生成する対向する板140とを含む。対向する板140には、チャンバ30Aから廃物流れを受け入れるその中心に入口45が備わっている。底板120及び対向する板140は、周縁又はリム100で互いに融合される。板120、140の間に中心から周縁に廃物流れを押圧するベーン125があり、それによって入口45において圧力の低下を生じる。この例では、ベーンは、入口45に対して接線方向に配置されて湾曲し、リム100に向けて先細である。しかし、ベーン125の他の配置も利用することができることは認められるであろう。図2Cに最もよく示すように、ベーン125は、部分的にのみリム100に向けて延び、燃焼粒子及び水が集まることができる明確な通路又は螺旋を残す。
【0066】
ラジアルファン構成要素による廃物流れの加速と共にチャンバ30Aからの廃物流れの正圧は、廃物流れの流れをそれがリム100の内面に隣接する螺旋内に受け入れられた状態で引き起こし、遠心粒子分離器の中に方向Bに流れる。ラジアルファン要素を追加することで、大気圧よりも低い入口を提供し、遠心分離器40に給送する螺旋ハウジングの要件を回避する。
【0067】
遠心粒子分離器は、対向する板140から延びる細長い環状体又はリム160によって形成され、その中に複数の導管130が設けられる。導管130は、廃物流れから粒子及び水を更に除去する遠心粒子分離器を互いに形成する。図示のように、それらの導管130は、長くて狭いアスペクト比を有する。粒子、水、及び流体が、遠心分離器として作用する導管130通して移動すると、流れ内の同伴粒子の遠心加速度により、それらは導管130の壁に投げ付けられる。同伴水滴も、導管130の壁に投げ付けられて燃焼粒子を洗い流すのを補助する。次に、同伴物質は、重力下で導管130を流れて戻り、それが次にリム100の内面に隣接する螺旋に向けて戻り、そこで、それは、次に、排出孔110を通じて汚水槽60の中に排出することができる。実質的に粒子及び水滴がない流体は、複数の導管130の上部を出て出口210を通じて放出される。
【0068】
図1Bにより詳細に示すように、底板120はまた、中心ハブ127を含み、それによって遠心分離器40は、ドライブシャフト67Aを収容する支柱69A上に回転可能に装着される。ドライブシャフト67Aは、モータカプリング50Aを通じてモータ(図示せず)によって駆動される。支柱69Aは、ハブ127に取りつけられたロータカプリング128を通じて遠心分離器を駆動するように機能するドライブシャフト67Aを収容する。この配置において、モータカプリング50Aは、直接駆動のためのものである。
【0069】
流体が出口210を通じて放出される前にいずれかの水によって同伴されたいずれの残留粒子も、遠心分離器40の上板140によって受け入れられる。ラジアルファン構成要素が位置付けられたチャンバの中に排出して戻すための排出孔150が設けられる。水も、導管130の壁上に同伴されたあらゆる物質を除去するのを補助するために導管130の中に排出される。
【0070】
汚水槽
汚水槽60は、水及び粒子を受け入れ、同じくモータカプリング50Aによって給電されて水を分離装置10Aに供給し、並びに遠心分離器40のための軸受を円滑にする遠心水ポンプ65を利用する。
【0071】
特に、支柱69は、汚水槽60の下部に装着された遠心水ポンプ65の入口も形成する。このポンプ65は、作動流体、例えば、水を汚水槽60から取って、流体サービスを必要とする分離装置10Aの様々な部分にそれを分配する。それはまた、排出のために作動流体の一部分を定期的に排出する作用をする。遠心水ポンプ65は、流体漏出を防止する回転シールが装着されたドライブシャフトから直接駆動することができる。これに代えて、遠心水ポンプ65は、磁気的に結合することができる。両方の実施形態において、1つの駆動システム、例えば、電気モータが、水ポンプ65及び遠心分離器40の両方を駆動する。従って、チャンバ圧力の低下、粒子剥がし、及び作動流体循環は、単一分離装置10Aにおいて便利に達成される。
【0072】
チャンバ30A、遠心分離器40、及び汚水槽60は、共通ハウジング200A内に同軸的に同じ場所に位置付けられる。
【0073】
本発明の例示的実施形態を添付の図面を参照して本明細書で詳細に開示したが、本発明は、正確な実施形態に限定されず、特許請求の範囲及びその均等物によって定められる本発明の範囲から逸脱することなく当業者が様々な変形及び修正をそこに達成することができることは理解される。
【符号の説明】
【0074】
10A 分離装置
40 遠心分離器
60 汚水槽
125 ベーン
150 排出孔
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C